携帯端末装置および携帯端末装置の制御方法ならびにプログラム
【課題】第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化をトリガとして、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢に応じた機能を起動する携帯端末装置を提供する。
【解決手段】第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置に内蔵された開閉センサ111が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出すると、姿勢センサ110が第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出し、制御部113は、検出された姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶部から読み出し、当該機能を起動する。
【解決手段】第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置に内蔵された開閉センサ111が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出すると、姿勢センサ110が第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出し、制御部113は、検出された姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶部から読み出し、当該機能を起動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機などの携帯端末装置に関し、特にメール機能やテレビ機能などの機能を起動する方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置の一例として、携帯電話機は多機能化が進んでおり、電話やメール機能以外にも、カメラ、放送受信(テレビ等)、音楽再生、測位(位置情報)など数多くの機能が搭載されてきている。それに伴って、ユーザがメニュー画面から所望の機能をキー操作により選択する際の操作が煩雑化している。このような状況において、よりスピーディに、またより簡易に必要とする機能を選択する技術が求められている。
【0003】
この種の従来技術の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された携帯端末装置は、第1の筐体に対し表示部を備える第2の筐体を接続機構により回動可能に接続し、第1の筐体に対する第2の筐体の姿勢を、表示部が内向きの状態で筐体同士が重なり合う第1の状態と、表示部が外向きの状態で筐体同士が重なり合う第2の状態と、第1の状態と第2の状態との中間の状態で表示部が露出する第3の状態に選択的に設定可能な携帯端末装置において、第1の筐体に対する第2の筐体の姿勢の変化を検出する姿勢判定手段と、この姿勢判定手段によって第1または第3の状態から第2の状態に変化したことが検出された場合に、映像信号を表示部に表示する映像表示手段を起動する起動制御手段とを備えている。
【0004】
他方、特許文献2には、筐体の方位と傾きの大きさに応じて表示部に表示される壁紙が変化する携帯端末装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−211394号公報
【特許文献2】特開2006−157182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された技術によれば、第1の筐体に対する第2の筐体の姿勢を第1または第3の状態から第2の状態に変化させると、映像表示手段が自動的に起動される。このため、例えばテレビジョン受信機能のアプリケーションを起動させようとする場合に、ユーザは筐体を開いて第3の姿勢にするだけでよくなり、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べ、操作性が向上する。
【0007】
しかしながら、第1の筐体に対する第2の筐体の姿勢を検知の対象としているため、例えば図7に示されるように、折り畳み型の携帯電話機を主表示部が上にくるように縦に開いた姿勢、主表示部が右にくるように横に開いた姿勢、主表示部が左にくるように横に開いた姿勢は、何れも同じ姿勢として検知される。何故なら、何れも一方の筐体に対する他方の筐体の姿勢としては、「180度開いている姿勢」という点で同じになるためである。自動的に起動する機能が高々1つであれば、これら3つの姿勢を同一の姿勢として検出するメリットはあるが、自動的に起動する機能の種類が多い場合には逆にデメリットとなる。
【0008】
筐体の方位と傾きの大きさに応じて表示部に表示される壁紙を変化させる特許文献2の技術を応用し、筐体の方位と傾きの大きさに応じて起動する機能の種類を変化させることが考えられるが、ユーザにとって方位は自明でなく、また日常の使用に際して筐体の方位と傾きは常に変化するため、所望の種類の機能をユーザ自身が選択的に起動するのは甚だ困難である。
【0009】
本発明の目的は、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化をトリガとして、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢に応じた機能を起動する携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の携帯端末装置は、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置において、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の携帯端末装置は、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置において、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、装置の動きを検出する移動検出部と、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを前記移動検出部で監視し、装置の動きが停止した時点において前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の携帯端末装置は、第2の携帯端末装置において、前記姿勢検出部および前記移動検出部は同じ3軸加速度センサを使用することを特徴とする。
【0013】
本発明の第1の携帯端末装置の制御方法は、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置の制御方法において、開閉検出部が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する第1のステップと、姿勢検出部が、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する第2のステップと、制御部が、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部から前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応する種別情報を読み出して機能を起動する第3のステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の携帯端末装置の制御方法は、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置の制御方法において、開閉検出部が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する第1のステップと、移動検出部が、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを検出する第2のステップと、姿勢検出部が、装置の動きが停止した時点の第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢を検出する第3のステップと、制御部が、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部から前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応する種別情報を読み出して機能を起動する第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
『作用』
本発明の第1の携帯端末装置にあっては、第1筐体と第2筐体との開閉状態を開から閉あるいは閉から開に変化させると、そのことが開閉検出部で検出され、続いて姿勢検出部によって第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化が検出され、この検出された姿勢に対応して記憶部に記憶されている種別情報が制御部によって読み出されて該当する機能が起動される。
【0016】
