説明

撥水性シリコーンエラストマー粉末を含む、ファンデーション組成物

化粧用ファンデーション組成物であって、(a)100重量部の球状シリコーンエラストマー粒子と、球状シリコーンエラストマー粒子を被覆するための0.5〜25重量部のポリオルガノシルセキオキサンとを含む、約0.1重量%〜約85重量%の撥水性シリコーンエラストマー粉末であって、撥水性シリコーンエラストマー粉末は、分散することなく水に浮き、少なくとも1μmの平均粒径を有し、かつタイプAデュロメーター硬度が、約10〜約80と測定される硬度を有する、撥水性シリコーンエラストマー粉末、及び(b)組成物の約0.1重量%〜約99.8重量%の粉末構成成分を含む、好適なキャリア、を含む、化粧用ファンデーション組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥水性シリコーンエラストマー粉末を含む、ファンデーション組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション組成物は、顔及び体のその他の部分に適用して肌の色調及びきめを均一にして、毛穴、欠陥、小じわなどを隠すことができる。ファンデーション組成物はまた、皮膚に潤いを与え、皮膚の油分を整え、そして日光、風、及びその他の環境要因の悪影響から皮膚を守るためにも適用される。
【0003】
ファンデーション組成物は、一般に、液体又はクリーム懸濁液、エマルション、ゲル、固形パウダー、ルースパウダー又は無水油及びろう組成物の形態で入手可能である。エマルション型ファンデーションは、組み込まれた水及び水溶性皮膚処置剤によって潤い効果を提供する点で好適である。一方、より多い量及び種類の粉末及び色素を、固形パウダー及びルースパウダー内に配合することができる。
【0004】
近年、要求の厳しい消費者は、ファンデーションに、適用の際の良好な感触と、並びに肌に対する良好なカバー性及び自然な外見の両方を有する理想的な外見と、をもたらす機能を求めている。シリコーンエラストマーなどの球状で半透明の粉末は、その形状と透光性に由来する光拡散効果により、外見の自然さを改善し、また良好ななめらかな感触を提供することができる。これらの材料は、ファンデーション組成物に非常に有用である一方で、塗りなどの他の利益をもたらす粉末構成成分及びの機能を損なう場合があることから、高濃度で配合することは容易ではない。同様に、リキッドファンデーションからルースパウダーまで、幅広い種類のファンデーション組成物に配合することのできる、シリコーンエラストマーも必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のことから、外見の自然さと良好ななめらかな感触は維持しながらも、改善された塗りの利益を提供するファンデーション組成物が必要とされている。
【0006】
既存の技術には、本発明の利点及び利益の全てを提供するものは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、化粧用ファンデーション組成物であって、
(a)100重量部の球状シリコーンエラストマー粒子と、球状シリコーンエラストマー粒子を被覆するための0.5〜25重量部のポリオルガノシルセキオキサンとを含む、約0.1重量%〜約85重量%の撥水性シリコーンエラストマー粉末であって、撥水性シリコーンエラストマー粉末は、分散することなく水に浮き、少なくとも1μmの平均粒径を有し、かつタイプAデュロメーター硬度が、約10〜約80と測定される硬度を有する、撥水性シリコーンエラストマー粉末、及び
(b)好適なキャリアであって、この好適なキャリアが、組成物の約0.1重量%〜約99.8重量%の粉末構成成分を含む、キャリアを含む、化粧用ファンデーション組成物を目的とする。
【0008】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様、並びに利点は、添付の「特許請求の範囲」と共に本開示内容を読むことによって、当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、以下の好ましい非限定的な実施形態の説明及び添付図面と併せた描写から更なる理解が得られると考えられる。
【図1】100μmの長さを示しているスケールを伴う、本発明のファンデーションを形成する崩壊性水含有カプセル製品の好ましい実施形態の顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の記載から更に十分に理解されるものと考えられる。
【0011】
百分率、部及び比は全て、特に記述しない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、提示された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に包含される場合のあるキャリア又は副生成物を包含しない。
【0012】
本明細書に有用な活性物質及び他の成分のような成分は全て、美容及び/若しくは治療的な利益、又はそれらの自明であると見なされている作用様式によって分類又は記載されることがある。ただし、本明細書に有用な活性物質及び他の成分が、場合によっては美容的及び/若しくは治療的な複数の利益をもたらすこと、又は複数の作用様式で作用することもあることを理解すべきである。それゆえ、本明細書での分類は便宜上のことであって、成分を特定の適用又は列記された適用に限定しようとするものではない。
【0013】
撥水性シリコーンエラストマー粉末
本組成物は、組成物の約0.1重量%〜約85重量%の撥水性シリコーンエラストマー粉末を含む。本明細書の撥水性シリコーンエラストマー粉末は、少なくとも1μm、好ましくは約1μm〜約25μm、より好ましくは約4μm〜約15μmの粒径を有し、かつ球状の形状である。理論に束縛されるものではないが、撥水性シリコーンエラストマー粉末の、非常に疎水性である表面、相対的に大きいサイズ及び球状の形状により、自然な外見と良好ななめらかな感触を維持しつつも、塗り利益の改善が組成物にもたらされると考えられている。更に、水含有カプセルの製品形態に関して、より小さいサイズの粉末構成成分が水相を取り囲んで第1層を形成し、より大きいサイズの撥水性シリコーンエラストマー粉末がより小さいサイズの着色粉末の相界面に並び、良好ななめらかな感触と改善された安定性をカプセル全体にもたらすと考えられている。撥水性シリコーンエラストマー粉末は、形状及び透光性に由来する光拡散効果により、外見の自然さを改善し、かつ一部の他の、よりサイズの小さい着色粉末により生じ得る、望ましくない肌感触を軽減することもできる。
【0014】
本明細書において、撥水性シリコーンエラストマー粉末は、100重量部の球状シリコーンエラストマー粒子と、球状シリコーンエラストマー粒子を被覆するための0.5〜25重量部のポリオルガノシルセキオキサンとを含み、ここで、撥水性シリコーンエラストマー粉末は、分散することなく水に浮き、少なくとも1μmの平均粒径を有し、かつタイプAデュロメーター硬度が、約10〜約80と測定される硬度を有し、好ましくは、被覆されたポリオルガノシルセキオキサンの表面は更にトリメチルシリル基と結合し、かつ好ましくは、被覆されたポリオルガノシルセキオキサンの表面は更に加水分解によりテトラアルコキシシラン(tetraalkoxysilane)と、トリメチルアルコキシシラン(trimethylalkoxysilane)、トリメチルシラノール(trimethylsilanol)、及びヘキサメチルジシラザン(hexamethyldisilazine)からなる群から選択される少なくとも1つのシリル化剤と凝縮する。かかる撥水性シリコーンエラストマー粉末は、カプセルに安定性をもたらすのに特に有利である。かかる撥水性シリコーンエラストマー粉末は、参照例1及び2として以下に例示される。
【0015】
粉末構成成分
本組成物の組成物は、組成物の約0.1重量%〜約99.8重量%の粉末構成成分を含む。各製品形態に含有される粉末構成成分の量は、以下の節に記載する。本明細書において、粉末構成成分は、化粧用ファンデーションでの使用に関して任意の大きさであり得るが、水含有カプセルとして使用する場合には、粉末構成成分は、約4nm以上1μm未満、好ましくは約5nm〜約500nmの粒径を有するべきであり、かつ表面は疎水性のコーティング剤で被覆される。本明細書において、粉末の種類及び濃度により、例えば、色合い、カバー性、UV保護利益、優れた塗り性能、及び組成物の安定性がもたらされる。製品のニーズに応じ、無色のファンデーション及び/又はメークアップベース組成物を提供するために無色の粉末を選択することもできる。
【0016】
本明細書の粉末構成成分として有用な粉末構成成分は、粘土鉱物粉末、例えばタルク、マイカ、シルクマイカ、シリカ、ケイ酸マグネシウム、合成フッ素金マイカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ベントナイト及びモンモリロナイト、パール粉末、例えばアルミナ、硫酸バリウム、第二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、超微粒子状二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、酸化鉄、チタン酸鉄、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、酸化クロム、水酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、二酸化チタン被覆マイカ、有機粉末、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、メチルメタクリレート樹脂、セルロース、12−ナイロン、6−ナイロン、スチレン−アクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、塩化ビニルポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、窒化ホウ素、魚鱗箔(グアニン)、レーキタールカラー染料、及びレーキ天然カラー染料である。このようなパウダーは、次のものを包含する疎水性処理剤で処理されてもよい:メチコン、ジメチコン及びペルフルオロアルキルシランなどのシリコーン;ステアリン酸などの脂肪性材料;ジミリスチン酸アルミニウムなどの金属石鹸;水素添加タローグルタミン酸アルミニウム、水素添加レシチン、ラウロイルリジン、ペルフルオロアルキルリン酸のアルミニウム塩、並びにこれらの混合物。
【0017】
本明細書で有用な他の粉末構成成分としては、色を与える又は色調を変化させるもの、また更に、特定の肌触りをもたらすものが挙げられる。本明細書において有用な色素としては、粘土鉱物粉末、例えばシリカ、タルク、ケイ酸マグネシウム、合成フッ素金マイカ、ケイ酸カルシウム、窒化ホウ素、ケイ酸アルミニウム、ベントナイト及びモンモリロナイトが挙げられる。本明細書で有用な着色粉末としては、パール色素、例えばアルミナ、硫酸バリウム、第二リン酸カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、酸化鉄、チタン酸鉄(iron titate)、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、酸化クロム、水酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、二酸化チタン被覆マイカ;有機粉末、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、メチルメタクリレート樹脂、12−ナイロン、6−ナイロン、スチレン−アクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、塩化ビニルポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、魚鱗箔(グアニン)、レーキタールカラー染料、及びレーキナチュラルカラー染料が挙げられる。特に粉末構成成分として本明細書で有用なものは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、シリカ、及びこれらの混合物である。
【0018】
好ましくは、粉末構成成分は、疎水性の特性を有するコーティング剤により被覆される。本明細書の有用な疎水性のコーティング剤としては、メチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン(methyl phenyl polysilxoane)、n−オクチルトリエトキシシラン、メチル−α−スチレンポリシロキサン、アクリルシリコーンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
