説明

撮像装置および撮像装置用プログラム

【課題】撮影直後に他の画像と比較しながら不要な画像を即座に判定して削除し、互いに類似する多数の画像を記憶する状態を回避する。
【解決手段】撮像部が撮影した画像の特徴を抽出する特徴抽出部と、特徴抽出部が抽出した特徴に基づいて画像を分類する分類部と、画像および画像の分類に関連する情報を記憶する記憶部と、動作モードに応じて定められる条件を満たす画像を検索する検索部と、表示部が表示している画像および該画像に基づいて検索部が検索した画像の少なくとも一部を含む合成画像を生成する合成画像生成部と、合成画像生成部が生成した合成画像を表示部で表示させる制御を行う制御部と、を備え、制御部は、撮影モードにおいて、タッチパネルで押圧可能な領域のうち合成画像に含まれる画像のいずれかに対応する箇所が押圧された場合、この押圧された箇所に対応する画像の画像データを前記記憶部から消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を撮影して該画像の電子的な画像データを生成する撮像装置および撮像装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラに適用可能な小型の記録媒体は、その容量が増加の一途をたどっており、大量の画像を保存しておくことが可能となっている。このような状況において、ユーザは記録媒体の容量の残りを気にすることなく撮影を行うことができるようになってきており、類似した画像を大量に撮影してしまうことがよくある。この場合、大量に撮影した類似画像のうち残しておくべき画像はごくわずかであるにもかかわらず、あとで画像を整理するのが面倒であるため、大量の画像をそのまま残してしまっている状況がしばしば生じていた。その結果、大量の類似画像の中から真に必要な画像を選ぶのに手間がかかるという問題があった。
【0003】
上述した状況を改善するために、従来、撮影した画像の特徴量の評価を行って最良の画像を判定し、この判定結果に基づいて画像のプリントを行う技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、比較対象の複数の画像を並列して表示し、類似度等の数値情報を表示する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2007−88594号公報
【特許文献2】特開2006−85258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術は、撮影してから時間が経過した後で画像の整理を行うことが想定されており、撮影直後に他の画像と比較しながら不要な画像を即座に判定して削除することはできなかった。その結果、互いに類似する多数の画像を記憶する状態を回避することは困難であった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、撮影直後に他の画像と比較しながら不要な画像を即座に判定して削除することができ、互いに類似する多数の画像を記憶する状態を回避することができる撮像装置および撮像装置用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、画像を撮影して該画像の電子的な画像データを生成する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像を表示する表示部とを備え、動作モードとして画像を撮影する撮影モードおよび撮影済みの画像を再生する再生モードを設定可能な撮像装置であって、前記表示部に積層され、外部からの押圧によって信号を入力するタッチパネルと、前記撮像部が撮影した画像の特徴を抽出する特徴抽出部と、前記特徴抽出部が抽出した特徴に基づいて画像を分類する分類部と、前記撮像部が撮影した画像および前記分類部が行った画像の分類に関連する情報を記憶する記憶部と、前記動作モードに応じて定められる条件を満たす画像を前記記憶部から検索する検索部と、前記表示部が表示している画像および該画像に基づいて前記検索部が検索した画像の少なくとも一部を含む合成画像を生成する合成画像生成部と、前記合成画像生成部が生成した合成画像を前記表示部で表示させる制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記撮影モードにおいて、前記タッチパネルで押圧可能な領域のうち前記合成画像に含まれる画像のいずれかに対応する箇所が押圧された場合、この押圧された箇所に対応する画像の画像データを前記記憶部から消去することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る撮像装置は、上記発明において、前記検索部が画像を検索する際の条件は、前記動作モードおよび前記タッチパネルが押圧された箇所に応じて定められることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る撮像装置は、上記発明において、画像中