説明

撮像装置

【課題】 印刷される画像のノイズを抑制する。
【解決手段】 被写体を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像される画像が印刷機器によって印刷される際のプリントサイズを指定するプリントサイズ指定手段と、プリントサイズ指定手段によって指定されたプリントサイズに応じて、撮像手段によって撮像される画像の感光度を算出する算出手段とを備えて撮像装置を構成した。また、被写体を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像される画像の感光度を指定する感光度指定手段と、感光度指定手段によって指定された感光度に応じて、撮像手段によって撮像される画像が印刷機器によって印刷される際のプリントサイズを算出する算出手段とを備えて撮像装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたデジタルフォトプリンタ等の画像処理装置は、出力画像のプリントサイズに応じて、撮影された画像の一部を切り出すトリミング領域の縦横比であるアスペクト比を自動設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−177802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像が撮影される際の撮像素子の感度と、撮影画像を印刷機器で印刷する際のプリントサイズとの関係によっては、印刷される画像のノイズが目立ってしまう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像される画像が印刷機器によって印刷される際のプリントサイズを指定するプリントサイズ指定手段と、プリントサイズ指定手段によって指定されたプリントサイズに応じて、撮像手段によって撮像される画像の感光度を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
請求項5に記載の撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像される画像の感光度を指定する感光度指定手段と、感光度指定手段によって指定された感光度に応じて、撮像手段によって撮像される画像が印刷機器によって印刷される際のプリントサイズを算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、印刷される画像のノイズを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施の形態によるデジタルカメラの外観を示す背面図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの構成の概略を示すブロック図である。
【図3】図1に示すデジタルカメラのCPUによって行われる撮影処理の概略を示すフローチャートである。
【図4】図1に示すデジタルカメラの光学ファインダで視認される画面およびその印刷画像を示す図である。
【図5】図1に示すデジタルカメラの変形例において、背面モニタに表示されている画面および生成された撮影画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明による撮像装置をデジタルカメラに適用した一実施の形態について説明する。
【0009】
図1は、この一実施の形態によるデジタルカメラ1の外観を示す背面図である。
【0010】
カメラ1の本体背面の中央上方には、撮影される被写体が視認される光学ファインダ2が設けられている。光学ファインダ2の上方のペンタ部1Aには、ストロボ装置などを取り付けるためのアクセサリシュー3が設けられている。また、光学ファインダ2の右方には、シャッタースピードや露出補正値、ISO(International Organization for Standardization)感度値などの設定を行うためのコマンドダイヤル4が設けられている。また、光学ファインダ2の下方には、TFT(Thin Film Transistor)液晶からなる背面モニタ5が設けられている。
【0011】
背面モニタ5の右側には、環状に形成された十字ボタン6が設けられており、その中央には決定ボタン7が設けられている。十字ボタン6は、例えば、メニュー画面における種々の設定項目の中から撮影者が所望の項目を選択する際などに操作される。決定ボタン7は、十字ボタン6の操作によって選択された所定の項目を決定する際などに操作される。また、十字ボタン6の下方には、撮影画像データの削除などの際に操作される削除ボタン8が設けられている。
【0012】
また、背面モニタ5の左側には、上から順に、メニュー画面を背面モニタ5に表示させる際に操作されるメニューボタン9、撮影情報などを背面モニタ5に表示させる際に操作される情報表示ボタン10、背面モニタ5に表示される撮影画像の縮小表示やサムネイル表示の際に操作される縮小/サムネイルボタン11、および撮影画像の拡大表示などの際に操作される拡大ボタン12が設けられている。
【0013】
図2は、デジタルカメラ1の構成の概略を示すブロック図である。
【0014】
デジタルカメラ1は、交換レンズユニット40と本体41とから構成されている。本体41の外側には、レリーズボタン42と、デジタルカメラ1の各種の設定条件および撮影結果の表示をする背面モニタ5とが設けられている。また、デジタルカメラ1は、図示しない電源スイッチを備えている。
