説明

撮像装置及び表示制御方法

【課題】シャッタータイムラグによる撮影の失敗を簡単かつ確実に防ぐことが可能な撮像装置を提供。
【解決手段】ファインダ窓16、ファインダ窓16から入射する被写体の光像を覗くための覗き窓17、ファインダ窓16と覗き窓17の間に設けられ被写体の光像を覗き窓17の方向に透過するハーフミラー63、及びハーフミラー63に表示画像を投射して覗き窓17の方向に反射させる液晶表示装置61を含むファインダ装置15と撮像素子21aとを有するデジタルカメラ10は、撮像素子21aで連続撮像して得られる複数フレームのうち、最新の第一のフレームよりもデジタルカメラ10のシャッタータイムラグの時間分前の第二のフレームから当該第一のフレームまでのフレームを記憶するメモリ36と、メモリ36に記憶されているフレームのうち第二のフレームを液晶表示装置61に表示させる表示制御部41とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルカメラでは、撮影者がシャッターレリーズ操作部材を操作した後、撮像素子等による実際の露光動作が実行されるまでの間に、例えば絞り機構による絞り羽根の絞り込み動作等の機械的な駆動動作が実行される。このため、シャッターレリーズ操作がなされた時点から撮像素子への露光動作が開始されるまでの間に時間的なズレ、すなわちシャッタータイムラグが生じる。
【0003】
一般に、デジタルカメラでは、撮影者が、光学式ビューファインダ(以下、OVFともいう)又は電子ビューファインダ(以下、EVFともいう)にて被写体像を確認しながら、シャッターレリーズ操作を行うようになっている。
【0004】
しかし、移動する物体(動体)を撮影しようとした場合、動体が撮影範囲の中央にあることをOVF又はEVFによって確認してからシャッターレリーズ操作を行っても、当該動体がシャッタータイムラグ分移動した位置にある画像が実際には記録されることになり、撮影者の意図した画像を得ることができない。
【0005】
このため、撮影者は、OVF又はEVFによって示される撮影範囲中のどの位置に動体があるときにシャッターレリーズ操作を行えば、当該動体が真ん中にある画像を記録できるのかの感覚を、何度も撮影を行って身に付ける必要があり、この作業を行っている間に、シャッターチャンスを逃してしまうという課題がある。
【0006】
このような課題を解決するデジタルカメラとして、シャッターレリーズ操作前に行われるスルー画撮像中の全画素のデータをRAWデータとしてメモリに記憶しておき、シャッターレリーズ操作が行われたときのRAWデータを信号処理して得た静止画像データを記録媒体に記録するという製品(従来製品)が知られている。
【0007】
特許文献1には、OVFとEVFを搭載し、OVFを使用するときのシャッタータイムラグと、EVFを使用するときのシャッタータイムラグとを同じ時間にするデジタルカメラが開示されている。
【0008】
特許文献2には、着脱可能なファインダ装置にて、デジタルカメラの撮影範囲よりも広い範囲を撮影して得た画像と、デジタルカメラの撮影範囲とを合わせて表示することで、被写体が撮影範囲内に入るタイミングを確認しやすくしたデジタルカメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−309083号公報
【特許文献2】特開2003−87626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来製品は、大量のRAWデータをメモリに記憶しておく必要があるため、大きな容量のメモリが必要となり、製品コストが高くなってしまう。
【0011】
また、高速で移動している被写体にも対応させようとした場合、信号読み出しのフレームレートを上げることが必要で、そのためには高速で処理が行えるようにシステム設計する必要があり、デバイスのコストアップ、電力増による撮影枚数の減少、デバイスの温度上昇対策によるコストアップやセットサイズの大型化という問題がある。
【0012】
特許文献1,2に記載のデジタルカメラは、シャッタータイムラグ時間分の被写体移動量を知ることができないため、上述したように撮影を繰り返し行ってシャッターレリーズ操作を行うタイミングを掴む必要があり、シャッターチャンスを逃してしまう。
【0013】
また、撮影を繰り返し行ってシャッターレリーズ操作を行うタイミングを掴んだとしても、そのタイミングは感覚的なものであるため、撮影ミスを完全に防ぐことはできない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シャッタータイムラグによる撮影の失敗を簡単かつ確実に防ぐことが可能な、低コスト、小型、かつ低消費電力の撮像装置及びその表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の撮像装置は、被写体の方向に向けられるファインダ窓、前記ファインダ窓から入射する前記被写体の光像を覗く撮影者側ファインダ覗き窓、前記ファインダ窓と前記撮影者側ファインダ覗き窓との間に設けられ前記被写体の光像を前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に透過するハーフミラー、及び前記ハーフミラーに表示画像を投射して前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に反射させる表示装置を含むファインダ装置と、撮像素子とを有する撮像装置であって、前記撮像素子で連続撮像して得られる複数フレームのうち、最新の第一のフレームよりも前記撮像装置のシャッタータイムラグの時間分前の第二のフレームから当該最新の第一のフレームまでのフレームを少なくとも記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されているフレームのうち前記第二のフレームの少なくとも一部を前記表示装置に表示させる表示制御を行う表示制御部とを備えるものである。
【0016】
この構成により、撮影者側ファインダ覗き窓からは、ファインダ窓から入射する被写体の光像に、撮像素子で撮像して得られる最新の第一のフレームよりも撮像装置のシャッタータイムラグの時間分前の第二のフレームの少なくとも一部が重畳表示される。例えば、ファインダ窓から入射する被写体の光像に第二のフレームそのものが重畳表示されることで、撮影者は、被写体に含まれる動体が、シャッタータイムラグの時間分前にはどの位置にあったのかを、第二のフレームによって容易かつ正確に確認することができる。したがって、被写体に含まれる動体位置を、第二のフレームに含まれる動体が表示されていた位置と合わせてから撮影を行うことで、シャッターライムラグに起因する撮影ミスが発生するのを防ぐことができる。
