説明

携帯端末及びキー入力支援方法

【課題】キー入力の際のユーザの動作量を抑えることにより操作の快適性を確保できる携帯端末及びキー入力支援方法を提供する。
【解決手段】携帯端末1及びキー入力支援方法では、操作キー3をユーザが操作しようとした場合に、ユーザの指等が接触している接触位置を検出し、接触位置とその周辺部分を含めた接触位置周辺画像11を表示部5に表示する。したがって、操作部4と表示部5とが離間していても、ユーザは目や顔をほとんど動かすことなく接触位置と表示部5での入力結果とを視認できる。これにより、キー入力の際のユーザの動作量が抑えられ、操作の快適性を確保できる。また、携帯端末1及びキー入力支援方法では、接触位置に対応するポインタ画像12を接触位置周辺画像11に重ねて表示する。これにより、ユーザが直感的に接触位置を判別できるので、ユーザの動作量が効果的に抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末及びキー入力支援方法
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などに代表される携帯端末では、端末が小型であるが故に操作のしやすさを確保することが課題となっている。例えば特許文献1に記載の携帯電子機器では、表示部のサイズよりも表示する画面が大きい場合にページを操作するためのキーを光源で照らすことにより、操作に有効なキーをユーザに報知できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−95018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば折りたたみ式の携帯電話機のように、文字などを入力するためのキーの位置と文字や画像が表示される表示部の位置とが離れている端末では、ユーザが自分の手元と表示部とを交互に見ながらキー入力している場面が多く見られる。この場合、ユーザは目や顔を頻繁に動かしながら入力を行うこととなるため、入力量が増加するに伴って疲労が蓄積するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、キー入力の際のユーザの動作量を抑えることにより操作の快適性を確保できる携帯端末及びキー入力支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決のため、本発明に係る携帯端末は、複数の操作キーが配列されてなる操作部と、操作部から離間して配置された表示部とを備えた携帯端末であって、操作部においてユーザが接触している接触位置を検出する接触位置検出手段と、接触位置検出手段によって接触位置が検出された場合に、接触位置とその周辺部分を含めた接触位置周辺画像を表示部に表示すると共に、接触位置に対応するポインタ画像を接触位置周辺画像に重ねて表示部に表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
この携帯端末では、操作部を構成する操作キーをユーザが操作しようとした場合に、ユーザの指等が接触している接触位置を検出し、接触位置とその周辺部分を含めた接触位置周辺画像を表示部に表示する。したがって、操作部と表示部とが離間していても、ユーザは目や顔をほとんど動かすことなく接触位置と表示部での入力結果とを視認できる。これにより、キー入力の際のユーザの動作量が抑えられ、操作の快適性を確保できる。また、この携帯端末では、接触位置に対応するポインタ画像を接触位置周辺画像に重ねて表示部に表示する。これにより、ユーザが直感的に接触位置を判別できるので、ユーザの動作量を極めて効果的に抑えることができる。
【0008】
また、本発明に係るキー入力支援方法は、複数の操作キーが配列されてなる操作部と、操作部から離間して配置された表示部とを備えた携帯端末におけるキー入力支援方法であって、接触位置検出手段が、操作部においてユーザが接触している接触位置を検出するステップと、表示制御手段が、接触位置検出手段によって接触位置が検出された場合に、接触位置とその周辺部分を含めた接触位置周辺画像を表示部に表示すると共に、接触位置に対応するポインタ画像を接触位置周辺画像に重ねて表示部に表示するステップと、を備えたことを特徴としている。
【0009】
