説明

携帯端末装置およびプログラム

【課題】装置本体のスタイル変化に拘らず、内容的に同一のメニュー画面を同一の表示部に出力可能であると共に、どのようなスタイルでもメニュー選択操作が可能であり、スタイルに応じて操作性あるいは視読性を重視したメニュー画面を表示できるようにする。
【解決手段】CPU101は、カメラ撮影時に撮影を中止するかを問い合わせる確認メニュー画面を表示出力させる際に、メイン操作部4が覆い隠されて操作不可能な状態の「ビュースタイル」か、操作可能な「オープンスタイル」かを第1磁気センサ8、第2磁気センサ9からの検出信号に基づいて判別する。「オープンスタイル」であれば、メイン操作部4の数値キー操作で入力された数値データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報付きのメニュー項目を複数配置して成る確認第1メニュー画面をメイン表示部3に出力させ、「ビュースタイル」であれば、確認第1メニュー画面から選択肢情報を除いた同一内容の確認第2メニュー画面をメイン表示部3に出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装置本体を構成する複数の筐体の位置関係に応じて装置本体の形態を複数のスタイルに変更可能な携帯端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話は、様々なデザインの機種が存在しているが、その全体の形状特性から「ストレート型の携帯電話」、「折畳型の携帯電話」、「スライド型の携帯電話」、「回転型の携帯電話」などに分類することができる。この場合、「ストレート型の携帯電話」以外は、持ち運び易さを考慮してコンパクト収納を主目的としたものであり、電話本体の形態はその可動部分によって複数のスタイルに変更することができる。たとえば、現在、普及している開閉式折畳型の携帯電話であれば、電話本体を構成する2つ筐体を折り畳んだ閉じた状態と開いた状態の2つのスタイル(クローズスタイルとオープンスタイル)に変更することができる。
【0003】
ところで、一般に、折畳型の携帯電話において、2つ筐体を開いたオープンスタイルでメニューキーが操作されると、メインメニューを読み出してその表示部を出力させるが、2つ筐体を折り畳んだクローズスタイルでは、キー操作が不可能であるためメニュー表示を行うことはできない。そこで、従来では、折り畳んだ状態でもメニュー表示が可能であると共に、所望するメニュー項目を選択可能とした携帯型情報処理装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−227599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献の携帯型情報処理装置にあっては、ダイヤルキーなどの主要なキーが配置されている筐体(下部筐体)と、メイン表示部を備えた筐体(上部筐体)とを折り畳んだ状態において、上部筐体の背面側(メイン表示部の裏側)に設けられているサブ表示部にメニュー画面を表示させ、上部筐体の背面側に配置されているカーソルキーによってメニュー選択を可能としたものであるが、サブ表示部は簡単なメッセージを表示するための補助的な表示画面であり、メイン表示部に比べて画面サイズはかなり小さく、メニュー画面をサブ表示部に表示させることは、視読性が極端に悪くなり、誤認識あるいは誤操作の要因ともなる。
【0005】
ところで、近年、カメラ付きの携帯電話のほかにも、テレビジョン受像機付き携帯電話あるいは録画したテレビ番組を再生可能な画像再生機能付きの携帯電話なども実用化され始めるなど、携帯電話の多機能化に伴ってその利用の仕方は、益々多様化し、さらに、電話本体の形態もクローズスタイル、オープンスタイル限らず、たとえば、画像再生などに適したビュースタイルなど、3種類以上のスタイルに変更可能な機種も知られている。
【0006】
この発明の課題は、装置本体のスタイル変化に拘らず、内容的に同一のメニュー画面を同一の表示部に出力可能であると共に、どのようなスタイルでもメニュー選択操作が可能であり、さらにはスタイルに応じて操作性あるいは視読性を重視したメニュー画面を表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、装置本体を構成する複数の筐体の位置関係に応じて装置本体の形態を複数のスタイルに変更可能な携帯端末装置であって、前記複数の筐体の位置関係を検出する検出手段と、メニュー画面を表示出力させる際に、何れかの筐体に備えられているキー操作部が他の筐体によって覆い隠されてしまって操作不可能な状態のスタイルであるか、操作可能な状態のスタイルであるかを前記検出手段によって検出された位置関係に基づいて判別する判別手段と、この判別手段によってキー操作部を操作可能な状態のスタイルであることが判別された際に、当該キー操作部からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報付きのメニュー項目を複数配置して成る第1のメニュー画面を表示部に出力させる第1の表示制御手段と、前記判別手段によってキー操作部を操作不可能な状態のスタイルであることが判別された際に、前記第1のメニュー画面から前記選択肢情報を除いた同一内容の第2のメニュー画面を前記表示部に出力させる第2の表示制御手段とを具備し、装置本体のスタイルに拘らず操作可能な位置に設けられているカーソルキーによって前記第2のメニュー画面内から任意のメニュー項目を選択可能としたことを特徴とする。
さらに、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項8記載の発明)。
【0008】
なお、請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記装置本体は、表示部を備えた第1の筐体とキー操作部を備えた第2の筐体とがヒンジ機構部を介して開閉可能に取り付けられていると共に、第1の筐体が前記ヒンジ機構部を介して回転可能に取り付けられた折畳型・回転型の装置本体であり、前記判別手段は、前記ヒンジ機構部を介して前記第1の筐体と第2の筐体とを開くことによって第2の筐体のキー操作部が出現している状態を操作可能なスタイルであると判別し、前記第1の筐体と第2の筐体とが開いた状態において前記ヒンジ機構部を介して第1の筐体を逆向きに回転させた後に前記ヒンジ機構部を介して第1の筐体を第2の筐体に重ね合わせることによって第2の筐体のキー操作部が第1の筐体によって覆い隠されている状態を操作不可能なスタイルであると判別する(請求項2記載の発明)。
【0009】
前記装置本体は、表示部を備えた第1の筐体とキー操作部を備えた第2の筐体とを重ね合わせてスライド可能に取り付けられたスライド型の装置本体であり、前記判別手段は、第1の筐体の下側に第2の筐体が重なり合って第2の筐体のキー操作部が第1の筐体によって覆い隠されている状態を操作不可能なスタイルであると判別し、一方の筐体を他方の筐体に対してスライドされることで第2の筐体上のキー操作部が引き出された状態を操作可能なスタイルであると判別する(請求項3記載の発明)。
