説明

携帯端末

【課題】携帯端末の使用の多様性が充足されるとともに、通常の使用スタイルにおいて違和感の無い表示がなされるようになる。
【解決手段】携帯端末1は、一方向からキー入力部120と第2のLCD211とが視認可能なキー入力状態(第1の状態)と一方向から第1のLCD111と第2のLCD211とが視認可能な2画面並列状態(第2の状態)との間で変移自在に、第1の筐体100と第2の筐体200とを連結するアーム300a,300bと、キー入力状態を検知するキー入力状態検知部51と、キー入力状態検知部51によりキー入力状態が検知されると、第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを制御する制御部30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの筐体が相対変移可能に連結された携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、2つの筐体を備え、一方の筐体を他方の筐体に対して変移させることにより、2つの筐体が重なった状態と並列した状態との2つの状態をとることができるものがある(特許文献1参照)。
この従来技術においては、一方の筐体の一の主表面にディスプレイが、他の主表面にキー入力部が設けられ、他方の筐体の一の主表面にキー入力部が設けられている。
【0003】
そして、2つの筐体が重なった状態では、一のキー入力部が外部から視認できるし、2つの筐体が並列した状態では、ディスプレイともう1つのキー入力部とが外部から視認できる。後者の状態は、ノートパソコンの使用方法に類似した方法で使用ができるので、パソコン環境に慣れている多くのユーザにとっては、抵抗無く使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−294375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近はパソコン環境において操作並びに表示の多様性が要求されているように、携帯端末においても同様な要求があり、特に、2つの筐体を開いた状態(並列状態)で2つの表示部を露出させ、両方のディスプレイで1つの画像を拡大表示させたり、開いた状態で一方の筐体にディスプレイを、他方の筐体にキー入力部を露出させて、既存のパソコン感覚での使用を可能にするといった、多様な使用が出来る携帯端末に関心が持たれている。
【0006】
こういった関心を充足するには、2つの筐体のうち一方の筐体の1つの主表面にディスプレイを、他方の主表面にキー入力部を設けておき、その筐体を反転させてディスプレイを露出させたり、キー入力部を露出させたりする構成を採用する必要がある。
しかしながら、その場合において、2つの表示部で画像を拡大表示していた状態から、一方の筐体を反転してキー入力部を露出させる状態にすると、もう一方の表示部に表示されている画像の向きが、キー入力部を下側に、ディスプレイを上側にした使用スタイルに馴染まない向きとなることがあり、この点に改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記諸事由に鑑みてなされたものであり、携帯端末の使用の多様性を充足する構成とするとともに、通常の使用スタイルにおいて違和感の無い表示方向になるよう工夫した携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することを目的として、本発明に係る携帯端末は、一面側に第1の表示部が設けられるとともに、他面側に複数のキーが設けられてなる第1の筐体と、片面側に第2の表示部が設けられてなる第2の筐体と、一方向から複数のキーと第2の表示部とが視認可能な第1の状態と一方向から第1の表示部と第2の表示部とが視認可能な第2の状態との間で変移自在に、第1の表示部と第2の表示部とを連結する連結部材と、第1の状態を検知する検知部と、検知部により第1の状態が検知されると、第2の表示部に表示される画像の上下方向の向きを第2の筐体から第1の筐体に向かう方向が下向きとなるように制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯端末によれば、携帯端末の使用の多様性が充足されるとともに、通常の使用スタイルにおいて違和感の無い表示がなされるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態に係る携帯端末の閉状態における概略斜視図である。
【図2】実施の形態に係る携帯端末のキー入力状態における概略斜視図である。
【図3】実施の形態に係る携帯端末の2画面並列状態における概略斜視図である。
【図4】実施の形態に係る携帯端末の要部分解斜視図である。