本明細書において、崩壊性水含有カプセル組成物用に非常に好ましい粉末構成成分は、スピンドル(紡錘状)成形された金属酸化物粉末であり、この粉末は疎水性表面処理され、約25nm〜約150nm、好ましくは約30nm〜約100nmの平均長軸粒径、約4nm〜約50nm、好ましくは約5nm〜約20nmの平均短軸粒径、及び約3を超える、好ましくは約4を超えるアスペクト(縦横)比を有する。好ましくは金属酸化物は酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄から選択され、より好ましくは二酸化チタンである。スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末を疎水性表面処理するのに有用なコーティング剤としては、ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、n−オクチルトリエトキシシラン、メチル−α−スチレンポリシロキサン、アクリルシリコーンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。理論に束縛されるものではないが、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末は、ファンデルワールス結合を介して互いに結合している水相の相界面に、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末の疎水性表面の表面張力によって並び、かつ高アスペクト比の形状が、水相を囲みかつ撥水するフラクタル構造をもたらすと考えられている。更に、疎水性表面と、この比較的小さい粒径の、スピンドル(紡錘形状)成形された金属酸化物粉末との組み合わせに由来する全体構造は、本組成物の(composition of the present composition)好適な許容剪断応力に貢献すると考えられている。
【0020】
本明細書における、市販の粉末充填剤としては、大東化成(Daito Kasei)から商標名OTS−11 TTO−V−3で市販の、長軸粒径約60nm及び短軸粒径約10nm(アスペクト比約6)の、トリエトキシカプリリルシランで被覆された二酸化チタン、日本アエロジル株式会社(Nihon Aerosil)から商標名Aerosil R972で市販の、粒径15nmのジメチルシリル化シリカ、大東化成から商標名OTS−2 TIO2 CR−50で市販の、粒径約250nmの、トリエトキシカプリリルシランで被覆された二酸化チタン、大東化成から商標名OTS−7 FZO−50で市販の、粒径約20nmの、トリエトキシカプリリルシランで被覆された酸化亜鉛、三好化成(Miyoshi Kasei)から商標名SA FLAMENCO REDで市販の、粒径約20μmの、ジメチコンで被覆されたマイカ、二酸化チタン、大東化成から商標名OTS−2 YELLOW LL−100P、OTS−2 BLACK BL−100P、及びOTS−2 RED R−516Pで市販の、粒径約400nmの、トリエトキシカプリリルシランで被覆された黄色、黒色、及び赤色酸化鉄が挙げられる。
【0021】
好適なキャリア及び製品形態
組成物の他の利益への影響を最小限に維持しつつ、撥水性シリコーンエラストマー粉末と本発明の粉末構成成分との組み合わせを、様々な製品形態のファンデーションに組み込むことができる。好適な製品形態としては、崩壊性水含有カプセル、ルースパウダー、固形パウダー、油中水型エマルション、水中油型エマルション、及びこのようなエマルションの固体形態が挙げられる。各製品形態及びそれらのそれぞれに好適なキャリアを以下に列挙する。
【0022】
崩壊性水含有カプセル形態を提供するためには、キャリアは、
(a)組成物の約0.1〜約60重量%の粉末構成成分であって、撥水性シリコーンエラストマー粉末と、粉末構成成分との合計が少なくとも5重量%である、粉末構成成分、及び
(b)組成物の約40重量%〜約95重量%の水相、を含む。
【0023】
ルースパウダー形態を提供するために、キャリアは組成物の約15重量%〜約99.8重量%の粉末構成成分を含む。
【0024】
固形パウダー形態を提供するためには、キャリアは、
(a)組成物の約55重量%〜約98.9重量%の粉末構成成分、及び
(b)水相、液体オイル、油中水型乳化剤、及びこれらの混合物から選択される、組成物の約1重量%〜約25重量%の液体バインダー、を含む。
【0025】
液体又はペーストの形態である油中水型エマルション形態を提供するためには、キャリアは、
(a)組成物の約5重量%〜約60重量%のオイル構成成分、
(b)組成物の約0.1重量%〜約25重量%の油中水型乳化剤、及び
(c)組成物の約5重量%〜約70重量%の水相、を含む。
【0026】
液体又はペーストの形態である水中油型エマルション形態を提供するためには、キャリアは、
(a)組成物の約5重量%〜約60重量%のオイル構成成分、
(b)組成物の約0.1重量%〜約25重量%の水中油型乳化剤、及び
(c)組成物の約10重量%〜約85重量%の水相、を含む。
【0027】
固体形態の油中水型又は水中油型エマルションを提供するためには、キャリアは、組成物の約0.1重量%〜約10重量%の固形ワックスを更に含む。
【0028】
1つの非常に好ましい実施形態では、組成物は崩壊性水含有カプセルであり、カプセルの約40重量%〜約95重量%の水相を含む。このような豊富な量の水を構造中に保持させるために、本発明のカプセルは撥水性シリコーンエラストマー粉末及び粉末構成成分を含む。撥水性シリコーンエラストマー粉末と粉末構成成分との総量を少なくとも5重量%で提供することにより、カプセルは、通常の保存条件並びに通常の混合プロセス下で安定であるが、適用に際して崩壊するように提供される。理論に束縛されるものではないが、サイズの小さいサブミクロンの粉末構成成分は水相を囲んで第1層を形成し、サイズの大きい撥水性シリコーンエラストマー粉末はサブミクロンの粉末構成成分の頂部側に第2層をもたらし、同時に撥水性シリコーンエラストマー粉末は、互いにバランスの取れた付着を維持するためのスぺーサーとしても機能し、それによりカプセルの安定性と一体性がもたらされると考えられている。サブミクロンの粉末構成成分及び撥水性シリコーンエラストマー粉末によりもたらされる、2重に覆われた構造は、本組成物の崩壊性水含有カプセルの許容剪断応力度を改善すると考えられている。
【0029】
水相
製品形態に応じて、本発明の組成物は水相を含んでもよく、水相は以降に記載の水、任意の水溶性溶媒、及び任意のゲル化剤を含み得る。水相は、水のみで作られてもよい。好ましくは脱イオン水が使用される。ミネラルカチオンを包含する天然源からの水も、製品の所望の特性に応じて使用することができる。好ましい実施形態では、水は、発酵させた生物培養物又はその濾液から供給されてよい。この種類の非常に好ましい市販品は、商標名SK−IIピテラとしてカワシマ(Kashiwayama)から市販のGalactomyces発酵濾液である。
【0030】
水相のpHは、製品の望ましい特性、特に皮膚処置剤が含まれる場合には、皮膚処置剤の活性及び安定性を考慮して選択される。好ましい実施形態では、pHは約4〜約8に調整される。望ましいpHを達成するために、緩衝剤及び他のpH調整剤を包含させることができる。
【0031】
水溶性溶媒
本発明の組成物の水相は、低級アルキルアルコール及び水溶性保湿剤から選択される水溶性溶媒を更に含んでもよい。水溶性溶媒は、供給されるべき望ましい皮膚感触によって、及び/又は特定の皮膚処置剤を供給するために、選択される。
【0032】
本明細書において有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコール、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。
【0033】
本明細書で有用な水溶性保湿剤としては、ブチレングリコール(1,3ブタンジオール)、ペンチレングリコール(1,2−ペンタンジオール)、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトースのような多価アルコール類;並びに尿素、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、シクロデキストリン、及びこれらの混合物のような他の水溶性化合物が挙げられる。同様に本明細書で有用なものとしては、CTFA名称がPEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000であるもの、及びこれらの混合物のような、約1000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのような水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマーが挙げられる。
【0034】
好ましい一実施形態においては、本組成物は、約1%〜約30%の水溶性保湿剤を含む。組成物がファンデーションとして使用される非常に好ましい一実施形態においては、組成物は、約3%〜約30%の水溶性保湿剤を含む。
【0035】
本明細書における市販の保湿剤としては、Celaneseから商標名1,3−ブチレングリコールとして市販のブチレングリコール、Dragocoから商標名HYDROLITE−5として市販のペンチレングリコール、Procter & Gamble Companyから商標名STAR及びSUPEROLとして市販のグリセリン、Croda Universal Ltd.から市販のCRODEROL GA7000、Unichemaから市販の商標名PRECERINシリーズ、及びNOFから同様の化合物名で市販のもの、Inolexから商標名LEXOL PG−865/855として市販のプロピレングリコール、BASFから市販の1,2−PROPYLENE GLYCOL USP、Lipoから商標名LIPONICシリーズとして市販のソルビトール、ICI殻市販のSORBO、ALEX、A−625、及びA−641、並びにUPIから市販のUNISWEET 70、UNISWEET CONC、BASFから同様の商標で市販のジプロピレングリコール、Solvay GmbHから商標名DIGLYCEROLとして市販のジグリセリン、協和(Kyowa)及びエーザイ(Eizai)から同様の商標名で市販のキシリトール;株式会社林原生物化学研究所から商標名MALBITとして市販のマルチトール、Freeman及びBioibericaから同様の商標名で市販のコンドロイチン硫酸ナトリウム、並びにAtomergic Chemetalsから市販の商標名ATOMERGIC SODIUM CHONDROITIN SULFATE;チッソ株式会社(Chisso Corp)から市販のヒアルロン酸ナトリウム、Active Organicsから市販の商標名ACTIMOISTの同様物、Intergenから市販のAVIAN SODIUM HYALURONATEシリーズ、一丸ファルコス株式会社から市販のヒアルロン酸Na;旭化成株式会社(Asahikasei)、協和及び第一製薬(Daiichi Seiyaku)から市販の、同様の商標名を有するアデノシンリン酸ナトリウム;Merck、和光(Wako)及び協和及び第一製薬(Showa Kako)から市販の、同様の商標名を有する乳酸ナトリウム、商標名CAVITRONとしてAmerican Maizeから市販のシクロデキストリン、Rhone−Poulencから市販のRHODOCAPシリーズ、Tomenから市販のDEXPEARL;並びにUnion Carbideから市販の、CARBOWAXシリーズの商標名を有するポリエチレングリコールが挙げられる。
【0036】
ゲル化剤
本組成物の組成物の水相は、更に組成物の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%のゲル化剤を含み、このゲル化剤は、水相に約10mPas〜約1,000,000mPas、好ましくは約10mPas〜約100,000mPasの粘度をもたらす。
【0037】
本明細書のゲル化剤として有用なポリマーは、水溶性又は水混和性ポリマーである。本明細書のゲル化剤に関する用語「水溶性又は水混和性」は、高温及び/又は混合の補助ありで又はなしで、十分な量の水に溶解させた場合に、溶解して透明な溶液を作る化合物に関する。
【0038】
本明細書で有用であるのは、カルボキシメチルデンプン、及びメチルヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプン誘導体ポリマーである。本明細書において非常に有用な市販の化合物としては、LCWから市販の商標名カバゲルCOVAGELのカルボキシメチルナトリウムデンプンが挙げられる。
【0039】
本明細書で有用なものは、セルロース誘導体ポリマーである。本明細書で有用なセルロース誘導体ポリマーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末及びこれらの混合物が挙げられる。同様に有用であるのは、カルボキシメチルデンプン、及びメチルヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプン誘導体ポリマーである。本明細書で非常に有用な市販の化合物としては、商標名Natrosol Hydroxyethylcelluloseのヒドロキシエチルセルロース、商標名Aqualon Cellulose Gumのカルボキシメチルセルロースが挙げられ、両方ともAqualonから入手可能である。
【0040】
本明細書で有用なものは、カルボン酸/カルボキシレートコポリマーである。本明細書で有用な市販のカルボン酸/カルボキシレートコポリマーには、Pemulene TR−1、Pemulene TR−2、Carbopol 1342、Carbopol 1382及びCarbopol ETD 2020の商標名を有するCTFA名称アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーが挙げられ、全てB.F.Goodrich Companyから入手可能である。
【0041】
本明細書のカルボン酸/カルボキシレートコポリマーを中和するために、中和剤を含んでよい。このような中和剤の非限定例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが本明細書において有用である。以下の一般式を有するものが有用である。
【0043】
【化1】

