説明

摺動用シートおよび滑り支持装置

【課題】 主として橋梁や免震装置等の滑り支持装置に用いられる摺動用シートにおいて、潤滑剤を保持するディンプルを、バリや盛り上がり現象が発生せず、かつディンプルの強度を低下させることなく形成する。
【解決手段】 摺動用シート1は、配合材を配合したフッ素樹脂組成物のビレットからスカイブ加工によって形成したシートの摺動面1aに塑性変形により形成された複数のディンプル2を備える。シートの摺動面1aおよび反摺動面1bに配合材が露出している。配合材は、鉄よりも硬度が低い非鉄金属、ガラス繊維、カーボン繊維、黒鉛、熱硬化性樹脂粉末のうちのいずれか1種または2種以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、滑り工法の橋梁や、その他一般の摺動部に使用される摺動用シートおよび滑り支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁において、橋桁の一本当たりの長さが長いと、例えば300m以上あると、コンクリートの打設後の乾燥に伴う収縮が大きいため、水平力を吸収させる必要がある。そのため、滑り支沓にフッ素樹脂製の摺動用シートを接着し、滑り支沓上に橋桁を載せて支持する滑り工法が採られることがある。昼夜や季節による温度差に伴う橋桁の収縮に際しても、このような滑り工法が好ましい。
【0003】
しかし、コンクリートが乾き始めたときに、橋桁と滑り支沓の間で滑るべきものが、初期抵抗が大きくて作動しないことがある。このため、潤滑剤で解決しているが、屋外での使用環境となるため、潤滑剤の流出が生じメンテナンスに手間がかかる。
【0004】
橋梁に限らず、種々の構造物や工作物においても、摺動用シートを用いた滑り構造が採られているが、これらの滑り構造においても、長期間の使用においては潤滑剤の流出による摺動特性の低下が避けられない。
【0005】
潤滑剤の流出を防止するため、摺動用シートにディンプルを形成して潤滑剤を保持する技術がある(特許文献1)。従来の潤滑剤保持溝付き摺動用シートにおいては、ディンプルを切削加工で形成していた。摺動用シートのディンプルを切削加工で形成するためには、摺動用シートをフライス盤等のテーブル上に両面テープまたは吸引によって張り付けてエンドミル等の切削工具を用いて切削する。
【0006】
【特許文献1】特開2001−65196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、切削加工でディンプルを形成した場合、ディンプルの口元にバリが形成されるため、カッター等を用いて手作業でバリ取り作業を行う必要がある。また、摺動用シートには、面圧向上材、クリープ防止材等の充填材が配合されているため、エンドミル等の切削工具の切削力が短時間で低下するという問題がある。切削力の低下したエンドミル等を使用した場合、ディンプルの口元が盛り上がる現象が生じ、手直しが必要となる。
【0008】
摺動用シートに無数の貫通穴を形成することも考えられるが、貫通穴であると接着ベースとの接触部が直角になるため、摩耗粉の排出が困難であり、また、穴底から潤滑剤が接着ベースとの間に染み出す恐れがあり、摺動用シートの剥がれが懸念される。
【0009】
また、摺動用シートにディンプルを切削加工で形成した場合や貫通穴を形成した場合では、ディンプルの強度が低くなるため、施工現場での取扱いに注意をしないと、破れ等の破損が生じる恐れがある。
【0010】
この発明の目的は、潤滑剤を保持するディンプルを、バリや盛り上がり現象が発生せず、かつディンプルの強度を低下させることなく形成できて、むらのない潤滑による良好な滑り案内が行える摺動用シートおよび滑り支持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明は、配合材を配合したフッ素樹脂組成物製の摺動用シートにおいて、次の構成とした。すなわち、本発明の摺動用シートは、ビレットからスカイブ加工によって形成したシートの摺動面に塑性変形により形成された複数のディンプルを備えており、摺動面および反摺動面に前記配合材が露出していることを特徴とする。
