説明

携帯端末

【課題】静電気に対する耐性を簡易な構成で向上させ得る携帯端末を提供する。
【解決手段】光学的情報読取装置では、充電装置の給電端子に接触することで充電が開始される受電端子26,27が筐体21外に露出している。この光学的情報読取装置では、回路基板30が収容される筐体21の一部を覆って保護する導電性の緩衝部材28,29が設けられており、これら緩衝部材28,29は、回路基板30のグランドパターン31,32に常時接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続端子が外部に露出する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器の操作においては、人体との接触や他の機器との接触時(例えば通信、充電等)に、操作者が意識しない状態で静電気が印加され、当該携帯機器が誤動作したり故障したりすることがある。携帯機器としての静電気に対する耐性を向上させることが有効ではあるが、他の特性(例えば、機器の大きさや費用対効果等)による制限が有り、効果は限られてしまう。また、上述のように発生する静電気そのものは、携帯機器が使用される環境に依存するため、必ずしも制御(抑制)できるとは限らない。
【0003】
そこで、携帯端末における静電気対策に関する技術として、下記特許文献1に示す携帯端末装置が知られている。この携帯端末装置では、カメラユニットが配置される撮像窓の周縁に導電性部材が取り付けられており、この導電性部材と導電性を有する中央対向体の一部とは第1ケース部材内にて当接して通電状態にある。そして中央対向体の一部は、中央支持体の一部とも面接触することにより、導電性部材、中央対向体の一部、中央支持体の一部は導電状態となる。このため、導電性部材に指で触れると、帯電していた静電気はカメラに飛ぶことなく、基準電位ラインにアースされることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−5914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、接続端子が外部に露出する携帯端末では、静電気がこの接続端子を介して筐体内部の回路基板等に印可されやすいという問題がある。上記特許文献1に示す構成では、露出する接続端子を介した静電気の印可を抑制することが困難であり、携帯機器の誤動作や故障が生じやすくなってしまう。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、静電気に対する耐性を簡易な構成で向上させ得る携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の携帯端末では、外部装置と筐体内に収容される回路基板とを電気的に接続するための接続端子が筐体外に露出する携帯端末において、前記筐体の一部を覆って保護する導電性の緩衝部材を備え、前記緩衝部材は、前記回路基板のグランドパターンに常時接続されることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯端末において、前記緩衝部材は、前記接続端子を介する接続の際にこの接続よりも前に前記外部装置に設けられる導電性の放電部に接触するように形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の携帯端末において、前記緩衝部材は、前記接続端子の近傍に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1または2に記載の携帯端末において、前記緩衝部材は、前記筐体が把持される把持部に配置されることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記緩衝部材は、前記グランドパターンに対して常時押圧されることで当該グランドパターンに常時接続されることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記緩衝部材は、前記外部装置にて外方に突出するように設けられる導電性の放電部に接触するように形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明では、回路基板が収容される筐体の一部を覆って保護する導電性の緩衝部材が設けられており、この緩衝部材は、回路基板のグランドパターンに常時接続されている。
【0014】
筐体を保護する緩衝部材は、落下などの衝撃から筐体やこの筐体に収容される収容物等を保護するために、通常、筐体の隅部等、他の部位よりも机面や床面等に対して最初に接触しやすい部位に配置される。そこで、導電性の緩衝部材を採用するとともにこの緩衝部材を回路基板のグランドパターンに常時接続することで、筐体が静電気を帯びた外部装置等に接触する場合でも、この外部装置等に緩衝部材が最初に接触することとなる。このため、この接触時に印加される静電気は、当該緩衝部材を介してグランドパターンに流れるので、外部に露出する接続端子を介する静電気の影響が抑制される。