【図5】実施の形態に係る携帯端末の変移動作を説明するための概略側面図である。
【図6】実施の形態に係る携帯端末の構成図である。
【図7】実施の形態に係る携帯端末の閉状態における動作説明図である。
【図8】実施の形態に係る携帯端末の2画面並列状態における動作説明図である。
【図9】実施の形態に係る携帯端末のキー入力状態における動作説明図である。
【図10】実施の形態に係る携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態>
以下、本実施の形態に係る携帯端末について説明する。
<1>外観構成
本実施の形態の携帯端末の外観構成を図1乃至図5に基づいて説明する。なお、図1乃至図4は、概略斜視図であり、図5は、側面図を表している。
携帯端末はこれらの図から理解されるように、概ね第1の筐体100と第2の筐体200と両筐体100,200を連結するアーム(連結部材)300a,300bとからなっている。そして、アーム300a,300bを揺動することにより、図1に示す筐体が閉じた状態から、図2に示す開いた状態に姿勢変更したり、さらに、アーム300a,300b周りに第1の筐体を回転することにより、図3に示す形態で開いた状態に変更することが出来る(図5(a)および(b)に揺動動作を示す)。
【0012】
アーム300a,300bは、図4に見られるように略L型をしており、基端側腕部が第2の筐体200の長手方向両側角部付近に回転自在に軸支(第2軸部410a,410bにより軸支)されている。なお、アーム300a,300bを軸支した状態で、第2の筐体200からアーム300a,300bが外側に飛び出して見栄えを悪くしないよう、第2の筐体200の角部に凹入部205a,205bが形成されている。
【0013】
アーム300a,300の先端側は、第1の筐体100の長手方向両側に形成した溝部150a,150b(図2参照)に挿入され、溝部150a,150b内において第2軸部410a,410bにより第1の筐体100に回転自在に連結されている。
アーム300a,300bの基端から先端までの長さは適切に定められ、2つの筐体100,200を図2および図3に示す状態に開いた状態で、両筐体100,200が物理的に干渉することなく且つ両筐体100,200の長手方向側面同士が近接もしくは接触する程度の間隔を保つことが出来るようにしてある。
【0014】
アーム300a,300bをL型形状としたのは、第1の筐体100の向きを図2に示すようにキー入力部120側が上を向く状態で開いたとき、2つの筐体100,200が約150度乃至160度程度の鈍角以上に開くのが阻止されるようにするためである。この程度の鈍角での開き具合が丁度ノートパソコンの操作感覚と類似し、使い勝手が良いのである。一方、第1の筐体100の向きを図3に示すようにタッチパッド110側が上を向く状態で開いたときは、2つの筐体100,200は面一(180度)になるところで保持される。これは2つの筐体100,200を180度に開いたところで、L型アーム300a,300bの基端側腕部分が第2の筐体200の凹入部205a,205bの内壁と当接しそれ以上開かない構成となっていることと、アーム300a,300bの先端側腕部分が第1の筐体100の溝部150a,150b内において軸支されていること並びに溝部150a,150bの形状が、図3に示す開いた状態になるまで、アーム300a,300bの先端側腕部分を受け入れるように配慮されているからである。
【0015】
次に、第1の筐体100は、一方の主面に第1のタッチパッド110と該タッチパッド110の下方に液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下、第1のLCDと称す。)111が、他方の主面にキー入力部120が設けられている。キー入力部120のキ―の中には、QWERTYキ―が含まれている。第2の筐体200は第1の筐体100とほぼ同一形状をしていて、一方の主面に第2のタッチパッド210と該タッチパッド210の下方に液晶ディスプレイ(以下、第2のLCDと称す。)211が設けられている。他方の主面には図示はしないが、副表示部、副操作部、スピーカ及びマイクロフォンが設けられている。
【0016】
第1の筐体100のキー入力部120が設けられている主面側と、第2の筐体200の第2のタッチパッド210が設けられている主面側には、それぞれ第1のスイッチ260、第2のスイッチ160が設けられている。詳述すると、第2のスイッチ160は、図4に示すように溝部150a,150b内に設けられていて、図2に示すように第1の筐体100の溝部150a,150b内にアーム300a,300bの先端側腕部分が収納される状態となった時、押下されスイッチオンする。
【0017】
第1のスイッチ260は、第2の筐体200の一方の主面の第2のタッチパッド210の外周に設けられていて、図1に示すように2つの筐体100,200が閉じられたとき、押下されスイッチオンする。