式中、R95は、H、メチル、及びそれらの混合物からなる群より選択される。R95がHであるとき、これらの物質は、エチレンオキシドのポリマーであり、これはポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン、及びポリエチレングリコールとしても既知である。R95がメチルであるとき、これらの物質は、プロピレンオキシドのポリマーであり、これはポリプロピレンオキシド、ポリオキシプロピレン、及びポリプロピレングリコールとしても既知である。R95がメチルであるとき、得られるポリマーの種々の位置異性体が存在し得るということも理解される。上記構造では、x3は、約1,500〜約25,000、好ましくは約2,500〜約20,000、より好ましくは約3,500〜約15,000の平均値を有する。他の有用なポリマーとしては、ポリプロピレングリコール及び混合ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーポリマーが挙げられる。本明細書で有用なポリエチレングリコールポリマーは、PEG−2M(式中、R95はHであり、かつx3は約2,000の平均値を有する(PEG−2MはUnion Carbideから市販のPolyox WSR(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000などとしても既知));PEG−5M(式中、R95はHであり、かつx3は約5,000の平均値を有する(PEG−5MはPolyox WSR(登録商標)N−35及びPolyox WSR(登録商標)N−80(どちらもUnion Carbideから市販)として、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000,としても既知));PEG−7M(式中、R95はHであり、かつx3は約7,000の平均値を有する(PEG−7MはUnion Carbideから市販のPolyox WSR(登録商標)N−750としても既知));PEG−9M(式中、R95はHであり、かつx3は約9,000の平均値を有する(PEG 9−MはUnion Carbideから市販のPolyox WSR(登録商標)N−3333としても既知));及びPEG−14M(式中、R95はHであり、かつx3は約14,000の平均値を有する(PEG−14MはUnion Carbideから市販のPOLYOX WSR(登録商標)N−3000としても既知))である。
【0044】
本明細書で有用なものは、ビニルポリマー、例えば、CTFA名称カルボマーの架橋アクリル酸ポリマー、プルラン、マンナン、スクレログルカン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アカシアガム、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、カロブガム、カラヤゴム、イナゴマメゴム、カラゲニン、ペクチン、アミロペクチン、寒天、マルメロ種子(Cydonia oblonga Mill)、デンプン(米、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、微生物学的ポリマー、例えば、デキストラン、サクシノグルカン、デンプン系ポリマー、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸系ポリマー、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アクリレートポリマー、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びに無機水溶性物質、例えば、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ラポナイト、ヘクトナイト、及び無水ケイ酸である。
【0045】
本明細書で有用な市販のゲル化剤としては、Kelcoから商標名KELTROLシリーズとして市販のキサンタンガム、B.F.Goodrich Companyから商標名CARBOPOL 934、CARBOPOL 940、CARBOPOL 950、CARBOPOL 980、及びCARBOPOL 981として全て市販のカルボマー、Rohm and Hassから商標名ACRYSOL 22として市販のアクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、Seppicから商標名SEPIGEL 305として市販のポリアクリルアミド、LCWから商標名COVACRYL MV60として市販のポリアクリル酸ナトリウム、ISPから市販の商標名LUBRAGEL NPのポリメタクリル酸グリセリル及びポリメタクリル酸グリセリルの混合物、商標名LUBRAGEL OILのプロピレングリコール及びPVM/MAコポリマー、Michel Mercier Products Inc.(NJ,USA)から商標名Clearogel SC11として市販のスクレログルカン、全てAmercholから供給される商標名CARBOWAX PEG、POLYOX WASR、及びUCON FLUIDSのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド系ポリマーが挙げられる。
【0046】
本明細書で有用であるのは、全てCalgon社から市販の、商標名MERQUAT 280、メルクアット295を持つポリクオタニウム22、商標名MERQUAT PLUS 3330、メルクアットプラス3331を持つポリクオタニウム39、及び商標名メルクアット2001、メルクアット2001Nを持つポリクオタニウム47のような両性ポリマーである。他の有用な両性ポリマーとしては、National Starch & Chemicalから供給される、商標名AMPHOMER、AMPHOMER SH701、AMPHOMER 28−4910、AMPHOMER LV71、及びAMPHOMER LV47を持つオクチルアクリルアミン/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーが挙げられる。
【0047】
オイル構成成分
製品形態に応じて、本組成物は好適なキャリアとして、揮発性シリコーンオイル、不揮発性オイル、増粘剤、及びこれらの混合物から選択されるオイル構成成分を含み得る。
【0048】
本発明に有用であるのは揮発性シリコーンオイルである。油中水型エマルションに組み込まれる場合、好ましくは、揮発性シリコーンオイルの量は、組成物が約20%〜約50%の揮発性シリコーンオイルを含み、かつ揮発性シリコーンオイルと水の総量が組成物全体の約50%を超えるように調節される。理論に束縛されるものではないが、本明細書中の揮発性シリコーンオイルの種類及び濃度は、肌に乾燥した感触を必ずしも残すことなく、改善された爽快で軽やかな感触を肌に与えると考えられている。揮発性シリコーンオイルはまた、粉末形態の本組成物のためのバインダーとして使用することもできる。
【0049】
本明細書で有用な揮発性シリコーンオイルは、約60〜約260℃の沸点を有するもの、好ましくは2〜7個のケイ素原子を有するものから選択される。
【0050】
本明細書において有用な揮発性シリコーンオイルには次の構造(I)を有するポリアルキル又はポリアリールシロキサンが包含される。
【0051】
【化2】