したがって、静電気に対する耐性を簡易な構成で向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明では、緩衝部材は、接続端子を介する接続の際にこの接続よりも前に外部装置に設けられる導電性の放電部に接触するように形成されている。これにより、外部装置と電気的に接続する際には、この接続よりも前に、緩衝部材が外部装置に設けられる導電性の放電部に接触するため、外部装置が静電気を帯びている場合であってもこの静電気が放電部および緩衝部材を介してグランドパターンに流れるので、外部に露出する接続端子を介する静電気の影響を確実に抑制することができる。
【0016】
請求項3の発明では、緩衝部材は、接続端子の近傍に配置されているため、外部装置等に対して緩衝部材が接続端子よりも先に接触しやすくなるので、外部装置が静電気を帯びている場合であっても、外部に露出する接続端子を介する静電気の影響をより確実に抑制することができる。
【0017】
請求項4の発明では、緩衝部材は、筐体が把持される把持部に配置されているため、使用者が把持部を把持する際に緩衝部材に触れやすくなるので、使用者が静電気を帯びている場合であってもこの静電気が緩衝部材を介してグランドパターンに流れることとなり、外部に露出する接続端子を介する静電気の影響をより確実に抑制することができる。
【0018】
請求項5の発明では、緩衝部材は、グランドパターンに対して常時押圧されることで当該グランドパターンに常時接続されている。緩衝部材の弾性力を利用することで当該緩衝部材とグランドパターンとが確実に密着するため、緩衝部材およびグランドパターンに対してコネクタやはんだなどの接続部材を介した接続が不要となるので、簡易かつ製造容易な構成を実現することができる。
【0019】
請求項6の発明では、緩衝部材は、外部装置にて外方に突出するように設けられる導電性の放電部に接触するように形成されている。これにより、接続端子が外部装置等に対して接触するよりも先に、緩衝部材が外方に突出する放電部に接触することとなるので、外部に露出する接続端子を介する静電気の影響をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る携帯端末および充電装置を示す正面図である。
【図2】図1の携帯端末および充電装置を示す側面図である。
【図3】両緩衝部材と回路基板のグランドパターンとの接続状態を説明するための説明図である。
【図4】図3の4−4線相当の切断面を概略的に示す断面図である。
【図5】両緩衝部材と回路基板のグランドパターンとの電気的接続状態を概略的に示すブロック図である。
【図6】図1の充電装置を上面から見た上面図である。
【図7】図1の充電装置を背面から見た背面図である。
【図8】図1の充電装置を側面から見た断面図である。
【図9】給電端子が配置される回路基板を示す上面図である。
【図10】図10(A)は正側給電端子の詳細形状を示す側面図であり、図10(B)は正側給電端子を回路基板に設置した状態を示す側面図である。
【図11】本実施形態の変形例に係る光学的情報読取装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の携帯端末を光学的情報読取装置に適用した実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る光学的情報読取装置20および充電装置10を示す正面図である。図2は、図1の光学的情報読取装置20および充電装置10を示す側面図である。
【0022】
本実施形態に係る光学的情報読取装置20は、使用者によって携帯されてバーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る携帯型のコードリーダとして機能するもので、上下ケース21a,21bから構成される筐体21内にコードリーダを構成するための回路基板30や光源、レンズ、受光センサ、記憶装置等の各種電気部品が収容されている。この筐体21内の電気的構成は、公知のコードリーダ(バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)と同様の構成とすることができる。
【0023】
図1および図2に示すように、筐体21は、使用者に把持される把持部22と、液晶表示器23aが取り付けられる液晶部23と、読取口24aが設けられる頭部24とからなる。把持部22のうち液晶表示器23a近傍には、読取対象の情報や当該光学的情報読取装置20の操作に関する情報を入力可能なファンクションキーや数字情報を入力可能なテンキー等、情報を入力する際に操作される複数のキーを有するキー操作部25が設けられている。これにより、使用者は、キー操作部25を操作するために把持部22を把持することとなる。この把持部22の後端面部22aには、充電用として機能する板状の正側受電端子26および負側受電端子27が露出して設けられている。また、頭部24は、把持部22との間に液晶表示器23aを介在させることで把持部22から離間するように配置されている。なお、正側受電端子26および負側受電端子27は、特許請求の範囲に記載の「接続端子」の一例に相当し得る。
【0024】