【0017】
また、この構成によれば、記憶部には、第二のフレームから第一のフレームまでのフレームが少なくとも記憶されていればよいため、記憶部の容量増大を防いで、製造コストを削減することができる。
【0018】
本発明の表示制御方法は、被写体の方向に向けられるファインダ窓、前記ファインダ窓から入射する前記被写体の光像を覗く撮影者側ファインダ覗き窓、前記ファインダ窓と前記撮影者側覗き窓との間に設けられ前記被写体の光像を前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に透過するハーフミラー、及び前記ハーフミラーに表示画像を投射して前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に反射させる表示装置を含むファインダ装置と撮像素子とを有する撮像装置における表示制御方法であって、前記撮像素子で連続撮像して得られる複数フレームのうち、最新の第一のフレームよりも前記撮像装置のシャッタータイムラグの時間分前の第二のフレームから当該最新の第一のフレームまでのフレームを少なくとも記憶する記憶部に記憶されているフレームのうち前記第二のフレームの少なくとも一部を前記表示装置に表示させる表示制御を行う表示制御ステップを備えるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、シャッタータイムラグによる撮影の失敗を簡単かつ確実に防ぐことが可能な、低コスト、小型、かつ低消費電力の撮像装置及びその表示制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態を説明するためのデジタルカメラの外観斜視図
【図2】図1に示すデジタルカメラ10の内部ブロック構成図
【図3】デジタルカメラ10の動体撮影モード時の動作を説明するための図
【図4】図1に示すデジタルカメラ10の第一の変形例であるデジタルカメラ20の概略構成を示す図
【図5】デジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作を説明するための図
【図6】デジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作を説明するための図
【図7】デジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作を説明するための図
【図8】デジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作を説明するための図
【図9】デジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作を説明するための図
【図10】図4に示すデジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作を説明するためのフローチャート
【図11】デジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下では撮像装置としてのデジタルカメラについて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態を説明するためのデジタルカメラの外観斜視図である。
【0023】
デジタルカメラ10は、矩形の筐体11を備え、正面中央に沈胴式のレンズ鏡筒12が設けられ、レンズ鏡筒12内に撮影レンズ(焦点位置合わせレンズやズームレンズ等)13が収納されている。
【0024】
筐体11の上端面の片側にはシャッターレリーズボタン14が設けられ、シャッターレリーズボタン14とは反対側の角の筐体11内には、詳細は後述するハイブリッド形式のファインダ装置15が設けられている。ファインダ装置15の被写体側ファインダ窓16が、筐体11正面の角部に設けられ、その背面側に、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17が設けられている。
【0025】
図2は、図1に示すデジタルカメラ10の内部ブロック構成図である。
【0026】
デジタルカメラ10は、CCD型の固体撮像素子21aと、固体撮像素子21aの前段に置かれた撮影レンズ13(ズームレンズを13a、フォーカス用レンズを13bとする。)と、絞り(アイリス)24と、固体撮像素子21aの出力信号(撮影画像信号)をアナログ信号処理するCDSAMP(相関二重サンプリング(CDS),利得制御増幅器(AMP))25aと、CDSAMP25aの出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル(A/D)変換器26aと、ファインダ装置15とを備える。
【0027】
なお、固体撮像素子21aは、この例ではCCD型であるが、勿論、CMOS型等の他の形式の固体撮像素子でも良い。
【0028】
ファインダ装置15は、被写体側ファインダ窓16と撮影者側ファインダ覗き窓17との間に、対物レンズ65と、OVFシャッタ62と、ハーフミラー63を内部に持つプリズム66とがこの順に収納されている。
【0029】
OVFシャッタ62は、対物レンズ65とプリズム66との間に挿入されて光を遮蔽する状態(「閉」状態)と、対物レンズ65とプリズム66との間から退避させられて光を遮蔽しない状態(「開」状態)とをとることができる。OVFシャッタ62は、遮蔽板を出し入れするものであってもよいし、液晶シャッタとしてもよい。
【0030】
ハーフミラー63は、被写体からの入射光軸Lに対して斜め45度に設置されており、ハーフミラー63に隣接しかつ入射光軸Lに対し平行にEVF用の液晶表示装置61が設置されている。これにより、OVFシャッタ62が「開」状態のときには、ハーフミラー63を透過した被写体からの入射光と、液晶表示装置61から発せられハーフミラー63で反射した光とが重なった状態で撮影者の目に投影される。
【0031】
ハーフミラー63は、好適には、50%の光を透過し50%の光を反射する例えば銀膜などで構成されるが、この比率に限るものではない。他の比率、例えば、70%(又は60%)の光を透過し30%(又は40%)の光を反射する膜でも良く、或いは逆に、30%(又は40%)の光を透過し70%(又は60%)の光を反射する膜でも良く、透過光と反射光とが両方存在すればよい。
