説明

携帯端末及び情報伝達方法

【課題】テレビ電話機能を用いた通話において、より親密感を高めることが可能な携帯端末及び情報伝達方法を提供する。
【解決手段】携帯端末10及び携帯端末40を用いて実現されるコミュニケーションツール1によれば、携帯端末10側のテンキーの押下等の簡単な操作を実行命令受付部12が受け付け、命令送受信部13が、携帯端末40側に送信側ユーザを攻撃する実行命令(コミュニケーション指示の一つ)を送信している。そして、携帯端末40側では、命令送受信部43が実行命令を受信して、画像処理部44、音声出力制御部51及び振動出力制御部52が、攻撃が加えられたような挙動を表現するように、表示部41、スピーカ52、バイブレータ54を制御している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像と音声の送受信が可能なテレビ電話機能付きの携帯端末及び情報伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、テレビ電話装置と携帯電話装置の各機能を組み合わせることにより、相手の顔を見ながら、屋外や移動中の自動車等でも通話できるテレビ電話機能付きの携帯電話端末が知られている。これらのテレビ電話機能付き携帯電話端末では、カメラ手段で撮影して得られた発信側の映像信号と、音声取込手段で得られた発信側の音声信号とを同時に送信し、受信された映像信号を表示手段で表示すると共に、受信された音声信号を音声発生手段で音声出力している。
【0003】
また、これらのテレビ電話機能付きの携帯端末において送受信される映像に関する技術が開示されている。
【0004】
特許文献1では、端末で動作するアプリケーションの情報をテレビ電話の画像として相手に送信し、相手側の携帯端末の表示部に表示させる技術が開示されている。また、特許文献2では、送信側の画像と相手側の画像を合成して1つの画像に表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−252563号公報
【特許文献2】特開2005−303360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2においては、基本的に、自機の端末において生成あるいは加工した映像を相手側に送信している。そして、このような「映像」と「音声」のみを用いて互いに通話することが可能であっても、より親密感を高めるコミュニケーションツールとしてテレビ電話機能付きの携帯端末を使用するには物足りない。
【0007】
本発明は、係る状況を鑑み、互いの通話において、より親密感を高めることが可能な携帯端末及び情報伝達方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の携帯端末は、携帯端末間において互いのユーザの画像をみながら通話することが可能な携帯端末であって、一方のユーザの画像と他方のユーザの画像とを表示する表示手段と、表示手段に表示されている一方のユーザから送信され、他方のユーザに対するコミュニケーション指示を受信する命令受信手段と、命令受信手段がコミュニケーション指示を受信した際、コミュニケーション指示に応じた挙動結果を表現する挙動表現手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
なお、ここでいうコミュニケーション指示とは、例えば、他方のユーザの画像に対して変形を加えるような画像処理を施して、一方のユーザが他方のユーザに対してコミュニケーションを図ったようなイメージを提供することをいう。例えば、他方のユーザの画像に対して変形を加えるような画像処理を施して、一方のユーザが他方のユーザに攻撃を与えたように見せかけることで、コミュニケーションを図ったようなイメージを提供することができる。
【0010】
このような携帯端末によれば、テレビ電話で通話している際の一方のユーザによる簡単な操作によって、他方のユーザに対してコミュニケーションを図ったような挙動を提供することが可能となる。この結果、従来の画像と音声によるテレビ電話機能を有する携帯端末に比べて、通話中の親密感を高めることが可能となる。
【0011】
また、本発明の携帯端末によれば、挙動表現手段は、コミュニケーション指示に応じて表示手段に表示されている他方のユーザの画像に対して所定の画像処理を施す画像処理手段、コミュニケーション指示に応じて音声を出力する音声出力手段に対して所定の音声を出力させる音声出力制御手段及びコミュニケーション指示に応じて振動を出力する振動手段に対して所定の振動を出力させる振動出力制御手段の少なくとも一つを含んでいる、ことが好ましい。
【0012】
このような携帯端末によれば、互いに通話している際の一方のユーザによる簡単な操作によって、相手の画像に対して画像処理を施したり、他方の携帯端末に音声を出力させたり、振動を出力させたり、あるいは、これらを組み合わせた挙動を表現させたりすることが可能となる。この結果、従来の画像と音声によるテレビ電話機能を有する携帯端末に比べて、通話中の親密感を高めることが可能となる。
