説明

携帯電子機器

【課題】ダイアル式とすることによって操作感を向上させつつ、どの機能を選択しているのかユーザが容易に認識することができる携帯電子機器を提供する。
【解決手段】制御部57は、前記第1の方向21に導光された光を受光した受光部18から出力される光電気変換出力信号に基づき各種の機能のうち、第2の方向22への導光によって照光されている機能表示部15に対応した機能を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機、PDA、携帯型ゲーム機、携帯用テレビジョン、携帯用ラジオ等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電子機器においては、機能を切替えて、新たに一定の機能(例えば、メール機能、カメラ機能、テレビジョン機能、ビデオ機能等)を発揮させる為には、携帯電気機器のボタンを押圧して携帯電子機器にその旨の命令を与える方法が一般的である。
また、特許文献1には、ボタン式ではなく回転させるという、ダイアル式とすることによって一定の機能を切替える方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000―133085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のボタン式においては機能を切替えるボタンを押しても、携帯電子機器の表示画面等には変化が現れるものの、携帯電子機器の外観に物理的な変化がないため、その機能に切替えられたのか認識し難い。
つまり、操作に対応した物理的な変化がなく操作感がないという欠点があった。
また、特許文献1のようにダイアル式とすると、物理的に回転するという変化があり操作感を有することはできるが、どの機能を選択しているのか認識し難い。
つまり、回転による機能選択と、所望の機能との対応が認識し難いという欠点があった。
【0005】
本発明の目的は、ダイアル式とすることによって操作感を向上させつつ、どの機能を選択しているのかユーザが容易に認識することができる携帯電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯電子機器は、筐体と、前記筐体内部に配設され、光を発光する発光部と、一部が前記筐体の外部に露出し、前記筐体に対して回転可能に支持され、前記発光部の光を第1の方向及び第2の方向に導光する導光体を含む回転体と、前記筐体内部に配設され、前記第1の方向に導光された光を受光する受光部と、各種の機能を実行する制御部と、を有し、前記第2の方向に導光された光は、前記回転体の表面に形成された機能表示部を照光し、前記制御部は、前記受光部が前記第1の方向に導光された光の受光に応じて出力する出力信号に基づき、前記各種の機能のうち、第2の方向への導光によって照光されている前記機能表示部に対応した機能を実行する。
【0007】
好適には、前記回転体は第1の導光体と第2の導光体とを有し、前記第1の導光体は、前記第2の方向への導光により第1の機能表示部を照光し、かつ、導光する光を変換する第1の変換を行い、前記第2の導光体は、前記第2の方向への導光により第2の機能表示部を照光し、かつ、導光する光を変換する第2の変換を行い、前記第1の変換と前記第2の変換は相異する変換を行う。
【0008】
好適には、前記回転体は円柱形状を有し、前記回転体は筐体に形成された溝部に配置されており、底面の1つは筐体の表面と面一面となっており、回転体外周面の一部のみが前記筐体外部に露出して操作可能となっている。
【0009】
好適には、前記発光部から出射される光は白色光であり、前記複数の導光体は、それぞれ、可視光領域において分光特性が異なる。
【0010】
好適には、前記白色光は、赤、青、緑色の光を放射する発光素子によって生成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ダイアル式とすることによって操作感を向上させつつ、どの機能を選択しているのかユーザが容易に認識することができる携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の外観を開状態で示す斜視図である。
【図2】機能切替操作装置の拡大図である。
【図3】図2の機能切替操作装置のIII−IIIの断面図である。
【図4】図1の携帯電話機の信号処理系を示すブロック図である。
【図5】本発明における変形例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1の外観を開状態で示す斜視図である。
【0014】
携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機1として構成されており、開状態と閉状態との間で互いに回動可能に連結部9によって連結された第1筐体2及び第2筐体3を有している。図1は、第1筐体2及び第2筐体3の開状態を示している。
第1筐体2は、第2筐体3と対向する部分を構成する第1筐体フロントケース4と、第2筐体3とは反対側部分を構成する第1筐体リアケース5とを有している。
