説明

撮像装置

【課題】
自分撮りモード時の設定の煩わしさを解消する。
【解決手段】
回転撮像ユニット12は、前向き位置と後ろ向き位置との間で回転自在である。回転検出装置64が、回転撮像ユニット12の回転位置を検出する。回転撮像ユニット12が後ろ向きの場合、制御装置50は、レンズ駆動装置58により撮影レンズ14をワイド端に移動し、表示制御装置28により、画面内の画像を上下反転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自分撮り機能を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラを撮影者自身の手で支えながら、撮影者自身を撮影する自分撮り機能を備えた撮像装置が知られている。例えば、撮像ユニットを筐体に対して回転自在に装着してあるデジタルスチルカメラが商品化されている。撮像ユニットを、撮影者自身を向く方向に回転させた状態では、撮影者は、自身の写り具合等を液晶モニタで確認しながら撮影者自身を撮影できる。
【0003】
また、デジタルビデオカメラにおいては、液晶モニタをカメラの正面方向に向けることができるものがある。液晶モニタをカメラ正面方向に向けて、カメラを自分に向ければ、撮影者は、自身の写り具合等を液晶モニタで確認しながら撮影者自身を撮影できる。
【0004】
さらに、多くの撮像装置は、光学ズーム又は電子ズーム等のズーム機能を備えている。自分撮りの場合、撮影者自身が液晶モニタに表示される映像を確認しながら、適した画角にズーム倍率を調整する。
【0005】
このようなズーム機能と自分撮り機能を備えた撮像装置では、カメラ等を回転させて通常の撮影から自分撮りモードに変更した場合、液晶モニタに撮影者が大きく写りすぎることがあり、必然的に、ズーム倍率を調整しなければならない。このような問題を解決する技術として、特許文献1には、自分撮りモード切替えスイッチを設け、自分撮りモードが設定された場合に撮影レンズの焦点距離をワイド側に設定する技術が開示されている。また、特許文献2には、デジタルカメラを専用クレードルに載置することで、自分撮りモード用に自動的に光学ズームをワイド側に設定する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−295261号公報
【特許文献2】特開2004−080180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、自分撮りモードを撮影者自身が設定しなければならず、画角調整の手間を省いても、あまり効率的ではない。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、専用装置であるクレードルを用いなければならず、気軽に自分撮りが行えず、現実的ではなかった。
【0008】
本発明は、自分撮り状態のときの撮影者による画角調整を不要にする撮像装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、撮影光学系、及び当該撮影光学系による光学像を画像信号に変換する撮像手段を具備し、前向き方向と後ろ向き方向に変更自在な撮像ユニットと、当該撮像ユニットが当該後ろ向き方向になっていることを検出する検出手段と、画像表示装置と、当該撮像ユニットによる画像信号を表示用に処理し、当該画像表示装置に供給する画像処理装置と、当該撮影光学系及び当該画像処理装置の少なくとも一方によるズーム機能と、当該検出手段の検出出力に従い、当該撮像ユニットが当該後ろ向き方向になっているときに、当該ズーム機能をワイド側に強制する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る撮像装置は、撮影光学系と、当該撮影光学系による光学像を画像信号に変換する撮像手段と、前向き方向に移動自在な画像表示装置と、当該画像表示装置が当該前向き方向になっていることを検出する検出手段と、当該撮像手段による画像信号を表示用に処理し、当該画像表示装置に供給する画像処理装と、当該撮影光学系及び当該画像処理装置の少なくとも一方によるズーム機能と、当該検出手段の検出出力に従い、当該画像表示装置が当該前向き方向になっているときに、当該ズーム機能をワイド側に強制する制御手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像者自身を撮影する態勢では、ズーム機能をワイド側に強制するので、撮影者は、手動調節の煩わしさから解放される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の一実施例である撮像装置10の概略構成ブロック図を示す。撮像装置10は、具体的には、デジタルカメラ又はデジタルスチルカメラ等である。図1では、破線は制御信号を示す。
【0014】
撮像装置10は、前向きと後ろ向きの間で回転可能に、撮像装置10の筐体に軸支された回転撮像ユニット12を具備する。図2は、回転撮像ユニット12を正面に向けた状態の、撮像装置10の正面図を示し、図3は、回転撮像ユニット12を正面に向けた状態の、撮像装置10の背面図を示す。
【0015】