に含まれる人物の顔を検出する顔検出部をさらに備え、前記特徴抽出部は、前記顔検出部が顔を検出した画像の特徴として、検出した顔の大きさおよび顔以外の部分の色を判定し、前記分類部は、前記特徴抽出部が抽出した顔の大きさに応じて分類することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る撮像装置は、上記発明において、前記検索部は、前記撮影モードにおいて、前記表示部の画像表示領域のうち前記タッチパネルが押圧された箇所に対応する領域で顔が表示されている場合、当該領域に不特定の顔を含む画像を検索することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る撮像装置は、上記発明において、前記検索部は、前記再生モードにおいて、前記表示部の画像表示領域のうち前記タッチパネルが押圧された箇所に対応する領域で顔が表示されている場合、当該顔を含む画像を検索することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る撮像装置は、上記発明において、前記特徴抽出部は、前記顔検出部が顔を検出しない画像の特徴として、該画像の主要な色、ピント距離および彩度の大小を少なくとも判定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る撮像装置は、上記発明において、前記合成画像生成部は、前記合成画像として、前記検索部が検索した画像のうち前記表示部が表示する画像との類似度が最も高い画像を前記表示部が表示する画像と並べて表示する画像を生成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る撮像装置は、上記発明において、前記合成画像生成部は、前記撮影モードにおける合成画像として、並べて表示する二つの画像のうち前記タッチパネルを介して指定された領域の拡大画像をさらに表示することを特徴する。
【0015】
また、本発明に係る撮像装置は、上記発明において、前記合成画像生成部は、前記合成画像として、画像間の類似度の値を加えた画像を生成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る撮像装置用プログラムは、画像を撮影して該画像での電子的な画像データを生成する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像を表示する表示部と、前記表示部に積層され、外部からの押圧によって信号を入力するタッチパネルと、撮像部が撮像した画像の画像情報を記憶する記憶部とを備え、動作モードとして画像を撮影する撮影モードおよび撮影済みの画像を再生する再生モードを設定可能な撮像装置に、前記撮像部が撮影した画像の特徴を抽出する特徴抽出ステップ、前記特徴抽出ステップで抽出した特徴に基づいて画像を分類して前記記憶部へ記録する分類ステップ、前記動作モードに応じて定められる条件を満たす画像を前記記憶部から検索する検索ステップ、前記表示部が表示している画像および該画像に基づいて検索した画像の少なくとも一部を含む合成画像を生成する合成画像生成ステップ、前記合成画像生成ステップで生成した合成画像を表示する合成画像表示ステップ、を実行させ、前記撮像装置が前記撮影モードに設定されている場合、前記タッチパネルで前記合成画像表示ステップで表示した合成画像に含まれる画像のいずれかに対応する箇所が押圧されたとき、この押圧された箇所に対応する画像の画像データを前記記憶部から消去する画像データ消去ステップをさらに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、撮影した直後に、所定の条件を満たす画像を記憶部から検索し、この検索した画像の少なくとも一部と撮影した画像とを用いることによって合成画像を生成し、合成画像の中でタッチパネルを介して指定された画像の画像データを記憶部から消去するため、撮影直後に他の画像と比較しながら不要な画像を即座に判定して削除することができ、互いに類似する多数の画像を記憶する状態を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。同図に示す撮像装置1は、画像を撮像し、この画像の電子的な画像データを生成する撮像部2と、撮像部2が生成した画像データに対して画像処理を施す画像処理部3と、画像処理部3で処理が施された画像データに対応する画像を表示する表示部4と、外部からの操作信号等の入力を受け付ける入力部5と、明るさを含む撮像部2の視野領域の状態や撮影場所の情報を検知するセンサ部6と、撮影日時の判定機能やタイマー機能を有する時計7と、撮像部2が撮影した画像データを含む各種情報を記憶する記憶部8と、入力部5から入力される操作信号などに応じて撮像装置1の動作を制御する制御部9と、を備える。
【0020】