【0032】
対物レンズ65のズーム倍率と、ズームレンズ13aのズーム倍率とは連動して変化するように、両レンズ65,13aの駆動機構は内部で連結されており、ズームレンズ13aがズームして被写体を拡大表示したとき、ファインダ内のOVF光学像も拡大表示される様になっている。
【0033】
OVFシャッタ62を「開」状態としかつEVF用の液晶表示装置61を非表示状態にすることで、ファインダ装置15は光学式ビューファインダ(OVF)として使用され、OVFシャッタ62を「閉」状態としかつEVF用の液晶表示装置61を表示状態にすることで、ファインダ装置15は電子ビューファインダ(EVF)として使用されることになる。
【0034】
また、OVFシャッタ62を「開」状態としかつEVF用の液晶表示装置61を表示状態にすることで、被写体の構図を光学式ビューファインダにて確認しながら、液晶表示装置61に表示される情報を同時に同一ファインダ枠内で確認することができる。
【0035】
デジタルカメラ10は、更に、A/D変換器26aから出力されるデジタルの撮影画像信号を取り込む画像入力コントローラ31と、このデジタルカメラ10の全体を統括制御する演算処理装置(CPU)32と、画像入力コントローラ31によって取り込まれた撮影画像信号を画像処理して撮影画像データを生成する画像信号処理回路33と、固体撮像素子21aから出力される撮影画像信号から焦点位置を検出するAF検出回路34と、露出量,ホワイトバランスを自動検出するAE&AWB検出回路35と、ワークメモリとして使用する記憶部としてのメモリ(SDRAM)36と、液晶表示装置61に表示させる表示情報を生成する表示情報生成部38と、画像処理後の撮影画像データをJPEG画像やMPEG画像に圧縮する圧縮処理回路39と、カメラ背面等に設けられた液晶表示装置40に撮影画像やライブビュー画像を表示させたり、表示情報生成部38で生成された表示情報をファインダ装置15内の液晶表示装置61に表示させたりする表示制御部41と、記録メディア42に撮影画像データを保存するメディアコントローラ43と、これらを相互接続するバス44とを備える。
【0036】
このデジタルカメラ10は、更に、ズームレンズ13aの駆動モータに駆動パルスを供給するモータドライバ46と、フォーカスレンズ13bの位置を駆動するモータに駆動パルスを供給するモータドライバ47と、絞り24の絞り制御を行う駆動モータに駆動パルスを供給するモータドライバ48と、OVFシャッタ62の位置制御を行うモータに駆動パルスを供給するモータドライバ53と、固体撮像素子21aに駆動タイミングパルスを供給するタイミングジェネレータ49とを備え、これらは、CPU32からの指令に基づいて動作する。また、CDSAMP25aもCPU32からの指令に基づいて動作する。
【0037】
CPU32には、更に、撮影モード/再生モードを切り換えるスイッチ51と、2段シャッタのシャッターレリーズボタン14とが接続され、これらスイッチ51,シャッターレリーズボタン14から入力されるユーザ指示に基づき、CPU32はデジタルカメラ10を制御する。
【0038】
このデジタルカメラ10は、動体を撮影するときに好適な動体撮影モードを搭載している。
【0039】
以下では、この動体撮影モード時のデジタルカメラ10の動作について詳細に説明する。
【0040】
動体撮影モードが設定されると、CPU32が、モータドライバ53を制御してOVFシャッタを“開”状態にした後、撮像素子21aに連続撮像を開始させる。
【0041】
撮像素子21aで1フレーム分の撮像が行われる毎に、撮像素子21aから出力される撮影画像信号が画像信号処理回路33で画像処理されて、1フレーム分の撮影画像データ(以下、単にフレームという)が生成され、このフレームがメモリ36に記憶される。
【0042】
メモリ36には、動体撮影モード中、撮像素子21aで撮像して得られる複数フレームのうち、撮像素子21aで撮像して得られた最新のフレームから当該最新のフレームよりもデジタルカメラ10のシャッタータイムラグの時間分前のフレームまでのn個のフレームが少なくとも記憶される。
【0043】
例えば、撮像素子21aが、1秒間に30フレームの撮像を行う場合、シャッタータイムラグが1/10秒であれば、n=4となる。
【0044】
動体撮影モードに設定されてから、画像信号処理回路33で生成されるフレームの数がn個を超えた場合には、メモリ36に記憶されているフレームのうちの最も古いフレームが消去され、生成された最新のフレームが新たに記憶される。
【0045】
表示情報生成部38は、メモリ36にn個のフレームが記憶されると、n個のフレームのうち最も古い時刻に生成されたフレームを読み出し、このフレームを表示情報として表示制御部41に入力する。
【0046】
表示情報生成部38は、メモリ36にn個のフレームが記憶された後は、メモリ36に新しいフレームが記憶される毎に、最も古い時刻に生成されたフレームを表示制御部41に入力する処理を行う。
【0047】
表示制御部41は、入力されたフレームを液晶表示装置61に表示させる。
【0048】
図3は、デジタルカメラ10の動体撮影モード時の動作を説明するための図である。図3では、デジタルカメラ10の前方を左から右に移動する飛行機Pを撮影するときの例を示している。
【0049】
被写体側ファインダ窓16からハーフミラー63を透過して撮影者の目に入射する被写体光像(OVF画像)が図3のFIG3Aに示すものであった場合、液晶表示装置61に表示される画像(EVF画像)は、FIG3Aに示すOVF画像を撮像素子21aにより撮像して得られた最新のフレームよりも(n−1)個前のフレームとなり、図3のFIG3Bに示すようなものとなる。
【0050】
このため、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17からは、FIG3Cに示すように、FIG3AのOVF画像に、FIG3BのEVF画像が重なった画像を確認することができる。なお、図3において、EVF画像に含まれる飛行機Pには符号PEVFを付してある。
【0051】
撮影者は、FIG3Cに示す画像を見ながら、飛行機PEVFが表示されていた位置に飛行機Pが重なるように、デジタルカメラ10を飛行機Pの移動方向である右方向にパンさせる。このときの状態を示したのがFIG3Dである。
