説明

携帯電子機器

【課題】 センサ情報を取得して、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかの判別を行い、判別結果に基づいて処理の内容を変化させることで、ユーザにとって使いやすいインターフェース等を実現する携帯電子機器等の提供。
【解決手段】 携帯電子機器は、センサからのセンサ情報を取得するセンサ情報取得部166と、センサ情報に基づいて、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行う判別部162と、判別部162による、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかの判別結果に基づいて、携帯電子機器の処理の内容を変化させる処理を行う処理部164と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電子機器では、機能の実行を指示するユーザーインターフェイスとして操作ボタンではなく、例えば、特許文献1、2のようにモーションセンサで行うことが提案されている。
【0003】
特許文献1の技術では、例えばズーム操作をするために光軸方向にカメラ本体を移動させることで実現している。
【0004】
特許文献2の技術では、ゲームコントローラにモーションセンサを内蔵させ、例えばテニスのスイングを、コントローラを移動することで表現し、ゲームを行う仕様になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−211458号公報
【特許文献2】特開2007−241655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
モーションセンサで操作コマンドを実行することはユーザの直感的な操作が可能となる利点がある。
【0007】
しかし、大半のユーザには利き手があり、大雑把な操作は左右の手で相違はないが、詳細な操作では利き手で行わないと違和感がある。従来のモーションセンサ内蔵携帯電子機器では、その点を考慮していなかった。
【0008】
本発明の幾つかの態様では、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかに応じた適切な処理を実行できる携帯電子機器等を提供できる。
【0009】
また、本発明の幾つかの態様では、ユーザが把持している手によって、センサ情報に対する感度や機能、アルゴリズム処理の内容を変更し、ユーザにとって使いやすいインターフェース等を実現した携帯電子機器等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様では、センサからのセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と、前記センサ情報に基づいて、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行う判別部と、前記判別部による、ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかの判別結果に基づいて、前記携帯電子機器の処理の内容を変化させる処理を行う処理部と、を含む携帯電子機器に関係する。
【0011】
本発明の一態様では、センサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいてユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別する。そして判別結果に基づいて携帯電子機器の処理の内容を変化させる。これにより、利き手か否かによりセンサ感度等を変更できるため、ユーザにとって使いやすいインターフェース等を実現することができる。
【0012】
また、本発明の一態様では、移動距離情報算出部と画像を撮像する撮像部と、前記撮像部での画角を調整する画角調整部と、を含み、前記センサは、モーションセンサであり、前記センサ情報取得部は、前記モーションセンサからのモーション情報を前記センサ情報として取得し、前記移動距離情報算出部は、前記モーション情報に基づいて、前記モーションセンサの移動距離情報を算出し、前記画角調整部は、前記移動距離情報算出部により算出された前記移動距離情報に基づいて、前記撮像部での画角を調整してもよい。
【0013】
このようにすれば、モーションにより撮像部の画角調整(ズーム操作)を行うことができる携帯電子機器等を実現することができる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記モーションセンサにより感知されるモーションが、画角調整を指示するモーションであるか否かを判別するための感知閾値レベルを設定する感知閾値レベル設定部を含み、前記画角調整部は、前記移動距離情報により表される距離が前記感知閾値レベルよりも大きいと判断された場合には画角を調整し、前記移動距離情報により表される距離が前記感知閾値レベルよりも小さいと判断された場合には画角を非調整にしてもよい。
【0015】
このようにすれば、モーションが画角調整を指示するモーションであるか否かを判別するための、感知閾値レベルを設定することが可能になる。これにより、適切な感知閾値レベルを設定することで、ユーザによる意図的なモーションと、手ぶれやセンサのノイズ等による動きとを区別することができる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記感知閾値レベル設定部は、前記判別部によりユーザが携帯電子機器を利き手で把持していると判別された場合には、ユーザが携帯電子機器を非利き手で把持していると判別された場合に比べて、前記感知閾値レベルを低く設定してもよい。
【0017】
このようにすれば、利き手でのモーションは小さいものであっても画角調整を指示するモーションであると認識されやすくなり、また、非利き手でのモーションはある程度大きくないと画角調整を指示モーションであると認識されなくなる。従って、正確な動作が可能な利き手においては、ユーザにとって意図的な小さな動き(例えば微調整等)も画角調整を指示するモーションとして認識することが可能になる。それに対して、動作が不正確な非利き手においては、手ぶれ等のユーザの意図しない動きを、画角調整を指示するモーションではないと認識することが可能になる。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記画角調整部は、前記判別部によりユーザが携帯電子機器を利き手で把持していると判別された場合には、ユーザが携帯電子機器を非利き手で把持していると判別された場合に比べて、前記移動距離情報に対する画角調整量を大きくしてもよい。
