説明

携帯端末装置、該携帯端末装置に用いられる機能制御方法及び機能制御プログラム

【課題】暗がりの中での使い勝手が改善された携帯電話機などの携帯端末装置を提供する。
【解決手段】光センサ20から出力される電気信号paが光センサ制御部19に入力され、同光センサ制御部19で携帯端末装置10の周囲の照度pbが測定される。取得された照度pbは、記憶部16に一時記憶される。照度pbは、記憶部16に記憶されている明暗判定閾値と比較され、同照度pbが同明暗判定閾値よりも大きいときに明るいと判定され、明モードが選択されてLCD18に通常メニューが表示される。一方、照度pbが明暗判定閾値よりも小さいときに暗いと判定され、暗モードが選択されてLCD18に省略メニューが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末装置、該携帯端末装置に用いられる機能制御方法及び機能制御プログラムに係り、特に、携帯電話機などのように、表示部に各機能をメニュー表示する機能や着信音を発生する機能などを有する携帯端末装置、該携帯端末装置に用いられる機能制御方法及び機能制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の機能を有する携帯電話機などの携帯端末装置は、暗がりの中では、全ての機能が使用されることは少なく、限られた機能のみが使用されることが多い。たとえば、明るい部屋や電車の中などでは、インターネットやゲームなどの機能が使用される一方、暗がりの中では、睡眠前の目覚まし設定やメール、あるいは夜間移動中の音楽再生などが行われることが多い。また、ユーザが暗がりの中で携帯電話機を操作するという状態は、ビジネスユースではなく、私室にいるときのようなプライベートユースである可能性が高く、この場合に使用される機能は一部の機能に限られていることが多いため、全ての機能をメニュー表示する必要はないと考えられる。ところが、従来の携帯電話機では、周囲の明暗に関わらず、常に全ての機能に対応するメニューが表示されるため、暗がりの中での操作に煩わしさがあるという問題点がある。このため、暗がりの中での操作の煩わしさがない携帯電話機が必要となっている。
【0003】
従来、この種の技術としては、たとえば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された携帯電話機(同文献では「携帯端末」)では、携帯電話機全体の機能を網羅的に含んだ詳細メニューと、頻繁に使用される機能を同詳細メニューから抽出してメニュー化し、かつ詳細メニューとは異なる階層構造を有した簡単メニューとを備え、同詳細メニューと同簡単メニューとが排他的に切り替えて表示される。これらの詳細メニューと簡単メニューとが設けられているので、ユーザにとって容易にメニュー操作を行うことができ、使い勝手に優れる。
【0004】
また、特許文献2に記載された携帯電話機(同文献では「携帯端末装置」)では、筐体の外表面に照度センサが設けられ、表示制御回路により、同照度センサの出力が閾値以上の場合に表示部の表示がオンに制御される一方、同照度センサの出力が閾値未満の場合に表示部の表示がオフに制御される。同閾値は、閾値設定回路により設定される。これにより、同携帯端末装置がバッグなどに収納されている状態のように、周囲が暗い状態では、表示部がオフに制御されるので、消費電力が低減され、使用可能時間が延長される。
【特許文献1】特開2003−058292号公報(要約書、図1)
【特許文献2】特開2004−140472号公報(要約書、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の携帯電話機では、次のような問題点があった。
すなわち、特許文献1に記載された携帯電話機では、詳細メニューと簡単メニューとが設けられている点は、この発明と類似しているが、周囲の明暗に対応するものではないため、上記の問題点は、改善されない。
【0006】
特許文献2に記載された携帯電話機では、周囲が暗いとき、表示部がオフに制御されることにより、消費電力が低減されて使用可能時間が延長されるものであり、上記の問題点を改善するものではない。
