説明

撮像基準の幾何解析に基づく、4次元CTの呼吸位相への遡及的ソーティング

呼吸マーカー(40、140、240、340、440)は、撮像対象の呼吸とともに動くように該呼吸に動作的に結合された細長い検出可能部(42、342、442)を含む。この細長い検出可能部は、相異なる時点且つスキャナ軸(20)に沿った相異なる位置で撮像スキャナ(10)によって収集された画像群を横切るように配置され、且つ画像群内でマーカー形状として検出可能にされる。マーカー位置探索手段(52、54)が、画像群内でマーカー形状の位置を決定するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3次元撮像技術に関する。本発明は、特に3次元コンピュータ断層撮影に適用されるものであり、特にそれを参照して説明される。しかしながら、以下の説明は、例えば陽電子放出型断層撮影(PET)や単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)等、その他の撮像モダリティにも当てはまるものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影は、正確な位置の整合を必要とする数多くの用途に使用される。例えば、コンピュータ断層撮影は、時折、悪性腫瘍とその周囲の組織及び器官とを撮像し、放射線治療処置セッションを計画する際に用いる画像とするために使用される。コンピュータ断層撮影画像の造形部は、この計画を効果的なものとするため、放射線治療装置の幾何学配置に整合されるべきである。インターベンショナル撮像においては、コンピュータ断層撮影は、カテーテル、生検針、又はその他の介入器具の挿入を誘導するために使用される。更なる他の一例として、マルチモーダル撮像において、コンピュータ断層撮影画像は、例えば磁気共鳴撮像又は陽電子放出型断層撮影などの、1つ又は複数のその他のモダリティによって収集された画像と空間的に整合される。
【0003】
胸部又は他の領域を撮像するとき、コンピュータ断層撮影画像の空間的な整合又はアライメントは、呼吸運動を考慮に入れることが好ましい。それを行うために、断層撮影と同時に腹部の動きを測定することが知られている。一部の取り組みにおいては、患者上に光学マーカーが配置され、これらの光学マーカーの動きがビデオカメラ又はその他の光学センサによって監視される。そして、観測された光学マーカーの動きから、呼吸サイクルが取得される。そして、呼吸運動の影響を不具にし得るよう、再構成されるスライス画像群は、呼吸位相に基づいてソートされ、分類され、あるいはその他の方法で編成される。
【0004】
しかしながら、このような取り組みは一定の難点を有する。例えば、呼吸データ及び撮像データを同期化し、別々に記録・格納することが必要である。そして、別々の呼吸監視データセット及び撮像データセットは、タイムスタンプ等に基づいて相関付けられなければならない。例えば呼吸監視データセットと撮像データセットとの間の時間ズレ誤差など、これら2つのデータセット間の時間相関の如何なる誤差も、画像スライスの呼吸位相による分類において実質的な系統誤差を生じさせ得る。さらに、呼吸を監視することは、専用のCCDカメラ、歪みゲージ、磁気ビーコン、又は撮像領域に近接配置されたその他の専用呼吸センサを必要とする。光学センサ及び機械的センサ(例えば、歪みゲージ)は患者へのアクセスを妨げるとともに、撮像システムへの容積の追加となる。また、磁気ベースのセンサは、例えば磁気共鳴スキャナ等の撮像装置と相容れないものである。また、カメラ又はその他の専用センサは、誤った較正や系統誤差を補正するために、周期的に再較正されなければならない。さらに、適正動作のため、撮像収集期間の全体を通して、光学マーカーとカメラとの間の直接的な見通し線(ライン・オブ・サイト)が保持されなければならない。見通し線が遮られないことを保ちながら患者の多様な大きさ及び形状に対応するためには、冗長なカメラ及び追加の容積が必要となることがある。さらに、見通し線が遮られないことを保つ必要があるため、その他の装置の使用が阻害されてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像群を呼吸位相に関して編成するための呼吸マーカー、装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に従って、呼吸マーカーが開示される。検出可能部が、撮像スキャナのスキャナ軸に沿った相異なる位置で収集された画像群を横切るように配置され、相異なる時点且つスキャナ軸に沿った相異なる位置で撮像スキャナによって収集された画像群内でマーカー形状として検出可能にされる。
【0007】
他の一態様に従って、相異なる時点且つスキャナ軸に沿った相異なる位置で撮像スキャナによって収集された画像群を編成する装置が開示される。呼吸マーカーは、撮像対象の呼吸とともに動くように該呼吸に動作的に結合された細長い検出可能部を含む。この細長い検出可能部は、相異なる時点且つスキャナ軸に沿った相異なる位置で収集された画像群を横切るように配置され、且つ画像群内でマーカー形状として検出可能にされる。マーカー位置探索手段が、画像群内でマーカー形状の位置を決定するように構成される。
【0008】