また本発明の第2の携帯端末装置にあっては、第1筐体と第2筐体との開閉状態を開から閉あるいは閉から開に変化させると、そのことが開閉検出部で検出され、続いて移動検出部によって装置の動きが監視される。そして、装置の動きが停止したことが検出されると、姿勢検出部によって第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化が検出され、この検出された姿勢に対応して記憶部に記憶されている種別情報が制御部によって読み出されて該当する機能が起動される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば以下のような効果が奏される。
【0018】
第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化をトリガとして、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0019】
第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢に応じて機能を選択するので、例えば図7に示されるように、折り畳み型の携帯電話機を主表示部が上にくるように縦に開いた姿勢、主表示部が右にくるように横に開いた姿勢、主表示部が左にくるように横に開いた姿勢それぞれ毎に、異なる機能を選択することも可能となる。
【0020】
移動検出部を備えた構成にあっては、第1筐体と第2筐体との開閉状態が変化した時点の姿勢にかかわらず、その後に動きが停止した時点の姿勢に応じて機能が選択されるので、片手で開閉操作を行うユーザにとって使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
『第1の実施の形態』
図1および図2を参照すると、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置100は、通信機能(通話、メール送受信、インターネット接続)を備え、主表示部103aを有する第1筐体100aと操作部104を有する第2筐体100bとがヒンジ部100cにより相互に開閉自在に接続された折り畳み型の携帯電話装置である。
【0023】
携帯端末装置100は、無線アンテナ101を介して図示しない無線基地局装置との間で無線により情報の送受信を行う無線通信部102と、画像、図形、文字、記号などの各種情報の表示出力制御(映像信号処理)を行う液晶表示装置であって、第1筐体100aの内面(折り畳み時に外部に露出しない面)側に設けられた主表示部103aおよび第1筐体100aの外面(折り畳み時に外部に露出する面)側に設けられた副表示部103bとから構成される表示部103と、テンキー、スクロールキー、決定キー等から構成され携帯端末装置100に対する各種情報入力を行う操作部104と、送話部106(送話マイク)および受話部107(受話スピーカ)を介して入出力された音声信号の処理を行う音声処理部105とを備えている。
【0024】
さらに携帯端末装置100は、第1筐体100aの外面に配設され、画像情報の取得(撮影)を行うカメラ部108と、楽音や報知音などの鳴音出力を行うスピーカ109と、第2筐体100bの姿勢を検出する姿勢センサ110と、第1筐体100aと第2筐体100bに磁石、ホール素子を配設することで、或いは凸部と押下スイッチを配設する等の方法により、第1筐体100aと第2筐体100bの相互の位置(開状態、閉状態)を検出する開閉センサ111と、図示しない放送受信用アンテナを介して受信した放送局(テレビ、ラジオ)からの放送信号を受信して復調する放送受信処理部114と、通信機能に関わる情報(電話帳情報、送受信メール情報、発着呼情報)やコンテンツ情報、アプリケーションプログラム情報、携帯端末装置の諸設定を格納するメモリ部112と、電話機能、メール機能、インターネット(web)接続機能、カメラ機能、テレビ受信機能、コンテンツ再生機能、その他の端末の有する機能や各部の制御を行う制御部113とを備えている。
【0025】
姿勢センサ110は、例えば図3(a)に示す3軸加速度センサ201で構成される。3軸加速度センサ201は、感応軸方向に関して、運動加速度成分から重力加速度成分を差し引いた成分を測定する慣性センサである。今、それぞれ直交する3つの感応軸をx軸、y軸、z軸とし、各軸の検出値をAx、Ay、Azとすると、各軸が地面に垂直な鉛直軸から傾いている角度θx、θy、θzを図3(b)の式によって計算することができる。ここで、gは重力加速度である。
【0026】
従って、姿勢センサ110を、例えば図4に示されるように、x−y軸で形成されるxy平面が第2筐体100bの内面(折り畳み時に露出しない面)と平行になり、z軸が当該内面に垂直になるように第2筐体100bに内蔵しておけば、第2筐体100bの姿勢の変化を検出することができる。
【0027】
図5はメモリ部112に記憶されている姿勢判定テーブル211の一例を示す。姿勢判定テーブル211は、3軸加速度センサ201の各軸の検出値Ax、Ay、Azと、予め定められた姿勢との関係を定義したテーブルである。ここで、姿勢1は図7に示されるように主表示部103aが上にくるように縦に開いた姿勢、姿勢2は主表示部103aが右にくるように横に開いた姿勢、姿勢3は主表示部103aが左にくるように横に開いた姿勢である。例えば、検出値Axが○○から○×の範囲にあり、かつ、検出値Ayが△△から△×の範囲にあり、かつ、検出値Azが□□から□×の範囲にあれば、姿勢1と判定される。
【0028】
図6はメモリ部112に記憶されている機能設定テーブル221の一例を示す。機能設定テーブル221は、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶するテーブルである。ここでは、3つの設定があり、設定1には姿勢1に対応してメール機能が、設定2には姿勢2に対してテレビ機能が、設定3には姿勢3に対してゲーム機能がそれぞれ設定されている。機能種別の欄には、具体的には該当する機能を提供するアプリケーションプログラム名やその呼び出し先のアドレス等が設定される。
【0029】
次に本実施の形態の動作を説明する。
【0030】
携帯端末装置100のメモリ部112には、ユーザの予めの設定により、携帯端末装置100を閉状態から開状態(使用スタイル)に移行した際に、どのような機能を起動させるかの情報(設定)が格納されている。本実施の形態の場合、例えば、図7(a)に示すように、ヒンジ部100cを上側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合にはメール機能を起動させ、図7(b)に示すように、ヒンジ部100cを右側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合にはテレビ機能を起動させ、図7(c)に示すように、ヒンジ部100cを左側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合には、所定のゲーム(アプリケーション)を起動させる設定がなされている。
【0031】
携帯端末装置100の制御部113は、筐体の閉状態から開状態への変化を開閉センサ111の出力により検出すると(図8のステップS101)、その時点の第2筐体100bの姿勢(向き)を姿勢センサ110(3軸加速度センサ201)の出力値とメモリ部112中の姿勢判定テーブル211とにより判定し(ステップS102)、判定した姿勢に対応する機能種別情報をメモリ部112の機能設定テーブル221から読み出す(ステップS103)。そして、当該機能種別情報が示す機能を実行するアプリケーションプログラムを起動する(ステップS104)。従って、図7(a)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを上側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合、メール機能が起動される。また、図7(b)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを右側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合には、テレビ機能が起動される。さらに、図7(c)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを左側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合には、所定のゲームが起動される。
【0032】
次に本実施の形態の効果を説明する。
【0033】
本実施の形態によれば、筐体の閉状態から開状態への変化をトリガとして、開状態となった時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0034】
第2筐体100bの姿勢に応じて機能を選択するので、図7に示したように、主表示部103aが上にくるように縦に開いた姿勢、主表示部103aが右にくるように横に開いた姿勢、主表示部103aが左にくるように横に開いた姿勢のそれぞれ毎に、異なる機能を起動することができる。
【0035】
『第2の実施の形態』