【0007】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、暗がりの中での操作の煩わしさが改善される携帯端末装置、該携帯端末装置に用いられる機能制御方法及び機能制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、携帯端末装置に係り、装置周囲の明るさを検出する明るさ検出手段と、該明るさ検出手段により検出された明るさに応じて表示対象を加減する表示制御手段とを備えてなることを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯端末装置に係り、前記明るさ検出手段は、当該携帯端末装置の周囲の照度を測定する照度測定部を備え、前記表示制御手段は、前記照度測定部により測定された照度に基づいて前記表示対象を段階的に加減する構成とされていることを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の携帯端末装置に係り、前記表示対象は、周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードが設定され、前記表示制御手段は、前記照度測定部により測定された照度を所定の明暗判定閾値と比較し、該照度が該明暗判定閾値よりも大きいときに前記明モードを選択する一方、該照度が該明暗判定閾値よりも小さいときに前記暗モードを選択するモード選択部を備えてなることを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の携帯端末装置に係り、前記表示対象は、周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードが設定され、現在時刻情報を生成する計時手段が設けられ、前記表示制御手段は、前記照度測定部で測定された前記照度を所定の明暗判定閾値と比較すると共に、前記現在時刻情報があらかじめ設定された昼間時間範囲内にあるか否かを判定し、前記照度が前記明暗判定閾値よりも大きいとき、又は前記現在時刻情報が前記昼間時間範囲内にあるときに前記明モードを選択する一方、前記照度が前記明暗判定閾値よりも小さく、かつ前記現在時刻情報が前記昼間時間範囲外にあるときに前記暗モードを選択する構成とされていることを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の発明は、携帯端末装置に係り、装置周囲の明るさを検出する明るさ検出手段と、該明るさ検出手段により検出された明るさに応じて着信音の音量を加減する着信音制御手段とを備えてなることを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の携帯端末装置に係り、前記明るさ検出手段は、当該携帯端末装置の周囲の照度を測定する照度測定部を備え、前記着信音制御手段は、前記照度測定部により測定された照度に基づいて前記着信音の音量を段階的又は連続的に加減する構成とされていることを特徴としている。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項2、3、4又は6記載の携帯端末装置に係り、前記照度測定部は、当該携帯端末装置の周囲の光を電気信号に変換して出力する光センサと、該光センサから出力される前記電気信号に基づいて当該携帯端末装置の周囲の照度を測定する光センサ制御部とから構成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項8記載の発明は、携帯端末装置に用いられる機能制御方法に係り、前記携帯端末装置の周囲の明るさを検出する明るさ検出処理と、該明るさ検出手段により検出された明るさに応じて表示対象を加減する表示制御処理とを行うことを特徴としている。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の機能制御方法に係り、前記明るさ検出処理では、当該携帯端末装置の周囲の照度を測定し、前記表示制御処理では、前記測定された照度に基づいて前記表示対象を段階的に加減することを特徴としている。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の機能制御方法に係り、前記表示対象に、周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードを設定し、前記表示制御処理では、前記測定された照度を所定の明暗判定閾値と比較し、該照度が該明暗判定閾値よりも大きいときに前記明モードを選択する一方、該照度が該明暗判定閾値よりも小さいときに前記暗モードを選択することを特徴としている。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の機能制御方法に係り、前記表示対象に、周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードを設定し、現在時刻情報を生成する計時処理を行い、前記表示制御処理では、前記測定された前記照度を所定の明暗判定閾値と比較すると共に、前記現在時刻情報があらかじめ設定された昼間時間範囲内にあるか否かを判定し、前記照度が前記明暗判定閾値よりも大きいとき、又は前記現在時刻情報が前記昼間時間範囲内にあるときに前記明モードを選択する一方、前記照度が前記明暗判定閾値よりも小さく、かつ前記現在時刻情報が前記昼間時間範囲外にあるときに前記暗モードを選択することを特徴としている。