【0013】
また、挙動表現手段は、命令受信手段がコミュニケーション指示を受信した際、所定時間の間、一方のユーザの画像よりも他方のユーザの画像を表示する領域を大きくするように表示手段を制御してもよい。これによれば、相手の画像を大きく表示している通常の表示とは異なり、相手からのコミュニケーション指示に応じて挙動を表現する自分の画像を大きく表示することができるので、より相手側からのコミュニケーション指示を感じることが可能となる。
【0014】
また、本発明の携帯端末では、命令受信手段は、互いのユーザの画像を見ながら通話するにあたって未使用の帯域であるデータ帯域を使用してコミュニケーション指示を受信することが好ましい。これによれば、テレビ電話中におけるコミュニケーション指示の送受信を、テレビ電話の機能に影響を与えることなく容易に実現することが可能となる。
【0015】
また、本発明の携帯端末では、他方のユーザから送信され、一方のユーザに対するコミュニケーション指示の入力を受け付ける命令受付手段と、命令受付手段において入力されたコミュニケーション指示を一方のユーザに向けて送信する命令送信手段と、をさらに備えることが好ましい。これにより、コミュニケーション指示を受けた他方のユーザも、一方のユーザに対してコミュニケーション指示を与えることができるようになる。この結果、一方のユーザからのコミュニケーション指示に応じた挙動を表現するだけでなく、他方のユーザに対してコミュニケーション指示に応じた挙動を表現させることができるようになるので、より相手とのやりとりを楽しむことが可能となる。
【0016】
また、本発明の携帯端末では、挙動表現手段が一方のユーザからのコミュニケーション指示に応じた挙動を表現することを回避するための回避命令の入力を受け付ける回避命令受付手段と、回避命令受付手段において回避命令を受け付けた際、コミュニケーション指示に応じた挙動を表現することを回避するように挙動表現手段を制御する回避制御手段をさらに備えることが好ましい。これによれば、相手からコミュニケーション指示を受けて挙動を表現するだけでなく、コミュニケーション指示に応じた挙動を表現することを回避することができるようになるので、より相手とのやりとりを楽しむことが可能となる。
【0017】
また、本発明の携帯端末では、回避制御手段は、回避命令受付手段において回避命令を受け付けた際、他方のユーザの画像に対して所定の画像処理が施されることを回避するように画像処理手段を制御してもよい。これによれば、相手からのコミュニケーション指示を回避した際の効果を演出することができるので、より相手とのやりとりを楽しむことが可能となる。
【0018】
また、本発明の携帯端末では、回避制御手段は、回避命令受付手段において回避命令を受け付けた際、音声出力手段によって所定の音声が出力されることを回避するように音声出力制御手段を制御する、または、振動制御手段によって所定の振動が出力されることを回避するように振動制御手段を制御してもよい。これによれば、相手からのコミュニケーション指示を回避した際の音声、または、振動を演出することができるので、より相手とのやりとりを楽しむことが可能となる。
【0019】
本発明の携帯端末における情報伝達方法では、一方のユーザと他方のユーザとが互いのユーザの画像をみながら通話することが可能な携帯端末における情報伝達方法であって、一方のユーザの携帯端末において、他方のユーザに対するコミュニケーション指示を他方のユーザの携帯端末に送信する命令送信ステップと、他方のユーザの携帯端末において、一方のユーザの携帯端末からコミュニケーション指示を受信した際、コミュニケーション指示に応じた挙動結果を表現する挙動表現ステップと、を備えることを特徴とする。
【0020】
このような情報伝達方法によれば、テレビ電話で通話している際の一方のユーザによる簡単な操作によって、他方のユーザに対してコミュニケーションを図ったような挙動を提供することが可能となる。この結果、従来の画像と音声による情報伝達方法に比べて、通話中の親密感を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、互いの通話において、親密感を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の好適な一実施形態にかかる携帯端末を用いて実現されるコミュニケーションツールの機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】図1の表示部が表示する内容と命令送受信部が送受信するデータを示す説明図である。
【図4】図1の表示部が表示する内容と命令送受信部が送受信するデータを示す説明図である。