上記構成において、今、2つの筐体100、200が図1に示す閉状態にあるとする。この状態から図2(a)に示す開いた状態への変更は、第1筐体100が第2筐体200から離間する方向にアーム300a,300bを揺動するだけで良い。一方、図1に示す閉状態から図3に示す開いた状態への変更は、図5(a)に示すように、先ずアーム300a,300bを実線で示す程度の角度まで揺動しながら、第1筐体100を矢印aで示す方向にアーム300a,300bの先端周りに回動する。この後、更に第1筐体100を回動させながら、アーム300a,300bを矢印b方向に揺動限界まで揺動する。すると、第1の筐体100は図5(a)に鎖線で示す状態、すなわち、第2の筐体200と面一となり、かつ、第1のタッチパッド110が上を向いた状態となる。このとき、2つのLCD111,112が、一方向から見て並列した状態になる。
【0018】
また、この状態から、アーム300a,300bを図5(b)に示す角度まで起こし、第1の筐体100を第1軸部510a,510cの周りに矢印c方向に回転し、再びアーム300a、300bを矢印d方向に揺動限界まで揺動すると、図2(a)に示す状態に復帰することができる。このように、アーム300a,300bの揺動と、第1の筐体100の回転、非回転との組み合わせにより、2つの筐体100,200を図1の状態、図2(a)および(b)の状態、図3の状態の各状態に自由に変更することが出来る。
【0019】
以下、図1の状態を「閉状態」、図2(a)の状態を「キー入力状態」、図3の状態を「2画面並列状態」として説明する。
<2>ハードウェア構成
本実施の形態に係る携帯端末のハードウェア構成を図6に示す。
この携帯端末は、通信処理部10と、音声処理部60と、操作部310と、表示部311と、複数のキーを有するキー入力部120と、制御部30と、加速度センサ52とを備える。そして、この携帯端末は、更に、閉状態検知部51とキー入力状態検知部50とを備えている。キー入力状態とは、図2(a)および(b)に示すような状態をいう。
【0020】
通信処理部10は、第2の筐体200に収納され、アンテナ11を介して無線基地局と無線通信を行う。
音声処理部60は、第2の筐体200に収納され、音声データをアナログ信号に変換してスピーカ290から出力したり、マイクロフォン295から入力された送話音声をデジタルデータに変換して出力したりする。
【0021】
キー入力部120は、ユーザが携帯端末にデータを入力するために使用するインターフェースとしての役割を担う。
<2−1>操作部
操作部310は、既に外観構成のところで述べた静電容量式のタッチパッドである第1のタッチパッド110および第2のタッチパッド210に該当する。ユーザが第1のタッチパッド110または第2のタッチパッド210にタッチすると、タッチした位置を示す座標データが制御部30に入力されることになる。
【0022】
この座標データ等は、アーム300a,300bに沿って配置された信号線(図示せず)を介して第2の筐体200に収納された制御部30に伝送される。
<2−2>表示部
表示部311は、平面視長方形状の第1のLCD111および第2のLCD211と、各LCD111,211を駆動させるドライバ(図示せず)とから構成される。第1のLCD111は、第1のタッチパッド110の後面側に配置され、表示面が第1のタッチパッド110に対向している。第2のLCD211は、第2のタッチパッド210の後面側に配置され、表示面が第2のタッチパッド210に対向している。
【0023】
なお、第1のタッチパッド110と第1のLCD111、第2のタッチパッド210と第2のLCD211によりそれぞれタッチパネルが形成されている。
これらの画像データは、アーム300a,300bの内側に配置された信号線(図示せず)を介して伝送される。
<2−3>加速度センサ
加速度センサ52は、MEMS(Micro−Electro−mechanical system)技術を用いて作成された3軸加速度センサにより構成され、第2の筐体200の鉛直方向に対する傾きを検知して、X軸、Y軸、Z軸それぞれに対応する電圧を出力する。
【0024】
<2−4>閉状態検知部、キー入力状態検知部
閉状態検知部51は、第2のタッチパッド210の外周に設けられた第1のスイッチ260が該当し、キー入力状態検知部50は、キー入力状態で押下される第2のスイッチ160が該当する。閉状態検知部51およびキー入力状態検知部50の検知結果は、制御部30に設けられた入力ポートに入力される。
【0025】
また、この検知結果は、第1のスイッチ260、第2のスイッチ160のオンオフに応じて出力される異なるレベルの電圧からなる。
<2−5>制御部