【0010】
前記装置本体は、表示部を備えた第1の筐体とキー操作部を備えた第2の筐体とが連結軸を介して回転可能に取り付けられた回転型の装置本体であり、前記判別手段は、第1の筐体の下側に第2の筐体が重なり合って第2の筐体のキー操作部が第1の筐体によって覆い隠されている状態を操作不可能なスタイルであると判別し、前記連結軸を介して一方の筐体を他方の筐体に対して回転されることで第2の筐体上のキー操作部が第1の筐体の下側から出現した状態を操作可能なスタイルであると判別する(請求項4記載の発明)。
【0011】
前記カーソルキーは、装置本体の周側部分のうち、装置本体のスタイルに拘らず操作可能な個所に配置されたサイドキーであると共に、前記第2のメニュー画面内の何れかの項目位置にカーソルを移動させることによって当該メニュー項目を選択指定するためのメニュー選択キーであり、前記カーソルキーによって所望するメニュー項目を選択指定した後に、この選択メニューの実行を指示する実行キーを当該カーソルキーの近傍の前記周側部分に配置する(請求項5記載の発明)。
【0012】
前記装置本体は、キー操作部を備えた外部機器が接続可能なコネクタ部を有し、
前記判別手段は、キー操作部を操作不可能な状態のスタイルであると判別した際には、さらに、前記コネクタ部に外部機器が接続されているか否かを判別し、前記第1の表示制御手段は、キー操作部を操作不可能なスタイルであっても、前記外部機器が接続されている場合には、第1のメニュー画面を表示出力させる(請求項6記載の発明)
【0013】
前記キー操作部からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報は、各メニュー項目に割り当てられた数値、文字、記号、図形のうち、少なくともその何れかの情報であると共に、前記キー操作部内に配置されている複数のデータ入力キーに対応付けられた情報である(請求項7記載の発明)。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、メニュー画面を表示出力させる際に、何れかの筐体に備えられているキー操作部が他の筐体によって覆い隠されてしまって操作不可能な状態のスタイルであるか、操作可能な状態のスタイルであるかを複数の筐体の位置関係に基づいて判別し、キー操作部を操作可能な状態のスタイルであれば、キー操作部からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報付きのメニュー項目を複数配置して成る第1のメニュー画面を表示部に出力させ、キー操作部を操作不可能な状態のスタイルであれば、第1のメニュー画面から選択肢情報を除いた同一内容の第2のメニュー画面を表示部に出力させるようにしたから、装置本体のスタイル変化に拘らず、内容的に同一のメニュー画面を同一の表示部に出力可能であると共に、どのようなスタイルでもメニュー選択操作が可能であり、さらにはスタイルに応じて操作性あるいは視読性を重視したメニュー画面を表示することができる。
【0015】
すなわち、第1のメニュー画面には、キー操作部からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報付きのメニュー項目が配置されているので、キー操作部からのダイレクト選択によって素早い選択操作が可能となり、また、第2のメニュー画面には、第1のメニュー画面から選択肢情報を除いた同一内容のメニュー項目が配置されているので、選択肢情報を除いた分だけメニュー項目の表示サイズを大きくすることができるなど、視読性を高めることが可能となるほか、表示部のサイズ的な制約、解像度(画質)などに影響されることなく、どのようなスタイルでも、同様の表示形態で同一内容のメニュー画面を表示出力させることが可能となる。
【0016】
この場合、請求項1記載の発明は、折畳型で部分的に回転可能な複合型の装置本体(請求項2記載の発明)、またはスライド型の装置本体(請求項3記載の発明)、さらには回転型の装置本体(請求項4記載の発明)にも同様に適用可能であり、同様の効果を有する。
また、カーソルキーは、装置本体の周側部分に配置すると共に、選択メニューの実行を指示する実行キーもカーソルキーの近傍に配置したから(請求項5記載の発明)、どのようなスタイルでも操作可能となる。また、キー操作部を備えた外部機器が接続された場合には、第1のメニュー画面を表示出力するようにしたから(請求項6記載の発明)、外部機器側からのキー操作によってメニュー選択が可能となる。選択肢情報は、各メニュー項目に割り当てられた数値、文字、記号、図形のうち、少なくともその何れかの情報であると共に、キー操作部内に配置されている複数のデータ入力キーに対応付けられた情報であるから、選択肢情報とキーとの対応関係によってダイレクト操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1〜図9を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、この実施例における折畳・回転型(複合型)のカメラ付き携帯電話装置の外観図であり、(A)は、装置本体を閉じた状態を示した正面図、(B)は、装置本体を開いた状態の正面図、(C)は、装置本体を開いた状態の背面図である。
この装置本体は、2つの筐体1、2から構成されており、メイン表示部3を備えた第1の筐体(上部筐体)1と、キー操作部4を備えた第2の筐体(下部筐体)2とは、ヒンジ機構部(連結部)5を介して取り付けられている。このヒンジ機構部5は、上部筐体1と下部筐体2とを開閉可能に連結する折畳構造(開閉ヒンジ機構)のほかに、下部筐体2に対して上部筐体1を180°回転可能に連結する回転構造(回転ヒンジ機構)を有している。この場合、上部筐体1と下部筐体2とを開いた状態において、ヒンジ機構部5を構成する回転支軸6を介して上部筐体1を180°回転させることによって上部筐体1のメイン表示部3を逆向き(背面側)に反転させることが可能となっている。
【0018】
図2(A)は、上部筐体1を180°回転させてメイン表示部3を逆向き(背面側)に反転させた状態を示し、(B)は、メイン表示部3を逆向きに回転させた状態から上部筐体1を下部筐体2に重ね合わせた状態を示した図である。
以下、図1(A)に示すように、上部筐体1が下部筐体2に重なり合っている状態を「クローズスタイル」と呼称し、また、図1(B)に示すように、上部筐体1と下部筐体2とが開いた状態を「正転オープンスタイル」、図2(A)に示すように、メイン表示部3を逆向きにに回転させた状態が「反転オープンスタイル」、図2(B)に示すように、メイン表示部3を逆向きに回転させた状態から上部筐体1を下部筐体2に重ね合わせた状態を「ビュースタイル」と呼称する。なお、「反転オープンスタイル」は、「正転オープンスタイル」から「ビュースタイル」に変更する過程での過渡的なスタイルであるが、相手に画面を見せるときにも使用可能なスタイルである。
【0019】
