説明

携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラム及び記憶媒体

【課題】必要部分のエラーログのみを抽出し、限られた記憶容量の中で必要なエラーログを保持しておくことで、後の利用者のバグ対応時の作業負荷を軽減させる仕組みを提供する
【解決手段】ハンディターミナル101は、利用者の操作に応じて処理されるアプリケーションのログを記憶し、エラーが発生した場合に、予め703で設定したログ取得範囲情報に基づいて、該当するエラー種類に応じたログを抽出してエラーログを生成する。エラーログは所定の保存領域に保存され、利用者の任意のタイミングで、端末に送信される。保存していたエラーログが送信されると、アプリケーションのログを削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンディターミナルに代表される携帯端末でエラーが発生した際のアプリケーションログ取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日常の様々な場面において、ハンディターミナルを用いた検針業務や、情報収集業務がなされている。ハンディターミナルの利用者は、ハンディターミナルに搭載されているアプリで、データの入力、保存、送信といった処理を行うため、ハンディターミナルの中央処理装置(以下、CPU)は、大容量のデータ処理を行う必要があった。また、様々な処理を行う運用上、バグ(エラー)が起こりうる可能性があり、その原因を取得するためのログを記憶しておく必要があった。
【0003】
上記課題を解決するために、下記の特許文献1では、情報処理装置上で、エラー情報を記憶部に記憶しておき、必要に応じて選択的にエラー情報を取得することが可能な発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−129655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的にハンディターミナルは、可搬性というユーザビリティに重きを置いているため、固定型の情報処理装置のように大容量のメモリは搭載できず、限られたメモリの容量でデータの入力、保存、送信等の業務をする必要がある。
【0006】
そのため、現状では、上記特許文献1の発明のように大容量のログを記憶することは難しい。また、利用者が操作している最中に発生するバグの原因究明のためにログを記憶しておく場合でも、携帯端末の処理速度を低下させないために、メモリ領域は最小限に留めることが望ましい。
【0007】
そこで、本発明の目的は、必要部分のみを抽出し、限られた記憶容量の中で必要なエラーログを保持しておくことで、後の利用者のバグ対応時の作業負荷を軽減させる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、ユーザ操作に応じて実行される処理のログを記憶管理する携帯端末において、前記携帯端末で動作するアプリケーションで発生するエラー毎ののログ取得範囲を設定するログ取得範囲設定手段と、前記アプリケーションのエラーを検知する検知手段と、前記検知手段により検知されたエラーの種類を識別する識別手段と、前記識別手段により識別された前記エラーの種類に応じて、前記ログ取得範囲設定手段により設定された前記エラーの取得範囲分のログからエラーログを生成する生成手段と、前記生成手段で生成されたエラーログを所定の保存領域に保存する保存手段と、前記携帯端末を管理している管理装置に送信すべく、前記保存手段で保存したエラーログを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記保存手段で保存可能な前記エラーログの保存容量を設定する保存容量設定手段と、前記保存容量設定手段で設定された前記保存容量のうち、前記保存手段で保存された前記エラーログの容量が所定の容量に達しているかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記エラーログが前記保存容量に対して所定の容量に達している場合、前記エラーログを前記管理装置に送信させるべく報知する報知手段とを更に備える。
【0010】
また、本発明は、前記ログ取得範囲設定手段でログ取得範囲を設定するエラーの種類を設定するログ種類設定手段とを更に備える。
【0011】
また、本発明は、前記出力手段で送信したエラーログ以外に前記携帯端末に記憶管理される動作ログを削除する削除手段とを更に備える。
【0012】
また、本発明は、前記ログ取得範囲設定手段は、前記アプリケーション毎のログ取得範囲を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、必要部分のみを抽出し、限られた記憶容量の中で必要なバグ情報を保持することで、後の利用者のバグ対応時の作業負荷を軽減させる仕組みを提供することが可能になる。
【0014】
具体的には、携帯端末で動作するアプリケーションのログの中から、エラーの原因究明のために必要とみなされる部分のログを抽出することができ、メモリ容量の少ない携帯端末上であっても、最低限のファイル容量でエラーログを保持することが可能になり、利用者の負担を軽減できると共に、エラーログ取得によるバグの原因究明に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成図である。
【図2】図1における携帯端末のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1における携帯端末のモジュール構成図である。
【図4】図1における携帯端末が実行するログ取得範囲設定を示すフローチャートである。
【図5】図1における携帯端末が実行するエラー発生時のログ圧縮方法を示すフローチャートである。