【0052】
ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17から見える画像がFIG3Dに示したものになった時点で、撮影者は、シャッターレリーズボタン14を半押ししてAE・AF指示を行い、その後、シャッターレリーズボタン14を全押しして撮影指示を行う。撮影指示がなされると、CPU32が撮像素子21aにより撮像を行い、その撮像で得られた撮影画像データが記録メディア42に記録される。
【0053】
ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17から見える画像がFIG3Dに示したものになった時点で撮影指示を行うと、当該撮影指示がなされた時点から(n−1)フレーム分の時間(シャッタータイムラグの時間)経過後に、撮像素子21aで撮像が行われる。このため、この撮像によって得られる撮影画像は、FIG3Eに示したものとなり、飛行機Pが真ん中にある撮影画像を記録することができる。
【0054】
以上のように、デジタルカメラ10によれば、動体撮影モードにおいては、撮像素子21aで撮像した最新のフレーム(ファインダ装置で確認中のOVF画像を撮像したフレーム)よりもデジタルカメラ10のシャッタータイムラグの時間分前のフレームを液晶表示装置61に表示するため、撮影者は、液晶表示装置61に表示されるフレームに含まれる動体の位置と、OVF画像に含まれる動体の位置との比較によって、シャッタータイムラグ時間分の動体の移動量を容易に知ることができる。
【0055】
したがって、動体のシャッタータイムラグ時間分の移動量分、動体の移動方向と同じ方向にデジタルカメラ10を移動させてから撮影を行う(EVFに表示されるフレームに含まれる動体の表示位置に、OVF画像に含まれる動体が重なるようにデジタルカメラ10を動かしてから撮影を行う)ことで、FIG3Eに示したような、中心に主要被写体のある撮影画像を得ることができ、撮影失敗を確実になくすことができる。
【0056】
また、デジタルカメラ10によれば、メモリ36には、撮像素子21aで撮像して得られた最新のフレームから当該最新のフレームよりもデジタルカメラ10のシャッタータイムラグの時間分前のフレームまでのn個のフレームを少なくとも記憶できる容量があればよいため、従来製品のように、大容量のメモリを持つ必要がなく、デジタルカメラ10の製造コスト増大を防ぐことができる。
【0057】
また、デジタルカメラ10によれば、シャッタータイムラグの時間分、撮像素子21aにより撮像して得られるフレームを遅らせて表示させるだけの構成であるため、高速で移動している被写体に対応させようとした場合でも、信号読み出しのフレームレートを上げる必要がない。このため、コストアップ、電力増による撮影枚数の減少、温度上昇対策によるコストアップやセットサイズの大型化という問題の発生を防ぐことができる。
【0058】
なお、表示制御部41は、動体撮影モードにおいて、AE・AF等の撮影条件を設定するための指示がなされたとき(シャッターレリーズボタン14が半押しされたとき)にのみ、撮像素子21aで撮像した最新のフレームよりもデジタルカメラ10のシャッタータイムラグの時間分前のフレームを液晶表示装置61に表示させる表示制御を開始するようにしてもよい。
【0059】
このようにすることで、撮影者は、画角(構図)を決めるまでの間は、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17からOVF画像のみを確認することができるため、画角合わせが容易になる。
【0060】
以下では、図1に示すデジタルカメラ10の変形例について列挙する。
【0061】
(第一の変形例)
図4は、図1に示すデジタルカメラ10の第一の変形例であるデジタルカメラ20の概略構成を示す図である。図4に示すデジタルカメラ20は、動体検出部37を追加した点を除いては、図1に示したデジタルカメラ10と同じ構成である。
【0062】
動体検出部37は、撮像素子21aで順次撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像素子21aで撮像中の被写体に含まれる動体を検出する。
【0063】
具体的には、撮像素子21aで順次撮像して得られる複数フレームのうち、最新のフレームと、当該フレームの1つ前のフレームとの比較により、これら2つのフレームに含まれる動体を検出する。
【0064】
動体検出部37は、メモリ36に2つのフレームが記憶された時点で、メモリ36に記憶されている最新のフレームと当該フレームの1つ前のフレームとの比較による動体検出処理を開始し、メモリ36のデータが更新される度に当該動体検出処理を行う。
【0065】
この動体検出処理により、メモリ36に記憶されたn個のフレームの各々から動体を検出することができる。
【0066】
デジタルカメラ20の表示情報生成部38は、メモリ36に記憶されたn個のフレームの最も古いフレームから、動体検出部37によって検出された動体の部分だけを切り出し、この切り出した動体の部分を表示情報とする。
【0067】
デジタルカメラ20の表示制御部41は、表示情報生成部38で生成された表示情報にしたがって、メモリ36に記憶されたn個のフレームの最も古いフレームのうち、動体検出部37によって検出された動体の部分だけを、液晶表示装置61に表示させる。
【0068】
図5は、デジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作を説明するための図である。図5では、デジタルカメラ20の前方を左から右に移動する飛行機Pを撮影するときの例を示している。
【0069】
メモリ36にn個のフレームが記憶された状態で、撮像素子21aが撮像中の被写体(OVF画像)が図5のFIG5Aに示すものであった場合、液晶表示装置61に表示される画像(EVF画像)は、FIG5Aに示すOVF画像を撮像して得られた最新のフレームよりも(n−1)個前のフレームに含まれる動体(飛行機PEVF)だけとなり、図5のFIG5Bに示すようなものとなる。
【0070】
このため、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17からは、FIG5Cに示すように、FIG5AのOVF画像に、FIG5BのEVF画像が重なった画像を確認することができる。
【0071】
