説明

携帯端末

【課題】 タッチパネルへの入力操作に対してフィードバックを行う携帯端末において、コストの上昇を抑えつつ、ユーザに対してより判り易く且つ確実なフィードバックを行えるようにする。
【解決手段】
タッチパネル部11の下面側には、複数のLED14が配された発光部12と、パネル駆動部13が設けられている。そして、タッチパネル部11へのタッチ操作があった場合、そのタッチ位置(押圧位置)に略々対応した場所のLED14が発光制御され、さらに、必要に応じてパネル駆動部13も振動制御される。また、タッチパネル部11へのスクロール操作があった場合、そのスクロール操作の軌跡上に略々対応した各LED14が発光制御され、さらに、必要に応じてパネル駆動部13も振動制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末等のようにユーザにより操作可能となされた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話端末におけるユーザの指示入力方式としては、キーを用いた入力方式が主流となされている。
【0003】
また、近年の携帯電話端末は、一般的な通話機能の他に、例えば、電子メールの作成や送受信機能、テレビジョン放送やラジオ放送の受信機能、スケジュール管理機能、カメラ機能、赤外線等を用いたデータ送受信機能、電子財布機能など多種多様の機能が搭載されており、それら多種多様な機能を実行させるための複雑な操作をユーザが入力するための方式として、いわゆるタッチパネルを用いた入力方式が開発されている。但し、当該タッチパネルを用いた入力方式の場合、タッチパネルへの入力操作が端末側にて認識されているのかを、ユーザ自身が確認し難いという問題点を有している。
【0004】
一方、特開2005−149405号の公開特許公報(特許文献1)には、タッチパネルと当該タッチパネルを振動させる駆動部とを備え、タッチパネルの表面への押圧を検出した時に、その押圧操作開始から確定までの時間を計測し、その時間の長さに応じて、時駆動部がタッチパネルを振動させる際の振動の大きさを変化させるような制御を行う入力装置が開示されている。この公報記載の入力装置によれば、操作者がタッチパネルを操作した時、その操作の仕方に応じた力覚(クリック感)を当該操作者へ帰還させることが可能となっている。すなわちこの公報記載の入力装置においては、上記押圧操作の時間に応じてタッチパネルを振動させることにより、装置側にて入力操作の認識がなされているかどうかを、操作者にフィードバックすることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2005−149405号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、タッチパネルを用いた入力方式は、入力操作が端末側で認識されたかどうかをユーザが確認し難いという問題点を有しているが、上記特開2005−149405号公報に記載の入力装置によれば、端末側にて入力操作の認識がなされたかどうかを、触覚的にユーザへフィードバックすることができる。
【0007】
ところで、人間が外界から情報を得るための感覚には、視覚や聴覚、触覚など種々あるが、その中でも特に割合が大きいものは視覚であることが知られている。したがって、例えば上述したタッチパネルを用いた入力方式において、タッチパネルへの入力操作に応じて視覚的なフィードバックを行うことができれば、上記端末側にて入力操作の認識がなされたかどうかをユーザに対してより判り易く且つ確実に知らせることが可能となる。
【0008】
なお、タッチパネルへの入力操作に対して視覚的なフィードバックを行う技術の一例として、タッチパネルの下に液晶パネルを設け、上記タッチパネルへの入力操作に応じて液晶パネルの画面表示を制御するような技術も存在するが、新たな液晶パネルの搭載は端末コストの大幅な上昇を招いてしまう。また、液晶パネルは押圧等の外力に弱く、パネル面の押圧により表示が乱れてしまうことが多く、最悪の場合、液晶パネルが破損してしまうこともあり得る。液晶パネルの前面に高強度の透明保護部材を設けることも考えられるが、その場合は更なるコストの上昇が避けられない。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、タッチパネルによる入力方式を採用し、そのタッチパネルへの入力操作に対してフィードバックを行う携帯端末において、コストの上昇を抑えつつ、ユーザに対してより判り易く且つ確実なフィードバックを行える携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の携帯端末は、パネルの表面に対する押圧操作により入力が行われるパネル入力部と、複数の発光素子を備え、パネル入力部のパネルの下面側に配される発光部と、パネル入力部を振動させるためのパネル駆動部と、パネル入力部からの入力信号に基づいて発光部の発光制御とパネル駆動部の振動制御を行う制御部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0011】
