説明

撮像装置及び携帯電子機器

【課題】 小型化されていても所望のズーム倍率が得られるようにする。
【解決手段】 携帯電話機10を、送話ユニット15及び受話ユニット16からなるスライド式の電話機本体12と、電話機本体12に組み込まれたカメラモジュール13とから構成する。カメラモジュール13を、第1レンズ37、プリズム38、第2〜第4レンズ39,40,41、光学系収納ユニット43等から構成する。光学系収納ユニット43を、第1レンズ37及びプリズム38を収納し、受話ユニット16に固定された第1収納ユニット51と、第2〜第4レンズ39,40,41を収納し、スライド方向に伸縮自在な第2収納ユニット52とから構成する。受話ユニット16のスライド操作に伴い、使用時には第2〜第4レンズ39,40,41の光路長が伸張され、不使用時には光路長が縮小されるので、小型化されていても所望のズーム倍率が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ズーム機能を有する撮影光学系を介して被写体光を撮像する撮像装置、及びこの装置が組み込まれた携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影光学系、及び撮影光学系により結像された被写体光を撮像するイメージセンサなどからなるカメラモジュールが小型化及び低コスト化されている。これにより、パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯電話機等の携帯電子機器にカメラモジュールを組み込んで撮影機能を付加することが可能になった。その結果、携帯電話機にカメラモジュールを組み込んだカメラ付き携帯電話機が急速に普及している。
【0003】
このようなカメラ付き携帯電話機には、撮影光学系を構成するレンズの保護や目隠しのため、撮影光学系の前方の撮影開口をスライド式の保護カバーで開閉可能にしたものがよく知られている(特許文献1参照)。この保護カバーの開閉はユーザが行う必要があるので、撮影開始時や撮影終了時にユーザに余計な手間を掛けさせるという問題があった。
【0004】
ところで、カメラ付き携帯電話機として、主操作部が正面に設けられた送話ユニットと、液晶表示パネルが正面に設けられた受話ユニットとの2つのユニットからなるスライド式のカメラ付き携帯電話機(以下、単にスライド式携帯電話機という)が各メーカから発売されている。このスライド式携帯電話機では、送話ユニットの正面に受話ユニットの背面が重なるように、受話ユニットが送話ユニットにスライド自在に保持されている。受話ユニットは、不使用時には送話ユニットの正面に重ね合わされた閉じ位置にスライド移動され、使用時には送話ユニットの主操作部を露呈させる開き位置にスライド移動される。
【0005】
このスライド式携帯電話機では、カメラモジュールを受話ユニットまたは送話ユニットのいずれか一方に組み込むとともに、撮影開口を受話ユニットの背面または送話ユニットの前面に形成しているのが通常である。これにより、受話ユニットを閉じ位置に移動したときに撮影開口を他方のユニットで閉じて、受話ユニットを開き位置に移動したときに撮影開口を開放させることができる(特許文献2及び3参照)。その結果、受話ユニットのスライド操作で撮影開口の開閉が可能となるので、スライド式携帯電話機では前記特許文献1に記載されているようなスライド式の保護カバーを設ける必要が無くなる。
【特許文献1】特開2004−7117号公報(第2頁、図1参照)
【特許文献2】特開2003−179678号公報(第7頁、図2及び図8参照)
【特許文献3】特開2003−204383号公報(第9頁、図7参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年のカメラ付き携帯電話機の高機能化に伴い、スライド式携帯電話機にも光学ズーム機能やマクロ撮影機能等を備えることがユーザの側より要求されている。そのため、撮影光学系を光軸方向に移動可能なズームレンズより構成する必要があるが、スライド式携帯電話機は携帯性の向上のため小型化且つ薄型化されている。従って、前記特許文献2及び3に記載されているように、受話ユニットの背面または送話ユニットの正面のいずれか一方に撮影開口が形成されている場合には、撮影光学系の光軸方向がユニットの厚さ方向と一致するため、ズームレンズの移動可能範囲が限定されてしまう。その結果、ズーム倍率を高倍率化することが難しくなるので、ユーザが所望のズーム倍率で撮影を行うことができなくなる。また、マクロ撮影を行うためには、専用のマクロ撮影機構をカメラモジュールに別途設ける必要があるので、同様にカメラモジュールが収納されるユニットの厚みが厚くなってしまう。
【0007】
また、逆に所望のズーム倍率で撮影可能にするためには、ズームレンズの移動可能範囲を十分に確保できるように、カメラモジュールが収納されるユニットの厚みを厚くする必要がある。この場合には、スライド式携帯電話機が大型化して携帯性が悪くなってしまう。
【0008】
本発明は上記問題を解決するためのものであり、小型化されていても所望のズーム倍率が得られるような光学ズーム機能を備える撮像装置、及びこの装置を備えた携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像装置は、筐体と、前記筐体に対して、その一面に重ね合わされた閉じ位置、及びその一面の少なくとも一部を露呈させる開き位置の間でスライド自在に保持されている蓋体と、前記筐体に前記蓋体が重ね合わされる面に対して垂直な第1光軸を有し、被写体からの被写体光が入射する第1光学系と、前記筐体内に設けられ、前記蓋体のスライド方向に対して平行な第2光軸を有する第2光学系と、前記第1光学系を透過した前記被写体光を前記第2光学系に向かう方向に屈曲させる屈曲光学系と、前記筐体内に設けられ、前記第1光学系、前記第2光学系、及び前記屈曲光学系からなる撮影光学系を介して受光した被写体光を光電変換して撮像信号を出力するイメージセンサと、前記撮影光学系が収納され、前記第1光学系の前方に設けられた撮影開口を有し、前記蓋体のスライド操作に伴い前記第2光軸に対して平行な方向に伸縮し、前記蓋体が前記閉じ位置に移動された時に前記筐体内に沈胴して前記第2光学系の光路長を縮小させるとともに、前記蓋体が前記開き位置に移動された時に前記筐体内から突出して前記第2光学系の光路長を伸張させる光学系収納機構とから構成されることを特徴とする。