制御部30は、第2の筐体200に収納され、プロセッサ31と、メモリ等により構成された記憶部32と、閉状態検知部51からの信号が入力される入力ポートとを備える。そして、プロセッサ31が、記憶部32に記憶されているプログラムを適宜実行することにより、以下の画像表示処理を行う。
【0026】
以下では、第1のLCD111および第2のLCD211に文字が長手方向に整列して表示された場合における文字の下方向、或いは、天地方向のある写真画像における地面C方向を画像の「下向き」として説明する。
即ち、文字、図形、記号、画像などをユーザが視聴する場合における画像の向きに応じて、画像の「下向き」が定義される。
【0027】
なお、以下に説明する実施例では、携帯端末をユーザが使用する場合、通常では、地面方向をユーザ自身に対して下向きとして使用する場合が多いことから、地面に向かう向きを下向きと設定している。しかし、このような場合に限定されるものではなく、例えば携帯端末のユーザが、寝ていて仰向けになって携帯端末を使用する場合等では、地面に向かう向きとは逆方向を下向きとして設定しても良い。この場合、ユーザが設定したり、加速度センサにより携帯端末が検知するなどして、いずれが下向きかを設定するようにしてもよい。
【0028】
制御部30は、加速度センサ52から入力される電圧の大きさから、携帯端末が第1のLCDの短手方向に平行する(2画面並列状態にあっては、第1のLCD111と第2のLCD211との並び方向に平行する)仮想軸Lの地面Cに対する傾き角度θを算出する。そして、図7(a)および図8(a)に示すように、この傾き角度θが閾値よりも大きい場合には、仮想軸L上における地面Cに向かう向きが下向きとなるように、第1のLCD(2画面並列状態にあっては、第1のLCD111および第2のLCD211)に画像を表示する。一方、図7(b)および図8(b)に示すように、傾き角度θが閾値よりも小さい場合は、仮想軸Lとは直交する方向における地面Cに向かう方向を下向きとして第1のLCD111(2画面並列状態にあっては、第1のLCD111および第2のLCD211)に画像を表示する。以下、このように、加速度センサ52からの入力に応じて、携帯端末の地面Cに対する傾き角度を算出して、第1のLCD111或いは第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の表示態様を随時変更する画像表示処理を通常の画像表示処理と称す。
【0029】
また、キー入力状態の場合、制御部30は、加速度センサ52からの入力を無視する。そして、制御部30は、図9(a)および(b)に示すように、携帯端末の地面Cに対する傾き角度θに関わらず、仮想軸L上において第2の筐体から第1の筐体に向かう方向が下向きとして第2のLCD211に画像を表示する。このとき、制御部30は、第1のLCD111に表示されている画像を消去して第2のLCD211のみに画像を表示する。以下、このように、携帯端末の地面Cに対する傾きに関わらずに第2のLCD211に一定の表示態様で画像を表示する画像表示処理をキー入力状態用画像表示処理と称す。
【0030】
<3>動作 本実施の形態に係る携帯端末の制御部30の動作について図10に基づいて説明する。
まず、制御部30は、電源オン操作で表示開始操作を受け付けると、閉状態検知部51からの入力に基づいて閉状態にあるか否かを確認する(ステップS1)。ここでは、制御部30が、閉状態検知部51からの入力電圧の大きさから第1のスイッチ260が押下された状態(つまり、閉状態)であるか否かを確認する。
【0031】
ステップS1において、制御部30が、携帯端末が閉状態であると判定すると(ステップS1:YES)、第1のLCD111のみに画像を表示させる(ステップS2)。そして、制御部30は、加速度センサ52からの入力に基づいて通常の画像表示処理を行う(ステップS3)。
一方、ステップS1において、制御部30は、携帯端末が閉状態でないと判定すると(ステップS1:No)、キー入力状態検知部50からの入力電圧のレベルに基づいて携帯端末がキー入力状態にあるか否かを確認する(ステップS4)。この、第2のスイッチ160が押下され、且つ、第1のスイッチ260が押下されていない状態が、キー入力状態に相当する。
【0032】
ステップS4において、制御部30は、携帯端末がキー入力状態にないと判定すると(ステップS4:NO)、第1のLCD111および第2のLCD211に画像を表示させ(ステップS5)、前述の通常の画像表示処理を行う(ステップS6)。
一方、ステップS4において、制御部30は、携帯端末がキー入力状態にあると判定すると(ステップS4:YES)、第2のLCD211のみに画像を表示させる(ステップS6)。このとき、第1のLCD111のバックライトが消去される。そして、制御部30は、前述のキー入力状態用の画像表示処理を行う(ステップS7)。