すなわち、本発明によれば、パネル入力部への押圧操作に応じて、発光部を発光させたり、パネル駆動部にてパネル入力部を振動させることにより、ユーザに対して入力のフィードバックを行うようになされている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パネル入力部への押圧操作による入力に応じて、発光部の発光制御やパネル駆動部の振動制御を行うことにより、コストの上昇を抑えつつ、ユーザに対してより判り易く且つ確実なフィードバックを行うことが可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の携帯端末の一実施形態について説明する。
【0014】
なお、本実施形態では、本発明の携帯端末の一例として、携帯電話端末を挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0015】
〔携帯電話端末の外観〕
図1には、本発明実施形態の携帯電話端末1の概略的な外観図を示す。
【0016】
本実施形態の携帯電話端末1は、いわゆる折り畳み型の端末であり、第1の筐体2と第2の筐体3とがヒンジ部5を介して回転自在に連結されている。なお、本実施形態では折り畳み型の携帯電話端末を例に挙げているが、本発明はストレート型等、スライド型等の他の各種タイプの携帯電話端末でも良い。
【0017】
第1の筐体2は、液晶デバイス等からなるディスプレイ4と受話用スピーカ6等が配されている。なお、図示は省略するが、ディスプレイ4が設けられている筐体面に対する筐体背面側には、カメラや撮影補助光発光部、サブディスプレイ、着信音用のスピーカ等が配されている。
【0018】
第2の筐体3は、主要な回路構成と着脱可能なバッテリを内蔵している。当該第2の筐体3は、端末を折り畳んだ際に上記第1の筐体2のディスプレイ4が設けられている筐体面と相対応する面(端末を開いた時に第1の筐体2のディスプレイ4と同じ側となる面)には、送話用マイクロホン7と操作入力部10とが設けられている。
【0019】
〔操作入力部の構成〕
以下、図2〜図4を用いて、第2の筐体3に設けられている操作入力部10の構成について説明する。なお、図2は操作入力部10のみを抜き出した概略的な外観斜視図を示し、図3は操作入力部10の内部に配される格子状の遮光仕切部材15及びLED(発光ダイオード)14の概略的な外観斜視図を、図4は操作入力部10の概略的な分解斜視図を示している。
【0020】
上記操作入力部10は、タッチパネル部11と、上記タッチパネル部11の下部(筐体内部側)に配される発光部12と、上記発光部12の下部(筐体内部側)に配されるパネル駆動部13とを有して構成されている。
【0021】
上記発光部12は、タッチパネル部11の下面側に配される複数のLED(発光ダイオード)14と、それらLED14からの光を第2の筐体3の筐体外部側へ導くための導光部材16と、各々のLED14からの光が隣接する別のLED側へ漏れ出して当該第2の筐体3の筐体外部側へ出ていくのを防ぐための遮光仕切部材15とを有して構成されている。なお、本実施形態に例において、上記複数のLED14は、例えば一般的な携帯電話端末のキー配列に合わせて配置されている。また、上記遮光仕切部材15の形状は、上記各LED14に各々合わせた例えば格子形状となされている。
【0022】
上記タッチパネル部11は、透明若しくは半透明の部材により構成され、外部からの押圧力を検知した時、その押圧力に応じた電圧値を生成し、さらに当該電圧値をA/D(アナログ/ディジタル)変換してディジタルデータとして出力するセンサ部と、上記センサ部により押圧力を検知した位置を求め、その押圧位置を表す二次元座標データ(つまり入力位置データ)を生成する位置判定処理部とを備えている。なお、タッチパネル部11の外表面上には、上記各LED14の配置に合わせた位置に、例えば一般的な携帯電話端末に配列されている各キーのキートップに描かれているものと同じ数字や文字、記号等が描かれていても良い。
【0023】
上記パネル駆動部13は、例えばタッチパネル部11の下面側に配され、当該操作入力部10をその下側から振動させるため振動デバイスにより構成されている。振動デバイスは、一例として、モータ回転軸に対して偏芯した位置に錘を備えたバイブレータにより構成され、当該モータの回転により振動を発生する。その他、振動デバイスは、上記複数のLED14に各々対応した複数の位置に例えば圧電セラミック等の複数の圧電素子を配置し、それら各圧電素子を個々に振動可能としたデバイスであっても良い。なお、図2,図4では、パネル駆動部13が発光部12と略々同じ面積を有するデバイスとなされている例を挙げたが、本実施形態のパネル駆動部13は、当該操作入力部10を振動させることができるのであれば、より小型のものであっても良い。