第2筐体3は、第1筐体2と対向する部分を構成する第2筐体フロントケース6と、第1筐体2とは反対側部分を構成する第2筐体リアケース7とを有している。
【0015】
第1筐体フロントケース4及び第1筐体リアケース5はネジ等により互いに固定され、第1筐体フロントケース4及び第1筐体リアケース5の間に形成された空間に種々の電子部材を収容する収容空間を構成する。
第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7もネジ等により互いに固定され、第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7の間に形成された空間に種々の電子部材を収容する収容空間を構成する。
これらの第1筐体フロントケース4、第1筐体リアケース5、第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7は、例えば、樹脂により形成されている。
【0016】
なお、方向を示すときは、第1筐体リアケース5から第1筐体フロントケース4に向かう方向を表面方向(図1においては、紙面手前の方向)といい、第1筐体フロントケース4から第1筐体リアケース5に向かう方向を裏面方向(図1においては、紙面奥手の方向)という。
同様に第2筐体リアケース7から第2筐体フロントケース6に向かう方向を表面方向(図1においては、紙面手前の方向)といい、第2筐体フロントケース6から第2筐体リアケース7に向かう方向を裏面方向(図1においては、紙面奥手の方向)という。
【0017】
また、第1筐体2において連結部9に向かう方向を結合部方向(図1の第1筐体2においては、紙面下の方向)といい、その逆を結合部反対方向(図1の第1筐体2においては、紙面上方向)という。
同様に、第2筐体3においても、連結部9に向かう方向を結合部方向(図1の第2筐体3においては、紙面上の方向)といい、その逆を結合部反対方向(図1の第2筐体3においては、紙面下の方向)という。
【0018】
さらに、図1のように第1筐体2を上にし、第2筐体3を下にした状態とした時に、右側に来る側面を右側面11とし、左側に来る側面を左側面12という。
そして、右側面11側に向かう方向を右側面方向(図1においては、紙面右の方向)といい、左側面12面に向かう方向を左側面方向(図1においては、紙面左の方向)という。
【0019】
図1のように、第1筐体フロントケース4には表示部8が配置されている。
この表示部8は、携帯電話機1の状態、ユーザの操作内容、発信先電話番号、電子メールの内容の表示、ゲーム画面等の様々な情報を表示するためのものである。
また、表示部8はLCD(液晶ディスプレイ)、OLED(Organic light-emitting diode:有機EL)等によって構成されている。
【0020】
また、図1のように、第2筐体フロントケース6の表面方向には、入力部10が配置されている。この入力部10をユーザが操作することによって、携帯電話機1に命令の入力、文字の入力等がなされる。
【0021】
第2筐体3の表面方向位置には回転体14が配置されている。より具体的には、右側面11側であって、連結部9の近傍に配置されている。
この回転体14を回転させることで各種の機能を発揮させる、機能切替操作装置13としての機能を果たしている。
各種の機能とは、例えば、電子メール機能、カメラ機能、テレビジョン機能、ビデオ機能等である。
【0022】
図2は、機能切替操作装置13の拡大図である。
【0023】
図2は、表面方向位置から見た機能切替操作装置13である。
図2のように、回転体14の表面方向の表面には機能を表示する機能表示部15が配置されている。
機能切替操作装置13によって、切換可能な機能の数は、受光部18が分別可能である数、機能表示部15が記載可能である数、ユーザが違和感なく操作可能である数等によって限界はあるものの、基本的にはいくつでも可能である。
ここでは、単純化するために3つの機能を切り替え可能な例を表示する。
具体的な例として、メール機能として第1の機能表示部15aが記載されている。また、同様に、カメラ機能として第2の機能表示部15b及びテレビジョン機能として第3の機能表示部15cが記載されている。
【0024】
回転体14は、略円筒形状を有しており、回転軸25を中心として表面方向の時計回り及び反時計回りに回転可能である。
この回転体14を回転させて機能表示部15が回転軸25の左側面方向の位置(受光部18側の位置)に来た時に、携帯電話機1はそのことを検出して機能表示部15が表す機能を発揮する。
図2のように、各機能表示部15の内部位置には、それぞれ対応した導光体20が配置されている。導光体20は、色の着色された透明部材によって構成する。
そして、各導光体20は入射された光を異なる周波数に変換する。具体的な例としては、第1の導光体20aは入射光を赤色帯域の波長に変換する。同様に、第2の導光体20bは入射光を緑色領域の波長に変換し、第3の導光体20cは入射光を青色領域の波長に変換する。