他の一態様に従って、相異なる時点で収集された画像群を、該画像群内でマーカー形状として検出可能に構成された呼吸マーカーを用いて編成する方法が開示される。選択された収集画像内でマーカー形状の位置が決定される。決定されたマーカー形状の位置に基づいて、選択された収集画像に対して呼吸位相が割り当てられる。相異なる時点で収集された画像群に呼吸位相を割り当てるために、前記決定する段階及び割り当てる段階が繰り返される。
【0009】
他の一態様に従って、前段落で述べた方法を実行するためのプロセッサが実行可能な命令を格納したデジタル記憶媒体が開示される。
【発明の効果】
【0010】
1つの効果は、呼吸監視データが撮像データに直接的に組み込まれるため、別々の呼吸監視データセット及び撮像データセットを格納し、時間的に同期化させることが不要となることである。
【0011】
別の1つの効果は、呼吸監視データを撮像データに組み込むことにより、同期化が自動的に達成され、呼吸監視データと撮像データとの間の時間ズレ誤差が解消されることである。
【0012】
別の1つの効果は、呼吸監視データが、更なる検知装置を用いることなく、撮像システムによって直接的に収集されることである。
【0013】
別の1つの効果は、撮像システム内に患者を位置付ける上で、光学センサの見通し線又はその他の幾何学配置に関する制約が課されないことである。
【0014】
以下の詳細な説明を読み、理解することにより、本発明の更なる効果が当業者に明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、様々な構成要素及びその構成、並びに様々な段階及びその編成の形態を取り得る。図面は、単に好適実施形態を例示するためのものであり、本発明を限定するものとして解されるべきではない。
【0016】
図1を参照するに、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ10は、撮像領域14を画成する静止した筐体12、及び呼吸サイクルに従って呼吸する、あるいはその他の周期的な運動を受ける医療上の患者、動物、又はその他の撮像対象18を支持する対象支持体16を含んでいる。筐体12は、スライス、スラブ(slab)又はその他の領域を撮像するために透過x線トモグラフィ投影データ収集を実行することに適した構成要素を含んでいる。好適な構成要素には、例えば、筐体12内に配置された回転式ガントリーに、撮像領域14を挟んで対向するように取り付けられた、x線管及びx線検出器アレイが含まれる(x線管、検出器アレイ及び回転式ガントリーは図示していないが、筐体12内に収容されている)。図示されたスキャナ10は、Brilliance(登録商標)CTスキャナ(フィリップス社から入手可能)を図形的に表したものであるが、実質的に如何なる型のCTスキャナも使用され得るし、例えば陽電子放出型断層撮影(PET)スキャナ、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャナ、磁気共鳴撮像(MRI)スキャナ等、その他の種類の撮像スキャナも使用され得る。スキャナ10は、対象と撮像領域14とをスキャナ軸20に沿って相対的に移動させることによって撮像対象18をスキャンする。これは、図示したスキャナ10においては、筐体12及び撮像領域14を静止したままにしながら、対象18が置かれた支持テーブル22を、撮像領域14を通過するように、スキャナ軸20に沿って平行移動させることによって達成される。しかしながら、撮像対象を静止したままにしながら、スキャナの可動部分を平行移動させることも意図される。例えば、Skylight(登録商標)ガンマカメラ(図示せず;フィリップス社から入手可能)は、スキャナ軸に沿って患者をスキャンするために、静止した患者に対してスキャナ軸に沿って平行移動可能な、ロボットアーム上の検出器ヘッドを用いている。
【0017】
スキャンは様々な手法で実行され得る。マルチスライス手法においては、1つのスライス、一組の隣接スライスから形成されるスラブ、又はその他の撮像領域、に対応する投影データの収集中、撮像対象18は撮像領域14に対して静止したままである。この2次元、又は薄い3次元スライスに関するデータ収集の完了後、先のスライス又はスラブに対して、隣接する、部分的に重なる、あるいは隔てられた別のスライスが撮像領域14内に位置付けられるよう、撮像対象18はスキャナ軸20に沿って選択された距離又はステップだけ進められる。この新たなスライスの撮像データが収集されると、対象18は再び、選択された距離又はステップだけ進められる。そして、スキャナ軸20に沿って複数のスライスの撮像データを収集するために、これが続けられる。
【0018】
連続手法においては、投影データを収集する際に、対象18はスキャナ軸20に沿って連続的に進められる。これは、図示したコンピュータ断層撮影スキャナ10では、典型的に、撮像対象18の周りのx線源及びx線検出器アレイの螺旋軌道を生じさせる。従って、この手法は“ヘリカルCT”と呼ばれることがある。例えばPET等の一部のその他の撮像モダリティでは、検出器は回転しない。収集された撮像データは、スライス、スラブ又はその他の領域への再構成に適した短期間の間に収集されたデータの組ごとに好適に分類される。
【0019】