撮像部2は、一または複数のレンズによって構成され、所定の視野領域に存在する被写体からの光を集光する光学系と、光学系が集光した光の入射量を調整する絞りと、レリーズ入力に応じて動作するシャッタと、絞りおよびシャッタを通過した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子と、撮像素子から出力されるアナログ信号に増幅やホワイトバランス等の信号処理を施した後、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成する信号処理回路とを有する。
【0021】
画像処理部3は、撮像部2が撮影した画像に含まれる人物の顔を記憶部8が記憶する顔のパターン情報を用いたパターンマッチングを行うことによって検出する顔検出部31と、撮像部2が撮影した画像の特徴を抽出する特徴抽出部32と、特徴抽出部32が抽出した特徴に基づいて画像を分類する分類部33と、表示部4が表示中の画像で指定された箇所に応じて記憶部8から画像を検索する検索部34と、表示部4が表示している画像と該画像に基づいて検索部34が検索した画像の少なくとも一部を含む合成画像を生成する合成画像生成部35と、を有する。
【0022】
表示部4は、液晶、プラズマまたは有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて実現され、画像データのほかに撮像装置1の操作情報や撮影に関する情報を適宜表示する。
【0023】
入力部5は、表示部4に積層して設けられ、外部からの押圧による接触を検知するタッチパネル51を有する。タッチパネル51は、酸化インジウムスズの薄膜(ITO膜)からなる透明抵抗膜を用いて実現され、外部からの押圧による透明抵抗膜の変化に応じた電圧変化を検出することによって押圧された位置を特定し、この特定した位置に応じた信号を入力する。
【0024】
記憶部8は、撮像部2が撮影し、画像処理部3によって処理が施された撮影済みの画像データを記憶する画像データ記憶部81と、特徴抽出部32が抽出した特徴および分類部33が行った分類結果を含む画像毎の関連情報を記憶する関連情報記憶部82と、顔検出部31がパターンマッチングによって顔を検出する際に参照する顔のパターン情報を記憶するパターン情報記憶部83と、本実施の形態に係る撮像装置用プログラムを含み、撮像装置1が実行する各種プログラムを記憶するプログラム記憶部84とを有する。
【0025】
記憶部8は、撮像装置1の内部に固定的に設けられるフラッシュメモリやRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現される。なお、記憶部8に、外部から装着されるメモリカード等の記録媒体に対して情報を記録する一方、記録媒体が記録する情報を読み出す記録媒体インターフェースとしての機能を具備させてもよい。
【0026】
制御部9は、MPU(Micro Processing Unit)等を用いて実現され、制御対象である撮像装置1の各構成部位とバスラインを介して接続されている。
【0027】
以上の構成を有する撮像装置1は、入力部5によるレリーズ信号の入力によって画像を撮影する撮影モードと、撮影した画像を記憶部8から読み出して再生表示する再生モードとを設定することができる。
【0028】
次に、図2〜図4を参照して、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合に行う特徴的な処理の概要を説明する。図2は、画像データ記憶部81が記憶する画像を模式的に示す図である。画像データ記憶部81は、4枚の画像101〜104の画像データを記憶している。これらの画像101〜104は、全て赤ちゃんを撮影したものであり、符号の小さい順に撮影されたものとする。
【0029】
図3は、撮影モードで画像104を撮影した直後にユーザが画像104に類似した画像の検索を行う状況を模式的に示す図である。図3において、ユーザは、赤ちゃんの顔を自分の指201でタッチして押圧しつつある。ユーザが指201で赤ちゃんの顔をタッチして押圧すると、タッチパネル51を介して信号が入力され、検索部34はタッチパネル51が押圧された箇所に対応する表示部4の表示領域に顔がある画像を画像データ記憶部81の画像データを参照して検索する。具体的には、図4に示す場合、検索部34は画像101〜103の中から画像101を抽出する。
【0030】
検索部34が画像101を抽出した後、合成画像生成部35は画像101、104を用いて合成画像(撮影モード用合成画像)を生成する。合成画像生成部35が生成した撮影モード用合成画像は、表示部4で表示される。
【0031】
図4は、撮影モード用合成画像の表示部4における表示例を示す図である。同図に示す撮影モード用合成画像111は、直前に撮影した画像104と、この画像104に類似する画像として検索部34によって検索された画像101とを並べて表示するとともに、検索の際に得た両画像の表情の類似度(図4では10%)を表示している。また、撮影モード用合成画像111では、下方に操作情報を表示している(消去:消去する方をタッチ、消去しない:画像以外をタッチ)。撮影モード用合成画像111を見たユーザは、画像101または104のいずれかを消去したい場合、その消去したい画像をタッチする。また、撮影モード用合成画像111を見たユーザが2枚の画像101、104を消去しない場合には、画像101、104以外の箇所をタッチする。