式中、R93は、独立してアルキル又はアリールであり、pは約0〜約5の整数である。Z8は、シリコーン鎖の末端を封鎖する基を表す。好ましくは、R93基は、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルを包含し、Z8基は、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びアリールオキシを包含する。より好ましくは、R93基及びZ8基はメチル基である。好ましい揮発性シリコーン化合物は、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサンである。本明細書において有用な市販の揮発性シリコーン化合物としては、商標名SH200C−1csのオクタメチルトリシロキサン、商標名SH200C−1.5csのデカメチルテトラシロキサン、商標名SH200C−2csのヘキサデカメチルヘプタシロキサンが挙げられ、これらは全てDow Corningから入手可能である。
【0052】
本明細書において有用な揮発性シリコーンオイルにはまた、次の式を有する環状シリコーン化合物も包含される。
【0053】
【化3】

式中、R93は独立して、アルキル又はアリールであり、そしてnは3〜7の整数である。
【0054】
好ましくはR93基にはメチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが含まれる。より好ましくはR93基はメチル基である。好ましい揮発性シリコーン化合物は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラデカメチルシクロヘキサシロキサンである。本明細書において有用な市販の揮発性シリコーン化合物としては、商標名SH244のオクタメチルシクロテトラシロキサン、商標名DC245及びSH245のデカメチルシクロペンタシロキサン、並びに商標名DC246のドデカメチルシクロヘキサシロキサン(dodeamethylcyclohexasiloxane)が挙げられ、これらは全てDow Corningから入手可能である。
【0055】
本発明の組成物に有用なものは不揮発性オイルを含む。油中水型エマルションに組み込まれる場合、包含される量は好ましくは約0.5%〜約20%である。エマルションが固体形態で形成される場合、好ましくは量は約0.5%〜約10%である。理論に制限されることなく、本明細書中の不揮発性オイルの種類及び濃度は、改善されたなめらかさを肌に与え、そしてまた肌の乾いた感触を緩和すると考えられる。不揮発性オイルはまた、粉末形態の本組成物のためのバインダーとして使用することもできる。
【0056】
本明細書において有用な不揮発性オイルは、例えば、イソノナン酸トリデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソデシル(isodecyl isonoanoate)、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ネオペンチルグリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、ジイソプロピルジメレート、トコフェロール、酢酸トコフェロール、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカダミアナッツ油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、菜種油、卵黄油、ごま油、パーシック油、麦芽油、サザンカ油(pasanqua oil)、ヒマシ油、亜麻仁油、ベニバナ油、綿実油、シソ油、大豆油、ピーナッツ油、茶実油、カヤ油、米糠油、シナ桐油、日本桐油、ホホバ油、米芽油、グリセロールトリオクタノエート(glycerol trioctanate)、グリセロールトリイソパルミテート、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ミリスチン酸イソプロピル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、ラノリン、ラノリン液、パラフィン液、スクワラン、ワセリン、及びこれらの混合物である。市販のオイルとしては、例えば、Crodaから入手可能な商標名Crodamol TNのイソノナン酸イソトリデシル、日清製油(Nisshin Seiyu)から入手可能なHexalan、及びエーザイから入手可能な酢酸トコフェロールが挙げられる。
【0057】
本明細書において有用な不揮発性オイルとしては、次の構造(I)を有するポリアルキル又はポリアリールシロキサンも挙げられる。
【0058】
【化4】