【0010】
また、前記光学系収納機構は、前記第1光学系及び前記屈曲光学系を収納し、前記蓋体に保持された第1収納ユニットと、前記第2光学系を収納し、前記第2光軸に対して平行な方向に伸縮自在な第2収納ユニットとからなることが好ましい。
【0011】
また、前記蓋体には、前記第1収納ユニットの少なくとも一部が嵌合する貫通穴が形成され、前記第1収納ユニットには、前記蓋体の前記筐体に重ね合わされる面の反対の面と同一面に開口した前記撮影開口が設けられていることが好ましい。
【0012】
また、前記第1収納ユニットは、前記蓋体の前記筐体と重ね合わされる面に固定され、前記撮影開口は、前記第1収納ユニットの前記蓋体に固定されている面と反対の面に設けられていることが好ましい。さらに、前記蓋体が前記閉じ位置にスライド移動されたときに、前記第1収納ユニットが前記筐体内に沈胴されて前記撮影開口が閉じられることが好ましい。
【0013】
また、前記第2光学系は少なくともズームレンズを備え、前記ズームレンズを前記第2光軸に対して平行な方向に移動させるレンズ駆動機構が設けられていることが好ましい。さらに、前記蓋体がスライド操作された時に、そのスライド方向及び量に応じて前記レンズ駆動機構を駆動して前記ズームレンズを移動させる連動機構が設けられていることが好ましい。
【0014】
また、本発明の携帯電子機器は、請求項1ないし7いずれか1項記載の撮像装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の撮像装置は、筐体と、前記筐体にスライド自在に保持されている蓋体と、前記筐体に前記蓋体が重ね合わされる面に対して垂直な第1光軸を有する第1光学系と、前記筐体内に設けられ、前記蓋体のスライド方向に対して平行な第2光軸を有する第2光学系と、前記第1光学系を透過した被写体光を前記第2光学系に向かう方向に屈曲させる屈曲光学系と、前記筐体内に設けられたイメージセンサと、前記各光学系が収納され、前記第1光学系の前方に設けられた撮影開口を有し、前記蓋体のスライド操作に伴い前記第2光軸に対して平行な方向に伸縮可能な光学系収納機構とから構成したので、使用時のみ前記第2光学系の光路長を伸張させることができる。また、不使用時には前記第2光学系の光路長を縮小して、前記光学系収納機構を前記筐体内に沈胴させることができる。その結果、前記第2光学系を少なくともズームレンズから構成したときに、撮像装置が小型化されていてもズームレンズの移動距離を長くすることができるので、ユーザが所望のズーム倍率で撮影を行うことができる。これにより、従来よりも撮像装置を小型化することができる。
【0016】
また、前記光学系収納機構を、前記第1光学系及び前記屈曲光学系を収納し、前記蓋体に保持された第1収納ユニットと、前記第2光学系を収納し、前記第2光軸に対して平行な方向に伸縮自在な第2収納ユニットとから構成したので、同様に前記蓋体のスライド操作に伴い前記第2光軸に対して平行な方向に伸縮させることができる。
【0017】
また、前記蓋体に、前記第1収納ユニットの少なくとも一部が嵌合する貫通穴を形成し、前記第1収納ユニットに、前記蓋体の前記筐体に重ね合わされる面の反対の面と同一面に開口した前記撮影開口を設けたので、撮像装置をテレビ電話機として使用することができる。
【0018】
また、前記第1収納ユニットを、前記蓋体の前記筐体と重ね合わされる面に固定し、前記撮影開口を、前記第1収納ユニットの前記蓋体に固定されている面と反対の面に設けたので、スライド式の携帯電話機などに組み込んで電話機に撮影機能を付加することができる。
【0019】
また、前記蓋体が前記閉じ位置にスライド移動されたときに、前記第1収納ユニットが前記筐体内に沈胴されて前記撮影開口が閉じられるようにしたので、不使用時には前記撮影開口を自動的に閉じることができる。
【0020】
また、前記第2光学系に少なくともズームレンズから構成し、前記ズームレンズを前記第2光軸に対して平行な方向に移動させるレンズ駆動機構が設けたので、同様にしてユーザが所望のズーム倍率で撮影を行うことができる。
【0021】
また、前記蓋体がスライド操作された時に、そのスライド方向及び量に応じて前記レンズ駆動機構を駆動して前記ズームレンズを移動させる連動機構を設けたので、前記蓋体のスライド操作を利用して手動ズームを行うことができる。
【0022】
また、本発明の携帯電子機器は、請求項1ないし7いずれか1項記載の撮像装置を備えるようにしたので、同様にして従来よりも小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明を実施したスライド式のカメラ付き携帯電話機(以下、単に携帯電話機という)10の正面斜視図であり、図2は携帯電話機10の背面斜視図である。この携帯電話機10は、電話機として機能する電話機本体12と、電話機本体12に組み込まれたカメラモジュール13とから構成される。
【0024】
