説明

撮像装置

【課題】メモリカードの抜けに起因する画像データの消失を確実に防止した撮像装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラのカメラ本体の左側面には、メモリカード30を着脱自在に保持するメディアスロット32と、このメディアスロット32を覆って保護するスロットカバーとが設けられている。また、カメラ本体の内部には、フラッシュメモリ66が設けられている。デジタルカメラを統括的に制御するCPU47には、マイクロスイッチ64が接続されている。マイクロスイッチ64は、スロットカバーがメディアスロット32を覆った閉じ位置にあるか否かを検出する。CPU47は、画像データが取得された際に、マイクロスイッチ64の検出結果を確認し、スロットカバーが閉じ位置にない状態では、画像データをフラッシュメモリ66に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取得した画像データを着脱自在な記録媒体と内蔵メモリとの一方に記録する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体像をCCDイメージセンサなどの固体撮像素子で撮像してデジタルの画像データを取得するデジタルカメラが普及している。デジタルカメラは、従来の銀塩カメラと同様に旅行などにもよく携帯されるが、旅先では記録容量が一杯になったとしても取得した画像データをパーソナルコンピュータなどに転送することが難しい。このため、デジタルカメラのほとんどは、取得した画像データを着脱自在なメモリカードに記録し、記録容量が一杯になった際にも、カードを交換するだけで続けて撮影を行えるようにしている。
【0003】
ところが、メモリカードに記録するデジタルカメラの場合、メモリカードの装着を忘れて、時に大切な撮影シーンを逃してしまうことがある。このような不具合を防止するため、メモリカードが装着されていない場合などに画像データを記録する内蔵メモリを備えたデジタルカメラが、例えば、特許文献1などによって知られている。
【特許文献1】特開平8−317326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、メモリカードに記録するデジタルカメラの場合、取得した画像データをメモリカードに記録している途中で、不意にメモリカードが抜けてしまい、画像データを正常に記録できないことがある。このような場合、一度メモリカードへの記録を開始しているため、内蔵メモリを有するデジタルカメラであっても、記録途中の画像データを残すことができない。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、メモリカードの抜けに起因する画像データの消失を確実に防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の撮像装置は、前面に撮影レンズが設けられたカメラ本体と、前記撮影レンズが結像した被写体像を撮像して前記被写体像に応じた画像データを取得する撮像素子と、記録媒体を着脱自在に保持するスロット部と、前記カメラ本体内に設けられた内蔵メモリと、前記スロット部を覆って保護するカバー部材と、前記カバー部材が前記スロット部を覆った閉じ位置にあるか否かを検出する検出手段と、前記カバー部材が前記閉じ位置にないことを前記検出手段が検出した状態で前記画像データが取得された際に、その前記画像データを前記内蔵メモリに記録する記録制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0007】
なお、前記画像データの記録先を前記記録媒体と前記内蔵メモリとの一方に設定する設定手段を有し、前記記録制御手段は、前記設定手段によって前記記録媒体が記録先として設定された際に、前記設定手段の設定に優先して前記画像データの記録を行うことが好ましい。
【0008】
また、前記記録制御手段は、前記記録媒体と前記内蔵メモリとの一方に記録された前記画像データを他方に転送する際に前記検出手段を確認し、前記カバー部材が前記閉じ位置にないことを前記検出手段が検出した状態では、前記記録媒体と前記内蔵メモリとの間の前記画像データの転送を行わないようにすることが好ましい。
【0009】
さらに、前記カバー部材は、前記カメラ本体に回動自在に軸着され、前記スロット部を覆って保護する閉じ位置と、前記スロット部を露呈させる開き位置との間で移動することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の撮像装置では、スロット部を覆うカバー部材が閉じ位置にないことを検出手段が検出した状態で画像データが取得された際に、その画像データを内蔵メモリに記録する記録制御手段を設けた。これにより、カバー部材がスロット部を覆って記録媒体の抜けが防止された状態でのみ記録媒体への画像データの記録が行われるようになるので、記録媒体の抜けに起因する画像データの消失を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、デジタルカメラ(撮像装置)2の構成を概略的に示す前面方向から見た斜視図である。略直方体状に形成されたカメラ本体4の前面には、撮影レンズ10を保持するレンズ鏡胴11と、被写体像を光学的に確認するための光学ファインダ12と、撮影実行の際に被写体を照射するストロボ発光部13とが設けられている。また、カメラ本体4の上面には、撮影実行を指示するレリーズボタン14と、電源のON/OFFを切り替える電源ボタン15とが設けられている。