【0024】
上述したような構成の操作入力部10を備えた本実施形態の携帯電話端末1において、上記操作入力部10上の所望の位置がユーザの指等によりタッチ操作された場合、上記タッチパネル部11のセンサ部は当該タッチ操作時の押圧力を検出し、上記タッチパネル部11の位置判定部は上記タッチ操作時の押圧位置を判定する。そして、それらタッチ操作時の押圧力を表すディジタルデータと押圧位置を表す二次元座標データは、当該携帯電話端末1の内部CPUへ送られる。この時の内部CPUは、上記押圧力と押圧位置のデータを元に、上記発光部12の複数のLED14の発光制御を行う。すなわち、内部CPUは、例えば、上記タッチ操作の押圧位置に対応した場所に配置されているLEDを上記押圧力に応じた明るさで点灯させたり、押圧時間に応じた明るさで点灯させたり、上記押圧力や押圧時間に応じた発光パターンで点滅させるような発光制御を行う。ここで、押圧力に応じた明るさの発光制御としては、例えば、押圧力が大きい時に強く発光させ、小さい時に弱く発光させるような制御を挙げることができる。また、押圧時間に応じた明るさの発光制御としては、例えば、押圧時間が長い時に強く発光させ、短い時に弱く発光させるような制御を挙げることができる。また、押圧力に応じた発光パターンの発光制御としては、例えば、押圧力が大きい時に速く点滅させ、小さい時に遅く点滅させるような制御を挙げることができる。また、押圧時間に応じた発光パターンの発光制御としては、例えば、押圧時間が長い時に速く点滅させ、短い時に遅く点滅させるような制御を挙げることができる。これら発光制御により、押圧力や押圧時間をユーザに認識させることが可能となる。なお、発光パターンの制御例としては、上記点滅の速度の変更制御だけでなく、点滅リズムの変更制御であっても良い。
【0025】
また、本実施形態の携帯電話端末1において、上記操作入力部10上をユーザが指等によりタッチした状態で移動させた場合、つまりユーザによりスクロール操作が行われた場合、上記タッチパネル部11のセンサ部は当該スクロール操作による押圧力を検出すると共に、上記タッチパネル部11の位置判定部は上記スクロール操作の方向と距離を算出する。そして、それらスクロール操作の押圧力を表すディジタルデータとスクロール操作の方向と距離を表す二次元座標データが内部CPUへ送られる。この時の内部CPUは、それらデータを元に、上記発光部12の複数のLED14の発光制御を行う。すなわち、内部CPUは、例えば、上記スクロール操作によりユーザの指等が移動した軌跡に配されている各LEDを上記押圧力に応じた明るさや発光パターンで順次点灯させたり、上記スクロール操作による単位時間当たりの移動距離からスクロール操作の速度を求め、上記スクロール操作によりユーザの指等が移動した軌跡に配されている各LEDを上記速度に応じた明るさや発光パターンで点滅させるような発光制御を行う。ここで、当該スクロール操作時の押圧力に応じた明るさの発光制御としては、例えば、押圧力が大きい時には各LEDを順次強く発光させたり速く点滅させ、小さい時に弱く発光させたり遅く点滅させるような制御を挙げることができる。また、スクロール操作の速度に応じた明るさの発光制御としては、例えば、速度が速い時には各LEDを順次強く発光させたり速く点滅させ、遅い時に弱く発光させたり遅く点滅させるような制御を挙げることができる。なお、この例の場合も、発光パターンの制御例としては、上記点滅の速度の変更制御だけでなく、点滅リズムの変更制御であっても良い。
【0026】
また、本実施形態の携帯電話端末1の内部CPUは、上記操作入力部10上の所望の位置がユーザの指等によりタッチ操作された場合に、上記タッチパネル部11からの押圧力と押圧位置や押圧時間のデータを元に、上記パネル駆動部13の振動制御を行うことも可能である。すなわち、内部CPUは、例えば上記タッチ操作がなされた場合、押圧力や押圧時間に応じた強さで上記パネル駆動部13を振動させたり、上記押圧位置や押圧時間に応じた振動パターンで上記パネル駆動部13を振動させる制御を行う。なお、パネル駆動部13が上記複数の圧電素子で構成されている場合、内部CPUは、上記押圧位置に対応した場所に配置されている圧電素子を上記押圧力や押圧時間に応じた強さで振動させたり、押圧位置に対応した場所に配置されている圧電素子を上記押圧力や押圧時間に応じた振動パターンで振動させるような振動制御を行う。
【0027】
また、本実施形態の携帯電話端末1の内部CPUは、上記操作入力部10上をユーザがスクロール操作した場合、上記スクロール操作の押圧力と方向及び距離を表す各データを元に、上記パネル駆動部13の振動制御を行うことも可能である。すなわち、内部CPUは、例えば上記スクロール操作がなされた場合、上記パネル駆動部13を振動させたり、上記スクロール操作時の押圧力や速度に応じた振動パターンで上記パネル駆動部13を振動させる制御を行う。なお、パネル駆動部13が上記複数の圧電素子で構成されている場合、内部CPUは、上記スクロール操作軌跡に配されている各圧電素子を押圧力に応じた強さで順次振動させたり、上記スクロール操作時の速度に応じた振動パターンで各圧電素子を振動させるような振動制御を行う。