【0033】
ここにおいて、携帯端末が閉状態にあるときは、制御部30は、携帯端末が閉状態にあると認識して、図10におけるステップS1→ステップS2→ステップS3の順に処理を繰り返すことになる。
また、携帯端末が2画面並列状態にあるときは、制御部30は、携帯端末が2画面並列状態にあると認識して、図10におけるステップS1→ステップS4→ステップS5→ステップS3の順に処理を繰り返すことになる。
【0034】
また、携帯端末がキー入力状態にあるときは、制御部30は、携帯端末がキー入力状態にあると認識して、図10におけるステップS1→ステップS4→ステップS6→ステップS7の順に処理を繰り返すことになる。
<4>変形例
(1)前述の実施の形態では、制御部30が、携帯端末がキー入力状態にあると判定すると直ちにキー入力状態用の画像表示処理を行う例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、制御部30が、携帯端末がキー入力状態にあると判定しても直ちにキー入力状態用の画像表示処理を行うのではなく、キー入力状態が所定の時間(例えば、1sec)だけ継続したときに限り、キー入力状態用の画像表示処理を行うようにしてもよい。
【0035】
この場合、制御部30にタイマ(図示せず)を設ければよい。そして、制御部30は、キー入力状態を認識したときにタイマをオンし、その後、タイムアップするまでキー入力状態が継続した場合にキー入力状態用の画像表示処理を行うようにすればよい。
(2)前述の実施の形態では、閉状態検知部51が第1のスイッチ260から構成され、この第1のスイッチ260が押下されたか否かにより携帯端末が閉状態にあるか否かを判別する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、閉状態検知部51が筐体100,200それぞれのタッチパッド110,210が設けられた面側に設けられた磁気センサ(図示せず)により構成され、この磁気センサからの出力に基づいて閉状態にあるか否かを判別するものであってもよい。
【0036】
本変形例によれば、第2のタッチパッド210を操作しているときに誤まって第1のスイッチ260を押下してしまうことにより、誤まった画像表示処理が行われてしまうことがないので、ユーザの使い勝手の向上を図ることができる。
(3)前述の実施の形態では、制御部30が、2画面並列状態において、加速度センサ52により仮想軸Lの地面Cに対する鋭角側の角度θが所定の角度よりも小さくなる形で仮想軸Lと地面Cとが交差している状態になると直ちに第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御する例について説明したが、これに限定されるものではない。
【0037】
例えば、制御部30が、2画面並列状態において、加速度センサ52により仮想軸Lの地面Cに対する鋭角側の角度θが所定の角度よりも小さくなる形で仮想軸Lと地面Cとが交差している状態で所定の時間(例えば、1sec)だけ継続したときに限り、第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御するようにしてもよい。
【0038】
(4)また、前述(3)で説明した変形例に限らず、制御部30が、2画面並列状態において、加速度センサ52により仮想軸Lの地面Cに対する鋭角側の角度が所定の角度(例えば、60°)よりも大きくなる形で仮想軸Lと地面Cとが交差している状態が検知され且つ第1のLCD111または第2のLCD211がタッチされたことが検知された場合、第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lに直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御するようにしてもよい。
【0039】
なお、前述(4)で説明した変形例において、制御部30が、2画面並列状態において、加速度センサ52により仮想軸Lの地面Cに対する鋭角側の角度が所定の角度(例えば、60°)よりも大きくなる形で仮想軸Lと地面Cとが交差している状態が所定の時間(例えば、1sec)だけ継続し且つ第1のLCD111または第2のLCD211がタッチされたことが検知されたときに限り、第1のLCD111および第2のLCD211に表示されている画像を仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御するものであってもよい。
【0040】
(5)前述の実施の形態では、第1の筐体100にアーム300a,300bが第1軸部510a,510bにより支持されてなる例について説明したが、これに限定されるものではなく、アーム300a,300bが第1軸部510a,510b周りに一方向に付勢されてなるものであってもよい。