このキー入力支援方法では、操作部を構成する操作キーをユーザが操作しようとした場合に、ユーザの指等が接触している接触位置を検出し、接触位置とその周辺部分を含めた接触位置周辺画像を表示部に表示する。したがって、操作部と表示部とが離間していても、ユーザは目や顔をほとんど動かすことなく接触位置と表示部での入力結果とを視認できる。これにより、キー入力の際のユーザの動作量が抑えられ、操作の快適性を確保できる。また、このキー入力支援方法では、接触位置に対応するポインタ画像を接触位置周辺画像に重ねて表示部に表示する。これにより、ユーザが直感的に接触位置を判別できるので、ユーザの動作量を極めて効果的に抑えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、キー入力の際のユーザの動作量を抑えることにより操作の快適性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る携帯端末の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した携帯端末の操作部を示す正面図である。
【図3】図1に示した携帯端末の機能的な構成要素を示すブロック図である。
【図4】接触位置周辺画像格納部に格納される情報の一例を示す図である。
【図5】表示部に表示される接触位置周辺画像及びポインタ画像の一例を示す図である。
【図6】図1に示した携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る携帯端末及びキー入力支援方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る携帯端末の一実施形態を示す斜視図である。図1に示す携帯端末1は、物理的には、例えばCPU(中央処理装置)、メモリ、通信インターフェイス、ハードディスクなどを備えた携帯電話機である。携帯端末1は、複数の操作キー3が配列されてなる操作部4を有する基端側の筐体2Aと、表示部5が配置された先端側の筐体2Bとを備え、筐体2Aに対して筐体2Bを自在に開閉可能な折りたたみ式携帯端末となっている。
【0014】
携帯端末1の筐体2Aの内部には、操作部4に対応する静電パッド(接触位置検出手段)6が設けられている。静電パッド6は、パッド下の電極の静電容量の変化に基づいて、操作部4においてユーザの指などが接触している接触位置を検出する部分である。静電パッド6は、例えば図2に示すように、十字キー・各種ショートカットキー・発信キー・クリアキーなどが配置された部分に対応する領域6A、1〜6の数字キーが配置された部分に対応する領域6B、0及び7〜9の数字キー・♯キー・*キーが配置された部分に対応する領域6Cを有している。
【0015】
各領域6A〜6Cには、例えば筐体2Aの幅方向をX軸及び長さ方向をY軸とする座標が割り当てられている。領域6Aに属する座標は、例えばX:0〜100,Y:0〜80となっており、領域6Bに属する座標は、例えばX:0〜100,Y:81〜120となっている。また、領域6Cに属する座標は、例えばX:0〜100,Y:121〜160となっている。静電パッド6は、接触位置を検出した場合に、接触位置の座標を示す座標情報を後述の表示制御部101に出力する。
【0016】
図3は、携帯端末1の機能的な構成要素を示すブロック図である。同図に示すように、携帯端末1は、機能的な構成要素として、上述した静電パッド6及び表示部5と、表示制御部101と、接触位置周辺画像格納部102とを有している。
【0017】
表示制御部101は、表示部5に表示される文字・画像等を制御する部分である。より具体的には、表示制御部101は、表示部5に文字入力画面が表示されているときに静電パッド6から座標情報を受け取ると、この座標情報に基づいて接触位置周辺画像格納部102を参照する。ここで、図4は、接触位置周辺画像格納部102に格納される情報の一例を示す図である。
【0018】
図4に示す例では、接触位置周辺画像格納部102には、接触位置座標に関連付けて接触位置周辺画像11が格納されている。接触位置周辺画像11は、接触位置とその周辺部分を含めた画像であり、例えば静電パッド6の領域6A(X:0〜100,Y:0〜80)に対応する接触位置周辺画像11Aと、静電パッド6の領域6B(X:0〜100,Y:81〜120)に対応する接触位置周辺画像11Bと、静電パッド6の領域6C(X:0〜100,Y:121〜160)に対応する接触位置周辺画像11Cとが予め用意されている。
【0019】
表示制御部101は、静電パッド6から受け取った座標情報に対応する接触位置周辺画像11を接触位置周辺画像格納部102から読み出し、図5に示すように、表示部5に表示されている文字入力画面Gの一部に表示させる。また、表示制御部101は、静電パッド6から受け取った座標情報に基づいて、接触位置に対応するポインタ画像12を接触位置周辺画像11に重ねて表示させる。
【0020】