【0012】
本発明の摺動用シートの構成によれば、摺動面に複数のディンプルを備えているため、これらディンプルに潤滑剤を長期間保持することができ、摺動特性の低下が生じない。前記ディンプルは塑性変形により形成されたものであるため、ディンプルの口元にバリや盛り上がりが生じず、バリ取り作業や盛り上がり部分の手直し作業を行う必要がない。ディンプルの薄くなった部分でも、削り取って薄くなったのではなく、圧縮されて薄くしてあるため、強度低下が無い。このため、施工現場で取扱いに注意する必要がない。
また、摺動面および反摺動面に配合材が露出しているため、配合材と樹脂との界面にミクロの隙間が形成される部分が生まれる。摺動面に生まれるミクロの隙間は潤滑剤の保持に有効に作用し、反摺動面に生まれるミクロの隙間は潤滑剤のアンカー効果をもたらすことで接着力向上に作用する。
【0013】
この発明の摺動用シートにおいては、厚みが0.5mm〜3.0mmであり、前記ディンプルの深さが前記厚みの0.1倍〜0.4倍であるのが良い。
摺動用シートの厚みおよびディンプルの深さを上記範囲内とすると、ディンプルに潤滑剤を十分に保持させることができる。
【0014】
この発明の摺動用シートにおいては、前記各ディンプルによる総開口面積が、該各ディンプルが形成された表面の総面積の20%〜60%を占めるのが良い。
各ディンプルが形成された表面すなわち摺動面の総面積に対する、各ディンプルによる総開口面積の占有比率を上記範囲内とすると、潤滑剤が摺動面に行き渡ることが可能であり、また、摺動用シートがクリープ変形することがない。
【0015】
この発明の摺動用シートにおいては、前記ディンプル一つ当たりの開口面積が4平方ミリメートル〜25平方ミリメートルであるのが良い。
ディンプル一つ当たりの開口面積を上記範囲内とすると、容易に塑性変形が可能であり、摺動用シートの製造時間や製造コストが大きくならない。
【0016】
この発明の摺動用シートにおいては、前記配合材は、鉄よりも硬度が低い非鉄金属、ガラス繊維、カーボン繊維、黒鉛、熱硬化性樹脂粉末のうちのいずれか1種または2種以上であるのが良い。
配合材として上記素材を用いると、摺動用シートの強度を効率的に改善することができる。
【0017】
この発明の滑り支持装置は、支持構造体の支承部の上面に摺動用シートを設け、被支持構造体の被支承部を前記摺動用シート上に載置し、摺動用シートと被支承部との間に潤滑剤を介在させた滑り支持装置において、前記摺動用シートに、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の摺動用シートを用い、この摺動用シートの反摺動面を前記支承部の上面に接着剤で接着したものである。
支持構造体の支承部の上面に設ける摺動用シートに、この発明の摺動用シートを用い、摺動用シートと被支承部との間に潤滑剤を介在させることにより、被支持構造体に対してむらのない潤滑による良好な滑り案内が行える。
【発明の効果】
【0018】
この発明の摺動用シートは、配合材を配合したフッ素樹脂組成物製の摺動用シートであり、ビレットからスカイブ加工によって形成したシートの摺動面に塑性変形により形成された複数のディンプルを備えており、摺動面および反摺動面に前記配合材が露出しているため、潤滑剤を保持するディンプルを、バリや盛り上がり現象が発生せず、かつディンプルの強度を低下させることなく形成することができて、むらのない潤滑による良好な滑り案内が行える。
【0019】
この発明の滑り支持装置は、この発明の摺動用シートを用いたものであるため、むらのない潤滑による良好な滑り案内が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
この発明の一実施形態を図1と共に説明する。この摺動用シート1は、主成分であるフッ素樹脂に配合材を配合したフッ素樹脂組成物製のシートであって、摺動面となる側の面1aに、平面視矩形状をした多数のディンプル2が形成されている。各ディンプル2は、その矩形の対角方向が滑り案内対象物の滑り案内方向Xと平行であり、かつ滑り案内方向Xに対して千鳥状に配置されている。