電話機本体12は、本発明の筐体に相当する略長板状の送話ユニット15と、本発明の蓋体に相当し、送話ユニット15と略同形状の受話ユニット16とから構成される。送話ユニット15には、その正面側に送話マイク18や、送話時のダイヤル操作を行うためのダイヤルボタン、携帯電話機10の電源をON・OFFするための電源ボタン、各種の設定ボタン等からなる主操作部19などが設けられている。また、送話ユニット15の背面側には、図示しない電池室を覆う電池蓋20が設けられている。
【0025】
受話ユニット16の正面側には、副操作部22、液晶モニタ23、受話スピーカ24などが設けられている。副操作部22は、携帯電話機10の動作モードを通話モードや撮影を行う撮影モード等に切り替えるモード切替ボタン、撮影時に操作されるシャッタボタン、ズーム倍率を切り替えるズームボタン22a(図7参照)等からなる。液晶モニタ23には、着信相手の電話番号や通話時間、スルー画等が選択された動作モードに応じて表示される。また、受話ユニット16の上面には、アンテナ25が設けられている。
【0026】
送話ユニット15の正面と側面とがなす両コーナー部には、送話ユニット15の長軸方向に対して略平行な方向に延びたガイド溝28が形成されている。また、受話ユニット16の背面と側面とがなす両コーナー部には、ガイド溝28に嵌合して摺動するガイド爪29(図2参照)が設けられている。これにより、受話ユニット16は、送話ユニット15によりその長軸方向にスライド自在に保持される。図1〜図4に示すように、受話ユニット16は、その背面で送話ユニット15の正面を完全に覆うように送話ユニット15と重なり合う閉じ位置(縮退位置)と、送話ユニット15の正面にある主操作部19を外部に露呈させた開き位置(伸展位置)との間でスライド可能となる。
【0027】
また、図示は省略するが、ガイド溝28にはクリック用凹部が形成されているとともに、ガイド爪29にはクリック用凸部が形成されており、受話ユニット16が閉じ位置と開き位置とに係止される。さらに、送話ユニット15の正面と受話ユニット16の背面との両面には、受話ユニット16が伸展される際に開き位置を超えないように規制する規制機構(図示せず)が設けられている。
【0028】
ユーザは、通話時や撮影時以外は受話ユニット16を閉じ位置にスライド移動させておき、送話ユニット15と受話ユニット16とを縮退状態にする。そして、通話や撮影を行うときは受話ユニット16を開き位置にスライド移動させて、送話ユニット15と受話ユニット16とを伸展状態にしておく。また、受話ユニット16が開き位置にスライド移動されたときに、携帯電話機10の電源がONされるように開閉検出センサ(図7参照)35が設けられている。この開閉検出センサ35としては、例えばガイド爪29に埋め込まれたマグネット(図示せず)と、ガイド溝28の底部に埋め込まれた磁気センサ(図示せず)とからなるものが用いられる。なお、磁気センサは、受話ユニット16が開き位置にあるときにのみ検出信号を出力可能な位置に設けられている。
【0029】
次に、本発明を実施したカメラモジュール13について、図4及び図5を用いて説明を行う。ここで、図4は携帯電話機10が伸展状態にあるときのカメラモジュール13の断面図を示したものであり、図5は携帯電話機10が縮退状態にあるときのカメラモジュール13の断面図を示したものである。このカメラモジュール13は、第1レンズ37、プリズム38、第2レンズ39、第3レンズ40、第4レンズ41、光学系収納ユニット43、第1及び第2モータ44,45、第1及び第2レンズ駆動機構46,47、イメージセンサ49から構成されている。
【0030】
第1レンズ37、プリズム38、第2〜第4レンズ39,40,41は、本発明の撮影光学系に相当するものであり、本発明の光学系収納機構に相当する光学系収納ユニット43内に収納されている。光学系収納ユニット43は、略潜望鏡形状(L字型)に形成されており、第1収納ユニット51と第2収納ユニット52とから構成される。第1収納ユニット51には、本発明の第1光学系に相当する第1レンズ37、及び屈曲光学系に相当するプリズム38が収納される。また、第2収納ユニット52には、本発明の第2光学系に相当する第2〜第4レンズ39,40,41が収納される。
【0031】
第1収納ユニット51は所謂レンズ鏡筒であり、送話ユニット15と受話ユニット16とが互いに重なり合う面に対して垂直な方向に延びている。この第1収納ユニット51は、受話ユニット16の背面上に固定されている。なお、第1収納ユニットの固定位置は、受話ユニット16が開き位置にスライド移動されたときに、第1収納ユニット51が送話ユニット15の上面よりも図中上側にあれば特にその位置は限定されない。
【0032】
第1収納ユニット51には、その受話ユニット15に固定されている側の面と反対の面に撮影開口54が設けられている。この撮影開口54は透明な保護板55で閉じられている。そして、保護板55の背面側には、第1レンズ37及びプリズム38が設けられている。第1レンズ37は、両ユニット15,16が重なり合う面に対して垂直な光軸OA1を有しており、撮影開口54を介して被写体からの被写体光が入射する。
【0033】
プリズム38は、光軸OA1と、後述する第2収納ユニット52内の第2〜第4レンズ39,40,41の光軸OA2とが交差する位置に設けられており、第1レンズ37を透過した被写体光を第2〜第4レンズ39,40,41に向かう方向に屈曲させる。屈曲された被写体光は、第1収納ユニット51の図中下面側に形成された開口56を介して、第2収納ユニット52内に入射する。
【0034】
第2収納ユニット52は、送話ユニット15の内部に形成された収納スペース58内に設けられている。収納スペース58は、送話ユニット15の上面で開口している。そして、第2収納ユニット52は、第2〜第4レンズ39,40,41をその光軸OA2が受話ユニット16のスライド方向に対して平行になるように保持する。また、第2収納ユニット52は、受話ユニット16のスライド操作に伴い光軸OA2(スライド方向)に対して平行な方向に伸縮自在な構造となっている。