式中、R93はアルキル又はアリールであり、そしてpは約7〜約8,000の整数である。Z8は、シリコーン鎖の末端を封鎖する基を表す。シロキサン鎖(R93)上又はシロキサン鎖の末端Z8において置換されたアルキル又はアリール基は、結果として生じるシリコーンが室温で流体のままであり、分散性があり、肌に適用したときに刺激性がなく、毒性やその他の害もなく、組成物の他の構成成分と適合性があり、通常の使用及び保存条件下で化学的に安定している限り、いかなる構造をも有することができる。好適なZ8基としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。ケイ素原子上の2つのR93基は、同一の基又は異なる基を表してもよい。好ましくは、2つのR93基は同一の基を表す。好適なR93基としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。好ましいシリコーン化合物は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンである。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。使用され得るポリアルキルシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらのシリコーン化合物は、例えば、General Electric CompanyのViscasil(登録商標)及びSF 96シリーズから、並びにDow CorningのDow Corning 200シリーズから入手可能である。
【0059】
ポリアルキルアリールシロキサン液を使用することもでき、これらには、例えば、ポリメチルフェニルシロキサンが含まれる。これらのシロキサンは、例えば、General Electric CompanyよりSF 1075メチルフェニル流体として、又はDow Corningより556コスメチック・グレード流体として入手可能である。
【0060】
同様に、本明細書において有用な不揮発性オイルは、種々の等級の鉱油である。鉱油は、石油から得られる炭化水素類の液体混合物である。好適な炭化水素の具体例としては、パラフィン油、鉱油、ドデカン、イソドデカン、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、エイコセン、イソエイコセン、トリデカン、テトラデカン、ポリブテン、ポリイソブテン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
増粘剤は本発明に有用である。増粘剤は、液体油中水型形態組成物に固形油中水型形態組成物へと固化させるための粘度を与えるために使用することができ、並びに本発明の粉末形態の組成物のためのバインダーとして使用することができる。液体形態で使用する場合、増粘剤は組成物全体の約5%に保持される。本明細書において有用な増粘剤は、脂肪族化合物、有機増粘剤、無機増粘剤及びこれらの混合物からなる群から選択される。増粘剤の量及び種類は、製品の所望の粘度及び特性に応じて選択される。
【0062】
本明細書において有用な脂肪族化合物としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、平均約1〜約5個のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコール又はセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい脂肪族化合物は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、平均約2個のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(ステアレス−2)、平均約2個のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びこれらの混合物から選択される。
【0063】
本明細書で有用な有機増粘剤としては、脂肪酸ゲル化剤のエステル及びアミド、ヒドロキシ酸、ヒドロキシ脂肪酸、他のアミドゲル化剤、及び結晶性ゲル化剤が挙げられる。
【0064】
本明細書において有用なN−アシルアミノ酸アミドは、グルタミン酸、リジン、グルタミン、アスパラギン酸及びこれらの混合物から調製される。次式に対応するn−アシルグルタミン酸アミドが特に好ましい。
R2−NH−CO−(CH2)2−CH−(NH−CO−R1)−CO−NH−R2
式中、R1は、約12〜約22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカルであり、R2は、約4〜約12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカルである。これらの非限定例としては、n−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、n−ステアロイル−L−グルタミン酸ジヘプチルアミド、及びこれらの混合物が挙げられる。ジブチルラウロイルグルタミドとも呼ばれるn−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドが最も好ましい。この材料は、味の素(株)から入手可能な商品名有機増粘剤GP−1として市販されている。
【0065】
組成物に使用するのに好適な他の有機増粘剤としては、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸のエステル、12−ヒドロキシステアリン酸のアミド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これらの好ましいゲル化剤としては、次式に対応するものが挙げられる。
R1−CO−(CH2)10−CH−(OH)−(CH2)5−CH3
式中、R1は、R2又はNR2R3であり、R2及びR3は水素、又は分岐、直鎖若しくは環状であって、約1〜約22個の炭素原子、好ましくは約1〜約18個の炭素原子を有するアルキル、アリール、若しくはアリールアルキルラジカルである。R2及びR3は、同一であっても又は異なってもよいが、少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。これらのゲル化剤のうち好ましいのは、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸メチルエステル、12−ヒドロキシステアリン酸エチルエステル、12−ヒドロキシステアリン酸ステアリルエステル、12−ヒドロキシステアリン酸ベンジルエステル、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸のイソプロピルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸のブチルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸のベンジルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸のフェニルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸のt−ブチルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸のシクロヘキシルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸の1−アダマンチルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸の2−アダマンチルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸のジイソプロピルアミド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものであり、更により好ましくは12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸のイソプロピルアミド、及びこれらの組み合わせである。最も好ましいのは、12−ヒドロキシステアリン酸である。
【0066】
好適なアミドゲル化剤としては、グルタミン酸、リジン、グルタミン、アスパラギン酸(apartic acid)及びこれらの組み合わせから調製されるn−アシルアミノ酸アミド、n−アシルアミノ酸エステルからなる群より選択されるn−アシルアミノ酸誘導体を除き、二置換又は分岐状モノアミドゲル化剤、一置換又は分岐状ジアミドゲル化剤、トリアミドゲル化剤、及びこれらの組み合わせが挙げられ、これらは米国特許第5,429,816号に詳細に記載されている。
【0067】
本組成物において使用するのに適したアルキルアミド又は二−及び三−塩基性カルボン酸又は無水物としては、クエン酸、トリカルバリル酸、アコニット酸、ニトリロ三酢酸、コハク酸及びイタコン酸のアルキルアミド、例えば1,2,3−プロパントリブチルアミド、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリブチルアミド、1−プロペン−1,2,3−トリオクチルアミド(triotylamide)、N,N’,N”−トリ(アセトデシルアミド)アミン、2−ドデシル−N,N’−ジヘキシルスクシンアミド、及び2ドデシル−N,N’−ジブチルスクシンアミドが挙げられる。ジカルボン酸のアルキルアミド、例えばアルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、アルキル無水コハク酸、及びアルケニル無水コハク酸のジアミドが好ましく、より好ましくは2−ドデシル−N,N’−ジブチルスクシンアミドである。
【0068】
本明細書において有用な無機増粘剤としては、油と相溶性となるように変性されたヘクトライト、ベントナイト、モンモリロナイト、及びベントン粘土が挙げられる。好ましくは、変性はアンモニウム化合物による四級化である。好ましい無機増粘剤としては、四級アンモニウム変性されたヘクトライトが挙げられる。市販の油膨潤性粘土材料としては、Elementisから入手可能な商標名Bentone 38のベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトが挙げられる。
【0069】
油中水型乳化剤
本発明の、油中水型エマルション製品形態の組成物は、油中水型乳化剤を好ましくは約0.1%〜約10%の量で含む。固形油中水型エマルション形態で組み込まれる場合、その含まれる量は好ましくは約1%〜約5%である。理論に束縛されるものではないが、本明細書の油中水型乳化剤の種類及び濃度により、本発明の他の構成成分を考慮した安定な油中水型エマルションが提供されると考えられている。油中水型乳化剤はまた、粉末形態の本組成物のためのバインダーとして使用することもできる。本明細書において、油中水型乳化剤は約8未満のHLB値を有する。
【0070】
HLB値は、特定化合物の親水性−疎水性バランスを記述する理論的な指標値である。一般に、HLB指標は0(非常に疎水性)から40(非常に親水性)の範囲であると認識されている。油中水型乳化剤のHLB値は、当該技術分野において既知の表及びチャートに見出すことができ、あるいは次の一般式により計算することもできる。HLB=7+(疎水性基の値)+(親水性基の値)。化合物のHLB及びHLBを算出する方法は、「Surfactant Science Series,Vol.1:Nonionic Surfactants」、pp 606〜13,M.J.Schick(Marcel Dekker Inc.,New York,1966)に詳述されている。
【0071】
油中水型乳化剤はエステル型界面活性剤であり得る。本明細書で有用なエステル型界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンセスキオレエート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルセスキイソステアレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルジオレエート、グリセリルセスキオレエート、ジグリセリルジイソステアレート、ジグリセリルジオレエート、ジグリセリンモノイソステアリルエーテル、ジグリセリンジイソステアリルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0072】
市販のエステル型界面活性剤は、例えばCrodaから入手可能な商標名Crill 6のソルビタンイソステアレート、及び花王アトラス株式会社(Kao Atras)から入手可能な商標名Arlacel 83のソルビタンセスキオレエートである。
【0073】
油中水型乳化剤はシリコーン型界面活性剤であり得る。本明細書において有用なシリコーン型界面活性剤は、次に示されるような(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)、並びにこれらの混合物である。
(i)次式を有するジメチコンコポリオール。
【0074】
【化5】

式中、xは5〜100の整数であり、yは1〜50の整数であり、aは0以上であり、bは0以上であり、a+bの平均合計は1〜100である。
(ii)次式を有するジメチコンコポリオール。
【0075】
【化6】

式中、Rは水素、メチル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、mは5〜100の整数であり、xは独立に0以上であり、yは独立に0以上であり、x+yの合計は1〜100である。
(iii)次式を有する本明細書の分岐状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤。
【0076】
【化7】

式中、R1は約1〜約20個の炭素を有するアルキル基であり、R2はである。
【0077】
【化8】

式中、gは約1〜約5であり、hは約5〜約20であり、R3はH又は約1〜約5個の炭素を有するアルキル基であり、eは約5〜約20であり、fは約0〜約10であり、aは約20〜約100であり、bは約1〜約15であり、cは約1〜約15であり、dは約1〜約5である。
(iv)乳化能力を有する非イオン性ポリシロキサンコポリマーであり、メチルポリシロキサン部分、アルキルメチルポリシロキサン部分、及びポリ(オキシアルキレン)メチルポリシロキサン部分を含み、HLB約4〜約6、及び分子量約10,000〜約20,000を有し、アルキル基が約10〜約22個の炭素で作られる、アルキルジメチコンコポリオール。本明細書の好適なアルキルジメチコンコポリオールは、下式を有するものである。
【0078】
【化9】