このように、液晶表示装置61には、メモリ36に記憶される最も古いフレームに含まれる動体(飛行機PEVF)だけを表示させることにより、OVF画像が見づらくなるのを防ぐことができる。
【0072】
デジタルカメラ20の表示情報生成部38は、上記最も古いフレームのうち、動体検出部37によって検出された動体の部分以外を黒色にした画像を表示情報として生成してもよい。
【0073】
この場合、OVF画像が図6のFIG6Aに示すものであった場合、EVF画像は図6のFIG6Bに示すようになる。液晶表示装置61等の表示装置では、光を出射しないことで黒色表示を行うため、黒色に表示された部分は撮影者側ファインダ覗き窓17から見ることはできない。
【0074】
このため、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17からは、FIG6Cに示すように、FIG6AのOVF画像に、FIG6Bの飛行機PEVFだけが重なった画像を確認することができる。
【0075】
図6のFIG6Bに示す画像を、例えば、飛行機PEVF以外の部分が白色の画像にしてしまうと、この白色画像部分の光がOVF画像と重なるため、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17から見える観察画像におけるOVF画像の色味が薄くなってしまう。
【0076】
このような理由から、飛行機PEVF以外の部分が黒色の画像を液晶表示装置61に表示させた場合には、OVF画像が見づらくなるのを防ぐことができる。
【0077】
デジタルカメラ20の表示情報生成部38は、上記最も古いフレームのうち、動体検出部37によって検出された動体の輪郭を抽出し、この輪郭を表示情報として生成してもよい。
【0078】
この場合、OVF画像が図7のFIG7Aに示すものであった場合、EVF画像は図7のFIG7Bに示すようになる。このため、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17からは、FIG7Cに示すように、FIG7AのOVF画像に、FIG7BのEVF画像が重なった画像を確認することができる。このようにすることで、OVF画像の視認性をより高めることができる。
【0079】
図7のFIG7Bに示すEVF画像において、飛行機PEVFの輪郭は黒色以外の色で表示する必要がある。特に好ましいのは、飛行機PEVFの輪郭を、上記最も古いフレームに含まれる飛行機Pの周囲の背景の色の補色とした場合である。
【0080】
飛行機PEVFの輪郭をこのような補色にすることで、図7のFIG7Cに示す観察画像における飛行機PEVFの輪郭の視認性を向上させることができる。
【0081】
なお、図7のFIG7Bに示すEVF画像において、飛行機PEVFの輪郭以外の部分は全て黒色で表示することで、図7のFIG7Cに示す観察画像におけるOVF画像の視認性をより高めることができる。
【0082】
デジタルカメラ20の動体検出部37は、撮像中の被写体から検出した動体の移動方向及び移動速度を検出する機能を持っていてもよい。
【0083】
この場合、デジタルカメラ20の表示情報生成部38は、上記最も古いフレームのうち動体検出部37によって検出された動体又は当該動体の輪郭と共に、当該最も古いフレームから検出された動体の移動方向に伸びる目盛り線を表示情報として生成する。
【0084】
図8及び図9は、デジタルカメラ20の表示情報生成部38が表示情報に目盛り線を含ませた場合の、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17から観察される観察画像の一例を示した図である。
【0085】
図8及び図9に示したように、液晶表示装置61には、動体又は動体の輪郭以外に、その動体の移動方向と水平に伸びる目盛り線Mを表示させることで、飛行機PEVFと飛行機Pのシャッタータイムラグ分の移動量を、目盛り線Mによって撮影者に認識させやすくすることができる。
【0086】
なお、図9に示すように、目盛り線Mの起点を飛行機PEVFの先端とし、飛行機Pが移動している方向に目盛り線Mを伸ばす表示を行うことで、飛行機PEVFと飛行機Pのシャッタータイムラグ分の移動量を撮影者により認識させやすくすることができる。
【0087】
また、目盛り線Mの目盛り間隔を、上記最も古いフレームに含まれる動体の移動速度が速い場合は粗くし、当該移動速度が遅い場合は細かくすることで、飛行機PEVFと飛行機Pのシャッタータイムラグ分の移動量を、撮影者により認識させやすくすることができる。
【0088】
以下では、表示制御部41が、液晶表示装置61に表示させる表示情報として、動体検出部37で検出された動体の輪郭を、当該動体の背景色の補色とし、当該輪郭以外の部分を黒色とした画像を生成する場合の、デジタルカメラ20の動作の一例を、フローチャートを用いて説明する。
【0089】
図10は、図4に示すデジタルカメラ20の動体撮影モード時の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0090】
動体撮影モードに設定されると、表示制御部41は、液晶表示装置61の全画素を黒色表示させる(ステップS1)。
【0091】
次に、撮像素子21aによる撮像によって複数のフレームが生成されると、動体検出部37が、最新のフレームと当該フレームの1つ前のフレームを取得し(ステップS2)、これらのフレームの比較により、これらのフレームに含まれる動体を検出する動体検出処理を行う(ステップS3)。
【0092】
次に、動体検出部37は、ステップS3で検出した動体の移動方向及び移動速度を検出する(ステップS4)。
【0093】
次に、表示情報生成部38が、メモリ36に記憶されているn個のフレームのうち最も古いフレームから、動体検出部37で検出された動体の輪郭を検出し(ステップS5)、当該最も古いフレームにおける当該動体の背景色を検出する(ステップS6)。
【0094】
次に、表示情報生成部38は、メモリ36に記憶されているn個のフレームのうち最も古いフレームからステップS5で検出した輪郭の色を、ステップS6で検出した背景色の補色に設定し、当該輪郭以外の部分を黒色にした画像を表示情報として生成する(ステップS7)。
【0095】
次に、シャッターレリーズボタン14の半押しの有無により、AE・AFの指示(撮影条件の設定指示)がなされたかどうか判断され、撮影条件の設定指示がなされていない場合には、ステップS3に処理が戻り、撮影条件の設定指示がなされた場合には、ステップS9の処理が行われる。