表示制御部101は、接触位置が同一の領域内で変位した場合には、図5(a)に示すように、同一の接触位置周辺画像11を表示したままポインタ画像12を変位させ、接触位置が異なる領域に変位した場合には、図5(b)に示すように、表示部5に表示する接触位置周辺画像11を変位先の接触位置に対応する接触位置周辺画像11に更新する。表示制御部101は、ユーザによる文字入力完了操作を受け付けた場合に、接触位置周辺画像11及びポインタ画像12を表示部5から消去する。
【0021】
続いて、上述した構成を有する携帯端末1の動作について説明する。図6は、携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【0022】
携帯端末1では、ユーザがメール作成やWebページの検索を行う際、表示部5に文字入力画面が表示される(ステップS01)。次に、ユーザが文字入力を行うために操作キー3に触れると、静電パッド6による接触位置の検出が行われる(ステップS02)。接触位置が検出されると、次に、接触位置に対応する接触位置周辺画像が決定され(ステップS03)、接触位置周辺画像11及びポインタ画像12が表示部5に表示される(ステップS04)。
【0023】
接触位置周辺画像11及びポインタ画像12が表示部5に表示された後は、接触位置の変位に応じてポインタ画像12の位置が変位する。このとき、接触位置の座標に基づいて、表示されている接触位置周辺画像11の領域外に接触位置が移動したか否かが判断され(ステップS05)、接触位置周辺画像11の領域外に移動したと判断された場合には、ステップS02〜ステップS04と同様の手順で、表示部5に表示される接触位置周辺画像11が変位先の接触位置に対応する接触位置周辺画像11に更新される。
【0024】
この後、文字入力完了操作を受け付けたか否かが判断され(ステップS06)、文字入力完了操作の受け付けがなされるまでは、ステップS02〜ステップS05の各処理が繰り返し実行される。また、文字入力完了操作の受け付けがなされると、接触位置周辺画像11及びポインタ画像12が表示部5から消去され、処理が終了する。
【0025】
以上説明したように、この携帯端末1及びキー入力支援方法では、操作部4を構成する操作キー3をユーザが操作しようとした場合に、ユーザの指等が接触している接触位置を検出し、接触位置とその周辺部分を含めた接触位置周辺画像11を表示部5に表示する。したがって、操作部4と表示部5とが離間していても、ユーザは目や顔をほとんど動かすことなく接触位置と表示部5での入力結果とを視認できる。これにより、キー入力の際のユーザの動作量が抑えられ、操作の快適性を確保できる。また、この携帯端末1及びキー入力支援方法では、接触位置に対応するポインタ画像12を接触位置周辺画像11に重ねて表示部5に表示する。これにより、ユーザが直感的に接触位置を判別できるので、ユーザの動作量を極めて効果的に抑えることができる。
【符号の説明】
【0026】
1…携帯端末、3…操作キー、4…操作部、5…表示部、6…静電パッド(接触位置検出手段)、11…接触位置周辺画像、12…ポインタ画像、101…表示制御部(表示制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作キーが配列されてなる操作部と、前記操作部から離間して配置された表示部とを備えた携帯端末であって、
前記操作部においてユーザが接触している接触位置を検出する接触位置検出手段と、
前記接触位置検出手段によって前記接触位置が検出された場合に、前記接触位置とその周辺部分を含めた接触位置周辺画像を前記表示部に表示すると共に、前記接触位置に対応するポインタ画像を前記接触位置周辺画像に重ねて前記表示部に表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
複数の操作キーが配列されてなる操作部と、前記操作部から離間して配置された表示部とを備えた携帯端末におけるキー入力支援方法であって、
接触位置検出手段が、前記操作部においてユーザが接触している接触位置を検出するステップと、
表示制御手段が、前記接触位置検出手段によって前記接触位置が検出された場合に、前記接触位置とその周辺部分を含めた接触位置周辺画像を前記表示部に表示すると共に、前記接触位置に対応するポインタ画像を前記接触位置周辺画像に重ねて前記表示部に表示するステップと、を備えたことを特徴とするキー入力支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−215860(P2011−215860A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83056(P2010−83056)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】