【0019】
このようにすれば、同じモーションの大きさ(移動距離情報の大きさ)であっても、利き手によるモーションは非利き手によるモーションに比べて、ズーム量を大きくすることが可能になる。従って、正確な動作が可能な利き手においては、望遠(高いズーム倍率)が可能であるとともに、所定のズーム倍率に設定する際に移動距離が少なくてすむ。それに対して、動作が不正確な非利き手においては、移動距離情報により表される距離に対するズーム量を小さくすることで、ズーム量の微調整等を可能にし、操作を容易にすることができる。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記処理として第1の処理及び第2の処理を行い、前記第1の処理は、前記ユーザにより設定を変更される頻度が高いと設定された処理であり、前記第2の処理は、前記ユーザにより設定を変更される頻度が低いと設定された処理であり、前記処理部は、前記判別部により前記ユーザが前記携帯電子機器を利き手で把持していると判別された場合には、前記ユーザにより設定を変更される頻度が高い処理として設定された前記第1の処理を行うとともに、前記ユーザが前記携帯電子機器を非利き手で把持していると判別された場合には、前記ユーザにより設定を変更される頻度が低い処理として設定された前記第2の処理を行ってもよい。
【0021】
このようにすれば、利き手と非利き手に処理を振り分けることが可能になる。その際、頻繁に設定変更されるものは操作が容易な利き手に振り分けられ、さほど設定変更されないものは精密な動作が困難な非利き手に振り分けられるため、ユーザにとって使いやすいインターフェース等を実現できる。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記センサは、モーションセンサであり、前記センサ情報取得部は、前記モーションセンサからのモーション情報を前記センサ情報として取得し、前記判別部は、前記モーション情報に基づいて、前記ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行ってもよい。
【0023】
このようにすれば、モーションセンサのモーション情報に基づいて、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別することが可能になる。
【0024】
また、本発明の一態様では、前記判別部は、前記モーション情報に基づいて前記モーションセンサの移動の軌跡を算出し、算出した前記軌跡に基づいて前記ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行ってもよい。
【0025】
このようにすれば、モーションセンサのモーション情報から、モーションセンサの移動の軌跡を算出し、算出した軌跡に基づいて、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別することが可能になる。
【0026】
また、本発明の一態様では、前記センサは、タッチセンサであり、前記センサ情報取得部は、前記ユーザが携帯電子機器に触れているか否かを示すタッチ情報を、前記タッチセンサから前記センサ情報として取得し、前記判別部は、前記タッチ情報に基づいて、前記ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行ってもよい。
【0027】
このようにすれば、タッチセンサのタッチ情報に基づいて、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別することが可能になる。
【0028】
また、本発明の一態様では、前記センサは、ユーザを撮像する撮像センサであり、前記センサ情報取得部は、前記撮像センサが撮像したユーザ画像を、前記センサ情報として取得し、前記判別部は、前記ユーザ画像に基づいて、前記ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行ってもよい。
【0029】
このようにすれば、撮像センサが撮像したユーザ画像に基づいて、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態の携帯電子機器の構成例。
【図2】モーションセンサ(加速度センサ)の例。
【図3】携帯電子機器に内蔵されるモーションセンサの説明図。
【図4】モーションセンサを用いた処理を説明するためのフローチャート。
【図5】タッチセンサ或いは撮像センサを用いた処理を説明するためのフローチャート。
【図6】図6(A)は携帯電子機器を前に押し出す操作を右手で行った場合の軌跡の例、図6(B)は携帯電子機器を前に押し出す操作を左手で行った場合の軌跡の例。
【図7】図7(A)〜図7(C)は右手で操作を行った場合の加速度の例、図7(D)〜図7(F)は左手で操作を行った場合の加速度の例。
【図8】携帯電子機器の外側に設置されるタッチセンサの説明図。
【図9】ゲームコントローラの外側に設置されるタッチセンサの説明図。
【図10】撮像センサを有する携帯電子機器の例。
【図11】撮像センサによって撮像されるユーザ画像の例。
【図12】移動距離に対するズーム倍率の例。
【図13】モーションセンサを用いた処理を説明するための他のフローチャート。
【図14】タッチセンサ或いは撮像センサを用いた処理を説明するための他のフローチャート。
【図15】携帯電子機器の処理を右手と左手に振り分ける例。
【図16】本実施形態の処理を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0032】
1.第1の実施形態
【0033】
まず、本実施形態の手法について説明する。本実施形態においては、何らかのセンサ情報に基づいて、ユーザが携帯電子機器を右手で把持しているのか、左手で把持しているのかの判定を行う。そして、判定に基づいて、右手で把持している場合と左手で把持している場合とで処理の内容を変更する。
【0034】
右手か左手かの判別を行うために用いられるセンサとしては、モーションセンサ、タッチセンサ及び撮像センサ等が考えられる。なお、左右を判別するセンサはこれらに限定されるものではない。