【0021】
ディンプル2の深さdはシートの厚みtの0.1倍〜0.4倍(即ち、d=0.1×t〜0.4×t)とし、ディンプル2一つ当たりの開口面積は4平方ミリメートル〜25平方ミリメートルとし、ディンプル2の側壁の摺動面1aに対する傾斜角度θは10°〜40°とし、また各ディンプル2による総開口面積が摺動面1aの総面積の20%〜60%を占めるようにする。
【0022】
この実施形態の場合、フッ素樹脂をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とし、これに配合材として、鉄よりも硬度の低い非鉄金属、ガラス繊維、カーボン繊維、黒鉛、熱硬化性樹脂粉末のうちのいずれか1種または2種以上が配合されている。
【0023】
フッ素樹脂をPTFEとしているのは、PTFEが、各種合成樹脂の中で摩擦係数が低く、耐熱性やコスト面でも優れているからである。また、配合材として上記材料を用いるのは、各材料が下記の特徴を有するからである。
鉄よりも硬度の低い非鉄金属(銅、アルミニウム、すず等、またはそれらの合金)は、材料費が安く、加工し易い(上述のように、塑性変形や研削加工するので、加工を容易に行えることは重要である)。
ガラス繊維は、黒鉛あるいは熱硬化性樹脂粉末と併用することで、低摩擦係数特性と耐摩耗性、耐クリープ性を備えることが可能となる。
カーボン繊維は、それ自体が低摩擦係数特性と耐摩耗性、耐クリープ性を備えているが、黒鉛あるいは熱硬化性樹脂粉末をさらに配合することで、低摩擦係数特性と耐摩耗性、耐クリープ性がさらに向上する。
【0024】
フッ素樹脂組成物全体に占める配合材の比率は、重量比で5〜60%の範囲であることが好ましい。5%未満であると、強度(例えば、クリープ面での強度)や耐摩耗性を大きく向上させることができないからであり、60%を超えると、PTFEの有する低摩擦係数特性が損なわれるからである。
【0025】
この摺動用シート1の製造方法について説明する。
まず、上記組成からなるフッ素樹脂組成物を圧縮成形することで得られる円柱状の成形体(ビレット)をスカイブ加工してシート状に形成する。シートの厚みtは、0.5mm〜3.0mmとする。厚みtが0.5mm未満であると、薄過ぎて厚みを均一に製造し難く、厚みtが3.0mmを超えると、摺動用シート1に使用する材料の量が多くなって製造コストが高くなったり、スカイブ加工後のシートに生じたうねりを除去し難くなって、当該シートを摺動面1aが波打たないように滑り支持装置等の滑り案内部に接着させたり、反摺動面(摺動面1aとは反対側の面)1bを接着ムラ無く前記滑り案内部に接着させることができなくなるからである。
【0026】
次いで、上記シートをガラス転移点より高く、融点より低い温度に加熱した後、当該シートの一方の表面(摺動面1a)を金型により所定圧力で押圧して、塑性変形によりディンプル2を形成する。前述したように、ディンプル2は平面視矩形状で、千鳥状に配置される。
【0027】
上記ディンプル形成加工において、加熱温度が高い場合には、金型の押圧圧力は低くても良く、加熱温度が低い場合には、金型の押圧圧力を高くしなければならない。具体的には、加熱温度は130℃(ガラス転移点)〜327℃(融点)の範囲であり、押圧圧力は9MPa〜63MPaの範囲である。加熱温度が130℃の場合、押圧圧力は63MPa必要であり、加熱温度が327℃の場合、押圧圧力は9MPaで良い。
【0028】
このようにして得られた摺動用シート1は、反摺動面(摺動面1aとは反対側の面)1bが適宜薬品処理され、適宜接着剤を用いて、滑り支持装置等の滑り案内部に接着等により取り付けられる。
【0029】
ディンプル2の深さdをシートの厚みtの0.1倍〜0.4倍とする理由は、ディンプルの深さdが厚みtの0.1倍未満であると、塑性変形によりディンプル2を形成し難く、ディンプル2の深さdがシートの厚みtの0.4倍を超えると、塑性変形させるための加工時間が長くなって加工(生産)効率が低下するからである。