【0032】
このように、本実施の形態によれば、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合、撮影するたびに類似した画像を検索して表示部4で表示するため、ユーザは迅速に画像の整理を行うことができ、無駄な画像を少なくすることができる。特に、撮影モード用合成画像の中に表示している画像間の類似度を明示することにより、例えば天気のよい屋外で撮影している場合のように、画像そのものが見難い場合であっても画像間の類似度を正確に把握することができる。
【0033】
次に、図5〜図6を参照して、撮像装置1が再生モードに設定されている場合に行う特徴的な処理を説明する。図5は、撮影済みの画像105を表示部4で再生表示している場合にタッチパネル51を指201でタッチして押圧しようとしている状況を示す図である。図5に示す場合、指201は画像105に写っている女性の顔をタッチしようとしている。ユーザが指201で女性の顔をタッチすると、検索部34はその女性の顔を含む画像を検索する。なお、再生モードでは、検索条件としてタッチされた箇所が同じであるという条件は含まれない。
【0034】
その後、合成画像生成部35は、検索部34の検索結果に基づいて、類似する画像を並べて表示する再生モード用合成画像を生成する。合成画像生成部35が生成した再生モード用合成画像は、表示部4で表示される。図6は、再生モード用合成画像の表示部4における表示例を示す図である。同図に示す再生モード用合成画像112は、再生表示していた画像105に加えて、画像105で指定された女性が写っている画像106、107が表示されている。なお、検索部34の検索条件を満たす画像がさらに多い場合には、一つの画像の表示面積を小さくして表示してもよいし、複数ページにわたって表示するようにしてもよい。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、撮像装置1が再生モードに設定されている場合、再生中の画像で指定された箇所と類似する画像が含まれる画像を検索して並べて表示することができるため、再生時の編集も容易にかつ迅速に行うことができる。
【0036】
図7は、撮像装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。まず、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS1:撮影モード)を説明する。この場合、撮像装置1は、表示部4で撮像部2が撮像している画像(スルー画像)を表示する(ステップS2)。
【0037】
続いて、顔検出部31がスルー画像中に存在する人物の顔を検出する(ステップS3)。制御部9は、顔検出部31の検出結果に基づいてピント調整を行う(ステップS4)。ここでのピント調整は、顔検出部31が顔を検出していれば顔にピント合わせを行う一方、顔検出部31が顔を検出していなければ所定の位置にピントを合わせる。
【0038】
その後、入力部5からレリーズ信号が入力された場合(ステップS5:Yes)、撮像部2が画像を撮影し(ステップS6)、この撮影した画像を画像データ記憶部81に書き込んで記録する(ステップS7)。入力部5からレリーズ信号が入力されない場合(ステップS5:No)、撮像装置1はステップS1へ戻る。
【0039】
ステップS7の後、分類部33がステップS6で撮影した画像の分類を行う(ステップS8)。図8は、分類部33が行う画像の分類処理の概要を示す図である。顔検出部31が検出した結果、顔があった場合(ステップS81:Yes)、特徴抽出部32は顔の周囲の背景色を判定する(ステップS82)。続いて、特徴抽出部32は、顔の大きさを判定する。この顔の大きさが所定の基準よりも大きい場合(ステップS83:Yes)、分類部33は画像を「ポートレート」というカテゴリに分類し(ステップS8:Yes)、メインルーチンへ戻る。一方、顔の大きさが所定の基準未満である場合(ステップS83:No)、分類部33は画像を「スナップ」というカテゴリに分類し(ステップS85)、メインルーチンへ戻る。
【0040】
次に、顔検出部31が顔を検出しなかった場合(ステップS81:No)を説明する。この場合、特徴抽出部32は画像の主要色を判定する(ステップS86)。その後、ピント距離が遠距離と見なしうる距離としてあらかじめ定められた第1の距離よりも大きい場合(ステップS87:Yes)、分類部33は画像を「風景」というカテゴリに分類し(ステップS88)、メインルーチンへ戻る。
【0041】
ステップS87でピント距離が第1の距離よりも小さく(ステップS87:No)、かつ至近距離と見なしうる距離としてあらかじめ定められた第2の距離よりも大きい場合(ステップS89:No)、分類部33は画像を「ペット」というカテゴリに分類し(ステップS90)、メインルーチンへ戻る。
