説明

携帯端末装置およびその製造方法

【課題】 折り畳み式の携帯端末装置およびその製造方法において、フレキシブル配線基板やそれと接続される回路基板の健全性を確保することができ、かつそのようなフレキシブル配線基板をヒンジ部内へと容易に組み込むことができるようにする。
【解決手段】 複数の筐体2aが、内部に空洞部16を有するヒンジ部4により回転可能に連結された携帯端末装置1において、前記空洞部16内に設けられた軸部100と、この軸部100の外方に設けた外筒部と、取付孔113とを備え、前記外筒部が前記取付孔113に取り付けられることにより、前記軸部100が、前記空洞部16内において支持されており、導体22の一端が一方の前記回路基板15aに電気的に接続され、他端が前記外筒部内を通されて他方の前記回路基板に電気的に接続されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDA(Personal digital Assistants )等の携帯端末装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯端末装置の一種として、操作キーを備えた第1の筐体と、表示装置を備えた第2の筐体とをヒンジ部で開閉可能に連結した、いわゆる折り畳み式の携帯端末装置がある。この種の携帯端末装置では、各筐体に内蔵された回路基板同士を電気的に接続するために、ヒンジ部に設けた空洞部にフレキシブル基板を挿通させている。その空洞部においてフレキシブル配線基板を螺旋状に巻くことにより、筐体の開閉に伴う配線距離の変動を吸収するようになっている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−314659号公報
【特許文献2】特開2004−207446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来の折り畳み式の携帯端末装置では、筐体の開閉に応じて張力が掛かる。したがって、従来のようにフレキシブル配線基板を単純に螺旋状に巻いて空洞部内に収容しただけでは、何らかの原因でフレキシブル配線基板に局所的な応力が集中した場合に、フレキシブル配線基板が屈曲して断線や導通不良などの発生要因となるなどして、いわゆる内部配線の健全性が損なわれる虞がある。
【0004】
また、上記のようなフレキシブル配線基板を螺旋状に巻いてヒンジ部に収容する構造を備えた従来の折り畳み式の携帯端末装置では、螺旋状に巻いたフレキシブル配線基板を、巻いた状態のまま作業者等が指で保持しながらヒンジ部に組み込む作業が容易ではない傾向にある。あるいは、開閉時にフレキシブル配線基板がヒンジの回動軸方向に位置ずれを起こすなどして、捩じれてしまう虞もある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、フレキシブル配線基板のヒンジ部内での耐久性を向上させ、フレキシブル配線基板やそれと接続される回路基板の健全性を確保することができ、かつそのようなフレキシブル配線基板をヒンジ部内へと組み込む工程を容易なものとすることができる携帯端末装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、回路基板をそれぞれ内蔵した複数の筐体が、内部に空洞部を有するヒンジ部により回転可能に連結された携帯端末装置において、前記筐体を渡り前記回路基板同士を電気的に接続するための導体を案内する軸部と、この軸部の外面に設けられた外筒部と、
前記ヒンジ部の内壁部に設けられた取付孔とを備え、前記外筒部が前記取付孔に取り付けられることにより、前記軸部が、前記空洞部内において前記ヒンジ部の軸線方向に向けられて支持されており、前記導体の一端が一方の前記回路基板に電気的に接続され、他端が前記外筒部内を通されて他方の前記回路基板に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記軸部が、前記軸線方向に前記外筒部を超えて延びる延在部を備え、この延在部に前記導体が巻き付けられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記軸部に形成されたスリット内に前記導体が通されており、前記スリットによって前記導体が案内されていることを特徴とする。
【0009】
前記軸部の外面と前記外筒部の内周面との間に案内孔が形成されており、この案内孔に前記導体の他端側が通されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記導体の一端側と他端側との前記軸部からの延伸方向が、互いに交差していることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記導体が、展開状態において上面視L字状に形成されており、前記一端側が、前記軸部の長さ方向に交差する方向に延ばされて、前記導体のL字状の曲部を起点として前記軸部に巻き付けられるとともに、前記他端側が、前記長さ方向に延ばされていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記導体が、フレキシブル基板であることを特徴とする。