【図5】図1のコミュニケーションツールにおける送信側の携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】図1のコミュニケーションツールにおける受信側の携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の好適な一実施形態に係る携帯端末10及び携帯端末40を用いて実現されるコミュニケーションツール1について、図1〜図6を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末10及び携帯端末40に備えられたコミュニケーションツール1のブロック図である。
【0025】
コミュニケーションツール1は、図4に示すように、簡単な操作で相手側の画像に画像処理を施して攻撃をしたように見せかけたりする等、テレビ電話機能に付加された機能を実現する。
【0026】
本コミュニケーションツール1は、携帯端末10と携帯端末40との間において実現される。そして、携帯端末10と携帯端末40とは、移動体通信網、インターネット及びイントラネット等によって構成される通信ネットワークNWを介して、データ通信可能な状態で接続されている。
【0027】
携帯端末10は、図1に示すように、表示部(表示手段)11と、実行命令受付部(命令受付手段)12と、命令送受信部(命令送受信手段)13と、画像処理部(画像処理手段)14と、音声出力制御部(音声出力制御手段)21と、スピーカ(音声出力手段)22と、振動出力制御部(振動出力制御手段)23と、バイブレータ(振動出力手段)24と、回避命令受付部(回避命令受付手段)25と、回避制御部(回避制御手段)26とを含んで構成されている。
【0028】
携帯端末40は、図1に示すように、表示部(表示手段)41と、実行命令受付部(命令受付手段)42と、命令送受信部(命令送受信手段)43と、画像処理部(画像処理手段)44と、音声出力制御部(音声出力制御手段)51と、スピーカ(音声出力手段)52と、振動出力制御部(振動出力制御手段)53と、バイブレータ(振動出力手段)54と、回避命令受付部(回避命令受付手段)55と、回避制御部(回避制御手段)56とを含んで構成されている。
【0029】
ここで、図2は、携帯端末10(40)のハードウェア構成図である。このように、携帯端末10(40)は、物理的には、同図に示すように、CPU61、主記憶装置であるRAM62及びROM63、補助記憶装置65、実行命令受付部12(42)、回避命令受付部25(55)、表示部11(41)、スピーカ22(52)、バイブレータ24(54)、NWとの間でのデータの送受信を司る通信モジュール66等を含む情報処理装置として構成されている。携帯端末10(40)によって実現される機能は、図2に示すCPU61、RAM62等のハードウェア上に所定のプログラムを読み込ませることにより、CPU61の制御のもとで通信モジュール66、実行命令受付部12(42)、回避命令受付部25(55)、表示部11(41)、スピーカ22(52)、バイブレータ24(54)を動作させるとともに、RAM62や補助記憶装置65におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0030】
以下、携帯端末10の機能について説明する。表示部11は、互いにテレビ電話機能を使って通話する際、主に、送話側(一方のユーザ)の画像と受話側(他方のユーザ)の画像とを表示する部分である。そして、表示部11は、図3に示すように、通常、送話側の画像よりも受話側の画像を大きく表示する。
【0031】
実行命令受付部12は、図4に示すように、受話側に対して攻撃をしかけるというコミュニケーションツール1の一機能を実現するため、攻撃命令(コミュニケーション指示)の入力を受け付ける部分である。ここで、受話側に対する攻撃とは、表示部11に表示されている送話側のユーザ画像に、例えば、図4に示すような、画像を変形させたり、鼻血を出させたりするような画像処理を施して、送話側のユーザが受話側のユーザに攻撃を与えたように見せることをいう。具体的には、携帯端末10の所定のテンキーが入力されることによって攻撃命令を受け付ける。
【0032】
命令送受信部13は、実行命令受付部12において入力された攻撃命令を受話側の携帯端末40に向けて送信したり、また、受話側の携帯端末40から攻撃命令や、後述する回避命令を受信したりする部分である。ここで、例えば、3G324M規格、すなわち、W−CDMA方式の第3世代移動通信システム向けの回線交換型通信モードでのテレビ電話規格は、図3に示すように、映像帯域71と、音声帯域72と、制御帯域73と、データ帯域74とを有している。命令送受信部13は、テレビ電話を使用する際に未使用の帯域であるデータ帯域を利用する。そして、互いの携帯端末のアプリレイヤーにて通信する共通のプロトコルを実装することによって信号処理の送受信を実現している。
【0033】
画像処理部14は、命令送受信部13が攻撃命令を受信した際、表示部11に表示されている受話側のユーザの画像に対して、攻撃されたような所定の画像所処理を施す部分である。画像処理部14は、受話側のユーザの画像に対して、例えば、図4に示すような、画像を変形させたり、鼻血を出させたりするような画像処理を施す。