【0042】
一方、ステップS87でピント距離が第1の距離よりも小さく(ステップS87:No)、かつ第2の距離よりも小さい場合(ステップS89:Yes)、特徴抽出部32は画像の彩度に基づく判定をさらに行う(ステップS91)。具体的には、画像の彩度が所定値よりも大きい場合(ステップS91:Yes)、分類部33が画像を「花」というカテゴリに分類し(ステップS92)、メインルーチンへ戻る。一方、彩度が小さい場合(ステップS91:No)、分類部33は画像を「小物」というカテゴリに分類し(ステップS93)、メインルーチンへ戻る。
【0043】
なお、顔でない場合に分類されるカテゴリである「風景」、「ペット」、「花」、「小物」は、そのような画像が含まれる可能性が高いことを考慮した上で設定したカテゴリ名に過ぎず、例えば「風景」のカテゴリに風景以外の写真が含まれていてもかまわない。また、カテゴリの分け方は上述した場合に限られるわけではない。
【0044】
以上説明したステップS8の後の処理を、再び図7を参照して説明する。ステップS8の後、分類部33は、分類結果を画像の関連情報として関連情報記憶部82へ記録する(ステップS9)。図9は、関連情報記憶部82が記憶する関連情報の具体例を示す図である。同図に示すテーブルTbに相当する情報は関連情報記憶部82が記憶している。各画像の関連情報として、カテゴリ、顔の数、顔の位置、顔の大きさ、顔の特徴、背景色、主要色、撮影日時、撮影場所が記録されている。
【0045】
関連情報のうち、顔の位置は、図10に示すように、表示部4を縦横3等分ずつ9等分した矩形領域A1〜A9のうちどの領域に位置しているかを示す。
【0046】
また、関連情報のうち、顔の大きさは、3つの円形領域D1、D2、D3の面積との比較で特徴付けられる。図12は、図11の矩形領域A1〜A9と等しい面積を有する領域Aと円形領域D1〜D3との関係を示す図である。円形領域D2は、領域Aの高さと同じ長さの径を有する。また、円形領域D3は、領域Aの対角線と同じ長さの径を有する。円形領域D1は、円形領域D2よりも径が小さい。テーブルTbで顔の大きさが「D1」と記録されている場合、顔の面積が円形領域D1の面積よりも小さいことを意味する。またテーブルTbで顔の大きさが「D2」と記録されている場合、顔の面積が円形領域D1の面積以上でありかつ円形領域D2の面積未満であることを意味する。また、テーブルTbで顔の大きさが「D3」と記録されている場合、顔の面積が円形領域D2の面積以上かつ円形領域D3の面積未満であることを意味する。また、テーブルTbで顔の大きさが「D+」と記録されている場合、顔の面積が円形領域D3の面積以上であることを意味している。
【0047】
また、関連情報のうち、顔の特徴は、予めパターン情報記憶部83に登録されている顔であるか否かを示すものであり、テーブルで「P−A」、「P−B」と記録されているのが登録済みの顔である一方、「P−X」と記録されているのが未登録の顔である。
【0048】
また、関連情報のうち、撮影場所の座標(x1,x2)等は、例えばセンサ部6がGPS(Global Positioning System)から送信されてくるデータに基づいて位置情報を検知する場合、緯度および経度で与えられる。
【0049】
具体例を説明する。例えば、画像1は「スナップ」というカテゴリに分類された画像である。画像1に含まれる人物の顔は2つであり、その2つの顔の画像中の「位置、大きさ、特徴」は、それぞれ「A4、D2、P−A」、「A6、D3、P−X」である。画像1の背景色の色は「青」、撮影日時は「2009.2.1,15:05」、撮影場所は「(x1,y1)」である。なお、実際のx1,y1には具体的な数値が記録されている。別の例として、画像3は「風景」というカテゴリに分類された画像である。この場合、画像3には顔がないため、記録される情報は、画像の主要色(黒)、撮影日時(2009.2.1,15:30)および撮影場所((x3,y3))のみである。
【0050】
ステップS9に続いて、表示部4は撮影した画像を表示する(ステップS10)。その後、タッチパネル51を介して外部からの押圧による指定入力がなされた場合(ステップS11:Yes)、指定箇所が顔を表示している箇所であれば(ステップS12:Yes)、検索部34は関連情報記憶部82が記憶するテーブルTbを参照することにより、カテゴリが同じで指定箇所に顔があり、かつ背景色が同じである画像を検索する(ステップS13)。なお、撮影した画像に登録済みの顔が含まれる場合、ステップS11の指定入力を介すことなく、検索部34がその登録済み画像の一部または全部が含まれる画像を自動的に検索するようにしてもよい。
【0051】
続いて、合成画像生成部35は、検索部34が検索した結果得られた画像とステップS6で撮影した画像とを用いて撮影モード用合成画像を生成する(ステップS14)。合成画像生成部35が生成した撮影モード用合成画像は、図4に示す撮影モード用合成画像111に例示されるように、表示部4で表示される(ステップS15)。