【図6】図1における携帯端末が実行する上位システムにエラーログを送信する時のフローチャートである。
【図7】図1における携帯端末が実行するログ取得範囲設定時の画面である。
【図8】図1における携帯端末が実行するエラーログのイメージ図である。
【図9】図1における携帯端末が実行するログ取得範囲テーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面により本発明を実施するための形態について説明していく。
まず、図1を用いて、本発明のシステム構成について説明する。
【0017】
本実施形態に係るシステムは、ハンディターミナル101と、端末102とが、LAN等のネットワーク103を介して相互に通信可能に接続された構成となっている。端末102は、コンピュータ等の携帯端末で構成される。
【0018】
ハンディターミナル101は、利用者の検診業務等に用いられる。利用者による処理の選択受付、HTで受け付ける操作のログ範囲の入力、端末102への取得エラーログ送信を可能とする。また、エラーログの取得範囲の設定値を、図9で後述するログ範囲テーブル形式で登録可能とする。
【0019】
本発明において、ログとは、アプリケーション上で何らかのエラーが発生した際に書きこまれる、アプリケーションログのことである。このアプリケーションログは、アプリケーション毎に記憶管理されるものとする。なお、ハンディターミナル101は、それぞれ複数台あっても構わない。
【0020】
次に、図2を用いて本発明のハンディターミナル101のハードウエア構成について説明する。
図2は、本発明のハンディターミナル101におけるハードウエア構成の一例を示す図である。
図2において、201はCPU201であり、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0021】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、サーバ或いは各クライアントの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0022】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0023】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0024】
ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ210への表示を制御する。ディスプレイは、CRTディスプレイでも液晶ディスプレイ等でも構わない。
【0025】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、利用者ファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標)(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0026】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワーク103を介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0027】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。
【0028】
また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等での利用者指示を可能とする。
【0029】
本発明を実現するためのプログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0030】
さらに、本発明に係わるプログラムが用いる各種データ及び各種テーブルは外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
なお、全ての装置がこれらの構成を備えているわけではなく、必要なものを夫々備えていればよい。
【0031】
次に、図3を用いて、本発明のハンディターミナル101のモジュール構成について説明する。
図3は、ハンディターミナル101におけるモジュール構成の一例を示す図である。
【0032】
本発明のハンディターミナル101は、例えば、データ送信部301、データ受信部302、ログ範囲設定部303、IP設定部304、FTP設定部305、日付・時刻設定部306を備えているものとする。
【0033】
後述のハンディターミナル101の表示部に表示される画面のうち、図7のメンテナンスメニュー702で「ログ範囲設定ボタン」の押下を受け付けると、ログ範囲設定部303は、取得したいログの範囲を入力を受け付ける。また、取得したログのデータは、図7の送受信メニュー704で送信ボタンの押下を受け付けることで、データ送信部301は、取得したログを端末へ送信制御を実行する。
【0034】
次に、図4のフローチャートを用いて、本発明のハンディターミナル101で取得するログの範囲設定方法について説明する。
図4は、本実施形態を示すシステムにおけるログ取得範囲設定を示すフローチャート図である。
【0035】
ステップS401において、ハンディターミナル101のCPU201は、メインメニュー画面(図7の701)を表示して処理選択の受付監視状態にて待機し、利用者によって選択された処理内容を受け付ける。
【0036】
利用者により、ステップS401で図7の701から「メンテナンス」が選択されると、ステップS402において、ハンディターミナル101のCPU201は、メンテナンスメニュー画面(図7の702)を表示してメンテナンス設定の受付監視状態にて待機し、利用者によって選択された処理内容を受け付ける。
【0037】