上述した第1の実施の形態では、筐体の閉状態から開状態への変化をトリガとして機能を起動したが、本実施の形態では、筐体の開状態から閉状態への変化をトリガとして、閉状態となった第2筐体100bの姿勢に応じた機能を起動する。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0036】
図9は本実施の形態にかかる携帯端末装置100のメモリ部112に記憶されている機能設定テーブル231の一例を示す。この例の機能設定テーブル231には3つの設定があり、設定1には姿勢1に対応して時計機能が、設定2には姿勢2に対して音楽再生機能が、設定3には姿勢3に対してカメラ機能がそれぞれ設定されている。機能種別の欄には、具体的には該当する機能を提供するアプリケーションプログラム名やその呼び出し先のアドレス等が設定される。また、メモリ部111には第1の実施の形態と同様な図5に示した姿勢判定テーブル211が記憶されている。
【0037】
携帯端末装置100の制御部113は、筐体の開状態から閉状態への変化を開閉センサ111の出力により検出すると(図10のステップS201)、第2筐体100bの姿勢(向き)を姿勢センサ110(3軸加速度センサ201)の出力値とメモリ部112中の姿勢判定テーブル211とにより判定し(ステップS202)、判定した姿勢に対応する機能種別情報をメモリ部112の機能設定テーブル231から読み出す(ステップS203)。そして、当該機能種別情報が示す機能を実行するアプリケーションプログラムを起動する(ステップS204)。
【0038】
従って、図11(a)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを上側とした開いた状態から閉じた状態に変位させた場合、時計機能が起動される。また、図11(b)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを右側とした開いた状態から閉じた状態に変位させた場合には、音楽再生機能が起動する。さらに、図11(c)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを左側とした開いた状態から閉じた状態に変位させた場合には、カメラ機能が起動する。
【0039】
次に本実施の形態の効果を説明する。
【0040】
本実施の形態によれば、筐体の開状態から閉状態への変化をトリガとして、閉状態となった時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を閉じた状態で使用する機能について、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0041】
第2筐体100bの姿勢に応じて機能を選択するので、図11に示したように、ヒンジ部100cが上にくるように縦に閉じた姿勢、ヒンジ部100cが右にくるように横に閉じた姿勢、ヒンジ部100cが左にくるように横に閉じた姿勢のそれぞれの姿勢毎に、異なる機能を起動することができる。
【0042】
『第3の実施の形態』
図12を参照すると、本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置300は、自装置の動きを検出する動きセンサ115が追加されている点で、図1に示した第1の実施の形態にかかる携帯端末装置100と相違する。
【0043】
動きセンサ115は、図3(a)に示したものと同様の3軸加速度センサ201で構成される。この場合、各軸x、y、zの検出値Ax、Ay、Azを所定の時間間隔でサンプリングし、直前のサンプリング値との差分を求め、その差分値がほぼ0かどうかを判定することにより、携帯端末装置300の動きの有無を判定することができる。すなわち、図3(c)の式が成立したとき、携帯端末装置300は動きが停止していると判定できる。ここで、Axt、Ayt、Aztは時刻tにおける各軸の検出値を示す。
【0044】
動きセンサ115は、第1筐体100aおよび第2筐体100bの何れに配設しても良い。また、動きセンサ115と姿勢センサ110とで同じ3軸加速度センサ201を使用しても良い。
【0045】
次に本実施の形態の動作を説明する。
【0046】
携帯端末装置300のメモリ部112には、ユーザの予めの設定により、携帯端末装置300を閉状態から開状態(使用スタイル)に移行した際に、どのような機能を起動させるかの情報(設定)が格納されている。本実施の形態の場合、例えば、図13に示すように、任意の姿勢の閉状態からヒンジ部100cを上側として開いた状態に変位させた場合にはメール機能を起動させ、任意の姿勢の閉状態からヒンジ部100cを右側として開いた状態に変位させた場合にはテレビ機能を起動させ、任意の姿勢の閉状態からヒンジ部100cを左側として開いた状態に変位させた場合には、所定のゲーム(アプリケーション)を起動させる設定がなされている。このような設定は第1の実施の形態と同様に図6に示したような機能設定テーブル221で行う。また図5に示したような姿勢判定テーブル211も事前に設定しておく。
【0047】
携帯端末装置300の制御部113は、筐体の閉状態から開状態への変化を開閉センサ111の出力により検出すると(図14のステップS301)、自装置300の動きを動きセンサ115(3軸加速度センサ201)の出力値により判定する(ステップS302)。そして、自装置300の動きが停止したことを検出すると、その時点の第2筐体100bの姿勢(向き)を姿勢センサ110(3軸加速度センサ201)の出力値とメモリ部112中の姿勢判定テーブル211とにより判定し(ステップS303)、判定した姿勢に対応する機能種別情報をメモリ部112の機能設定テーブル221から読み出す(ステップS304)。そして、当該機能種別情報が示す機能を実行するアプリケーションプログラムを起動する(ステップS305)。
【0048】
従って、図13に示すように、ユーザが任意の閉状態、例えばヒンジ部100cを上側として閉じた状態、ヒンジ部100cを右側として閉じた状態、ヒンジ部100cを左側として閉じた状態などから、ヒンジ部100cを上側として開いた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合、メール機能が起動される。
【0049】
また、図13に示すように、ユーザが前記と同様の任意の閉状態から、ヒンジ部100cを右側として開いた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合には、テレビ機能が起動する。
【0050】
さらに、図13に示すように、ユーザが前記と同様の任意の閉状態から、ヒンジ部100cを左側として開いた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合には、所定のゲームを起動する。
【0051】
次に本実施の形態の効果を説明する。
【0052】
本実施の形態によれば、筐体の閉状態から開状態への変化をトリガとして、動きが停止した時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0053】
第2筐体100bの姿勢に応じて機能を選択するので、図13に示したように、主表示部103aが上にくるように縦に開いた姿勢、主表示部103aが右にくるように横に開いた姿勢、主表示部103aが左にくるように横に開いた姿勢のそれぞれ毎に、異なる機能を起動することができる。
【0054】
閉状態から開状態へ変化した時点の姿勢にかかわらず、動きが停止した時点の姿勢に応じて機能が選択されるので、片手で開閉操作を行うユーザにとって使い勝手が向上する。
【0055】
『第4の実施の形態』
上述した第3の実施の形態では、筐体の閉状態から開状態への変化をトリガとして機能を起動したが、本実施の形態では、筐体の開状態から閉状態への変化をトリガとして、その後の動きの停止時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を起動する。以下、第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
本実施の形態にかかる携帯端末装置300のメモリ部112には、第2の実施の形態と同様な図9に示した機能設定テーブル231が記憶されている。また、メモリ部112には第1の実施の形態と同様な図5に示した姿勢判定テーブル211が記憶されている。
【0057】
携帯端末装置300の制御部113は、筐体の開状態から閉状態への変化を開閉センサ111の出力により検出すると(図15のステップS401)、自装置300の動きを動きセンサ115(3軸加速度センサ201)の出力値により判定する(ステップS402)。そして、自装置300の動きが停止したことを検出すると、その時点の第2筐体100bの姿勢(向き)を姿勢センサ110(3軸加速度センサ201)の出力値とメモリ部112中の姿勢判定テーブル211とにより判定し(ステップS403)、判定した姿勢に対応する機能種別情報をメモリ部112の機能設定テーブル231から読み出す(ステップS404)。そして、当該機能種別情報が示す機能を実行するアプリケーションプログラムを起動する(ステップS405)。
【0058】
従って、図16に示すように、ユーザが任意の開状態、たとえばヒンジ部100cを上側として開いた状態、ヒンジ部100cを右側として開いた状態、ヒンジ部100cを左側とした開いた状態などから、ヒンジ部100cを上側として閉じた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合、時計機能が起動される。