【0052】
その後、タッチパネル51を介して撮影モード用合成画像に含まれる画像を消去する信号が入力された場合(ステップS16:Yes)、制御部9は選択された画像を画像データ記憶部81から消去する(ステップS17)。一方、ステップS17で画像を消去する信号が入力されない場合(ステップS16:No)、撮像装置1は後述するステップS18へ進む。
【0053】
その後、撮影処理を終了する信号が入力された場合(ステップS18:Yes)、撮像装置1は一連の処理を終了する。一方、撮影処理を終了する信号が入力されない場合(ステップS18:No)、撮像装置1はステップS1へ戻る。
【0054】
ステップS11でタッチパネル51を介した外部からの押圧による指定入力がなされ(ステップS11:Yes)、かつ指定箇所が顔を表示していない箇所である場合(ステップS12:No)、検索部34は、関連情報記憶部82が記憶するテーブルTbを参照することにより、カテゴリが同じで主要色または背景色が同じである画像を検索する(ステップS19)。その後、撮像装置1はステップS14へ進む。
【0055】
ステップS11でタッチパネル51を介した外部からの押圧による指定入力がなかった場合(ステップS11:No)、撮影した画像を表示し始めてから所定時間経過していれば(ステップS20:Yes)、撮像装置1は表示部4で表示している画像を消去し(ステップS21)、ステップS18へ進む。ステップS20で所定時間経過していなければ(ステップS20:No)、撮像装置1はステップS11へ戻る。
【0056】
次に、撮像装置1が再生モードに設定されている場合を説明する(ステップS1:再生モード)。この場合、表示部4は、選択された画像を再生して表示する(ステップS22)。その後、タッチパネル51を介した外部からの押圧による画像の指定入力がなされた場合(ステップS23:Yes)、指定箇所が顔のある箇所であれば(ステップS24:Yes)、検索部34は指定された顔と同じ顔が含まれる画像を有する画像の検索を行う(ステップS25)。
【0057】
その後、合成画像生成部35は、検索部34の検索によって得られた画像とステップS22で再生表示している画像とを用いて再生モード用合成画像を生成する(ステップS26)。合成画像生成部35が生成した再生モード用合成画像は、図6に示す再生モード用合成画像に例示されるように、表示部4で表示される(ステップS27)。
【0058】
その後、撮影処理を終了する信号が入力された場合(ステップS28:Yes)、撮像装置1は一連の処理を終了する。一方、撮影処理を終了する信号が入力されない場合(ステップS28:No)、撮像装置1はステップS1へ戻る。
【0059】
ステップS23でタッチパネル51を介した外部からの押圧による指定入力がなされ(ステップS23:Yes)、かつ指定箇所が顔を表示していない箇所である場合(ステップS24:No)、検索部34は、関連情報記憶部82が記憶するテーブルTbを参照することにより、主要色または背景色が同じである画像を検索する(ステップS29)。その後、撮像装置1はステップS26へ進む。
【0060】
ステップS23でタッチパネル51を介した指定入力がなかった場合(ステップS23:No)、撮像装置1はステップS28へ進む。
【0061】
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、撮影した直後に、所定の条件を満たす画像を記憶部8から検索し、この検索した画像の少なくとも一部と撮影した画像とを用いることによって合成画像を生成し、合成画像の中でタッチパネル51を介して指定された画像の画像データを記憶部8から消去するため、撮影直後に他の画像と比較しながら不要な画像を即座に判定して削除することができ、互いに類似する多数の画像を記憶する状態を回避することが可能となる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、顔検出部31を設けることにより、赤ちゃんのように同じ表情を多数撮影する可能性がある場合であっても、撮影するたびに画像を記録するべきか否かを判定することができるため、撮影に失敗した画像をいつまでも記憶してしまうようなことがない。この結果、撮像装置1が記憶している画像のスライドショーを行う場合に同じ画像の繰り返しによる冗長さがなくなり、見ている人が退屈することがないスライドショーを実現することができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、再生モード時には撮影モードと異なる条件で検索し、タッチパネルを介して顔の部分が指定された場合には、その顔と同じ顔を含む画像を検索するため、再生時には同じ人物の異なる表情を楽しむことができる。
【0064】
