説明

携帯通信端末、時間情報通知システム、時間情報通知方法、時間情報通知プログラム

【課題】 鉄道等の交通機関を利用している利用者が、家族等の相手先へ帰宅予定時間等の情報を送信する際の手間を軽減可能とし、より良いサービスを実現可能とする。
【解決手段】
携帯電話端末1は非接触ICカード3を備えている。非接触ICカード3は、自動改札機6と非接触通信する機能と、定期券の情報及びカード制御・演算用プログラムを保持するメモリ機能と、そのプログラムを実行する制御部とを備えている。そして、携帯電話端末1は、自動改札機6を通過した時、非接触ICカード6が保持している定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を経路検索サーバ46へ送信する。経路検索サーバ64は、それらの情報から出場場所への到着予定時刻を算出して携帯電話端末1へ返送する。携帯電話端末1は、GPS位置情報或いは電車内報知情報により到着予定時刻を更新し、その到着予定時刻を挿入したメッセージを所望の相手先へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家族等の相手先へ帰宅時間等を知らせる際に好適な、携帯通信端末、時間情報通知システム、時間情報通知方法、時間情報通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話機は、音声通話のみならず、電子メールの送受信やインターネット接続を行うための携帯通信端末として多くの利用者を獲得している。
【0003】
また最近は、一部の鉄道会社において、定期券により自動改札機の通過したときに、その定期券の利用者の携帯電話機へ趣味やグルメ情報、沿線のイベント情報などをメール配信する新たなサービスも開始されている(例えば、非特許文献1,2参照。)。
【0004】
【非特許文献1】小田急電鉄ニュースリリース、[平成14年12月18日検索]、インターネット<URL:http://www.d-cue.com/program/info/PG02348.pl?key=589&info_kubun=d-cue&mode=online>
【非特許文献2】鷹木 創、ケータイWatch、”小田急電鉄、自動改札機連動メール配信システム「goopas」”、[平成14年12月18日検索]、インターネット<URL:http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/0,,11759,00.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、鉄道を利用する客に多く見られる行動パターンとして、例えば電車に乗車する直前に到着先に携帯電話で電話をして、これから乗車する等の情報を伝える、という行動が挙げられる。これは、サラリーマンがこれから帰宅することを家族に伝える際に、よく行われる行為(世間一般に「帰るコール」と呼ばれている行為)である。
【0006】
このような行動は、毎日決まったパターンで繰り返される可能性が高い行動であるにも関わらず、利用者はいちいち手間をかけて同一行動を繰り返し行っており、非効率である。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、鉄道等の交通機関を利用している利用者が、家族等の相手先へ情報を送信する際の手間を軽減可能とし、より良いサービスを実現可能とする携帯通信端末、時間情報通知システム、時間情報通知方法、時間情報通知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯通信端末は、送信相手先アドレスを取得するアドレス取得部と、少なくとも、非接触通信用のアンテナを介して交通機関のゲート装置との間で通信を行う通信機能と定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報と当該カードの制御・演算用のプログラムを保持するメモリ機能とそのプログラムを実行する制御部とを備えた非接触ICカードと、定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路の入場場所に設けられているゲート装置を非接触ICカードを利用して通過した時、非接触ICカードのメモリ機能が保持している定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を経路検索サーバへ送信する情報送信部と、経路検索サーバから返送されてきた到着予定時刻情報を受信する予定時刻受信部と、全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて到着予定時刻を時々刻々と更新するか、若しくは、近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて到着予定時刻を更新する到着予定時刻更新部と、到着予定時刻を挿入したメッセージを生成するメッセージ生成部と、到着予定時刻が挿入されたメッセージを送信相手先アドレス宛に送信するメッセージ送信部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0009】
また、本発明の時間情報通知システムは、携帯通信端末と経路検索サーバとを備えてなり、携帯通信端末は、送信相手先アドレスを取得するアドレス取得部と、少なくとも非接触通信用のアンテナを介して交通機関のゲート装置との間で通信を行う通信機能と定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報及び当該カードの制御・演算用のプログラムを保持するメモリ機能とそのプログラムを実行する制御部とを備えた非接触ICカードと、定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路の入場場所に設けられているゲート装置を非接触ICカードを利用して通過した時に非接触ICカードのメモリ機能が保持している定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を経路検索サーバへ送信する情報送信部と、経路検索サーバから返送されてきた到着予定時刻情報を受信する予定時刻受信部と、全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて到着予定時刻を時々刻々と更新するか、若しくは近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて到着予定時刻を更新する到着予定時刻更新部と、到着予定時刻を挿入したメッセージを生成するメッセージ生成部と、到着予定時刻が挿入されたメッセージを送信相手先アドレス宛に送信するメッセージ送信部とを有する。経路検索サーバは、現在時刻情報を取得する時刻取得部と、携帯通信端末から送信されてきた定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報と現在時刻情報と使用経路の時刻表情報とを用いて、出場場所への到着予定時刻を求める予定時刻演算部と、到着予定時刻情報を携帯通信端末へ送信する予定時刻送信部とを有する。これにより本発明の時間情報通知システムは、上述した課題を解決する。
【0010】