また、本発明は、前記軸部が、この軸部の前記空洞部内における設置位置を決める位置決め手段を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記外面が面取り部を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、回路基板をそれぞれ内蔵した複数の筐体が、内部に空洞部を有するヒンジ部により回転可能に連結された携帯端末装置の製造方法において、前記回路基板同士を電気的に接続するための導体を案内する軸部に前記導体を巻き付けて、前記軸部から前記導体の一端側および他端側を延ばす巻き付け工程と、この巻き付け工程によって導体が巻き付けられた軸部に、前記他端側を通して筒状の外筒部を嵌め込む嵌め込み工程と、この嵌め込み工程によって軸部に嵌め込まれた外筒部を、前記ヒンジ部の内壁部に設けられた取付孔に取り付ける取付工程と、この取付工程によって外筒部が取り付けられた状態において、前記軸部から延びる導体の一端および他端を、前記回路基板にそれぞれ電気的に接続する接続工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記軸部に、この軸部の長さ方向に前記外筒部を超えて延びる延在部が設けられており、前記巻き付け工程により、前記導体が前記延在部に巻き付けられることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記巻き付け工程により、前記軸部に導体が巻き付けられて、前記一端側と前記他端側とが互いに交差する方向に延ばされることを特徴とする。
また、本発明は、前記軸部に、この軸部の前記空洞部内における設置位置を決める位置決め手段が設けられており、前記嵌め込み工程において、前記軸部が、前記位置決め手段により、前記空洞部内における所定の設置位置に設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、ヒンジ部内に設けられた軸部に導体が巻かれることによって、導体がヒンジ部内で支持され、これにより導体のヒンジ部内での耐久性を向上させ、導体やそれと接続される回路基板の健全性を確保することができる。また、導体の他端側を外筒部内に通すことにより、導体の巻き付け状態が少なからず保持されるとともに、その他端側を保護することができるため、導体の組み付け作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施例)
以下、本発明の実施例における携帯端末装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明を携帯電話機に適用した場合の例を示す図であって、符号1は携帯電話機を示している。
【0018】
この携帯電話機1は、2つの筐体2a,2bがヒンジ部4により軸線Lを中心として相対回転可能に連結された折り畳み式のものである。各筐体2a,2bは、本体部6a,6bとヒンジ構成部7,8とからなっている。本体部6aには操作キー9が、本体部6bにはLCD等の表示部10がそれぞれ設けられ、これらを制御する図3に示す回路基板15a,15bが内部に収容されている。また、各ヒンジ構成部7,8は、各本体部6a,6bの長さ方向の一端に設けられており、それらが組み合わされることによりヒンジ部4が構成されている。一方の筐体2aのヒンジ構成部7は、筐体2aの幅方向の両端であって、共通の中心軸線上に配置されている円筒部7a,7bからなる。他方の筐体2bのヒンジ構成部8は、筐体2bの幅方向の中央に配される円筒部8aからなる。
【0019】
そして、ヒンジ部4は、円筒部7a,8a,7bが軸線L上に交互に配置されてなり、2つの筐体2a,2bを連結している。このヒンジ部4内には、図2に示すように、空洞部16が形成されている。
さらに、本実施例において、ヒンジ部4内の軸線L方向の一方の端壁部(内壁部)114には、軸線L方向に貫通する取付孔113が形成されている。また、空洞部16内には、ほぼ円柱状のヒンジシャフト(軸部)100が設けられている。このヒンジシャフト100は、図5に示すように、後述するダミーヒンジ(外筒部)102が嵌め込まれる嵌め込み部111と、ヒンジシャフト100の長さ方向Wに、ダミーヒンジ102を超えて延びる延在部112とを備えている。
【0020】
また、ヒンジシャフト100は、その一端面100aに位置決め手段としての固定用フック103が設けられ、他端面100bには、つまみ孔106aを有するつまみ部106が設けられてなるものである。また、ヒンジシャフト100には、その一端面100aから他端面100b側に向けて延ばされたスリット101が形成されている。そのため、一端面100aには一端開口部101aが形成され、ヒンジシャフト100の外周面(外面)110には外周開口部101bが形成されている。
【0021】
また、外周面110のうち外周開口部101bの近傍には、長さ方向Wに沿って延ばされ、R状に面取りされた面取り部108が形成されている。