他の一例として、磁気共鳴撮像の場合、スキャナの撮像用構成要素と撮像対象との双方が典型的に静止され、好適なスライス、スラブ又はその他の領域を選択する磁場傾斜を印加することによって、スキャナ軸に沿った様々な位置で画像が収集される。一部の磁気共鳴スキャナにおいては、筐体によって画成される円筒形のボア内に患者が配置され、磁気共鳴画像群が、円筒形ボアの軸と一致するスキャナ軸に対し、それを横断し且つそれに沿って空間的に相隔てられた2次元又は薄い3次元のスライス群として収集される。場合により、これら空間的に相隔てられたスライス群又はスラブ群は、部分的に重なり合っていてもよい。クローズボア型システムにおいては、ボアは一般的に一端又は両端の開口を除いて閉ざされている。オープンボア型システムにおいては、円筒形ボアは更に長手方向の開口を含んでおり、この開口により、閉所恐怖感を与えにくい患者環境が提供され、より都合良く医療関係者が患者にアクセスすることが容易にされる。
【0020】
図1のコンピュータ断層撮影システムを再び参照するに、スキャンが段階的(例えば、マルチスライス)に行われるか、連続的(例えば、ヘリカル)に行われるかに拘わらず、撮像スキャナ10はスキャナコントローラ24によって好適に制御される。スキャナコントローラ24は、スキャンパラメータ、レシピ、又はユーザインタフェース26を介したその他のユーザ選択入力を受け取る。図示した実施形態においては、ユーザインタフェース26は、撮像スキャナ10によって生成された画像を表示するためにも使用され、一部の実施形態においては、ユーザインタフェース26は更に診断画像解析にも使用される。他の実施形態において、画像閲覧及び必要に応じての解析のために、別個のグラフィカルユーザインタフェースが設けられる。一部の実施形態において、撮像スキャナ10はスキャナ上に搭載された制御装置28を含んでおり、制御装置28は、ユーザインタフェース26の制御の代わりとなり、ユーザインタフェース26の制御を複製し、あるいは、撮像スキャナ10を操作するための追加制御又は代替制御を提供する。
【0021】
なおも図1を参照するに、収集された撮像データ(例えば、図示したコンピュータ断層撮影の例における投影データ等)は撮像データメモリ30に格納される。再構成プロセッサ32が、異なる時点且つスキャナ軸20に沿った異なる位置で撮像スキャナ10によって収集された撮像データから画像を再構成し、それにより、相異なる時点且つスキャナ軸20に沿った相異なる位置で撮像スキャナ10によって収集された一組の画像を作り出す。再構成された、相異なる時点且つスキャナ軸20に沿った相異なる位置で収集された画像群は、メモリ34に好適に格納される。認識されるように、メモリ30、34は電気メモリ(例えば、RAMメモリやフラッシュメモリ等)、磁気メモリ(例えば、ハードディスク)、光メモリ(例えば、光ディスク)、又はその他の揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリとし得る。
【0022】
図示したコンピュータ断層撮影スキャナ10の場合、再構成された、異なる時点且つスキャナ軸20に沿った異なる位置で撮像スキャナ10によって収集された画像は、典型的に、2次元スライス画像であるか、有限の厚さ、すなわち、スキャナ軸20の次元方向の有限数のボクセル、を有する薄い3次元スライス画像である。例えば、図示したBrilliance(登録商標)CTスキャナは、6スライス(例えば、マルチスライス撮像モードにおいて、各画像スラブは、6スライスから成り、あるいは等価的に、6ボクセルの厚さを有する)、10スライス、16スライス等々を同時に撮像するのに適した検出器アレイを用いて利用可能である。各画像は、撮像対象18の呼吸サイクルの周期に対して短い期間にわたって収集され、故に、ほぼ単一の呼吸位相にて収集される。高速のコンピュータ断層撮影スキャナにおいては、回転式ガントリーは300rpm以上で回転し、毎分多数のスライスに関する撮像データの収集を可能にし得る。一方、スキャナ軸20に沿った相異なる位置で収集されたスライス画像群を再構成するための撮像データは、実質的に相異なる時点で収集されるので、一般的に、相異なる対応する呼吸位相を有する。例えば、複数のスライス画像又はスラブ画像は、1つの呼吸サイクルのかなりの部分にわたる、1つの呼吸サイクル全体にわたる、あるいは複数の呼吸サイクルにわたる、CINE又は4次元(4D)−CTデータセットを有し得る。
【0023】
なおも図1を参照するに、各収集画像に呼吸位相を割り当てるため、細長い検出可能部42を含む呼吸マーカー40が、相異なる時点且つスキャナ軸に沿った相異なる位置で収集されるスライス画像群又はその他の領域の画像群を横切るように配置される。呼吸マーカー40の少なくとも検出可能部42は、画像内でマーカー形状として検出可能である(例えば、視認可能、あるいは、空間的に局在化された特徴的な画像表現又はアーチファクトを残す、等々)。図示したコンピュータ断層撮影の例では、細長い検出可能部42が検出可能であることは、コンピュータ断層撮影にて使用されるx線又はその他の放射線に対して少なくとも部分的に不透明あるいは吸収性の物質を、細長い検出可能部42内に含めることによって、好適に達成される。例えば、細長い検出可能部42は、木材、プラスチック、又は高密度発泡体から成る場合、x線源を用いるコンピュータ断層撮影スキャナによって収集されたスライス画像又はスラブ画像内で視認可能となる。一方、例えば金属などの一層高密度の物質は一般的にあまり適さない。何故なら、金属マーカーは、再構成されたスライス画像又はスラブ画像内に影、ストリーク又はその他のアーチファクトを生じさせる傾向にあるからである。コンピュータ断層撮影の場合、水又はヒト組織とほぼ同等のx線吸収度を有する物質が有利である。