また、本発明の時間情報通知方法は、送信相手先アドレスを携帯通信端末が取得するステップと、少なくとも、非接触通信用のアンテナを介して交通機関のゲート装置との間で通信を行う通信機能と定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報及び当該カードの制御・演算用のプログラムを保持するメモリ機能と上記プログラムを実行する制御部とを備えた非接触ICカードにより、定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路の入場場所に設けられているゲート装置を通過した時、非接触ICカードのメモリ機能が保持している定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を携帯通信端末が経路検索サーバへ送信するステップと、経路検索サーバが現在時刻情報を取得するステップと、携帯通信端末から送信されてきた使用経路及び入場・出場場所の情報と現在時刻情報と使用経路の時刻表情報とを用いて、経路検索サーバが、出場場所への到着予定時刻を求めるステップと、到着予定時刻情報を経路検索サーバが携帯通信端末へ送信するステップと、経路検索サーバから返送されてきた到着予定時刻情報を携帯通信端末が受信するステップと、携帯通信端末が全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて上記到着予定時刻を時々刻々と更新するか、若しくは近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて上記到着予定時刻を更新するステップと、到着予定時刻を挿入したメッセージを携帯通信端末が生成するステップと、到着予定時刻が挿入されたメッセージを携帯通信端末が送信相手先アドレス宛に送信するステップとを有することにより、上述した課題を解決する。
【0011】
また、本発明の時間情報通知プログラムは、無線通信手段を備えた携帯通信端末のプログラムであって、送信相手先アドレスを取得するアドレス取得部と、 少なくとも、非接触通信用のアンテナを介して交通機関のゲート装置との間で通信を行う通信機能と定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報及び当該カードの制御・演算用のプログラムを保持するメモリ機能とそのプログラムを実行する制御部とを備えた非接触ICカードにより、定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路の入場場所に設けられているゲート装置を通過した時、非接触ICカードのメモリ機能が保持している上記定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を無線通信手段から経路検索サーバへ送信する情報送信部と、経路検索サーバから返送されてきた到着予定時刻情報を無線通信手段に受信させる予定時刻受信部と、全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて到着予定時刻を時々刻々と更新するか、若しくは、近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて到着予定時刻を更新する到着予定時刻更新部と、到着予定時刻を挿入したメッセージを生成するメッセージ生成部と、到着予定時刻が挿入されたメッセージを無線通信手段から送信相手先アドレス宛に送信するメッセージ送信部として携帯通信端末を機能させることにより、上述した課題を解決する。
【0012】
すなわち、本発明は、定期券の入場場所から出場場所までの到着予定時刻を算出し、さらに、その到着予定時刻を、全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて時々刻々と更新するか、若しくは、近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて更新する。そして、その到着予定時刻を挿入したメッセージを送信相手先アドレス宛に送信する。
【0013】
また、本発明によれば、定期券で利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報を用いて、出場場所への到着予定時刻を算出するようになされているため、携帯通信端末の利用者は、使用経路及び入場・出場場所の情報を入力する必要がない。同様に、到着予定時刻は自動的にメッセージに挿入されて送信相手先へ送られるため、携帯通信端末の利用者は、自ら到着予定時刻が挿入されたメッセージを作成する必要がない。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、定期券の入場場所から出場場所までの到着予定時刻を算出し、さらに、その到着予定時刻を、全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて時々刻々と更新するか、若しくは、近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて更新するようになされているため、非常に煩雑な情報の更新作業を携帯通信端末の利用者が行う必要はない。
【0015】
したがって、本発明によれば、例えば、鉄道等の交通機関を利用している利用者は、家族等の相手先へ帰宅予定時間等の情報を送信する手間をかけずに済み、より良いサービスを受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
ここでは、本発明の携帯通信端末の一例として、近接距離での無線通信機能を備えた非接触ICカードと携帯電話機とからなる装置(以下まとめて携帯電話機と表記する)を挙げて説明する。なお、携帯電話機は、非接触ICカードの機能を内蔵したものでも良く、また、非接触ICカードと携帯電話機は、通常は分離していて、必要に応じて接続されるものでも良い。また、本実施の形態の非接触ICカードは、少なくとも電子切符(定期券も含む)の機能と共に、自動改札機から受け取った駅入場信号及び駅名情報を携帯電話機側へ転送する機能とを備えている。その他、本実施の形態の携帯電話機は、通話のみならず、電子メールの送受信、インターネット接続等の機能を備えている。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1には、本発明の第1の実施の形態の携帯電話機1の構成を示す。
【0019】
この図1において、本実施の形態の携帯電話機1は、上記通話や電子メールの送受信、インターネット接続等の機能を実現するための基本機能部2と、近接距離の無線通信を行う非接触ICカード3と、上記基本機能部2と非接触ICカード3との間の通信インターフェースを行うためのカードインターフェース4とを備えている。
【0020】
基本機能部2のマイクロホン(マイク)24は、ユーザの通話音声等を電気信号(通話音声信号と表記する)に変換する。当該通話音声信号は、図示しないアンプにより増幅された後、制御部15へ送られる。
【0021】
制御部15は、少なくともCPU(Central Processing Unit)16と外部インターフェース17を有し、上記通話音声信号のA/D(Analog/Digital)変換、誤り訂正符号化、インターリーブ、拡散、D/A(Digital/Analog)変換などの処理を行い、その処理により生成した送信ベースバンド信号を変調部14へ送る。
【0022】
変調部14は、上記送信ベースバンド信号により局部発振信号を変調して送信高周波信号を生成し、さらにその送信高周波信号を増幅した後にアンテナ共用器12へ送る。
【0023】
アンテナ共用器12は、送信高周波信号と受信高周波信号とで1本のアンテナ11を共用するためのものであり、上記アンテナ11からの受信高周波信号を復調器13へ送り、変調器14からの送信高周波信号をアンテナ11へ送出する機能を備えたフィルタ回路により構成されている。
【0024】
アンテナ11は、基地局5との間で無線による高周波信号の送受信を行う。すなわち、上記変調器14からアンテナ共用器12を介して送られてきた送信高周波信号は、当該アンテナ11から基地局5へ送信される。一方、基地局5から送信されてきた高周波信号は、当該アンテナ11にて受信された後、アンテナ共用器12を介して復調器13へ送られる。
【0025】
復調器13は、上記アンテナ11にて受信され、アンテナ共用器12を介して送られてきた受信高周波信号を増幅し、さらに復調処理を行って得られた受信ベースバンド信号を制御部15へ送る。
【0026】
このときの制御部15は、上記受信ベースバンド信号のD/A変換、逆拡散、デインターリーブ、誤り訂正、D/A変換などの処理を行い、通話相手先からの通話音声信号を得る。
【0027】
当該通話相手先からの通話音声信号は、図示しないアンプにより増幅された後、スピーカ23へ送られる。これにより、スピーカ23からは、相手先の通話音声が出力される。なお、受信された信号が電子メールやインターネット上のウェブページの信号である場合、制御部15は、それらデータのうち表示データを液晶ディスプレイ等の表示装置25へ送り、音声データをD/A変換後にスピーカ23へ送る。