上筐体1においてメイン表示部3の右上角部の近傍には、図1(B)に示すように、通話機能を構成する音声スピーカ(たとえば、ダイナミックスピーカなど)7が配置されており、また、下部筐体2においてキー操作部4の右下の角部近傍には、第1磁気センサ8が配置され、また、キー操作部4の左下の角部近傍には、第2磁気センサ9が配置されている。この音声スピーカ7、第1磁気センサ8、第2磁気センサ9は、複数の筐体1、2の位置関係から装置本体のスタイルを検出するスタイル検出部を構成するもので、「クローズスタイル」では、音声スピーカ7と第1磁気センサ8とが直接的に相対向し、また、「ビュースタイル」では、音声スピーカ7と第2磁気センサ9とが上筐体1を介して間接的に相対向することによって第1磁気センサ8、第2磁気センサ9は、音声スピーカ7の永久磁石からの磁界に反応してオンとなり、ハイレベルの検出信号を出力する。
【0020】
したがって、「クローズスタイル」では、第1磁気センサ8の検出信号のみがハイレベルとなり、「ビュースタイル」では、第2磁気センサ9の検出信号のみがハイレベルとなり、「オープンスタイル」では、第1および第2磁気センサ8、9の検出信号が共にローレベルとなるため、第1および第2磁気センサ8、9の検出信号に基づいて現在のスタイルを判別することが可能となる。なお、複数の筐体1、2の位置関係から装置本体のスタイルを検出する磁気センサ8、9は、たとえば、デジタルタイプのホール素子などによって構成されたものであるが、磁気センサに限らず、電気的、機構的、光学的手段の何れかあるいはそれらの組み合わせによって現在のスタイルを検出するようにしてもよい。
【0021】
一方、下部筐体2に設けられたキー操作部(以下、メイン操作部と呼称する)4には、図1(B)、図2(A)に示すように、メインメニューを呼び出すためのメニューキー4A、メールメニューを呼び出すためのメールキー4B、電話帳を呼び出すための電話帳キー4C、4方向に対応してメニュー項目などを選択するカーソルキー4Dと、このカーソルキー4Dで選択された項目を決定するときなどに使用される決定キー4Eのほか、通話発信の開始/応答受信(オンフック)を指示する開始キー4Fと、電源オン/オフキー4G、ダイアル入力、数値、文字入力などを行う数値キー4Hなどが設けられている。なお、数値キー4Hは、数値“0”〜“9”に対応するテンキー、“#”、“*”、“記号”キーを有する構成で、各キーには、“ひらがな文字”、“アルファベット文字”などが割り当てられている。
【0022】
また、下部筐体2には、上述したメイン操作部4のほかに、その両側部にはサブ操作部10が配置されている。このサブ操作部10は、「クローズスタイル」、「反転オープンスタイル」、「ビュースタイル」など、どのようなスタイルであっても操作可能となるように、下部筐体2の両側部に配置されたサイドキーであり、このサブ操作部10には、メニュー画面を呼び出すためのメニューキー10Aと、メニュー画面の中から任意のメニュー項目を選択する際には、上方向にカーソルを移動させることによって所望するメニュー項目を選択するための上カーソルキー10Bと、下方向にカーソルを移動させることによって所望するメニュー項目を選択するための下カーソルキー10Cと、選択されたメニュー項目の実行メニューとして決定するための決定キー10Dなどが配置されている。
【0023】
上部筐体1に設けられたメイン表示部3は、たとえば、カラー液晶画面であり、縦横比の異なる高精細ディスプレイである。このメイン表示部3は、待受画面、メニュー画面、メール作成画面、電話帳出力画面、カメラ撮影時のファインダ画面、カメラ画像の再生画面等として機能する。また、図1(C)に示すように、上部筐体1の背面側(メイン表示部3の反対側)には、サブ表示部11が設けられており、また、下部筐体2の背面側(メイン操作部4の反対側)には、カメラ用の撮影レンズ12が設けられている。そして、この実施例においては、カメラ撮影時にファインダ画面として機能しているメイン表示部3のモニタ画像を確認しながらカメラ撮影を行う際には、図1(B)の「正転オープンスタイル」、図2(B)の「ビュースタイル」の何れかで行うようにしているが、その際、キー操作によってメニュー表示が指示されると、メイン表示部3には撮影を中止するかを問い合わせるための確認メニュー画面が表示される。
【0024】
図3は、カメラ撮影時に表示される確認メニュー画面を示し、(A)は、「正転オープンスタイル」で表示される確認第1メニュー画面を示し、(B)は、「ビュースタイル」で表示される確認第2メニュー画面を示している。なお、図3は、ムービー撮影時の確認メニューを例示したもので、この確認メニュー画面は、ムービー撮影を中止するかを問い合わせるための案内メッセージ「中止しますか?」のほか、「中止する」、「中止しない」、「保存する」の各メニュー項目を一覧表示するメニュー画面であ。なお、この実施例においては、確認メニュー画面のうち、現在アクティブ状態となっているメニュー項目を点滅させることによってハイライト表示するようにしている。
【0025】
また、「正転オープンスタイル」対応の確認第1メニュー画面は、図3(A)に示すように、その各メニュー項目の先頭部分に、メイン操作部4からのキー入力データ“1”〜“3”によって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報として「一連No」が付加されている。この場合、この選択肢情報は、「中止する」の項目に対応して“1”が付加され、「中止しない」の項目に対応して“2”が付加され、「保存する」の項目に対応して“3”が付加されている。なお、この実施例において選択肢情報は、マトリックス構成のメイン操作部4の2列目において横並び状態の数値キー“1”、“2”、“3”に対応付けるようにしたが、メイン操作部4の1行目において縦並び状態の数値キー“1”、“4”、“7”に対応付けるようにすれば、メニュー項目の並び方向と数値キーの並び方向とを一致させることができ、操作性を向上させることが可能となる。その他、選択肢情報は、数値に限らず、アルファベット文字、記号などであってよく、メイン操作部4に備えられ、かつ、そのキーに1対1に対応付けられていてワンタッチ操作が可能なものであれば、その内容は任意である。
【0026】
「ビュースタイル」に対応付けられている確認第2メニュー画面は、図3(B)に示すように、確認第1メニュー画面から選択肢情報を除いた同一内容のメニュー項目を表示するもので、図3(B)においては、メイン表示部3を横長状態とした「ビュースタイル」での確認メニュー画面を示している。すなわち、確認第2メニュー画面は、上述と同様に、ムービー撮影を中止するかを問い合わせるための案内メッセージ「中止しますか?」のほか、「中止する」、「中止しない」、「保存する」の各メニュー項目を一覧表示するメニュー画面であるが、確認第1メニュー画面から選択肢情報を除いた内容となっている。この場合、各メニュー項目は、選択肢情報を除いた分だけ文字サイズを大きくすると共に、各文字間(文字ピッチ)を広くしてメイン表示部3の全体を有効に使用した画面内容となっている。そして、この確認第2メニュー画面の中から所望するメニュー項目を選択指定する際には、下部筐体2の両側部に配置したサイドキーとしてのサブ操作部10、つまり、上カーソルキー10Bあるいは下カーソルキー10Cと、決定キー10Dを使用して行うようにしている。