【0034】
音声出力制御部21は、命令送受信部13が攻撃命令を受信した際、画像処理部14が、受話側のユーザの画像に対して所定の画像処理を施すタイミングで打撃音を出力するようにスピーカ22を制御する部分である。
【0035】
スピーカ22は、音声出力制御部21に従って、打撃音を出力する。
【0036】
振動出力制御部23は、命令送受信部13が攻撃命令を受信した際、画像処理部14が受話側のユーザの画像に対して所定の画像処理を施すタイミングで振動を出力するようにバイブレータ24を制御する部分である。
【0037】
バイブレータ24は、振動出力制御部23に従って、振動を出力する。
【0038】
回避命令受付部25は、コミュニケーションツールの一機能である送話側からの攻撃に対して防御命令(回避命令)の入力を受け付ける。ここで、送話側からの攻撃に対する防御とは、表示部11に表示されている送話側のユーザ画像に、例えば、図4に示すような画像処理が施されることを回避して、送話側からの攻撃を防御したように見せることをいう。具体的には、携帯端末の所定のテンキーが入力されることによって、攻撃命令を受け付ける。
【0039】
なお、携帯端末40の機能については、上述したように携帯端末10に備えられている構成要件と同じであるので(参照番号は異なっていても、名称が同じものは同様の機能を有するものとする)、ここではその説明を省略する。
【0040】
以下、図3,図4を用いて、携帯端末10および携帯端末40の動作について説明する。なお、ここでは、通話者A(一方のユーザ)と通話者B(他方のユーザ)とが、コミュニケーションツール1を使って通話する場合について説明し、通話者Aが通話者Bに対して攻撃をしかけた場合について説明する。
【0041】
最初に、攻撃命令を送信する携帯端末10側におけるコミュニケーションツール1の動作を説明する。
【0042】
通話者Aと通話者Bとがテレビ電話中(ステップS01)のとき、本コミュニケーションツール1を使用することができる。
【0043】
そして、通話者Aが、通話者Bとテレビ電話通話中に上述したような攻撃をしかけたい場合には、通話者Aは、メニューから「攻撃」を選択し、次に任意のテンキーを押下する。
【0044】
このとき、実行命令受付部12は、通話者Aによって攻撃モードが選択されているかどうかを判定(ステップS02)する。そして、攻撃モードが選択されていると判定した場合には、ステップS03に移動し、攻撃モードが選択されていないと判定した場合には、次に、通話者Aから命令が与えられるまで待機する。
【0045】
次に、上記ステップS02において、攻撃モードが選択されていると判定した場合には、実行命令受付部12は、通話者Aが任意のテンキーを押下したかどうか判定する(ステップS03)。ここで、実行命令受付部12が、通話者Aによって任意のテンキーが押下されたと判定した場合には、ステップS04に移動し、押下されていないと判定した場合には、通話者Aによって任意のテンキーが押下されるまで待機する。
【0046】
次に、上記ステップS03において、任意のテンキーが押下されたと判定した場合には、命令送受信部13は、携帯端末40に向けて攻撃命令を送信する(ステップS04)。このとき、命令送受信部13は、図3、図4に示すデータ帯域74を用いて、攻撃命令を送信する。具体的には、命令送受信部13は、携帯端末40における命令送受信部43に向けて、通話者Bの画像を変形させる旨の命令、携帯端末40のバイブレータ54を動かす旨の命令、携帯端末40のスピーカ22に攻撃音ファイル(攻撃音を音声として出力するファイル)を再生する旨の命令を送信する。なお、攻撃音については、あらかじめ携帯端末40内に攻撃音ファイルを格納しておき、スピーカ22に攻撃音ファイルを再生させる旨の命令を送信してもよい。
【0047】
次に、攻撃命令を受信した携帯端末40側におけるコミュニケーションツール1の動作を説明する。
【0048】
携帯端末40においても、通話者Aと通話者Bとがテレビ電話中(ステップS11)のとき、本コミュニケーションツール1を使用することができる。
【0049】
命令送受信部43は、携帯端末10から攻撃命令を受信したかどうかを判定する(ステップS12)。具体的には、命令送受信部43は、携帯端末10から、通話者Bの画像を変形させる旨の命令、携帯端末40のバイブレータ54を動かす旨の命令、携帯端末40のスピーカ22に受信した攻撃音ファイルを再生させる旨の命令を受信していないかどうか判定する。そして、命令送受信部43が、攻撃命令を受信したと判定した場合には、ステップS13に移動し、攻撃命令を受信していないと判定した場合には、攻撃命令の受信を確認するタイミングまで待機する。
【0050】