【0059】
また、図16に示すように、ユーザが上記と同様の任意の開状態から、ヒンジ部100cを右側として閉じた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合には、音楽再生機能が起動する。
【0060】
さらに、図16に示すように、ユーザが上記と同様の任意の開状態から、ヒンジ部100cを左側として閉じた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合には、カメラ機能が起動する。
【0061】
次に本実施の形態の効果を説明する。
【0062】
本実施の形態によれば、筐体の開状態から閉状態への変化をトリガとして、動きが停止した時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を閉じた状態で使用する機能について、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0063】
第2筐体100bの姿勢に応じて機能を選択するので、図16に示したように、ヒンジ部100cが上にくるように縦に閉じた姿勢、ヒンジ部100cが右にくるように横に閉じた姿勢、ヒンジ部100cが左にくるように横に閉じた姿勢のそれぞれの姿勢毎に、異なる機能を起動することができる。
【0064】
開状態から閉状態へ変化した時点の姿勢にかかわらず、動きが停止した時点の姿勢に応じて機能が選択されるので、片手で開閉操作を行うユーザにとって使い勝手が向上する。
【0065】
『その他の実施の形態』
上述した各実施の形態は、筐体の閉状態から開状態への変化あるいはその逆の開状態から閉状態への変化の何れか一方をトリガとして機能選択を行ったが、閉状態から開状態への変化および開状態から閉状態への変化の双方について、姿勢に応じた機能の選択を行うようにしても良い。
【0066】
また上述した各実施の形態は、姿勢センサ110を第2の筐体100bに内蔵させて第2の筐体100bの姿勢に応じた機能選択を行ったが、姿勢センサ110を第1の筐体100aに内蔵させて第1の筐体100aの姿勢に応じて機能選択を行うようにしても良い。さらに、第1の筐体100aおよび第2の筐体100bのそれぞれに姿勢センサ110を内蔵させて第1の筐体100aおよび第2の筐体100bの姿勢の組み合わせに応じて機能選択を行うようにしても良い。
【0067】
また上述した各実施の形態は、折畳み型の携帯端末装置に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、第1筐体と第2筐体がスライド構造により接続され、相互の位置として、縮退、展開位置に変位するスライド型の携帯端末装置や、第1筐体と第2筐体が回動構造により結合され、第1筐体が第2筐体に対して回転するリボルバー型の携帯端末装置に対しても適用することができる。
【0068】
また本発明の携帯端末装置は、その有する機能をハードウェア的に実現することは勿論、コンピュータとプログラムとで実現することができる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態における携帯端末装置として機能させ、前述した処理を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置の閉じた状態と開いた状態の平面図である。
【図3】姿勢センサおよび動きセンサとして使用する3軸加速度センサの説明図である。
【図4】3軸加速度センサで携帯端末装置の姿勢を検出する場合の感応軸の設定例を示す図である。
【図5】3軸加速度センサの各軸の検出値と予め定められた姿勢との関係を定義した姿勢判定テーブルの一例を示す図である。
【図6】姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する機能設定テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置の姿勢の変化と起動される機能の例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態で使用する機能設定テーブルの一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかる携帯端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかる携帯端末装置の姿勢の変化と起動される機能の例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置のブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置の姿勢の変化と起動される機能の例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施の形態にかかる携帯端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第4の実施の形態にかかる携帯端末装置の姿勢の変化と起動される機能の例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
100、300…携帯端末装置
100a…第1の筐体
100b…第2の筐体
100c…ヒンジ部
101…無線アンテナ
102…無線通信部
103…表示部
103a…主表示部
103b…副表示部
104…操作部
105…音声処理部
106…送話部
107…受話部
108…カメラ部
109…スピーカ
110…姿勢センサ
111…開閉センサ
112…メモリ部
113…制御部
114…放送受信処理部
115…動きセンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機などの携帯端末装置に関し、特にメール機能やテレビ機能などの機能を起動する方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置の一例として、携帯電話機は多機能化が進んでおり、電話やメール機能以外にも、カメラ、放送受信(テレビ等)、音楽再生、測位(位置情報)など数多くの機能が搭載されてきている。それに伴って、ユーザがメニュー画面から所望の機能をキー操作により選択する際の操作が煩雑化している。このような状況において、よりスピーディに、またより簡易に必要とする機能を選択する技術が求められている。
【0003】
この種の従来技術の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された携帯端末装置は、第1の筐体に対し表示部を備える第2の筐体を接続機構により回動可能に接続し、第1の筐体に対する第2の筐体の姿勢を、表示部が内向きの状態で筐体同士が重なり合う第1の状態と、表示部が外向きの状態で筐体同士が重なり合う第2の状態と、第1の状態と第2の状態との中間の状態で表示部が露出する第3の状態に選択的に設定可能な携帯端末装置において、第1の筐体に対する第2の筐体の姿勢の変化を検出する姿勢判定手段と、この姿勢判定手段によって第1または第3の状態から第2の状態に変化したことが検出された場合に、映像信号を表示部に表示する映像表示手段を起動する起動制御手段とを備えている。
【0004】
他方、特許文献2には、筐体の方位と傾きの大きさに応じて表示部に表示される壁紙が変化する携帯端末装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−211394号公報
【特許文献2】特開2006−157182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された技術によれば、第1の筐体に対する第2の筐体の姿勢を第1または第3の状態から第2の状態に変化させると、映像表示手段が自動的に起動される。このため、例えばテレビジョン受信機能のアプリケーションを起動させようとする場合に、ユーザは筐体を開いて第3の姿勢にするだけでよくなり、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べ、操作性が向上する。
【0007】
しかしながら、第1の筐体に対する第2の筐体の姿勢を検知の対象としているため、例えば図7に示されるように、折り畳み型の携帯電話機を主表示部が上にくるように縦に開いた姿勢、主表示部が右にくるように横に開いた姿勢、主表示部が左にくるように横に開いた姿勢は、何れも同じ姿勢として検知される。何故なら、何れも一方の筐体に対する他方の筐体の姿勢としては、「180度開いている姿勢」という点で同じになるためである。自動的に起動する機能が高々1つであれば、これら3つの姿勢を同一の姿勢として検出するメリットはあるが、自動的に起動する機能の種類が多い場合には逆にデメリットとなる。
【0008】
筐体の方位と傾きの大きさに応じて表示部に表示される壁紙を変化させる特許文献2の技術を応用し、筐体の方位と傾きの大きさに応じて起動する機能の種類を変化させることが考えられるが、ユーザにとって方位は自明でなく、また日常の使用に際して筐体の方位と傾きは常に変化するため、所望の種類の機能をユーザ自身が選択的に起動するのは甚だ困難である。