ここで変換とは、入射した光の色を異なる光の色にして出射することをいう。換言すれば、色フィルタ(導光体20)に入射した光の一部が色フィルタ内部で吸収され、吸収されなかった光の成分が出射することである。
【0025】
回転体14は、携帯電話機1の右側面11よりも一部が張出している。この張出している部分をユーザが操作することによって、回転体14が時計回り及び反時計回りに回転する。
【0026】
第2筐体フロントケース6の表面方向の筐体表面30から裏面方向に凹んだ溝部26を有している。この溝部26は筐体表面30よりも裏面方向に位置し、筐体表面30と同一の方向である表面方向を向いた筐体底面27と、筐体底面27と筐体表面30とをつなぐ部分である筐体外周面23からなっている。
筐体外周面23は、表面方向位置から観察すると270度程度を有する円弧状の形状をしており、回転体14の厚さとほぼ同じ深さを有している。
【0027】
図3は、図2(a)のIII−IIIにおける断面図である。
【0028】
図3のように、III−IIIの断面においては、筐体外周面23と筐体底面27とは、第2筐体フロントケース6と第2筐体リアケース7をL字型に切欠いた形状を有している。
そして、筐体底面27には、表面側に延びる回転軸25が配置されている。この回転軸25は回転体14を回転自在に支持している。
【0029】
また、筐体底面27の表面方向位置には発光部17が配置されている。発光部17は光を生成する役割を有している。例えば、赤色・青色・緑色の3色を発する波長の光を出射するLEDによって構成され、白色光を生成する。もっとも、白色光である必然性は必ずしもなく、その他の色であってもよい。
【0030】
筐体外周面23には、受光部18が配設されている。この受光部18は導光体20によって導光された光を受光する。そして、受光した光に応じて後述する制御部57に信号を発信する。
【0031】
図3のように、回転体14は、その表面方向の表面に機能表示シート19が配置されている。機能表示シート19は透明又は半透明の材料によって構成されており、機能表示部15がその表面に印刷されている。
印刷は、機能表示部15を透明又は半透明にして、その他の部分を遮光材料によって印刷してもよい。逆に、機能表示部15を遮光材料によって印刷し、その他の部分を透明又は半透明とする方法であってもよい。
【0032】
回転体14は、筐体外周面23に対向する回転体外周面24と、筐体底面27に対向する回転体底面28を有する。
そして、回転体外周面24の一部は導光体20が導光した光を放射する放射面31を構成する。
また、筐体底面27の一部は導光体20に光が入射する受光面29を構成する。
【0033】
発光部17から出射された光は、発光部17の受光面29から第1の導光体20a内部に入射する。
そして、入射した光の一部は、ハーフミラー32によって反射されずに発光部17の表面方向(以下、「第2の方向22」という)に直進する。また、入射した光の他の一部は、ハーフミラー32によって反射されて、その方向を変えられて左側面12側の方向(以下、「第1の方向21」という)に導光される。
この第2の方向22に導光された光は、機能表示部15を照光する。
また、第1の方向21に導光された光は、導光体20の放射面31から放射される。この放射面31から放射された光は受光部18によって受光される。
第1の方向21に導光された光及び第2の方向22に導光された光は、導光体20が有する色成分材料によって変換されている。
ハーフミラー32は、導光体20の内部に形成されており、発光部17からの光の一部を反射して、受光部18へ変換された光を導く機能を有している。さらに、ハーフミラー32は、発光部17からの光の一部を透過して変換された光を機能表示部シート19へ導く機能を有している。
【0034】
導光体20は不図示の複数の導光体から成っており、かつ、それぞれの導光体は入射光を相異なる波長に変換する。
そして、回転体14が回転すると、受光部18の側に来る機能表示部15が入れ替わりそれにともない、発光部17から発光されて受光部18によって受光される光が通過する導光体20が入れ替わる(例えば、第1の導光体20aから第2の導光体20bへ入れ替わる)。
そうすると、受光部18が受光する光が、新たに選択された機能に対応する光となる。
この光を受光部18が検出して、ユーザがどの機能を選択したのかを検出することができる。
【0035】
例えば、第1の導光体20aが赤色成分のみを反射する材料を含んでいるのであれば、第1の方向21及び第2の方向22に導光された光も赤成分の領域の光を有することになる。
この第2の方向22に導光された光は、回転体14の表面に形成された第1の機能表示部15aを赤色に照光する。一方他の機能表示部15である第2の機能表示部15b及び第3の機能表示部15cは照光されない。
機能表示部15が照光されること、及び、その照光の色が赤であることによって、ユーザは、第1の機能表示部15aによって表示される機能が選択されていることを知ることができる。