【0035】
モーションセンサは、例えば加速度センサであり、携帯電子機器の移動における加速度を検出し、2回積分処理を行うことで移動の軌跡を算出し、算出した軌跡に基づいて左右の判別を行う。また、加速度の情報から直接左右の判別を行ってもよい。
【0036】
タッチセンサは、ユーザが携帯電子機器(厳密には携帯電子機器に設置されたタッチセンサ)に触れているか否かを検出する。右手把持部分に設置されたタッチセンサがタッチを検出したか、左手把持部分に設置されたタッチセンサがタッチを検出したかに応じて左右の判別を行う。
【0037】
撮像センサは、ユーザ(撮影者)を撮像し、ユーザ画像を取得する。これは具体的には例えば、後述する図11のような画像である。ユーザ画像からユーザの腕部分を検出し、検出した腕部分の位置等に基づいて左右の判別を行う。
【0038】
変更される処理の内容の具体例としては、センサ情報に対する感度を変更するケースが考えられる。例えばモーションセンサを用いる場合に、利き手で把持している場合には小さな動きまでモーションとして認識するのに対して、非利き手で把持している場合には、小さな動きは手ぶれ等であると判断してモーションとして認識しない。以上の例について第1の実施形態で詳細に説明する。
【0039】
また、携帯電子機器とユーザとの間の距離に基づいてズーム操作を行う(以下、適宜スマートズームと表記する)場合には、利き手か非利き手かによって、ズーム倍率を変更するケースが考えられる。例えば利き手で把持している場合には、ズーム倍率を大きく設定し小さな動きでもズーム変化量が大きくなるように設定するのに対して、非利き手で把持している場合には、ズーム倍率を小さく設定し、手ぶれによる動きや不正確なモーションがあったとしてもズーム変化量が小さくなるようにする。以上の例について第2の実施形態で詳細に説明する。
【0040】
また、後述する図15のように、同じモーションに対して、右手か左手かによって実行する処理を異ならせるケースが考えられる。以上の例について第3の実施形態で詳細に説明する。
【0041】
以下、第1の実施形態について図1〜図11を用いて説明する。本実施形態では、例として特許文献1のように撮像装置を光軸方向に移動することでズーム位置が変化する仕様の携帯電子機器(撮像装置)を考える。
【0042】
図1は、本実施形態に係る携帯電子機器(撮像装置)の概略的構成を説明するブロック図である。携帯電子機器は、撮像部115と、画像処理部130と、I/F部140と、記憶部150と、制御部160と、レンズ駆動モータ(AFモータ、ズームモータ)170と、画角調整部180と、センサ部200とを含んでいる。なお、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0043】
なお、図示していないが携帯電子機器には、背面液晶パネル等の表示装置やフラッシュ機構等の一般の撮像装置(例えばデジタルカメラ)に装備される機器が設けられていてもよい。
【0044】
撮像部115は、撮影レンズ110(光学系)と、撮像素子120(画像センサー)とを含んでいる。
【0045】
撮影レンズ110(光学系)は、CCDあるいはCMOSイメージセンサで構成される撮像素子120の撮像面上に被写体像を形成する焦点距離可変のズームレンズである。本明細書中では、撮像素子120は内部にCDS、A/D変換等の処理ブロックを有してディジタルの画像信号を出力可能なCMOSイメージセンサであるものとして説明をする。
【0046】
撮像素子120から出力されるディジタルの画像信号は、記憶部150に一時的に保管される。記憶部150は、画像処理部130が画像処理を行う際のバッファメモリとしても用いられるので、書き込み・読み出しの速度が速いことが望ましく、例えばDRAM、SRAM等で構成することが可能である。記憶部150へは、システムバスを介して撮像素子120、画像処理部130、制御部160がアクセス可能に構成される。記憶部150は、上述した構成要素からのメモリアクセス要求を調停する機能を有する。
【0047】
画像処理部130は、特定用途向けの集積回路(ASIC)等で構成することが可能である。この画像処理部130は、撮像素子120から出力されて記憶部150に一時的に保管されたディジタルの画像信号に同時化(デモザイク処理)、ホワイトバランス調整、階調・レベル補正、アンシャープマスク、シェーディング補正等の処理をしてディジタルの画像データを生成する。
【0048】
画像処理部130が画像記録処理を行う際には、画像処理部130によって生成された画像データが必要に応じてJPEG圧縮され、I/F部140を介して不図示の記憶媒体に記録される。この記憶媒体としては様々なものを用いることが可能である。一例として、記憶媒体はフラッシュメモリで、携帯電子機器に内蔵されるものであってもよいし、携帯電子機器に対して着脱可能に構成されるものであってもよい。
【0049】
制御部160は、携帯電子機器を動作させるための種々の処理を行う。特に、センサ部200に含まれるセンサからの情報を受信し、処理の内容を決定する。また、自動露光に係る測光、露光量演算等の一連の動作、フラッシュユニット用メインコンデンサの充電、フラッシュの発光量調節、撮影者による撮影モードの設定操作受付等の携帯電子機器の統括制御を行う。
【0050】
制御部160は、判別部162と、処理部164と、センサ情報取得部166と、移動距離情報算出部168と、感知閾値レベル設定部169とを備えている。なお、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0051】
判別部162は、センサ情報取得部166が取得したセンサ情報に基づいて、ユーザが携帯電子機器を右手で持っているのか、左手で持っているのかの判別を行う。
【0052】
処理部164は、判別部162での判別結果に基づいて、右手で持っているか左手で持っているかによって処理の内容を変更する。具体的な処理の内容については後述する。
【0053】
センサ情報取得部166は、センサ部200に含まれる少なくとも1つのセンサからの情報を取得する。例えば、センサがタッチセンサである場合にはユーザによりタッチされているか否かの情報を取得し、加速度センサである場合には加速度情報を取得する。
【0054】
移動距離情報算出部168は、後述するモーションセンサ201からセンサ情報取得部166が取得した加速度情報に基づいて、モーションセンサ201の移動の軌跡を算出し、算出した軌跡に基づいて移動距離情報を算出する。移動距離情報は画角調整部180に送られ、画角の調整に用いられる。