【0028】
なお、本実施形態において、上記各LED14の発光制御とパネル駆動部13の振動制御は、両方が同時に行われても良いし、何れか一方のみが行われても良い。また、本実施形態の携帯電話端末1では、それら何れを行うかを、ユーザが任意に選択可能となされている。
【0029】
〔携帯電話端末の内部構成〕
図5には、上述した本実施形態の携帯電話端末1の携帯電話端末の概略的な内部回路構成を示す。
【0030】
図5において、データラインは、音声データや電子メールデータ、画像データなの各種データを伝送するための伝送ラインである。
【0031】
制御ラインは、CPU(中央処理ユニット)により構成されている制御部30からの制御データなどの各種制御情報を伝送するための伝送ラインである。
【0032】
アンテナ32は、例えば内蔵アンテナであり、通信回路31に接続され、信号電波を送受信するのに用いられる。
【0033】
通信回路31は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。
【0034】
上記アンテナ32及び通信回路31にて受信された通話音声データは音声処理部42へ送られ、それ以外の受信データは、制御部30へ送られて適切に処理された後、必要に応じて当該制御部30から各部へ送られる。なお、通話音声以外の受信データは、パケット通信にかかるデータであり、例えば電子メールデータ、動画像や静止画の画像データ、音楽等のデータ、HTML(Hyper Text Markup Language)データ、プログラムコードのデータ等を挙げることができる。
【0035】
上記アンテナ32及び通信回路31から通話音声データが供給された時の音声処理部42は、当該通話音声データを復号化し、その復号化後の通話音声データをアナログ音声信号に変換し、そのアナログ音声信号をスピーカ40若しくは図示しないイヤホンジャックへ送る。
【0036】
スピーカ40は、図1の受話用スピーカ6に相当し、供給されたアナログ音声信号を内部増幅器により増幅した後、その音声信号を可聴音声に変換して外部に出力する。これにより、スピーカ40からは通話音声が出力されることになる。
【0037】
マイクロホン41は、図1の送話用マイクロホン7に相当し、入力音声をアナログ音声信号に変換すると共に内部増幅器により増幅し、さらにそのアナログ音声信号を音声処理部42に送る。
【0038】
上記マイクロホン41から通話音声信号が供給された時の音声処理部42は、その通話音声信号をディジタル音声データに変換した後に符号化し、さらにその符号化後の通話音声データを通信回路31へ送る。これにより、アンテナ32からは通話音声信号が送信されることになる。
【0039】
表示部33は、図1のディスプレイ4に相当し、液晶ディスプレイ等の表示デバイス及び表示駆動回路を備え、そのディスプレイの画面上に画像や文字等を表示する。
【0040】
画像処理部43は、制御部30による制御の元で内蔵メモリから読み出された圧縮符号化されている画像データを伸張復号化等し、その伸張復号後の画像データをデータラインを介して表示部33へ送る。また、画像処理部43は、図示しないカメラ部により撮影された静止画像や動画像のデータの圧縮符号化等を行い、その圧縮符号化された画像データを、制御部30による制御の元で内蔵メモリに送って記憶させる。
【0041】
タッチパネル部34は、前述の操作入力部10のタッチパネル部11に相当し、外部からの押圧力を電圧値に変換する電圧値検出部34a、及び、当該電圧値検出部34aにより検出された電圧値をA/D変換するA/D変換部34bからなる前述したセンサ部と、そのA/D変換部34bからのデータを元に、押圧位置を表す二次元座標データを生成する前述の位置判定処理部である入力位置検出部34cとからなる。そして、上記入力位置検出部34cは、上記押圧力と押圧位置のデータを、内部CPUである制御部30に送る。
【0042】
パネル駆動部35は、前述したパネル駆動部13に相当し、上記操作入力部10をその下側から振動させるため振動デバイスにより構成される。当該パネル駆動部35は、内部CPUである制御部30による制御の元で振動する。
【0043】
LED駆動部44及びLED45は、前述した発光部12に相当し、また、LED45は前述の複数のLED14に相当する。LED駆動部44は、制御部30による制御の元でLED45を発光させる。
【0044】