【0035】
本実施形態では、第2収納ユニット52を、収納スペース58内に設けられた基台59と、基台59に固定されたズームレンズ鏡筒60と、ズームレンズ鏡筒60内で第2〜第4レンズ39,40,41を保持する第1及び第2レンズ保持ロッド62,63とから構成する。
【0036】
ズームレンズ鏡筒60は、受話ユニット16が閉じ位置にあるときは送話ユニット15内に沈胴するとともに、受話ユニット16が開き位置にあるときは送話ユニット15の上面の開口58a(図5参照)より突出する。ズームレンズ鏡筒60は、基台59に固定された固定筒60aと、固定筒60aにより光軸OA2に沿う方向に進退自在に保持された後筒60bと、後筒60bに進退自在に保持された前筒60cとから構成されている。
【0037】
前筒60cは、その上面が第1収納ユニット51の底面に固定されている。そして、前筒60cの上面には、開口56と対向する位置に開口62が形成されており、プリズム38で屈曲された被写体光が入射する。前筒60cは、第1収納ユニット51に固定されているので、受話ユニット16のスライド操作に伴い、光軸OA2方向に沿ってスライド移動される。
【0038】
後筒60bの内周面には、光軸OA2に対して平行な方向に延びたキー溝60dが形成され、前筒60cの外周面上には、抜け止めとしてキー溝60dに係合するキー60eが形成されている。従って、受話ユニット16が閉じ位置から開き位置にスライド移動されると、固定筒60aから前筒60c、後筒60bが順に繰り出される。逆に、受話ユニット16が開き位置から閉じ位置にスライド移動されると、両筒60b,60cが第1収納ユニット51に押圧されて固定筒60a内に収納される。
【0039】
また、本実施形態では、受話ユニット16が閉じ位置にスライド移動されたときに、第1収納ユニット51も送話ユニット15内に沈胴されるように、送話ユニット15の正面及び背面の上端部に切り欠き64a,64bが形成されている。これにより、不使用時には、第1収納ユニット51及び第2収納ユニット52からなる光学系収納ユニット43を送話ユニット15内に沈胴させることができるので、携帯電話機10の携帯性を向上させることができる。また、不使用時でも撮影開口54が開放されているので、この状態でもカメラとして使用することができる。
【0040】
第1及び第2レンズ保持ロッド62,63は、それぞれ第2〜第4レンズ39〜41を保持するレンズ保持枠66〜68に形成された貫通穴に挿通している。そして、第1及び第2レンズ保持ロッド62,63も、ズームレンズ鏡筒60と同様に光軸OA2に沿う方向に伸縮自在な構造になっている。第1レンズ保持ロッド62は、保持ロッド62a、後ロッド62b、中間ロッド62c、前ロッド62dの計4本のロッドからなる。
【0041】
保持ロッド62aは、基台59にベアリング70を介して回転自在に保持されている。後ロッド62bは、保持ロッド62aにより進退自在に保持されている。また、同様にして、中間ロッド62cは、後ロッド62bにより進退自在に保持され、前ロッド62dは、中間ロッド62cにより進退自在に保持されている。
【0042】
また、本実施形態では図示は省略するが、保持ロッド62a、後ロッド62b、中間ロッド62cの内周面には上述のキー溝60dと同様のものが形成され、後ロッド62b、中間ロッド62c、前ロッド62dの外周面には、キー60eと同様のものが形成されている。これにより、各ロッド62a〜62dが一体に回転される。その結果、詳しくは後述するがズーム倍率調整やフォーカス調整が可能となる。
【0043】
第2レンズ保持ロッド63は、第1レンズ保持ロッド62と同構造であり、保持ロッド63a,後ロッド63b,中間ロッド63c,前ロッド63dの計4本のロッドからなる。そして、第2レンズ保持ロッド63を構成する各ロッド63a〜63dも一体に回転する構造となっている。
【0044】
前ロッド62d,63dは、その先端部(図中上端部)がズームレンズ鏡筒60の前筒60cの上面に、抜け止め用のストッパ71、ベアリング(図示せず)を介して回転自在に保持されている。また、前ロッド62d,63dは、第2レンズ39の保持枠66の貫通穴に挿通しており、第2レンズ39を保持している。第2レンズ39は、ストッパ72により移動が規制されている。なお、図示は省略するが、第2レンズ39の保持枠66の両貫通穴内にはベアリングが設けられている。
【0045】
中間ロッド62c,63cは、ズームレンズである第3レンズ40の保持枠67の貫通穴に挿通しており、第3レンズ40を保持している。そして、後ロッド62b,63bは、フォーカスレンズである第4レンズ41の保持枠68の貫通穴に挿通しており、第4レンズ41を保持している。本実施形態では、送話ユニット15内に設けられた第1モータ44により第1レンズ駆動機構46を駆動して、第3レンズ40を光軸OA2に沿う方向に移動させることでズーム倍率を変倍する。また、第2モータ45により第2レンズ駆動機構47を駆動して、第4レンズ41を光軸OA2に沿う方向に移動させることでフォーカス調整を行う。
【0046】
第1レンズ駆動機構46は、中間ロッド62cの外周面上に形成されたネジ溝74と、保持ロッド62aの下端部に取り付けられたロッド側ギヤ75と、第1レンズ保持ロッド62の各ロッド62a〜62dを一体に回転させる上述のキー及びキー溝(図示せず)とから構成される。ロッド側ギヤ75には、第1モータ44の回転軸に取り付けられたモータ側ギヤ76が噛み合っており、第1モータ44が回転すると第1レンズ保持ロッド62が一体に回転される。