【0055】
感知閾値レベル設定部169は、感知閾値レベルを設定する。感知閾値レベルとは、モーションセンサの移動を、画角を調整するモーションとして認識するか否かの閾値を表すものである。移動距離情報により表される距離が感知閾値レベルより大きい場合は、撮像部115での画角を調整するモーションとして認識し、移動距離情報により表される距離が感知閾値レベルより小さい場合は、画角を調整するモーションとして認識しない。感知閾値レベル設定部169は、画角を調整するモーションが認識された場合には画角調整部180に対して画角の調整を指示し、モーションが認識されない場合には画角の調整を指示しない。
【0056】
レンズ駆動モータ170は、AFモータやズームモータから構成される。ズームモータは、適切な画角になるように撮影レンズ110の位置を調整する。また、AFモータは画角調整の終了後に、被写体に対して自動的にフォーカスをあわせるAF(オートフォーカス)を実行する。具体的にはズームモータと同様に撮影レンズ110の位置を調整する。
【0057】
画角調整部180は、撮像部115での画角調整を行う。具体的には、制御部160からの処理内容に関する情報及び移動距離情報を取得して、適切な画角を算出し、画角調整信号をレンズ駆動モータ170に出力して、撮像部115での画角調整を実行する。
【0058】
表示部190は、例えば液晶表示装置等であり、各種の画像を表示する。
【0059】
センサ部200は、少なくとも1つのセンサを含んでいる。本実施形態においてはモーションセンサ201を少なくとも含むものとするが、これに限定されるものではない。また、タッチセンサ203及び撮像センサ205等を含んでいてもよい。
【0060】
次に、センサ部200に含まれるモーションセンサ201について説明する。
【0061】
図2はモーションセンサ201の一例である加速度センサでの平面図である。
【0062】
この加速度センサは、X軸、Y軸及びZ軸方向の角速度を検出し、その検出した角速度に対応した電圧信号を出力するもので、ピエゾ抵抗RX1〜RX4、RY1〜RY4、RZ1〜RZ4を有している。尚、これらのピエゾ抵抗RX1〜RX4、RY1〜RY4、RZ1〜RZ4は、それぞれブリッジに構成されている。
【0063】
ここで、X軸方向からのみ加速度センサに加速度が加わった場合には、全てのピエゾ抵抗RX1〜RX4、RY1〜RY4、RZ1〜RZ4は引張応力を受け、ピエゾ抵抗RX1、RX3の抵抗値が減少し、他のピエゾ抵抗の抵抗値は増加する。これにより、X軸方向の加速度を検出するブリッジからのみ出力が得られ、Y軸方向、Z軸方向の加速度を検出するブリッジの出力は0となる。
【0064】
同様に、Y軸方向又はZ軸方向からのみ加速度が加わった場合には、Y軸方向又はZ軸方向の加速度を検出するブリッジの出力のみ得られ、他の2つのブリッジの出力は0となる。従って、この加速度センサは、3軸方向の加速度をそれぞれ独立して検出することができる。
【0065】
なお、モーションセンサは、加速度センサであっても、ジャイロセンサであっても、地磁気センサであっても、気圧、水圧等の圧力センサであっても、GPSや携帯電話、無線LAN、Bluetooth、PHS、RFID(無線タグ)等無線による位置検出センサであっても、画像処理による位置検出手段であっても、超音波や赤外線等のアクティブセンサであっても、複数の組合せであっても良い。
【0066】
図3は、図2のモーションセンサを携帯電子機器(撮像装置)に配置した模式図である。モーションセンサを携帯電子機器に必ずしも内蔵させる必要はないが、本実施例では一例として内蔵タイプとする。よって以下ではモーションセンサの移動と携帯電子機器の移動は同義である。なお、右手把持部分を210、左手把持部分を220としている。
【0067】
上記モーションセンサによって得られる各軸方向の加速度を示す電圧信号は制御部160に出力される。図3のモーションセンサの配置でz方向にある程度の加速度がある(移動距離情報が感知閾値レベル設定部169により設定された感知閾値レベルより大きい)と画角調整部180はズームを設定するモーションと判断し、画角の調整を開始する。
【0068】
図4は、本実施形態におけるズーム処理(スマートズーム)の詳細を示すフローチャートである。
【0069】
この処理が開始されると、まず携帯電子機器が移動しているかどうかの判定が行われる(S301)。移動していない場合は移動が検出されるまで待機する。移動している場合にはモーションセンサ(ここでは加速度センサを想定している)から、センサ情報として加速度情報を検出する(S302)。
【0070】
そして、加速度を積分することで速度を算出し(S303)、速度を積分することでモーションセンサの移動の軌跡を算出する(S304)。
【0071】
次に利き手で把持しているか否かの判定が行われる(S305)。判定にはS304で算出した軌跡の情報が用いられる。具体的な例を図6(A)、図6(B)に示す。図6(A)、図6(B)は携帯電子機器を体の正面に押し出すモーションを、右手と左手で行った場合の、移動の軌跡を示したものである。人間の関節の構造上、腕を伸ばす動作は、肘を支点とした回転の要素を含む。肘自体も肩を支点として移動するため、完全な回転運動にはならないものの、直進動作のみで腕を伸ばすことは困難である。よって携帯電子機器の軌跡は右手で行った場合には図6(A)のようになり、左手で行った場合には図6(B)のようになる。この違いを判別することで、右手か左手かを判定することができる。
【0072】
また、右手と左手の違いを加速度の観点から示したものが図7(A)〜図7(F)である。図7(A)〜図7(C)は右手でモーションを行った場合のx軸、y軸、z軸での加速度の変化の例であり、図7(D)〜図7(F)は左手でモーションを行った場合のx軸、y軸、z軸での加速度の変化の例である。図6(A)、図6(B)でも示したように、x軸方向での運動方向が逆になるため、右手では図7(A)に示したように負から正に変化するのに対し、左手では図7(D)に示したように正から負に変化する。この違いを判別することでも、右手か左手かを判定することができる。なお、y軸では理想的には加速度を検出しないが、実際の操作ではブレなどの影響である程度の加速度を持つことになる(図7(B)、図7(E))。
【0073】