次に、上記ステップS12において、攻撃命令を受信したと判定した場合には、画像処理部14は、所定時間(例えば、5秒間)、自画像領域と相手画像領域を入れ替える(ステップS13)。具体的には、図4に示す表示部41のように、画像処理部14は、通話者Bの画像、すなわち、携帯端末40のユーザである通話者Bからみて自画像である画像領域を大きく表示し、通話者Aの画像、すなわち、携帯端末40のユーザである通話者Bからみて相手画像である画像領域を小さく表示する。これにより、通話者Bは、通話者Aから攻撃を受けたことをはっきりと認識することができる。そして、画像処理部14は、5秒後、通常の表示状態である、通話者Aの画像、すなわち、携帯端末40のユーザである通話者Bからみて相手画像である画像領域を大きく表示し、通話者Bの画像、すなわち、携帯端末40のユーザである通話者Bからみて自画像である画像領域を小さく表示する状態に戻す。
【0051】
次に、実行命令受付部42、あるいは、回避命令受付部55は、通話者Bによって防御モード、あるいは、反撃モードが選択されたかどうかを判定(ステップS14)する。そして、防御モード、あるいは、反撃モードが選択されたと判定した場合には、ステップS15に移動し、防御モード、あるいは、反撃モードが選択されていないと判定した場合には、ステップS16に移動する。
【0052】
次に、上記ステップS14において、防御モード、あるいは、反撃モードが選択されていると判定された場合には、実行命令受付部42、あるいは、回避命令受付部55は、通話者Bが任意のテンキーを押下したかどうか判定する(ステップS15)。ここで、実行命令受付部42、あるいは、回避命令受付部55は、通話者Bによって任意のテンキーが押下されたと判定した場合には、ステップS16に移動し、押下されていないと判定した場合には、通話者Bによって任意のテンキーが押下されるまで待機する。
【0053】
次に、上記ステップS15において、任意のテンキーが押下されたと判定した場合には、命令送受信部43は、携帯端末10に向けて防御命令、あるいは、反撃命令を送信する(ステップS16)。ここで、携帯端末10に防御命令が送信された場合には、命令送受信部43への通知と同時に、回避制御部56が、通話者Aからの攻撃命令を実行しないように画像処理部44と、音声出力制御部51と、振動出力制御部53とを制御する。すなわち、携帯端末40における命令送受信部43が、通話者Aからの攻撃命令を受信した場合であっても、通話者Bの画像に変形が施されたり、携帯端末40のスピーカに音声が出力されたり、携帯端末40のバイブレータに振動が出力されたりすることを回避することができる。また、携帯端末10に反撃命令が送信された場合には、通話者Aの画像に変形を施したり、携帯端末10のスピーカに音声を出力させたり、携帯端末10のバイブレータに振動を出力させたりすることができる。
【0054】
なお、反撃命令と攻撃命令とは、同じ内容の命令を意味している。すなわち、上記攻撃命令を入力する手順と同じ方法で、相手側の画像に所定の画像処理を加えたり、音声あるいは振動を出力させたりすることができる。
【0055】
また、実行命令受付部42、あるいは、回避命令受付部55が検知する押下するテンキーについては、例えば、1,2,3,4,5のテンキーが押下げられた場合には、攻撃命令を送信し、6,7,8,9,0のテンキーが押下された場合には、防御命令を送信するように設定することも可能である。
【0056】
一方、上記ステップS14において、防御モード、あるいは、反撃モードが選択されていないと判定された場合には、命令送受信部43は、携帯端末40からの攻撃命令を画像処理部44、音声出力制御部51、振動出力制御部53に送信する(ステップS17)。これにより、画像処理部44が、通話者Bの画像を変形させる旨の命令を受信した場合、画像処理部44は、図4に示すように、携帯端末40に表示されている通話者Bの画像を変形させる処理を施して、表示部41にその画像を表示する。また、音声出力制御部51が攻撃音ファイルを再生する旨の命令を受信した場合、音声出力制御部51は、図4に示すように、その攻撃音ファイルを再生するように(処理X)スピーカ52を制御する。また、振動出力制御部53がバイブレータ54を動かす旨の命令を受信した場合には、振動出力制御部53は、図4に示すように、振動を出力するように(処理Y)バイブレータ54を制御する。
【0057】
以上、説明した携帯端末10及び携帯端末40を用いて実現されるコミュニケーションツール1によれば、携帯端末10側のテンキーの押下等の簡単な操作を実行命令受付部12が受け付け、命令送受信部13が、携帯端末40側に送信側ユーザを攻撃する実行命令(コミュニケーション指示の一つ)を送信している。そして、携帯端末40側では、命令送受信部43が実行命令を受信して、画像処理部44、音声出力制御部51及び振動出力制御部52が、攻撃が加えられたような挙動を表現するように、表示部41、スピーカ52、バイブレータ54を制御している。これにより、通話中の相手に対して攻撃を与えたようなイメージを提供することを可能としている。この結果、従来のテレビ電話機能付きの携帯端末で実現される画像と音声とによる通話に比べて、通話中の親密感を高めることを可能としている。