なお、本発明は、上述した一実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。図12は、合成画像生成部35が生成する撮影モード用合成画像の別な表示例を示す図である。同図に示す撮影モード用合成画像113は、画像101、104に加えて画像101、104にそれぞれ含まれる顔の拡大画像101a、104aを並べて表示している。さらに、撮影モード用合成画像113は、拡大画像101aと拡大画像104aの表情の類似度を表示する表情類似度表示領域121と、画像101と画像104の全体の構図の類似度を表示する構図類似度表示領域122とを有する。図12に示す場合、表情類似度は10ポイントであり、構図類似度は90ポイントである(いずれも100ポイントが完全に一致する場合である)。このような撮影モード用合成画像113を表示することにより、画像101、104だけでは顔の画像が小さくてユーザが見難い場合であっても、拡大画像101a、104aで比較することができるので、ユーザは消去するか否かの判断をより的確に行うことができる。
【0065】
また、本発明において、撮像装置1が再生モードに設定されている状態で、図13に示す再生表示画像114のように、表示部4で複数の撮影済み画像を一括して表示するようにし、その中でユーザが指201によってタッチした箇所に該当する画像の類似画像を上記同様に検索して表示するようにしてもよい。
【0066】
また、本発明において、検索部34が検索した結果、複数の画像が抽出された場合、合成画像生成部35は、抽出された複数の画像の各々と撮影直後の画像とを用いることによって複数の合成画像を生成し、これら複数の合成画像を類似度が高い順に所定のタイミングまたは所定の入力操作に応じて順次表示していくようにしてもよい。
【0067】
また、本発明において、検索部34が検索を行う際の条件として撮影日時や撮影場所の情報を加えることも可能である。
【0068】
また、本発明において、撮影した画像をブログなどに掲載するために、撮像装置に通信部を設け、撮影済みの画像を通信ネットワークを介して送受信可能な構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像データ記憶部が記憶する画像を模式的に示す図である。
【図3】撮影直後に表示部で表示されている画像に対してユーザが画像の検索を行おうとしている状況を模式的に示す図である。
【図4】撮影モードに設定されている場合に表示部における合成画像の表示例を示す図である。
【図5】撮影済みの画像を表示部で再生表示している場合にタッチパネルを指でタッチしようとしている状況を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る撮像装置が再生モードに設定されている場合の合成画像の表示例を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図8】画像の分類処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】関連情報の具体例を示す図である。
【図10】表示部における位置区分を与える矩形領域の設定例を示す図である。
【図11】顔の大きさの指標である円形領域と矩形領域との関係を示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る撮像装置が撮影モードに設定されている場合の合成画像の別な表示例を示す図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る撮像装置が再生モードに設定されている場合の再生表示の別な例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 撮像装置
2 撮像部
3 画像処理部
4 表示部
5 入力部
6 センサ部
7 時計
8 記憶部
9 制御部
31 顔検出部
32 特徴抽出部
33 分類部
34 検索部
35 合成画像生成部
51 タッチパネル
81 画像データ記憶部
82 関連情報記憶部
83 パターン情報記憶部
84 プログラム記憶部
101、104、105、106 画像
101a、104a 拡大画像
111、113 撮影モード用合成画像
112 再生モード用合成画像
114 再生表示画像
121 表情類似度表示領域
122 構図類似度表示領域
201 指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影して該画像の電子的な画像データを生成する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像を表示する表示部とを備え、動作モードとして画像を撮影する撮影モードおよび撮影済みの画像を再生する再生モードを設定可能な撮像装置であって、
前記表示部に積層され、外部からの押圧によって信号を入力するタッチパネルと、
前記撮像部が撮影した画像の特徴を抽出する特徴抽出部と、
前記特徴抽出部が抽出した特徴に基づいて画像を分類する分類部と、
前記撮像部が撮影した画像および前記分類部が行った画像の分類に関連する情報を記憶する記憶部と、