そして、回転されて、第2の機能表示部15bが選択され、第2の導光体20bを光が通過するようになると、第2の機能表示部15bのみが照光される。そして、第2の導光体20bが青色成分のみを反射する材料を含んでいるのであれば、第2の機能表示部15bが青色に照光される。これによって、ユーザは第2の機能表示部15bが選択されたことを知ることができる。
【0036】
そして、第1の方向21に導光された光は放射面31から放射され、受光部18に受光される。受光部18は、受光した光の成分を後述する制御部57に信号として発信する。
もっとも、受光部18は光の色の成分を正確に検出して発信する必要は必ずしもない。
つまり、導光体20が有する色成分によって通過した光の強度は変化するのであるから、受光部18は色の成分を認識しないで、受光した光の強度によって、どの導光体20を通過したのか知ることができる。
そうすると、光の強度のみの情報を発信すれば、どの導光体20を通った光なのか判定できるからである。
したがって、本発明において「変換」とは、波長を変化させることに加えて、光の強度を変化させることも含むものである。
【0037】
このように、機能切替操作装置13を光学的に構成することによって、検出装置である機能切替操作装置13の大型化を防ぐことができる。
つまり、光学的なセンサは機械的なセンサに比して小型化することができる。そして、本発明では発光部17、導光体20及び受光部18という光学的な装置によって構成しているのであるから、機能切替操作装置13を小型化できる。
また、機能切替操作装置13を光学的に構成することによって、検出装置である機能切替操作装置13の耐久性を上げることができる。
つまり、光学的なセンサは機械的なセンサに比して接触する部分がないために、摩耗等のおそれがないことから耐久性が高く作製することができる。そして、本発明では光学的な装置によって構成しているのであるから、機能切替操作装置13の耐久性を上げることができる。
【0038】
図4は、図1の携帯電話機1の信号処理系を示すブロック図である。
【0039】
図4に示されるように、携帯電話機1は、制御・処理の中枢である制御部57と、通信部51と、操作部52と、音声入出力部53と、表示部8と、撮像部55と、記憶部56のそれぞれが、アドレス、データ、コントロールのためのラインが複数本からなるシステムバス58に共通に接続され、構成される。
【0040】
通信部51は、無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークに接続される基地局との間で無線通信を行い、各種データの送受信を行う。各種データとは、音声通話時の音声データ、メール送受信時のメールデータ、テレビジョン放送のデータ、等である。
【0041】
操作部52は、入力部10及び機能切替操作装置13を有している。
そして、入力部10は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー、ファンクションキーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有している。
そして、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部57に出力する。
本発明では、操作部52はこれらのみならず、機能切替操作装置13を有している。そして、受光部18によって受光した信号を制御部57に通知する。
【0042】
音声入出力部53は、スピーカから出力される音声信号やマイクロフォンにおいて入力される音声信号の入出力処理を行う。
すなわち、音声入出力部53は、マイクロフォンから入力された音声を増幅し、アナログ/デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部57に出力する。
本発明においては、ユーザが機能切替操作装置13を操作することによってカメラ機能(ビデオ機能)が選択された場合に、音声を電気信号に変換する役割を有している。
また、音声入出力部53は、制御部57から供給される音声データに復号化、デジタル/アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカに出力する。
本発明においては、ユーザが機能切替操作装置13を操作することによってテレビジョン機能が選択された場合に、電気信号を音声に変換してユーザに伝える役割を有している。
【0043】
表示部8は、制御部57から供給される映像信号に応じた画像を表示する。
表示部8は、例えば、通信部51による無線発信時における発信先の電話番号、着信時における発信元の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発信成否、待ち受け画面等を表示する。
本発明においては、テレビジョン機能が選択された場合に、テレビジョン放送の放送画面を表示したり、カメラ機能が選択された場合に、撮像部55が撮像している画面を表示したりする機能を表示部8は有する。
【0044】
撮像部55は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の光電変換素子とその制御回路等により構成されるカメラである。
