説明

携帯電子機器

【課題】操作性が高く、かつ、安全性の高い携帯電子機器を提供することを目的とする
【解決手段】画像を投影する画像投影部と、画像投影部を保持する筐体と、筐体の少なくとも一部に配置され、操作者から入力される操作を検出する入力部と、画像投影部の動作及び入力部の状態を制御する制御部と、を有し、制御部は、入力部からの所定の信号を検出したら、画像投影部からの光の射出を停止させる、または、画像投影部から射出させる光の光量を低下させることで、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンや壁面に画像を投影する画像投影部を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、壁面やスクリーンに画像を投影する装置としては、いわゆるプロジェクタがある。このプロジェクタは、商用電源から電力が供給され、所定位置に固定した状態で使用される、いわゆる据え置き型の装置が主流である。この据え置き型のプロジェクタは、固定した状態で、一定箇所の壁面やスクリーンに画像を投影させる。
【0003】
これに対して、近年、プロジェクタとして、小型で持ち運びが容易な携帯型のプロジェクタが提案されている。例えば、特許文献1には、上キャビネットと、下キャビネットと、上キャビネットおよび下キャビネットを互いに回動可能に接続するヒンジ部とを備え、レンズと光源とを有するプロジェクタが搭載されたプロジェクタ機能付携帯端末が記載されている。
【0004】
このような、携帯型のプロジェクタでは、プロジェクタが画像を投影する領域を容易に変更することができる。つまり、光の照射方向を容易に変更することができる。そのため、意図せず人間に対して光を照射してしまう可能性がある。プロジェクタからは高輝度の光が照射されるため、プロジェクタから照射された光が近接した位置で直接目に入ると非常にまぶしい。
【0005】
この点に対しては、例えば特許文献2に、投影データを投影する投影部と、当該端末の状態を検出する検知部と、前記検知部によって検出された状態に変化が生じたか否かを判断する動き判定部と、投影データを前記投影部に送る制御部と、を備え、前記制御部は、前記動き判定部が当該端末の状態に変化が生じたと判断したときには、投射する光量を制御する制御データを前記投影部に伝送することにより、投射光領域に人間物が入ったときに光量を調節することができる投影機能付携帯通信端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−96542号公報
【特許文献2】特開2007−228551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載されているように、端末の状態が変化したら、投影部から出力される光の光量を低減するまたは出力を停止することで、操作者が端末を操作している間は、人間の目に直接光が入射する可能性及びまぶしい思いをさせる可能性を低くすることができる。
【0008】
このように、特許文献2に記載の端末は、触るのみでプロジェクタから射出される光を低減したり停止させたりすることができる。しかしながら、操作方法を知らない人間は、プロジェクタの停止方法がわからないため、急に光を照射している領域に人間が入ってくるなどのとっさの場合に、出力する光の光量を低減させ、または、出力を停止させることができない。そのため、特許文献2に記載の端末でも、強い光が人間の目に入りまぶしい思いをさせる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操作性が高く、かつ、ユーザに優しい携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯電子機器であって、画像を投影する画像投影部と、前記画像投影部を保持する筐体と、前記筐体の少なくとも一部に配置され、操作者から入力される操作を検出する入力部と、前記画像投影部の動作及び前記入力部の状態を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記入力部からの所定の信号を検出したら、前記画像投影部からの光の射出を停止させる、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記入力部は、前記筐体の少なくとも2面以上に設けられていることが好ましい。
【0012】
さらに、前記筐体の向きを検出する方向検出センサを有し、前記制御部は、複数の面に設けられている前記入力部のうち、前記方向検出センサでの検出結果に基づいて、鉛直方向下側以外の方向の面にある前記入力部を利用可能とすることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、複数の面に設けられている前記入力部のうち、前記方向検出センサでの検出結果に基づいて、鉛直方向下側方向の面及び前記画像投影部が設けられている面以外の面に設けられた前記入力部を利用可能とすることが好ましい。
【0014】
また、前記制御部は、前記画像投影部による画像投影時は、前記入力部の所定の信号の入力に使用する部分を発光させることが好ましい。
【0015】
前記入力部は、タッチセンサであることが好ましい。また、前記入力部は、ボタンであることも好ましい。
【0016】
また、前記入力部は、前記筐体に入力される加速度を検出する加速度検出器であることが好ましい。
【0017】
また、前記制御部は、前記画像投影部からの光の射出を停止させ、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させたら、操作者により入力された再開指示を検出するまで、前記画像投影部から射出させる光の光量を増加させないことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる携帯電子機器は、入力部からの信号に基づいて画像投影部から射出する光の光量を制御することで、より適切な制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電子機器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図1に示す携帯電子機器で画像を表示させている状態を示す説明図である。
【図4】図4は、携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。
【図5】図5は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。
【図6】図6は、携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図7】図7は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。
【図8】図8は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。
【図9−1】図9−1は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図9−2】図9−2は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図9−3】図9−3は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【図9−4】図9−4は、携帯電子機器の制御の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0021】