詳細は後述するが、回転撮像ユニット12には、撮影レンズ14、光学像を電気画像信号に変換する撮像素子16、電子ビューファインダ(EVF)32、投光式の測距装置52、レンズ駆動装置58及びストロボ62が内蔵される。
【0016】
撮像装置10は、回転撮像ユニット12の他に、信号処理装置18、圧縮装置20、記録再生装置22、記録媒体24、伸長装置26、表示制御装置28、液晶表示パネル30、制御装置50、メモリ54、操作装置56、フラッシュ制御装置60及び回転検出装置64を具備する。
【0017】
撮影レンズ14は、被写体の光学像を撮像素子16の撮像面に結像する。撮像素子16は、撮影レンズ14による光学像を電気画像信号に変換する。撮像素子14は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)撮像素子又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子等である。
【0018】
信号処理装置18は、撮像素子14からの電気画像信号にカメラで周知の信号処理(例えば、ガンマ補正、色バランス調整、輝度/色分離)等を施し、デジタル信号に変換する。さらに、信号処理装置18は、回転撮像ユニット12が後ろ向きの場合には、画像データの上下を反転する。
【0019】
圧縮装置20は、MPEG(Moving Picture Experts Group phase)2又はMPEG4、Motion JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の動画圧縮方式、若しくは、JPEG又はJPEG2000等の静止画圧縮方式で、信号処理装置18からのデジタル画像信号を圧縮符号化し、圧縮画像データを生成する。
【0020】
記録再生装置22は、記録モードでは、圧縮装置20からの圧縮画像データを記録媒体24に記録し、再生モードでは、記録媒体24から圧縮画像データを読み出し、再生表示用に伸長装置26に供給する。記録媒体24は、不揮発性半導体メモリ(いわゆるメモリーカード)、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク、又はDVD(Digital Versatile Disk)等に準拠する記録再生可能な光ディスクからなる。
【0021】
伸長装置26は、記録再生装置22からの圧縮画像データを伸長し、デジタル画像信号を復元する。
【0022】
表示制御装置28は、伸長装置26からのデジタル画像信号に従い液晶表示パネル30を駆動する。これにより、再生画像が液晶表示パネル(LCD)30の画面上に画像として表示される。表示制御装置28はまた、OSD(On Screen Display)機能を具備し、制御装置50からの文字データ等を画像に重畳して液晶表示パネル30上に表示する。
【0023】
電子ビューファインダ(EVF)32は、信号処理装置18の出力画像信号を画像として表示する。EVF32は、被写体の構図等を確認するために使用され、一般に、画面サイズが液晶表示パネル30のそれよりも小さい。現在の被写体の構図確認等に液晶表示パネル30を使えるように、表示制御装置28は、信号処理装置18の出力画像信号を選択して、液晶表示パネル30を駆動できるようになっている。このとき、信号処理装置18と表示制御装置28は一体になって、特許請求の範囲における、画像信号を表示用に処理する画像処理装置として機能する。
【0024】
制御装置50は、いわゆるCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等からなり、撮像装置10の全体を制御する。制御装置50による制御の詳細は、後述する。
【0025】
測距装置52は、制御装置50の指示に従い、被写体方向に距離測定光を投射し、その反射光を一対の受光素子で受光する。その受光素子の出力を比較することで、被写体までの距離を算出できる。制御装置50は、測定された距離で焦点が合うように、レンズ駆動装置58により、撮影レンズ14の焦点を調節する。勿論、測距装置52で計測された被写体までの距離では、自分撮りの場合の制御にも利用される。
【0026】
メモリ54は、処理手順等に対応したプログラム、所要のテーブルその他の固定データを記憶するROM(Read Only Memory)と、各種設定を一時的に格納する領域、必要に応じて記録データの加工や記録データを展開するためのワークバッファとして利用される領域のほか、外部インターフェース(不図示)から入力されたデータ及びコマンド、並びに外部インターフェースに出力するデータ及びコマンドを格納するRAM(Random Access Memory)と、回転撮像ユニット12の所定位置等、電源オフ時にも設定値を保持するEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等で構成されている。
【0027】
操作装置56は、レリーズスイッチ56a、ズーム切替えスイッチ56b、十字キー56c、メニューボタン56d、決定ボタン56e及びモード切替えスイッチ56fを具備する。操作装置56のこれらのスイッチは、撮影(記録)、光学的又は電子的なズームの切替え、メニュー画面の表示、各種設定の選択及び決定、並びに、撮影モード、記録モード及び再生モード等の動作モードの切替え等に使用される。勿論、操作装置56は、動画撮影を指示する動画撮影スイッチ、再生/停止を指示する再生/停止スイッチ等も具備する。具体的デバイスとしては、タッチパネル又は視線入力装置等を用いてもよい。