式中、Z1はO(C24O)p(C36O)qHであり、pは0〜約50であり、qは0〜約30であり、式中、p及びqは同時に0ではなく、xは1〜約200であり、yは1〜約40であり、zは1〜約100であり、Z2は約10〜約22個の炭素、好ましくは約16〜約18個の炭素を有するアルキル基である。
【0079】
市販のシリコーン型界面活性剤は、例えば、Dow Corningから全て入手可能なジメチコンコポリオール、DC5225C、BY22−012、BY22−008、SH3746M、SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、SH3748、SH3749、及びDC5200、並びに分岐状ポリエーテル−ポリジオルガノシロキサン乳化剤、例えば信越化学工業から入手可能な商標名KF 6028を有するHLBが約4、分子量が約6,000のPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンである。非常に好ましいアルキルジメチコンコポリオールとしては、セチルジメチコンコポリオール及びステアリルジメチコンコポリオールが挙げられる。非常に好ましい市販のアルキルジメチコンコポリオールとしては、HLB約5、分子量約13,000を有し、Goldschmidt Personal Careから入手可能な商標名ABIL EM90を有する、メチルポリシロキサンセチルメチルポリシロキサンポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)メチルポリシロキサンコポリマーとも呼ばれる、セチルジメチコンコポリオールが挙げられる。
【0080】
好ましい実施形態では、油中水型乳化剤は、少なくとも1つのエステル型界面活性剤と、少なくとも1つのシリコーン型界面活性剤との混合物であり、本発明の他の必須構成成分のための安定なエマルションを提供する。
【0081】
水中油型乳化剤
本発明の組成物のための水中油型エマルション製品は、水中油型乳化剤を好ましくは約0.1%〜約10%の量で含む。固形の油中水型エマルション形態に組み込まれる場合、その含まれる量は好ましくは約1%〜約5%である。種々多様な乳化剤が本明細書で利用できる。選択された乳化剤が、組成物の必須成分と化学的及び物理的に適合性であり、及び所望の分散特性を与える限りにおいて、既知の又は従来の乳化剤を本組成物において使用することができる。
【0082】
本明細書で有用な水中油型乳化剤の非限定例には、糖エステル及びポリエステル、アルコキシル化糖エステル及びポリエステル、C1〜C30脂肪族アルコールのC1〜C30脂肪酸エステル、C1〜C30脂肪族アルコールのC1〜C30脂肪酸エステルのアルコキシル化誘導体、C1〜C30脂肪族アルコールのアルコキシル化エーテル、C1〜C30脂肪酸のポリグリセリルエステル、ポリオールのC1〜C30エステル、ポリオールのC1〜C30エーテル、アルキルホスフェート、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルホスフェート、脂肪酸アミド、アシル乳酸、石鹸、及びそれらの混合物のような、様々な非イオン性並びに陰イオン性乳化剤がある。
【0083】
本明細書中で使用するための他の乳化剤の非限定的な例としては以下が挙げられる。ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、セチルホスフェート、カリウムセチルホスフェート、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルナトリウムステアレート、ポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリン酸ヘキシル、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ジエタノールアミンセチルホスフェート、グリセリルステアレート、PEG 40硬化ヒマシ油、PEG−60硬化ヒマシ油、及びこれらの混合物。
【0084】
本明細書で有用なポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油としては、例えば、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油、ポリエチレン(40)硬化ヒマシ油、及びポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油のような、20〜100モルのエチレンオキシドを有するポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。本明細書で有用なC10〜20のアルキル置換基を有するポリグリセリンアルキルエステルとしては、例えば、ポリグリセリル−6ラウレート、ポリグリセリル−10ラウレート、及びポリグリセリル−10ステアレートのような、6〜10モルのグリセリン単位を有するものが挙げられる。本明細書で有用なポリソルベートとしては、例えば、ポリソルベート−20、ポリソルベート(polyborbate)−40、ポリソルベート−60、及びポリソルベート−80のような、20〜80モルのエチレンオキシドを有するものが挙げられる。本明細書で有用なポリエチレンステロール及びポリエチレン硬化ステロールとしては、例えば、ポリエチレン(10)フィトステロール、ポリエチレン(30)フィトステロール、及びポリエチレン(20)コレステロールのような、10〜30モルのエチレンオキシドを有するものが挙げられる。上記非イオン性界面活性剤の中でも、ポリソルベートが好ましく、ポリソルベート−20、ポリソルベート−40、及びこれらの混合物がより好ましい。
【0085】
固形ワックス
本発明の組成物は、前述の、固体形態の油中水型及び水中油型エマルションを提供するために固形ワックスを含み得る。本発明の固形油中水型エマルション及び水中油型組成物は、好ましくは、組成物全体の約1重量%〜約5重量%の固形ワックスを含む。理論に束縛されるものではないが、本明細書の固形ワックスの種類及び濃度は、肌への適用時の展延性、及びみずみずしく軽やかな肌触りに負の影響を与えずに、組成物に稠度、及び肌へのカバー性を与えると考えられている。
【0086】
本明細書において有用な固形ワックスは、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、セレシンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ベヘン酸エイコサニル、及びこれらの混合物である。ワックスの混合物が好ましくは使用される。
【0087】
本明細書において有用な市販の固形ワックスとしては、株式会社セラリカNoda(Cerarica Noda)から入手可能なキャンデリラワックスNC−1630、Strahl & Pitshから入手可能なオゾケライトワックスSP−1021、及びCas Chemicalから入手可能なベヘン酸エイコサニルが挙げられる。
【0088】
追加的な構成成分
本組成物の組成物は更に、水相、オイル構成成分又は粉末構成成分に溶解又は分散した皮膚処置剤を含んでいてもよい。含まれる場合、皮膚処置剤は、組成物の安定性に影響しない量(通常、組成物の約0.001重量%〜約20重量%)で含まれる。本明細書で有用な皮膚処置剤としては、皮膚ライトニング剤、抗ニキビ剤、皮膚軟化剤、非ステロイド系抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、防腐剤、抗菌及び抗真菌活性物質、皮膚鎮静剤、UV保護剤、皮膚バリア修復剤、しわ防止剤、皮膚萎縮防止剤、脂質、皮脂阻害物質、皮脂阻害物質、皮膚感覚剤、タンパク質分解酵素抑制剤、皮膚収斂剤(skin tightening agent)、かゆみ止め剤、発毛阻害物質、落屑酵素強化剤、糖化防止剤、制汗剤、酸化毛髪着色剤、毛髪スタイリング剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0089】
本明細書の組成物は、例えば、組成物又はパーソナル表面に審美的又は機能的効果をもたらすためのもの、例えば外見、匂い又は感触に関連する知覚上の効果、治療的効果、あるいは予防的効果をもたらすための、局所製品に従来使用されるような追加の構成成分を更に含有してよい(上記の必要とされる材料自体がこうした効果をもたらす可能性があることは理解されるべきである)。含まれる場合、その量は組成物の約10重量%以下に保たれる。
【0090】
好適な局所用成分の部類の例としては、以下のものではない球状粉末が挙げられる、上記の他の粉末の定義を満たさない粉末及び色素が挙げられる:撥水性シリコーンエラストマー粉末、抗−キレート化剤、研磨材、収れん剤、染料、芳香油、芳香剤、フィルム形成ポリマー、可溶化剤、固化防止剤、消泡剤、バインダー、緩衝剤、充填剤、変性剤、pH調整剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、化粧品殺生物剤、及び防腐剤。
【実施例】
【0091】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、かつ実証する。これら実施例は、例示目的のためにのみ提供され、しかも、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。成分は、適用できる場合は、化学名又はCTFA名称で識別され、そうでない場合には以下で定義される。
【0092】
以下は、様々な製品形態のファンデーション組成物、それらの調製方法、及びそれらの特性の技術的及び感覚的評価である。実施例1〜13は本発明に従う組成物であり、一方比較例1〜2は本発明に従わない組成物である。加えて、参照例1及び2は、本明細書において好ましい撥水性シリコーンエラストマー粉末を特徴づけるために提供される。
【0093】
参照例1
以下の実施例で用いられる撥水性シリコーンエラストマー粉末は、このように調製される。
【0094】
1Lのガラス製ビーカー中で、580mm2/sの粘度を有する式(1)のメチルビニルポリシロキサン500gと、30mm2/sの粘度を有する式(2)のメチル水素ポリシロキサン19g(すなわち、ヒドロシリル基の数量は、オレフィン不飽和基毎に1.06である)とを、ホモミキサーにより2000rpmで混合することで溶解させた。次いで、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(添加されるエチレンオキシドの内の9モル)3gと、水55gを添加し、ホモミキサーにより6000rpmで混合して水中油型エマルション形態及び増粘性を得、更に15分にわたって混合した。次いで、2000rpmでの混合下で水421gを添加し、均質で白色のエマルションを得た。このエマルションを、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した、1Lのガラス製フラスコに移し、15〜20℃の温度に調節し、塩化白金酸オレフィン錯体のトルエン溶液0.8g(白金含量0.5%)と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1.6g(添加されるエチレンオキシドの内の9モル)との共溶媒を加え、同様の温度で12時間にわたって混合し、シリコーンエラストマー微粒子の水分散体を得た。シリコーンエラストマー微粒子は、光学顕微鏡による観察では球状の形状であり、電気抵抗方式粒度分布測定装置「Multisizer−3」(Beckman Coulter)による測定では、5μmの平均粒径容量を有していた。
【0095】
得られたこのような球状シリコーンエラストマー微粒子の水分散剤870gを、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した、3Lのガラス製フラスコに移し、水2013gと28%のアンモニア溶液57gとを加えた。この溶液のpHは11.3であった。温度を5〜10℃に調節した後、液体温度を5〜10℃に維持しながらメチルトリメトキシシラン60g(球状エラストマー微粒子100重量部につき、加水分解縮合したポリメチルシルセキオキサン6.5重量部)を20分かけて滴下し、同様の温度で更に1時間にわたって混合し、メチルトリメトキシシランの加水分解縮合を完了させた。
【0096】
加水分解縮合させた、メチルトリメトキシシランの、シリコーンエラストマー微粒子の水分散体溶液を、加圧濾過しながら水分含量約30%になるまで脱水した。脱水物を、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した5Lのガラス製フラスコに移し、3000gの50%メタノール溶液を加え、30分にわたって混合し、加圧濾過しながら脱水した。脱水物を、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した5Lのガラス製フラスコに移し、3000gの水を加え、30分にわたって混合し、加圧濾過しながら脱水した。脱水物を一般的な熱風ドライヤーで105℃で乾燥させ、ジェットミルで粉砕し、流動性微粒子を得た。電子顕微鏡での観察により、表面を約100nmの微粒子で被覆された球状の微粒子が得られたことが確認され、ここで、球状のシリコーンエラストマー微粒子はポリメチルシルセキオキサンで被覆されていた。界面活性剤を用いて水中に微粒子を分散させ、電気抵抗方式粒度分布測定装置「Multisizer−3」(Beckman Coulter)を用いて測定したところ、平均粒径容量は5μmであった。JIS K 6253で測定した場合、得られた微粒子はタイプAデュロメーター硬度、29を有していた。得られた微粒子1gを水50gと共に100mLのビーカーに配置し、1分間ガラス棒で撹拌したところ、粒子は水に全く分散せず、表面に浮いたまま留まった。
【0097】
参照例2
以下の実施例で用いられる撥水性シリコーンエラストマー粉末は、このように調製される。
【0098】
球状シリコーンエラストマー微粒子の水分散剤を、参照例1と同様の方法で得た。
【0099】
得られたこのような球状シリコーンエラストマー微粒子の水分散剤870gを、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した、3Lのガラス製フラスコに移し、水2013gと28%のアンモニア溶液57gとを加えた。この溶液のpHは11.3であった。温度を5〜10℃に調節した後、流体の温度を5〜10℃に維持しつつメチルトリメトキシシラン46.8g(球状エラストマー微粒子100重量部あたり5.1重量部の加水分解縮合ポリメチルシルセキオキサン)を20分かけて滴下し、次いで流体の温度を5〜10℃に維持しつつトリメチルシラノール8.4g(球状エラストマー微粒子100重量部あたり1.9重量部の加水分解縮合ポリメチルシルセキオキサン)と、テトラメトキシシラン4.8g(トリメチルシラノール1モル当たり0.34モル)とを5分かけて滴下し、同様の温度で更に1時間混合し、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン及びトリメチルシラノールの加水分解縮合を完了させた。
【0100】
加水分解縮合させた、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン及びトリメチルシラノールメトキシシリルの、シリコーンエラストマー微粒子の水分散体溶液を、加圧濾過しながら水分含量約30%になるまで脱水した。脱水物を、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した5Lのガラス製フラスコに移し、3000gの50%メタノール溶液を加え、30分にわたって混合し、加圧濾過しながら脱水した。脱水物を、アンカー型撹拌翼を備えた混合装置を装備した5Lのガラス製フラスコに移し、3000gの水を加え、30分にわたって混合し、加圧濾過しながら脱水した。脱水物を一般的な熱風ドライヤーで105℃で乾燥させ、ジェットミルで粉砕し、流動性微粒子を得た。電子顕微鏡での観察により、表面を約100nmの微粒子で被覆された球状の微粒子が得られたことが確認され、ここで、球状のシリコーンエラストマー微粒子はポリメチルシルセキオキサンで被覆されていた。界面活性剤を用いて水中に微粒子を分散させ、電気抵抗方式粒度分布測定装置「Multisizer−3」(Beckman Coulter)を用いて測定したところ、平均粒径容量は5μmであった。JIS K 6253で測定した場合、得られた微粒子はタイプAデュロメーター硬度が、29を有していた。
【0101】
得られた微粒子1gを水50gと共に100mLのビーカーに配置し、1分間ガラス棒で撹拌したところ、粒子は水に全く分散せず、表面に浮いたまま留まった。
【0102】
【表1】