まず、携帯電子機器の外観の構成を説明する。図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。携帯電子機器10は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器10は、1つの箱型形状の筐体11の内部に各部が収納されたストレート形状の携帯電話機である。なお、本実施形態では、筐体11を1つの箱型形状としたが、ヒンジで連結された2つの部材で構成した折りたたみ可能な筐体や、2つの部材をスライドさせる筐体としてもよい。また、3つ以上の部材を連結した筐体も用いることができる。
【0022】
筐体11には、表示部として、図1に示すディスプレイ12が設けられる。ディスプレイ12は、所定の画像として、携帯電子機器10が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器10の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。
【0023】
筐体11には、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー13が複数設けられている。また、筐体11の操作キー13が設けられている面には、さらに、後述するプロジェクタ34の動作を制御する専用キー14が設けられる。なお、操作キー13及び専用キー14は、携帯電子機器10の操作部を構成する。また、操作キー13及び専用キー14には、発光ダイオード等の発光部が内蔵されており、必要に応じて発光される。さらに、筐体11には、携帯電子機器10の通話時に音声を受け取るマイク15、携帯電子機器10の通話時に音声を発するレシーバ16が設けられる。
【0024】
また、筐体11の上面(一辺が、操作キー13が設けられる面の短い方の辺と接している面)には、画像を投影するプロジェクタ34の光射出部34aが設けられている。
【0025】
図2は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように携帯電子機器10は、制御部22と、記憶部24と、送受信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、プロジェクタ34と、加速度センサ36とを有する。
【0026】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)等の携帯電子機器10の全体的な動作を統括的に制御する処理部である。すなわち、携帯電子機器10の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器10の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、送受信部26や、音声処理部30や、表示部32等の動作を制御する。携帯電子機器10の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、送受信部26、音声処理部30、表示部32等の動作としては、例えば、送受信部26による信号の送受信、音声処理部30による音声の入出力、表示部32による画像の表示等がある。
【0027】
制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。制御部22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processor Unit)で構成され、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した携帯電子機器10の各種の処理を実行する。すなわち、制御部22は、記憶部24に保存されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0028】
制御部22は、複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。制御部22が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、プロジェクタの駆動を制御するアプリケーションプログラムや、各種ゲームを作動させるゲームアプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。
【0029】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されており、上述した、プロジェクタの駆動を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクや、各種ゲームアプリケーションプログラムを作動させるタスクが保存されている。
【0030】
また、記憶部24には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部24に対する制御に制御部22が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等を保存し、管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が保存されている。なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、制御部22によって記憶部24に割り当てられた作業領域へ一時的に保存される。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
【0031】
送受信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0032】
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー13と専用キー14とで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として制御部22へ入力される。
【0033】
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部30は、マイク15から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換して制御部22へ出力する。また、制御部22から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、レシーバ16へ出力する。
【0034】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Monitor)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル(上述したディスプレイ12等)を備え、制御部22から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。なお、表示部32は、ディスプレイ12に加え、例えば、筐体を閉じた状態でも外部に露出している位置にサブディスプレイを設けてもよい。
【0035】