【0028】
レンズ駆動装置58は、制御装置50の命令に基づき、撮影レンズ14のズームレンズを制御する。すなわち、ズーム切替えスイッチ56bの操作に応じて、制御装置50は、レンズ駆動装置58により、撮影レンズ14のズームレンズをワイド端(Wide)とテレ端(Tele)の間で移動する。フラッシュ制御装置60は、被写体の明るさに応じた光量の発光パターン、又は制御装置50により指示される光量の発光パターンでストロボ62を発光させる。
【0029】
回転検出装置64は、回転撮像ユニット12の回転動作を検出し、検出結果を制御装置50に通知する。制御装置50は、回転撮像ユニット12が後ろ向きのときに、信号処理装置18に画像データを上下反転させ、ズームをワイド端に制御し、フォーカスも至近距離に制御する。
【0030】
次に、本実施例の基本動作を説明する。撮影モードでは、撮像素子16は、被写体の光学像に対応する画像信号を出力する。信号処理装置16は、撮像素子14の出力画像信号に周知のカメラ信号処理を施す。信号処理装置16の出力画像データは、EVF32に印加され、ユーザは、EVF32の表示画像で被写体とその構図を確認できる。ユーザが液晶表示パネル30による観察を指示するとき、制御装置50は、表示制御装置28に指示して、信号処理装置18の出力画像信号で液晶表示パネル30を駆動させる。このとき、ユーザは、液晶表示パネル30の画面上で、被写体とその構図を確認できる。
【0031】
ユーザの記録指示で記録モードになる。記録モードでは、圧縮装置20が信号処理装置20の出力画像データを圧縮符号化し、圧縮画像データを記録再生装置22に転送する。記録再生装置22は、圧縮画像データを記録媒体24に記録する。このようにして、撮影された画像の圧縮画像データが記録媒体24に格納される。
【0032】
再生モードでは、記録再生装置22は、ユーザにより指定された画像の圧縮画像データを記録媒体24から読み出し、伸長装置26に転送する。伸長装置26は、記録再生装置22からの圧縮画像データを伸長して、画像データを復元する。表示制御装置28は、伸長装置26により復元された画像データに従い、液晶表示パネル30を駆動する。これにより、再生画像が液晶表示パネル30の画面に表示される。
【0033】
次に、図4を参照して、自分撮りモードにおける本実施例の制御を説明する。図4は、撮影モードにおける自分撮り状態の検出と制御のフローチャートである。本実施例では、ユーザは、自分撮り状態のときに、フォーカス又はズーム等を自動制御するかを否か予め制御装置50に設定する。
【0034】
制御装置50は、撮影モードか否かを判別する(S10)。撮影モードであるとき(S10)、自分撮りの場合の制御を実行するか否かを確認する(S11)。自分撮りの場合の自動制御を実行する場合(S11)、制御装置50は、回転検出装置64により、回転撮像ユニット12の回転角が所定の位置を超えたか否か、即ち回転撮像ユニット12が後ろ向きになっているかどうかを判別する(S12)。後ろ向きの場合(S12)、制御装置50は、レンズ駆動装置58により撮影レンズ14の光学ズームをワイド端に移動する(S13)。これにより、ユーザ自身の画像を適正なサイズで撮影できる。
【0035】
自分撮りの場合の制御を実行しない場合(S11)、又は、回転撮像ユニット12が後ろ向きで無い場合(S12)、そのまま終了する。
【0036】
このように、本実施例では、回転撮像ユニット12が後ろ向きの場合に、自動的に、自分撮りに適したズーム状態に制御するので、従来例で自分撮りのために必要であった面倒な操作が不要になる。
【0037】
自動合焦が有効に機能している場合、ユーザが撮影視野内に入ることで、自動的に撮影レンズ14の焦点がユーザに合うようになる。これにも関わらず、撮影レンズ14の焦点を強制的に、自分撮りの腕の長さに相当する程度の近距離に変更しても良い。
【実施例2】
【0038】
図5は、本発明の実施例2であるデジタルビデオカメラ110の概略構成ブロック図である。図6は、カメラ110の外観斜視図を示す。デジタルビデオカメラ110は、大画面の液晶表示パネル130を具備し、図6に示すように、筐体側面に、横開き可能で、且つ、前向きに回転可能に軸支されている。このような回転機構自体は、ビデオカメラで周知である。
【0039】
撮影レンズ114は、被写体の光学像を撮像素子116の撮像面に結像する。撮像素子116は、撮影レンズ114による光学像を電気画像信号に変換する。撮像素子114は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)撮像素子又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子等である。
【0040】
信号処理装置118は、撮像素子114からの電気画像信号にカメラで周知の信号処理(例えば、ガンマ補正、色バランス調整、輝度/色分離)等を施し、デジタル信号に変換する。信号処理装置118は、更に、撮像素子116の出力画像の一部を切り出すことで、電子的に画像サイズを大きくする電子ズーム機能を具備する。
【0041】