利き手で把持されていると判定された場合には、感知閾値レベル設定部169は、感知閾値レベルを低く設定する(S306)。また、非利き手で把持されていると判定された場合には、感知閾値レベル設定部169は、感知閾値レベルを高く設定する(S307)。
【0074】
このように設定するのは、利き手での操作の場合は柔軟かつ正確な操作が可能になるため、比較的小さな動きであったとしても、ユーザによる意図的なモーションであると判定しても問題がなく、それに対し、非利き手での操作は、正確さに欠けるため、小さな動きはユーザの意図しないブレである可能性が高いためである。
【0075】
軌跡から求められた携帯電子機器の移動距離が、S306もしくはS307で設定した感知閾値レベルより大きいか否かの判定を行い(S308)、大きい場合には画角を調整し(S309)、そうでない場合には何も行わずに、処理を終了する。
【0076】
以上のフローチャートは1回のズーム操作に対応するものであり、再度ズーム操作が行われた場合には、再びS301から処理が開始される。
【0077】
なお、以上の説明において、利き手か否かの判別にはモーションセンサが用いられるものとしたが、これに限定されるものではない。
【0078】
例えば、利き手か否かの判別にタッチセンサ203を用いてもよい。図8は、モーションセンサ201及びタッチセンサ203を携帯電子機器に配置した模式図である。左手把持部220にタッチセンサ203が設置されており、左手でカメラを所持したかがわかる。また、右手把持部210にもタッチセンサ203を設置して、右手、左手、両手の持ち方をそれぞれ検出して、持ち方に応じてモーションセンサの感度(感知閾値レベル)を変更しても良い。
【0079】
図5は、利き手か否かの判別にタッチセンサ203を用いた場合の処理を説明するためのフローチャートである。モーションセンサによる判別との違いは、モーション(軌跡)の算出を行う前に、利き手か否かの判定を行える点である。
【0080】
この処理を開始すると、まず利き手で所持しているか否かの判定が行われる(S401)。具体的には右手把持部210に設置されたタッチセンサがタッチを検出したか、左手把持部220に設置されたタッチセンサがタッチを検出したかで判断を行う。
【0081】
利き手で把持されていると判定された場合には、感知閾値レベル設定部169は、感知閾値レベルを低く設定する(S402)。また、非利き手で把持されていると判定された場合には、感知閾値レベル設定部169は、感知閾値レベルを高く設定する(S403)。
【0082】
次に、携帯電子機器が移動しているかどうかの判定が行われる(S404)。移動していない場合は移動が検出されるまで待機する。移動している場合にはモーションセンサ(ここでは加速度センサを想定している)から、センサ情報として加速度情報を検出する(S405)。
【0083】
そして、加速度を積分することで速度を算出し(S406)、速度を積分することでモーションセンサの移動の軌跡を算出する(S407)。
【0084】
軌跡から求められた携帯電子機器の移動距離が、S402もしくはS403で設定した感知閾値レベルより大きいか否かの判定を行い(S408)、大きい場合には画角を調整し(S409)、そうでない場合には何も行わずに、処理を終了する。
【0085】
なお、タッチセンサによる左右の判別の応用例は、携帯電話や撮像装置(例えばデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等)に限定されるものではない。図9は、モーションセンサ内蔵のゲームコントローラに右手用タッチセンサを設置した例を示した図である。タッチセンサにより、右手でゲームコントローラを掴んだか左手で掴んだかを検出して、例えばテニスゲームをする際自動的に右手打ちあるいは左手打ちにすることが考えられる。なお、図示していないがタッチセンサを右手把持部と左手把持部の両方に設置しても良い。
【0086】
また、利き手か否かの判別には撮像センサ205が用いられてもよい。図10は、被写体側のカメラ(撮像部115)以外に撮像センサ205が搭載された携帯電子機器(例えば、カメラ内蔵携帯電話)である。撮像センサ205は、ユーザ画像を撮影し、判別部162はユーザ画像を分析して左右どちらの手で本体を所持しているかを検出する。
【0087】
図11は撮像センサ205で撮影したユーザ画像の例である。図11において、撮影者の腕をパターンマッチング等により認識することで、左右どちらの手で本体を所持しているかがわかる。なお、ユーザ画像には撮影者の腕が写っている必要があるため、広い範囲を撮像できる広角のカメラを使うことが望ましい。場合によっては魚眼レンズなどを用いてもよい。
【0088】
撮像センサの処理を説明するためのフローチャートについてはタッチセンサの場合と同様であり、図5に示す。タッチセンサを用いた場合との違いは、S401における利き手で所持しているか否かの判定方法であり、本実施形態においては、前述したように撮像センサ205により撮影したユーザ画像を用いる。
【0089】
具体的には、まず、ユーザ画像から人を抽出する。これは具体的には例えば、肌色認識から顔を認識し、顔の位置や大きさに基づいて他の部位(胴体、右腕、左腕等)の位置を推定していくことで実現できる。そこから左右の腕を抽出し、携帯電子機器があると推定される方向(図11の例でいえば画面下)に伸びている腕の方の手で携帯電子機器を把持していると判定すればよい。
【0090】
以上の本実施形態では、図1に示すように携帯電子機器は、センサ情報取得部166と、判別部162と、処理部164とを含む。センサ情報取得部166はセンサ情報を取得し、判別部162は、センサ情報に基づいてユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別する。そして処理部164は、判別部162での判別結果に基づいて処理の内容を変更する。図4の例でいえば、利き手で把持している場合には感知閾値レベルを低く設定する(S306)のに対し、非利き手で把持している場合には感知閾値レベルを高く設定する(S307)。
【0091】
これにより、センサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて判別を行い、判別に基づいて処理を変更する携帯電子機器を実現することが可能になる。よって、利き手か非利き手かに基づいてセンサ感度やズーム倍率等を変更することができるため、ユーザにとって使いやすいインターフェース等を実現することが可能になる。
【0092】