この撮像部55によって撮像されたデータは制御部57に送られて圧縮等の処理がなされて、記憶部56に記憶等される。
【0045】
記憶部56では、携帯電話機1の各種処理に利用される各種データを記憶する。記憶部56は、例えば制御部57が実行するコンピュータのプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、待ち受け画面用の画像ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータが記憶される。
【0046】
制御部57は、携帯電話機1の全体的な動作を統括的に制御する。
すなわち、制御部57は、携帯電話機1の各種処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信など)が操作部52の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(通信部51における信号の送受信、表示部8における画像の表示、撮像部55における撮像処理等)を制御する。
また、本発明においては、受光部18が受光した光の色成分又は強度成分等から、ユーザが行った機能切替操作装置13の操作を検出する。
具体的には、導光体20のうちどの導光体20を通過した光を受光部18が受光しているのかを検出する。
そして、特定した導光体20に対応する機能表示部15に記載されている、機能を実行する機能を有する。
【0047】
図5は、本発明における変形例を表す図である。
【0048】
機能切替操作装置13は、必ずしも図1のように第2筐体フロントケース6の右側面11の連結部9側に配置する必然性はない。
意匠性の向上、機能性の向上、選択する機能に応じて携帯電話機1のどの位置にも配置可能である。
具体的には、例えば、図5のように連結部9の側面であってもよい。
この位置に配置することの利点は、携帯電話機1が折り畳まれていても機能切替操作装置13の機能表示部15を確認することが可能であることである。
この利点によって、選択する機能を例えば携帯電話機1の裏面方向に配置されているサブディスプレイの切換えに用いることもできる。
【0049】
以上の実施形態によれば、第2筐体3と、第2筐体3内部に配設され、光を発光する発光部17とを有している。
また、一部が第2筐体3の外部に露出し、第2筐体3に対して回転可能に支持され、発光部17の光を第1の方向21及び第2の方向22に導光する導光体20を含む回転体14とを有している。
さらに、第2筐体3内部に配設され、第1の方向21に導光された光を受光する受光部18と、各種の機能を実行する制御部57と、を有している。
加えて、第2の方向22に導光された光は、回転体14の表面に形成された機能表示部15を照光する。
そして、制御部57は、受光部18が第1の方向21に導光された光の受光に応じて出力する出力信号に基づき、各種の機能のうち、第2の方向22への導光によって照光されている機能表示部15に対応した機能を実行する。
このような構成によって、ユーザは機能を選択する場合に、何を選択したのかその回転体14に表示されている機能表示部15によって確認することができる。そして、そのことは、ユーザが直接的に操作しているために携帯電話機1に慣れていないユーザであっても容易に操作することができる。
このような構成、つまり、機能切替操作装置13を光学的に構成することによって、検出装置である機能切替操作装置13の大型化を防ぐことができる。
つまり、光学的なセンサは機械的なセンサに比して小型化することができる。そして、本発明では発光部17、導光体20及び受光部18という光学的な装置によって構成しているのであるから、機能切替操作装置13を小型化できる。
このような構成によって、光学的に機能切替操作装置13を光学的に構成することによって、検出装置である機能切替操作装置13の耐久性を上げることができる。
つまり、光学的なセンサは機械的なセンサに比して接触する部分がないために、摩耗等のおそれがないことから耐久性が高く作製することができる。そして、本発明では光学的な装置によって構成しているのであるから、機能切替操作装置13の耐久性を上げることができる。
携帯電子機器。
【0050】
回転体14は第1の導光体20aと第2の導光体20bとを有し、第1の導光体20aは、第2の方向22への導光により第1の機能表示部15aを照光し、かつ、導光する光を変換する第1の変換を行っている。
また、第2の導光体20bは、第2の方向22への導光により第2の機能表示部15bを照光し、かつ、導光する光を変換する第2の変換を行っている。
そして、第1の変換と前記第2の変換は相異する変換を行っている。
このような構成によって、複数の機能のうちユーザが行った機能選択を光学的に検出することができる。
そして、そのことは、携帯電話機1の耐久性の向上及び携帯電話機1の小型化を図ることができる。
【0051】
回転体14は円柱形状を有し、回転体14は筐体に形成された溝部26に配置されており、底面の1つ19は筐体表面30と面一面となっており、回転体外周面24の一部のみが第2筐体3外部に露出して操作可能となっている。