前記動作モードに応じて定められる条件を満たす画像を前記記憶部から検索する検索部と、
前記表示部が表示している画像および該画像に基づいて前記検索部が検索した画像の少なくとも一部を含む合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記合成画像生成部が生成した合成画像を前記表示部で表示させる制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記撮影モードにおいて、前記タッチパネルで押圧可能な領域のうち前記合成画像に含まれる画像のいずれかに対応する箇所が押圧された場合、この押圧された箇所に対応する画像の画像データを前記記憶部から消去することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記検索部が画像を検索する際の条件は、前記動作モードおよび前記タッチパネルが押圧された箇所に応じて定められることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
画像中に含まれる人物の顔を検出する顔検出部をさらに備え、
前記特徴抽出部は、
前記顔検出部が顔を検出した画像の特徴として、検出した顔の大きさおよび顔以外の部分の色を判定し、
前記分類部は、
前記特徴抽出部が抽出した顔の大きさに応じて分類すること
を特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記検索部は、
前記撮影モードにおいて、前記表示部の画像表示領域のうち前記タッチパネルが押圧された箇所に対応する領域で顔が表示されている場合、当該領域に不特定の顔を含む画像を検索することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記検索部は、
前記再生モードにおいて、前記表示部の画像表示領域のうち前記タッチパネルが押圧された箇所に対応する領域で顔が表示されている場合、当該顔を含む画像を検索することを特徴とする請求項3または4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記特徴抽出部は、
前記顔検出部が顔を検出しない画像の特徴として、該画像の主要な色、ピント距離および彩度の大小を少なくとも判定することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記合成画像生成部は、
前記合成画像として、前記検索部が検索した画像のうち前記表示部が表示する画像との類似度が最も高い画像を前記表示部が表示する画像と並べて表示する画像を生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記合成画像生成部は、
前記撮影モードにおける合成画像として、並べて表示する二つの画像のうち前記タッチパネルを介して指定された領域の拡大画像をさらに表示することを特徴する請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記合成画像生成部は、
前記合成画像として、画像間の類似度の値を加えた画像を生成することを特徴とする請求項7または8に記載の撮像装置。
【請求項10】
画像を撮影して該画像での電子的な画像データを生成する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像を表示する表示部と、前記表示部に積層され、外部からの押圧によって信号を入力するタッチパネルと、撮像部が撮像した画像の画像情報を記憶する記憶部とを備え、動作モードとして画像を撮影する撮影モードおよび撮影済みの画像を再生する再生モードを設定可能な撮像装置に、
前記撮像部が撮影した画像の特徴を抽出する特徴抽出ステップ、
前記特徴抽出ステップで抽出した特徴に基づいて画像を分類して前記記憶部へ記録する分類ステップ、
前記動作モードに応じて定められる条件を満たす画像を前記記憶部から検索する検索ステップ、
前記表示部が表示している画像および該画像に基づいて検索した画像の少なくとも一部を含む合成画像を生成する合成画像生成ステップ、
前記合成画像生成ステップで生成した合成画像を表示する合成画像表示ステップ、
を実行させ、
前記撮像装置が前記撮影モードに設定されている場合において、前記タッチパネルで前記合成画像表示ステップで表示した合成画像に含まれる画像のいずれかに対応する箇所が押圧されたとき、この押圧された箇所に対応する画像の画像データを前記記憶部から消去する画像データ消去ステップ
をさらに実行させることを特徴とする撮像装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−187119(P2010−187119A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28842(P2009−28842)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】