プロジェクタ34は、画像を投影する画像投影機構であり、上述したように、筐体11の上面に投影する画像を光射出部34aが設けられている。ここで、図3は、図1に示す携帯電子機器で画像を表示させている状態を示す説明図である。携帯電子機器10は、プロジェクタ34の光射出部34aから画像を投影する、つまり画像を構成する光を射出することで、図3に示すように、筐体11の上面に対向する面にある壁面、スクリーン等のうち、一定の領域(投影領域)に画像を投影することができる。なお、プロジェクタ34は、制御部22により動作が制御され、制御部22から送られる種々の映像、例えば映画、プレゼンテーション資料を投影し、投影領域に表示させる。
【0036】
プロジェクタ34は、光源と、画像データに応じて、光源から射出された光を投影するか否かを切り換える光学系とで構成されている。例えば、プロジェクタ34には、ハロゲンライトや、LED光源、LD光源を光源とし、LCD(Liquid Crystal Monitor)や、DMD(Digital Micro-mirror Device)を光学系とした構成のプロジェクタを用いるがことできる。この場合は、光学系を各画素に対応して投影領域の全面に配置し、光源から射出された光を画像に合わせて光学系をオンオフさせることで画像を投影領域の全面に投影させることができる。また、プロジェクタ34には、レーザ光を光源とし、光源から射出された光を透過させるか否かを切り換える切り換え素子と、切り換え素子を通過した光をラスター走査させるミラーとで構成される光学系とした構成のプロジェクタを用いることもできる。この場合は、ミラーによってレーザ光から射出された光の角度を変えて、投影領域の全面に光源から照射された光を走査させることで、投影領域に画像を投影させることができる。
【0037】
加速度センサ36は、筐体11に加わる加速度を検出する検出器である。加速度センサ36として、種々の方法で加速度を検出する検出器を用いることができ、例えば、静電容量の変化や、ピエゾ抵抗の変化、相対位置の変化等で加速度を検出する検出器を用いることができる。加速度センサ36は、操作者が筐体11を振ったり、移動させたりする際に、筐体11に作用する加速度を検出する。携帯電子機器10は、基本的に以上のような構成である。
【0038】
次に、図4を用いて携帯電子機器10の動作、具体的には、プロジェクタの制御動作について説明する。ここで、図4は、携帯電子機器の動作の一例を示すフロー図である。まず、携帯電子機器10は、ステップS12として通常の動作を行っている。ここで、通常の動作とは、例えば、待ち受け画像の表示や、通話動作等、プロジェクタ34以外の機能が使用されている状態である。次に、携帯電子機器10の制御部22は、ステップS14として、プロジェクタ34を起動させる指示、つまり起動指示が入力されているかを判定する。制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されていない(No)と判定したら、ステップS12に進み、通常動作を続ける。このように、制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されたことが検出されるまでステップS12とステップS14を繰り返す。
【0039】
また、制御部22は、ステップS14でプロジェクタ起動指示が入力されている、つまり、起動指示あり(Yes)と判定したら、ステップS16として、プロジェクタ34を起動させる。また、制御部22は、記憶部24からプロジェクタ34の動作を制御するためのタスクを読み出し、アプリケーションプログラムを起動させる。これにより、プロジェクタ34からは、光が照射(射出)され、投影領域に画像が投影される。次に、制御部22は、ステップS16でプロジェクタ34を起動させたら、ステップS18として、専用キー14を発光させる。
【0040】
制御部22は、ステップS18で専用キー14を発光させたら、ステップS20として、専用キー14が押されたかを判定する。制御部22は、ステップS20で専用キー14が押された(Yes)と判定したら、ステップS22として、プロジェクタ34からの光の照射を停止する。つまり、制御部22は、プロジェクタ34で画像を投影させない。制御部22は、ステップS22で光の照射を停止させたら、ステップS24として、解除指示が入力されているか判定する。制御部22は、ステップS24で解除指示がない(No)と判定したら、ステップS22に進む。つまり、制御部22は、解除指示が入力されるまで、ステップS22とステップS24を繰り返し、プロジェクタ34からの光の照射を停止しつつ、解除指示が入力されているかの判定を繰り返す。なお、解除指示は、照射の停止の解除、つまり照射を再開させる指示であり、操作者により入力される指示である。
【0041】
また、制御部22は、ステップS24で解除指示が入力されている(Yes)と判定したら、ステップS26として、プロジェクタ34からの光の照射を再開する。つまり、プロジェクタ34による画像の投影を再開する。制御部22は、ステップS26で、プロジェクタ34からの光の照射を再開したら、ステップS20に進む。
【0042】
また、制御部22は、ステップS20で専用キー14が押されていない(No)と判定したら、ステップS30として、プロジェクタ34の駆動を終了させる指示、つまり、終了指示があるかを判定する。制御部22は、ステップS30でプロジェクタ終了指示がない(No)と判定したらステップS20に進み、再び専用キー14が押されたかを判定する。つまり、制御部22は、プロジェクタ34の駆動を停止するまで、上記動作を繰り返す。また、制御部22は、ステップS30でプロジェクタ終了指示がある(Yes)と判定したら、ステップS32としてプロジェクタ34の駆動を終了し、次に、ステップS34として通常動作とした後、処理を終了する。なお、制御部22は、通常動作に戻ったら、再び、プロジェクタの起動指示が入力されているかを判定する。つまり、制御部22は、図4に示すフロー図の動作を繰り返す。
【0043】
以上のように、携帯電子機器10は、専用キー14が押されたら、プロジェクタ34による光の照射を停止する。これにより、プロジェクタ34から光が射出されている方向に人間が入ったり、プロジェクタ34の光射出部34aを人間が覗きそうになったりしたら、操作者は、専用キー14を押すことでプロジェクタ34からの光の照射を停止することができる。したがって、操作者による簡単な動作で、プロジェクタ34から射出される光が近距離で人間の目に入ることを生じにくくでき、人間にまぶしい思いをさせる可能性を低減することができる。また、プロジェクタ34から照射される光が強い強度で人間の目に入る可能性を低減することができる。
【0044】
また、専用キー14を設けることで、誰にでも簡単に停止指示を入力する入力部を容易に認識させることができる。さらに、専用キー14を発光させることで、部屋を暗くした状態でプロジェクタ34を使用している場合であっても容易に専用キー14を見つけることができ、また、停止指示の入力に使用するキーを識別することができる。この点でも安全性を高くすることができ、さらに操作性も高くすることができる。
【0045】
さらに、ステップS22でプロジェクタからの光の照射を一度停止させた場合は、操作者による解除指示があるまでは、プロジェクタからの光の照射を再開させないようにすることで、操作者が安全を確認してから再開することができる。例えば、投影領域には居なくても投影領域の周囲に人間がいる場合には、再開させないようにすることができる。