圧縮装置120は、MPEG(Moving Picture Experts Group phase)2、MPEG4又はMotion JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の動画圧縮方式、若しくは、JPEG又はJPEG2000等の静止画圧縮方式で、信号処理装置118からのデジタル画像信号を圧縮符号化し、圧縮画像データを生成する。
【0042】
記録再生装置122は、記録モードでは、圧縮装置120からの圧縮画像データを記録媒体124に記録し、再生モードでは、記録媒体124から圧縮画像データを読み出し、再生表示用に伸長装置126に供給する。記録媒体124は、記録媒体24と同様に、不揮発性半導体メモリ(いわゆるメモリーカード)、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク、又はDVD(Digital Versatile Disk)等に準拠する記録再生可能な光ディスクからなる。
【0043】
伸長装置126は、記録再生装置122からの圧縮画像データを伸長し、デジタル画像信号を復元する。
【0044】
表示制御装置128は、伸長装置126からのデジタル画像信号に従い液晶表示パネル130を駆動する。これにより、再生画像が液晶表示パネル(LCD)30の画面上に画像として表示される。表示制御装置128は、OSD(On Screen Display)機能を具備し、制御装置150からの文字データ等を画像に重畳して液晶表示パネル130上に表示する。液晶表示パネル130を前向きにしたときに、画像を正しく立った状態で表示できるように、表示制御装置128は、各画面を構成する画像の上下を反転する機能を具備する。
【0045】
電子ビューファインダ(EVF)132は、信号処理装置118の出力画像信号を画像として表示する。EVF132は、被写体の構図等を確認するために使用され、一般に、画面サイズが液晶表示パネル130のそれよりも小さい。現在の被写体の構図確認等に液晶表示パネル130を使えるように、表示制御装置128は、信号処理装置118の出力画像信号を選択して、液晶表示パネル130を駆動できるようになっている。このとき、信号処理装置118と表示制御装置128は一体になって、特許請求の範囲における、画像信号を表示用に処理する画像処理装置として機能する。
【0046】
制御装置150は、いわゆるCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等からなり、ビデオカメラ110の全体を制御する。制御装置150は、また、信号処理装置118の出力画像信号から撮影レンズ114の合焦状態を判別し、被写体に焦点が合うように、レンズ駆動装置158により撮影レンズ114のフォーカスレンズを制御する。ビデオカメラにおけるこのような合焦制御自体は、周知であるので、これ以上の説明を省略する。
【0047】
メモリ154は、処理手順等に対応したプログラム、所要のテーブルその他の固定データを記憶するROM(Read Only Memory)と、各種設定を一時的に格納する領域、必要に応じて記録データの加工や記録データを展開するためのワークバッファとして利用される領域のほか、外部インターフェース(不図示)から入力されたデータ及びコマンド、並びに外部インターフェースに出力するデータ及びコマンドを格納するRAM(Random Access Memory)と、電源オフ時にも設定値を保持するEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等で構成されている。
【0048】
操作装置156は、レリーズスイッチ156a、ズーム切替えスイッチ156b、十字キー156c、メニューボタン156d、決定ボタン156e及びモード切替えスイッチ156fを具備する。操作装置156のこれらのスイッチは、撮影(記録)、光学的又は電子的なズームの切替え、メニュー画面の表示、各種設定の選択及び決定、並びに、撮影モード、記録モード及び再生モード等の動作モードの切替え等に使用される。勿論、操作装置156は、静止画撮影を指示する静止画撮影スイッチ、再生/停止を指示する再生/停止スイッチ等も具備する。
【0049】
撮影レンズ114は、光学ズーム機能も具備する。レンズ駆動装置158は、制御装置150の命令に基づき、撮影レンズ114のズームレンズを制御する。すなわち、ズーム切替えスイッチ156bの操作に応じて、制御装置150は、レンズ駆動装置158により、撮影レンズ114のズームレンズをワイド端(Wide)とテレ端(Tele)の間で移動する。
【0050】
回転検出装置164は、液晶表示パネル130が前向きになっているか否かを検出し、検出結果を制御装置150に通知する。制御装置150は、液晶表示パネル130が前向きのとき、自分撮り状態になっていると判断し、後述するように、信号処理装置118の電子ズームをオフに、撮影レンズ114の光学ズームをワイド端に強制し、表示制御装置128に指示して、液晶表示パネル130で表示すべき画像の上下を反転させる。
【0051】
図7を参照して、自分撮りモードにおける本実施例の制御を説明する。図7は、図5に示す実施例の、撮影モードにおける自分撮り状態の検出と制御のフローチャートである。本実施例では、ユーザは、自分撮り状態のときに、フォーカス又はズーム等を自動制御するかを否か予め制御装置150に設定する。