【0012】
図2は、デジタルカメラ2の構成を概略的に示す背面方向から見た斜視図である。カメラ本体4の背面には、液晶パネル20と操作部21とが設けられている。液晶パネル20には、撮影した画像や撮影時のいわゆるスルー画像、及び各種のメニュー画面などが表示される。操作部21には、撮影レンズ10を広角側もしくは望遠側に変倍するためのズーム操作ボタン22、静止画撮影を行う静止画撮影モードと液晶パネル20に画像を再生表示する再生モードとを切り替えるためのモード切替スイッチ23、液晶パネル20にメニュー画面を表示する際や選択内容を決定する際などに操作されるメニューボタン24、メニュー画面の表示項目などを切り替えるための表示切替ボタン25、及びメニュー画面内のカーソルを移動させる際などに操作される十字キー26などが配設されている。
【0013】
また、カメラ本体4の左側面には、メモリカード(記録媒体)30を着脱自在に保持するメディアスロット(スロット部)32と、このメディアスロット32を保護するスロットカバー(カバー部材)34とが設けられている。メディアスロット32は、内部に複数の接点(図示は省略)を有しており、メモリカード30を機械的に保持した際に、メモリカード30との電気的な導通を得る。なお、メモリカード30としては、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDカード、スマートメディアなどが挙げられる。もちろん、メディアスロット32は、こうしたメモリカード30の規格に準じて構成される。
【0014】
スロットカバー34は、略平板状に形成され、カメラ本体4の上下方向に回動自在に軸着されている。これにより、スロットカバー34は、図2に示すようにメディアスロット32を露呈させる開き位置と、この開き位置から矢線方向に回動してメディアスロット32を覆う閉じ位置との間で移動する。スロットカバー34が開き位置にある際には、メディアスロット32へのメモリカード30の挿抜が可能になる。一方、スロットカバー34が閉じ位置にある際には、メディアスロット32への塵埃などの侵入が防止されるとともに、メディアスロット32に挿入されたメモリカード30の抜けが防止される。
【0015】
また、メディアスロット32の挿入口周囲には、スロットカバー34の外形に応じてカメラ本体4の左側面が一段凹まされた凹面4aが形成されている。スロットカバー34は、閉じ位置に移動した際に、この凹面4aに入り込んでカメラ本体4の左側面と略面一となる。また、スロットカバー34は、例えば、凹面4aとの嵌め合いや爪係止(図示は省略)などによって閉じ位置に保持される。
【0016】
図3は、デジタルカメラ2の内部構成を概略的に示すブロック図である。撮影レンズ10は、光軸Lに沿って配列されたズームレンズ40、絞り41、及びフォーカスレンズ42によって構成されている。ズームレンズ40には、レンズモータ43が接続されている。レンズモータ43は、ズーム操作ボタン22の操作に連動して、ズームレンズ40を広角側もしくは望遠側に移動させる。絞り41には、アイリスモータ44が接続されている。アイリスモータ44は、レリーズボタン14の半押しにともなう撮影準備処理の際に、絞り41の開口面積を変化させてズームレンズ40から入射する光の量を調節する。また、フォーカスレンズ42には、レンズモータ45が接続されている。レンズモータ45は、ズームレンズ40の変倍などにともなって、フォーカスレンズ42を光軸方向に移動させることにより、撮影レンズ10の焦点を至近側、もしくは無限遠側に調整する。
【0017】
各モータ43、44、45は、モータドライバ46に接続されている。モータドライバ46は、デジタルカメラ2を統括的に制御するCPU47に接続されており、このCPU47からの制御信号に基づいて各モータ43、44、45に駆動パルスを送信する。各モータ43、44、45は、この駆動パルスに応じて回転軸を回転駆動する。なお、各モータ43、44、45としては、例えば、ステッピングモータが用いられる。
【0018】
撮影レンズ10の背後には、撮影レンズ10によって結像された被写体像を撮像するCCD(撮像素子)48が配置されている。CCD48には、CPU47によって制御されるタイミングジェネレータ(TG)49が接続され、このTG49から入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタのシャッタ速度が決定される。
【0019】
CCD48から出力された画像データは、相関二重サンプリング回路(CDS)50に入力され、CCD48の各セルの蓄積電荷量に正確に対応したR、G、Bの画像データとして出力される。CDS50から出力された画像データは、増幅器(AMP)51で増幅され、A/D変換器(A/D)52でデジタルの画像データに変換される。