【0046】
また、上記実施形態では、プロジェクタ34の駆動時に専用キーを発光させたが、さらに、またはこれに代えて、プロジェクタ34の起動時に、専用キーとして使用するキーの位置を音声で通知することが好ましい。音声で通知することにより停止指示を入力するキー(入力部)を容易に知ることができる。これにより操作性を高くすることができる。また、より操作性を高くするために、専用キーを発光させたり、音声で専用キーを通知したりすることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、専用キーを発光させず、通知しないようにしてもよい。
【0047】
ここで、上記実施形態では、プロジェクタ34からの光の照射を停止し、プロジェクタ34から光を射出しないようにしたが、本発明はこれに限定されず、プロジェクタ34から射出する光の光量を低減するようにしてもよい。つまり、プロジェクタ34から射出させる光の光量を低下させるようにしてもよい。プロジェクタ34からの光の射出を停止することで、プロジェクタ34の光の射出方向に人間が来た場合に、人間の目に光が入りにくくすることができるが、光量を低減することでも人間にまぶしい思いをさせる可能性を低減することができる。つまり、光量を低減し、光を弱くすることで、プロジェクタ34から射出される光が人間の目に入ったとしても、まぶしい思いをさせる可能性を低くすることができる。
【0048】
また、上記実施形態では、専用キー14が押されたか否かに基づいた動作を説明したが、本発明はこれに限定されない。以下、図5を用いて携帯電子機器10の動作、具体的には、プロジェクタの制御動作の他の例について説明する。ここで、図5は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。なお、図5に示すフロー図は、加速度センサ36用いてプロジェクタ34の動作を制御する例である。ここで、図5に示すフロー図は、図4に示すフロー図と同様の動作である部分があるので、重複部分についての詳細な説明は省略し、以下、図5に示すフロー図に特有の動作について説明する。なお、図5に示すフロー図は、操作者が携帯電子機器10を手に持った状態でプロジェクタ34を使用する場合も想定している。
【0049】
まず、携帯電子機器10は、ステップS12として通常の動作を行っている。次に、携帯電子機器10の制御部22は、ステップS14として、起動指示が入力されているかを判定する。制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されていない(No)と判定したら、ステップS12に進み、通常動作を続ける。また、制御部22は、ステップS14で、起動指示あり(Yes)と判定したら、ステップS16として、プロジェクタ34を起動させる。次に、制御部22は、ステップS16でプロジェクタ34を起動させたら、ステップS100として、加速度センサ36を起動させる。
【0050】
制御部22は、ステップS100で加速度センサ36を起動させたら、ステップS110として、振動を検出したかを判定する。つまり、制御部22は、加速度センサ36で一定以上の加速度が計測されたかを判定する。ここで、一定以上の加速度とは、操作者により移動されたり、振られたりしたと検出できる加速度である。なお、ノイズとして検出される加速度や、人間が地面を歩いた振動で発生する微小な加速度以上は、一定以上の加速度としてもよい。
【0051】
次に、制御部22は、ステップS110で、振動が検出された(Yes)と判定したら、ステップS112として、検出された振動が手振れ振動であるかを判定する。ここで、振動が手振れ振動であるか否かは、検出した振動数(加速度の周期)と振幅(加速度の大きさ)に基づいて判定する。一例としては、振動数が10Hz以下の振動は、手振れ振動と判定することができる。
【0052】
制御部22は、ステップS112で振動が手振れ振動である(Yes)と判定したらステップS114として、手振れ補正を行う。具体的には、プロジェクタ34により投影する画像の手振れを補正する。つまりプロジェクタ34から手振れによる影響を加味した画像を照射させる。制御部22は、ステップS114で手振れ補正を行ったら、ステップS116として、手振れ振動が継続しているかを判定する。具体的には、加速度センサ36の計測結果に基づいて、振動が発生しており、かつ、その振動が手振れ振動かを判定し、振動が発生しており、かつ、その振動が手振れ振動の場合は、手振れ振動が継続していると判定する。また、振動が発生していない、または、振動が手振れ振動ではない場合は、手振れ振動が継続していないと判定する。
【0053】
制御部22は、ステップS116で手振れ振動が継続している(Yes)と判定したら、ステップS114に進む。つまり、制御部22は、手振れ振動が継続している間は、ステップS114とステップS116とを繰り返す。また、制御部22は、ステップS116で手振れ振動が継続していない(No)と判定したら、ステップS110に進み、再び、振動を検出したかを判定する。
【0054】
また、制御部22は、ステップS112で手振れ振動ではない(No)、つまり手振れ振動より大きい振動であると判定したら、ステップS118として、プロジェクタ34からの光の照射を停止する。つまり、制御部22は、プロジェクタ34で画像を投影させない。制御部22は、ステップS118で光の照射を停止させたら、ステップS120として、振動が継続しているかを判定する。ここで、制御部22は、ステップS120では、加速度センサ36により手振れ振動より大きい振動が検出された場合は、振動が継続していると判定し、手振れ振動より大きい振動が検出さない場合は、振動が継続していないと判定する。制御部22は、ステップS120で振動が継続している(Yes)と判定したら、ステップS118に進む。つまり、制御部22は、振動が継続している間は、照射を停止し、ステップS118とステップS120とを繰り返す。
【0055】
また、制御部22は、ステップS120で振動が継続していない(No)と判定したら、ステップS124として、解除指示が入力されているか判定する。制御部22は、ステップS124で解除指示がない(No)と判定したら、ステップS118に進む。つまり、制御部22は、解除指示が入力されるまで、ステップS118からステップS124を繰り返し、プロジェクタ34からの光の照射を停止しつつ、振動が継続しているか、解除指示が入力されているかの判定を繰り返す。なお、解除指示は、照射の停止の解除、つまり照射を再開させる指示であり、操作者により入力される指示である。
【0056】
また、制御部22は、ステップS124で解除指示が入力されている(Yes)と判定したら、ステップS126として、プロジェクタ34からの光の照射を再開する。つまり、プロジェクタ34による画像の投影を再開する。制御部22は、ステップS126で、プロジェクタ34からの光の照射を再開したら、ステップS110に進む。
【0057】
また、制御部22は、ステップS110で振動を検出していない(No)と判定したら、ステップS30として、プロジェクタ34の駆動を終了させる指示、つまり、終了指示があるかを判定する。制御部22は、ステップS30でプロジェクタ終了指示がない(No)と判定したらステップS110に進み、再び振動を検出したかを判定する。つまり、制御部22は、プロジェクタ34の駆動を停止するまで、上記動作を繰り返す。また、制御部22は、ステップS30でプロジェクタ終了指示がある(Yes)と判定したら、ステップS104としてプロジェクタ34及び加速度センサ36の駆動を終了し、次に、ステップS34として通常動作とした後、処理を終了する。なお、制御部22は、通常動作に戻ったら、再び、プロジェクタの起動指示が入力されているかを判定する。つまり、制御部22は、図5に示すフロー図の動作を繰り返す。