したがって、シートの厚みtおよびディンプル2の深さdはそれぞれ上記範囲とすることで、厚みtが均一の摺動用シート1を容易に、かつコストを抑えつつ製造することができるとともに、ディンプル2による潤滑油の最低限の保持量を確保しつつ、ディンプル形成の容易化や効率化を図ることができる。また、摺動用シート1の滑り支持装置等の滑り案内部への取付(接着)の容易化や効率化を図ることもできる。
【0030】
ディンプル2一つ当たりの開口面積を4平方ミリメートル〜25平方ミリメートルとしているのは、開口面積が4平方ミリメートル未満であると、ディンプル2の数を多くしなければならなくなるため、塑性変形させるのに必要な金型の製造コストが上昇して当該摺動シートのコスト上昇を招き、開口面積が25平方ミリメートルを超えると、開口面積が広くなり過ぎて、滑り案内部の表面と摺動用シート1の摺動面1aとの間に潤滑油を供給し難くなるという問題が生じるからである。
したがって、開口面積を上記範囲内とすることで、塑性変形させるのに必要な金型の製造コストを安くして摺動用シート1のコスト上昇を抑えることができるとともに、滑り案内部の表面と摺動用シート1の摺動面1aとの間に潤滑油を十分に供給して、滑り案内対象物を円滑に移動させることができる。
【0031】
ディンプル2の側壁の摺動面1aに対する傾斜角度θを10°〜40°とするのは、傾斜角度θが10°未満であると、塑性変形によりディンプル2を形成し難く、傾斜角度θが40°を超えると、滑り案内対象物の移動に伴うくさび作用が得られ難くなって当該くさび作用により生じる油膜圧力が十分に得られなかったり、ディンプル2内に保持された潤滑油の排出性が悪くなって、摺動面1aと滑り案内部の表面との間に潤滑油を十分に供給することができず、滑り案内対象物を円滑に移動させることができなくなるからである。
したがって、傾斜角度θを上記範囲内とすることで、ディンプル形成の容易化を図ることができ、また、くさび作用による油膜圧力を十分に生じさせたり、ディンプル2内に保持された潤滑油の排出性を良好にして摺動面1aと滑り案内部の表面との間に潤滑油を十分に供給することができ、滑り案内対象物を円滑に移動させることができる。なお、前記摺動面1aとディンプル2の側壁(傾斜面)とは、潤滑油の排出性の低下を防止するために、角張っているのではなく、曲面で滑らかに接続されている方が好ましい。
【0032】
各ディンプル2による総開口面積が摺動面1aの総面積の20〜60%を占めるようにしているのは、ディンプル2の総開口面積が20%未満であると、摺動面1aと滑り案内部の表面との間に潤滑油を十分に供給することができず、滑り案内対象物を円滑に移動させることができないという問題を生じ、ディンプル2の総開口面積が60%を超えると、強度が低下してクリープが生じ易くなり、また、クリープ変形によって案内精度が低下するからである。
したがって、ディンプル2の総開口面積を上記範囲とすることで、摺動面1aと滑り案内部の表面との間に潤滑油を十分に供給して滑り案内対象物を円滑に移動させることができるとともに、クリープを生じ難くして案内精度の低下を防止することができる。
【0033】
ディンプル2の形状を矩形状としているのは、塑性変形させるのに必要な金型の加工容易化を図って当該金型の製造コストを抑え、摺動用シート1のコストを抑えるためである。
【0034】
上述のように、この実施形態の摺動用シート1は、塑性変形による複数のディンプル2を形成したものであることから、ディンプル2を効率的に形成することができるともに、ディンプル2の形状を同一にすることができ、これにより、摺動用シート1を、生産性に優れ、低コストなものにすることができるとともに、ディンプル2による潤滑油の保持量を均一にして摺動面1aと滑り案内部の表面との間への潤滑油の供給をむら無く行わせ、良好な案内精度を得ることができるものである。
【0035】