そして、スリット101内に、フレキシブル配線基板(導体)22が挿通されている。フレキシブル配線基板22は、図4に示すように、展開状態において、上面視ほぼL字状に形成されている。そして、このフレキシブル配線基板22は、そのL字状の曲部20を起点として互いに直交する方向に延びる延設部28,29を備えている。その曲部20は、図5から図8に示すように、スリット101内に配置されている。そして、フレキシブル配線基板22の一方の延設部(一端側)28は、延在部112に形成された外周開口部101bから、ヒンジシャフト100の長さ方向Wに直交する方向に一旦延ばされ、延在部112に、曲部20を起点として約3/4回転に亘って巻回されている。また、他方の延設部(他端側)29は、一端開口部101aから前記長さ方向Wに一旦延ばされて、さらに図3に示すように90度折り曲げられた状態になっている。すなわち、一方の延設部28と他方の延設部29とのヒンジシャフト100からの延伸方向が互いに直交した状態になっている。
【0022】
また、ヒンジシャフト100の嵌め込み部111には、他方の延設部29が通されて、図9および図10に示すスリーブ状のダミーヒンジ(外筒部)102が嵌め込まれており、フレキシブル配線基板22が位置ずれしないように所定の位置に取り付けられている。
なお、図5,6,7,8,11では、ヒンジシャフト100にダミーヒンジ102を組み付けていない状態を示しており、一方図12では、組み付けた状態を示している。
【0023】
このようにヒンジシャフト100に組み付けられたダミーヒンジ102を取付孔113に取り付けることにより、図2および図3に示すように、ヒンジシャフト100が軸線L方向に向けられて空洞部16内において支持されている。その組み付けの際に、固定用フック103が、筐体2aまたは2b側の被係合部(図示省略)に嵌って、ヒンジシャフト100がヒンジ部4内の所定位置に確実に収容される。
【0024】
そしてこのように固定用フック103が嵌合することで、ヒンジシャフト100はいわゆるダミーヒンジとなる。また、ダミーヒンジ102をヒンジシャフト100に組み付けたことで、そのダミーヒンジ102の肉厚の分、段差ができることになり、その段差についても、筐体2aまたは2b側の係合部(図示省略)に嵌ることで、ヒンジシャフト100がヒンジ部4内の所定位置に確実に収容される。
あるいは、ヒンジシャフト100自体に図5に示す段差(位置決め手段)104を設けてもよい。そのようにして組み込まれた状態で、フレキシブル配線基板22の一方の延設部28の端部(一端)28aが一方の回路基板15a上の素子に電気的に接続されるとともに、他方の延設部29の端部(他端)29aが他方の回路基板15b上の素子に電気的に接続されるようになっている。
【0025】
このように構成された本実施例に係る携帯電話機1における作用について、以下に説明する。
【0026】
この携帯電話機1の開閉の際には、筐体2a,2bが相対的にヒンジ部4のヒンジシャフト100を中心として回動するが、そのとき、フレキシブル配線基板22はヒンジシャフト100に巻回されているのであるから、フレキシブル配線基板22の巻回された部分全体に亘って、筐体2a,2bが相対的に回動することに起因して掛かる曲げ応力が、均一に分散される。これにより、局部的な屈曲などの不具合の発生を防止することができる。
【0027】
また、フレキシブル配線基板22が巻回されるヒンジシャフト100を、回動時に開閉トルクが発生しないダミーヒンジ102としたので、筐体2a,2bの開閉時に、その回動動作に起因したトルクがフレキシブル配線基板22に直接的に掛かることを防止することができる。
【0028】
また、ヒンジシャフト100に設けられたスリット101にフレキシブル配線基板22を挿通し、そのフレキシブル配線基板22を巻回した状態でヒンジシャフト100を空洞部16内に収容しているので、フレキシブル配線基板22の巻回が緩んだり位置ずれしたりすることを防止することができる。また、ヒンジシャフト100の空洞部16内への収容時における取り扱いを容易なものとすることができる。
【0029】
また、ヒンジシャフト100に設けられたスリット101にフレキシブル配線基板22を挿通し、さらにその上をダミーヒンジ102で少なくとも部分的に覆って、外周面110とダミーヒンジ102の内向面との間にフレキシブル配線基板22を挟み込むようにしたので、ヒンジシャフト100からその外側へと延伸するフレキシブル配線基板22を、さらに確実に所定の角度や姿勢に保つことができる。またそれにより、フレキシブル配線基板22の捩じれや位置ずれ等を防止することができる。また、フレキシブル配線基板22を空洞部16へと収容する際の取り扱いを、さらに容易なものとすることができる。
【0030】
また、ヒンジシャフト100に設けられた固定用フック103(または段差104)によってヒンジ部4内におけるヒンジシャフト100の位置決めが為されるようにしたので、そのヒンジシャフト100と共にフレキシブル配線基板22を空洞部16へと収容する際の取り扱いを容易なものとすることができる。また、フレキシブル配線基板22の位置ずれ等を防止することも可能となる。
【0031】
さらに、スリット101の外周開口部101bであり、導体の差出し部に対応する位置に面取り部108が設けられているので、スリット101の外周開口部101bで折れ曲げ等の負荷応力がフレキシブル配線基板22に対して印加されることを防止することができる。
【0032】
次に、この携帯電話機1の製造方法について、その全工程のうちの特にフレキシブル配線基板22をこの携帯電話機1に組み込む工程を中心として説明する。
【0033】