【0019】
請求項12記載の発明は、携帯端末装置に用いられる機能制御方法に係り、装置周囲の明るさを検出する明るさ検出処理と、該明るさ検出手段により検出された明るさに応じて着信音の音量を加減する着信音制御処理とを行うことを特徴としている。
【0020】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の機能制御方法に係り、前記明るさ検出処理では、当該携帯端末装置の周囲の照度を測定し、前記着信音制御処理では、前記測定された照度に基づいて前記着信音の音量を段階的又は連続的に加減することを特徴としている。
【0021】
請求項14記載の発明は、機能制御プログラムに係り、コンピュータに請求項1乃至7のいずれか一に記載の携帯端末装置を制御させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
この発明の構成によれば、表示対象が当該携帯端末装置の周囲の明るさに応じて加減されるので、使い勝手を改善できる。また、照度測定部により測定された照度に基づいて、表示制御手段により、表示対象が段階的に加減されるので、使い勝手を改善できる。また、表示対象に明モード及び暗モードが設定され、表示制御手段により、照度が明暗判定閾値よりも大きいときに明モードが選択される一方、照度が明暗判定閾値よりも小さいときに暗モードが選択されるので、周囲の明暗に応じて適切なモードに対応した動作が行われ、操作の煩わしさを解消でき、使い勝手を改善できる。また、表示制御手段により、照度が明暗判定閾値よりも大きいとき、又は現在時刻情報が昼間時間範囲内にあるときに明モードが選択される一方、照度が明暗判定閾値よりも小さく、かつ現在時刻情報が昼間時間範囲外にあるときに暗モードが選択されるので、たとえば、ユーザが昼間時間に暗室などの暗い場所に居る場合でも、明るいと判定され、周囲が明るい場合と同様の処理が行われ、さらに使い勝手を改善できる。また、明るさ検出手段により周囲の明るさが検出され、着信音制御手段により、この明るさに応じて着信音の音量が加減されるので、使い勝手を改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
周囲の明暗を検出し、この明暗検出結果に基づいて、周囲が明るいときに全てのアイコンをメニュー表示する一方、周囲が暗いときに特定のアイコンのみをメニュー表示する携帯端末装置、該携帯端末装置に用いられる機能制御方法及び機能制御プログラムを提供する。
【実施例1】
【0024】
図1は、この発明の第1の実施例である携帯端末装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この例の携帯端末装置は、同図に示すように、携帯電話機10であり、アンテナ11と、無線部12と、マイク13と、カメラ14と、レシーバ15と、記憶部16と、操作キー17と、LCD(Liquid Crystal Display、液晶表示装置)18と、光センサ制御部19と、光センサ20と、制御部21と、2次電池22とから構成されている。アンテナ11は、図示しない無線基地局との間で電波Wを送受信する。無線基地局は、図示しない移動通信制御局、在圏移動通信交換局及び関門移動通信交換局を介して一般電話回線網に接続されている。無線部12は、図示しない受信回路、送信回路及び周波数シンセサイザなどを有している。
【0025】
マイク13は、ユーザの音声を受けて送話を行う。カメラ14は、たとえば400万画素のCCD(Charge Coupled Device 、電荷結合素子)センサなどを有し、携帯電話機10の周辺の画像を取り込む。レシーバ15は、着信音(たとえば、着メロ)や通話時の音声など、各種の情報に対応する音声を発生する。操作キー17は、送信キー、英字/カナ/漢字/数字の変換キー、電源のオン/オフキー、カーソル操作を行うための十文字キー、及び終了キーなどから構成されている。LCD18は、通常の音声通話では、たとえば、相手先の電話番号情報やアイコン情報など、諸々の情報を表示し、また、記憶部16に記憶されている画像を表示する。上記電話番号情報やアイコン情報などを表示する機能は、表示する情報の数が変更可能であり、また、着メロを発生する機能は、同着メロの音量が変更可能であり、いずれも、対応する動作を加減して行うことが可能な機能である。
【0026】