また、筐体21の隅部であって両受電端子26,27の近傍には、外部からの衝撃を吸収して筐体21およびこの筐体21内の収容物を保護するための2つの緩衝部材28,29が設けられている。両緩衝部材28,29は、導電性の弾性部材、例えば、導電ゴム等により構成されている。緩衝部材28は、筐体21から露出する外面部28aが把持部22における後端面部22aおよび側面の一部を覆うように形成されている。また、緩衝部材29は、筐体21から露出する外面部29aが把持部22における後端面部22aおよび他の側面の一部を覆うように形成されている。このように、両緩衝部材28,29は、把持部22の隅部に配置されることで、両受電端子26,27やキー操作部25等の他の部位よりも机面や床面等に対して最初に接触することとなり、筐体21等を保護することができる。
【0025】
図3は、両緩衝部材28,29と回路基板30のグランドパターン31,32との接続状態を説明するための説明図である。図4は、図3の4−4線相当の切断面を概略的に示す断面図である。図5は、両緩衝部材28,29と回路基板30のグランドパターン31,32との電気的接続状態を概略的に示すブロック図である。なお、図3では、便宜上、上ケース21aを省略した状態を簡略的に図示している。
【0026】
図3および図4に示すように、筐体21に収容される回路基板30の下面外縁部にはグランドパターン31,32が設けられており、緩衝部材28はその内面部28bにてグランドパターン31に電気的に接続され、緩衝部材29はその内面部29bにてグランドパターン32に電気的に接続されている。
【0027】
具体的には、内面部28bは、筐体21を構成する上下ケース21a,21bから挟持されることで保持されており、この挟持時にその突出端部28cが下方から常時押圧されて弾性変形した状態でグランドパターン31に接触するように形成されている。また、内面部29bは、内面部28bと同様に、筐体21を構成する上下ケース21a,21bから挟持されることで保持されており、この挟持時にその突出端部29cが下方から常時押圧されて弾性変形した状態でグランドパターン32に接触するように形成されている。このように、緩衝部材28,29の弾性力を利用することで、当該緩衝部材28,29とグランドパターン31,32とがコネクタやはんだなどの接続部材を介することなく確実に密着して接続されることとなる。
【0028】
このように構成される両緩衝部材28,29と回路基板30のグランドパターン31,32とによる除電機能について、図5を用いて説明する。
図5に示すように、内面部28bとグランドパターン31とが電気的に接続され、内面部29bとグランドパターン32とが電気的に接続されているため、静電気を帯びた物体が外面部28aに接触すると、この接触時に印加される静電気は、外面部28aを介してグランドパターン31に流れることとなる。また、静電気を帯びた物体が外面部29aに接触する場合でも、この接触時に印加される静電気は、外面部29aを介してグランドパターン32に流れることとなる。このように、両緩衝部材28,29との接触時に印加される静電気は、グランドパターン31,32に流れて好適に除電され、筐体21外に露出する正側受電端子26および負側受電端子27に対する上記静電気の影響を抑制している。
【0029】
図6は、図1の充電装置10を上面から見た上面図である。図7は、図1の充電装置10を背面から見た背面図である。図8は、図1の充電装置10を側面から見た断面図である。図9は、給電端子14,15が配置される回路基板12を示す上面図である。図10(A)は正側給電端子14の詳細形状を示す側面図であり、図10(B)は正側給電端子14を回路基板12に設置した状態を示す側面図である。なお、図9では、便宜上、除電端子16,17および両除電端子16,17に関連する部位を省略して図示している。
【0030】
次に、充電装置10について説明する。
図1および図2に示す充電装置10は、光学的情報読取装置20を充電する充電機能を有するとともに、光学的情報読取装置20が他の外部装置と通信する際に中継手段として機能する通信機能を有している。当該充電装置10は、図6〜図8に示すように、充電機能および通信機能を実現するために全体的制御を司る制御回路が実装される回路基板12が筐体11内に配置されて構成されている。また、筐体11の後方下端部には、外部装置等と通信するためのコネクタ13が設けられており、このコネクタ13は、図9に示すように、回路基板12の所定の部位に電気的に接続されている。
【0031】
また、充電装置10には、光学的情報読取装置20の把持部22を保持した状態で収容するための収容部11aが設けられている。この収容部11aの底部には、収容された光学的情報読取装置20の正側受電端子26および負側受電端子27に接触することで、光学的情報読取装置20を充電するための端子である正側給電端子14および負側給電端子15が設けられている。
【0032】
両給電端子14,15は、同じ構成であるから、以下、正側給電端子14を代表例として図10を用いて詳細に説明する。