【0028】
上記基本機能部2の時計21は、少なくとも現在時刻をカウントするために設けられている。
【0029】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などからなる。ROMは、当該携帯電話機1の基本的な機能を実現するためのプログラムや初期設定値が保存されている。RAMは、制御部15のCPU16が作業領域として使用し、CPU16のプログラム実行中において必要に応じて計算途中のデータなどを記憶したり、他の各部と送受信するデータを一時的に記憶する。EEPROMは、不揮発性メモリであって、各種のアプリケーションプログラム、電話番号や電子メールアドレス及びそれに対応した氏名,名称などの情報からなる電話帳データ、送受信された電子メールデータ、スケジュール帳データ、発着信の通信履歴データ、メモ帳データ、利用者7によりカスタマイズされた設定データ等の各種のデータを記憶する。特に、本実施の形態における上記メモリ22には、上記アプリケーションプログラムの一つとして、例えば後述するように、駅改札への入場に応じて到着予定時刻(例えば帰宅予定時刻)を演算し、当該到着予定時刻が挿入されたメッセージ(本実施の形態では電子メール文書)を作成し、その電子メールを所望の送信相手先の電子メールアドレスに宛てて送信するための時間情報通知プログラム、上記時間情報通知プログラムが到着予定時刻を計算する際に用いる目的地位置情報26や路線,時刻表情報27、到着予定時刻を電子メールにて送信するための送信先電子メールアドレス、到着予定時刻等が挿入される元になる例えば定型文の電子メール文書等が記憶されている。目的地位置と到着予定時刻の送信先電子メールアドレスは、例えば操作部18等を介して、利用者7により予め入力(つまり取得),設定されたものでも、また、例えば駅改札へ入場したときや任意の時点で利用者7により入力されたものでも良い。なお、非接触ICカード3が例えば定期券として使用されており、入場する駅と出場する駅が予め判っている(すなわち当該定期券の乗降駅)である場合、利用者7は必ずしも上記目的地位置を入力設定する必要はなく、この場合、当該定期券の降車駅が目的地位置情報として自動的に使用される。上記到着予定時刻の演算や、到着予定時刻等が挿入された電子メールの送信等の詳細については後述する。
【0030】
操作部18は、電話番号やアルファベット、仮名文字、記号、絵文字等の入力に使用されるボタンや、画面上でカーソルを移動させたりメニュー項目の選択等に使用される回転機能及びプッシュボタン機能を備えたジョグダイヤル等の操作子、電話の発着信、電源オン/オフなど、ユーザにより操作される各種のキーやボタン、ダイヤルからなる。なお、カーソル操作やメニュー項目の選択等に使用される操作子はジョグダイヤルに限定されないことは言うまでもない。前記目的地位置や電子メールアドレス等は、この操作部18を介して取得される。
【0031】
制御部15の外部インターフェース17は、少なくともカードインターフェース4を介して非接触ICカード3との間で通信を行う機能を備えている。
【0032】
その他、制御部15は、操作部18から入力される操作信号に応じた処理、表示装置25への表示信号処理、LED(Light Emitting Diode)19やバイブレータ20を動作させるための動作制御信号の生成、メモリ22の書き込み或いは読み出しなどの各種制御や信号処理を行う。なお、LED19、バイブレータ20は、例えば着信等を利用者に知らせることなどのために設けられている。
【0033】
一方、本実施の形態の非接触ICカード3は、近接通信用のアンテナ31を介して例えば駅のゲート装置である自動改札機6との間で通信を行うための通信装置32と、CPU等からなる制御部33と、メモリ35とを有している。そして、当該非接触ICカード3は、前述したように、駅改札への入場や出場のための電子切符としての機能を持つと共に、自動改札機6を通過した時に当該自動改札機6から受け取った入場信号と駅名情報をカードインターフェース4を介して基本機能部2へ送る機能を備えている。なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、当該非接触ICカード3が具備する機能として、電子切符(定期券も含む)の機能と駅入場信号及び駅名情報を取得して基本機能部2へ送る機能とを挙げているが、勿論、当該非接触ICカード3はこれら機能に限定されず、一般の非接触ICカードが備えている、例えば入出金や決済機能、個人情報の記憶機能などの各種機能を有していても良い。また、本実施の形態では、非接触ICカード3が、鉄道の駅改札を通過する際の電子切符機能を備えている例を挙げているが、鉄道に限らず、バス使用時や航空機使用時の切符機能を供えていても良く、車両等による有料道路使用時のETC(自動料金収受システム)車載機との連動機能を備えていても良い。言い換えると、本発明におけるゲート装置は、自動改札機6だけでなく、バスの改札機、空港の搭乗用改札機、ETCシステムの料金所ゲートなど各種のものが考えられる。
【0034】
メモリ35は、例えば自動改札機6の通過記録(駅構内への入場記録や出場記録)の情報、当該通過の日時情報、データ暗号化や復号化のための鍵情報、入出金や残高情報等の記憶、データ伝送処理やコマンド処理等の実行時の中間情報、前述した電子切符機能や入場信号と駅名情報の送信機能を制御部33に実行させるためのプログラム等を含む各種のプログラムや、ファイル情報等を記憶する。なお、メモリ35は、ROM機能、RAM機能、EEPROM機能の何れをも備えている。
【0035】
制御部33内の外部インターフェース34は、カードインターフェース4を介して上記基本機能部2との間で種々のデータ通信を行う。
【0036】
制御部33は、通信装置32を介したデータ送受信の制御及び当該送受信されるデータの演算や解析,セキュリティ演算等の機能、ファイル管理機能、メモリ35の読み出しや書き込みの制御機能、外部インターフェース34による情報入出力制御などを行う。
【0037】
また、本実施の形態において、制御部33は、前述した電子切符機能と、入場信号と駅名情報を外部インターフェース34とカードインターフェース4を介して基本機能部2へ送る機能とを実現する。すなわち、本実施の形態において、利用者が当該非接触ICカード3を備えた携帯電話機1を自動改札機6に近接させると共にその自動改札機6を通過して駅構内に入場した場合、当該自動改札機6からは少なくとも当該改札を通過して駅構内へ入場したことを示す入場信号とその駅の駅名情報が送信されてくる。これら入場信号と駅名情報は、アンテナ31及び通信装置32を介して制御部33へ送られる。この時の制御部33は、上記入場信号と駅名情報を、外部インターフェース34を介して基本機能部2へ転送する。
【0038】
ここで、本実施の形態の携帯電話機1の基本機能部2のCPU16は、非接触ICカード3からの入場信号と駅名情報の転送を検知すると、それをトリガとして前記時間情報通知プログラムを実行する。時間情報通知プログラム実行時のCPU16は、時計21から現在時刻を取得すると共に、前記メモリ22に記憶されている目的地位置情報26及び路線,時刻表情報27を読み出し、現在位置(つまり上記駅名情報により特定される位置)と現在時刻、及び上記目的地位置情報26と路線,時刻表情報27とから、目的地までの所要時間を計算し、目的地への到着予定時刻を算出する。すなわち、CPU16は、例えば、入場した駅名情報(現在位置情報)と目的地位置情報26と各経路(線路)の情報とに基づいて、発車駅から到着駅までの間でどのような経路が使用されるのかを決定すると共に、その決定された経路の時刻表情報と現在時刻とに基づいて、発車駅から何時に発車して到着駅に何時に着くのかを求める経路探索を行い、さらに現在位置から目的地までの移動にかかる所要時間を求めることにより、上記到着予定時刻を算出する。なお、複数の経路の何れを使用するかは、CPU16が自動的に行っても、利用者7が改札通過の都度若しくは予め選択設定しても良い。また、非接触ICカード3が例えば定期券の機能を有する場合、CPU16は、その定期券により設定されている駅を入場駅と出場駅にする。具体的に説明すると、非接触ICカード3が例えば品川駅と川崎駅間の定期券の機能を有する場合、CPU16は、入場駅が例えば品川駅であるときには川崎駅を目的地とし、一方、入場駅が川崎駅であるときには品川駅を目的地とする。さらに、本実施の形態において、目的地は、駅である必要はなく、自宅等の如何なる場所でも良い。目的地が自宅である場合、メモリ22には、例えば利用者により予め設定された駅から自宅までの所要時間(徒歩、自転車等による所要時間)が登録されることになり、この場合のCPU16は、入場駅から出場駅までの所要時間と出場駅から自宅までの所要時間とを加算して、到着予定時刻を算出する。