光センサ20は、たとえばCdS(硫化カドミウム)や太陽電池などで構成され、この携帯電話機10の周囲の光を電気信号paに変換して出力する。光センサ制御部19は、光センサ20から出力される電気信号paに基づいて携帯端末装置10の周囲の照度pbを測定する。記憶部16は、たとえばRAM(Randam Access Memory)などで構成され、カメラ14により取り込まれた画像を記憶する他、光センサ制御部19で測定された照度pbを一時記憶すると共に同照度pbに基づいて携帯端末装置10の周囲の明暗を判定するための明暗判定閾値を記憶する。制御部21は、携帯電話機10全体を制御するCPU(中央処理装置)21a及び同CPU21aを動作させるための機能制御プログラムが記録されたROM(リード・オンリ・メモリ)21bを有している。特に、この実施例では、制御部21は、LCD18における表示対象を同携帯端末装置10の周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードが設定され、かつ、記憶部16に記憶されている照度pbを明暗判定閾値と比較し、この照度pbが同明暗判定閾値よりも大きいときに上記明モードを選択する一方、同照度pbが同明暗判定閾値よりも小さいときに上記暗モードを選択する。また、制御部21は、上記暗モードを選択する機能自体を操作キー17によりオン/オフする機能を有している。2次電池22は、たとえばリチウムイオン電池などで構成され、この携帯電話機10の各部に電源を供給する。
【0027】
図2は、図1の携帯電話機10の筐体が折り畳み式に構成されている場合の開状態を示す正面図である。
この携帯電話機10は、同図2に示すように、ユニット31と、ユニット32と、ヒンジ部33とを備えている。ユニット31は、前面にレシーバ15、LCD18及び光センサ20、及び図示しない背面に図1中のカメラ14を備えている。ユニット32は、前面にマイク13及び操作キー17を備え、内部には、図1中の記憶部16、光センサ制御部19、制御部21、及び2次電池22が備えられている。そして、ユニット31の前面とユニット32の前面とが向かい合う態様で同ユニット31と同ユニット32とがヒンジ部33を介して折り畳まれるように構成されている。
【0028】
図3は、図1の携帯電話機10の動作を説明するフローチャート、及び図4が、LCD18に表示されるメニュー画面の例を示す図である。
これらの図を参照して、この例の携帯電話機10に用いられる機能制御方法の処理内容について説明する。
この携帯電話機10では、表示対象が周囲の明るさに応じて加減される。この場合、表示対象に、同携帯端末装置10の周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードが設定されている。そして、周囲の明暗が検出され(明るさ検出処理)、この明暗検出結果に基づいて、周囲が明るいときに同明モードが選択される一方、周囲が暗いときに同暗モードが選択される。この場合、光センサ制御部19で携帯端末装置10の周囲の照度pbが測定される。そして、制御部21で、測定された照度pbが明暗判定閾値と比較され、この照度pbが同明暗判定閾値よりも大きいときに上記明モードが選択される一方、同照度pbが同明暗判定閾値よりも小さいときに上記暗モードが選択される(表示制御処理)。
【0029】
すなわち、図3に示すように、光センサ20から出力される電気信号paが光センサ制御部19に入力され、同光センサ制御部19で携帯端末装置10の周囲の照度pbが測定される(明るさ検出処理、ステップA1)。取得された照度pb(照度情報)は、記憶部16に一時記憶される(ステップA2)。照度pbは、記憶部16に記憶されている明暗判定閾値と比較され(ステップA3、分岐a)、同照度pbが同明暗判定閾値よりも大きいときに明るいと判定され、明モードが選択されてLCD18に通常メニューが表示される(ステップA4)。一方、照度pbが明暗判定閾値よりも小さいときに暗いと判定され、暗モードが選択されてLCD18に省略メニューが表示される(表示制御処理、ステップA5)。
【0030】
上記ステップA4における通常メニューの表示では、図4(a)(通常メニュー例)に示すように、アイコンの数に特に制限のないメニューM1が表示される。メニューM1は、携帯電話機10が有する全ての機能を呼び出すためのアイコンを表している。ステップA5における省略メニューの表示では、図4(b)(省略メニュー例)に示すように、アイコンの数が限定されたメニューM2が表示される。メニューM2は、携帯電話機10が有する全ての機能ではなく、暗がりの中で使用することが想定される機能のみに限定されたアイコンを表すと共に、暗がりの中で全ての機能を呼び出すためのアイコン(「通常メニュー呼び出し」)を表している。