【0027】
図4は、確認メニュー画面対応のコマンドテーブル13の内容を示した図である。
このコマンドテーブル13は、確認メニュー画面内の選択メニューに対応するコマンドを定義するもので、選択肢情報である「数値」“1”〜“3”とその「項目名」と「コマンド」とを対応付けたテーブルである。すなわち、「数値」“1”に対応してその「項目名」として、“中止する”、「コマンド」として“中止コマンド”が設定され、また、「数値」“2”に対応してその「項目名」として、“中止しない”、「コマンド」として“再開コマンド”が設定され、さらに、「数値」“3”に対応してその「項目名」として、“保存する”、「コマンド」として“保存コマンド”が設定されている。
【0028】
図5は、折畳・回転型(複合型)のカメラ付き携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU101は、記憶部102内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部102は、不揮発性メモリ(内部メモリ)であり、たとえば、ROM(フラッシュメモリなど)によって構成され、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図6〜図8に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納されている。メモリ(たとえば、スタティックRAM)103は、ワーク領域を有する内部メモリであり、また、メモリカード104は、着脱自在な記録メディアであり、たとえば、スマートメディア、ICカード、メモリスティックなどによって構成され、RAM103との間において画像データなどの授受が行われる。
【0029】
CPU101には、通信データ処理部105、オーディオインターフェイス106が接続されており、アンテナ107からの受信電波が無線部108によって検波、復調されると共にデジタル変換されて通信データ処理部105に与えられると、通信データ処理部105は、通話呼出、メール受信、インターネット受信かを判別し、通話呼出あるいはメール受信であれば、CPU101は、音源IC部109に設定されている着信音を読み出してアンプ(AMP)110に与え、報知用スピーカ111から着信音を発生出力させると共に、表示制御部112を介して報知用LED113を点灯駆動させる。さらに、CPU101は、通話呼出であれば、オンフック操作(応答操作)に応じて通話相手先との接続が確立されると、通信データ処理部105からの音声データをオーディオインターフェイス106を介して音声スピーカ7から発生出力させる。マイクロホン114からの入力音声は、オーディオインターフェイス106、通信データ処理部105を介して無線部108に与えられて変調された後にアンテナ107から発信出力される。
【0030】
また、CPU101には、その入出力周辺デバイスである上部筐体1側のメイン操作部4と下部筐体2側のサブ操作部11、上部筐体1側のメイン表示部3、第1磁気センサ8、第2磁気センサ9のほか、カメラ撮像制御部115、充電コネクタ部116、外部コネクタ117が接続されている。CPU101は、第1磁気センサ8、第2磁気センサ9からの検出信号に基づいて装置本体の現在のスタイルとして「オープンスタイル」か、「クローズスタイル」か、「ビュースタイル」かを判別し、スタイルに応じたメニュー画面を表示出力させるようにしている。
【0031】
なお、カメラ撮像制御部115は、撮影レンズ、ミラー等のレンズ・ミラーブロック、CCDイメージセンサ等の撮像素子、その駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路等を備えたもので、光学ズームを調整制御したり、オートフォーカス時の駆動制御、シャッター駆動制御、露出、ホワイトバランス等を制御する。また、充電コネクタ部116は、充電スタンド(図示せず)に接続されるもので、充電スタンドからの充電電流によって携帯電話内の2次電池が充電される。
【0032】
外部コネクタ117は、外部キーボード (図示せず)が着脱自在に接続されるもので、CPU101は、装置本体のスタイルが「ビュースタイル」の場合には、上述したように、図3(B)に示す確認第2メニュー画面を表示出力させるが、「ビュースタイル」であっても外部コネクタ117に外部キーボードが接続されている場合には、図3(A)に示した確認第1メニュー画面を表示するようにしている。なお、外部キーボードは、テンキー(数値キー)、文字キーなどを備えた入力拡張用のキーボード装置であり、CPU101は、この外部キーボードが接続された際には、キー入力されたデータに基づいて確認第1メニュー画面内の選択肢情報をダイレクトに選択指定するようにしている。
【0033】
次ぎに、この実施例における携帯電話装置の動作概念を、図6〜図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0034】
図6〜図8は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU101は、電源投入に伴って待受モードとなり、予め設定されている壁紙用の待受画像が読み出されてメイン表示部3に貼り付け表示される (ステップS1)。この待受状態において、通話着信あるいはメール受信を検出すると(ステップS2でYES)、報知用スピーカ111から着信音を出力させると共に、報知用LED113を点滅駆動させて着信報知を行うと共に、着信対応処理が行われる(ステップS3)。この場合、電話着信時には、オンフック操作(応答操作)に応じて通話可能状態となり、通話を切るオフフック操作(終了操作)が行われるまで電話着信処理が継続される。また、メール受信時には、受信メールをメールボックスに格納した後に、メール開封操作に応じて受信メールをメイン表示部3に表示させる。
【0035】
その後、ステップS1に戻って待受状態となる。また、CPU101は、メイン操作部4あるいはサブ操作部10の何れかのキーが操作されたことを検出した際には(ステップS4でYES)、メイン操作部4のメニューキー4Aが操作されたのか、サブ操作部10のメニューキー10Aが操作されたのかをチェックする(ステップS5)。ここで、操作キーがメニューキー4A、10A以外のキーであれば(ステップS5でNO)、この操作キーに対応するキー入力処理を実行するが(ステップS6)、メニューキー4A、10Aが操作された場合には、その操作に応答してトップメニュー画面を表示出力させる(ステップS7)。
【0036】