例えば、2画面並列状態におけるアーム300a,300bと第1の筐体100との位置関係となるように第1の筐体を第2の筐体200に対して回動するように付勢する板バネ等からなる付勢部材(図示せず)を備えるものであってもよい。
【0041】
<補足>
(1)前述の実施の形態に係る携帯端末は、一面側に第1のLCD111が設けられるとともに、他面側に複数のキー120が設けられてなる第1の筐体100と、片面側に第2のLCD211が設けられてなる第2の筐体200と、少なくとも一方向から複数のキー120と第2のLCD211とが視認可能なキー入力状態(第1の状態)と少なくとも一方向から第1のLCD111と第2のLCD211とが視認可能な2画面並列状態(第2の状態)との間で変移自在に、第1のLCD111と第2のLCD211とを連結するアーム300a,300bと、キー入力状態を検知するキー入力状態検知部と、キー入力状態検知部によりキー入力状態が検知されると、第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを第2の筐体200から第1の筐体100に向かう方向が下向きとなるように制御する制御部30とを備える。
【0042】
本構成によれば、キー入力状態において制御部30が第2のLCD211に表示される画像を上下方向の向きを第2の筐体200から第1の筐体100に向かう方向が下向きとなるように制御することにより、キー入力状態では必ず第2のLCD211に表示される画像が複数のキーが設けられた第1の筐体100を手前にしてキー入力操作を行うのに適合した表示態様となるので、操作性を向上させることができる。
【0043】
(2)前述の実施の形態に係る携帯端末は、アーム300a,300bの一端部が、第1の筐体100に設けられた第1軸部510a,510bに軸支され、他端部が第2の筐体200に設けられた第2軸部410a,410bに支持されてなり、アーム300a,300bを第2軸部410a、410b周りに回動させることにより、第1の筐体100が第2のLCD211を覆う状態と覆わない状態とに変移自在であり、第1の筐体100が第2のLCD211を覆わない状態において第1の筐体200を第1軸部510a,510b周りに回動させることにより、キー入力状態と2画面並列状態とに変移自在である。
【0044】
本構成によれば、2本のアーム300a,300bという簡単且つ少ない部品点数で、キー入力状態と2画面並列状態とに変移自在な携帯端末を実現できる。
(3)<変形例>の(1)で説明した携帯端末は、制御部30が、キー入力検知部50によりキー入力状態が検知されると、キー入力状態が所定時間だけ継続したときに限り、第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを第2の筐体200から第1の筐体100に向かう方向が下方向となるように制御する。
【0045】
本構成によれば、ユーザが誤まってキー入力状態としてしまった場合でも、制御部30は、直ちに第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを第2の筐体200から第1の筐体100に向かう方向が下方向となるように制御しないので、ユーザにとっての使い勝手の向上を図ることができる。
(4)前述の実施の形態に係る携帯端末は、2画面並列状態における第1の筐体100および第2の筐体200の並び方向に平行する仮想軸L(図6および7参照)の地面Cに対する向きを検知する加速度センサ52を備え、制御部30が、2画面並列状態において、加速度センサ52により仮想軸Lの地面Cに対する鋭角側の角度が所定の角度(例えば、60°)よりも小さくなる形で仮想軸Lと地面Cとが交差している状態が検知されると、前記第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御する。
【0046】
本構成によれば、第1のLCD111および第2のLCD211の視認性がよくなるので、操作性の向上を図ることができる。
(5)前述の実施の形態に係る携帯端末は、制御部30が、2画面並列状態において、加速度センサ52により仮想軸Lの地面Cに対する鋭角側の角度が所定の角度(例えば、60°)よりも小さくなる形で仮想軸Lと地面Cとが交差している状態が所定の時間(例えば、1sec)だけ継続したときに限り、第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御する。
【0047】
本構成によれば、ユーザが意図せず誤まって携帯端末を傾けてしまった場合でも、制御部30は、直ちに第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御しないので、ユーザにとっての使い勝手の向上を図ることができる。