【0009】
本発明の目的は、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化をトリガとして、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢に応じた機能を起動する携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の携帯端末装置は、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置において、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の携帯端末装置は、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置において、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、装置の動きを検出する移動検出部と、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを前記移動検出部で監視し、装置の動きが停止した時点において前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の携帯端末装置は、第2の携帯端末装置において、前記姿勢検出部および前記移動検出部は同じ3軸加速度センサを使用することを特徴とする。
【0013】
本発明の第1の携帯端末装置の制御方法は、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置の制御方法において、開閉検出部が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する第1のステップと、姿勢検出部が、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する第2のステップと、制御部が、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部から前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応する種別情報を読み出して機能を起動する第3のステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の携帯端末装置の制御方法は、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置の制御方法において、開閉検出部が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する第1のステップと、移動検出部が、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを検出する第2のステップと、姿勢検出部が、装置の動きが停止した時点の第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢を検出する第3のステップと、制御部が、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部から前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応する種別情報を読み出して機能を起動する第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
『作用』
本発明の第1の携帯端末装置にあっては、第1筐体と第2筐体との開閉状態を開から閉あるいは閉から開に変化させると、そのことが開閉検出部で検出され、続いて姿勢検出部によって第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化が検出され、この検出された姿勢に対応して記憶部に記憶されている種別情報が制御部によって読み出されて該当する機能が起動される。
【0016】
また本発明の第2の携帯端末装置にあっては、第1筐体と第2筐体との開閉状態を開から閉あるいは閉から開に変化させると、そのことが開閉検出部で検出され、続いて移動検出部によって装置の動きが監視される。そして、装置の動きが停止したことが検出されると、姿勢検出部によって第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化が検出され、この検出された姿勢に対応して記憶部に記憶されている種別情報が制御部によって読み出されて該当する機能が起動される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば以下のような効果が奏される。
【0018】
第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化をトリガとして、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0019】
第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢に応じて機能を選択するので、例えば図7に示されるように、折り畳み型の携帯電話機を主表示部が上にくるように縦に開いた姿勢、主表示部が右にくるように横に開いた姿勢、主表示部が左にくるように横に開いた姿勢それぞれ毎に、異なる機能を選択することも可能となる。
【0020】
移動検出部を備えた構成にあっては、第1筐体と第2筐体との開閉状態が変化した時点の姿勢にかかわらず、その後に動きが停止した時点の姿勢に応じて機能が選択されるので、片手で開閉操作を行うユーザにとって使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
『第1の実施の形態』
図1および図2を参照すると、本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置100は、通信機能(通話、メール送受信、インターネット接続)を備え、主表示部103aを有する第1筐体100aと操作部104を有する第2筐体100bとがヒンジ部100cにより相互に開閉自在に接続された折り畳み型の携帯電話装置である。
【0023】
携帯端末装置100は、無線アンテナ101を介して図示しない無線基地局装置との間で無線により情報の送受信を行う無線通信部102と、画像、図形、文字、記号などの各種情報の表示出力制御(映像信号処理)を行う液晶表示装置であって、第1筐体100aの内面(折り畳み時に外部に露出しない面)側に設けられた主表示部103aおよび第1筐体100aの外面(折り畳み時に外部に露出する面)側に設けられた副表示部103bとから構成される表示部103と、テンキー、スクロールキー、決定キー等から構成され携帯端末装置100に対する各種情報入力を行う操作部104と、送話部106(送話マイク)および受話部107(受話スピーカ)を介して入出力された音声信号の処理を行う音声処理部105とを備えている。
【0024】
さらに携帯端末装置100は、第1筐体100aの外面に配設され、画像情報の取得(撮影)を行うカメラ部108と、楽音や報知音などの鳴音出力を行うスピーカ109と、第2筐体100bの姿勢を検出する姿勢センサ110と、第1筐体100aと第2筐体100bに磁石、ホール素子を配設することで、或いは凸部と押下スイッチを配設する等の方法により、第1筐体100aと第2筐体100bの相互の位置(開状態、閉状態)を検出する開閉センサ111と、図示しない放送受信用アンテナを介して受信した放送局(テレビ、ラジオ)からの放送信号を受信して復調する放送受信処理部114と、通信機能に関わる情報(電話帳情報、送受信メール情報、発着呼情報)やコンテンツ情報、アプリケーションプログラム情報、携帯端末装置の諸設定を格納するメモリ部112と、電話機能、メール機能、インターネット(web)接続機能、カメラ機能、テレビ受信機能、コンテンツ再生機能、その他の端末の有する機能や各部の制御を行う制御部113とを備えている。
【0025】
姿勢センサ110は、例えば図3(a)に示す3軸加速度センサ201で構成される。3軸加速度センサ201は、感応軸方向に関して、運動加速度成分から重力加速度成分を差し引いた成分を測定する慣性センサである。今、それぞれ直交する3つの感応軸をx軸、y軸、z軸とし、各軸の検出値をAx、Ay、Azとすると、各軸が地面に垂直な鉛直軸から傾いている角度θx、θy、θzを図3(b)の式によって計算することができる。ここで、gは重力加速度である。
【0026】
従って、姿勢センサ110を、例えば図4に示されるように、x−y軸で形成されるxy平面が第2筐体100bの内面(折り畳み時に露出しない面)と平行になり、z軸が当該内面に垂直になるように第2筐体100bに内蔵しておけば、第2筐体100bの姿勢の変化を検出することができる。
【0027】
図5はメモリ部112に記憶されている姿勢判定テーブル211の一例を示す。姿勢判定テーブル211は、3軸加速度センサ201の各軸の検出値Ax、Ay、Azと、予め定められた姿勢との関係を定義したテーブルである。ここで、姿勢1は図7に示されるように主表示部103aが上にくるように縦に開いた姿勢、姿勢2は主表示部103aが右にくるように横に開いた姿勢、姿勢3は主表示部103aが左にくるように横に開いた姿勢である。例えば、検出値Axが○○から○×の範囲にあり、かつ、検出値Ayが△△から△×の範囲にあり、かつ、検出値Azが□□から□×の範囲にあれば、姿勢1と判定される。