図10(A)に示すように、正側給電端子14は、金属線材を湾曲させて構成されており、収容部11a内に露出する一端部14aを略逆V字状に形成するとともに他端部14bをコイルばね状に形成することで、一端部14aからの押圧に応じてその押圧方向に弾性変形するように構成されている。このように構成される正側給電端子14は、図8および図10(B)に示すように、一端部14aの一部が収容部11aに形成される挿通穴を介して収容部11a内にて外方に突出するように他端部14bが回路基板12に組み付けられている。また、負側給電端子15も同様に、金属線材を湾曲させて構成されており、略逆V字状の一端部とコイルばね状の他端部とを有するように形成されている。負側給電端子15は、一端部の一部が収容部11aに形成される挿通穴を介して収容部11a内にて外方に突出するように他端部が回路基板12に組み付けられている。
【0033】
また、図6に示すように、収容部11aの底部であって給電端子14,15の外側には、一対の除電端子16,17が設けられている。これら両除電端子16,17は、収容部11aに収容される光学的情報読取装置20の緩衝部材28,29に接触することで、充電装置10および光学的情報読取装置20の少なくとも一方が帯びている静電気等に起因する電位差をなくす除電機能を発揮するように構成されている。
【0034】
両除電端子16,17は、正側給電端子14と同様に、金属線材を湾曲させて構成されており、略逆V字状の一端部とコイルばね状の他端部とを有するように形成されている。両除電端子16,17は、一端部の一部が収容部11aに形成される挿通穴を介して収容部11a内にて外方に突出するように他端部が回路基板12にそれぞれ組み付けられており、一端部からの押圧に応じてその押圧方向に弾性変形するように構成されている。特に、両除電端子16,17の収容部11a内での突出高さは、両給電端子14,15の突出高さよりも高くなるように設定されている。
【0035】
このように構成される充電装置10に対して、光学的情報読取装置20を収容部11aに収容すると、両受電端子26,27が両給電端子14,15に接触する前に、両緩衝部材28,29が両除電端子16,17に接触する。このため、充電装置10が静電気を帯びている場合には、この静電気が除電端子16,17および緩衝部材28,29を介してグランドパターン31,32に流れることとなる。これにより、光学的情報読取装置20において、外部に露出する受電端子26,27を介する静電気の影響を確実に抑制することができる。
【0036】
また、光学的情報読取装置20を机面や床面等の載置面に載置するとき、両受電端子26,27がこの載置面に近接(接触)する前に、両緩衝部材28,29が当該載置面に接触する。このため、載置面が静電気を帯びている場合には、この静電気が緩衝部材28,29を介してグランドパターン31,32に流れることとなる。このような場合であっても、光学的情報読取装置20において、外部に露出する受電端子26,27を介する静電気の影響を確実に抑制することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置20では、回路基板30が収容される筐体21の一部を覆って保護する導電性の緩衝部材28,29が設けられており、これら緩衝部材28,29は、回路基板30のグランドパターン31,32に常時接続されている。
【0038】
これにより、筐体21が静電気を帯びた充電装置10や他の外部装置等に接触する場合でも、この充電装置10等に緩衝部材28,29が最初に接触することとなる。このため、この接触時に印加される静電気は、当該緩衝部材28,29を介してグランドパターン31,32に流れるので、外部に露出する受電端子26,27を介する静電気の影響が抑制される。
したがって、静電気に対する耐性を簡易な構成で向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置20では、両緩衝部材28,29は、受電端子26,27と給電端子14,15との接続の際にこの接続よりも前に充電装置10に設けられる導電性の除電端子16,17にそれぞれ接触するように形成されている。これにより、充電装置10により充電するために受電端子26,27および給電端子14,15を電気的に接続する際には、この接続よりも前に、緩衝部材28,29が充電装置10に設けられる除電端子16,17に接触するため、充電装置10が静電気を帯びている場合であってもこの静電気が除電端子16,17および緩衝部材28,29を介してグランドパターン31,32に流れるので、外部に露出する受電端子26,27を介する静電気の影響を確実に抑制することができる。
【0040】
さらに、本実施形態に係る光学的情報読取装置20では、両緩衝部材28,29は、受電端子26,27の近傍に配置されているため、充電装置10等に対して両緩衝部材28,29が受電端子26,27よりも先に接触しやすくなるので、充電装置10等が静電気を帯びている場合であっても、外部に露出する受電端子26,27を介する静電気の影響をより確実に抑制することができる。
【0041】