(6)<変形例>の(3)で説明した携帯端末は、2画面並列状態における第1の筐体100および第2の筐体200の並び方向に平行する仮想軸Lの地面Cに対する傾きを検知する加速度センサ52を備え、制御部30が、2画面並列状態において、加速度センサ52により仮想軸Lの地面Cに対する鋭角側の角度が所定の角度(例えば、60°)よりも小さくなる形で仮想軸Lと地面Cとが交差している状態が検知され且つ第1のLCD111または第2のLCD211がタッチされたことが検知された場合、第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lに直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御する。
【0048】
本構成によれば、ユーザが誤まって携帯端末を傾けてしまった場合でも、制御部30は、直ちに第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御しないので、ユーザにとっての使い勝手の向上を図ることができる。
(7)<変形例>の(4)で説明した携帯端末は、制御部30が、2画面並列状態において、加速度センサ52により仮想軸Lの地面Cに対する鋭角側の角度が所定の角度(例えば、60°)よりも小さくなる形で仮想軸Lと地面Cとが交差している状態が所定の時間(例えば、1sec)だけ継続し且つ第1のLCD111または第2のLCD211がタッチされたことが検知されたときに限り、第1のLCD111および第2のLCD211に表示されている画像を仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御する。
【0049】
本構成によれば、ユーザが誤まってタッチパッド20にタッチしまった場合でも、制御部30は、直ちに第1のLCD111および第2のLCD211に表示される画像の上下方向の向きを仮想軸Lとは直交する方向において地面Cに向かう方向が下向きとなるように制御しないので、ユーザにとっての使い勝手の向上を図ることができる。
(8)<変形例>の(5)で説明した変形例に係る携帯端末は、閉状態において2画面並列状態におけるアーム300a,300bと第1の筐体100との位置関係となるように第1の筐体を第2の筐体200に対して回動するように付勢する付勢部材(図示せず)を備える。
【0050】
本構成によれば、ユーザが閉状態から直接2画面並列状態に変形させようとするときに、ユーザの意図に反してキー入力状態に変形してしまうことを抑制することができる。
(9)前述の実施の形態に係る携帯端末は、キー入力部120を構成する複数のキーの中にQWERTYキーが含まれている。
本構成によれば、携帯端末をパソコンと同様の態様で使用することができる。
【0051】
(10)前述の実施の形態に係る携帯端末は、複数のキーが、前記キー入力状態において、第1の筐体100から第2の筐体200に向かう方向が上向きとなるように配置されてなる。
本構成によれば、制御部30が第2のLCD211に表示される画像を第2の筐体200から第1の筐体100に向かう方向が下向きとなるように表示させれば、キー入力部120が手前にあり第2のLCD211が奥側にある状態で使用することができるので、通常の使用スタイルにおいて違和感を無くすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る携帯端末は、2つのディスプレイとキー入力部とを備える携帯端末の表示制御技術に適用される。
【符号の説明】
【0053】
10 通信処理部
11 アンテナ
30 制御部
31 プロセッサ
32 記憶部
50 キー入力状態検知部
51 閉状態検知部
52 加速度センサ
60 音声処理部
100 第1の筐体
110 第1のタッチパッド
111 第1のLCD
120 キー入力部
150a,150b 溝部
151 嵌合孔
160 第2のスイッチ
210 第2のタッチパッド
211 第2のLCD
260 第1のスイッチ
290 スピーカ
295 マイクロフォン
300a,300b アーム(連結部材)
301 長孔
310 操作部
311 表示部
410a,410b 第2軸部
510a,510b 第1軸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側に第1の表示部が設けられるとともに、他面側に複数のキーが設けられてなる第1の筐体と、
片面側に第2の表示部が設けられてなる第2の筐体と、
少なくとも一方向から前記複数のキーと第2の表示部とが視認可能な第1の状態と少なくとも一方向から前記第1の表示部と前記第2の表示部とが視認可能な第2の状態との間で変移自在に、前記第1の表示部と前記第2の表示部とを連結する連結部材と、
前記第1の状態を検知する検知部と、