【0058】
このように、加速度に基づいて、プロジェクタ34の動作を制御することで、携帯電子機器10に外力が作用し、状態が変化したら、プロジェクタ34からの光の照射を停止することができる。これにより、例えば、操作者は、危険を察知した場合は、携帯電子機器10をはじき飛ばしたり、振動させたりすることで、プロジェクタ34からの光の照射を停止することができる。これにより、操作者は、簡単な動作、とっさの動作で、プロジェクタ34からの光の照射を停止することができる。また、机の上においている携帯電子機器10を誰かが急に手に取ったりしたら、プロジェクタ34からの光の照射を停止することができる。これにより、とっさに投影領域を変えた場合や、予期せぬ操作により投影領域がずれた場合に、プロジェクタ34から光が射出されることを抑制することができる。
【0059】
また、振動が検出された場合に手振れであるか否かを判定することで、操作者が携帯電子機器10を保持しつつ操作した場合でも、プロジェクタ34から画像を投影させることができる。なお、本実施形態では、より適切な画像を表示できるため、手振れ補正を行うようにしたが、手振れ補正は必ずしも行わなくてもよい。
【0060】
また、上述したように、ステップS22でプロジェクタからの光の照射を一度停止させた場合は、操作者による解除指示があるまでは、プロジェクタからの光の照射を再開させないようにすることで、操作者が安全を確認してから再開することができる。例えば、投影領域には居なくても投影領域の周囲に人間がいる場合には、再開させないようにすることができる。
【0061】
また、プロジェクタ34からの光の照射を停止し、プロジェクタ34から光を射出しないようにしたが、本発明はこれに限定されず、上記の場合と同様に、プロジェクタ34から射出する光の光量を低減(低下)するようにしてもよい。プロジェクタ34からの光の射出を停止することで、プロジェクタ34の光の射出方向に人間が来た場合に、人間の目に光が入りにくくすることができるが、光量を低減することでも人間にまぶしい思いをさせる可能性を低減することができる。つまり、光量を低減し、光を弱くすることで、プロジェクタ34から射出される光が人間の目に入ったとしても、まぶしい思いをさせる可能性を低くすることができる。
【0062】
さらに、上記の図4の動作制御と図5の動作制御を組み合わせて使用してもよい。また、本実施形態の携帯電子機器10は加速度センサを有する構成としたが、加速度センサでの計測値を動作制御に用いない場合は、加速度センサを設けなくてもよい。
【0063】
ここで、上記実施形態では、専用キー14を筐体11の正面(ここで、筐体の正面とは、操作キー13が形成されている面である。)に設けたが、専用キー14を設ける位置は特に限定されず、筐体11の側面に設けても、筐体11の底面に設けて、筐体11の上面に設けてもよい。また、上記実施形態では、操作キー13とは別に専用キー14を設けたが、本発明はこれに限定されず、プロジェクタ34からの光の射出を停止の指示を入力するキー(入力部)はどのキーとしてもよい。例えば、操作キー13の中の特定のキーが押されたら、プロジェクタ34からの光の照射を停止するようにしてもよいし、操作キー13の中のいずれか1つのキーが押されていれば、キーの種類にかかわらずプロジェクタ34からの光の照射を停止するようにしてもよい。また、本実施形態のようにボタンをキーとして用いる代わりにタッチパネルを用いてもよい。この場合は、タッチパネルに触れられたらプロジェクタ34からの光の照射を停止するようにすればよい。つまり、他の操作する指示の入力にも使用する操作キー13の一部または全部を、光の射出を停止する指示を入力する入力部、つまり、上記実施形態の専用キーの機能を有する入力部として使用してもよい。この場合も、プロジェクタ34の駆動時は、光の射出を停止する指示を入力する入力部(キー、タッチパネル)を発光させたり、音声で通知したりすることで、プロジェクタからの光の照射を停止させる指示を入力させる入力部を容易に認識できる。これにより、操作性を高くすることができる。また、緊急時に簡単にプロジェクタからの光の照射を停止できる。
【0064】
また、携帯電子機器は、複数の専用キー(正確には、プロジェクタ34の駆動時に上記実施形態の専用キーの機能を有する入力部)を設けることが好ましい。複数の専用キーを設けることにより、緊急時にプロジェクタからの光の照射をより停止しやすくすることができる。
【0065】
さらに、筐体の複数の面にそれぞれ専用キーを設けることがより好ましい。ここで、図6は、本発明の携帯電子機器の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。以下、図6に示す携帯電子機器40について詳細に説明する。なお、図6に示す携帯電子機器40は、専用キーの個数、配置位置を除いて他の構成は、図1に示す携帯電子機器10と同様であるので、携帯電子機器10と同様の構成については、説明を省略し、以下、携帯電子機器40に特有の構成について説明する。
【0066】
図6に示す携帯電子機器40は、複数の専用キー14、50、52、54が設けられている。専用キー14は、筐体11のディスプレイ12、操作キー13が設けられた面に設けられている。また、専用キー50は、筐体11の側面(操作キー13が設けられる面と略直交する面のうちの一つの面、操作キー13が設けられる面の長い辺と接している一方の面)に設けられ、専用キー52は、筐体11のもう一方の側面(操作キー13が設けられる面と略直交する面のうち、上述の側面に対向する面)に設けられ、専用キー54は、筐体11の背面(操作キー13が設けられる面の反対側の面)に設けられている。つまり、携帯電子機器40は、筐体の4つの面にそれぞれ専用キー14、50、52、54が設けられている。また、専用キー14、50、52、54は、それぞれ、発光部を有し、必要に応じて発光する。携帯電子機器40は、以上のような構成である。
【0067】
携帯電子機器40のように、筐体11の複数の面にそれぞれ専用キーを設けることで、専用キーを設けられている面のうち1つの面が、台、机等の携帯電子機器40を支持する部材と接触し、見えない状態となっていても、他の面を露出させることができる。これにより、緊急時に迅速且つ確実に専用キーを押すことができる。つまり、プロジェクタ34の駆動時に専用キーが隠れていて、緊急時に迅速に専用キーが押せない事態が発生することを抑制することができる。これにより操作性をより高くすることができる。
【0068】
次に、携帯電子機器40の動作の一例について説明する。ここで、図7は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。ここで、図7に示すフロー図は、図4に示すフロー図と同様の動作である部分があるので、重複部分についての詳細な説明は省略し、以下、図7に示すフロー図に特有の動作について説明する。具体的には、ステップS12からステップS16、ステップS20からステップS26、ステップS30からステップS34は、上述した図4に示す各ステップと同様の動作であるので、詳細な説明は省略する。
【0069】