また本実施形態の携帯電子機器は、図1に示すように、撮像部115と、移動距離情報算出部168と、画角調整部180を含むことができる。移動距離情報算出部168は、センサ情報取得部166が図2に示すようなモーションセンサ201から取得したモーション情報に基づいて携帯電子機器の移動距離情報を算出する。そして、画角調整部180は、算出された移動距離情報に基づいて、図4のステップS309、図4のステップS409に示すように、撮像部115における画角を調整する。
【0093】
これにより、本実施形態の手法にスマートズームを組み合わせた携帯電子機器を実現することが可能になる。スマートズームにおける具体的なズーム操作方法は、図6(A)、図6(B)に示すように、携帯電子機器を前に押し出すモーションである。
【0094】
また本実施形態の携帯電子機器は、図1に示すように、感知閾値レベル設定部169を含むことができる。そして画角調整部180は、図4のS308、S309に示すように、移動距離情報算出部168により算出された移動距離情報が感知閾値レベルより大きい場合には画角調整を行い、移動距離情報が感知閾値レベルより小さい場合には画角調整を行わないように設定されてもよい。
【0095】
これにより、感知閾値レベル(モーションの閾値)を設定することが可能になる。携帯電子機器の移動が感知閾値レベルより大きい場合には、ユーザによる意図的なモーションであると判定するのに対して、携帯電子機器の移動が感知閾値レベルより小さい場合には、手ぶれやセンサのノイズ等であると判断し、モーションとして扱わない。
【0096】
また、感知閾値レベル設定部169は、図4のS305〜S307に示すように、判定部162により利き手で把持されている場合には感知閾値レベルを低く設定し、非利き手で把持されている場合には感知閾値レベルを高く設定してもよい。
【0097】
これにより、利き手で把持している場合には小さな動きであってもモーションであると判定することができる。これは、利き手では正確な動きを行うことが想定されるためである。また、非利き手で把持している場合には手ぶれが大きいことが想定されるため、小さな動きはモーションであると判定しない。
【0098】
また、センサ情報取得部166はモーションセンサ201からのモーション情報を取得する。そして判別部162は、モーション情報に基づいて右手か左手かの判別を行ってもよい。具体的には、モーションセンサの移動の軌跡を算出し、算出した軌跡に基づいて判別を行ってもよい。
【0099】
これにより、モーションセンサ201からの情報に基づいて右手か左手かの判別を行うことができる。具体的には図6(A)、図6(B)に示すように軌跡の違いを判別することになる。もしくは図7(A)〜図7(F)に示すように加速度の違いから判別してもよい。
【0100】
また、センサ情報取得部166はタッチセンサ203からのタッチ情報を取得してもよい。そして判別部162は、モーション情報に基づいて右手か左手かの判別を行ってもよい。ここでタッチ情報とは、ユーザが携帯電子機器(具体的には携帯電子機器に設置されたタッチセンサ203)に触れているか否かを表す情報である。
【0101】
これにより、タッチセンサ203からの情報に基づいて右手か左手かの判別を行うことができる。具体的には図8に示したように、右手把持部分及び左手把持部分にタッチセンサ203を設置することが考えられる。また、図9に示したようにゲームコントローラに設置することで右手か左手かの判別を行ってもよい。
【0102】
また、センサ情報取得部166は、図10に示したような、ユーザを撮影するユーザ撮影カメラ205によるユーザ画像を取得してもよい。そして判別部162は、ユーザ画像に基づいて右手か左手かの判別を行う。具体的には図11に示すように、取得したユーザ画像からユーザの腕の位置を判別することにより行う。
【0103】
これにより、ユーザ撮影カメラからの情報に基づいて右手か左手かの判別を行うことができる。
【0104】
2.第2の実施形態
【0105】
次に第2の実施形態について図12〜図14を用いて説明する。本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であり、利き手か否かの判定結果に基づく、処理内容の変更方法が異なる。
【0106】
図1は、本実施形態に係る携帯電子機器の概略的構成を説明するブロック図である。第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0107】
本実施形態においては、利き手か否かに応じて、スマートズームにおける画角調整量(ズーム倍率)を変更する。図12に画角調整量(ズーム量)の例を示す。利き手によるモーションの場合には、微妙な操作が可能であるため、移動距離に対する画角調整量を大きくしてよい。図12の例でいえば、50cmの移動に対して最大ズーム量である10倍のズームがされる。
【0108】
それに対して、非利き手によるモーションの場合には、細かい操作はうまくできないと考えられる。そのため、移動距離に対する画角調整量を小さくすることで、ズーム操作(例えば細かい調整等)を容易にする。図12の例でいえば、左手では50cmの移動に対して5倍のズームしかされない。
【0109】
図13は左右の判別をモーションセンサで行う場合の、本実施形態の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0110】
この処理におけるS501〜S505は図4のS301〜S305と同様であるため、詳細な説明は省略する。S505において、利き手で所持されていると判別された場合には、ズーム倍率(画角調整量)を大きく設定し(S506)、非利き手で所持されていると判別された場合には、ズーム倍率を小さく設定する(S507)。そして、S504で求められた軌跡に基づく移動距離情報及びS506或いはS507で求められたズーム倍率により、画角が調整される(S509)。
【0111】
なお、本実施形態においても、利き手か否かの判別にタッチセンサ203や撮像センサ205を用いてもよい。また、利き手か否かの判別が可能なその他のセンサを用いてもよい。
【0112】
図14は、タッチセンサ203或いは撮像センサ205を用いた場合の処理の詳細を示すフローチャートである。図4に対する図5と同様に、モーションが行われる前に利き手か否かの判別が可能な点以外は前述した図13と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0113】