メモリ部36は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、OS(Operating System)、制御部30が各部を制御するための制御プログラムや、各種の初期設定値、フォントデータ、辞書データ、着信音やキー操作音,アラーム音用の各種音データ、上記タッチパネル部34からのデータを元に前述した発光制御や振動制御を行うための制御アプリケーションプログラム、電子メールの作成や編集等を行うためのアプリケーションプログラム、画像や音声に対して様々な処理を行うためのアプリケーションプログラム、その他、携帯電話端末に搭載される各種のアプリケーション用のプログラム、当該携帯電話端末の識別情報(ID)などを記憶している。また、このROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能なROMを含み、電子メールデータ、電話番号や電子メールアドレス等を格納する電話帳(アドレス帳)のデータ、スケジュール帳のデータ、静止画像や動画像データ、キー操作音,アラーム音用等の音データ、文字データや予測変換の候補単語の登録データや予測変換の学習データ、その他、各種のユーザ設定値等を保存することも可能となされている。RAMは、制御部30が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
【0045】
制御部30は、前述した内部CPUであり、メモリ部36に記憶されているOSや各種プログラムに基づいて、携帯電話端末の制御、前述した本実施形態にかかる押圧力や押圧位置等のデータに基づく発光制御や振動制御の実行や各種演算を行う。
【0046】
その他、図示及び説明は省略するが、本実施形態の携帯電話端末は、日時を計測する時計部、カメラ部、GPS部、非接触通信等の近距離無線通信部、バッテリ及びパワーマネージメントIC等のような、従来の携帯電話端末が備えている各種の構成についても備えている。
【0047】
〔発光、駆動制御を行う制御部の処理フロー〕
図6には、CPU30が上述したタッチパネル部出力に基づいて行う発光制御や駆動制御のフローチャートを示す。
【0048】
図6において、CPU30は、ステップS1にてタッチパネル部34から押圧力や押圧位置等のデータを取得すると、ステップS2へ処理を進め、それらデータから、ユーザによりタッチ操作がなされたか或いはスクロール操作がなされたかを判定する。すなわち、CPU30は、例えば押圧位置が略々同じ位置である場合にはタッチ操作であると判定し、押圧状態でその位置が変化した場合にはスクロール操作であると判定する。
【0049】
次にCPU30は、上記ステップS2にてタッチ操作であると判定した場合において、LEDの発光制御を行う時には、ステップS3の処理として、当該タッチ操作に応じた発光制御を行うためのLED発光制御信号を生成し、その制御信号をLED駆動部44へ送る。これにより、LED45は前述のように発光駆動される。また、パネル駆動を行う場合、CPU30は、当該タッチ操作に応じた振動制御を行うためのパネル駆動制御信号を生成し、その制御信号をパネル駆動部35へ送る。これにより、パネル駆動部35は、前述のように振動駆動される。
【0050】
一方、CPU30は、ステップS2にてスクロール操作であると判定した場合において、LEDの発光制御を行う時には、ステップS4の処理として、当該スクロール操作に応じた発光制御を行うためのLED発光制御信号を生成し、その制御信号をLED駆動部44へ送る。これにより、LED45は前述のように発光駆動される。また、パネル駆動を行う場合、CPU30は、当該スクロール操作に応じた振動制御を行うためのパネル駆動制御信号を生成し、その制御信号をパネル駆動部35へ送る。これにより、パネル駆動部35は、前述のように振動駆動される。
【0051】
〔まとめ〕
以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末1によれば、タッチパネル部11(34)を備えていることにより、ユーザは従来のキー入力では対応できない複雑な操作を行うことができる。
【0052】
また、本実施形態の携帯電話端末1によれば、発光部12のLED発光制御により、タッチパネル部11へのタッチ操作やスクロール操作等のユーザ操作入力を当該ユーザへ視覚的にフィードバック可能となされ、また、パネル駆動部13(35)の振動制御により、操作入力部10へのユーザ操作入力を当該ユーザへ触覚的にフィードバック可能となされている。すなわち本実施形態の携帯電話端末1によれば、入力操作が端末側で認識されたかどうかをユーザに視覚的,触覚的に判り易く知らせることができる。また、本実施形態の携帯電話端末1によれば、入力操作の位置(押圧位置)や入力操作の強さ(押圧力)、入力操作の時間(押圧時間)、入力操作の軌跡(スクロール操作軌跡)等の入力パターンに応じたそれぞれ異なるフィードバック(すなわち例えば異なるクリック感)が得られるため、ユーザは、自分が行った入力操作を確認することができる。
【0053】
また、本実施形態の携帯電話端末1においては、上記発光部12に遮光仕切部材15が設けられているため、何れかのLEDが発光した場合に、その光が隣接する別のLED側へ漏れ出すのを防止でき、したがって、ユーザの操作入力位置のみを発光させることが可能となる。