磁気共鳴スキャナにおいては、磁気共鳴周波数又はその付近の周波数で共鳴する物質が有利である。SPECT及びPETの場合、細長い検出可能部は、放射線検出器で検出可能となるよう、放射性物質を含んでいてもよい。例えば、SPECT又はPETの場合の細長い検出可能部は、放射線物質を含む液体を含有した中空チューブを含んでいてもよい。この放射線物質は、SPECT撮像又はPET撮像で用いられる放射性医薬品と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。認識されるように、細長い検出可能部42は細長く、且つスキャナ軸20に沿った様々な位置の画像群を貫くように延在するので、対応するマーカー形状が各収集画像内で検出可能となる。呼吸マーカー40は更に、細長い検出可能部42が呼吸とともに動くように、撮像対象18の呼吸と動作的に結合される。
【0024】
図1に加えて図2をも参照するに、一部の実施形態において、呼吸マーカー40は、撮像対象18の胸部、胴体、腹部、又はその他の部分の上に位置し、呼吸サイクルの吸入部で下がり且つ吐出部で上がる細長い検出可能部42を含む。この実施形態において、呼吸マーカー40の撮像対象18との動作的な結合は、細長い検出可能部42を、撮像対象18上に位置させ且つ撮像対象18によって支持させることによって達成される。図示していないが、この動作的な結合は、細長い検出可能部42を固定する助けとなるストラップ、接着剤、又はその他の接続機構を含めることによって強化されてもよい。
【0025】
図3を参照するに、他の実施形態において、呼吸マーカー140は呼吸マーカー40と似ているが、細長い検出可能部42と撮像対象18との間に配置されたスペーサ部144を更に含んでいる。一部の実施形態におけるスペーサ部144は、スライス画像又はスラブ画像内で、細長い検出可能部42と比較して低い視認性を有するか、視認性を有さない。例えば、スペーサ部144は、コンピュータ断層撮影画像内で比較的低い視認性を有する発泡材料から成っていてもよい。磁気共鳴撮像スキャナでの使用には、例えば収集された磁気共鳴画像内で一般的にほとんど、あるいは全く視認性を有さない材料など、非磁性且つ非導電性のスペーサ材料が適している。スペーサ部144は、細長い検出可能部42と撮像対象18とを分離し、細長い検出可能部42に対応するマーカー形状をスライス画像又はスラブ画像内に描写する助けとなる。この実施形態において、呼吸マーカー140の撮像対象18との動作的な結合は、細長い検出可能部42を撮像対象18に動作的に結合させるスペーサ部144を介して達成される。図示していないが、この動作的な結合は、スペーサ部144を対象18に固定する助けとなるストラップ、接着剤、又はその他の接続機構を含めることによって強化されてもよい。さらに、細長い検出可能部42はスペーサ部144に、接着され、ボルト留めされ、溶着され、埋め込まれ、あるいは、その他の方法で固定され得る。例えば、細長い検出可能部42はスペーサの発泡体の包囲部又は被覆部に埋め込まれてもよい。
【0026】
図4を参照するに、他の実施形態において、呼吸マーカー240は呼吸マーカー140と似ているが、細長い検出可能部42に沿って隔てられ且つ撮像対象18の接触部の形状に概して一致するように構成された外形246、247を有するスペーサ部244、245を更に含んでいる。この実施形態において、呼吸マーカー240の撮像対象18との動作的な結合は、細長い検出可能部42を撮像対象18に動作的に結合させるスペーサ部244、245及び外形246、247を介して達成される。図示していないが、この動作的な結合は、スペーサ部244、245を対象18に固定する助けとなるストラップ、接着剤、又はその他の接続機構を含めることによって強化されてもよい。さらに、細長い検出可能部42はスペーサ部144に、接着され、ボルト留めされ、溶着され、埋め込まれ、あるいは、その他の方法で固定され得る。一部の意図される実施形態において、細長い検出可能部42は、スペーサ部244、245の一方又は双方内にスライド可能に受け入れられる。
【0027】
呼吸マーカー40、140、240が含む細長い検出可能部42は、典型的に、呼吸する患者によってマーカーに加えられる力に対して実質的に剛性を有する。そのため、少なくとも細長い検出可能部42は、患者18の呼吸に相関して動くとき、実質的に堅いままである。例えば呼吸サイクルの一定期間中に細長い検出可能部がしなることなどの、幾らか非剛性的であることも許容され得る。また、検出可能物質から成る、患者18を覆って呼吸とともに動く細長い布状のものなど、剛性を有さない(すなわち、高度に柔軟な)マーカーを使用することも意図される。しかしながら、高度に柔軟なマーカーを用いると、撮像されたマーカー形状の動きと呼吸位相との間の相関は複雑化し、スキャナ軸20に沿った位置に伴って変化することが予期される。
【0028】
図5を参照するに、一部の実施形態において、呼吸マーカー340は呼吸マーカー40と似ているが、細長い検出可能部42がスキャナ軸20に沿って隔てられ、より独立に撮像対象18の呼吸に応答する複数の検出可能部342によって置き換えられている。検出可能部342は、図5に示すように撮像対象18上に直接的に置かれていてもよいし、体に一致するように形成されているかに拘わらず好適なスペーサを含んでいてもよい。複数の検出可能部342は、例えば、複数の素子、ペレット、ビーズ、チェーン素子、曲線状に形成されたチューブ内の液体区画などを含んでいてもよい。