【0039】
上記到着予定時刻を算出すると、次に、CPU16は、少なくとも上記到着予定時刻を例えば本文中に挿入した電子メールを作成し、メモリ22内に上記到着予定時刻の送信先として登録されている電子メールアドレスに宛てて、その電子メールを送信する。なお、時間情報通知プログラムは、上記到着予定時刻の他に例えば現在時刻、現在位置(乗車駅)、目的地を同時に電子メールに挿入するものであっても良い。
【0040】
図2には、現在時刻41、現在位置42、目的地への到着予定時刻43、目的地44の各情報が挿入された電子メールを受信した時の相手先通信端末(例えば携帯電話機39)のディスプレイ40上の表示例を示す。この図2の例から判るように、上記電子メールを受信した携帯電話機39の利用者は、その電子メールを送信してきた相手先の利用者7が何時頃に目的地に到着するのかを知ることができることになる。
【0041】
以上のように、本実施の形態によれば、到着予定時刻が挿入された電子メール(メッセージ)を携帯電話機1が自動作成して送信するため、利用者7は、当該携帯電話機1を持って駅改札を通過するだけで、自らが電子メールを作成することなく、到着予定時刻を相手先(例えば携帯電話機39の利用者)へ知らせることが可能となる。また、本実施の形態によれば、携帯電話機1の利用者7は、電子メールの作成の仕方を特に知らなくても良いため、例えば子供やお年寄りなど、携帯電話機の操作に不慣れな者であっても、帰宅の時間等を自宅の家族に伝えることが可能となる。なお、到着予定時刻を知らせる相手先通信端末は、家族等の携帯電話機に限らず、自宅の家族のパーソナルコンピュータ等であっても良い。
【0042】
図3には、本実施の形態において、利用者7の駅改札の通過(入場)から、上記到着予定時刻を挿入した電子メールの送信までの流れを表すタイムアロー(タイムフローチャート)を示す。なお、図3中の点線部分は携帯電話機1の利用者7により行われる動作であり、図中実線部分が携帯電話機1及び非接触ICカード3、自動改札機6、送信相手先端末(携帯電話機39)で行われる処理である。
【0043】
図3において、先ず携帯電話機1の利用者7により、目的地と到着予定時刻送信先電子メールアドレスの入力,設定が行われると、携帯電話機1のCPU16は、ステップS1にて、それら取得した目的地の情報と到着予定時刻送信先電子メールアドレスをメモリ22に保持させる。当該目的地及び到着予定時刻送信先電子メールアドレスの設定作業は、毎回行う必要はなく、上記メモリ22に登録することで、それ以後は当該メモリ22に登録された情報が使用される。
【0044】
次に、携帯電話機1の利用者7が自動改札機6を通過して駅構内へ入場する際、自動改札機6は、ステップS2において、前述した入場信号と駅名情報(以下これらをまとめて駅情報信号と表記する)を送信する。このとき、携帯電話機1の非接触ICカード3は、ステップS3において、上記自動改札機6から送信されてきた駅情報信号を受信する。さらに、非接触ICカード3は、上記受信した駅情報信号を、前記カードインターフェース4を介して携帯電話機1へ基本機能部2へ送信する。
【0045】
基本機能部2のCPU16は、上記非接触カード3から送られてきた駅情報信号をステップS4にて受信すると、当該駅情報信号の受信をトリガとしてステップS5の処理を実行(時間情報通知プログラムを実行)する。当該ステップS5のとき、CPU16は、前述したように、時計21からの現在時刻情報と、メモリ22から読み出した目的地位置情報26及び路線,時刻表情報27と、上記駅情報信号内の駅名情報(現在位置情報)とから、目的地への到着予定時刻を算出する。
【0046】
次に、CPU16は、ステップS6にて、上記到着予定時刻(必要に応じて現在時刻、現在位置、目的地等も)を本文中に挿入した電子メールを作成し、その電子メールを到着予定時刻の送信先として登録されている電子メールアドレスに宛てて送信する。
【0047】
そして、到着予定時刻の送信先の携帯電話機39は、上記携帯電話機1から送信されてきた電子メールをステップS7にて受信する。これにより、携帯電話機39のディスプレイには、前記図2で説明したように携帯電話機1の利用者7の到着予定時刻等が挿入されている電子メールが表示されることになる。
【0048】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態として、携帯電話機1は、予め設定された移動所要時間(固定の移動所要時間)を現在時刻に加算することで大凡の到着予定時刻を求めるものであっても良い。この第2の実施の形態の場合、上記現在時刻に加算される移動所要時間は、例えば利用者により予め入力設定され、メモリ22に登録されている情報である。この第2の実施の形態の場合、携帯電話機1は、自動改札機6を通過したとき、その時刻(現在時刻)に上記固定の移動所要時間を加算して到着予定時刻を求め、その到着予定時刻を前述の図3同様に電子メールに挿入して送信する。当該第2の実施の形態によれば、より簡便な計算により到着予定時刻を求めることができるため、CPU16の処理負担を軽減することができ、また、路線,時刻表情報27を保持しておく必要がないためメモリ22の容量消費を節約することができる。
【0049】
[第3の実施の形態]
上記到着予定時刻は携帯電話機1が計算するのではなく、例えばインターネット等を介して接続された外部サーバが算出しても良い。
【0050】
図4には、本発明の第3の実施の形態として、インターネット45を介して接続された外部の経路検索サーバ46が、携帯電話機1から送られてきた駅情報信号と目的地位置情報26とを用いて到着予定時刻を算出し、当該経路検索サーバ46から返送されてきた到着予定時刻を携帯電話機1が電子メールに挿入して送信するシステム構成例を示す。なお、この図4の構成において、図1と同じ構成要素にはそれぞれ同一の指示符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0051】
この第3の実施の形態の場合、前記路線,時刻表情報27は、経路検索サーバ46内に保持されている。
【0052】
ここで、利用者7が携帯電話機1を持って自動改札機6を通過して駅構内に入場した場合、携帯電話機1は、非接触ICカード3から転送されてきた入場信号及び駅名情報と、メモリ22内に保持されている目的地位置情報26とを、基地局5及びインターネット45を介して経路検索サーバ46へ送信する。
【0053】
上記入場信号及び駅名情報と目的地位置情報26を受信すると、経路検索サーバ46のコンピュータ47は、内部の時計48から現在時刻を取得し、その現在時刻情報と、携帯電話機1から送られてきた目的地位置情報26及び上記駅名情報(現在位置情報)と、内部に保持している路線,時刻表情報27とから、目的地までの所要時間を計算し、目的地への到着予定時刻を算出する。そして、経路検索サーバ46のコンピュータ47は、上記到着予定時刻の情報を、インターネット45及び基地局5を介して携帯電話機1へ送信する。
【0054】
上記経路検索サーバ46から到着予定時刻の情報を受け取った携帯電話機1は、前述の第1の実施の形態の場合と同様に、少なくとも上記到着予定時刻を本文中に挿入した電子メールを作成し、到着予定時刻の送信先として登録されている電子メールアドレスに宛てて、その電子メールを送信する。
【0055】