【0015】
交換レンズユニット40は、本体41に着脱自在に構成されており、光学系を構成するレンズ43に加えて絞り44を備えている。また、この交換レンズユニット40には、レンズ43の焦点合わせをすると共に、絞り44を駆動するレンズ・絞り用駆動モータ45が設けられており、また、レンズ43の位置を認識するためのエンコーダ46が設けられている。また、このレンズ・絞り用駆動モータ45を駆動制御するためのレンズ・絞り用駆動制御回路47や、交換レンズユニット40の焦点距離、開放Fナンバー等のレンズ情報が記録された、図示しない記憶回路も設けられている。
【0016】
本体41の内部には、各回路の動作を司るCPU(Central Processing Unit)48が設けられている。CPU48には、CPU48が種々の制御を行う際に参照される制御プログラムなどが格納された不揮発性メモリ31が接続されている。被写体光はレンズ43を通って本体41内に入射し、クイックリターンミラー49により反射して焦点板50に結像する。焦点板50の上方には、ファインダー表示板51およびPN(Polymer NetWork)液晶板52が設けられている。ファインダー表示板51は、図示しないファインダー表示回路により、焦点板50に結像した像に撮影情報を重畳する。PN液晶板52は、高分子分散液晶からなり、図示しない表示駆動回路により通電されて、非通電部分の透過率が低下して焦点板50からの被写体光を通さず、通電部分の透過率が高まって透明になり、焦点板50に結像した像を透過させる。レンズ43を通ってできる画像は上下左右が逆さまになっているが、被写体光がクイックリターンミラー49で反射することで、上下が正常な向きになる。クイックリターンミラー49で反射した被写体光は、焦点板50、ファインダー表示板51、およびPN液晶板52を通過し、さらにペンタプリズム13で反射させられることで、左右も正常な向きとなり、撮影者は光学ファインダ2を介して被写体像を正位像として見ることができる。
【0017】
また、ペンタプリズム13を通過した光の一部はハーフミラー14によって反射され、測光部15によって検出される。CPU48は、この測光部15で検出した被写体光量に基づいて、レンズ・絞り用駆動制御回路47によってレンズ・絞り用駆動モーター45を駆動させ、絞り44の開口量を調節する。これにより、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などからなる撮像素子18に投影される被写体像の光量が、調節される。また、クイックリターンミラー49で反射されずにこれを通過した被写体光は、クイックリターンミラー49のサブミラー49aによって反射され、焦点検出装置21によって検出される。CPU48は、焦点検出装置21の検出結果に基づき、レンズ43による被写体光の焦点状態を検出する。そして、検出した被写体光の焦点状態、および、交換レンズユニット40の記憶回路から送出されてレンズ情報回路20に記憶されているレンズ情報等に基づいて、レンズ・絞り用駆動制御回路47によってレンズ・絞り用駆動モーター45を駆動させ、レンズ43を移動して、撮像素子18に投影される被写体像の焦点を合わせる調節を行う。
【0018】
デジタルカメラ1の撮影者が光学ファインダ2を介して被写体像を見ながら、レリーズボタン42を押すことにより、CPU48は、これを検出し、シャッター17の幕を開く。CPU48は、さらに、レンズ43および絞り44を通過した被写体光によって撮像素子18に得られる像を、撮像素子駆動回路19によって撮像する。撮像素子18および撮像素子駆動回路19は、レンズ43で構成される光学系によって被写体光を集光して被写体を撮像する撮像手段を構成している。撮像素子駆動回路19によって撮像された被写体像は、CPU48により、撮像信号として画像処理回路28へ出力される。画像処理回路28は、入力された撮像信号に対して所定のアナログ信号処理を施した後、デジタル信号に変換し、ホワイトバランス処理やガンマ補正といった所定の画像処理を行う。画像処理回路28で画像処理された画像データは、CPU48の制御により、画像圧縮部30によって圧縮されて、RAM(Random Access Memory)で構成される画像メモリ29に一旦記録される。
【0019】
メニューボタン9を操作することにより背面モニタ5に表示されるメニュー画面から、プリントサイズ指定モードを選択し、表示されるプリントサイズ選択画面から、十字ボタン6および決定ボタン7を用いて、撮影画像のプリントサイズ(例えば、A4版、L版等)を選択することができる。撮影画像は、ここで設定されたプリントサイズでプリンター等の印刷機器を用いて印刷されることになる。また、PN液晶板52は、図示しない表示駆動回路により撮影画像のプリントサイズに応じた部分に通電されることで、焦点板50に結像した像をプリントサイズに応じたアスペクト比にして透過させる。このため、光学ファインダ2では、ファインダー表示板51に表示された撮影情報が重畳し、PN液晶板52でプリントサイズに応じた大きさにクロップされた被写体像が、視認される。また、メニューボタン9、十字ボタン6および決定ボタン7を操作することにより、メニュー画面において、撮影画像の最適な感光度を自動的に設定するオートISO感度設定をオンに設定することができる。また、このオートISO感度設定をオフにした場合には、メニュー画面において、または、コマンドダイヤル4の操作によって手動で、ISO感度を所定値に設定(例えば、400、1600等)することができる。メニューボタン9、十字ボタン6および決定ボタン7は、撮像手段によって撮像される画像が印刷機器によって印刷される際のプリントサイズを指定するプリントサイズ指定手段を構成する。また、CPU48は、プリントサイズ指定手段によって指定されたプリントサイズに応じて、撮像手段によって撮像される画像の感光度であるISO感度を算出する算出手段を構成する。本実施形態では、CPU48は、プリントサイズ指定手段によって指定されるプリントサイズが大きくなるに連れて、算出するISO感度を下げる。