【0052】
制御装置150は、撮影モードか否かを判別する(S20)。撮影モードであるとき(S20)、自分撮りの場合の制御を実行するか否かを確認する(S21)。自分撮りの場合の自動制御を実行する場合(S21)、制御装置150は、回転検出装置164により、液晶表示パネル130が前向きになっているかどうかを
判別する(S22)。前向きの場合(S22)、制御装置150は、レンズ駆動装置158により撮影レンズ114の光学ズームをワイド端に移動し、信号処理装置118による電子ズームをオフにする(S23)。これにより、ユーザ自身の画像を適正なサイズで撮影できる。
【0053】
自分撮りの場合の制御を実行しない場合(S21)、又は、液晶表示パネル130が前向きで無い場合(S22)、そのまま終了する。
【0054】
このように、本実施例では、液晶表示パネル130が前向きの場合に、自動的に、自分撮りに適したズーム状態に制御するので、従来例で自分撮りのために必要であった面倒な操作が不要になる。
【0055】
自動合焦が有効に機能している場合、ユーザが撮影視野内に入ることで、自動的に撮影レンズ114の焦点がユーザに合うようになる。これにも関わらず、撮影レンズ14の焦点を強制的に、自分撮りの腕の長さに相当する程度の近距離に変更しても良い。
【0056】
このように、本実施例でも、自分撮り状態では、ズーム機能をワイド側に移動するので、撮影者自身が撮影範囲に納まらなくなるといったミスショットを防止することができる。
【0057】
理解を容易にするために、自分撮り状態では、撮影レンズ114をワイド端に移動すると説明したが、撮影者自身が撮影範囲に納まる程度にワイド側の焦点距離であればよいことは明らかである。
【0058】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施例1の概略構成ブロック図である。
【図2】実施例1の正面図である。
【図3】実施例1の背面図である。
【図4】実施例1の制御フローチャートである。
【図5】本発明の実施例2の概略構成ブロック図である。
【図6】実施例2の外観斜視図である。
【図7】実施例2の制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10,110 撮像装置
12、112 回転撮像ユニット
14,114 撮影レンズ
16,116 撮像素子
18,118 信号処理装置
20,120 圧縮装置
22,122 記録再生装置
24,124 記録媒体
26,126 伸長装置
28,128 表示制御装置
30,130 液晶表示パネル
32,132 EVF(電子ビューファインダ)
50,150 制御装置
52 測距装置
54,154 メモリ
56,156 操作装置
56a,156a レリーズスイッチ
56b,156b ズーム切替えスイッチ
56c,156c 十字キー
56d,156d メニューボタン
56e,156e 決定ボタン
56f,156f モード切替えスイッチ
58,158 レンズ駆動装置
60 フラッシュ制御装置
62 ストロボ
64,164 回転検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系(14)、及び当該撮影光学系による光学像を画像信号に変換する撮像手段(16)を具備し、前向き方向と後ろ向き方向に変更自在な撮像ユニット(12)と、
当該撮像ユニット(12)が当該後ろ向き方向になっていることを検出する検出手段(64)と、
画像表示装置(30)と、
当該撮像ユニット(12)による画像信号を表示用に処理し、当該画像表示装置に供給する画像処理装置(18,28)と、
当該撮影光学系(14)及び当該画像処理装置(18,28)の少なくとも一方によるズーム機能と、
当該検出手段(64)の検出出力に従い、当該撮像ユニット(12)が当該後ろ向き方向になっているときに、当該ズーム機能をワイド側に強制する制御手段(50)
とを具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮影光学系(114)と、
当該撮影光学系による光学像を画像信号に変換する撮像手段(116)と、
前向き方向に移動自在な画像表示装置(130)と、
当該画像表示装置が当該前向き方向になっていることを検出する検出手段(164)と、
当該撮像手段による画像信号を表示用に処理し、当該画像表示装置(130)に供給する画像処理装置(118,128)と、
当該撮影光学系(114)及び当該画像処理装置(118,128)の少なくとも一方によるズーム機能と、
当該検出手段(164)の検出出力に従い、当該画像表示装置が当該前向き方向になっているときに、当該ズーム機能をワイド側に強制する制御手段(150)
とを具備することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−48348(P2008−48348A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224462(P2006−224462)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】