この第3の実施の形態によれば、携帯電話機1は、多種多様の路線,時刻表の情報を保持しておく必要がないため、メモリ22の容量消費を節約することができ、さらに到着予定時刻の計算のための構成や処理も不要になる。また、経路検索サーバ46は、正確な各路線,時刻表の情報を保持できるため、それらの情報を用いて、より正確な到着予定時刻を算出することができる。また、この第3の実施の形態の場合、頻繁に改訂される路線,時刻表の情報の更新を経路検索サーバ46側で行うことになるため、非常に煩雑なそれら情報の更新作業を携帯電話機1側の利用者が行う必要はない。
【0056】
図5には、当該第3の実施の形態において、携帯電話機1と経路検索サーバ46との間の接続から到着予定時刻の送受信までの流れを表すタイムアロー(タイムフローチャート)を示す。なお、この図5のタイムアローは、自動改札機6の通過時に発生する各処理の流れについては省略している。
【0057】
図5において、携帯電話機1は、自動改札機6から入場信号と駅名情報を受け取ると、ステップS11にて経路検索サーバ46へ接続要求を送信する。経路検索サーバ46は、携帯電話機1からの接続要求を受信すると、ステップS12おいて、当該携帯電話機1が登録された正規のものであるか否か判定し、正規のものであると判定して接続を完了すると、携帯電話機1へ接続完了の応答を返す。
【0058】
上記接続完了の応答を受け取ると、携帯電話機1は、ステップS13において、非接触ICカード3からの駅名情報(現在位置情報)とメモリ22の目的地位置情報26とを含む送信信号を生成し、次いでその信号を経路検索サーバ46へ送信する。
【0059】
上記現在位置情報と目的地位置情報26を受け取ると、経路検索サーバ46は、ステップS14において、現在時刻情報と現在位置情報26と目的地位置情報と路線,時刻表情報27とから目的地への到着予定時刻を算出する。そして、経路検索サーバ46は、ステップS15にて、上記到着予定時刻の情報を携帯電話機1へ送信する。
【0060】
携帯電話機1は、ステップS16にて上記到着予定時刻の情報を受信すると、その後当該到着予定時刻を挿入した電子メールを作成し、送信する。
【0061】
なお、第3の実施の形態において、経路検索サーバ46は、第2の実施の形態と同様に、例えば携帯電話機1の利用者7により予め設定された所要時間を現在時刻に加算することで大凡の到着予定時刻を求めることも可能である。
【0062】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態として、携帯電話機1は、GPS(Global Positioning System)を利用して上記現在位置情報を取得することも可能である。
【0063】
図6には、現在位置情報をGPS部8にて取得する第4の実施の形態の携帯電話機1の構成例を示す。なお、この図6の構成において、図1と同じ構成要素にはそれぞれ同一の指示符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0064】
この第4の実施の形態において、GPS部8は、図示しないGPS衛星からの電波を受信するためのアンテナ51及び受信機52と、当該受信したGPS信号に基づいて現在位置情報を生成する制御部53とを備えている。制御部53にて生成された現在位置情報は、携帯電話機1の基本機能部2へ送られる。
【0065】
このときの基本機能部2は、GPS部8からの現在位置情報と、メモリ22内に保持されている目的地位置情報及び路線,時刻表情報とから、目的地への到着予定時刻を算出する。以下、当該到着予定時刻を電子メールに挿入して送信するまでの処理は第1の実施の形態と同様である。
【0066】
当該第4の実施の形態によれば、携帯電話機1は、GPS部8により測定された現在位置情報を用いて、到着予定時刻を求めることができる。特に、GPS部8は、駅構内だけでなく、利用者が(携帯電話機1が)路線上の何れの場所に居たとしてもその正確な位置を検出できる。したがって、携帯電話機1は、より正確な到着予定時刻を求めることができる。またこの第4の実施の形態の場合の携帯電話機1は、GPS部8から時々刻々と得られる現在位置情報を用いることにより、電車の進行に応じて順次到着予定時刻を更新すること、つまり、後どのくらいの時間で目的地に到着するのかを計算することができ、それら更新した到着予定時刻を時々刻々と電子メールにより相手先端末(携帯電話機39)へ送信することも可能となる。
【0067】
なお、第4の実施の形態において、携帯電話機1は、第2の実施の形態と同様に予め設定された所要時間を現在時刻に加算して大凡の到着予定時刻を求めることも可能である。また、当該第4の実施の形態において、到着予定時刻は、第3の実施の形態同様に経路検索サーバ46が求めても良い。また、携帯電話機1は、この第4の実施の形態のGPS部8と図1の非接触ICカード3の両方を備えていても良く、非接触ICカード3による入場検知とGPS部8による測位情報とを用いて、より正確な現在位置を求めるようにしても良い。
【0068】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態として、携帯電話機1は、いわゆるブルートゥース(Bluetooth)方式や無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介して上記現在位置情報を取得することも可能である。
【0069】
図7には、ブルートゥース方式や無線LAN等の近距離無線通信により現在位置情報を取得する第5の実施の形態の携帯電話機1の構成例を示す。なお、図7の構成において、図1と同じ構成要素にはそれぞれ同一の指示符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。また図7には図示を省略しているが、携帯電話機1は、前述同様の非接触ICカード3やGPS部8等を備えていても良い。
【0070】
この第5の実施の形態の場合、電車60内には車内近距離無線装置62とアンテナ61が設けられており、携帯電話機1は上記車内近距離無線装置62との間でデータ通信が可能な端末近距離無線装置9を備えている。端末近距離無線装置9は、車内近距離無線装置61から送信された電波を受信するためのアンテナ55及び受信機56と、少なくとも当該受信した信号を基本機能部2へ転送する制御部57とを備えている。
【0071】
また、上記車内近距離無線装置62は、通行状況管理センタ70と例えば無線により接続されている。通行状況管理センタ70は、コンピュータ71と運行状況データベース72を備えている。上記コンピュータ70は、運行状況データベース72に用意されている電車60の運行予定時刻(定刻運行情報)と実際に経路上を運行している電車60の実運行状況とを比較し、電車60が定刻通りに運行されているか、どの程度の遅延や進み過ぎ(規定の定刻に対する時間変動)が発生しているのか等の運行状況を管理する。そして、コンピュータ70は、電車60の現在位置情報と電車遅延等の報知情報とを上記車内近距離無線装置62へ送信する。なお、報知情報は、遅延等の情報だけでなく定刻運行情報やその他の情報を含んでいても良いし、電車遅延等が発生したときのみ送信されるものであっても良い。
【0072】
車内近距離無線装置62は、上記通行状況管理センタ70から送られてきた現在位置情報や電車遅延等の報知情報を車内へ送信し、携帯電話機1の端末近距離無線装置9はそれらの信号を受信する。そして、端末近距離無線装置9が受信した現在位置情報や電車遅延等の報知情報は、基本機能部2へ送られる。基本機能部2は、上記端末近距離無線装置9が受信した現在位置情報と、メモリ22内に保持されている目的地位置情報及び路線,時刻表情報とから、目的地への到着予定時刻を計算する。特に、電車遅延等が発生していて、上記端末近距離無線装置9が電車遅延等の報知情報を受け取った場合、携帯電話機1の基本機能部2は、その電車遅延等の報知情報と現在位置情報とを用いて、到着予定時刻を再計算し、当該再計算した到着予定時刻を、電子メールにより相手先端末(携帯電話機39)へ送信する。
【0073】
このように、当該第5の実施の形態によれば、携帯電話機1は、車内近距離無線装置62から送信された情報を用いて、到着予定時刻を計算することができる。また、例えば事故や信号機故障により電車遅延等が発生している場合、携帯電話機1は、その電車遅延等の情報から到着予定時刻を再計算することができ、その再計算された到着予定時刻を挿入した電子メールを送信することができる。したがって、その電子メールを受け取った相手先端末(携帯電話機39)の利用者は、電車遅延等に応じて変更された到着予定時刻を知ることができる。また、当該第5の実施の形態の携帯電話機1は、上記車内近距離無線装置62から時々刻々と送られてくる遅延等の情報を用いることで、順次到着予定時刻を更新することができ、それら更新した到着予定時刻を時々刻々と電子メールにより相手先端末(携帯電話機39)へ送信することも可能である。