図2は、上記摺動用シート1を橋梁の滑り支持装置に適用した例を示す。この橋梁は、両端の橋台4,4間に架け渡した橋桁3の中間における複数箇所を橋脚5で支持したものであり、各橋脚5の上端と橋桁3との間に、滑り支持装置6が設けられている。滑り支持装置6は、支持構造体である橋脚5の天端面に滑り支沓となる複数の橋梁支承部7を設け、各橋梁支承部7の上に被支持構造体である橋桁3の下面に設けられた被支承部8を載置したものである。前記橋梁使用部7の上面に、摺動用シート1を接着剤で接着してある。この橋梁の場合、滑り案内対象物は被支承部8を含む橋桁3であり、滑り支持装置6の滑り案内部は橋梁支承部7である。摺動用シート1は、滑り案内方向Xが橋桁3の長手方向(矢印の方向)を向くように接着される。
【0036】
図2の橋梁において、滑り支持装置6に摺動用シート1を設けない場合、橋桁3のコンクリートが打設後に乾くと、長手方向に大きく収縮する。このとき、収縮方向と同方向の滑り抵抗は、図3(A)に示すように、起動時に大きなピーク抵抗Pが生じる。これに対し、摺動用シート1を設けた場合は、図3(B)のようにピーク抵抗が無くなり、摩擦抵抗の安定によって設計通りの橋桁3の収縮が円滑に行われる。また、摺動用シート1が設けられていると、昼夜や季節による温度差に伴う橋桁3の伸縮にも良好に対応することができる。
なお、この発明にかかる摺動用シート1は、橋梁の滑り支持装置6以外に、例えば免震装置等の滑り支持装置や、その他一般の摺動部にも適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(A)この発明の一実施形態にかかる摺動用シートの平面図、(B)はIB部の詳細図、(C)はIC―IC断面図である。
【図2】(A)は同摺動用シートを用いた橋梁の側面図、(B)はその橋脚の斜視図、(C)はその橋脚滑り支持装置の斜視図である。
【図3】(A)は同摺動用シートを橋梁の滑り支持装置に設けない場合の摩擦抵抗値を示すグラフ、(B)は同摺動用シートを橋梁の滑り支持装置に設けた場合の摩擦抵抗値を示すグラフである。
【符号の説明】
【0038】
1…摺動用シート
1a…摺動面
1b…反摺動面
2…ディンプル
3…橋桁(被支持構造体)
4…橋台
5…橋脚(支持構造体)
6…滑り支持装置
7…橋梁支承部
8…被支承部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配合材を配合したフッ素樹脂組成物製の摺動用シートにおいて、
ビレットからスカイブ加工によって形成したシートの摺動面に塑性変形により形成された複数のディンプルを備えており、摺動面および反摺動面に前記配合材が露出していることを特徴とする摺動用シート。
【請求項2】
厚みが0.5mm〜3.0mmであり、前記ディンプルの深さが前記厚みの0.1倍〜0.4倍である請求項1記載の摺動用シート。
【請求項3】
前記各ディンプルによる総開口面積が、該各ディンプルが形成された表面の総面積の20%〜60%を占める請求項1または2記載の摺動用シート。
【請求項4】
前記ディンプル一つ当たりの開口面積が4平方ミリメートル〜25平方ミリメートルである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の摺動用シート。
【請求項5】
前記配合材は、鉄よりも硬度が低い非鉄金属、ガラス繊維、カーボン繊維、黒鉛、熱硬化性樹脂粉末のうちのいずれか1種または2種以上である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の摺動用シート。
【請求項6】
支持構造体の支承部の上面に摺動用シートを設け、被支持構造体の被支承部を前記摺動用シート上に載置し、摺動用シートと被支承部との間に潤滑剤を介在させた滑り支持装置において、前記摺動用シートに、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の摺動用シートを用い、この摺動用シートの反摺動面を前記支承部の上面に接着剤で接着した滑り支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−211405(P2007−211405A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29417(P2006−29417)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】