まず、巻き付け工程により、以下のようにフレキシブル配線基板22がヒンジシャフト100に巻き付けられる。すなわち、図5に示すように、展開状態のフレキシブル配線基板22をスリット101に挿通し、曲部20がスリット101内に配されるようにする。そして、一方の延設部28を、延在部112に形成された外周開口部101bから、前記長さ方向Wに直交する方向に延ばし、他方の延設部29を、一端開口部101aから前記長さ方向Wに延ばす。
そして、図6から図8に示すように、一方の延設部28を延在部112に巻回させた後、図11に示すように、一端開口部101aから延ばされた他方の延設部29をほぼ直角に曲げる。このとき、曲げ部分で稜線が直線的に目立って生じるほどにきつく曲げるのではなく、フレキシブル配線基板22の弾性の限界範囲内で曲げるようにすることが望ましいことは言うまでもない。
【0034】
このようにしてヒンジシャフト100に巻回した後、嵌め込み工程によりダミーヒンジ102の嵌め込みを行う。すなわち、ダミーヒンジ102に他方の延設部29を通してから、図12に示すように、そのダミーヒンジ102を嵌め込み部111に嵌め込む。このとき、ヒンジシャフト100とダミーヒンジ102との隙間にフレキシブル配線基板22を挟持させることによって、より確実にフレキシブル配線基板22が巻回状態に保持される。こうして、延在部112にフレキシブル配線基板22を巻回しそれをダミーヒンジ102によって押えてなるユニット105が出来上がる。
【0035】
続いて、取付工程により、ユニット105が取り付けられる。すなわち、図13に示すように、ヒンジシャフト100のつまみ部106を作業者等がピンセット200等でつまんで、ダミーヒンジ102を取付孔114に挿入する。すると、所定の位置で、固定用フック103が被係合部に係合して、ダミーヒンジ102の取付位置が決められる。これにより、ヒンジシャフト100の空洞部16内での設置位置が容易に位置決めされる。
【0036】
さらに、接続工程によりフレキシブル配線基板22の接続が行われる。すなわち、一方の延設部28の端部28aを一方の回路基板15a上の素子に電気的に接続し、他方の延設部29の端部29aを他方の回路基板15b上の素子に電気的に接続する。
【0037】
このように、他方の延設部29をダミーヒンジ102内に通し、一方の延設部28をヒンジ部4の回動軸としても用いられるヒンジシャフト100に巻回させた状態で、ユニット105としてフレキシブル配線基板22を空洞部16内に組み付けるようにしたので、フレキシブル配線基板22の巻回が作業中に緩んだり位置ずれしたりすることなく、空洞部16内に容易かつ確実にフレキシブル配線基板22を収容することが可能となる。また、そのようにして組みつけられた後も、フレキシブル配線基板22の巻回の全周に亘って掛かる曲げ応力が均一に分散させることができるので、局部的な屈曲などの不具合の発生を防止することが可能となる。
【0038】
なお、フレキシブル配線基板22をヒンジシャフト100に保持させる構成のバリエーションとしては、上記のようなヒンジシャフト100自体に設けられたスリット101に挿通させること以外に、図14および図15に一例を示したように、ヒンジシャフト100の外周面110とダミーヒンジ102の内周面115との間に案内孔107を設けて、その案内孔107に他方の延設部29を挿通させる構成なども可能である。
【0039】
また、本実施例では、折り畳み型の携帯電話機1を例にとって説明したが、本発明は携帯電話機1に限定されるものではなく、PDA等のような他の携帯端末装置にも適用可能であることは勿論である。
さらに、本発明の技術範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る携帯端末装置の一実施例に係る折り畳み式の携帯電話機を略平面状になるまで開いた状態とした場合の外観を示す概略平面図である。
【図2】同実施例における空洞部内において、ヒンジシャフトにフレキシブル配線基板が巻回された様子を示す概略斜視図である。
【図3】同実施例におけるヒンジシャフトおよびフレキシブル配線基板を示す図であって、図2とは異なる視点からの斜視図である。
【図4】同実施例におけるフレキシブル配線基板の平面図である。
【図5】同実施例におけるヒンジシャフトの斜視図である。
【図6】同実施例におけるフレキシブル配線基板を3/4巻回してなるヒンジシャフトの斜視図である。
【図7】同実施例におけるフレキシブル配線基板を1巻回してなるヒンジシャフトの側面図である。
【図8】同実施例におけるフレキシブル配線基板を1巻回してなるヒンジシャフトの、図6とは異なる視点からの斜視図である。
【図9】同実施例におけるダミーヒンジの斜視図である。
【図10】同実施例におけるダミーヒンジの、図8とは反対側の視点からの斜視図である。
【図11】ヒンジシャフトの他方の延設部をほぼ直角に曲げた状態を示す斜視図である。
【図12】ダミーヒンジを組み付けた状態のヒンジシャフトの斜視図である。
【図13】ヒンジシャフトを空洞部内の所定位置に装着する工程の一例を示した斜視図である。
【図14】フレキシブル配線基板をヒンジシャフトに保持させる構成のバリエーションの一つを表した側面図である。
【図15】フレキシブル配線基板をヒンジシャフトに保持させる構成のバリエーションの一つを表した斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 携帯電話機(携帯端末装置)
2a,2b 筐体
4 ヒンジ部
15a,15b 回路基板
16 空洞部
