説明

撮像装置

【課題】本発明は、撮像装置に関するもので、被写体を撮像範囲から外れないように被写体を追従して、撮影することができるようにすることを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、被写体を、レンズを介してとらえた光学像を電気信号に変換して撮像信号を得る撮像部43と、撮像部43からの撮像信号より前記被写体を認識する被写体認識部45と、被写体認識部45で認識された被写体を、レンズ8を動かして追従するよう制御する被写体追従制御部46と、を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、ビデオカメラやデジタルカメラのような撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、被写体を追従して表示フレーム枠に表示する被写体追従機能をもったものがあった。
【0003】
このような従来の撮像装置の構成は、以下のような構成となっていた。
【0004】
すなわち、光学像を電気信号に変換して撮像信号を得る撮像部と、この撮像部が撮影した撮像信号を記憶する記憶部と、被写体を認識する被写体認識部と、前記被写体認識部で認識された被写体を追従制御する被写体追従制御部と、を備えたものであり、被写体追従機能には、撮像部のレンズがとらえた撮像範囲に入った被写体を、表示フレームに切り出して表示するようなものがあった。(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−268894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来例における課題は、撮像部のレンズがとらえた撮像範囲から被写体が外れると、この被写体を撮影することができなかった。
【0007】
すなわち上記従来例においては、撮像範囲に入った被写体を表示フレームに切り出して表示し、その表示フレームの映像を撮影するために、被写体が撮像範囲から外れてしまうと、撮影することができなかった。
【0008】
そこで本発明は、被写体を撮像範囲から外れないように被写体を追従して、撮影することができるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、被写体を、レンズを介してとらえた光学像を電気信号に変換して撮像信号を得る撮像部と、前記撮像部からの撮像信号より前記被写体を認識する被写体認識部と、前記被写体認識部で認識された被写体を、前記レンズを動かして追従するよう制御する被写体追従制御部と、を備え、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、被写体を、レンズを介してとらえた光学像を電気信号に変換して撮像信号を得る撮像部と、前記撮像部からの撮像信号より前記被写体を認識する被写体認識部と、前記被写体認識部で認識された被写体を、前記レンズを動かして追従するよう制御する被写体追従制御部と、を備えたものであるので、被写体を撮像範囲から外れないように追従して、撮影することができるものである。
【0011】
すなわち本発明においては、撮像範囲から外れそうな被写体に対して、レンズを動かすことにより、被写体が撮像範囲から外れないように追従することができるので、被写体を撮影することができるものである。
【0012】
例えば、運動会で遠くに動いている子供をズームインした場合などにおいて、撮像範囲から子供が外れそうな場合においても、レンズが子供を追従して撮像範囲に入れることで、被写体を撮影することができるようになる。
【0013】
さらには、被写体を追従するために、レンズだけを駆動するので、撮像装置自体を駆動するような追従機能をもった撮像装置と比較して、大きな駆動機構が必要でないので、撮像装置を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図
【図2】その要部を示す斜視図
【図3】その要部の分解斜視図
【図4】そのレンズ群を示す断面図
【図5】その第3群レンズ10部分のホルダを示す裏面側からの斜視図
【図6】その要部(図7のA−A断面図)断面図
【図7】その裏面側からの正面図
【図8】(a)その外枠20の斜視図(b)その外枠20の分解斜視図
【図9】その撮影状態を示す図
【図10】その模式図
【図11】その模式図
【図12】その機能ブロック図
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、撮像装置の一例としてビデオカメラに適用した物を、添付図面を用いて説明する。
【0016】
図1において、1は、本体ケースで、この本体ケース1の前方には、集光窓2が設けられ、また、後方には、覗き窓3や、操作スイッチ4などが設けられ、さらに、左側の側面には、表示装置5が設けられ、さらにまた、右側の側面には、ホルダ6が設けられている。
【0017】
また、前記本体ケース1の集光窓2から覗き窓3間には、図4に示す第1群レンズ8、ズーム用の第2群レンズ9、第3群レンズ10、ピント調整用の第4群レンズ11、第5群レンズ12が、それぞれ所定間隔離れた状態で配置されている。
【0018】
前記第1群レンズ8は、図1に示す集光窓2の後方(図2、図3の左側)に配置された状態で本体ケース1に保持され、ズーム用の第2群レンズ9は、第2群レンズホルダ13に保持され、さらに、第3群レンズ10は、内枠19に保持され、さらにまた、ピント調整用の第4群レンズ11は、第4群レンズホルダ15に保持され、また、第5群レンズ12は、最も後方側で第5群ケース36に保持されている。