前記検知部により前記第1の状態が検知されると、前記第2の表示部に表示される画像の上下方向の向きを前記第2の筐体から前記第1の筐体に向かう方向が下向きとなるように制御する制御部とを備える
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記連結部材は、一端部が前記第1の筐体に設けられた第1軸に軸支され他端部が前記第2の筐体に設けられた第2軸により支持されてなり、前記連結部材を前記第2軸周りに回動させることにより、前記第1の筐体が前記第2の表示部を覆う状態と覆わない状態とに変移自在であり、前記第1の筐体が前記第2の表示部を覆わない状態において前記第1の筐体を前記第1軸周りに回動させることにより、前記第1の状態と前記第2の状態とに変移自在である
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知部により前記第1の状態が検知されると、前記第1の状態が所定時間だけ継続したときに限り、前記第2の表示部に表示される画像の上下方向の向きを前記第2の筐体から前記第1の筐体に向かう方向が下向きとなるように制御する
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第2の状態における前記第1の筐体および前記第2の筐体の並び方向に平行する仮想軸の地面に対する傾きを検知する傾き検知部を備え、
前記制御部は、前記第2の状態において、前記向き検知部により前記仮想軸の地面に対する鋭角側の角度が所定の角度よりも小さくなる形で前記仮想軸と地面とが交差している状態が検知されると、前記第1の表示部および前記第2の表示部に表示される画像の上下方向の向きを前記仮想軸とは直交する方向において地面に向かう方向が下向きとなるように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の状態において、前記向き検知部により前記仮想軸の地面に対する鋭角側の角度が所定の角度よりも小さくなる形で前記仮想軸と地面とが交差している状態が所定時間だけ継続したときに限り、前記第1の表示部および前記第2の表示部に表示される画像の上下方向の向きを前記仮想軸とは直交する方向において地面に向かう方向が下向きとなるように制御する
ことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記第2の状態における前記第1の筐体および前記第2の筐体の並び方向に平行する仮想軸の地面に対する向きを検知する向き検知部と、
前記第1の表示部または前記第2の表示部がタッチされたことを検知するタッチ検知部とを備え、
前記制御部は、前記第2の状態において、前記向き検知部により前記仮想軸の地面に対する鋭角側の角度が所定の角度よりも小さくなる形で前記仮想軸と地面とが交差している状態が検知され且つ前記タッチ検知部により前記第1の表示部または前記第2の表示部がタッチされたことが検知された場合、前記第1の表示部および前記第2の表示部に表示される画像の上下方向の向きを前記仮想軸とは直交する方向において地面に向かう方向が下向きとなるように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2の状態において、前記向き検知部により前記仮想軸の地面に対する鋭角側の角度が所定の角度よりも小さくなる形で前記仮想軸と地面とが交差している状態が所定時間だけ継続し且つ前記タッチ検知部により前記第1の表示部または前記第2の表示部がタッチされたことが検知されたときに限り、前記第1の表示部および前記第2の表示部に表示されている画像を前記仮想軸とは直交する方向において地面に向かう方向が下向きとなるように制御する
ことを特徴とする請求項6記載の携帯端末。
【請求項8】
前記第2の状態における前記連結部材と前記第1の筐体との位置関係となるように前記第1の筐体を前記第2の筐体に対して回動するように付勢する付勢部材を備える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記複数のキーが、少なくともQWERTYキーを含む
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記複数のキーが、前記第2の筐体から前記第1の筐体に向かう方向が上方向となるように配置されてなる
ことを特徴とする請求項9記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−137869(P2012−137869A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288655(P2010−288655)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】