利用者により、ステップS402でメンテナンスメニュー画面(図7の702)から「ログ範囲設定」が選択されると、ステップS403において、ハンディターミナル101のCPU201は、ログ範囲設定画面(図7の703)を表示し、3種類のエラー(エラー・情報・警告)それぞれにおけるログの取得範囲の設定と、保存したログの容量が規定のファイル容量を上回ったら警告する際の設定を受け付ける。
【0038】
ステップS404〜407において、ハンディターミナル101のCPU201はエラーログ・情報ログ・警告ログの取得範囲の入力および保存可能な容量が残り少なくなったら警告するための数値を受け付ける。
【0039】
本発明で取得するエラーログとは、データや機能の損失などの重大な問題のことである。エラーログは、図8のアプリケーションログ801上では、「Error」という記述がされることが予め定義されている。
【0040】
本発明で取得する情報ログとは、アプリケーションの成功した操作を記述するイベントのことである。情報ログは、図8のアプリケーションログ801上では、「Information」という記述がされることが予め定義されている。
【0041】
本発明で取得する警告ログとは、必ずしも重大でないが、将来問題になりそうなイベントのことである。警告ログは、図8のアプリケーションログ801上では、「Warning」という記述がされることが予め定義されている。
【0042】
なお、本発明では上記3種類のエラーログを取得するが、エラーログの種類については本発明の実施例のように3種類に限定する必要はない。
【0043】
本処理によれば、取得するログの範囲を設定することで、HTで記憶するアプリケーションログのうち、必要とする箇所だけログを保存し、端末102に送信することが可能になる。
【0044】
入力が終わると、ステップS408において入力内容を保存し、図9で後述する901のログ取得範囲テーブルを生成する。なお、ステップSS404〜407で設定するログの取得範囲と保存容量については、アプリケーション毎に設定することが可能である。
【0045】
具体的には、ハンディターミナル101上に「A」、「B」、「C」という3つのアプリケーションが存在している場合に、「A」というアプリケーションでは、エラーログを15行、情報ログを10行、警告ログを5行ずつ取得し、かつ、ログの保存容量が80%を超えたらその旨を報知するメッセージや電子音でユーザに知らせることができる。
【0046】
また、「B」というアプリケーションでは、エラーログを20行、情報ログを10行、警告ログを3行ずつ取得し、かつ、ログの保存容量が70%を超えたらその旨を報知するメッセージや電子音でユーザに知らせる、といったように、アプリケーション毎のログ取得範囲や保存容量につて設定可能である。
【0047】
図9は、本実施形態を示すシステムにおいて、ハンディターミナル101のステップS404〜ステップS406で設定し、外部メモリ211に記憶されるログ取得範囲テーブルの一例を示すデータ構成図である。
【0048】
図9に示すように、ログ取得範囲テーブルは、エラーの種類(エラー・情報・警告)とログ取得範囲から構成される。エラーの種類毎にエラーログの取得範囲が設定されている。
【0049】
また、ログ取得範囲テーブルは、ハンディターミナル101に搭載されているアプリケーション毎に設定されているものとする。図9の901は、「A」というアプリケーションのログ取得範囲テーブルであり、902は、「B」というアプリケーションのログ取得範囲テーブルである。
【0050】
次に、図5のフローチャートを用いて、本発明のハンディターミナル101で取得するログの圧縮方法について説明する。
【0051】
図5は、本実施形態を示すシステムにおけるエラー発生時のログ圧縮方法を示すフローチャート図である。
【0052】
ステップS501において、ハンディターミナル101のCPU201は、利用者による操作の受付監視状態にて待機し、HTの操作を受け付けると、ステップS502において、ハンディターミナル101のCPU201は、アプリケーションログ(図8の801)が生成される。
【0053】
ステップS503において、アプリケーションログ上でエラーが存在するかどうかのチェックを行い、エラーが存在する場合にはステップS504へ移る。
【0054】
エラーのチェックとは、具体的に、アプリケーションログ上に「Error」「Information」「Warning」という記述が存在するかどうかの検索を行う。
【0055】
ステップS504において、エラーの種類(エラーor情報or警告)を識別し、ステップS505でハンディターミナル101のメモリ上に、識別したエラーの種類を保持しておく。
【0056】
識別の方法は、例えば、アプリケーションログ上に「Information」の記述が存在したら、エラーの種類は「情報」ということになる。
【0057】
ステップS506において、保持していたエラーの種類に応じたログ取得範囲に従って(図9の901ログ取得範囲テーブルを参照)、アプリケーションログからログ取得範囲分をコピーし、新たに端末102に送信するためのログ(図8の802・803・804)を生成する。
【0058】
図8の802は、506で生成されるエラーログのうち、種類が「エラー」であるログの一例である。「エラー」のログは、ステップSS404のログ取得範囲設定画面(図7の703)でログ取得範囲を設定した範囲分がコピーされ新たにエラーログが生成される。本発明において、図7の703では「Error」のログから前後15行分をコピーするように設定しているため、図8の802では前後15行分のログが新たに生成される。
【0059】
図8の803は、506で生成されるエラーログのうち、種類が「情報」であるログの一例である。本発明において、図7の703では「情報」のログから前後10行分をコピーするように設定しているため、図8の803では前後10行分のログが新たに生成される。
【0060】