【0031】
以上のように、この第1の実施例では、光センサ制御部19で携帯端末装置10の周囲の照度pbが測定され、測定された照度pbが明暗判定閾値と比較され、この照度pbが同明暗判定閾値よりも大きいときに明モードが選択される一方、同照度pbが同明暗判定閾値よりも小さいときに暗モードが選択されるので、暗がりの中で必要な機能のみが表示され、操作の煩わしさが解消され、使い勝手が改善される。
【実施例2】
【0032】
図5は、この発明の第2の実施例である携帯電話機の電気的構成を示すブロック図であり、第1の実施例を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この例の携帯電話機10Aでは、同図5に示すように、計時部23が付加されると共に、図1中の制御部21に代えて、新たな機能が付加された制御部21Aが設けられている。計時部23は、時計機能を有し、現在時刻情報taを生成する。制御部21Aは、制御部21の機能に加え、記憶部16に記憶されている照度pbを明暗判定閾値と比較すると共に、現在時刻情報taが同記憶部16に記憶されている昼間時間範囲内(たとえば、6時乃至18時)にあるか否かを判定し、上記照度pbが上記明暗判定閾値よりも大きいとき、又は現在時刻情報taが上記昼間時間範囲内にあるときに明モードを選択する一方、上記照度pbが上記明暗判定閾値よりも小さく、かつ現在時刻情報taが上記昼間時間範囲外にあるときに暗モードを選択する。他は、図1と同様の構成である。
【0033】
図6は、図5の携帯電話機10Aの動作を説明するフローチャートである。
この図を参照して、この例の携帯電話機10Aに用いられる機能制御方法の処理内容について説明する。
この携帯電話機10Aでは、周囲の明暗が検出されると共に現在時刻情報が取得され、これらの明暗検出結果及び現在時刻情報に基づいて、周囲が明るいとき、又は同現在時刻情報が昼間時間範囲内にあるときに明モードが選択される一方、周囲が暗く、かつ同現在時刻情報が同昼間時間範囲外にあるときに暗モードが選択される。この場合、光センサ制御部19で携帯端末装置10Aの周囲の照度pbが測定されると共に(明るさ検出処理)、計時部23で現在時刻情報taが生成される(計時処理)。そして、制御部21Aで、測定された照度pbが明暗判定閾値と比較されると共に、現在時刻情報taが昼間時間範囲内にあるか否かが判定され、同照度pbが同明暗判定閾値よりも大きいとき、又は同現在時刻情報taが同昼間時間範囲内にあるときに明モードが選択される一方、同照度pbが同明暗判定閾値よりも小さく、かつ同現在時刻情報taが同昼間時間範囲外にあるときに暗モードが選択される(表示制御処理)。
【0034】
すなわち、図6に示すように、ステップB1,B2,B3において、上記第1の実施例の図3中のステップA1,A2,A3と同様の処理がそれぞれ行われ、同ステップB3で、照度pbが明暗判定閾値よりも小さく、暗いと判定されたとき、ステップB6(分岐b)へ進む。ステップB6では、記憶部16に記憶されている昼間時間範囲と現在時刻情報taとが比較され、同現在時刻情報taが同昼間時間範囲内にあるとき、明るいと判定されてステップB4へ進み、図3中のステップA4と同様の処理が行われ、同現在時刻情報taが同昼間時間範囲外にあるとき、暗いと判定されてステップB5へ進み、図3中のステップA5と同様の処理が行われる。これにより、ユーザが昼間時間に暗室などの暗い場所に居る場合、明るいと判定され、周囲が明るい場合と同様の処理が行われる。
【0035】
以上のように、この第2の実施例では、照度pbが同明暗判定閾値よりも小さいときでも、現在時刻情報taが昼間時間範囲内にある場合では、同照度pbが同明暗判定閾値よりも大きいときと同様の処理が行われるので、第1の実施例の利点に加え、さらに使い勝手が改善される。
【0036】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、上記第1の実施例の図4(b)では、表示されるメニューM2に含まれるアイコンは、ユーザが選択することができない構成となっていたが、たとえば、図7(省略メニュー例2)に示すメニューM3のように、アイコン“カスタム1”,“カスタム2”を加えることで、表示する機能が限定されているにもかかわらず、より利便性の高いメニュー構成が実現される。
【0037】