【0047】
このとき、保持枠67の第1レンズ保持ロッド62側の貫通穴はネジ穴になっている。また、もう一方の貫通穴内には、ベアリング(図示せず)が設けられている。これにより、例えば第1レンズ保持ロッド62(中間ロッド62c)が時計方向に回転されたときに、第3レンズ40が第2レンズ39に近づき、ズーム倍率が広角側にセットされる。また、第1レンズ保持ロッド62が反時計方向に回転されたときに、第3レンズ40が第2レンズ39から遠ざかって、ズーム倍率が望遠側にセットされる。
【0048】
第2レンズ駆動機構47は、第1レンズ駆動機構46とほぼ同構造であり、後ロッド63bの外周面上に形成されたネジ溝78と、ロッド側ギヤ79と、各ロッド63a〜63dを一体に回転させる上述のキー及びキー溝(図示せず)とから構成される。そして、ロッド側ギヤ79には、第2モータ45の回転軸に取り付けられたモータ側ギヤ80が噛み合っており、第2モータ45の回転により第2レンズ保持ロッド63が一体に回転される。
【0049】
このとき、保持枠68の第2レンズ保持ロッド63側の貫通穴はネジ穴になっている。また、そのもう一方の貫通穴内には、ベアリング(図示せず)が設けられている。これにより、第2レンズ保持ロッド63が時計方向または反時計方向に回転されることで、第4レンズ41が光軸OA2に沿う方向に移動するので、フォーカス調整を行うことができる。
【0050】
両レンズ保持ロッド62,63は、光軸OA2方向に伸縮自在になっている。そのため、受話ユニット16を閉じ位置から開き位置にスライド移動させると、両レンズ保持ロッド62,63が伸張する(図5参照)。これにより、本発明の第2光学系に相当する第2〜第4レンズ39,40,41の光路長が伸張するため、第3レンズ40(ズームレンズ)の移動距離を長くすることが可能となる。
【0051】
また、逆に受話ユニット16が開き位置から閉じ位置にスライド移動されたときは、両レンズ保持ロッド62,63が縮小する(図6参照)。これにより、第2〜第4レンズ39,40,41の光路長が縮小するため、光学系収納ユニット43を送話ユニット15内に収納することができる。
【0052】
イメージセンサ49は基台59に設けられている。イメージセンサ49は、多数のフォトダイオードがマトリックス状に配置された受光面(図示せず)を備えている。そして、イメージセンサ49は、第1レンズ37、プリズム38、第2〜第4レンズ39,40,41介して受光面に受光した被写体光を光電変換して撮像信号を出力する。
【0053】
イメージセンサ49から出力された撮像信号は、図示しないアンプ及びA/D変換処理回路により画像処理前の原画像データに生成される。この原画像データは、図7に示すように画像処理回路82に入力され、マトリックス演算処理、ホワイトバランス調節、ガンマ補正などの各種画像処理が施される。画像処理済みの画像データは、図示しないフレームメモリに一時的に記憶される。液晶モニタ23には、フレームメモリに記憶された画像データがスルー画として表示される。副操作部22のシャッタボタン(図示せず)が押圧されると、記憶された画像データは、圧縮処理が施された後に携帯電話機10内に設けられたフラッシュラム等の記録メモリ83に記録される。
【0054】
携帯電話機10の各部の駆動は、制御部84により制御される。制御部84には、主操作部19、副操作部22、液晶モニタ23、開閉検出センサ35、画像処理回路82、記録メモリ83、送話や受話を行う電話機能部86、第1及び第2モータドライバ87,88、AF回路89等が接続されている。なお、イメージセンサ49の駆動を制御するイメージセンサドライバ等は、図示を省略している。
【0055】
第1モータドライバ87は、第1モータ44の回転駆動を制御する。制御部84は、副操作部22のズームボタン22aの操作に応じて、第1モータドライバ87を介して第1モータ44の回転を制御し、第1レンズ保持ロッド62を時計方向または反時計方向に回転させる。これにより、第3レンズ40(ズームレンズ)が光軸OA2に沿う方向に移動してズーム倍率がユーザの望む倍率に変倍される。
【0056】
第2モータドライバ88は、第2モータ45の回転駆動を制御する。また、AF回路89は、例えば画像処理回路82によって生成された一画面分の画像データのコントラストからAF評価値を算出する。一般に、画像のコントラストは被写体像がピント合致状態となったときが最も高くなり、このときにAF評価値も最も高くなる。AF評価値は、AF評価値信号として制御部84に入力される。制御部84は、逐次に入力されるAF評価値信号に基づき、第2モータドライバ88を介して第1モータ44の回転を制御し、第4レンズ41(フォーカスレンズ)をピント合致位置に移動させる。
【0057】
以上のように本実施形態では、第1レンズ37を透過した被写体光を、プリズム38を介して送話ユニット15内の第2〜第4レンズ39〜41に向けて屈曲させている。さらに、光学系収納ユニット43を略L字型構造とするとともに、受話ユニット15のスライド操作に伴い伸縮可能な構造としている。これにより、使用時のみ第2〜第4レンズ39〜41の光路長を伸張させ、不使用時には光学系収納ユニット43を送話ユニット15内に沈胴させることができる。
【0058】
次に本実施形態の作用について説明する。携帯電話機10を用いて撮影を行うときは、ユーザは、受話ユニット16を閉じ位置から開き位置に移動させる。このとき、携帯電話機10の電源がOFFされている場合には、制御部10は開閉検出センサ35より出力される検出信号に基づいて、携帯電話10の電源をONにする。
【0059】