【0103】
【表2】

【0104】
実施例1〜3及び比較例1〜2の構成成分の定義
*1 トリエトキシカプリリルシランで被覆された二酸化チタン(250nm):大東化成からOTS−2 TiO2 CR−50として市販。
*2 トリエトキシカプリリルシランで被覆された二酸化チタン(10/60nm):大東化成からOTS−11 TTO−V−3として市販。
*3 ジメチルシリル化シリカ(15nm):日本エアロジルからAerosil R 972として市販。
*4 トリエトキシカプリリルシランで被覆されたマイカ(20μm):大東化成からOTS−2 MICA Y−2300として市販。
*5 トリエトキシカプリリルシランで被覆された黄酸化鉄(400nm):大東化成からOTS−2 YELLOW LL−100Pとして市販。
*6 トリエトキシカプリリルシランで被覆された黒酸化鉄(400nm):大東化成からOTS−2 BLACK BL−100Pとして市販。
*7 トリエトキシカプリリルシランで被覆された赤色酸化鉄(400nm):大東化成からOTS−2 RED R−516Pとして市販。
*8 ジメチコンで被覆された、シリカを含有するDL−α−酢酸トコフェロール(5μm):三好化成からSA−SB−705/VEAC(50%)として市販。
*9 カルボキシメチルナトリウムデンプン:LCWから入手可能なCOVAGEL
*10 ナイアシンアミド:DSMからナイアシンアミドUSPとして市販。
*11 DL−パンテノール:DSMからD−パンテノールUSPとして市販。
*12 ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー(5μm,タイプAデュロメーター硬度:30):信越化学工業からKSP−100として市販。
【0105】
実施例1〜3及び比較例1〜2の調製方法
構成成分Aを混合し、疎水性内側表面を有する容器に移す。構成成分Bを別個に混合し、同じ容器に移す。容器を閉め、T2F型TURBLER振盪ミキサー(Willy A.Bachofen AG)により95rpmで3分にわたって振盪した。
【0106】
実施例1〜3及び比較例1〜2の試験方法
カプセル化:KEYENCEからのDIGITAL MICROSCOPE VHX−900により、微粒子と等しい大きさのカプセルが観察された場合、「良好」として評価する。カプセルが形成されなかった場合、「良好でない」として評価する。図1は、首尾よく形成された、本発明の好ましい実施形態のカプセルの、倍率200倍の顕微鏡写真を提供する。図1に見られるように、カプセルの透明な境界が観察される。カプセルが形成されない場合、このような境界は観察されずに、程度の差はあるがむしろ均質な塊が観察される。カプセルを形成しなかったこれらの組成物については、残りの試験を実施することはできなかった。
【0107】
衝撃耐性(回転ドラム式衝撃試験):粉末試料5gを秤量し、50mLのポリプロピレン容器に配置する。ふたを閉めた後、容器を1Lのプラスチック製容器に載置する。1Lの容器のふたを閉め、T2F型TURBLERミキサー(Willy A.Bachofen AG)に設置し、100rpmで1分間振盪し、観察するために止める。同様の振盪及び観察手順を、全15サイクルの間、各1分間の振盪後毎に繰り返す。粉末試料が崩壊して液体へと変化した場合、エンドポイントであると見なし、合計振盪時間を記録する。試料が合計5分の振盪に耐え、合計6分で崩壊した場合には、その値は「5分」として定義される。8分間の振盪に耐えた組成物は、受容可能な安定性を有しているものとして見なす。
【0108】
適用時の冷感:手に適用する際の冷感について、5人の熟練官能試験員により5段階評価で評価する(冷却を感じない−1、非常に弱い冷却を感じる−2、弱い冷却を感じる−3、強い冷却を感じる−4、非常に強い冷却を感じる−5)。次いで平均を算出する。3.0以上の算出スコアを提供しない組成物は、十分な冷感を提供しないものとして見なす。
【0109】
実施例1〜3及び比較例1〜2の評価
実施例1〜3及び比較例1〜2の結果が表1及び2に見出される。撥水性シリコーンエラストマー粉末は含まないが、同様の硬度の従来のシリコーンエラストマー粉末は含有している比較例1は、許容可能な安定性を提供しなかった。必要とされる量未満で粉末充填剤を含む比較例2は、カプセルを形成しなかった。
【0110】
実施例1〜3の利用
実施例1〜3のカプセルは、通常の保存条件下及び通常の混合プロセス下で安定であるが、皮膚に適用される際に特定の剪断応力下で崩壊するような適切な衝撃耐性を有する崩壊するとき、実施例1〜3のカプセルは、バランスのとれたカバー性と自然な外見、並びに良好な塗り性から、肌に良好な感触と良好な外見を与える。
【0111】
【表3】

【0112】
実施例4〜5の調製方法
構成成分Aは十分に分散するまで一緒に挽く。構成成分BをAに加え、均一になるまでブレンドする。
【0113】
【表4】

【0114】
実施例6〜7の調製方法
相Aの成分を、リボンブレンダー又はダブルコーンブレンダーでバルク混合(bulk mix)する。バルク相Aの成分が均質になったら、ハンマーミルを通して粉粒塊を破砕して、無機色素を圧延(extend)する。並行して、相Bバインダーを60℃に加熱する。ミリングの最後に、相Aをリボンブレンダーに戻し、加熱した相Bバインダーを原末に加えて混合する。相Aと相Bとの混合物が均質になったら、粉末とバインダー成分をComilにかける。次いで粉末を最終形態に圧縮する。
【0115】
【表5】