【0096】
ステップS9では、表示制御部41が、ステップS7にて表示情報生成部38により生成された表示情報を液晶表示装置61に表示させる。ステップS9の後は、シャッターレリーズボタン14の全押しによる撮影指示があると、撮像素子21aにより撮像が行われ、この撮像によって生成された撮影画像データが、記録メディア42に記録されて、1回分の撮影処理動作が終了する。
【0097】
(第二の変形例)
ここまでは、撮像素子21aで撮像した最新のフレームよりも、シャッタータイムラグの時間分前のフレームに、当該最新のフレームに含まれる動体と同じ動体が含まれていることを前提として説明してきた。
【0098】
しかし、動体の移動速度が大きい場合には、撮像素子21aで撮像した最新のフレームよりも、シャッタータイムラグの時間分前のフレームに、当該最新のフレームに含まれる動体と同じ動体が含まれない場合もあり得る。
【0099】
このような場合は、メモリ36にn個のフレームが記憶されていても、ファインダ装置15の撮影者側ファインダ覗き窓17から観察される観察画像は図11のFIG11Aに示したものとなり、飛行機PEVFの画像は確認できない。これでは、シャッタータイムラグ時間分の飛行機Pの移動量を知ることはできず、撮影ミスを防ぐことは難しい。
【0100】
そこで、デジタルカメラ20では、動体検出部37で検出された動体の移動速度が閾値以上のときには、CPU32が、撮像素子21aで撮像して得られるフレームのうちの記録範囲を狭める電子ズーム制御を行う。
【0101】
CPU32は、動体検出部37で検出された動体の移動速度が閾値以上のときには、撮像素子21aで撮像して得られるフレームにおける上記記録範囲を、当該フレームの中心から動体検出部37により検出された動体の移動方向側にずらして設定する。
【0102】
デジタルカメラ20の表示情報生成部38は、動体検出部37で検出された動体の移動速度が閾値以上のときには、CPU32により設定された記録範囲に対応する枠Wを、図11のFIG11Bに示すように液晶表示装置61に表示させる。
【0103】
この枠Wが液晶表示装置61に表示されることで、撮影者は、OVF画像のうちのどの範囲が撮影時に記録されるのかを知ることができる。
【0104】
枠Wの中心に飛行機Pがくるように、撮影者がデジタルカメラ20を左下に移動させると、飛行機Pの左端から、OVF画像の左端までの距離が大きくなり、メモリ36に記憶されるn個のフレームのうちの最も古いフレームにも、飛行機Pが含まれることになる。
【0105】
この結果、観察画像は、図11のFIG11Cに示すようになり、ファインダ装置15において、OVF画像と共に、シャッタータイムラグ時間分前の飛行機PEVFの画像を確認することができるようになる。
【0106】
このように、動体の移動速度が閾値以上のときには、液晶表示装置61に電子ズーム範囲に対応する枠Wを表示させることで、撮影者に対し、動体の移動速度が速いことを知らせることができると共に、デジタルカメラ20を移動させるよう促すことができる。この結果、動体の移動速度が速い場合でも、撮影ミスを防ぐことができる。
【0107】
なお、枠Wの大きさは、動体検出部37によって検出される動体(飛行機P)の移動速度に応じて決めればよい。例えば、移動速度が大きいほど枠Wを小さくし、移動速度が小さいほど枠Wを大きくすればよい。
【0108】
また、デジタルカメラ20は、撮影中は動体検出部37によって常に動体の検出を行い、動体の検出がなされたときに、自動的に動体撮影モードに移行するものであってもよい。
【0109】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0110】
開示された撮像装置は、被写体の方向に向けられるファインダ窓、前記ファインダ窓から入射する前記被写体の光像を覗く撮影者側ファインダ覗き窓、前記ファインダ窓と前記撮影者側ファインダ覗き窓との間に設けられ前記被写体の光像を前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に透過するハーフミラー、及び前記ハーフミラーに表示画像を投射して前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に反射させる表示装置を含むファインダ装置と、撮像素子とを有する撮像装置であって、前記撮像素子で連続撮像して得られる複数フレームのうち、最新の第一のフレームよりも前記撮像装置のシャッタータイムラグの時間分前の第二のフレームから当該最新の第一のフレームまでのフレームを少なくとも記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されているフレームのうち前記第二のフレームの少なくとも一部を前記表示装置に表示させる表示制御を行う表示制御部とを備えるものである。
【0111】
開示された撮像装置は、前記撮像素子により連続撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像中の被写体に含まれる動体を検出する動体検出部を備え、前記表示制御部は、前記表示制御時に、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出部により検出された動体の少なくとも輪郭を前記表示装置に表示させるものである。
【0112】
開示された撮像装置は、前記表示制御部は、前記表示制御時に、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出部により検出された動体の少なくとも輪郭以外の部分を黒色とした画像を前記表示装置に表示させるものである。
【0113】
開示された撮像装置は、前記表示制御部は、前記表示制御時に、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出部により検出された動体の輪郭を表示させ、当該輪郭の色を、前記第二のフレームにおける前記動体の背景色の補色で表示させるものである。
【0114】
開示された撮像装置は、前記動体検出部で検出された前記動体の移動方向を検出する移動方向検出部を備え、前記表示制御部は、前記表示制御時に、前記動体の移動方向と平行に伸びる目盛り線を前記表示装置に更に表示させるものである。
【0115】
開示された撮像装置は、前記表示制御部は、外部操作によって行われる撮影条件の設定指示をトリガとして前記表示制御を開始するものである。
【0116】