【0028】
図6はメモリ部112に記憶されている機能設定テーブル221の一例を示す。機能設定テーブル221は、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶するテーブルである。ここでは、3つの設定があり、設定1には姿勢1に対応してメール機能が、設定2には姿勢2に対してテレビ機能が、設定3には姿勢3に対してゲーム機能がそれぞれ設定されている。機能種別の欄には、具体的には該当する機能を提供するアプリケーションプログラム名やその呼び出し先のアドレス等が設定される。
【0029】
次に本実施の形態の動作を説明する。
【0030】
携帯端末装置100のメモリ部112には、ユーザの予めの設定により、携帯端末装置100を閉状態から開状態(使用スタイル)に移行した際に、どのような機能を起動させるかの情報(設定)が格納されている。本実施の形態の場合、例えば、図7(a)に示すように、ヒンジ部100cを上側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合にはメール機能を起動させ、図7(b)に示すように、ヒンジ部100cを右側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合にはテレビ機能を起動させ、図7(c)に示すように、ヒンジ部100cを左側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合には、所定のゲーム(アプリケーション)を起動させる設定がなされている。
【0031】
携帯端末装置100の制御部113は、筐体の閉状態から開状態への変化を開閉センサ111の出力により検出すると(図8のステップS101)、その時点の第2筐体100bの姿勢(向き)を姿勢センサ110(3軸加速度センサ201)の出力値とメモリ部112中の姿勢判定テーブル211とにより判定し(ステップS102)、判定した姿勢に対応する機能種別情報をメモリ部112の機能設定テーブル221から読み出す(ステップS103)。そして、当該機能種別情報が示す機能を実行するアプリケーションプログラムを起動する(ステップS104)。従って、図7(a)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを上側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合、メール機能が起動される。また、図7(b)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを右側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合には、テレビ機能が起動される。さらに、図7(c)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを左側とした閉じた状態から開いた状態に変位させた場合には、所定のゲームが起動される。
【0032】
次に本実施の形態の効果を説明する。
【0033】
本実施の形態によれば、筐体の閉状態から開状態への変化をトリガとして、開状態となった時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0034】
第2筐体100bの姿勢に応じて機能を選択するので、図7に示したように、主表示部103aが上にくるように縦に開いた姿勢、主表示部103aが右にくるように横に開いた姿勢、主表示部103aが左にくるように横に開いた姿勢のそれぞれ毎に、異なる機能を起動することができる。
【0035】
『第2の実施の形態』
上述した第1の実施の形態では、筐体の閉状態から開状態への変化をトリガとして機能を起動したが、本実施の形態では、筐体の開状態から閉状態への変化をトリガとして、閉状態となった第2筐体100bの姿勢に応じた機能を起動する。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0036】
図9は本実施の形態にかかる携帯端末装置100のメモリ部112に記憶されている機能設定テーブル231の一例を示す。この例の機能設定テーブル231には3つの設定があり、設定1には姿勢1に対応して時計機能が、設定2には姿勢2に対して音楽再生機能が、設定3には姿勢3に対してカメラ機能がそれぞれ設定されている。機能種別の欄には、具体的には該当する機能を提供するアプリケーションプログラム名やその呼び出し先のアドレス等が設定される。また、メモリ部111には第1の実施の形態と同様な図5に示した姿勢判定テーブル211が記憶されている。
【0037】
携帯端末装置100の制御部113は、筐体の開状態から閉状態への変化を開閉センサ111の出力により検出すると(図10のステップS201)、第2筐体100bの姿勢(向き)を姿勢センサ110(3軸加速度センサ201)の出力値とメモリ部112中の姿勢判定テーブル211とにより判定し(ステップS202)、判定した姿勢に対応する機能種別情報をメモリ部112の機能設定テーブル231から読み出す(ステップS203)。そして、当該機能種別情報が示す機能を実行するアプリケーションプログラムを起動する(ステップS204)。
【0038】
従って、図11(a)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを上側とした開いた状態から閉じた状態に変位させた場合、時計機能が起動される。また、図11(b)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを右側とした開いた状態から閉じた状態に変位させた場合には、音楽再生機能が起動する。さらに、図11(c)に示すように、ユーザがヒンジ部100cを左側とした開いた状態から閉じた状態に変位させた場合には、カメラ機能が起動する。
【0039】
次に本実施の形態の効果を説明する。
【0040】
本実施の形態によれば、筐体の開状態から閉状態への変化をトリガとして、閉状態となった時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を閉じた状態で使用する機能について、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0041】
第2筐体100bの姿勢に応じて機能を選択するので、図11に示したように、ヒンジ部100cが上にくるように縦に閉じた姿勢、ヒンジ部100cが右にくるように横に閉じた姿勢、ヒンジ部100cが左にくるように横に閉じた姿勢のそれぞれの姿勢毎に、異なる機能を起動することができる。
【0042】
『第3の実施の形態』
図12を参照すると、本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置300は、自装置の動きを検出する動きセンサ115が追加されている点で、図1に示した第1の実施の形態にかかる携帯端末装置100と相違する。
【0043】
動きセンサ115は、図3(a)に示したものと同様の3軸加速度センサ201で構成される。この場合、各軸x、y、zの検出値Ax、Ay、Azを所定の時間間隔でサンプリングし、直前のサンプリング値との差分を求め、その差分値がほぼ0かどうかを判定することにより、携帯端末装置300の動きの有無を判定することができる。すなわち、図3(c)の式が成立したとき、携帯端末装置300は動きが停止していると判定できる。ここで、Axt、Ayt、Aztは時刻tにおける各軸の検出値を示す。
【0044】
動きセンサ115は、第1筐体100aおよび第2筐体100bの何れに配設しても良い。また、動きセンサ115と姿勢センサ110とで同じ3軸加速度センサ201を使用しても良い。
【0045】
次に本実施の形態の動作を説明する。
【0046】
携帯端末装置300のメモリ部112には、ユーザの予めの設定により、携帯端末装置300を閉状態から開状態(使用スタイル)に移行した際に、どのような機能を起動させるかの情報(設定)が格納されている。本実施の形態の場合、例えば、図13に示すように、任意の姿勢の閉状態からヒンジ部100cを上側として開いた状態に変位させた場合にはメール機能を起動させ、任意の姿勢の閉状態からヒンジ部100cを右側として開いた状態に変位させた場合にはテレビ機能を起動させ、任意の姿勢の閉状態からヒンジ部100cを左側として開いた状態に変位させた場合には、所定のゲーム(アプリケーション)を起動させる設定がなされている。このような設定は第1の実施の形態と同様に図6に示したような機能設定テーブル221で行う。また図5に示したような姿勢判定テーブル211も事前に設定しておく。
【0047】