【0029】
図6を参照するに、他の実施形態において、呼吸マーカー440は実質的に一層複雑な構成を有する。図6の例において、改造された細長い検出可能部442は直線状ではなく、必要に応じて対象18の湾曲に一致する幾らかの湾曲を有している。細長い検出可能部442の一端の回転軸となる接続部444は、撮像対象18を支持する対象支持体16のテーブル22に固定されている。対象との接続部446は、回転軸となる接続部444から空間的に隔てられており、細長い検出可能部442が撮像対象18の呼吸に応答して回転軸となる接続部444を中心に旋回する(両方向矢印448で動きを示す)ように、細長い検出可能部442を撮像対象18に動作可能に接続する。図6に示した例において、対象接続部446は、撮像対象18の胸部、胴体、腹部、又はその他の部分の上に置かれるレストアーム又はスタンドである。図示していないが、対象接続部446は、対象接続部446を対象18に固定する助けとなるストラップ、接着剤、又はその他の接続機構を含めることによって強化されてもよい。
【0030】
再び図1を参照するに、呼吸マーカー40(又は、同等に、代替例に係る呼吸マーカー140、240、340、440の何れか)は、マーカーの動き又は位置を対象18の呼吸サイクルに相関付け、それにより、各画像(例えば、図示したコンピュータ断層撮影スキャナ10の場合には、2次元スライス画像又は薄い3次元スライス画像の各々)が収集された時点の対象18の呼吸位相を得るために使用される。マーカーセグメント化部52が、画像内にマーカー形状を描写するように各画像を処理する。例えば、セグメント化部52は、マーカー形状のボクセルを、対象18又はバックグラウンド(例えば、空気又はその他の環境、テーブル22等)を描写するボクセルから分離するために画像上で実行される種まき領域拡張(seeded region-growing)アルゴリズムを用いてもよい。種(シード)は、例えばユーザインタフェース26上に示された画像スラブ又は画像スライスのビデオ表示内でマウスを用いて指し示し、クリックすることによって、画像内で手作業にて特定される。あるいは、種は、例えばマーカー形状のボクセルに予期される明暗度に基づいて、自動的に特定される。種まき領域拡張アルゴリズムは、マーカー形状のボクセルが位置すると期待される選択されたハウンズフィールド(Hounsfield)レンジ内のボクセルを集めることへと進む。その結果は、例えば、描写されたマーカー形状のボクセルが値“1”を有し、セグメント化されたマーカー形状の外側のボクセルが値“0”を有する2値画像としてもよい。認識されるように、2次元スライス画像、又はスキャナ軸の方向に沿って小さい厚さを有する薄い3次元スライス画像の場合、マーカー形状は画像内で、典型的に、呼吸マーカー40の細長い検出可能部42の断面に対応する円形、楕円形、又はその他の断面形状となる。マーカー形状に期待される形状及び大きさを有することは、セグメント化処理を速め、マーカー形状を自動的に描写する助けとなり得る。
【0031】
呼吸マーカーを患者から空間的に隔てるためにスペーサ144、244、245(図3及び4を参照)が用いられる実施形態においては、その間隔は、セグメント化処理の精度及び速度を高めるものと期待される。認識されるように、スペーサを用いることのこれらの効果は、検出可能部が細長くない実施形態にも同様に適用可能であり、例えば、長いスキャン軸に沿って相異なる時点で複数の画像を収集するものではないフラットパネルx線撮像器又はその他の撮像器とともに使用する場合にも好ましく当てはまり得る。このような実施形態は、(別々の画像データセットと時間指標データセットとを有するのではなく)画像に統合された呼吸マーカー形状を有することの効果を保持し、スペーサが用いられる場合には、高速且つ正確なマーカー形状のセグメント化を容易にするという、画像内で呼吸をする患者から空間的に隔てられたマーカー形状を有することの利点を保持する。
【0032】
描写されたマーカー形状がセグメント化部52によって生成されると、重心探索部54が、描写されたマーカー形状の重心を探索する。概して楕円形の断面を有する細長い検出可能部によって、スライス画像が実質的に垂直に横切られる場合、描写されたマーカー形状の重心又はその他の特徴ある中心点は、好ましくは、例えばFitzgibbon等の論文(IEEE Pami、1999年、第21巻、第5号、第476−480頁)に開示されているような、楕円フィッティングアルゴリズムを用いて見積もられる。描写されたマーカー形状の重心又はその他の統計学的(例えば、平均)位置を探索するための他のアルゴリズムを使用することもできる。楕円形断面ではなく円形断面を仮定するアルゴリズムも使用され得るが、一般的に、精度は低下することになる。細長い検出可能部42が、例えば正方形の断面など、円形でも楕円形でもない断面を有する場合、その特定の予期される断面形状に好適な重心探索アルゴリズムが使用され得る。2値のセグメント化画像上で演算する代わりに、セグメント化部52によって階調描写されたマーカー形状表現を生成し、描写されたマーカー形状表現のボクセル値を楕円フィッティングアルゴリズム又はその他の重心探索アルゴリズムのための重みとして用いることができる。例えば、最も可能性ある階調値に比較的近い階調値を有するボクセルは、重心の見積もりの精度及び堅牢性を概して向上させるよう、高めの重みを割り当てられてもよい。各画像に対する重心探索部54の出力は、1つ以上のマーカー形状座標値であり、この座標値は、スキャナ軸20に沿った画像位置の指標、及びその画像の収集時間(例えば、平均時間など)とともに、マーカー形状座標メモリ56に格納される。メモリ30、34と同様に、メモリ56は電気的、磁気的、光学的、又はその他の種類のメモリとし得る。