開示された撮像装置は、前記撮像素子により連続撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像中の被写体に含まれる動体を検出する動体検出部と、前記動体の移動速度を検出する移動速度検出部と、前記動体の移動方向を検出する移動方向検出部と、前記動体の移動速度が閾値以上のときに、前記撮像素子で撮像して得られるフレームに対し記録すべき範囲を狭くする電子ズーム制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記撮像素子で撮像して得られるフレームにおける記録範囲を、当該フレームの中心から前記移動方向検出部により検出される前記動体の移動方向側にずらして設定し、前記表示制御部は、前記動体の移動速度が閾値以上のときに、前記記録範囲に対応する情報を前記表示装置に表示させるものである。
【0117】
開示された表示制御方法は、被写体の方向に向けられるファインダ窓、前記ファインダ窓から入射する前記被写体の光像を覗く撮影者側ファインダ覗き窓、前記ファインダ窓と前記撮影者側覗き窓との間に設けられ前記被写体の光像を前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に透過するハーフミラー、及び前記ハーフミラーに表示画像を投射して前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に反射させる表示装置を含むファインダ装置と撮像素子とを有する撮像装置における表示制御方法であって、前記撮像素子で連続撮像して得られる複数フレームのうち、最新の第一のフレームよりも前記撮像装置のシャッタータイムラグの時間分前の第二のフレームから当該最新の第一のフレームまでのフレームを少なくとも記憶する記憶部に記憶されているフレームのうち前記第二のフレームの少なくとも一部を前記表示装置に表示させる表示制御を行う表示制御ステップを備えるものである。
【0118】
開示された表示制御方法は、前記撮像素子により連続撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像中の被写体に含まれる動体を検出する動体検出ステップを備え、前記表示制御ステップでは、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出ステップにより検出された動体の少なくとも輪郭を前記表示装置に表示させるものである。
【0119】
開示された表示制御方法は、前記表示制御ステップでは、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出ステップにより検出された動体の少なくとも輪郭を黒以外の色とし、前記第二のフレームの当該動体の少なくとも輪郭以外の部分を黒色とした画像を前記表示装置に表示させるものである。
【0120】
開示された表示制御方法は、前記表示制御ステップでは、前記表示装置に表示させる前記動体の輪郭の色を、前記第二のフレームにおける前記動体の背景色の補色で表示させるものである。
【0121】
開示された表示制御方法は、前記動体検出ステップで検出した前記動体の移動方向を検出する移動方向検出ステップを備え、前記表示制御ステップでは、前記動体の移動方向と平行に伸びる目盛り線を前記表示装置に更に表示させるものである。
【0122】
開示された表示制御方法は、前記表示制御ステップを、外部操作によって行われる撮影条件の設定指示をトリガとして開始するものである。
【0123】
開示された表示制御方法は、前記撮像素子により連続撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像中の被写体に含まれる動体を検出する動体検出ステップと、前記動体の移動速度を検出する移動速度検出ステップと、前記動体の移動方向を検出する移動方向検出ステップと、前記動体の移動速度が閾値以上のときに、前記撮像素子で撮像して得られるフレームに対し記録すべき範囲を狭くする電子ズーム制御を行う制御ステップとを備え、前記制御ステップでは、前記撮像素子で撮像して得られるフレームにおける記録範囲を、当該フレームの中心から前記移動方向検出部により検出される前記動体の移動方向側にずらして設定し、前記表示制御ステップでは、前記動体の移動速度が閾値以上のときに、前記記録範囲に対応する情報を前記表示装置に表示させるものである。
【符号の説明】
【0124】
10 デジタルカメラ
15 ファインダ装置
16 ファインダ窓
17 撮影者側ファインダ覗き窓
21a 固体撮像素子
36 メモリ
41 表示制御部
61 EVF用液晶表示装置
63 ハーフミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の方向に向けられるファインダ窓、前記ファインダ窓から入射する前記被写体の光像を覗く撮影者側ファインダ覗き窓、前記ファインダ窓と前記撮影者側ファインダ覗き窓との間に設けられ前記被写体の光像を前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に透過するハーフミラー、及び前記ハーフミラーに表示画像を投射して前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に反射させる表示装置を含むファインダ装置と、撮像素子とを有する撮像装置であって、
前記撮像素子で連続撮像して得られる複数フレームのうち、最新の第一のフレームよりも前記撮像装置のシャッタータイムラグの時間分前の第二のフレームから当該最新の第一のフレームまでのフレームを少なくとも記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているフレームのうち前記第二のフレームの少なくとも一部を前記表示装置に表示させる表示制御を行う表示制御部とを備える撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記撮像素子により連続撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像中の被写体に含まれる動体を検出する動体検出部を備え、
前記表示制御部は、前記表示制御時に、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出部により検出された動体の少なくとも輪郭を前記表示装置に表示させる撮像装置。