【0019】
なお、第5群レンズ12の後方(図3の右側)には、撮像素子ユニット40が配置されている。そして、この撮像素子が捕らえた信号で、覗き窓4の前方に設けた表示器(図示せず)に、あるいは、表示装置5に映像を表示する構成となっている。
【0020】
さて、図3、図4に示す第2群レンズ9は、図3に示す2本のシャフト16a、16bに沿って前後方向に、摺動することで倍率を変えることが出来るものであって、本実施形態では、その倍率を50倍以上、さらに詳細には70倍としているので、例えば、図9に示すごとく、富士山17の5合目から頂上の登山者を映した時でも、それを後に、例えば19インチの表示装置18で再生すれば、登山者は、この図9に示すごとく、四捨五入すれば1cm程度の大きさで再生出来るものである。
【0021】
このように、高倍率となった本実施形態の撮像装置においては、手ぶれ補正に対する感度を高める事が重要になる。
【0022】
そこで、本実施形態においては、第3群レンズ10を保持したホルダ14の構成を図5から図8に示す構成とした。
【0023】
まず、第3群レンズ10は、小さな内枠19で保持し、この内枠19を外枠20に保持させた。具体的には、内枠19は、ほぼ四角形となっており、その中心部分で第3群レンズ10を保持している。
【0024】
この状態において、外枠20に植設された係止ピン23の径よりもわずかに大きい幅で上下方向に数ミリの長さで内枠19に配設された係止孔22に、係止ピン23を係合する。また、内枠19の第3群レンズ10を保持した下方部分の両側には、図8に示すごとく、係止ピン25の径よりもわずかに大きい係止切欠24が左右に、計2箇所設けられ、この左右の係止切欠24には、図8で示す係止ピン25が、外枠20を貫通した状態で、係止される。
【0025】
係止孔22、係止切欠24は、この図8に示すごとく、レンズの可動範囲よりも若干長い長穴状となっており、この係止孔22、係止切欠24内に係止ピン23、25が、係止された状態であるため、内枠19は、係止ピン23、25に案内されて、左右および上下に摺動することができる。
【0026】
また、この内枠19の後方側には、内枠19を上下方向に動かす駆動コイル26、左右方向に動かす27が一体に設けられる。
【0027】
そして、このように、第3群レンズ10および駆動コイル26、27が、一体化された内枠19が、外枠20に装着された状態で、駆動コイル26、27の後方には、磁石28、29が設けられ、また、この内枠19の前方には、ヨーク体30が設けられる。
【0028】
つまり、磁石28、29と、ヨーク体30の間に形成される磁気ギャップに、駆動コイル26、27が配置され、これにより、駆動コイル26、27に、電流を流せば、内枠19は、その電流の大きさと方向によって、上下左右にスムーズに駆動されることとなる。
【0029】
本実施形態においては、本体ケース1内に、手ぶれを検出する角速度センサ(図示せず)を設けており、この角速度センサにより検出した手ぶれ情報が、上記駆動コイル26、27に供給され、これによって、手ぶれ補正を、行うようになっている。
【0030】
本実施形態においては、図9を用いて説明したように、高倍率の撮影を行うことができるものであって、このような高倍率の撮影には、その手ぶれ補正がきわめて重要なことは、よく知られていることである。
【0031】
そこで、本実施形態においては、上述のごとく、手ぶれ補正を行うための主要構成体は、内枠19に保持させて軽量化し、これによって、手ぶれ補正に対する感度を高めるようにした。
【0032】
以上の説明で本実施形態における、基本的な構成及び作用が理解されたところで、以下、本実施形態における特徴点について説明をする。
【0033】
本実施形態においては、上述したように、手ぶれ補正手段として、第3群レンズ10を駆動することで、手ぶれによる撮像画像のぶれを補正することが可能となるが、この第3群レンズ10を動かすことによって、被写体を追従させる手段として使用することも可能となる。
【0034】
図10、11を用いて、本実施形態における、第3群レンズ10を用いた、被写体の追従動作を説明する。
【0035】
図10に示す41は、本実施形態におけるビデオカメラを、レンズ群を中心に模式的に示したものであるが、このビデオカメラ41は、被写体42側から、(図4に示す)第1群レンズ8、ズーム用の第2群レンズ9、第3群レンズ10、ピント調整用の第4群レンズ11、第5群レンズ12、その後方には、撮像素子ユニット40が配置されている。
【0036】
図10における被写体42とビデオカメラ41の位置関係は、ビデオカメラ41内に配置された撮像素子ユニット40に対して、レンズ群(8〜12)を通して結像された被写体42の画像が撮像範囲に入るような位置関係になっているが、被写体42が図11に示すように、ビデオカメラ41から見て、右方向に移動して42aの位置まで移動した場合には、撮像素子ユニット40に対して、レンズ群(8〜12)を通して結像された被写体42aの画像が撮像範囲から外れてしまうことになる。
【0037】
このような場合において、第3群レンズ10を、図11に示すように、左方向に動かすことで、被写体42aは、撮像範囲に入ることになる。本実施形態における第3群レンズ10は、ビデオカメラ41に対して、撮像範囲の+−15度程度をカバーできるので、被写体が移動した場合においても、その範囲を追従可能となる。
【0038】