【0033】
遡及的画像ソータ60は、メモリ56内に格納された、決定されたマーカー形状位置に基づいて、スライス画像群又はスラブ画像群を呼吸位相によって仕分けるように構成されている。各スライス画像又はスラブ画像は、スキャナ軸20に沿った位置、収集タイムスタンプ(例えば、収集タイムスタンプの平均時間)、及びマーカー形状の重心位置による注記を付けられる。この情報は、例えばPan等の論文(MedPhys.、2004年、第31巻、第2号、第333−340頁)で与えられる、標準的な遡及的位相ベースあるいは振幅ベースのソーティングアルゴリズムを用いるために使用される。少なくとも1つの次元に沿ったスライス画像又はスラブ画像内のマーカー形状の位置又は軌道の呼吸位相との相関は、スキャナ軸に沿った位置の調整を含み、それにより、スキャナ軸20に沿った相異なる位置での相異なるマーカー形状の軌道を不具にし得る。例えば、図5の呼吸マーカー340の場合、独立に移動する検出可能部342の各々に関するマーカー形状の軌道は一般的に異なる。同様に、図6の呼吸マーカー440の場合、回転軸となる接続部444から比較的遠く離れて位置するスライス画像又はスラブ画像に関するマーカー形状の軌道は、一般的に、回転軸となる接続部444の比較的近くに位置するスライス画像又はスラブ画像に関するマーカー形状の軌道より、大きい振幅を有することになる。呼吸位相によって仕分けられると、実質的に同一の呼吸位相が割り当てられたスライス画像群又はスラブ画像群は、必要に応じて、その呼吸位相のボリューム画像表現を形成するように組み合わされる。あるいは、異なる呼吸位相が割り当てられた空間的に一致するスライス画像群又はスラブ画像群は、時間的に変化する呼吸シーケンスを形成するように組み合わされることができる。
【0034】
図7及び8を参照するに、スライス画像の例が図形的に示されている。図7は、スキャナ軸20(この例ではz軸とする)に沿った位置zにおいて呼吸位相φで収集されたスライス画像を図形的に示している。図8は、スキャナ軸20に沿った位置zにおいて異なる呼吸位相φで収集されたスライス画像を図形的に示している。これらのスライス画像はx方向において空間的な基準位置xを有する。呼吸位相φ(図7)では、マーカー形状は基準位置xに対して位置xに重心542aを有する。呼吸位相φ(図8)では、マーカー形状は基準位置xに対して位置xに重心542bを有する。ただし、xは一般的にxとは異なる。理解されるように、位置xは、収縮した胸部を有する撮像対象18に対応しており、息をほぼ完全に吐き出した点に対応する。同様に、位置xは、拡張した胸部を有する撮像対象18に対応しており、息をほぼいっぱいに吸い込んだ点に対応する。一般的に、完全な吐き出し(x)と完全な吸い込み(x)との間の位置の軌道は予期され、ソータ60は、x方向に沿った重心運動の極限に対する重心位置に基づいて、各画像に呼吸位相を割り当てることが可能である。図示していないが、重心の軌道又は動きは、例えばx及びyの両方向の動き成分を含むなど、より複雑であってもよく、そのような複雑な軌道又は動きは、動きを呼吸位相に相関付ける際に好適に把握される。基準位置xは、スキャナの画像座標系に関して指定されてもよいし、例えば支持テーブル22の位置などの画像内の固定位置にある特徴部に関して指定されてもよい。
【0035】
細長い検出可能部42、342、442を呼吸マーカー40、140、240、340、440に組み込むことにより、スキャナ軸20に沿った各スライス画像は細長い検出可能部42、342、442に対して概して垂直となり、該細長い検出可能部によって横切られるので、呼吸は撮像が進められるときに容易に追跡される。対照的に、例えばボタン状あるいは小さい塊状のマーカー等の細長くないマーカーは、該ボタン状あるいは小さい塊状のマーカーに近接する1つ又は数少ないスライス画像内でのみ検出可能である。図1の構成においては、撮像スキャナ10はコンピュータ断層撮影スキャナであり、撮像対象18は、スライス画像がアクシャルスライス画像であるように配置されたヒトの撮像対象である。しかしながら、撮像スキャナはPET、SPECT又はその他の種類の撮像スキャナとしてもよく、呼吸する撮像対象はヒト又は動物の撮像対象としてもよい。理解されるように、スライス画像又スラブ画像は細長い検出可能部42、342、442に対して概して垂直であるが、細長い検出可能部42、342、442に対して正確に垂直である必要はない。例えば、一部の撮像スキャナは傾斜した幾何学配置で構成されることもできる。例えば、Brilliance(登録商標)CTスキャナは、筐体12(ひいては、撮像するスライス又はスラブ)をスキャナ軸20に対して傾斜させることができる。これに加えて、あるいは代えて、細長い検出可能部42、342、442がスキャナ軸20に対して傾斜されてもよい。例えば、呼吸マーカー340の検出可能部群342は互いに同一線上にはなく、また、呼吸マーカー440の改造された細長い検出可能部442は直線状ではなく幾らかの湾曲を有している。スライス画像群又はスラブ画像群と細長い検出可能部42、342、442との間の正確な垂直配置からのこのような逸脱は、細長い検出可能部42、342、442がスライス画像群又はスラブ画像群に対して十分に横方向であり、細長い検出可能部42、342、442が各スライス画像又はスラブ画像内にマーカー形状を生じさせるように複数のスライス画像又はスラブ画像を通過する限り許容される。