図8の804は、506で生成されるエラーログのうち、種類が「警告」であるログの一例である。本発明において、図7の703では「警告」のログから前後5行分をコピーするように設定しているため、図8の804では前後5行分のログが新たに生成される。 ステップS507において、ハンディターミナル101のCPU201は、ステップS506で生成したログをハンディターミナル101の外部メモリ211に保存する。
【0061】
続いてステップS508において、エラーログを保存する保存領域の残量確認を行う。具体的には、エラーログを保存する所定の領域(例えば外部メモリ211の行ってい容量の記憶領域)に対して保存容量が80%以上を超えていないかをチェックする。今まで保存してきたエラーログのファイルサイズが予め規定しているMAXファイルサイズの80%以下の場合にはステップS510へ移る。
【0062】
ログのファイルサイズがMAXファイルサイズの80%より大きい場合には、ステップS509へ分岐し、データ送信を促すメッセージを画面(図7の708)を表示する。ここでは、80%より大きい場合にメッセージを表示するように設定しているが、この設定は図7の703のログ取得範囲設定画面において設定することが可能である。
【0063】
ステップS510で、ハンディターミナル101のCPU201は、ハンディターミナル101の操作を終了する処理を受付けたか否かを判定し、操作の終了指示があった場合には処理を終了させる。終了指示を受け付けていない場合には、ステップS501に戻って利用者の操作処理の待機状態に入る。
【0064】
次に、図6のフローチャートを用いて、本発明のハンディターミナル101から端末102へエラーログを送信する方法について説明する。
【0065】
図6は、本実施形態を示すシステムにおける端末102へエラーログを送信する時のフローチャート図である。
【0066】
ステップS601において、ハンディターミナル101のCPU201は、メインメニュー画面(図7の701)を表示して処理選択の受付監視状態(図7の701)にて待機し、利用者によって選択された処理内容を受け付ける。
【0067】
利用者により、ステップS601でメインメニュー画面(図7の701)から「送受信」が選択されると、ステップS602において、ハンディターミナル101のCPU201は、送受信メニュー画面(図7の704)を表示して、受付監視状態にて待機し、利用者によって選択された処理内容を受け付ける。
【0068】
利用者により、ステップS602で送受信メニュー画面(図7の704)から「送信」が選択されると、ステップS603において、ハンディターミナル101のCPU201は「送信画面」(図7の705)を表示する。
【0069】
ステップS604において、送信画面(図7の705)では、例えば「HTを通信ユニットにセットしてください」という画面が表示された状態で処理待機状態に入るので、利用者によりハンディターミナル101が不図示の通信ユニットにセットされると、ハンディターミナル101内の所定のエラーログ保存領域にエラーログが保存されているかどうかのチェックを行い、エラーログが存在する場合にはステップS605へ移る。エラーログが存在しない場合には、後述のステップS608へ移る。
【0070】
ステップS605において、ハンディターミナル101内に保存されているエラーログとその他の未送信データを端末102へ送信する。
【0071】
ステップS608においては、ハンディターミナル101内に保存されている未送信データを端末102へ送信する。
【0072】
ハンディターミナル101から端末102へのデータ送信時、ステップS606において通信状況のチェックを行い、通信が正常に行われている場合は、ステップS607へ移り、「送信完了画面」(図7の706)を表示する。
【0073】
通信中に異常が発生した場合には、ステップS609へ移り、「送信異常終了画面」(図7の707)を表示する。この時に、ハンディターミナル101の表示部に再送信を促すメッセージを表示するよう制御してもよい。
【0074】
次にステップS610において、ハンディターミナル101のCPU201は、データの送信が正常に終了したことを確認すると(ステップS607)、外部メモリ211内に保存されているログを消去する。
【0075】
ログの消去方法は、例えば、ハンディターミナル101に保存されているアプリケーションログ801と、ステップS607で正常に送信が完了したエラーログ802〜804の両方を消去する方法と、あるいは、アプリケーションログ801のみを消去する方法とがある。
【0076】
前者の方法では、送信完了したデータを一度に削除できるという特性があるのに対し、後者の方法では、エラーログは、ユーザに操作により別のタイミングで一つずつ確認をしてから消去することができるという特背がある。本発明においては、特にデータの削除方法、及び、アプリケーションログ801とエラーログ802〜804の消去タイミングについては限定しない。
【0077】
以上、本発明によれば、必要部分のみを抽出し、限られた記憶容量の中で必要なバグ情報を保持することで、後の利用者のバグ対応時の作業負荷を軽減させる仕組みを提供することが可能になる。
【0078】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0079】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0080】