携帯端末装置300の制御部113は、筐体の閉状態から開状態への変化を開閉センサ111の出力により検出すると(図14のステップS301)、自装置300の動きを動きセンサ115(3軸加速度センサ201)の出力値により判定する(ステップS302)。そして、自装置300の動きが停止したことを検出すると、その時点の第2筐体100bの姿勢(向き)を姿勢センサ110(3軸加速度センサ201)の出力値とメモリ部112中の姿勢判定テーブル211とにより判定し(ステップS303)、判定した姿勢に対応する機能種別情報をメモリ部112の機能設定テーブル221から読み出す(ステップS304)。そして、当該機能種別情報が示す機能を実行するアプリケーションプログラムを起動する(ステップS305)。
【0048】
従って、図13に示すように、ユーザが任意の閉状態、例えばヒンジ部100cを上側として閉じた状態、ヒンジ部100cを右側として閉じた状態、ヒンジ部100cを左側として閉じた状態などから、ヒンジ部100cを上側として開いた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合、メール機能が起動される。
【0049】
また、図13に示すように、ユーザが前記と同様の任意の閉状態から、ヒンジ部100cを右側として開いた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合には、テレビ機能が起動する。
【0050】
さらに、図13に示すように、ユーザが前記と同様の任意の閉状態から、ヒンジ部100cを左側として開いた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合には、所定のゲームを起動する。
【0051】
次に本実施の形態の効果を説明する。
【0052】
本実施の形態によれば、筐体の閉状態から開状態への変化をトリガとして、動きが停止した時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0053】
第2筐体100bの姿勢に応じて機能を選択するので、図13に示したように、主表示部103aが上にくるように縦に開いた姿勢、主表示部103aが右にくるように横に開いた姿勢、主表示部103aが左にくるように横に開いた姿勢のそれぞれ毎に、異なる機能を起動することができる。
【0054】
閉状態から開状態へ変化した時点の姿勢にかかわらず、動きが停止した時点の姿勢に応じて機能が選択されるので、片手で開閉操作を行うユーザにとって使い勝手が向上する。
【0055】
『第4の実施の形態』
上述した第3の実施の形態では、筐体の閉状態から開状態への変化をトリガとして機能を起動したが、本実施の形態では、筐体の開状態から閉状態への変化をトリガとして、その後の動きの停止時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を起動する。以下、第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
本実施の形態にかかる携帯端末装置300のメモリ部112には、第2の実施の形態と同様な図9に示した機能設定テーブル231が記憶されている。また、メモリ部112には第1の実施の形態と同様な図5に示した姿勢判定テーブル211が記憶されている。
【0057】
携帯端末装置300の制御部113は、筐体の開状態から閉状態への変化を開閉センサ111の出力により検出すると(図15のステップS401)、自装置300の動きを動きセンサ115(3軸加速度センサ201)の出力値により判定する(ステップS402)。そして、自装置300の動きが停止したことを検出すると、その時点の第2筐体100bの姿勢(向き)を姿勢センサ110(3軸加速度センサ201)の出力値とメモリ部112中の姿勢判定テーブル211とにより判定し(ステップS403)、判定した姿勢に対応する機能種別情報をメモリ部112の機能設定テーブル231から読み出す(ステップS404)。そして、当該機能種別情報が示す機能を実行するアプリケーションプログラムを起動する(ステップS405)。
【0058】
従って、図16に示すように、ユーザが任意の開状態、たとえばヒンジ部100cを上側として開いた状態、ヒンジ部100cを右側として開いた状態、ヒンジ部100cを左側とした開いた状態などから、ヒンジ部100cを上側として閉じた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合、時計機能が起動される。
【0059】
また、図16に示すように、ユーザが上記と同様の任意の開状態から、ヒンジ部100cを右側として閉じた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合には、音楽再生機能が起動する。
【0060】
さらに、図16に示すように、ユーザが上記と同様の任意の開状態から、ヒンジ部100cを左側として閉じた状態に携帯端末装置300を動かしながら変位させた場合には、カメラ機能が起動する。
【0061】
次に本実施の形態の効果を説明する。
【0062】
本実施の形態によれば、筐体の開状態から閉状態への変化をトリガとして、動きが停止した時点の第2筐体100bの姿勢に応じた機能を自動的に起動することができる。これにより、筐体を閉じた状態で使用する機能について、筐体を開いたのちメニュー画面においてキー操作によりメニュー選択を行う必要があった既存の装置に比べて素早く、また簡易に機能の選択を行うことが可能になる。
【0063】
第2筐体100bの姿勢に応じて機能を選択するので、図16に示したように、ヒンジ部100cが上にくるように縦に閉じた姿勢、ヒンジ部100cが右にくるように横に閉じた姿勢、ヒンジ部100cが左にくるように横に閉じた姿勢のそれぞれの姿勢毎に、異なる機能を起動することができる。
【0064】
開状態から閉状態へ変化した時点の姿勢にかかわらず、動きが停止した時点の姿勢に応じて機能が選択されるので、片手で開閉操作を行うユーザにとって使い勝手が向上する。
【0065】
『その他の実施の形態』
上述した各実施の形態は、筐体の閉状態から開状態への変化あるいはその逆の開状態から閉状態への変化の何れか一方をトリガとして機能選択を行ったが、閉状態から開状態への変化および開状態から閉状態への変化の双方について、姿勢に応じた機能の選択を行うようにしても良い。
【0066】
また上述した各実施の形態は、姿勢センサ110を第2の筐体100bに内蔵させて第2の筐体100bの姿勢に応じた機能選択を行ったが、姿勢センサ110を第1の筐体100aに内蔵させて第1の筐体100aの姿勢に応じて機能選択を行うようにしても良い。さらに、第1の筐体100aおよび第2の筐体100bのそれぞれに姿勢センサ110を内蔵させて第1の筐体100aおよび第2の筐体100bの姿勢の組み合わせに応じて機能選択を行うようにしても良い。
【0067】
また上述した各実施の形態は、折畳み型の携帯端末装置に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、第1筐体と第2筐体がスライド構造により接続され、相互の位置として、縮退、展開位置に変位するスライド型の携帯端末装置や、第1筐体と第2筐体が回動構造により結合され、第1筐体が第2筐体に対して回転するリボルバー型の携帯端末装置に対しても適用することができる。
【0068】
また本発明の携帯端末装置は、その有する機能をハードウェア的に実現することは勿論、コンピュータとプログラムとで実現することができる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態における携帯端末装置として機能させ、前述した処理を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置の閉じた状態と開いた状態の平面図である。
【図3】姿勢センサおよび動きセンサとして使用する3軸加速度センサの説明図である。
【図4】3軸加速度センサで携帯端末装置の姿勢を検出する場合の感応軸の設定例を示す図である。
【図5】3軸加速度センサの各軸の検出値と予め定められた姿勢との関係を定義した姿勢判定テーブルの一例を示す図である。
【図6】姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する機能設定テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置の姿勢の変化と起動される機能の例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態にかかる携帯端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態で使用する機能設定テーブルの一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかる携帯端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかる携帯端末装置の姿勢の変化と起動される機能の例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置のブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置の姿勢の変化と起動される機能の例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態にかかる携帯端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施の形態にかかる携帯端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第4の実施の形態にかかる携帯端末装置の姿勢の変化と起動される機能の例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