【0058】
また、上記実施形態においては、画像処理部14が、通話者Bのユーザの画像の一部を変形させるような画像処理を行っている。これにより、テレビ電話での通話中に、通話者Bに対して攻撃を加えるようなイメージを提供することを可能としている。
【0059】
また、上記実施形態においては、音声を出力するスピーカ52と、命令送受信部43が通話者Aからの攻撃命令を受信した際、攻撃音を再生するようにスピーカ52を制御する音声出力制御部51とを備えている。そして、通話者Bの画像の変形に加えて攻撃音を出力している。これにより、テレビ電話において互いの画像をみながら通話している際の親密感をさらに高めることを可能としている。
【0060】
また、上記実施形態では、振動を出力するバイブレータ54と、命令送受信部43が通話者Aからの攻撃命令を受信した際、振動を出力するようにバイブレータ54を制御する振動出力制御部53とを備えている。そして、通話者Bの画像の変形に加えて、振動を出力している。これにより、テレビ電話において互いの画像をみながら通話している際の親密感をさらに高めることを可能としている。
【0061】
また、上記実施形態では、画像処理部44は、命令送受信部43が通話者Aからの攻撃命令を受信した際、5秒間、通話者Aの画像よりも通話者Bの画像を表示する領域を大きくするように表示部41を制御している。これにより、相手(通話者A)から攻撃を受けて変形されていく自分(通話者B)の画像を大きく表示することができるので、より相手側からの攻撃を認識することを可能としている。
【0062】
また、上記実施形態では、命令送受信部13,43は、データ帯域74を利用して攻撃命令を送受信している。これにより、テレビ電話中に攻撃命令を送受信することを容易に実現している。
【0063】
また、上記実施形態では、画像処理部44によって通話者Bの画像の変形が施されることを回避する回避命令の入力を受け付ける回避命令受付部55と、回避命令受付部55において回避命令を受け付けた際、画像処理部44によって変形が施されることを回避する回避制御部56を備えている。これにより、相手(通話者A)から攻撃されるだけでなく、相手からの攻撃を回避することができるようになるので、より相手とのやりとりを楽しむことを可能としている。
【0064】
また、上記実施形態では、回避制御部56は、回避命令受付部55において回避命令を受け付けた際、スピーカ52によって攻撃音が再生されることを回避するように音声出力制御部51を制御している。また、同時に回避制御部56は、バイブレータ54によって振動が出力されることを回避するように振動出力制御部53を制御している。これにより、相手(通話者A)から攻撃を回避した際の効果を演出し、より相手(通話者A)とのやりとりを楽しむことを可能としている。
【0065】
なお、上記実施形態は、通話者Aが通話者Bに対して攻撃をしかけた場合について説明したが、通話者Bが通話者Aに対して攻撃をしかけることも可能であり、その処理の流れは上記と同様である。
【0066】
また、上記実施形態では、画像処理部44が、通話者Bの画像に対して変形を加えるような画像処理を施したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、打撃されたことが分かるようなマークやシンボルを加えるような画像処理を施してもよい。
【0067】
また、回避制御部56は、回避命令受付部55において回避命令を受け付けた際、音声出力制御部51によって上記攻撃音とは異なる防御音を再生するように音声出力制御部51を制御してもよい。
【0068】
また、回避制御部56は、回避命令受付部55において回避命令を受け付けた際、振動出力制御部53によって上記振動とは異なる振動を出力するように振動出力制御部53を制御してもよい。
【0069】
また、本実施形態では、防御・反撃モードを選択する(ステップS14)前に、自画像領域と相手画像領域の入れ替えを行う処理(ステップS13)を行っているが、これに限定されるものではない。例えば、防御・反撃モードを選択せず、攻撃命令を処理の実行を行った後、自画像領域と相手画像領域の入れ替えを行う処理を行ってもよい。
【0070】
また、本実施形態では、図4に示すように、携帯端末40における通話者Bの画像を変形させる例を挙げて説明したが、同時に、携帯端末10における通話者Bの画像も同様に変形させてもよい。
【0071】