また、受話ユニット16が開き位置にスライド移動されると、光学系収納ユニット43の第2収納ユニット52が伸張する。これにより、第2〜第4レンズ39〜41の光路長が伸張するため、従来よりも第3レンズ40(ズームレンズ)の移動距離を長くすることができ、ズーム倍率をより高倍率に変倍することができる。その結果、ユーザの所望のズーム倍率で撮影を行うことができる。また、第3レンズ40の移動距離を長くできるので、専用のマクロ撮影機構をカメラモジュール13に別途設けることなく、マクロ撮影が可能になる。
【0060】
そして、ユーザが副操作部22を操作して、携帯電話機10の動作モードを撮影モードに切り替えると、制御部84はイメージセンサ49を駆動して、受光した被写体光を光電変換させて撮像信号を出力させる。イメージセンサ33から出力された撮像信号は、原画像データに生成された後、画像処理回路82で各種画像処理が施される。
【0061】
画像処理済みの画像データは、図示しないフレームメモリに一時的に記憶される。液晶モニタ23には、フレームメモリに記憶された画像データに基づきスルー画が表示される。ユーザは、スルー画を見ながらズームボタン22aを操作してズーム倍率を変倍させて、撮影する画像のフレーミングを行う。このとき、制御部84は、第1モータ44を駆動してズーム倍率を変倍するとともに、AF回路89からのAF評価値信号に基づき、第2モータ45を駆動してフォーカス調整を行う。そして、副操作部22のシャッタボタン(図示せず)が押圧されると、フレームメモリに記憶された画像データは、圧縮処理が施された後に記録メモリ83に記録される。
【0062】
ユーザは、撮影が終了したら携帯電話機10の電源をOFFした後、受話ユニット16を閉じ位置にスライド移動させる。第2〜第4レンズ39,40,41の光路長が縮小されて、光学系収納ユニット43が送話ユニット15内に沈胴される。その結果、不使用時の携帯電話機10の携帯性を向上させることができる。
【0063】
本実施形態では、撮影光学系を第1レンズ37、プリズム38、第2〜第4レンズ39,40,41から構成するとともに、光学系収納ユニット43を、光軸OA2に沿う方向(スライド方向)に伸縮自在な略L字型構造としたので、従来のように第3レンズ40(ズームレンズ)を光軸OA1に沿う方向に移動させる必要がなくなる。従って、送話ユニット15や受話ユニット16の厚みを薄くすることができる。その結果、光学ズーム機能を備えるカメラ付き携帯電話機を小型化することが可能となる。
【0064】
なお、本実施形態では、第1収納ユニット51を受話ユニット16の背面に固定して、第1収納ユニット51の受話ユニット16に固定される面の反対の面に撮影開口54を設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばカメラ付き携帯電話機をテレビ電話機として使用する場合には、撮影開口が受話ユニット16の正面と同一面上に開口していることが好ましい。以下、テレビ電話機として使用可能な携帯電話機93について、図8及び図9を用いて説明を行う。ここで、図8は伸展状態にある携帯電話機93の断面図を示したものであり、図9は縮退状態にある携帯電話機93の断面図を示したものである。また、上述の携帯電話機10で説明したものと同一の機能を有する部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0065】
携帯電話機93は、光学系収納ユニット94の第1収納ユニット95が異なる以外は、携帯電話機10とほぼ同じ構造である。第1収納ユニット95は、送話ユニット15と受話ユニット16とが互いに重なり合う面に対して垂直な方向に延びている。そして、第1収納ユニット95は、その一部が受話ユニット15の上端部に形成された貫通穴96(図8参照)に嵌合されている。貫通穴96の形成位置は、上述したように受話ユニット16が開き位置にスライド移動されたときに、第1収納ユニット95が送話ユニット15の上面よりも図中上側にあれば特にその位置は限定されない。
【0066】
第1収納ユニット95には、受話ユニット16の正面と同一面上に開口した撮影開口97(図8参照)が設けられている。撮影開口97には保護板55が取り付けられており、保護板55の背面側に第1レンズ37及びプリズム38が設けられている。そして、撮影開口97より入射した被写体光は、第1レンズ37、プリズム38、第2〜第4レンズ39〜41を介してイメージセンサ49に受光される。
【0067】
また、第1収納ユニット95は、その受話ユニット16の背面側に突出している部分の長さが、受話ユニット16の背面から送話ユニット15の背面までの長さよりも短くなるように形成されている。これにより、受話ユニット16が閉じ位置にスライド移動されたときに、第2収納ユニット52と共に第1収納ユニット95が送話ユニット15内に沈胴される(図9参照)。また、上述の携帯電話機10では、送話ユニット15の正面及び背面の上端部に切り欠き64a,64b(図5参照)を形成したが、携帯電話機93では切り欠き64aのみを形成すればよい。
【0068】
以上のように携帯電話機93においても、受話ユニット16のスライド操作に伴い第2収納ユニット52が伸縮されるので、上述の携帯電話機10と同様に従来のものより小型化することできる。
【0069】
また、上記実施形態では、第1モータ44により第1レンズ駆動機構46を駆動することで、第3レンズ40を移動させてズーム倍率を変倍しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図10に示した携帯電話機100、及び図11に示した携帯電話機101のように、受話ユニット16のスライド操作に連動して第3レンズ40を移動させる手動ズームを行ってもよい。ここで、携帯電話機100は上述の光学系収納ユニット43(図5参照)を備えたものであり、携帯電話機101は光学系収納ユニット94(図8参照)を備えたものである。