さらにまた、本実施形態に係る光学的情報読取装置20では、両緩衝部材28,29は、グランドパターン31,32に対して常時押圧されることで当該グランドパターン31,32に常時接続されている。両緩衝部材28,29の弾性力を利用することで当該両緩衝部材28,29とグランドパターン31,32とが確実に密着するため、緩衝部材28,29およびグランドパターン31,32に対してコネクタやはんだなどの接続部材を介した接続が不要となるので、簡易かつ製造容易な構成を実現することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置20では、両緩衝部材28,29は、充電装置10にて外方に突出するように設けられる導電性の除電端子16,17に接触するように形成されている。これにより、受電端子26,27が充電装置10の給電端子14,15等に対して接触するよりも先に、緩衝部材28,29が外方に突出する除電端子16,17に接触することとなるので、外部に露出する受電端子26,27を介する静電気の影響をより確実に抑制することができる。
【0043】
図11は、本実施形態の変形例に係る光学的情報読取装置20を示す正面図である。
図11に例示するように、緩衝部材28,29は、その外面部28a,29aが把持部22の側面に沿うように配置されてもよい。これにより、使用者が把持部22を把持する際に緩衝部材28,29に触れやすくなるので、使用者が静電気を帯びている場合であってもこの静電気が緩衝部材28,29を介してグランドパターン31,32に流れることとなり、外部に露出する受電端子26,27を介する静電気の影響をより確実に抑制することができる。
【0044】
また、上述のように緩衝部材28,29を把持部22にだけ設けることに限らず、例えば、さらに別の緩衝部材を頭部24の周囲に設けてもよい。この別の緩衝部材をコネクタ等を介して接続してグランドパターン31,32に電気的に接続することで、上記別の緩衝部材を設けた周囲に対して上述した除電機能を実現することができる。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)筐体21の外部に露出する正側受電端子26および負側受電端子27は、充電用の端子として機能することに限らず、例えば、通信用等の接続端子として機能してもよい。この場合であっても、外部に露出する接続端子を介する静電気の影響を確実に抑制することができる。
【0046】
(2)緩衝部材28の内面部28bは、その突出端部28cが下方から常時押圧されて弾性変形した状態でグランドパターン31に接触することで電気的に接続されるに限らず、グランドパターン31の位置等に応じて、コネクタやはんだなどの接続部材を介して電気的に接続されてもよい。緩衝部材29についても同様にグランドパターン32に接続されてもよい。
【0047】
(3)両除電端子16,17は、正側給電端子14と同様に、金属線材を湾曲させて形成されることに限らず、例えば、平板状の導電部材を湾曲させることで押圧方向に応じて弾性変形可能に形成される放電部として構成されてもよい。
【0048】
(4)本発明は、バーコードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る携帯型の光学的情報読取装置に適用されることに限らず、例えば、RFIDタグに記録された情報に対して無線通信するRFIDタグリーダライタや決済端末などの携帯端末に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…充電装置
14…正側給電端子
15…負側給電端子
16,17…除電端子(放電部)
20…光学的情報読取装置(携帯端末)
21…筐体
22…把持部
26…正側受電端子(接続端子)
27…負側受電端子(接続端子)
28,29…緩衝部材
30…回路基板
31,32…グランドパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と筐体内に収容される回路基板とを電気的に接続するための接続端子が筐体外に露出する携帯端末において、
前記筐体の一部を覆って保護する導電性の緩衝部材を備え、
前記緩衝部材は、前記回路基板のグランドパターンに常時接続されることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記緩衝部材は、前記接続端子を介する接続の際にこの接続よりも前に前記外部装置に設けられる導電性の放電部に接触するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記緩衝部材は、前記接続端子の近傍に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記緩衝部材は、前記筐体が把持される把持部に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記緩衝部材は、前記グランドパターンに対して常時押圧されることで当該グランドパターンに常時接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記緩衝部材は、前記外部装置にて外方に突出するように設けられる導電性の放電部に接触するように形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−60489(P2012−60489A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202824(P2010−202824)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】