以上の本実施形態では、図1の画角調整部180は、図13のS505〜S507に示したように、利き手で把持されている場合には移動距離情報に対する画角調整量を大きくし、非利き手で把持されている場合には移動距離情報に対する画角調整量を小さくする。
【0114】
これにより、図12に示すように、利き手か否かに基づいて画角調整量(ズーム倍率)を変更することが可能になる。具体的には利き手では正確な動きを行うことができるため、移動距離に対するズーム量を大きくしてもよく、さらに具体的には例えば腕を最大限伸ばしたときに最大倍率を実現できる。また、非利き手では手ぶれ等による影響が大きくなるため、移動距離に対するズーム量を小さく設定する。
【0115】
3.第3の実施形態
【0116】
次に第3の実施形態について図15、図16を用いて説明する。本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であり利き手か否かの判定の結果に基づく処理内容の変更方法が異なる。
【0117】
図1は、本実施形態に係る携帯電子機器の概略的構成を説明するブロック図である。第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0118】
本実施形態では、携帯電子機器の操作を右手と左手に振り分けて設定する。具体的な操作の振り分けの例を図15に示す。なお、以下の例では右手を利き手とする。
【0119】
図15の例では、モーション1が右手で行われた場合にはズーム操作を行い、左手で行われた場合にはISO感度の調整を行う。また、モーション2が右手で行われた場合にはデータの送信を行い、左手で行われた場合には、ホワイトバランスの調整を行う。
【0120】
このようにすることで、同一のモーションであっても、右手で行われたか左手で行われたかによって、異なる処理を行うことが可能になる。そのため、少ないモーションの種類で、多くの種類の処理を行うことができる。
【0121】
この際には、ユーザにより設定が変更される頻度が多い操作を利き手に振り分けるとよい。こうすることで、頻繁に行われる操作を、ユーザにとって自然で容易なモーションにより実現することが可能になる。また、データの送信等、誤って操作してしまうことが好ましくない操作に関しても、利き手に振り分けるとよい。こうすることで、誤操作の危険性を抑えることができる。
【0122】
図16は本実施形態の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0123】
この処理におけるS701〜S704は図4のS301〜S304と同様であるため、詳細な説明は省略する。S705において、S704で算出された軌跡がモーション1であるか否かの判別を行う。モーション1であると判別された場合には、利き手で把持しているかの判別が行われ(S706)、利き手の場合はズーム操作を行い(S707)、非利き手の場合はISO感度の調整を行う(S708)。
【0124】
また、モーション1でなかった場合には、モーション2であるかの判別が行われる(S709)。モーション2であると判別された場合には、利き手で把持しているかの判別が行われ(S710)、利き手の場合はデータの送信を行い(S711)、非利き手の場合はWBの調整を行う(S712)。
【0125】
モーション1でもモーション2でもなかった場合には、不正なモーションであると判定し(S713)、何もせずに終了する。或いは、モーションが不正である旨をユーザに通知してもよい。
【0126】
以上の説明では、モーションは2つとしたが、これに限定されるものではない。
【0127】
また、以上の説明では、第1、第2の実施形態と同様に、利き手か否かの判別には、モーションセンサ201、タッチセンサ203及び撮像センサ205のどれを用いてもよく、また、これ以外のセンサを用いてもよい。
【0128】
ただし、モーションセンサ201は、モーションがモーション1かモーション2かの判別にも用いられる。そのため、利き手によるモーション1、非利き手によるモーション1、利き手によるモーション2、非利き手によるモーション2、といったように、それぞれのモーションについて利き手か否かの判別が可能である必要がある。腕を伸ばす動作については第1の実施形態で前述したように、左右の判別が可能であるが、モーションによっては左右の判別が困難なケースもあり得る。そのような場合には、左右の判別にはタッチセンサ203や撮像センサ205等、他のセンサを用いることが考えられる。
【0129】
以上の本実施形態では、図1の処理部164の行う処理は第1の処理と第2の処理があり、第1の処理はユーザにより設定を変更される頻度が高い処理であり、第2の処理はユーザにより設定を変更される頻度が低い処理である。そして処理部164は、判別部162により利き手で把持していると判別された場合には設定変更頻度が高い第1の処理を行い、非利き手で把持していると判別された場合には設定変更頻度が低い第2の処理を行う。図15の例においては、ズーム操作が第1の処理に相当し、ISO感度調整が第2の操作に相当する。
【0130】
これにより、設定変更頻度が高い処理は利き手によるモーションにより実行され、設定変更頻度が低い処理は非利き手によるモーションにより実行される。よって、頻繁に行われる処理は利き手によりモーションで実行することが可能になるため、ユーザにとって自然で容易なモーションが多く行われる。そのため、ユーザにとって使いやすいインターフェース等を実現することができる。具体的には図15のように操作を振り分けることが考えられる。
【0131】
以上、本発明を適用した3つの実施形態1〜3及びその変形例について説明したが、本発明は、各実施形態1〜3やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記した各実施形態1〜3や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施形態1〜3や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【0132】
また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(例えば、画角調整量)と共に記載された用語(例えば、ズーム量)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0133】