20 曲部
22 フレキシブル配線基板(導体)
28 延設部(一端側)
28a 端部(一端)
29 延設部(他端側)
29a 端部(他端)
100 ヒンジシャフト(軸部)
101 スリット
102 ダミーヒンジ(外筒部)
103 固定用フック(位置決め手段)
104 段差(位置決め手段)
107 案内孔
108 面取り部
110 外周面(外面)
112 延在部
113 取付孔
114 端壁部(内壁部)
115 内周面
L 軸線
W 長さ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板をそれぞれ内蔵した複数の筐体が、内部に空洞部を有するヒンジ部により回転可能に連結された携帯端末装置において、
前記複数の筐体を渡り前記回路基板同士を電気的に接続するための導体を案内する軸部と、
この軸部の外方に設けた外筒部と、
前記ヒンジ部の内壁部に設けられた取付孔とを備え、
前記外筒部が前記取付孔に取り付けられることにより、前記軸部が、前記空洞部内において前記ヒンジ部の軸線方向に向けられて支持されており、
前記導体の一端が一方の前記回路基板に電気的に接続され、他端が前記外筒部の内側を通されて他方の前記回路基板に電気的に接続されていることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記軸部は、前記軸線方向に前記外筒部を超えて延びる延在部を備え、
この延在部に前記導体が巻き付けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記軸部に形成されたスリット内に前記導体が通されており、前記スリットによって前記導体が案内されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記スリットの開口部に面取り部を備えることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記軸部の外方で、かつ、前記外筒部の内周面との間に案内孔が形成されており、この案内孔に前記導体の他端側が通されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記導体の一端側と他端側との前記軸部からの延伸方向が、互いに交差していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記導体が、展開状態において上面視L字状に形成されており、
前記一端側が、前記軸部の長さ方向に交差する方向に延ばされて、前記導体のL字状の曲部を起点として前記軸部に巻き付けられるとともに、前記他端側が、前記長さ方向に延ばされていることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記導体が、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記軸部が、この軸部の前記空洞部内における設置位置を決める位置決め手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
【請求項10】
回路基板をそれぞれ内蔵した複数の筐体が、内部に空洞部を有するヒンジ部により回転可能に連結された携帯端末装置の製造方法において、
前記回路基板同士を電気的に接続するための導体を案内する軸部に前記導体を巻き付けて、前記軸部から前記導体の一端側および他端側を延ばす巻き付け工程と、
この巻き付け工程によって導体が巻き付けられた軸部に、前記他端側を通して筒状の外筒部を嵌め込む嵌め込み工程と、
この嵌め込み工程によって軸部に嵌め込まれた外筒部を、前記ヒンジ部の内壁部に設けられた取付孔に取り付ける取付工程と、
この取付工程によって外筒部が取り付けられた状態において、前記軸部から延びる導体の一端および他端を、前記回路基板にそれぞれ電気的に接続する接続工程と、を備えることを特徴とする携帯端末装置の製造方法。
【請求項11】
前記軸部に、この軸部の長さ方向に前記外筒部を超えて延びる延在部が設けられており、
前記巻き付け工程により、前記導体が前記延在部に巻き付けられることを特徴とする請求項10に記載の携帯端末装置の製造方法。
【請求項12】
前記巻き付け工程により、前記軸部に導体が巻き付けられて、前記一端側と前記他端側とが互いに交差する方向に延ばされることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の携帯端末装置の製造方法。
【請求項13】
前記軸部に、この軸部の前記空洞部内における設置位置を決める位置決め手段が設けられており、
前記嵌め込み工程において、前記軸部が、前記位置決め手段により、前記空洞部内における所定の設置位置に設置されることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の携帯端末装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−186638(P2006−186638A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−377782(P2004−377782)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】