【0020】
画像入力コントローラ53は、バス54を介してCPU47に接続され、CPU47の制御命令に応じて、CCD48、CDS50、AMP51、及びA/D52の各部を制御する。A/D52から出力された画像データは、SDRAM55に一時的に記録される。
【0021】
画像信号処理回路56は、SDRAM55から画像データを読み出して、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正処理などの各種画像処理を施し、この画像データを再度SDRAM55に記録する。YC変換処理回路57は、画像信号処理回路56で各種処理を施された画像データをSDRAM55から読み出し、輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとに変換する。
【0022】
VRAM58は、液晶パネル20にスルー画像を出力するためのメモリであり、画像信号処理回路56、YC変換処理回路57を経た画像データが格納される。このVRAM58には、画像データの書き込みと読み出しとを並行して行えるように、2フレーム分のメモリが確保されている。VRAM58に格納された画像データは、LCDドライバ59でアナログのコンポジット信号に変換され、液晶パネル20にスルー画像として表示される。
【0023】
圧縮伸長処理回路60は、YC変換処理回路57でYC変換された画像データを、例えば、TIFFやJPEGなどといった所定の圧縮形式で圧縮する。メディアコントローラ61は、メディアスロット32に装着されたメモリカード30にアクセスして、圧縮された画像データなどの読み書きを行う。
【0024】
CPU47には、レリーズボタン14、操作部21、EEPROM63、及びマイクロスイッチ(検出手段)64が接続されている。EEPROM63には、各種制御用のプログラムや設定情報などが記録されている。CPU47は、これらの情報をEEPROM63から作業用メモリであるSDRAM55に読み出して、各種処理を実行する。
【0025】
マイクロスイッチ64は、端子部の押圧に応じてON/OFFが切り替わる接点を有しており、この接点がCPU47に接続されている。マイクロスイッチ64は、閉じ位置に移動したスロットカバー34によって端子部が押圧されるように凹面4aに設けられている。これにより、CPU47は、マイクロスイッチ64の接点のON/OFFに応じてスロットカバー34が閉じ位置にあるか否かを検出する。
【0026】
さらに、バス54には、不揮発性の記録媒体であるフラッシュメモリ(内蔵メモリ)66と、CPU47から送信されるストロボ発光信号に応じてストロボ発光部13を発光させるストロボ制御部67とが接続されている。CPU47は、レリーズボタン14の操作に応じて撮影が実行された際に、圧縮伸長処理回路60で圧縮された画像データをメモリカード30とフラッシュメモリ62とのいずれか一方に記録する。記録先は、例えば、メニューボタン24の操作によって液晶パネル20に表示されるメニューリストから設定される。また、記録先の設定情報は、EEPROM63に書き込まれる。CPU47は、画像データの記録を行う際にEEPROM63から記録先の設定情報を読み出し、この設定情報に基づいて記録を行う。
【0027】
メモリカード30が記録先に設定された場合、CPU47は、画像データの記録を行う前に一度メモリカード30にアクセスし、メモリカード30の装着の有無と記録容量の過不足とを確認する。この確認によりメモリカード30への記録が行えない状況であると判断したCPU47は、画像データをフラッシュメモリ62に記録する。これにより、メモリカード30が未装着の状態やメモリカード30の記録容量が不足した状態などでの画像データの消失が防止される。
【0028】
次に、図4、及び図5に示すフローチャートを参照しながら、上記構成によるデジタルカメラ2の作用について説明する。デジタルカメラ2で静止画撮影を行う場合には、電源ボタン15を操作してデジタルカメラ2を起動させるとともに、モード切替スイッチ23を操作してデジタルカメラ2を静止画撮影モードに設定する。静止画撮影モードが設定されると、CCD48から出力された画像データが、VRAM58などを介してスルー画像として液晶パネル20に表示される。スルー画像による被写体のフレーミングの後、レリーズボタン14が操作されると、撮影が実行され、被写体像に応じた画像データが取得される。
【0029】
画像データが取得されると、CPU47は、まずEEPROM63に書き込まれた記録先の設定情報を読み出す。設定された記録先がフラッシュメモリ66である場合、CPU47は、取得された画像データをフラッシュメモリ66に記録する。一方、設定された記録先がメモリカード30である場合、CPU47は、画像データの記録を行う前に一度メモリカード30にアクセスし、メモリカード30の装着の有無と記録容量の過不足とを確認する。この際、メモリカード30への記録が行えない状況であると判断したCPU47は、取得した画像データをフラッシュメモリ66に記録し、メモリカード30への記録ミスに起因する画像データの消失を防止する。
【0030】