また、上記実施例では、携帯端末装置10,10Aの周囲の明暗に応じて、表示するメニューを切り替えていたが、たとえば図8に示すように、表示する電話帳を切り替えても良い。この場合、周囲が明るいとき、図8(a)(通常電話帳表示例)に示す電話帳D1のように、登録されている電話番号全てを表示する一方、周囲が暗いとき、図8(b)(省略電話帳表示例)に示す電話帳D2のように、図8(a)中のフラグFが“○”となっている電話番号のみを表示する。ただし、この場合、あらかじめフラグFを記憶部16などに登録する必要がある。また、たとえば、発着信履歴を表示する場合、周囲が暗いときには、通常の発着信履歴でなく、かけた頻度やかかってきた頻度の高い電話番号のみを表示するようにしても良い。ただし、この場合、あらかじめ発着信の頻度をカウントして記憶部16などに記憶させておく必要がある。
【0038】
また、周囲が暗いとき、明るいときに比べて着信音量を段階的に小さくするようにしても良い。これにより、たとえば夜間のように、周囲が静寂なときに、使い勝手が良好となる。また、周囲が暗いとき、明るいときに比べて着信音量を段階的に大きくするようにしても良い。これにより、携帯端末装置10,10Aがバッグなどに収納されているときに、使い勝手が良好となる。ただし、この場合、携帯端末装置10,10Aの筐体が図2のような折り畳み型のとき、折り畳まれた状態で周囲の明暗を検出するために、光センサ20をユニット31の背面側に配置する必要がある。また、この場合、着信音量は、明るさに応じて連続的に加減するようにしても良い。また、上記各実施例では、明るさの判定が明暗判定閾値を基準とした2段階になっているが、他の明暗判定閾値を設けることにより、3段階以上としても良い。また、LCD18は、EL(electroluminescence 、エレクトロルミネセンス)などでも良い。また、携帯端末装置は、携帯電話機に限らず、たとえばPDA(Personal Digital Assistants )などでも良い。また、携帯電話機10,10Aの筐体は、上記実施例の折り畳み型に限らず、ストレート型、スライド型、回転型でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明は、所定の表示動作や着信音の鳴動を行う携帯端末装置全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の第1の実施例である携帯端末装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯電話機10の筐体が折り畳み式に構成されている場合の開状態を示す正面図である。
【図3】図1の携帯電話機10の動作を説明するフローチャートである。
【図4】LCD18に表示されるメニュー画面の例を示す図である。
【図5】この発明の第2の実施例である携帯電話機の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】図5の携帯電話機10Aの動作を説明するフローチャートである。
【図7】省略メニューの変形例を示す図である。
【図8】電話帳の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10,10A 携帯電話機(携帯端末装置)
11 アンテナ(携帯端末装置の一部)
12 無線部(携帯端末装置の一部)
13 マイク(携帯端末装置の一部)
14 カメラ(携帯端末装置の一部)
15 レシーバ(携帯端末装置の一部)
16 記憶部(表示制御手段の一部)
17 操作キー(携帯端末装置の一部)
18 LCD(Liquid Crystal Display、液晶表示装置)
19 光センサ制御部(照度測定部の一部)
20 光センサ(照度測定部の一部)
21,21A 制御部(表示制御手段の一部)
22 2次電池(携帯端末装置の一部)
23 計時部(計時手段)
31 ユニット(携帯端末装置の一部)
32 ユニット(携帯端末装置の一部)
33 ヒンジ部(携帯端末装置の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置周囲の明るさを検出する明るさ検出手段と、
該明るさ検出手段により検出された明るさに応じて表示対象を加減する表示制御手段とを備えてなることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記明るさ検出手段は、
当該携帯端末装置の周囲の照度を測定する照度測定部を備え、
前記表示制御手段は、
前記照度測定部により測定された照度に基づいて前記表示対象を段階的に加減する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記表示対象は、周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードが設定され、
前記表示制御手段は、