110 撮影レンズ、115 撮像部、120 撮像素子、130 画像処理部、
140 I/F部、150 記憶部、160 制御部、162 判別部、
164 処理部、166 センサ情報取得部、168 移動距離情報算出部、
169 感知閾値レベル設定部、170 レンズ駆動モータ、180 画角調整部、
190 表示部、200 センサ部、201 モーションセンサ、
203 タッチセンサ、205 撮像センサ、210 右手把持部、220 左手把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサからのセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と、
前記センサ情報に基づいて、ユーザが左右どちらの手で携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行う判別部と、
前記判別部による、ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかの判別結果に基づいて、前記携帯電子機器の処理の内容を変化させる処理を行う処理部と、
を含むことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
請求項1において、
移動距離情報算出部と、
画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部での画角を調整する画角調整部と、
を含み、
前記センサは、モーションセンサであり、
前記センサ情報取得部は、
前記モーションセンサからのモーション情報を前記センサ情報として取得し、
前記移動距離情報算出部は、
前記モーション情報に基づいて、前記モーションセンサの移動距離情報を算出し、
前記画角調整部は、
前記移動距離情報算出部により算出された前記移動距離情報に基づいて、前記撮像部での画角を調整することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項3】
請求項2において、
前記モーションセンサにより感知されるモーションが、画角調整を指示するモーションであるか否かを判別するための感知閾値レベルを設定する感知閾値レベル設定部を含み、
前記画角調整部は、
前記移動距離情報により表される距離が前記感知閾値レベルよりも大きいと判断された場合には画角を調整し、前記移動距離情報により表される距離が前記感知閾値レベルよりも小さいと判断された場合には画角を非調整にすることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項4】
請求項3において、
前記感知閾値レベル設定部は、
前記判別部によりユーザが携帯電子機器を利き手で把持していると判別された場合には、ユーザが携帯電子機器を非利き手で把持していると判別された場合に比べて、前記感知閾値レベルを低く設定することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかにおいて、
前記画角調整部は、
前記判別部によりユーザが携帯電子機器を利き手で把持していると判別された場合には、ユーザが携帯電子機器を非利き手で把持していると判別された場合に比べて、前記移動距離情報に対する画角調整量を大きくすることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記処理として第1の処理及び第2の処理を行い、
前記第1の処理は、前記ユーザにより設定を変更される頻度が高いと設定された処理であり、
前記第2の処理は、前記ユーザにより設定を変更される頻度が低いと設定された処理であり、
前記処理部は、
前記判別部により前記ユーザが前記携帯電子機器を利き手で把持していると判別された場合には、前記ユーザにより設定を変更される頻度が高い処理として設定された前記第1の処理を行うとともに、前記ユーザが前記携帯電子機器を非利き手で把持していると判別された場合には、前記ユーザにより設定を変更される頻度が低い処理として設定された前記第2の処理を行うことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記センサは、モーションセンサであり、
前記センサ情報取得部は、
前記モーションセンサからのモーション情報を前記センサ情報として取得し、
前記判別部は、
前記モーション情報に基づいて、前記ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行うことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項8】
請求項7において、
前記判別部は、
前記モーション情報に基づいて前記モーションセンサの移動の軌跡を算出し、算出した前記軌跡に基づいて前記ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行うことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記センサは、タッチセンサであり、
前記センサ情報取得部は、
前記ユーザが携帯電子機器に触れているか否かを示すタッチ情報を、前記タッチセンサから前記センサ情報として取得し、
前記判別部は、
前記タッチ情報に基づいて、前記ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行うことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項10】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記センサは、ユーザを撮像する撮像センサであり、
前記センサ情報取得部は、
前記撮像センサが撮像したユーザ画像を、前記センサ情報として取得し、
前記判別部は、
前記ユーザ画像に基づいて、前記ユーザが左右どちらの手で前記携帯電子機器を把持しているかを判別する処理を行うことを特徴とする携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−188345(P2011−188345A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52990(P2010−52990)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】