【0070】
携帯電話機100,101共に、上述の第1モータ44の代わりに、受話ユニット16のスライド操作に連動して第1レンズ駆動機構46を駆動する連動機構105が設けられている。この連動機構105は、受話ユニット16に設けられた直線ギヤ107と、送話ユニット15に設けられたギヤ列109とから構成される。直線ギヤ107は、受話ユニット16の背面に設けられ、スライド方向に対して平行な方向に延びている。
【0071】
ギヤ列109は、第1〜第7ギヤ109a〜109gから構成される。第1ギヤ109aは、送話ユニット15の正面側の側壁15aに形成された貫通穴15b内で、送話ユニット15の幅方向(紙面垂直方向)に延びた取付軸に回動自在に取り付けられている。この第1ギヤ109aは、直線ギヤ107に噛合するスパーギヤと、第2ギヤ109bに噛合するベベルギヤとからなる2段ギヤである。
【0072】
第2〜第6ギヤ109b〜109fは、固定筒60aの外周面や側壁15aの背面から光軸OA1に対して平行な方向に延びた取付軸に回動自在に取り付けられている。第2〜第6ギヤ109b〜109fは、2段ギヤやスパーギヤなどからなり、それぞれ隣接するものが互いに噛合している。
【0073】
第6ギヤ109fには、2段ギヤからなる第7ギヤ109gが噛合している。この第7ギヤ109gは、スライド方向に平行な方向に延びた取付軸に回動自在に取り付けられており、第1レンズ駆動機構46を構成するロッド側ギヤ75に噛合している。従って、受話ユニット16がスライド移動されると、ギヤ列109を介してロッド側ギヤ75が回転されて、第1レンズ保持ロッド62が回転される。これにより、受話ユニット16のスライド量に応じて、第3レンズ(ズームレンズ)40が光軸OA2に沿う方向に移動される。
【0074】
ユーザがズーム倍率を望遠側にセットする場合には、例えば受話ユニット15を開き位置に向けて移動させ、ズーム倍率を広角側にセットする場合には、受話ユニット15を閉じ位置に向けて移動させるようにすればよい。以上のように第1モータ44の代わりに連動機構105を設けることで、受話ユニット16のスライド操作を利用して手動ズームを行うことができる。
【0075】
なお、上記実施形態(携帯電話機10)では、受話ユニット16が閉じ位置にあるときに、第1収納ユニット51の先端部が切り欠き64b(図6参照)を介して送話ユニット15の背面から突出しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図12に示す携帯電話機110のように、第1収納ユニット51の代わりに第1収納ユニット112を設けてもよい。
【0076】
第1収納ユニット112は、その受話ユニット16の背面から撮影開口54までの長さLが、受話ユニット16が閉じ位置にあるときに送話ユニット16の背面から突出しない長さに調整されている。その結果、切り欠き64b(図5参照)を形成する必要が無くなる。これにより、受話ユニット16が閉じ位置にあるとき(不使用時)には、撮影開口54を自動的に閉じることができる。
【0077】
なお、上記各実施形態では、第2〜第4レンズ39〜41を収納する第2収納ユニット52として、基台59と、ズームレンズ鏡筒60と、第1及び第2レンズ保持ロッド62,63とから構成されるものを例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。受話ユニット16のスライド操作に伴い、送話ユニット15内に沈胴して第2〜第4レンズ39〜41の光路長を縮小可能であるとともに、送話ユニット15から突出して第2〜第4レンズ39〜41の光路長を伸張可能であれば、任意の光学系収納機構またはユニットを用いてよい。また、上述の各第1収納ユニットと第2収納ユニットとが一体に形成されていてもよい。
【0078】
また、上記実施形態(図5、図6、図8、図9)では、第1レンズ駆動機構46として、ネジ溝74と、ロッド側ギヤ75と、第1レンズ保持ロッド62を一体に回転させる上述のキー及びキー溝(図示せず)とから構成されるものを例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。第3レンズ40(ズームレンズ)を光軸OA2に沿う方向に移動可能であれば、各種レンズ駆動機構を用いてよい。また、第2レンズ駆動機構46としても、同様に各種レンズ駆動機構を用いてよい。
【0079】
なお、上記実施形態(図10及び図11)では、連動機構105として受話ユニット16に設けられた直線ギヤ107と、送話ユニット15に設けられたギヤ列109とからなるものを例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。受話ユニット16のスライド操作に連動して第3レンズ40(ズームレンズ)を移動可能であれば、各種連動機構を用いてよい。
【0080】
また、上記各実施形態では、第1レンズ37を透過した被写体光を第2〜第4レンズ39,40,41に向かう方向に屈曲させる屈曲光学系としてプリズム38を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリズムの代わりにミラー等を用いてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、送話ユニット15と受話ユニット16とが別体に形成されているが、一つの筐体にカメラモジュール13、送話マイク18、主操作部19、副操作部22、液晶モニタ23、受話スピーカ24等が設けられていてもよい。この場合は、主操作部19や液晶モニタ23などを保護する保護カバー等の蓋体を筐体にスライド自在に取り付ける。そして、この保護カバーのスライド操作に連動して光学系収納ユニット43が伸縮するようにしてもよい。