*1 Kobo Productsから商標名ITTとして市販の被覆色素
*2 General Electric Siliconeから商標名Velvesil 125として市販のもの
*3 General Electric Siliconeから商標名1111−21−937として市販のもの
【0116】
実施例8〜9の調製方法
プラスチック製バケツでの相Cの混ぜ合わせ。空気を取り込まずに、最高速度でプロペラミキサーブレンドする。相Aの成分1〜5をステンレス製のジャケット付き容器に加え、高剪断混合を開始する。相B成分を相Aに加え、高速で約30分にわたるミリングを開始する。均質化しながら相Cを容器中の相ABに加える。バッチが視覚的に均一になるまで均質化を続ける。相Dの成分を加え、均一になるまで均質化する。
【0117】
【表6】

*1 Kobo Productsから商標名ITTとして市販の被覆された色素
*2 Uniquimaから市販の商標名Arlatone V−175
【0118】
実施例10〜11の調製方法
成分C1及びC9を、プロペラを最高速で回転させながら混ぜ合わせる。相Cの成分2、3、5、6、7、8、10、11、及び12を加える。空気を取り込まずに、最高速度でプロペラミキサーブレンドする。相Cを70〜80℃に加熱する。バッチが70〜80℃に達したら50%のC4を加える。相A成分1〜5を別個の容器に加え、バッチの均質化を開始する。相Aを70〜80℃に加熱する。相Bを相Aに加え、高速で約20〜30分にわたり剪断する。相ABが70〜80℃に達したら、相A成分6〜7を加える。プロペラ混合しながら、相ABを相Cに加える。外見が均一になるまでブレンドする。バッチを高剪断で均質化する。残りの50%のC4を加える。均一になるまで維持する。
【0119】
【表7】

*1 イソトリデシルイソノナノエート:Crodaから入手可能なCrodamol(商標)
*2 デカメチルシクロペンタシロキサン:Dow Corningから入手可能なSH245
*3 ラウリルPEG−9ポリジメチル−シロキシエチルジメチコン:信越化学工業株式会社から入手可能なKF6038
*4 酸化鉄、シクロペンタシロキサン、ジメチコン及び水素添加グルタミン酸二ナトリウムのスラリー:三好化成から入手可能なSA/NAI−Y−10/D5(70%)、SA/NAI−R−10/D5(65%)及びSA/NAI−B−10/D5(75%)
*5 テトライソパルミチン酸アスコルビル、シリカ、及びジメチコンの混合物:三好化成から入手可能なSA−SB−705/VC−IP
*6 パウダーミックス:三好化成から商標名Grandeur Pearl Powder Pinkで入手可能な、メチルメタクリレートクロスポリマー及びココイルグリシン酸ナトリウム及び水酸化カルシウム及び酸化鉄の混合物
*7 マイカ、二酸化チタン、シリカ、酸化鉄、アルミナ、及びジメチコン/メチコンコポリマーの混合物:(株)日本触媒(Nihon Shokubai)から入手可能なレリーフ・カラー・ピンク(Relief Color Pink)P−2
*8 2−エチルヘキシル4−メトキシシンナメート:Symriseから入手可能なPARSOL MCX
*9 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−3):BASFから入手可能
*10 二酸化チタン及びメチコン:三好化成から入手可能なSI−T−CR−50Z(80%)LHC
*11 二酸化チタン、ジメチコン、水酸化アルミニウム及びステアリン酸:三好化成から入手可能なSAST−UFTR−Z
*12 シクロペンタシロキサン(87.4%)及びジメチコンクロスポリマー(12.6%)ブレンド:Dow Corningから入手可能なDC−9040
*13 イソドデカン(75%)及びPEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマー(25%)ブレンド:信越シリコーン(Shinetsu Silicone)から入手可能なKSG−320
*14 フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸:Symriseから入手可能なNeo Haliopan Hydro
*15 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(ベンゾフェノン−4):BASFから市販
*16 ブチレングリコール:協和発酵工業(Kyowa Hakko Kogyo)から入手可能な1,3−ブチレングリコール
*17 グリセリン:旭電化(Asahi Denka)から入手可能なグリセリンUSP
*18 ナイアシンアミド:Reilly Industries Inc.から入手可能なナイアシンアミド
*19 Saccharomycopsis発酵濾液及びブチレングリコール及びメチルパラベンの混合物:P&Gから入手可能なSK−2 4X
*20 トリエタノールアミン:Dow Chemicalから入手可能なTEA
*21 キャンデリラワックス:株式会社セラリカNODAから入手可能なキャンデリラワックスNC−1630
*22 セレシン:Strahl & Pitshから入手可能なオゾケライトワックスSP−1021
【0120】
実施例12〜13の調製方法
1)相Aの成分を好適なミキサーで均質になるまで混合して親油性混合物を作製する。2)好適なミキサーを用いて、全ての成分が完全に溶解するまで相Bの成分を溶解させ、水相を作製した。室温下で、相Bを工程1)の製品に加え、ホモジナイザーを用いてエマルションを作成した。3)密閉したタンク内で相Cの成分を80〜85℃に加熱して溶解させた。ホモジナイザーを用いて相Cを工程2)の製品に加えた。4)最後に、得られたエマルションを気密容器に充填して、冷却ユニットを用いて室温へと冷却した。
【0121】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0122】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他の任意の参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0123】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用ファンデーション組成物であって、
(a)100重量部の球状シリコーンエラストマー粒子と、前記球状シリコーンエラストマー粒子を被覆するための0.5〜25重量部のポリオルガノシルセキオキサンとを含む、約0.1重量%〜約85重量%の撥水性シリコーンエラストマー粉末であって、前記撥水性シリコーンエラストマー粉末が、分散することなく水に浮き、少なくとも1μmの平均粒径を有し、かつタイプAデュロメーター硬度が、約10〜約80と測定される硬度を有する、撥水性シリコーンエラストマー粉末、及び
(b)好適なキャリアであって、前記好適なキャリアが、前記組成物の約0.1重量%〜約99.8重量%の粉末構成成分を含む、キャリアを含む、組成物。
【請求項2】
前記撥水性シリコーンエラストマー粉末の、前記被覆されたポリオルガノシルセキオキサンの前記表面が、更にトリメチルシリル基と結合している、請求項1に記載のファンデーション。
【請求項3】
前記撥水性シリコーンエラストマー粉末の、前記表面を被覆されたポリオルガノシルセキオキサンが、テトラアルコキシシラン(tetraalkoxysilane)と、トリメチルアルコキシシラン(trimethylalkoxysilane)、トリメチルシラノール(trimethylsilanol)、及びヘキサメチルジシラザン(hexamethyldisilazine)からなる群から選択される少なくとも1種のシリル化剤とで加水分解することによって更に凝縮する、請求項1に記載のファンデーション。
【請求項4】
前記キャリアが、
(a)前記組成物の約0.1〜約60重量%の粉末構成成分であって、前記撥水性シリコーンエラストマー粉末と、前記粉末構成成分との合計が少なくとも5重量%である、粉末構成成分、及び
(b)前記組成物の約40重量%〜約95重量%の水相、を含む、崩壊性水含有カプセルの形態の請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記キャリアが、前記組成物の約15重量%〜約99.8重量%の粉末構成成分を含む、ルースパウダーの形態の請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記キャリアが、
(a)前記組成物の約55重量%〜約98.9重量%の粉末構成成分、及び
(b)水相、液体オイル、油中水型乳化剤、及びこれらの混合物から選択される、前記組成物の約1重量%〜約25重量%の液体バインダー、を含む、固形パウダーの形態の請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記キャリアが、
(a)前記組成物の約5重量%〜約60重量%のオイル構成成分、
(b)前記組成物の約0.1重量%〜約25重量%の油中水型乳化剤、及び
(c)前記組成物の約5重量%〜約70重量%の水相、を含む、油中水型エマルションの形態の請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記キャリアが、
(a)前記組成物の約5重量%〜約60重量%のオイル構成成分、
(b)前記組成物の約0.1重量%〜約25重量%の水中油型乳化剤、及び
(c)前記組成物の約10重量%〜約85重量%の水相、を含む、水中油型エマルションの形態の請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記キャリアが、前記組成物の約0.1重量%〜約10重量%の固形ワックスを更に含む、固形エマルション形態の請求項7又は8に記載の組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2012−517959(P2012−517959A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549210(P2011−549210)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/022825
【国際公開番号】WO2010/090989
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】