前記照度測定部により測定された照度を所定の明暗判定閾値と比較し、該照度が該明暗判定閾値よりも大きいときに前記明モードを選択する一方、該照度が該明暗判定閾値よりも小さいときに前記暗モードを選択するモード選択部を備えてなることを特徴とする請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記表示対象は、周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードが設定され、
現在時刻情報を生成する計時手段が設けられ、
前記表示制御手段は、
前記照度測定部で測定された前記照度を所定の明暗判定閾値と比較すると共に、前記現在時刻情報があらかじめ設定された昼間時間範囲内にあるか否かを判定し、前記照度が前記明暗判定閾値よりも大きいとき、又は前記現在時刻情報が前記昼間時間範囲内にあるときに前記明モードを選択する一方、前記照度が前記明暗判定閾値よりも小さく、かつ前記現在時刻情報が前記昼間時間範囲外にあるときに前記暗モードを選択する構成とされていることを特徴とする請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項5】
装置周囲の明るさを検出する明るさ検出手段と、
該明るさ検出手段により検出された明るさに応じて着信音の音量を加減する着信音制御手段とを備えてなることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
前記明るさ検出手段は、
当該携帯端末装置の周囲の照度を測定する照度測定部を備え、
前記着信音制御手段は、
前記照度測定部により測定された照度に基づいて前記着信音の音量を段階的又は連続的に加減する構成とされていることを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記照度測定部は、
当該携帯端末装置の周囲の光を電気信号に変換して出力する光センサと、
該光センサから出力される前記電気信号に基づいて当該携帯端末装置の周囲の照度を測定する光センサ制御部とから構成されていることを特徴とする請求項2、3、4又は6記載の携帯端末装置。
【請求項8】
携帯端末装置に用いられる機能制御方法であって、
前記携帯端末装置の周囲の明るさを検出する明るさ検出処理と、
該明るさ検出手段により検出された明るさに応じて表示対象を加減する表示制御処理とを行うことを特徴とする機能制御方法。
【請求項9】
前記明るさ検出処理では、
当該携帯端末装置の周囲の照度を測定し、
前記表示制御処理では、
前記測定された照度に基づいて前記表示対象を段階的に加減することを特徴とする請求項8記載の機能制御方法。
【請求項10】
前記表示対象に、周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードを設定し、
前記表示制御処理では、
前記測定された照度を所定の明暗判定閾値と比較し、該照度が該明暗判定閾値よりも大きいときに前記明モードを選択する一方、該照度が該明暗判定閾値よりも小さいときに前記暗モードを選択することを特徴とする請求項9記載の機能制御方法。
【請求項11】
前記表示対象に、周囲の明暗に応じて無制限に表示するための明モード及び制限的に表示するための暗モードを設定し、
現在時刻情報を生成する計時処理を行い、
前記表示制御処理では、
前記測定された前記照度を所定の明暗判定閾値と比較すると共に、前記現在時刻情報があらかじめ設定された昼間時間範囲内にあるか否かを判定し、前記照度が前記明暗判定閾値よりも大きいとき、又は前記現在時刻情報が前記昼間時間範囲内にあるときに前記明モードを選択する一方、前記照度が前記明暗判定閾値よりも小さく、かつ前記現在時刻情報が前記昼間時間範囲外にあるときに前記暗モードを選択することを特徴とする請求項9記載の機能制御方法。
【請求項12】
携帯端末装置に用いられる機能制御方法であって、
装置周囲の明るさを検出する明るさ検出処理と、
該明るさ検出手段により検出された明るさに応じて着信音の音量を加減する着信音制御処理とを行うことを特徴とする機能制御方法。
【請求項13】
前記明るさ検出処理では、
当該携帯端末装置の周囲の照度を測定し、
前記着信音制御処理では、
前記測定された照度に基づいて前記着信音の音量を段階的又は連続的に加減することを特徴とする請求項12記載の機能制御方法。
【請求項14】
コンピュータに請求項1乃至7のいずれか一に記載の携帯端末装置を制御させるための機能制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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