図9は、トップメニュー画面の内容を示した図で、このメニュー画面には、「アプリ」、「カメラ」、「ムービー」、「Web」、「メール」、「設定」に対応してそのメニュー項目名が一覧表示される。なお、「アプリ」のメニュー項目は、アプリケーション処理としてのメール作成ソフト電話帳作成ソフト、計算ソフトなどを呼び出すためのメニュー項目であり、「カメラ」は、スチルカメラとして画像撮影を行う際のメニュー項目、「ムービー」は、ビデオカメラとして画像撮影を行う際のメニュー項目、「Web」は、インターネット接続してWebページを閲覧するときのメニュー項目であり、「設定」は、暗証Noなどを設定する際のメニュー項目である。なお、この実施例においては、トップメニュー画面のうち、現在アクティブ状態となっているメニュー項目の全体を点滅させることによって、ハイライト表示するようにしている。
【0037】
このようなトップメニュー画面が表示されている状態において、CPU101は、キー操作の有無をチェックし(ステップS8)、メイン操作部4のカーソルキー4D、サブ操作部10のカーソルキー10B、10Cのうち、その何れかが操作されたことを検出すると(ステップS9でYES)、トップメニュー画面内においてハイライト表示(点滅表示)がカーソル操作に応じて移動させる(ステップS10)。これによって所望するメニュー項目を選択指定した後、その選択メニューの実行を指示するためにメイン操作部4の決定キー4Eあるいはサブ操作部10の決定キー10Dが操作されると (ステップS11でYES)、トップメニュー画面内において現在のハイライト表示されているメニュー項目は、「ムービー」か否かをチェックする(ステップS12)。ここで、「ムービー」以外のメニュー項目であれば、そのメニュー項目に対応する処理を実行した後に(ステップS13)、ステップS2に戻る。
【0038】
一方、トップメニュー画面の中から「ムービー」のメニュー項目が選択指定されて、その実行が指示された場合には(ステップS12でYES)、ビデオカメラ機能を起動させた後(ステップS14)、図7のステップS15に移り、カメラ撮像制御部115からムービーモニタを取得してメイン表示部3に表示出力させる。そして、キー操作待ち状態において(ステップS16)、録画の開始を指示するためのキー、つまり、メイン操作部4の決定キー4Eあるいはサブ操作部10の決定キー10Dが録画開始キーとして操作された場合には(ステップS17でYES)、ムービー録画を開始し(ステップS18)、撮影画像を逐次取り込みながらメモリ103に転送して画像記録を行う(ステップS19)。
【0039】
なお、ムービー録画の終了を指示するためのキー、つまり、メイン操作部4のメニューキー4Aあるいはサブ操作部10のメニューキー10Aが録画終了キーとして操作された場合には(ステップS26でYES)、図6のステップS2に戻り、また、上述の録画開始キー、録画終了キー以外のキーが操作された場合には(ステップS17およびS26でNO)、たとえば、ズームイン/ズームアウト操作が行われた場合には、それに応じてカメラ撮像制御部115に対して光学ズームの調整を指示するなど、操作キー対応処理(カメラ制御処理)を実行した後に(ステップS27)、モニタ表示に戻る(ステップS15)。
【0040】
いま、録画開始が指示されて撮影画像を逐次記録しているムービー録画中において、メイン操作部4のメニューキー4Aあるいはサブ操作部10のメニューキー10Aが録画を途中で中止させるための中止キーとして操作された場合には(ステップS20でYES)、CPU101は、この録画中止の指示に応答してムービー録画を中止するのかを問い合わせるための確認メニュー画面を表示出力させながら対話形式でその問い合わせを確認するための確認メニュー処理に移る(ステップS21)。
【0041】
図8は、確認メニュー処理(ステップS21)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、CPU101は、第1磁気センサ8 第2磁気センサ9からの検出信号に基づいて現在のスタイルは、「オープンスタイル」か「ビュースタイル」かを調べる(ステップS30)。ここで、第1および第2磁気センサ8、9からの検出信号が共にローレベルであれば、「オープンスタイル」であると判別して(ステップS31でYES)、図3(A)に示した内容の確認第1メニュー画面をメイン表示部3に出力させた後(ステップS32)、キー入力待ち状態となる(ステップS33)。
【0042】
この確認第1メニュー画面は、上述したように各メニュー項目に選択肢情報として、“1”〜“3”の一連Noが付加表示されているので、メイン操作部4の数値キー4Hのうち、“1”〜“3”対応のキーが操作された際には(ステップS34でYES)、操作された数値キー4Hに対応するキー入力データに基づいて該当するメニュー項目をダイレクト選択すると共に、この選択項目対応の「数値データ」に基づいてコマンドテーブル13を検索し、対応するコマンドを読み出した後(ステップS35)、図7のステップS22に移ってコマンドの種類を判別する。
【0043】
ここで、コマンドテーブル13から取得したコマンドが「中止コマンド」であれば、録画開始から現時点までにメモリ103に録画されている全て画像を削除する処理を実行し(ステップS23)、また、「再開コマンド」であれば、録画動作を継続させるためにステップS19に戻り、また、「保存コマンド」であれば、録画開始から現時点までにメモリ103に録画されている全て画像をメモリカード104に書き込んで記録保存させる(ステップS24)。そして、「中止コマンド」、「保存コマンド」の場合には、メイン操作部4のメニューキー4Aあるいはサブ操作部10のメニューキー10Aが録画終了キーとして操作されたかをチェックし(ステップS25)、録画終了キーが操作されるまでステップS19に戻るが、録画終了キー(メニューキー)が操作された場合には、図6のステップS2に戻る。
【0044】
一方、CPU101は、第1磁気センサ8 第2磁気センサ9からの検出信号に基づいて現在のスタイルを判別した結果、第2磁気センサ9の検出信号のみがハイレベルであれば、現在、「ビュースタイル」にセットされていると判別する(図8のステップS31でNO)。この場合、CPU101は、外部コネクタ117をアクセスすることによって外部キーボードが接続されているかを判別し(ステップS36)、外部キーボードが接続されている場合には、この外部キーボードの数値キーによってメニュー項目をダイレクトに選択可能であるあるため、ステップS32に移って、上述の確認第1メニュー画面を表示出力させる。この場合、CPU101は、この外部キーボードからキー入力された数値データに基づいて確認第1メニュー画面内の選択肢情報をダイレクトに選択指定する。
【0045】
また、「ビュースタイル」にセットされている状態において、CPU101は、外部キーボードが接続されていないことを条件として(ステップS36でNO)、図3(B)に示した確認第2メニュー画面をメイン表示部3に出力させる(ステップS37)。そして、キー操作待ち状態において(ステップS38)、サブ操作部10の上カーソルキー10Bあるいは下カーソルキー10Cが操作された際には(ステップS39でYES)、確認第2メニュー画面内において、操作されたカーソルキーに応じてその方向に現在のハイライト表示を移動表示させる (ステップS40)。
【0046】