制御部22は、ステップS16でプロジェクタ34を起動させたら、ステップS70として、加速度センサ36を起動させる。制御部22は、ステップS70で加速度センサ36を起動させたら、ステップS72として、鉛直方向上側の専用キーを検出する。具体的には、加速度センサ36を用いて、重力が作用している方向を検出し、鉛直方向を検出する。さらに、加速度センサ36の検出値から筐体11の向きを検出する。制御部22は、速度センサ36で検出した重力が作用している方向及び筐体11の向きから筐体11の上下方向を検出し、専用キーの中で最も鉛直方向上側にある専用キーを検出する。なお、重力の作用している方向、及び筐体11の向きは、携帯電子機器40の組み立て時等に、キャリブレーションにより、基準を算出しておくことで、検出することができる。
【0070】
制御部22は、ステップS72で鉛直方向上側の専用キーを検出したら、ステップS74として、鉛直方向上側の専用キーを発光させる。その後、制御部22は、ステップS20に進む。以下の動作は、図4に示すフロー図と同様である。
【0071】
このように、複数の専用キーの中から、基本的に最も操作しやすい鉛直方向上側の専用キーを発光させ、専用キーとして使用することで、操作者は、容易に専用キーを発見することができ、容易に専用キーを押すことができる。これにより操作性をより高くすることができる。
【0072】
なお、本実施形態では、鉛直方向上側の専用キーのみを発光させるようにしたが、机等の支持体と接している面以外の面の専用キーは発光させるようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、携帯電子機器10の向きによって、発光させる専用キーを選択するようにしたが、本発明はこれに限定されず、プロジェクタ34の駆動時に一定の向きにある専用キー(正確には専用キーとして使用可能な入力部)のみを、停止指示を入力する入力部として使用可能にするようにしてもよい。例えば、鉛直方向において、最も上側にある専用キーのみを停止指示を入力する入力部として使用可能にしてもよい。
【0074】
ここで、制御部22は、鉛直方向下側以外の面にある専用キー(専用キーとして使用可能な入力部)を、停止指示を入力する入力部として用いるようにしてもよい。これにより、プロジェクタ34の駆動時に実質的に使用できる専用キーのみを停止指示を入力する入力部として使用することができる。また、支持体と鉛直方向下側の専用キーとが接触して、専用キーが誤作動することも抑制することができる。
【0075】
さらに、専用キーは、筐体のプロジェクタ34の光射出部34aが設けられている面に設けてもよいが、筐体のプロジェクタ34の光射出部34aが設けられている面以外の面に設けることが好ましい。専用キーを筐体のプロジェクタ34の光射出部34aが設けられている面以外の面に設けることで、専用キーの操作時に操作者が専用キーのある面と対面したとしても、プロジェクタ34から射出される光が操作者に当たりにくくできる。
【0076】
なお、上記実施形態では、基本的に携帯電子機器10を机や椅子に置いて使用する場合を想定して説明したが、携帯電子機器10は、操作者の手に持たれた状態で、プロジェクタ34が使用されることもある。そこで、携帯電子機器10は、プロジェクタ34を駆動させるモードとして、操作者が携帯電子機器10(筐体11)を持っている状態でプロジェクタ34を使用することを想定した携帯モード(第1のモード)と、操作者が携帯電子機器10(筐体11)を机や、台や、充電台に置いた状態でプロジェクタ34を使用することを想定した据え置きモード(第2のモード)との2つのモードを有することが好ましい。ここで、上述した図4の制御は、据え置きモードが起動された場合に用いられるようにすればよい。このように2つのモードを持ち、必要に応じて切り換えるようにすることが好ましい。
【0077】
以下、図8を用いて2つのモードを切り換える動作制御について詳細に説明する。ここで、図8は、携帯電子機器の動作の他の例を示すフロー図である。ここで、図8に示すフロー図は、図4に示すフロー図と同様の動作である部分があるので、重複部分についての詳細な説明は省略し、以下、図8に示すフロー図に特有の動作について説明する。
【0078】
まず、携帯電子機器10は、ステップS12として通常の動作を行っている。次に、携帯電子機器10の制御部22は、ステップS14として、起動指示が入力されているかを判定する。制御部22は、プロジェクタ34の起動指示が入力されていない(No)と判定したら、ステップS12に進み、通常動作を続ける。また、制御部22は、ステップS14で、起動指示あり(Yes)と判定したら、ステップS16として、プロジェクタ34を起動させる。次に、制御部22は、ステップS16でプロジェクタ34を起動させたら、ステップS218として、携帯モードが選択されたかを判定する。携帯モードと据え置きモードの制御方法は、以下で動作と共に説明する。なお、本実施形態では携帯モードと据え置きモードとは、操作者により選択される。なお、操作者が選択するタイミングとしては、制御部22がステップS218に進んだ段階で選択させるようにしても、プロジェクタ起動前の通常動作時に予め設定として選択させるようにしてもよい。
【0079】
制御部22は、ステップS218で、携帯モードが選択されている(Yes)と判定したら、ステップS220として、携帯モードを起動させる。制御部22は、ステップS220で携帯モードを起動させたら、ステップS222として、専用キー14が押されているかを判定する。制御部22は、ステップS222で専用キー14が押されていない(No)と判定したら、ステップS224として、画像を投影させない。つまり、プロジェクタ34から光を射出させない。また、制御部22は、ステップS222で専用キー14が押されている(Yes)と判定したら、ステップS226として、プロジェクタ34から画像を投影させる。つまり、プロジェクタ34から光を射出させる。
【0080】
制御部22は、ステップS224またはステップS226で画像を投影させるか否かを制御したら、ステップS228として、一定時間が経過したかを判定する。制御部22は、ステップS228で一定時間が経過していない(No)と判定したら、ステップS222に進み、一定時間が経過している(Yes)と判定したら、ステップS240に進む。このように制御部22は、一定時間が経過するまで、ステップS222からステップS228の動作を繰り返し、専用キー14が押されているか押されていないかで、画像を投影するか投影しないかを切り換える。
【0081】
また、制御部22は、ステップS218で携帯モードが選択されていない(No)と判定したら、ステップS230として、据え置きモードを起動する。制御部22は、ステップS230で据え置きモードを起動させたら、ステップS232として、プロジェクタ34から画像を投影させる。ここで、据え置きモードでは、上述した図4のように、専用キー14が発光され、専用キー14が押されたらプロジェクタ34から光を照射させることを停止する。具体的な一例としては、図4に示すステップS18からステップS30までの制御を行う。なお、この場合は、ステップS30がステップS240となるため、実際は、ステップS30の直前までの動作となる。制御部22は、ステップS232でプロジェクタ34により画像を投影させたら、ステップS234として、一定時間が経過したかを判定する。制御部22は、ステップS234で一定時間が経過していない(No)と判定したら、ステップS232に進み、一定時間が経過している(Yes)と判定したら、ステップS240に進む。このように制御部22は、一定時間が経過するまで、ステップS232とステップS234の動作を繰り返し、プロジェクタ34から画像を投影し続ける。