さらには、仮に、被写体42が上述したよう第3群レンズ10の可動範囲から外れてしまった場合においては、使用者のモニターする覗き窓4(ファインダー)、あるいは、表示装置に、被写体42が、どちらの方向に外れてしまったかを示す通知手段として、矢印の表示を行い、使用者は、その矢印に従って、ビデオカメラ41の集光窓3を動かすことによって、被写体42を再び覗き窓4(ファインダー)、あるいは、表示装置に収め、第3群レンズ10が被写体42を追従することが可能となる。
【0039】
尚、被写体42を追従する手段としては、被写体を、色、形、動きなどによって認識する手段が知られており、このような手段を用いて特定の被写体を認識すれば良い。
【0040】
図12に本実施形態における撮像装置の機能ブロック図を示す。
【0041】
被写体を、レンズ群(8〜12)を介してとらえた光学像を撮像素子ユニット40によって電気信号に変換して撮像信号を得る撮像部43と、この撮像部43が撮影した撮像信号を記憶する記憶部44と、前記撮像信号より前記被写体を認識する被写体認識部45と、前記被写体認識部で認識された前記被写体を、第3群レンズ8を動かして追従するよう制御する被写体追従制御部46と、を備えており、これらの構成と作用によって、被写体を撮像範囲から外れないように追従して、撮影することができるものである。
【0042】
すなわち本発明においては、撮像範囲から外れそうな被写体に対して、レンズを動かすことにより、被写体が撮像範囲から外れないように追従することができるので、被写体を撮影することができるものである。
【0043】
例えば、運動会で遠くに動いている子供をズームインした場合などにおいて、撮像範囲から子供が外れそうな場合においても、レンズが子供を追従して撮像範囲に入れることで、被写体を撮影することができるようになる。
【0044】
さらには、被写体を追従するために、レンズだけを駆動するので、撮像装置自体を駆動するような追従機能をもった撮像装置と比較して、大きな駆動機構が必要でないので、撮像装置を小さくすることができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように本発明は、被写体を、レンズを介してとらえた光学像を電気信号に変換して撮像信号を得る撮像部と、前記撮像部からの撮像信号より前記被写体を認識する被写体認識部と、前記被写体認識部で認識された被写体を、前記レンズを動かして追従するよう制御する被写体追従制御部と、を備えたものであるので、被写体を撮像範囲から外れないように追従して、撮影することができるものである。
【0046】
すなわち本発明においては、撮像範囲から外れそうな被写体に対して、レンズを動かすことにより、被写体が撮像範囲から外れないように追従することができるので、被写体を撮影することができるものである。
【0047】
例えば、運動会で遠くに動いている子供をズームインした場合などにおいて、撮像範囲から子供が外れそうな場合においても、レンズが子供を追従して撮像範囲に入れることで、被写体をうつすことができるようになる。
【0048】
さらには、被写体を追従するために、レンズだけを駆動するので、撮像装置自体を駆動するような追従機能をもった撮像装置と比較して、大きな駆動機構が必要でないので、撮像装置を小さくすることができる。
【0049】
したがって、被写体を追従しながらの撮影が求められる撮像装置への適用が大いに期待されるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 本体ケース
2 保護カバー
3 集光窓
4 覗き窓
5 操作スイッチ
6 表示装置
7 ホルダ
8 第1群レンズ
9 第2群レンズ
10 第3群レンズ
11 第4群レンズ
12 第5群レンズ
13 レンズホルダ
14 ホルダ
15 ホルダ
16a シャフト
16b シャフト
17 富士山
18 表示装置
19 内枠
20 外枠
21 係止部
22 係止孔
23 係止ピン
24 係止切欠
25 係止ピン
26 駆動コイル
27 駆動コイル
28 磁石
29 磁石
30 ヨーク体
31 突起
31a 凹部
32ネジ孔
33 ネジ
34 当面
35 第3群ケース
36 ケース
37 ネジ
38 ネジ孔
39 押突起
40 撮像素子ユニット
41 ビデオカメラ
42、42a 被写体
43 撮像部
44 記憶部
45 被写体認識部
46 被写体追従制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を、レンズを介してとらえた光学像を電気信号に変換して撮像信号を得る撮像部と、
この撮像部からの撮像信号より前記被写体を認識する被写体認識部と、
この被写体認識部で認識された被写体を、前記レンズを動かして追従するよう制御する被写体追従制御部と、を備えた撮像装置。
【請求項2】
前記被写体追従制御部は手ぶれ補正レンズを動かせて、被写体を追従する構成とした請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記被写体が撮像範囲から外れた場合に、使用者が確認可能な表示装置に対して通知手段を有する請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記被写体が撮像範囲から外れた方向に矢印を表示する構成とした請求項1から3のいずれか一つに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−182221(P2011−182221A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45156(P2010−45156)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】