これによって所望するメニュー項目をアクティブメニューとして選択指定した後において、その選択メニューの実行を指示するために、サブ操作部10の決定キー10Dが操作されると (ステップS41でYES)、ハイライト表示されている選択項目に基づいてコマンドテーブル13を検索して、対応するコマンドを読み出す(ステップS42)。そして、図7のステップS22に移り、コマンドテーブル13から読み出されたコマンドの種類を判別する。以下、上述と同様に、コマンドに応じて処理が実行される(図7のステップS22〜S25)。
【0047】
以上のように、この実施例においてCPU101は、カメラ撮影時にムービー撮影を中止するかを問い合わせるための確認メニュー画面を表示出力させる際に、メイン操作部4が覆い隠されてしまって操作不可能な状態の「ビュースタイル」か、操作可能な状態の「オープンスタイル」かを第1磁気センサ8、第2磁気センサ9からの検出信号に基づいて判別し、「オープンスタイル」であれば、メイン操作部4の数値キー操作で入力された数値データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報(数値情報)付きのメニュー項目を複数配置して成る確認第1メニュー画面(図3(A)参照)をメイン表示部3に出力させ、「ビュースタイル」であれば、確認第1メニュー画面から選択肢情報を除いた同一内容の確認第2メニュー画面(図3(B)参照)をメイン表示部3に出力させるようにしたから、装置本体のスタイル変化に拘らず、内容的に同一の確認メニュー画面を同一のメイン表示部3に出力可能であると共に、どのようなスタイルでもメニュー選択操作が可能であり、さらにはスタイルに応じて操作性あるいは視読性を重視した確認メニュー画面を表示することができる。
【0048】
すなわち、確認第1メニュー画面には、メイン操作部4からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報付きのメニュー項目が配置されているので、ダイレクト選択によって素早い選択操作が可能となり、また、確認第2メニュー画面には、確認第1メニュー画面から選択肢情報を除いた同一内容のメニュー項目が配置されているので、選択肢情報を除いた分だけ各メニュー項目の表示サイズを大きくすることができるなど、視読性を高めることが可能となるほか、表示部のサイズ的な制約、解像度(画質)などに影響されることなく、どのようなスタイルでも、同様の表示形態で同一内容の確認メニュー画面を表示出力させることが可能となる。
【0049】
また、サブ操作部10を構成するメニューキー10A、上カーソルキー10B、下カーソルキー10C、決定キー10Dは、装置本体のサイド面に配置したから、どのようなスタイルでも操作可能となる。また、CPU101は、「ビュースタイル」にセットされている状態であっても、外部キーボードが接続されている場合には、確認第1メニュー画面を表示出力するようにしたから、外部キーボードからのキー操作によってダイレクトなメニュー選択が可能となる。
【0050】
なお、上述した実施例においては、折畳・回転型(複合型)のカメラ付き携帯電話装置に適用した場合を例示したが、折畳・回転型(複合型)に限らず、たとえば、回転型の携帯電話装置、スライド型の携帯電話装置にも同様に適用可能である。
図10(A)〜(C)は、回転型の携帯電話装置、図11〜図13は、スライド型の携帯電話装置を説明するための図である。この回転型、スライド型の携帯電話装置においても、上述した折畳・回転型(複合型)と同様に、装置本体のスタイル変化に拘らず、内容的に同一の確認メニュー画面を同一の表示部に出力可能であると共に、どのようなスタイルでもメニュー選択操作が可能としたものである。
【0051】
回転型の携帯電話装置において、その装置本体は、図10(A)〜(C)に示すように、2つの筐体201、202とを有し、表示部203およびキー操作部(サブ操作部)204を備えた上部筐体201と、キー操作部(メイン操作部)205を備えた下部筐体202とが連結軸 (回転支軸)206を介して回転可能に取り付けられた回転型の装置本体である。
ここで、図10(A)は、装置本体を閉じて状態、つまり、上部筐体201と下部筐体202とを重ね合わせた状態(クローズスタイル)を示し、(B)は、連結軸 (回転支軸)206を中心として下部筐体202を回転し始めた途中の過渡状態を示し、(C)は、装置本体を開いた状態、つまり、上部筐体201と下部筐体202とが直線的になるように上部筐体201を180°回転させた状態(オープンスタイル)を示している。
【0052】
この場合、上述したクローズスタイル、オープンスタイルの検出は、たとえば、回転支軸206の近傍に設けた磁気センサと磁石 (図示せず)によって行い、上部筐体201を180°回転させることによって磁気センサが「オフ」から「オン」に切り換わるようにすれば、このスイッチ信号に基づいて現在のスタイルを検出することが可能となる。なお、この場合においても、磁気的、電気的、機構的、光学的な手段の何れかあるいはそれらの組み合わせによって現在のスタイルを検出するようにしてもよい。ここで、図10(A)の状態を「クローズスタイル」、図10(C)の状態を「オープンスタイル」とすれば、「オープンスタイル」では、図3(A)に示した確認第1メニュー画面を表示出力させ、「クローズスタイル」では、図3(B)に示した確認第2メニュー画面を表示出力させればよい。
【0053】
キー操作部(サブ操作部)204には、メニューキー204A、4方向のカーソルキー204B、決定キー204Cが設けられており、「クローズスタイル」において、確認第2メニュー画面が表示出力されている状態でカーソルキー204Bを操作することによって所望するメニュー項目を選択指定し、決定キー204Cを操作することによって選択メニューの実行を指示するようにすればよい。また、「オープンスタイル」において、確認第1メニュー画面が表示出力されている状態でキー操作部(メイン操作部)205上に設けられている数値キー(図示せず)を操作することによって所望するメニュー項目をダイレクトに選択指定すればよい。
【0054】
また、スライド型の携帯電話装置において、図11(A)は、装置本体を閉じた状態(クローズスタイル)を示し、(B)は、装置本体を開いた状態(オープンスタイル)を示した正面図である。
この装置本体は、2つの筐体301、302から構成されており、表示部303およびキー操作部(サブ操作部)304を備えた上部筐体301と、キー操作部(メイン操作部)305を備えた下部筐体302とを重ね合わせてスライド可能に取り付けられたスライド型の装置本体である。ここで、キー操作部(サブ操作部)304には、メニューキー304A、4方向のカーソルキー304B、決定キー304Cが設けられており、キー操作部(メイン操作部)305には、数値キー(図示せず)などが設けられている。
【0055】
図12は、携帯電話装置のスライド構造を説明するための図であり、上部筐体301と下部筐体302とを分解した状態を示している。