【0082】
なお、上記各実施形態では、光学ズーム機能を備えるカメラモジュールが組み込まれたスライド式のカメラ付き携帯電話機を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものでなく、スライド構造を有し、且つ光学ズーム機能を備える各種撮影機能付き携帯電子機器に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明を実施したカメラ付き携帯電話機の正面斜視図である。
【図2】携帯電話機の背面斜視図である。
【図3】縮退状態にある携帯電話機の正面斜視図である。
【図4】縮退状態にある携帯電話機の背面斜視図である。
【図5】伸展状態にある携帯電話機の断面図である
【図6】縮退状態にある携帯電話機の断面図である。
【図7】携帯電話機の電気的構成を示したブロック図である。
【図8】撮影開口が受話ユニットの正面上で開口している他の実施形態の携帯電話機の断面図であり、伸展状態にあるものを示したものである。
【図9】撮影開口が受話ユニットの正面上で開口している他の実施形態の携帯電話機の断面図であり、縮退状態にあるものを示したものである。
【図10】図5の携帯電話機を、受話ユニットのスライド操作に連動してズーム倍率を変倍可能にした他の実施形態の携帯電話機の断面図である。
【図11】図8の携帯電話機を、受話ユニットのスライド操作に連動してズーム倍率を変倍可能にした他の実施形態の携帯電話機の断面図である。
【図12】不使用時に撮影開口を自動的に閉じられるようにした他の実施形態の携帯電話機の断面図である。
【符号の説明】
【0084】
10 カメラ付き携帯電話機
13 カメラモジュール
15 送話ユニット
16 受話ユニット
19 主操作部
22 副操作部
37 第1レンズ
38 プリズム
39 第2レンズ
40 第3レンズ
41 第4レンズ
43 光学系収納ユニット
51 第1収納ユニット
52 第2収納ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に対して、その一面に重ね合わされた閉じ位置、及びその一面の少なくとも一部を露呈させる開き位置の間でスライド自在に保持されている蓋体と、
前記筐体に前記蓋体が重ね合わされる面に対して垂直な第1光軸を有し、被写体からの被写体光が入射する第1光学系と、
前記筐体内に設けられ、前記蓋体のスライド方向に対して平行な第2光軸を有する第2光学系と、
前記第1光学系を透過した前記被写体光を前記第2光学系に向かう方向に屈曲させる屈曲光学系と、
前記筐体内に設けられ、前記第1光学系、前記第2光学系、及び前記屈曲光学系からなる撮影光学系を介して受光した被写体光を光電変換して撮像信号を出力するイメージセンサと、
前記撮影光学系が収納され、前記第1光学系の前方に設けられた撮影開口を有し、前記蓋体のスライド操作に伴い前記第2光軸に対して平行な方向に伸縮し、前記蓋体が前記閉じ位置に移動された時に前記筐体内に沈胴して前記第2光学系の光路長を縮小させるとともに、前記蓋体が前記開き位置に移動された時に前記筐体内から突出して前記第2光学系の光路長を伸張させる光学系収納機構とから構成されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記光学系収納機構は、
前記第1光学系及び前記屈曲光学系を収納し、前記蓋体に保持された第1収納ユニットと、
前記第2光学系を収納し、前記第2光軸に対して平行な方向に伸縮自在な第2収納ユニットとからなることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記蓋体には、前記第1収納ユニットの少なくとも一部が嵌合する貫通穴が形成され、
前記第1収納ユニットには、前記蓋体の前記筐体に重ね合わされる面の反対の面と同一面に開口した前記撮影開口が設けられていることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1収納ユニットは、前記蓋体の前記筐体と重ね合わされる面に固定され、
前記撮影開口は、前記第1収納ユニットの前記蓋体に固定されている面と反対の面に設けられていることを特徴する請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記蓋体が前記閉じ位置にスライド移動されたときに、前記第1収納ユニットが前記筐体内に沈胴されて前記撮影開口が閉じられることを特徴とする請求項4記載の撮像装置
【請求項6】
前記第2光学系は少なくともズームレンズを備え、
前記ズームレンズを前記第2光軸に対して平行な方向に移動させるレンズ駆動機構が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載の撮像装置。
【請求項7】
前記蓋体がスライド操作された時に、そのスライド方向及び量に応じて前記レンズ駆動機構を駆動して前記ズームレンズを移動させる連動機構が設けられていることを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか1項記載の撮像装置を備えることを特徴とする携帯電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−19860(P2007−19860A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199138(P2005−199138)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】