メモリカード30への記録が行える状況であると判断したCPU47は、次にマイクロスイッチ64の接点出力を確認し、スロットカバー34が閉じ位置にあるか否かの検出を行う。スロットカバー34が閉じ位置にあることを検出したCPU47は、取得した画像データをメモリカード30に記録する。一方、スロットカバー34が閉じ位置にないことを検出したCPU47は、取得した画像データをフラッシュメモリ66に記録する。
【0031】
スロットカバー34が閉じ位置にない状態では、画像データを記録している途中でメモリカード30がメディアスロット32から抜けてしまうことが懸念される。このため、CPU47は、スロットカバー34が閉じ位置にない状態では、EEPROM63の設定情報よりもマイクロスイッチ64の検出結果を優先させ、フラッシュメモリ66に画像データを記録する。これにより、スロットカバー34によってメモリカード30の抜けが防止された状態でのみメモリカード30への画像データの記録が行われるようになるので、メモリカード30の抜けに起因する画像データの消失を確実に防止することができる。
【0032】
なお、メモリカード30への記録が行えない状況や、マイクロスイッチ64の検出結果が優先された際などには、その旨を液晶パネル20に表示するなどしてユーザに報知することが好ましい。また、図4に示すフローチャートでは、メモリカード30に記録する際にのみ記録容量の確認を行うようにしているが、フラッシュメモリ66の記録容量の確認を行うようにしてもよい。この際、メモリカード30とフラッシュメモリ66との双方の記録容量が不足している際には、液晶パネル20に警告を表示したり、専用の警告ランプ(図示は省略)を点灯させるなどして、その旨をユーザに報知することが好ましい。
【0033】
次に、デジタルカメラ2で取得した画像の再生表示を行う場合には、デジタルカメラ2が起動した状態でモード切替スイッチ23を操作し、デジタルカメラ2を再生モードに設定する。再生モードが設定されると、液晶パネル20に画像データの読み出し先をメモリカード30にするか、フラッシュメモリ66にするかの選択画面が表示される。読み出し先の設定は、例えば、十字キー26を操作して画面上でメモリカード30とフラッシュメモリ66との一方を選択し、メニューボタン24を操作することで決定される。なお、読み出し先は、予め一方を設定しておくようにしてもよい。また、読み出し先は、画像の再生表示中にメニューリストなどから変更できることが好ましい。
【0034】
画像データの読み出し先としてメモリカード30が設定された場合、メモリカード30に記録された画像データが液晶パネル20に再生表示される。メモリカード30に複数の画像データが記録されている際には、表示切替ボタン25を操作する毎に画像データが順次読み出され、液晶パネル20の表示画像が切り替えられる。液晶パネル20に画像が再生表示された状態でメニューボタン24を操作すると、表示している画像に対応した画像データをフラッシュメモリ66に転送するか否かを決めるための選択画面が液晶パネル20に表示される。
【0035】
この選択画面から画像データの転送が選択されると、CPU47は、マイクロスイッチ64の接点出力を確認し、スロットカバー34が閉じ位置にあるか否かの検出を行う。スロットカバー34が閉じ位置にあることを検出したCPU47は、表示画像に応じた画像データをフラッシュメモリ66に転送する。一方、スロットカバー34が閉じ位置にないことを検出したCPU47は、フラッシュメモリ66への画像データの転送を行わないようにする。
【0036】
一方、画像データの読み出し先としてフラッシュメモリ66が設定された場合、フラッシュメモリ66に記録された画像データが液晶パネル20に再生表示される。以下、メモリカード30の場合と同様に、選択画面から画像データの転送が選択されたことに応じて、スロットカバー34が閉じ位置にあるか否かの検出が、CPU47によって行われる。スロットカバー34が閉じ位置にあることを検出したCPU47は、表示画像に応じた画像データをメモリカード30に転送する。一方、スロットカバー34が閉じ位置にないことを検出したCPU47は、メモリカード30への画像データの転送を行わないようにする。
【0037】
メモリカード30とフラッシュメモリ66との間で画像データの転送が行われている際に、メディアスロット32からメモリカード30が抜けてしまうと、メモリカード30とフラッシュメモリ66との双方の画像データが破損してしまうことが懸念される。これに対し、スロットカバー34が閉じ位置にない場合には、メモリカード30とフラッシュメモリ66との間の画像データの転送を行わないようにすることにより、転送時に生じる画像データの消失をも確実に防止することができる。
【0038】
なお、図5に示すフローチャートでは、画像データの転送が指示された後に、スロットカバー34が閉じ位置にあるか否かの検出を行うようにしているが、これに限ることなく、例えば、スロットカバー34が閉じ位置にあるか否かを予め検出しておき、スロットカバー34が閉じ位置にない場合には、画像データの転送指示を受け付けないようにしてもよい。また、静止画撮影モードの際と同様に、画像データの転送を行わなかった場合には、その旨を液晶パネル20に表示するなどしてユーザに報知することが好ましい。さらに、図5に示すフローチャートでは省略しているが、画像データの転送を行う前に転送先の記録容量を確認し、転送を行える状況であるか否かを判断することが好ましい。