上部筐体301の下面においてその両縁部には、断面L型状の一対のレール部材306a、306bが敷設され、また、下部筐体302の上面においてキー操作部(メイン操作部)305以外の両縁部には、断面L型状の一対のレール部材307a、307bが敷設されている。この場合、上部筐体301側のレール部材306a、306bと下部筐体302側のレール部材307a、307bとを互に掛かり合わせることで、上部筐体301と下部筐体302とがスライド可能に連結されている。なお、上部筐体301側のレール部材306a、306bに比べて下部筐体2側のレール部材7a、7bの長さは短く、少なくとも、キー操作部305の縦幅(スライド方向の長さ)以上短くすることによって「オープンスタイル」にセットした際に、キー操作部(メイン操作部)305の全てが出現するようにしている。
【0056】
また、「クローズスタイル」にセットされているか、「オープンスタイル」にセットされているかを検出可能とするために、上部筐体301の下面所定位置にはマグネット308が設けられ、また、下部筐体302の上面所定位置には磁気センサ309が設けられている。すなわち、マグネット308と磁気センサ309は、現在のスタイルを検出するスタイル検出部を構成するもので、図13に示すように、「オープンスタイル」ではマグネット308と磁気センサ309とが対向することによって磁気センサ309の検出信号がハイレベルとなるが、「クローズスタイル」ではマグネット308と磁気センサ309とが離間することによって磁気センサ309の検出信号がローレベルとなる。
【0057】
この場合、図11(B)の「オープンスタイル」では、図3(A)に示した確認第1メニュー画面を表示出力させ、図11(A)の「クローズスタイル」では、図3(B)に示した確認第2メニュー画面を表示出力させればよい。そして、「クローズスタイル」において、確認第2メニュー画面が表示出力されている状態でカーソルキー304Bを操作することによって所望するメニュー項目を選択指定し、決定キー304Cを操作することによって選択メニューの実行を指示するようにすればよい。また、「オープンスタイル」において、確認第1メニュー画面が表示出力されている状態でキー操作部(メイン操作部)305上に設けられている数値キー(図示せず)を操作することによって所望するメニュー項目をダイレクトに選択指定すればよい。
【0058】
このように構成された回転型、スライド型の携帯電話装置においても、上述した折畳・回転型(複合型)と同様の効果を有する。すなわち、これらの携帯電話装置は、装置本体のスタイル変化に拘らず、内容的に同一のメニュー画面を同一の表示部に出力可能であると共に、どのようなスタイルでもメニュー選択操作が可能であり、さらにはスタイルに応じて操作性あるいは視読性を重視したメニュー画面を表示することができる。
【0059】
また、上述した実施例においては、カメラ撮影時にムービー撮影を中止するかを問い合わせるための確認メニュー画面を表示出力させる際に、「オープンスタイル」であれば、確認第1メニュー画面を表示出力させ、「ビュースタイル」であれば、確認第2メニュー画面を表示出力させたが、確認第2メニュー画面は、「ビュースタイル」に限らず、他のスタイルであってもよい。また、現在のスタイルに応じて確認第1メニュー画面あるいは確認第2メニュー画面を選択的に表示するようにしたが、ムービー撮影時、スチルカメラ撮影時に限らず、たとえば、トップメニュー画面の「アプリ」、「カメラ」、「ムービー」、「Web」、「メール」、「設定」に対応するサブメニュー画面を表示出力する場合でもよく、どのような種類のメニュー画面であっても、上述と同様に適用可能である。
【0060】
また、確認第1メニュー画面において、各メニュー項目に付加されている選択肢情報は、数値に限らず、文字、記号、図形などあってもよく、また、それらの組み合わせであってもよいが、選択肢情報とキーとを1対1に対応付ければ、ワンタッチ操作によってメニュー選択が可能となる。
その他、装置本体は、上部筐体と下部筐体に限らず、3種類の筐体によって構成してもよい。また、携帯電話装置に限らず、たとえば、PDAなどの携帯端末装置であっても同様に適用可能である。
【0061】
一方、コンピュータに対して、上述した各手段を実行させるためのプログラムコードをそれぞれ記録した記録媒体(たとえば、CD−ROM、フレキシブルディスク、RAMカード等)を提供するようにしてもよい。すなわち、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有する記録媒体であって、メニュー画面を表示部に出力させる際に、何れかの筐体に備えられているキー操作部が他の筐体によって覆い隠されてしまって操作不可能な状態のスタイルであるか、操作可能な状態のスタイルであるかを複数の筐体の位置関係に基づいて判別する機能と、前記キー操作部を操作可能な状態のスタイルであることが判別された際に、当該キー操作部からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報付きのメニュー項目を複数配置して成る第1のメニュー画面を表示部に出力する機能と、前記キー操作部を操作不可能な状態のスタイルであることが判別された際に、前記第1のメニュー画面から前記選択肢情報を除いた同一内容の第2のメニュー画面を表示部に出力する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】折畳・回転型(複合型)のカメラ付き携帯電話装置において、(A)は、装置本体を閉じた状態を示した正面図、(B)は、装置本体を開いた状態の正面図、(C)は、装置本体を開いた状態の背面図。
【図2】(A)は、上部筐体1を180°回転させてメイン表示部3を逆向き(背面側)に回転させた状態を示し、(B)は、メイン表示部3を逆向きに回転させた状態から上部筐体1を下部筐体2に重ね合わせた状態を示した図。
【図3】カメラ撮影時において、ムービー録画を中止するのかを問い合わせる確認メニュー画面として、(A)は、「正転オープンスタイル」で表示される確認第1メニュー画面を示し、(B)は、「ビュースタイル」で表示される確認第2メニュー画面を示した図。
【図4】確認メニュー画面対応のコマンドテーブル13の内容を示した図。
【図5】折畳・回転型(複合型)のカメラ付き携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図6】電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の動作を示したフローチャート。
【図7】図6に続く、携帯電話装置の動作を示したフローチャート。
【図8】図7で示した確認メニュー処理(ステップS21)を詳述するためのフローチャート。
【図9】トップメニュー画面の内容を示した図。
【図10】回転型の携帯電話装置に適用した場合を示し、A)は、装置本体を閉じて状態、(B)は、回転支軸206を中心として下部筐体202を回転し始めた途中の過渡状態を示し、(C)は、装置本体を開いた状態を示した図。
【図11】スライド型の携帯電話装置に適用した場合を示し、 (A)は、装置本体を閉じた状態を示し、(B)は、装置本体を開いた状態を示した図。
【図12】スライド型の携帯電話装置のスライド構造を説明するための図。