【0036】
画像内のマーカー形状を解析し、マーカー形状を呼吸位相に相関付けるための構成要素52、54、60は物理的に様々な手法で実装される。一部の実施形態において、画像群を横切るように配置され且つ画像群にマーカー形状として検出可能な細長い呼吸マーカー40、140、240、340、440を用いて相異なる時点且つスキャナ軸20に沿った相異なる位置で撮像スキャナ10によって収集された画像群を編成するための方法を実行する構成要素52、54、60を、プロセッサによって実行されたときに実現する命令群が、例えば磁気ディスク、光ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はネットワークサーバの記憶装置などの記憶媒体に格納される。このような記憶媒体は、スキャナコントローラ24を実現する、あるいは画像表示を実現するなどの命令群を格納する記憶媒体に統合されてもよい。あるいは、同一の記憶媒体が、呼吸ソート処理命令と、スキャナを制御する、あるいは画像を表示する等を行うための命令との双方を格納してもよい。一部の実施形態において、画像内のマーカー形状を解析するための構成要素52、54、60は、細長い呼吸マーカー40、140、240、340、440を組み込んで以前に収集された画像群の受信及び編成を行うスタンドアローン型の後処理システムとして実装される。このような後処理構成においては、撮像スキャナは、呼吸マーカー40、140、240、340、440を患者18とともに組み込む、あるいは搭載するように変更され、それにより、既存の撮像スキャナを改良することを容易にする。解析要素52、54、60が装置に含められるとき、既存の撮像システムの変更は、解析要素52、54、60を追加する好適なソフトウェアのアップグレードを更に含むように意図される。
【0037】
一部の実施形態において、メモリ34内の画像は4次元画像(例えば、デカルトx、y、z座標等の3つの空間座標と、時間座標t)として編成される。これにより、各位相の完全な3次元画像が提供され、個々のスライス、ボリューム、表面表現などのCINE画像表示が容易になる。相異なる呼吸位相における対応画像群は、減算され、結合され、あるいは共通の位相に変換されるなどされ得る。
【0038】
本発明をその好適な実施形態を参照して説明してきた。以上の詳細な説明を読み、理解した当業者は、これらへの変更及び代替に想到し得る。本発明は、添付の特許請求の範囲又はその均等範囲に入る限りにおいて、全てのそのような変更及び代替を含むとして解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】呼吸監視を含むコンピュータ断層撮影システムを示す図である。
【図2】図1のシステムで使用される呼吸マーカーを示す斜視図である。
【図3】他の一例に係る呼吸マーカーを示す斜視図である。
【図4】他の一例に係る呼吸マーカーを示す斜視図である。
【図5】撮像対象とともに配置された、他の一例に係る呼吸マーカーを示す図である。
【図6】対象支持体上の撮像対象とともに配置された、他の一例に係る呼吸マーカーを示す図である。
【図7】スキャナ軸に沿った或る選択位置における、息を完全に吐き出した位相に近い第1の呼吸位相でのスライス画像を示す図である。
【図8】スキャナ軸に沿った図7と同一位置における、息をいっぱいに吸い込んだ位相に近い第2の呼吸位相でのスライス画像を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像スキャナのスキャナ軸に沿った相異なる位置で収集された画像群を横切るように配置され、相異なる時点且つ前記スキャナ軸に沿った相異なる位置で前記撮像スキャナによって収集された画像群内でマーカー形状として検出可能な検出可能部、
を有する呼吸マーカー。
【請求項2】
前記検出可能部を撮像対象から空間的に隔てるスペーサ部、
を更に含む請求項1に記載の呼吸マーカー。
【請求項3】
前記スペーサ部は、前記画像群内で、前記検出可能部と比較して低い視認性を有する、あるいは視認性を有さない、請求項2に記載の呼吸マーカー。
【請求項4】
前記検出可能部は細長い検出可能部である、請求項1に記載の呼吸マーカー。
【請求項5】
前記細長い検出可能部を撮像対象から空間的に隔てる細長いスペーサ部、及び
前記細長い検出可能部に沿って空間的に隔てられ、あるいは分散され、且つ前記細長い検出可能部を前記撮像対象から空間的に隔てる複数のスペーサ部、
の一方を更に含む請求項4に記載の呼吸マーカー。
【請求項6】
前記細長い検出可能部は、木材、プラスチック、高密度発泡体、水、及び放射性物質のうちの1つ以上を含む材料から成る、請求項4に記載の呼吸マーカー。
【請求項7】
前記細長い検出可能部は:
前記スキャナ軸に沿って空間的に隔てられ、撮像対象の呼吸に対して、独立して移動する複数の検出可能部、
を含む、請求項4に記載の呼吸マーカー。
【請求項8】
前記細長い検出可能部は細長い棒状部を含む、請求項4に記載の呼吸マーカー。
【請求項9】