また、本実施形態では、図4に示すように、携帯端末40における通話者Bの攻撃をしかけたようなイメージを提供する例を挙げて説明したが、相手の頭をなでる等、他のコミュニケーション指示であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…コミュニケーションツール、10…携帯端末、11…表示部、12…実行命令受付部、13…命令送受信部、14…画像処理部、21…音声出力制御部、22…スピーカ、23…振動出力制御部、24…バイブレータ、25…回避命令受付部、26…回避制御部、40…携帯端末、41…表示部、42…実行命令受付部、43…命令送受信部、44…画像処理部、51…音声出力制御部、52…スピーカ、53…振動出力制御部、54…バイブレータ、55…回避命令受付部、56…回避制御部、65…補助記憶装置、66…通信モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末間において互いのユーザの画像をみながら通話することが可能な携帯端末であって、
一方のユーザの画像と他方のユーザの画像とを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示されている前記一方のユーザから送信され、他方のユーザに対するコミュニケーション指示を受信する命令受信手段と、
前記命令受信手段が前記コミュニケーション指示を受信した際、前記コミュニケーション指示に応じた挙動結果を表現する挙動表現手段と、
を備えることを特徴とする、携帯端末。
【請求項2】
前記挙動表現手段は、前記コミュニケーション指示に応じて前記表示手段に表示されている前記他方のユーザの画像に対して所定の画像処理を施す画像処理手段、前記コミュニケーション指示に応じて音声を出力する音声出力手段に対して所定の音声を出力させる音声出力制御手段及び前記コミュニケーション指示に応じて振動を出力する振動手段に対して所定の振動を出力させる振動出力制御手段の少なくとも一つを含んでいる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記挙動表現手段は、前記命令受信手段が前記コミュニケーション指示を受信した際、所定時間の間、前記一方のユーザの画像よりも前記他方のユーザの画像を表示する領域を大きくするように前記表示手段を制御する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記命令受信手段は、前記互いのユーザの画像を見ながら通話するにあたって未使用の帯域であるデータ帯域を使用して前記コミュニケーション指示を受信する、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記他方のユーザから送信され、前記一方のユーザに対するコミュニケーション指示の入力を受け付ける命令受付手段と、前記命令受付手段において入力された前記コミュニケーション指示を前記一方のユーザに向けて送信する命令送信手段と、をさらに備えることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記挙動表現手段が前記一方のユーザからのコミュニケーション指示に応じた挙動を表現することを回避するための回避命令の入力を受け付ける回避命令受付手段と、
前記回避命令受付手段において前記回避命令を受け付けた際、前記コミュニケーション指示に応じた挙動を表現することを回避するように前記挙動表現手段を制御する回避制御手段をさらに備えることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記回避制御手段は、前記回避命令受付手段において前記回避命令を受け付けた際、前記他方のユーザの画像に対して所定の画像処理が施されることを回避するように前記画像処理手段を制御する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記回避制御手段は、前記回避命令受付手段において前記回避命令を受け付けた際、音声出力手段によって前記所定の音声が出力されることを回避するように前記音声出力制御手段を制御する、または、振動制御手段によって前記所定の振動が出力されることを回避するように前記振動制御手段を制御する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の携帯端末。
【請求項9】
一方のユーザと他方のユーザとが互いのユーザの画像をみながら通話することが可能な携帯端末における情報伝達方法であって
前記一方のユーザの携帯端末において、前記他方のユーザに対するコミュニケーション指示を前記他方のユーザの携帯端末に送信する命令送信ステップと、
前記他方のユーザの携帯端末において、前記一方のユーザの携帯端末から前記コミュニケーション指示を受信した際、前記コミュニケーション指示に応じた挙動結果を表現する挙動表現ステップと、
を備えることを特徴とする、携帯端末における情報伝達方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−258781(P2010−258781A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106469(P2009−106469)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】