【0082】
また、制御部22は、ステップS228またはステップS234で一定時間が経過したら、ステップS240として、プロジェクタ34の駆動を終了させる指示、つまり、終了指示があるかを判定する。制御部22は、ステップS240でプロジェクタ終了指示がない(No)と判定したらステップS218に進み、再び、選択されているモードを検出し、モードに基づいて、プロジェクタ34の動作を制御する。つまり、プロジェクタ34の駆動を停止するまで、上記動作を繰り返す。また、制御部22が、ステップS240で、プロジェクタ終了指示がある(Yes)と判定したら、ステップS242として、プロジェクタ34の駆動を終了し、通常動作に戻り処理を終了する。なお、制御部22は、通常動作に戻ったら、再び、プロジェクタの起動指示が入力されているかを判定する。つまり、制御部22は、図8に示すフロー図の動作を繰り返す。
【0083】
以上のように、図8に示すフロー図では、携帯モードと据え置きモードの2つのモードを選択可能とし、携帯モードが選択されている場合は、専用キー14が押されている場合のみプロジェクタ34から画像を投影させ、据え置きモードが選択されている場合は、専用キー14が押されているか否かにかかわらず、プロジェクタ34から画像を投影させる。
【0084】
このように、操作者が手に持って使用する等、画像の投影位置、つまり光の照射位置が変化しやすい場合は、携帯モードを選択し、専用キー14を押している場合のみ画像を投影するようにすることで、画像の投影領域に人間が入った場合にすぐに画像の投影を停止、つまり光の照射を停止することができる。特に、射出している光が人間の顔に照射された場合も、操作者は、専用キー14を離すのみで、光の照射を停止できるため、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより低くすることができる。また、操作者が不意に携帯電子機器を落としたりした場合も、光の照射が停止するため、落下時等、どの方向に光が照射されるかわからない時に光が照射される可能性を低減することができ、人間にまぶしい思いをさせる可能性をより少なくすることができる。
【0085】
このように、使用状態に応じて、動作制御を切り換え可能にすることで、携帯電子機器が操作者に保持された状態で使用された場合も、人間に対して光を照射する可能性をより低減しつつ、操作性も高くすることができる。
【0086】
また、携帯電子機器10を机、いす、台に置いて使用する等、画像の投影位置が基本的に変化しない場合は、据え置きモードを選択し、画像を投影するようにすることで、携帯電子機器10を置いた状態で画像を投影させることができる。またこの場合も上述したように、図4に示すような制御を行うことで、プロジェクタ34から射出される光が人間の目に入る可能性を低減することができ、操作性を高くすることができる。
【0087】
また、上記実施形態では、操作者が、携帯モードとするか据え置きモードとするかを選択するようにしたが、本発明はこれに限定されず、携帯電子機器10が状態を検出して、自動的に選択するようにしてもよい。
【0088】
例えば、加速度センサ36により筐体11に作用する加速度を検出し、検出した加速度に基づいてモードを選択するように(切り換えるように)してもよい。一例としては、制御部22は、加速度が検出されない場合、実質的に0と判定できる場合(重力以外の加速度が検出される場合)は、据え置きモードとし、それ以外の場合は、携帯モードとするようにしてもよい。また、一定以上の加速度が検出された場合は、携帯モードとするようにしてもよい。このように、加速度に基づいて、モードを切り換えることで、操作者が操作することなく、適切な制御モードを選択することができ、操作性をさらに高くすることができる。また、自動的に切り替わるようにすることで、操作者が携帯電子機器10を保持しているにもかかわらず据え置きモードを選択してしまうことを抑制することができる。
【0089】
さらに、制御部22は、筐体11に作用する加速度から、力の振動数や、力の大きさ(振幅)を検出し、検出した値が手振れと判定することができる数値である場合は、携帯モードを選択するようにしてもよい。具体的には、図5に示すフロー図において、ステップS114に進んだ場合は、携帯モードとし、ステップS30に進んだ場合及びステップS118に進んだ場合は、据え置きモードとしてもよい。このように、手振れに基づいて操作者が持っているか判定することで、操作者が持っているときに発生する揺れとそれ以外の揺れ(例えば、机に物がぶつかったときに生じる揺れ)とを識別することができ、より操作性を高くすることができる。
【0090】
また、上記実施形態では、据え置きモードで使用する専用キー14(つまり、緊急時にプロジェクタからの光の射出を停止する指示を入力するキー)と携帯モードで使用する専用キー14とを同一の専用キーとしたが、本発明はこれに限定されず、それぞれのモードのために別々の専用キーを設けてもよい。また、携帯モードで使用する専用キーも、上述した据え置きモードで使用する専用キーと同様に、操作キーの中の1つまたは複数のキーに専用キーとしての機能を持たせてもよい。つまり、携帯モードの専用キーとしてのみ使用するキーを設けることに限定されず、複数の機能を有するキーを携帯モードのときに専用キーとして使用してもよい。
【0091】
また、加速度センサ36で検出した加速度に基づいて、携帯モードか据え置きモードかを選択することに限定されず、携帯電子機器10を充電する際に使用する外部の電源(例えば、ACアダプタ)と接続しているかを検出し、その検出結果に基づいてモードを選択するようにしてもよい。ここで、電源と携帯電子機器10とが接続しているか否かを検出する検出器としては、携帯電子機器10の接続端子が電源と接続しているかを検出する検出センサや、外部から携帯電子機器10に供給される電力、電圧及び/または電流を検出する検出センサを用いることができる。
【0092】
このように、携帯電子機器10が電源に接続されているか否かに基づいて、モードを切り換える場合は、電源に接続されていることを検出したら据え置きモードを選択し、電源に接続されていることを検出しなかったら、つまり、電源に接続されていないことを検出したら携帯モードを選択するよう設定することができる。これにより、電源(電源コード)と接続され、移動が制限される場合は据え置きモードとし、移動に制限がない場合は、携帯モードとすることができる。
【0093】
なお、電力を検出する場合は、供給される電力、電圧及び/または電流に基づいて、備え付けのコンセント等の商用電源から供給されるか、乾電池、USBで接続されたPC等のバッテリから供給されるかを識別することが好ましい。なお、このように識別できる場合は、商用電源から電力が供給されている場合に据え置きモードとすることが好ましい。これにより、乾電池等の自在に移動可能な電源に接続されている場合と、コードにより移動範囲が制限される商用電源に接続されている場合とで選択するモードを変えることができる。
【0094】
また、携帯電子機器10を充電する際等に、携帯電子機器10を置く充電台に置かれているかを検出し、その検出結果に基づいてモードを選択するようにしてもよい。ここで、携帯電子機器10が充電台に置かれているかを検出する検出器としては、筐体11の充電台との接触位置に接触検出センサを設ければよい。