前記検出可能部は、該検出可能部が撮像対象の呼吸とともに動くように、前記呼吸に動作的に結合されている、請求項1に記載の呼吸マーカー。
【請求項10】
前記撮像対象の一部と接触し、前記撮像対象の該接触部の形状とほぼ一致するように構成された外形を有する成形部、
を更に含む請求項9に記載の呼吸マーカー。
【請求項11】
前記検出可能部は細長い検出可能部であり、当該呼吸マーカーは更に:
前記細長い検出可能部の、撮像対象を支持する撮像対象支持体への接続部であり、回転軸となる接続部;及び
前記回転軸となる接続部から空間的に隔てられた対象接続部であり、前記細長い検出可能部が前記撮像対象の呼吸に応答して前記回転軸となる接続部を中心に旋回するように、前記細長い検出可能部を前記撮像対象に動作可能に接続する対象接続部;
を含む、請求項1に記載の呼吸マーカー。
【請求項12】
相異なる時点且つスキャナ軸に沿った相異なる位置で撮像スキャナによって収集された画像群を編成する装置であって:
撮像対象の呼吸とともに動くように該呼吸に動作的に結合された細長い検出可能部を含む呼吸マーカーであり、該細長い検出可能部は、相異なる時点且つ前記スキャナ軸に沿った相異なる位置で収集された前記画像群を横切るように配置され、且つ前記画像群内でマーカー形状として検出可能である、呼吸マーカー;及び
前記画像群内で前記マーカー形状の位置を決定するマーカー位置探索手段;
を有する装置。
【請求項13】
前記撮像スキャナはコンピュータ断層撮影スキャナであり、前記撮像対象は、収集された前記画像群が2次元又は薄い3次元のアクシャルスライス画像群となるように配置されたヒトの撮像対象である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
決定された前記マーカー形状の位置に基づいて、前記画像群を呼吸位相によって仕分けするように構成されたソータ、
を更に含む請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記マーカー位置探索手段は:
前記マーカー形状を描写するように各収集画像をセグメント化するマーカーセグメント化部;及び
描写された前記マーカー形状の重心を探索する重心探索部;
を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記呼吸マーカーの前記細長い検出可能部は、相異なる時点且つ前記スキャナ軸に沿った相異なる位置で前記撮像スキャナによって収集された全画像内にマーカー形状が出現するように、前記撮像対象の撮像領域の全長にわたって延在する、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
相異なる時点で収集された画像群を、該画像群内でマーカー形状として検出可能に構成された呼吸マーカーを用いて編成する方法であって:
選択された収集画像内で前記マーカー形状の位置を決定する段階;
決定された前記マーカー形状の位置に基づいて、前記選択された収集画像に対して呼吸位相を割り当てる段階;及び
相異なる時点で収集された前記画像群に呼吸位相を割り当てるために、前記決定する段階及び割り当てる段階を繰り返す段階;
を有する方法。
【請求項18】
前記呼吸マーカーは細長い検出可能部を含み、当該方法は更に:
前記細長い検出可能部がスキャナ軸に沿った相異なる位置で収集された画像群を横切るように、前記細長い検出可能部を前記スキャナ軸に対してほぼ並行に配置する段階、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
相異なる時点且つ前記スキャナ軸に沿った相異なる位置で収集され、且つ実質的に同一の呼吸位相が割り当てられた画像群を、該呼吸位相のボリューム画像表現を形成するように組み合わせる段階、
を更に含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
相異なる時点で収集され、且つ相異なる呼吸位相が割り当てられた画像群を、時間的に変化する呼吸シーケンスを形成するように組み合わせる段階、
を更に含む請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記決定する段階は:
前記選択された収集画像を、前記マーカー形状を描写するようにセグメント化する段階;及び
描写された前記マーカー形状の重心を探索する段階;
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法を実行するための、プロセッサが実行可能な命令を格納した、デジタル記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−537240(P2009−537240A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511143(P2009−511143)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/067847
【国際公開番号】WO2007/136967
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【出願人】(503020529)ユニヴァーシティー ヘルス ネットワーク (3)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY HEALTH NETWORK
【Fターム(参考)】