100、300…携帯端末装置
100a…第1の筐体
100b…第2の筐体
100c…ヒンジ部
101…無線アンテナ
102…無線通信部
103…表示部
103a…主表示部
103b…副表示部
104…操作部
105…音声処理部
106…送話部
107…受話部
108…カメラ部
109…スピーカ
110…姿勢センサ
111…開閉センサ
112…メモリ部
113…制御部
114…放送受信処理部
115…動きセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置において、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部とを備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置において、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、装置の動きを検出する移動検出部と、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを前記移動検出部で監視し、装置の動きが停止した時点において前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部とを備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
前記姿勢検出部および前記移動検出部は同じ3軸加速度センサを使用することを特徴とする請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置の制御方法において、開閉検出部が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する第1のステップと、姿勢検出部が、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する第2のステップと、制御部が、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部から前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応する種別情報を読み出して機能を起動する第3のステップとを含むことを特徴とする携帯端末装置の制御方法。
【請求項5】
第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置の制御方法において、開閉検出部が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する第1のステップと、移動検出部が、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを検出する第2のステップと、姿勢検出部が、装置の動きが停止した時点の第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢を検出する第3のステップと、制御部が、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部から前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応する種別情報を読み出して機能を起動する第4のステップとを含むことを特徴とする携帯端末装置の制御方法。
【請求項6】
姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部を有し、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置を構成するコンピュータを、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部を有し、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置を構成するコンピュータを、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、装置の動きを検出する移動検出部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを前記移動検出部で監視し、装置の動きが停止した時点において前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置において、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部とを備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置において、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、装置の動きを検出する移動検出部と、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを前記移動検出部で監視し、装置の動きが停止した時点において前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部とを備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
前記姿勢検出部および前記移動検出部は同じ3軸加速度センサを使用することを特徴とする請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置の制御方法において、開閉検出部が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する第1のステップと、姿勢検出部が、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する第2のステップと、制御部が、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部から前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応する種別情報を読み出して機能を起動する第3のステップとを含むことを特徴とする携帯端末装置の制御方法。
【請求項5】
第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置の制御方法において、開閉検出部が、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する第1のステップと、移動検出部が、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを検出する第2のステップと、姿勢検出部が、装置の動きが停止した時点の第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢を検出する第3のステップと、制御部が、姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部から前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応する種別情報を読み出して機能を起動する第4のステップとを含むことを特徴とする携帯端末装置の制御方法。
【請求項6】
姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部を有し、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置を構成するコンピュータを、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
姿勢に対応して起動すべき機能の種別情報を記憶する記憶部を有し、第1筐体と第2筐体とが開閉自在に接続された携帯端末装置を構成するコンピュータを、第1筐体と第2筐体との開閉状態の変化を検出する開閉検出部と、第1筐体および第2筐体の少なくとも一方の姿勢の変化を検出する姿勢検出部と、装置の動きを検出する移動検出部と、前記開閉検出部によって開閉状態の変化が検出されたときに、装置の動きが停止するのを前記移動検出部で監視し、装置の動きが停止した時点において前記姿勢検出部で検出された姿勢に対応して前記記憶部に記憶されている種別情報が示す機能を起動する制御部として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−187342(P2008−187342A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17739(P2007−17739)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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