【0095】
このように、携帯電子機器10が充電台に置かれているか否かに基づいて、モードを切り換える場合は、充電台に置かれていることを検出したら据え置きモードを選択し、充電台に置かれていることを検出しなかったら、つまり、充電台に置かれていないことを検出したら携帯モードを選択するよう設定することができる。これにより、充電台に置かれ、移動が制限される場合は据え置きモードとし、移動に制限がない場合は、携帯モードとすることができる。
【0096】
また、本発明は、携帯電子機器10の状態に応じて、つまり、携帯電子機器10が電源に接続されているか否か、または、充電台に置かれているか否かに応じてモードを決定することにも限定されない。
【0097】
ここで、図9−1から図9−4は、それぞれ、携帯電子機器の制御の一例、つまり、動作パターンを示す説明図である。まず、図9−1に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードを選択可能、携帯モードを選択不可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードを選択不可能、携帯モードを選択可能とする動作パターンである。つまり、図9−1に示す動作パターンは、上述した携帯電子機器10の状態に応じて1つのモードを選択する動作パターンである。
【0098】
次に、図9−2に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードを選択可能、携帯モードを選択不可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合に、操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0099】
次に、図9−3に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合は、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とし、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合は、据え置きモードを選択不可能、携帯モードを選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合に、操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0100】
また、図9−4に示す動作パターンは、携帯電子機器10が充電台に置かれている場合及び/または電源に接続されている場合も、携帯電子機器10が充電台に置かれておらずかつ電源に接続されていない場合も、据え置きモードと携帯モードの両方を選択可能とする動作パターンである。この動作パターンのときは、いずれの場合も操作者が、据え置きモードにするか携帯モードにするかを選択することができる。
【0101】
このように、図9−1から図9−4に示す4つのいずれの動作パターンとしても、2つのモードを選択することができる。また、操作者が、4つの動作パターンから1つの動作パターンを設定できるようにしてもよいし、4つの動作パターンの中の1つの動作パターンのみをアプリケーションプログラムとして記憶させるようにしてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、携帯電子機器10に加速度センサ36を設けたが、携帯モードと据え置きモードとを選択する際に加速度の検出結果を用いない場合は、必ずしも設ける必要はない。例えば、モードの選択を操作者の選択操作のみにより行う場合は、加速度センサを設ける必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように、本発明にかかる携帯電子機器は、高い安全性を確保した状態で画像を投影することに適している。
【符号の説明】
【0104】
10 携帯電子機器
11 筐体
12 ディスプレイ
13 操作キー
14 専用キー
15 マイク
16 レシーバ
22 制御部
24 記憶部
26 送受信部
26a アンテナ
28 操作部
30 音声処理部
32 表示部
34 プロジェクタ
34a 光射出部
36 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を投影する画像投影部と、
前記画像投影部を保持する筐体と、
前記筐体の少なくとも一部に配置され、操作者から入力される操作を検出する入力部と、
前記画像投影部の動作及び前記入力部の状態を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記入力部からの所定の信号を検出したら、前記画像投影部からの光の射出を停止させる、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記入力部は、前記筐体の少なくとも2面以上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
さらに、前記筐体の向きを検出する方向検出センサを有し、
前記制御部は、複数の面に設けられている前記入力部のうち、前記方向検出センサでの検出結果に基づいて、鉛直方向下側以外の方向の面にある前記入力部を利用可能とすることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、複数の面に設けられている前記入力部のうち、前記方向検出センサでの検出結果に基づいて、鉛直方向下側方向の面及び前記画像投影部が設けられている面以外の面に設けられた前記入力部を利用可能とすることを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記画像投影部による画像投影時は、前記入力部の所定の信号の入力に使用する部分を発光させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記入力部は、タッチセンサであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記入力部は、ボタンであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記入力部は、前記筐体に入力される加速度を検出する加速度検出器であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、前記画像投影部からの光の射出を停止させ、または、前記画像投影部から射出させる光の光量を低下させたら、操作者により入力された再開指示を検出するまで、前記画像投影部から射出させる光の光量を増加させないことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図9−4】
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【公開番号】特開2010−197756(P2010−197756A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43198(P2009−43198)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】