このような、底面の1つ19は筐体表面30と面一面となる構成によって、機能切替操作装置13が構成されていない方の筐体である、第1筐体2には溝を設けなくてもすむ。
また、回転体外周面24が第2筐体3の右側面11から張出しているために、ユーザは回転体14を容易に回転させることができる。
【0052】
発光部17から出射される光は白色光であり、複数の導光体20は、それぞれ、可視光領域において分光特性が異なる。
このような構成、可視光全ての周波数を有する白色光を用いることによって、導光体20の色はすべての色を用いることができる。
【0053】
前記白色光は、赤、青、緑色の光を放射する発光素子によって生成される。
赤、青、緑色の光を放射する発光素子は一般的に用いられているものであり、きわめて容易に手に入れることができることから、本発明における機能切替操作装置13を容易に作製することができるという利点がある。
【0054】
なお、以上の実施形態において、第2筐体3は本発明の筐体の一例であり、LEDは発光素子の一例である。
【0055】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0056】
携帯電子機器は、携帯電話機1に限定されない。例えば、携帯電子機器は、ノートパソコン、PDA、ゲーム機、カメラであってもよい。また、携帯電子機器は、折り畳み式のものに限定されない。ケースが一体的に構成されたもの(1つのみのケース)であってもよい。
【0057】
導光体20自体は単に光を強度、波長等を変化させるものであって、色の変化を生じさせないものであってよい。この場合には、機能表示部15が着色される等の方法がありうる。
【符号の説明】
【0058】
1…携帯電話機、2…第1筐体、3…第2筐体、4…第1筐体フロントケース、5…第1筐体リアケース、6…第2筐体フロントケース、7…第2筐体リアケース、8…表示部、9…連結部、10…入力部、11…右側面、12…左側面、13…機能切替操作装置、14…回転体、15…機能表示部、15a…第1の機能表示部、15b…第2の機能表示部、15c…第3の機能表示部、17…発光部、18…受光部、19…機能表示シート、20…導光体、20a…第1の導光体、20b…第2の導光体、20c…第3の導光体、21…第1の方向、22…第2の方向、23…筐体外周面、24…回転体外周面、25…回転軸、26…溝部、27…筐体底面、28…回転体底面、29…受光面、30…筐体表面、31…放射面、32…ハーフミラー、51…通信部、52…操作部、53…音声入出力部、54…表示部、54…撮像部、56…記憶部、57…制御部、58…システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内部に配設され、光を発光する発光部と、
一部が前記筐体の外部に露出し、前記筐体に対して回転可能に支持され、前記発光部の光を第1の方向及び第2の方向に導光する導光体を含む回転体と、
前記筐体内部に配設され、前記第1の方向に導光された光を受光する受光部と、
各種の機能を実行する制御部と、を有し、
前記第2の方向に導光された光は、前記回転体の表面に形成された機能表示部を照光し、
前記制御部は、前記受光部が前記第1の方向に導光された光の受光に応じて出力する出力信号に基づき、前記各種の機能のうち、第2の方向への導光によって照光されている前記機能表示部に対応した機能を実行する
携帯電子機器。
【請求項2】
前記回転体は第1の導光体と第2の導光体とを有し、
前記第1の導光体は、前記第2の方向への導光により第1の機能表示部を照光し、かつ、導光する光を変換する第1の変換を行い、
前記第2の導光体は、前記第2の方向への導光により第2の機能表示部を照光し、かつ、導光する光を変換する第2の変換を行い、
前記第1の変換と前記第2の変換は相異する変換を行う
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記回転体は円柱形状を有し、
前記回転体は前記筐体に形成された溝部に配置されており、
底面の1つは前記筐体の表面と面一面となっており、回転体外周面の一部のみが前記筐体外部に露出して操作可能となっている
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記発光部から出射される光は白色光であり、
前記複数の導光体は、それぞれ、可視光領域において分光特性が異なる
請求項1〜3いずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記白色光は、赤、青、緑色の光を放射する発光素子によって生成される
請求項4に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−232808(P2010−232808A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76058(P2009−76058)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】