【0074】
図8には、当該第5の実施の形態において、運行状況管理センタ70からの報知情報を用いた到着予定時刻の計算と電子メールの送受信までの流れを表すタイムアローを示す。なお、この図8の例は、図3中の(b)の続きのタイムアローであり、図3で説明したように、改札入場時に到着予定時刻の電子メールの送信を行った後、運行状況管理センタ70から送られてきた電車遅延情報により到着予定時刻を再計算し、その再計算された到着予定時刻を電子メールにより再送信するまでのタイムアローを示している。但し、前記図3の例の場合、改札入場時に計算された到着予定時刻は、非接触ICカード3が自動改札機6から取得した現在位置情報に基づいて計算されているが、この第5の実施の形態では利用者7が電車60へ乗り込んだ際に車内近距離無線装置62から送信された現在位置情報に基づいて計算されているとする。勿論、この第5の実施の形態の場合も、第1の実施の形態と同様に携帯電話機1が非接触ICカード3を備えていて、改札入場時に自動改札機6から現在位置情報を取得しても良い。その他、図8の例では、運行状況管理センタ70と車内近距離無線装置62をまとめて運行状況センタ70として表記している。
【0075】
図8において、前記図3のように到着予定時刻が計算されて電子メールの送信がなされた後、例えば運行状況管理センタ70(実際にはコンピュータ71、以下同様とする)がステップS31にて電車遅延を検知したとする。このとき運行状況管理センタ70は、電車遅延情報を車内近距離無線装置62へ送信する。このとき、車内近距離無線装置62は、ステップS32において上記電車遅延等の報知情報を車内へ送信し、端末近距離無線装置9は、ステップS33においてその電車遅延等の報知情報を受信する。
【0076】
次に、携帯電話端末1のCPU16は、上記電車遅延等の報知情報の受信をトリガとして、ステップS34にて、例えばメモリ22に蓄積しておいた現在位置情報を取り出し、次に、ステップS35にて、その現在位置情報と上記電車遅延情報を用いて到着予定時刻を再計算する。なお、ステップS34の時のCPU16は、メモリ22に蓄積しておいた現在位置情報を取得しているが、より望ましくは、例えば運行状況管理センタ70から送信されてくる最新の現在位置情報(この場合は電車60の現在位置情報となる)を取得する方が良い。すなわち、最新の現在位置情報を取得して到着予定時刻を再計算すれば、例えば入場駅を電車60が既に発車した後であったとしても、当該電車60の現在位置から目的地までの、より正確な到着予定時刻が得られるからである。
【0077】
その後、携帯電話機1は、ステップS36にて上記到着予定時刻を挿入した電子メールを作成し、それを送信する。そして、到着予定時刻の送信先の携帯電話機39は、上記携帯電話機1から送信されてきた電子メールをステップS37にて受信する。
【0078】
なお、第5の実施の形態において、携帯電話機1は、第2の実施の形態と同様に予め設定された所要時間を現在時刻に加算して大凡の到着予定時刻を求めることも可能である。また、当該第5の実施の形態において、到着予定時刻は、第3の実施の形態同様に経路検索サーバ46が求めても良い。
【0079】
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態として、上記運行状況管理センタ70からの電車遅延等の報知情報は、例えば電子メール、テレビジョン放送、ラジオの文字放送、衛星によるデータ通信、携帯電話網上で使用される情報配信サービス等の媒体により送信されても良い。これら電子メールやテレビジョン放送等の媒体を介して報知情報が送信される場合、第6の実施の形態の携帯電話機1は、それらの各媒体に対応した受信機能を備えている。また、電子メールは、インターネット等を介した一般的な電子メールに限定されず、携帯電話サービス網内でのみ使用される簡易型電子メールであっても良い。
【0080】
この第6の実施の形態の場合、前記図8のタイムアローのステップS32〜ステップS33では、上記電子メール等の各種媒体により報知情報の送受信がなされることになる。そして、携帯電話機1では、その報知情報の受信をトリガとして、到着予定時刻の計算がなされる。なお、上記報知情報が送信される媒体は、いずれか一つの媒体に限らず、複数の媒体が複合的に組み合わされて使用されても良い。
【0081】
当該第6の実施の形態によれば、携帯電話機1は、各種媒体により送信されてきた報知情報により、到着予定時刻を計算することができ、その再計算された到着予定時刻を挿入した電子メールを送信することができる。
【0082】
なお、第6の実施の形態において、携帯電話機1は、予め設定された所要時間を現在時刻に加算して大凡の到着予定時刻を求めることも可能であり、また、非接触ICカード3やGPS部8等を備えていても良く、到着予定時刻は経路検索サーバ46が求めても良い。
【0083】
[第7の実施の形態]
本発明の第7の実施の形態として、携帯電話機1は、例えば操作部18上に設けられている特定のボタンが利用者7により押下操作等されたことをトリガとして、上記到着予定時刻の計算と電子メールの送信を行うことも可能である。
【0084】
この第7の実施の形態の場合、例えば非接触ICカード3やGPS部8、車内近距離無線装置62、電子メール等の何れかを使用して取得された現在位置情報は、例えばメモリ22内に保持される。そして、CPU16は、利用者7により上記特定のボタンのオン操作がなされたことを検知したとき、それをトリガとして、上記メモリ22から現在位置情報とその他計算に必要な各情報を読み出し、それら情報から到着予定時刻を計算し、電子メールに挿入して送信する。
【0085】
なお、第7の実施の形態において、携帯電話機1は、予め設定された所要時間を現在時刻に加算して大凡の到着予定時刻を求めることも可能である。また、第7の実施の形態において、利用者による特定のボタンのオン操作がなされたとき、携帯電話機1はそのオン操作の信号と目的地位置情報及び現在位置情報を経路検索サーバ46へ送り、経路検索サーバ46にて到着予定時刻を求めるようにしても良い。
【0086】
[第8の実施の形態]
本発明の第8の実施の形態として、到着予定時刻が挿入された電子メールは、携帯電話機1以外の他の装置(例えばインターネット上のメール配信サーバ)が送信しても良い。
【0087】
この第8の実施の形態の場合、メール配信サーバは、携帯電話機1から例えばインターネットを経由して送られてきた到着予定時刻と送信相手先の電子メールアドレスとを受け取り、上記到着予定時刻を電子メールへ挿入し、その電子メールを上記送信相手先の電子メールアドレス宛に送信する。なお、上記送信相手先の電子メールアドレスは、予め携帯電話機1からメール配信サーバへ送信されてきて登録されたものであっても良い。また、この第8の実施の形態において、上記メール配信サーバは、前述の第3の実施の形態の経路検索サーバ46と同様の機能を備えていても良い。
【0088】
この第8の実施の形態によれば、携帯電話機1は電子メールの発信処理を行わなくてもよくなり、したがって例えば自動改札機6を通過後に通話エリア圏外へ入ってしまったとしても、到着予定時刻を相手先端末へ知らせることができるようになる。
【0089】
[第9の実施の形態]
本発明の第9の実施の形態として、上記到着予定時刻は、上記電子メールと共に、若しくは電子メールに代えて、音声信号や画像信号(イラスト等も含む)の形態で送信されても良い。すなわち、当該第9の実施の形態において、音声信号の形態で到着予定時刻を送信する場合、携帯電話機1は音声合成機能を具備し、上記到着予定時刻を合成音声信号の形態で送信相手先の端末(携帯電話端末39)へ送信する。また、画像信号の形態で到着予定時刻を送信する場合、携帯電話機1は例えばコンピュータグラフィック等の画像生成機能を具備し、上記到着予定時刻を画像信号の形態で送信相手先の端末(携帯電話端末39)へ送信する。