【0054】
なお、上述した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0055】
例えば、本発明の携帯端末は、携帯電話端末に限定されず、PDA等の各種の携帯端末にも適用可能である。
【0056】
また、本実施形態では、タッチパネル部11上の押圧位置に応じてLEDを発光させたり振動させたりするアプリケーションを実装した例を挙げたが、例えば各LEDをランダムに順次発光させ、ユーザに対して、当該発光しているLEDの場所に対応した位置をタッチさせるような電子ゲーム用のアプリケーションを実装しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な外観斜視図である。
【図2】操作入力部のみを抜き出した概略的な外観斜視図である。
【図3】操作入力部の内部に配される格子状の遮光仕切部材及びLEDの概略的な外観斜視図である。
【図4】操作入力部の概略的な分解斜視図を示している。
【図5】本発明実施形態の携帯電話端末の主要部の概略的な内部構成を示すブロック図である。
【図6】CPUがタッチパネル部出力に基づいて行う発光制御や駆動制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯電話端末、2 第1の筐体、3 第2の筐体、4 ディスプレイ、5 ヒンジ部、6,40 受話用のスピーカ、7,41 送話用のマイクロホン、10 操作入力部、11,34 タッチパネル部、12 発光部、13,35 パネル駆動部、14,45 LED、15 遮光仕切部材、16 導光部材、30 制御部、31 通信回路、32 通信用のアンテナ、33 表示部、34a 電圧値検出部、34b A/D変換部、34c 入力位置検出部、36 メモリ部、42 音声処理部、43 画像処理部、44 LED駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルの表面に対する押圧操作により入力が行われるパネル入力部と、
複数の発光素子を備え、上記パネル入力部の上記パネルの下面側に配される発光部と、
上記パネル入力部を振動させるためのパネル駆動部と、
上記パネル入力部からの入力信号に基づいて上記発光部の発光制御と上記パネル駆動部の振動制御を行う制御部と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1記載の携帯端末であって、
上記制御部は、上記発光部の上記複数の発光素子のうち、上記パネル入力部の押圧位置に略々対応した場所の発光素子を発光させる制御を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項2記載の携帯端末であって、
上記制御部は、上記パネル入力部の押圧力と押圧位置と押圧時間の少なくとも何れかに応じた発光パターンで上記発光素子を発光させる制御を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項1記載の携帯端末であって、
上記制御部は、上記発光部の上記複数の発光素子のうち、上記パネル入力部の押圧軌跡に略々対応した場所の各発光素子を順次発光させる制御を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項4記載の携帯端末であって、
上記制御部は、上記パネル入力部の押圧力に応じた発光パターンで上記各発光素子を順次発光させる制御を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
請求項1記載の携帯端末であって、
上記制御部は、上記パネル入力部の押圧力と押圧位置と押圧時間と押圧軌跡の少なくとも何れかに応じて上記パネル駆動部を振動させる制御を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
請求項6記載の携帯端末であって、
上記制御部は、上記パネル入力部の押圧力と押圧位置と押圧時間と押圧軌跡の少なくとも何れかに応じた振動パターンで上記パネル駆動部を振動させる制御を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
請求項1記載の携帯端末であって、
上記発光部は、各々の発光素子から、それぞれ隣接する別の発光素子側へ向かう光を遮断する遮光仕切部材を備えることを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−133698(P2007−133698A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326603(P2005−326603)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】