【0039】
なお、上記実施形態では、スロット部として1枚のメモリカード30を収容するメディアスロット32を示しているが、これに限ることなく、例えば、同一種あるいは異種のメモリカードを複数枚同時に収容できるものや、専用のアダプタを介すことによって複数種のメモリカードに対応できるものなどであってもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、カバー部材としてカメラ本体4に回動自在に軸着されたスロットカバー34を示しているが、これに限ることなく、例えば、開き位置と閉じ位置との間でスライド移動するものでもよいし、カメラ本体4に対して着脱自在にされたものなどであってもよい。さらに、上記実施形態では、メディアスロット32とスロットカバー34とをカメラ本体4の左側面に設けているが、これらの取り付け位置は、カメラ本体4の任意の位置でよい。
【0041】
また、上記実施形態では、検出手段としてマイクロスイッチ64を示しているが、これに限ることなく、例えば、他の機械式スイッチを用いてもよいし、フォトインタラプタなどの光学センサやホール素子などの磁気センサなどを用いてもよい。
【0042】
さらに、上記実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラ2を示したが、撮像装置は、デジタルカメラ2の他にカメラ付き携帯電話などであってもよい。また、上記実施形態では、静止画撮影を例に説明しているが、取得される画像データは、動画像であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】デジタルカメラの構成を概略的に示す前面方向から見た斜視図である。
【図2】デジタルカメラの構成を概略的に示す背面方向から見た斜視図である。
【図3】デジタルカメラの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】取得した画像データを記録する際の動作を概略的に示すフローチャートである。
【図5】メモリカードとフラッシュメモリとの間で画像データの転送を行う際の動作を概略的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
2 デジタルカメラ(撮像装置)
4 カメラ本体
10 撮影レンズ
21 操作部(設定手段)
30 メモリカード(記録媒体)
32 メディアスロット(スロット部)
34 スロットカバー(カバー部材)
47 CPU(記録制御手段)
48 CCD(撮像素子)
64 マイクロスイッチ(検出手段)
66 フラッシュメモリ(内蔵メモリ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に撮影レンズが設けられたカメラ本体と、前記撮影レンズが結像した被写体像を撮像して前記被写体像に応じた画像データを取得する撮像素子と、記録媒体を着脱自在に保持するスロット部と、前記カメラ本体内に設けられた内蔵メモリとを有し、取得した前記画像データを前記記録媒体と前記内蔵メモリとの一方に記録する撮像装置において、
前記スロット部を覆って保護するカバー部材と、
前記カバー部材が前記スロット部を覆った閉じ位置にあるか否かを検出する検出手段と、
前記カバー部材が前記閉じ位置にないことを前記検出手段が検出した状態で前記画像データが取得された際に、その前記画像データを前記内蔵メモリに記録する記録制御手段とを設けたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像データの記録先を前記記録媒体と前記内蔵メモリとの一方に設定する設定手段を有し、
前記記録制御手段は、前記設定手段によって前記記録媒体が記録先として設定された際に、前記設定手段の設定に優先して前記画像データの記録を行うことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記記録制御手段は、前記記録媒体と前記内蔵メモリとの一方に記録された前記画像データを他方に転送する際に前記検出手段を確認し、前記カバー部材が前記閉じ位置にないことを前記検出手段が検出した状態では、前記記録媒体と前記内蔵メモリとの間の前記画像データの転送を行わないようにすることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記カメラ本体に回動自在に軸着され、前記スロット部を覆って保護する閉じ位置と、前記スロット部を露呈させる開き位置との間で移動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−201694(P2007−201694A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16328(P2006−16328)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】