【0090】
この第9の実施の形態において、例えば到着予定時刻の送信のために音声を用いれば、送信相手先端末の利用者が例えば視覚障害者であっても到着予定時刻を伝えることができ、また、画像を用いれば、未だ文字が読めない幼児等へも到着予定時刻を伝えることができる。
【0091】
[第10の実施の形態]
本発明の第10の実施の形態として、到着予定時刻の電子メールの送信先は、携帯電話機39ではなく、例えば家庭内コンピュータ(いわゆるホームサーバ)のような機器であっても良い。なお、本実施の形態の場合のホームサーバは、家庭の電気系統や冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の各種の家電品、オーディオ,ビデオ製品等を制御可能であり、さらに、インターネット等を介して少なくとも電子メールを受信可能な機能を備えている。
【0092】
当該第10の実施の形態の場合、上記ホームサーバは、携帯電話機1からの到着予定時刻の電子メールの受信をトリガとして、例えば家の電灯を点灯させたり、エアコンのスイッチや炊飯器のスイッチを入れたり、風呂を沸かしたりなどの制御を行う。
【0093】
図9には、この第10の実施の形態において、電子メールの着信をトリガとしてホームサーバが家庭内の各機器を制御する際の流れを表すタイムアローを示す。なお、この図9のタイムアローは、図3中の(a)の前段及び図3中の(b)の後段で行われる処理の流れを表している。但し、当該第10の実施の形態の場合、前記図3中で到着予定時刻が挿入された電子メールの送信先は、ホームサーバとなる。
【0094】
この図9において、携帯電話機1の利用者7により、電子メールの着信時にホームサーバが何れの家庭内機器をどのように制御するかの設定がなされると、ホームサーバは、ステップS50にて、その設定条件を例えば内部のハードディスクやメモリ等に保持する。そして、ホームサーバは、電子メールの着信待ち状態になされる。その後、前記図3中の(a)から(b)の間の処理により、携帯電話機1から到着予定時刻の挿入された電子メールが送信される。上記電子メールを受け取ると、ホームサーバは、ステップS51にて、上記電子メールに挿入されている到着予定時刻の情報を抽出し、当該到着予定時刻を元にして上記ステップS50にて保存した設定条件に応じて家庭内機器の動作を制御する。なお、ホームサーバが電子メールから到着予定時刻の情報を抽出する手法の一例としては、例えば、定型文となされている電子メールの所定位置に記載されている時刻を表す文字から到着予定時刻を抽出したり、例えば、電子メール中の「時」,「分」などの時刻を表す文字とその近傍の数字、及び「到着」,「着く」などの文字を検索し、それら文字と数字から到着予定時刻の情報を抽出する手法が考えられる。
【0095】
この第10の実施の形態によれば、ホームサーバは、受信した電子メールに挿入されている到着予定時刻に合わせて、家庭内の各種機器を制御可能となる。また、本実施の形態によれば、携帯電話機1が自動作成して送信した電子メールによりホームサーバが自動的に各種家庭内機器を制御するため、所謂一般的なホームサーバシステムのように、携帯電話機の利用者がホームサーバをその携帯電話機により遠隔操作する必要は無い。なお、携帯電話機1からホームサーバへ送られる到着予定時刻の情報は、上記電子メール形式である場合の他に、バイナリーデータの形式であっても良い。
【0096】
[各実施の形態の動作トリガ等の関係]
上述した第1〜第10の各実施の形態で説明した動作トリガ、現在位置の認識方法、到着予定時刻計算、電子メール送信先、電子メール送信相手の動作の関係は、図10にて表すことができる。
【0097】
本発明の各実施の形態において、到着予定時刻の計算とその到着予定時刻を知らせるための電子メールの送信の動作トリガ(100)は、図10に示すように、自動改札機9の通過時(101)、報知情報を電子メールにより受信した時(102)、報知情報を車内の近距離無線通信により受信した時(103)、ユーザによる特定のボタンの押下操作(104)などである。また、現在位置(110)は、自動改札機9の設置されている駅(111)、GPSによる位置(112)、車内の近距離無線通信による位置情報(113)などから認識される。到着予定時刻の計算(120)は、携帯電話機1(121)かインターネット上の経路検索サーバ46(122)が行う。電子メールの送信元(130)は、携帯電話機1(131)かインターネット上のメール配信サーバ(132)となる。電子メールの送信相手先(140)は、携帯電話機39かホームサーバであり、その相手先の動作は、携帯電話機39の利用者が電子メールの内容を読む場合(141)と、ホームサーバが家庭内機器を制御する場合(142)がある。そして、動作トリガ(100)と現在位置の認識方法(110)との間における各要素(101〜104),(111〜113)の組み合わせ、現在位置の認識方法(110)と到着予定時刻計算(120)との間における各要素(111〜113),(121,122)の組み合わせ、到着予定時刻計算(120)と電子メール送信元(130)との間における各要素(121,122),(131,132)の組み合わせ、電子メール送信元(130)と電子メール送信相手の動作(140)との間における各要素(131,132),(141,142)の組み合わせは、それぞれ何れの組み合わせであっても良い。
【0098】
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、携帯電話1の利用者7が殆ど意識することなく、到着予定時刻を電子メールの送信相手先に知らせることができる。また、本発明の各実施の形態においては、自動改札機9を含む鉄道会社側の設備等に何ら改変を加えることなく、利用者7の持つ携帯電話機1の機能のみで実現可能である。また、本発明によれば、例えば電車遅延などのイベントが起こったことを携帯電話機1に伝える手段を備えることで、電車遅延などの予定外のイベントが起こった際に、自動的に送信相手先に遅延があったことを伝えることができると共に、改めて到着予定時刻を伝え直すことができる。
【0099】
なお、上述した各実施の形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した各実施の形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0100】
また、本発明の各実施の形態は、携帯電話機だけでなく、通信機能を備えたカーナビゲーション装置等の移動体端末やPDA装置(PDA:Personal Digital Assistants)等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】第1の実施の形態の携帯電話機の構成例を示すブロック図である。
【図2】携帯電話機のディスプレイ上に、到着予定時刻を知らせるための電子メールが表示された状態の一例を示す図である。
【図3】駅改札の通過(入場)から、到着予定時刻を挿入した電子メールの送信までの流れを表すタイムフローチャートである。
【図4】第3の実施の形態の携帯電話機と経路検索サーバからなるシステムの構成例を示すブロック図である。
【図5】携帯電話機と経路検索サーバとの間の接続から到着予定時刻の送受信までの流れを表すタイムフローチャートである。
【図6】第4の実施の形態の携帯電話機の構成例を示すブロック図である。
【図7】第5の実施の形態の携帯電話機と通行状況管理センタ、車両等からなるシステムの構成例を示すブロック図である。
【図8】運行状況管理センタからの報知情報を用いた到着予定時刻の計算と電子メールの送受信までの流れを表すタイムフローチャートである。
【図9】ホームサーバが家庭内の各機器を制御する際の流れを表すタイムフローチャートである。
【図10】各実施の形態で説明した動作トリガ、現在位置の認識方法、到着予定時刻計算、電子メール送信先、電子メール送信相手の動作の関係説明に用いる図である。
【符号の説明】
【0102】