【請求項3】
請求項2記載の撮像装置であって、
前記表示制御部は、前記表示制御時に、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出部により検出された動体の少なくとも輪郭以外の部分を黒色とした画像を前記表示装置に表示させる撮像装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の撮像装置であって、
前記表示制御部は、前記表示制御時に、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出部により検出された動体の輪郭を表示させ、当該輪郭の色を、前記第二のフレームにおける前記動体の背景色の補色で表示させる撮像装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記動体検出部で検出された前記動体の移動方向を検出する移動方向検出部を備え、
前記表示制御部は、前記表示制御時に、前記動体の移動方向と平行に伸びる目盛り線を前記表示装置に更に表示させる撮像装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記表示制御部は、外部操作によって行われる撮影条件の設定指示をトリガとして前記表示制御を開始する撮像装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記撮像素子により連続撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像中の被写体に含まれる動体を検出する動体検出部と、
前記動体の移動速度を検出する移動速度検出部と、
前記動体の移動方向を検出する移動方向検出部と、
前記動体の移動速度が閾値以上のときに、前記撮像素子で撮像して得られるフレームに対し記録すべき範囲を狭くする電子ズーム制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記撮像素子で撮像して得られるフレームにおける記録範囲を、当該フレームの中心から前記移動方向検出部により検出される前記動体の移動方向側にずらして設定し、
前記表示制御部は、前記動体の移動速度が閾値以上のときに、前記記録範囲に対応する情報を前記表示装置に表示させる撮像装置。
【請求項8】
被写体の方向に向けられるファインダ窓、前記ファインダ窓から入射する前記被写体の光像を覗く撮影者側ファインダ覗き窓、前記ファインダ窓と前記撮影者側覗き窓との間に設けられ前記被写体の光像を前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に透過するハーフミラー、及び前記ハーフミラーに表示画像を投射して前記撮影者側ファインダ覗き窓の方向に反射させる表示装置を含むファインダ装置と撮像素子とを有する撮像装置における表示制御方法であって、
前記撮像素子で連続撮像して得られる複数フレームのうち、最新の第一のフレームよりも前記撮像装置のシャッタータイムラグの時間分前の第二のフレームから当該最新の第一のフレームまでのフレームを少なくとも記憶する記憶部に記憶されているフレームのうち前記第二のフレームの少なくとも一部を前記表示装置に表示させる表示制御を行う表示制御ステップを備える表示制御方法。
【請求項9】
請求項8記載の表示制御方法であって、
前記撮像素子により連続撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像中の被写体に含まれる動体を検出する動体検出ステップを備え、
前記表示制御ステップでは、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出ステップにより検出された動体の少なくとも輪郭を前記表示装置に表示させる表示制御方法。
【請求項10】
請求項9記載の表示制御方法であって、
前記表示制御ステップでは、前記第二のフレームに含まれる前記動体検出ステップにより検出された動体の少なくとも輪郭を黒以外の色とし、前記第二のフレームの当該動体の少なくとも輪郭以外の部分を黒色とした画像を前記表示装置に表示させる表示制御方法。
【請求項11】
請求項9又は10記載の表示制御方法であって、
前記表示制御ステップでは、前記表示装置に表示させる前記動体の輪郭の色を、前記第二のフレームにおける前記動体の背景色の補色で表示させる表示制御方法。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項記載の表示制御方法であって、
前記動体検出ステップで検出した前記動体の移動方向を検出する移動方向検出ステップを備え、
前記表示制御ステップでは、前記動体の移動方向と平行に伸びる目盛り線を前記表示装置に更に表示させる表示制御方法。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか1項記載の表示制御方法であって、
前記表示制御ステップを、外部操作によって行われる撮影条件の設定指示をトリガとして開始する表示制御方法。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか1項記載の表示制御方法であって、
前記撮像素子により連続撮像して得られる複数フレームを用いて、撮像中の被写体に含まれる動体を検出する動体検出ステップと、
前記動体の移動速度を検出する移動速度検出ステップと、
前記動体の移動方向を検出する移動方向検出ステップと、
前記動体の移動速度が閾値以上のときに、前記撮像素子で撮像して得られるフレームに対し記録すべき範囲を狭くする電子ズーム制御を行う制御ステップとを備え、
前記制御ステップでは、前記撮像素子で撮像して得られるフレームにおける記録範囲を、当該フレームの中心から前記移動方向検出部により検出される前記動体の移動方向側にずらして設定し、
前記表示制御ステップでは、前記動体の移動速度が閾値以上のときに、前記記録範囲に対応する情報を前記表示装置に表示させる表示制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−99984(P2012−99984A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244825(P2010−244825)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】