また、本発明におけるプログラムは、図の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4および10の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4および10の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0081】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0082】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0083】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0084】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0085】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0086】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0087】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
101 ハンディターミナル
102 端末
103 ネットワーク
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/Fコントローラ
209 KB(またはマウス)
210 ディスプレイ
211 外部メモリ(HD、FC)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に応じて実行される処理のログを記憶管理する携帯端末において、
前記携帯端末で動作するアプリケーションで発生するエラー毎のログ取得範囲を設定するログ取得範囲設定手段と、
前記アプリケーションのエラーを検知する検知手段と、
前記検知手段により検知されたエラーの種類を識別する識別手段と、
前記識別手段により識別された前記エラーの種類に応じて、前記ログ取得範囲設定手段により設定された前記エラーの取得範囲分のログからエラーログを生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたエラーログを所定の保存領域に保存する保存手段と、
前記携帯端末を管理している管理装置に送信すべく、前記保存手段で保存したエラーログを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記保存手段で保存可能な前記エラーログの保存容量を設定する保存容量設定手段と、
前記保存容量設定手段で設定された前記保存容量のうち、前記保存手段で保存された前記エラーログの容量が所定の容量に達しているかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記エラーログが前記保存容量に対して所定の容量に達している場合、前記エラーログを前記管理装置に送信させるべく報知する報知手段とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記ログ取得範囲設定手段でログ取得範囲を設定するエラーの種類を設定するログ種類設定手段とを更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記出力手段で出力したエラーログ以外に前記携帯端末に記憶管理される動作ログを削除する削除手段とを更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記ログ取得範囲設定手段は、前記アプリケーション毎のログ取得範囲を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
ユーザ操作に応じて実行される処理のログを記憶管理する携帯端末における制御方法であって、
前記携帯端末のログ取得範囲設定手段が、前記携帯端末で動作するアプリケーションで発生するエラー毎のログ取得範囲を設定するログ取得範囲設定ステップと、
前記携帯端末の検知手段が、前記アプリケーションのエラーを検知する検知ステップと、
前記携帯端末の識別手段が、前記検知ステップにより検知されたエラーの種類を識別する識別ステップと、
前記携帯端末の生成手段が、前記識別ステップにより識別された前記エラーの種類に応じて、前記ログ取得範囲設定ステップにより設定された前記エラーの取得範囲分のログからエラーログを生成する生成ステップと、
前記携帯端末の保存手段が、前記生成ステップで生成されたエラーログを所定の保存領域に保存する保存ステップと、
前記携帯端末の出力手段が、前記携帯端末を管理している管理装置に送信すべく、前記保存ステップで保存したエラーログを出力する出力ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
ユーザ操作に応じて実行される処理のログを記憶管理する携帯端末において実行可能なプログラムであって、
前記携帯端末を、
前記携帯端末で動作するアプリケーションで発生するエラー毎のログ取得範囲を設定するログ取得範囲設定手段と、
前記アプリケーションのエラーを検知する検知手段と、
前記検知手段により検知されたエラーの種類を識別する識別手段と、
前記識別手段により識別された前記エラーの種類に応じて、前記ログ取得範囲設定手段により設定された前記エラーの取得範囲分のログからエラーログを生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたエラーログを所定の保存領域に保存する保存手段と、
前記携帯端末を管理している管理装置に送信すべく、前記保存手段で保存したエラーログを出力する出力手段として機能させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−118610(P2011−118610A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274714(P2009−274714)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】