1…携帯電話機、2…基本機能部、3…非接触ICカード、4…カードインターフェース、6…自動改札機、8…GPS部、9…端末近距離無線装置、11…アンテナ、12…アンテナ共用器、13…復調器、14…変調器、15…制御部、16…CPU、17…外部インターフェース、18…操作部、19…LED、20…バイブレータ、21…時計、22…メモリ、23…スピーカ、24…マイクロホン、25…表示装置、26…目的地情報、27…路線,時刻表情報、39…携帯電話機、40…ディスプレイ、41…現在時刻、42…現在位置、43…目的地への到着予定時刻、44…目的地、60…電車、61…車内のアンテナ、62…車内近距離無線装置、70…通行状況管理センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信相手先アドレスを取得するアドレス取得部と、
少なくとも、非接触通信用のアンテナを介して交通機関のゲート装置との間で通信を行う通信機能と、定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報と当該カードの制御・演算用のプログラムを保持するメモリ機能と、上記プログラムを実行する制御部とを備えた非接触ICカードと、
上記定期券にて利用する所定の交通機関の上記使用経路の入場場所に設けられているゲート装置を上記非接触ICカードを利用して通過した時、上記非接触ICカードのメモリ機能が保持している上記定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を、経路検索サーバへ送信する情報送信部と、
上記経路検索サーバから返送されてきた到着予定時刻情報を受信する予定時刻受信部と、
全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて上記到着予定時刻を時々刻々と更新するか、若しくは、近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて上記到着予定時刻を更新する到着予定時刻更新部と、
上記到着予定時刻を挿入したメッセージを生成するメッセージ生成部と、
上記到着予定時刻が挿入されたメッセージを上記送信相手先アドレス宛に送信するメッセージ送信部とを有する、
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
送信相手先アドレスを取得するアドレス取得部と、少なくとも非接触通信用のアンテナを介して交通機関のゲート装置との間で通信を行う通信機能と定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報及び当該カードの制御・演算用のプログラムを保持するメモリ機能と上記プログラムを実行する制御部とを備えた非接触ICカードと、上記定期券にて利用する所定の交通機関の上記使用経路の入場場所に設けられているゲート装置を上記非接触ICカードを利用して通過した時に上記非接触ICカードのメモリ機能が保持している上記定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を経路検索サーバへ送信する情報送信部と、上記経路検索サーバから返送されてきた到着予定時刻情報を受信する予定時刻受信部と、全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて上記到着予定時刻を時々刻々と更新するか若しくは近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて上記到着予定時刻を更新する到着予定時刻更新部と、上記到着予定時刻を挿入したメッセージを生成するメッセージ生成部と、上記到着予定時刻が挿入されたメッセージを上記送信相手先アドレス宛に送信するメッセージ送信部とを有する携帯通信端末と、
現在時刻情報を取得する時刻取得部と、上記携帯通信端末から送信されてきた上記定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報と上記現在時刻情報と上記使用経路の時刻表情報とを用いて、上記入場場所から出場場所への到着予定時刻を求める予定時刻演算部と、上記到着予定時刻情報を上記携帯通信端末へ送信する予定時刻送信部とを有する経路検索サーバとを備える、
ことを特徴とする時間情報通知システム。
【請求項3】
送信相手先アドレスを携帯通信端末が取得するステップと、
少なくとも、非接触通信用のアンテナを介して交通機関のゲート装置との間で通信を行う通信機能と定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報及び当該カードの制御・演算用のプログラムを保持するメモリ機能と上記プログラムを実行する制御部とを備えた非接触ICカードにより、上記定期券にて利用する所定の交通機関の上記使用経路の入場場所に設けられているゲート装置を通過した時、上記非接触ICカードのメモリ機能が保持している上記定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を携帯通信端末が経路検索サーバへ送信するステップと、
経路検索サーバが現在時刻情報を取得するステップと、
上記携帯通信端末から送信されてきた上記使用経路及び入場・出場場所の情報と現在時刻情報と上記使用経路の時刻表情報とを用いて、経路検索サーバが、上記入場場所から出場場所への到着予定時刻を求めるステップと、
上記到着予定時刻情報を経路検索サーバが上記携帯通信端末へ送信するステップと、
上記経路検索サーバから返送されてきた到着予定時刻情報を携帯通信端末が受信するステップと、
携帯通信端末が、全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて上記到着予定時刻を時々刻々と更新するか、若しくは、近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて上記到着予定時刻を更新するステップと、
上記到着予定時刻を挿入したメッセージを携帯通信端末が生成するステップと、
上記到着予定時刻が挿入されたメッセージを携帯通信端末が上記送信相手先アドレス宛に送信するステップとを有する、
ことを特徴とする時間情報通信方法。
【請求項4】
無線通信手段を備えた携帯通信端末の時間情報通知プログラムであって、
送信相手先アドレスを取得するアドレス取得部と、
少なくとも、非接触通信用のアンテナを介して交通機関のゲート装置との間で通信を行う通信機能と定期券にて利用する所定の交通機関の使用経路及び入場・出場場所の情報及び当該カードの制御・演算用のプログラムを保持するメモリ機能と上記プログラムを実行する制御部とを備えた非接触ICカードにより、上記定期券にて利用する所定の交通機関の上記使用経路の入場場所に設けられているゲート装置を通過した時、上記非接触ICカードのメモリ機能が保持している上記定期券の使用経路及び入場・出場場所の情報を無線通信手段から経路検索サーバへ送信する情報送信部と、
上記経路検索サーバから返送されてきた到着予定時刻情報を無線通信手段に受信させる予定時刻受信部と、
全地球測位システムを利用して取得した現在位置と現在時刻情報とを用いて上記到着予定時刻を時々刻々と更新するか、若しくは、近接距離の無線通信による所定の近距離無線通信を使用して受信した交通機関の運行状況を示す報知情報に基づいて上記到着予定時刻を更新する到着予定時刻更新部と、
上記到着予定時刻を挿入したメッセージを生成するメッセージ生成部と、
上記到着予定時刻が挿入されたメッセージを無線通信手段から上記送信相手先アドレス宛に送信するメッセージ送信部として、
携帯通信端末を機能させることを特徴とする時間情報通知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−172820(P2008−172820A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36636(P2008−36636)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【分割の表示】特願2003−17535(P2003−17535)の分割
【原出願日】平成15年1月27日(2003.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】