【図13】スライド型の携帯電話装置において、現在のスタイルを検出するスタイル検出部を説明するための図。
【符号の説明】
【0063】
1、201、301 上部筐体
2、202、302 下部筐体
3 メイン表示部
4、205、305 キー操作部(メイン操作部)
5 連結部
6 回転支軸
8 第1磁気センサ
9 第2磁気センサ
10、204、304 サブ操作部
10B 上カーソルキー
10C 下カーソルキー
10D 決定キー
13 コマンドテーブル
101 CPU
102 記憶部
103 メモリ
117 外部コネクタ
203、303 表示部
206 連結軸 (回転支軸)
306a、306b、307a、307b レール部材
308 マグネット
309 磁気センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体を構成する複数の筐体の位置関係に応じて装置本体の形態を複数のスタイルに変更可能な携帯端末装置であって、
前記複数の筐体の位置関係を検出する検出手段と、
メニュー画面を表示出力させる際に、何れかの筐体に備えられているキー操作部が他の筐体によって覆い隠されてしまって操作不可能な状態のスタイルであるか、操作可能な状態のスタイルであるかを前記検出手段によって検出された位置関係に基づいて判別する判別手段と、
この判別手段によってキー操作部を操作可能な状態のスタイルであることが判別された際に、当該キー操作部からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報付きのメニュー項目を複数配置して成る第1のメニュー画面を表示部に出力させる第1の表示制御手段と、
前記判別手段によってキー操作部を操作不可能な状態のスタイルであることが判別された際に、前記第1のメニュー画面から前記選択肢情報を除いた同一内容の第2のメニュー画面を前記表示部に出力させる第2の表示制御手段と、
を具備し、装置本体のスタイルに拘らず操作可能な位置に設けられているカーソルキーによって前記第2のメニュー画面内から任意のメニュー項目を選択可能としたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記装置本体は、表示部を備えた第1の筐体とキー操作部を備えた第2の筐体とがヒンジ機構部を介して開閉可能に取り付けられていると共に、第1の筐体が前記ヒンジ機構部を介して回転可能に取り付けられた折畳型・回転型の装置本体であり、
前記判別手段は、前記ヒンジ機構部を介して前記第1の筐体と第2の筐体とを開くことによって第2の筐体のキー操作部が出現している状態を操作可能なスタイルであると判別し、前記第1の筐体と第2の筐体とが開いた状態において前記ヒンジ機構部を介して第1の筐体を逆向きに回転させた後に前記ヒンジ機構部を介して第1の筐体を第2の筐体に重ね合わせることによって第2の筐体のキー操作部が第1の筐体によって覆い隠されている状態を操作不可能なスタイルであると判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記装置本体は、表示部を備えた第1の筐体とキー操作部を備えた第2の筐体とを重ね合わせてスライド可能に取り付けられたスライド型の装置本体であり、
前記判別手段は、第1の筐体の下側に第2の筐体が重なり合って第2の筐体のキー操作部が第1の筐体によって覆い隠されている状態を操作不可能なスタイルであると判別し、一方の筐体を他方の筐体に対してスライドされることで第2の筐体上のキー操作部が引き出された状態を操作可能なスタイルであると判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記装置本体は、表示部を備えた第1の筐体とキー操作部を備えた第2の筐体とが連結軸を介して回転可能に取り付けられた回転型の装置本体であり、
前記判別手段は、第1の筐体の下側に第2の筐体が重なり合って第2の筐体のキー操作部が第1の筐体によって覆い隠されている状態を操作不可能なスタイルであると判別し、前記連結軸を介して一方の筐体を他方の筐体に対して回転されることで第2の筐体上のキー操作部が第1の筐体の下側から出現した状態を操作可能なスタイルであると判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記カーソルキーは、装置本体の周側部分のうち、装置本体のスタイルに拘らず操作可能な個所に配置されたサイドキーであると共に、前記第2のメニュー画面内の何れかの項目位置にカーソルを移動させることによって当該メニュー項目を選択指定するためのメニュー選択キーであり、
前記カーソルキーによって所望するメニュー項目を選択指定した後に、この選択メニューの実行を指示する実行キーを当該カーソルキーの近傍の前記周側部分に配置する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記装置本体は、キー操作部を備えた外部機器が接続可能なコネクタ部を有し、
前記判別手段は、キー操作部を操作不可能な状態のスタイルであると判別した際には、さらに、前記コネクタ部に外部機器が接続されているか否かを判別し、
前記第1の表示制御手段は、キー操作部を操作不可能なスタイルであっても、前記外部機器が接続されている場合には、第1のメニュー画面を表示出力させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記キー操作部からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報は、各メニュー項目に割り当てられた数値、文字、記号、図形のうち、少なくともその何れかの情報であると共に、前記キー操作部内に配置されている複数のデータ入力キーに対応付けられた情報である、ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項8】
コンピュータに対して、
メニュー画面を表示部に出力させる際に、何れかの筐体に備えられているキー操作部が他の筐体によって覆い隠されてしまって操作不可能な状態のスタイルであるか、操作可能な状態のスタイルであるかを複数の筐体の位置関係に基づいて判別する機能と、
前記キー操作部を操作可能な状態のスタイルであることが判別された際に、当該キー操作部からのキー入力データによって任意のメニュー項目をダイレクト選択することが可能な選択肢情報付きのメニュー項目を複数配置して成る第1のメニュー画面を表示部に出力する機能と、
前記キー操作部を操作不可能な状態のスタイルであることが判別された際に、前記第1のメニュー画面から前記選択肢情報を除いた同一内容の第2のメニュー画面を表示部に出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−121449(P2006−121449A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−307540(P2004−307540)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】