【0020】
画像メモリ29に記録された画像データは、画像表示回路27によって背面モニタ5に表示されると共に、カードインターフェイス25の制御の下、記憶媒体を構成する不揮発性メモリからなるメモリーカード26に格納される。カードインターフェイス25は、CPU48によって制御され、メモリーカード26に対する画像データの書き込みおよび読み出しの制御を行う。また、本体41の前面に集音部が向けられてマイク24が設けられており、マイク24には、CPU48によって制御される音声処理回路23が接続されている。
【0021】
図3は、デジタルカメラ1のCPU48によって行われる撮影処理の概略を示すフローチャートである。
【0022】
CPU48は、ステップ(以下、Sと記す)1において、メニュー画面などにおいて、プリントサイズ指定モードが選択されたか否かを判別する。プリントサイズ指定モードが選択されず、S1の判別が“NO”の場合、S2で、レリーズボタン42が押されることにより、S3で、CPU48は、レンズ・絞り用駆動モーター45によってレンズ43を駆動して焦点合わせを行い、S4で、シャッター17を開いて撮像素子18に被写体光を入射させて、被写体の撮影を行う。次に、CPU48は、S5において、撮影が続けられているか否かを判別する。撮影が継続される場合、S5の判別が“YES”になり、S2の処理に戻る。一方、電源スイッチがオフされるなどして撮影が続けられない場合、S5の判別が“NO”になって、撮影が終了する。
【0023】
また、プリントサイズ指定モードが選択され、S1の判別が“YES”の場合、CPU48は、S6において、撮影者のプリントサイズの指定に応じてデジタルカメラ1にプリントサイズを設定する。プリントサイズを設定した後、CPU48は、S7において、指定されたプリントサイズに応じてISO感度の上限値を決定する。例えば、プリントサイズとして大きめのA4版が指定された場合、ノイズ感を抑えるため、ISO感度の上限値を低めの例えば400と算出し、また、プリントサイズとして小さめのL版が指定された場合、ISO感度の上限値を高めの例えば1600と算出して決定する。この際、CPU48は、プリントサイズとISO感度との相関関係を規定する不揮発性メモリ31に記憶されたデータテーブルを参照して、ISO感度の上限値を算出する。
【0024】
次に、CPU48は、S8において、オートISO感度設定がオンになっているか否かを判別する。なお、S1でプリントサイズ指定モードが選択された場合、自動的に、オートISO感度設定をオンにする構成としてもよい。オートISO感度設定がオンになっておらず、S8の判別が“NO”の場合、CPU48は、S9において、設定されているプリントサイズで綺麗に取れるISO感度の上限値を設定するように、撮影者に指示する。つまり、S7の処理で決定した上限値内でISO感度をデジタルカメラ1に対して設定するように、撮影者に促す。例えば「ISO感度を400以下にした方がよい」との撮影情報をファインダー表示板51に表示し、光学ファインダ2で撮影者に視認させて、指示する。なお、現在デジタルカメラ1に設定されているISO感度と共に、「今のままでは印刷画像にざらつきが生じます」などの警告表示を、光学ファインダ2で視認させる構成であってもよい。光学ファインダ2、ファインダー表示板51、およびCPU48は、デジタルカメラ1の設定を算出手段により算出されたISO感度に促す警告手段を構成する。また、オートISO感度設定になっており、S8の判別が“YES”の場合、CPU48は、S10において、上述したS7で決定したISO感度の上限値内で、プリントサイズに加えて、シャッタースピード、絞りなどによって決まる露光値から最適なISO感度を決定し、デジタルカメラ1に対して設定を行う。CPU48は、算出手段により算出されたISO感度をデジタルカメラ1に自動的に設定する設定手段を構成する。
【0025】
S9またはS10の処理の後、CPU48は、S11において、ファインダー表示板51により、光学ファインダ2にプリントサイズ指定モードであることを表示する。同時に、PN液晶板52により、光学ファインダ2にプリントサイズに応じたアスペクト比で被写体像を表示する。
【0026】
次に、CPU48は、S2〜S5で上述した撮影処理を行う。この撮影処理で、CPU48は、S6でプリントサイズが指定されている場合には、指定されたプリントサイズに対応するアスペクト比の撮影画像を生成し、メモリーカード26に保存する。この際、保存する撮影画像のファイル名にプリントサイズを含ませる構成とすることができる。例えば、L版のプリントサイズで撮影した画像のファイル名は「DSC_0001-L.jpg」、A4版のプリントサイズで撮影した画像のファイル名は「DSC_0001-A4.jpg」などとする。また、プリントサイズごとにフォルダ(例えば、A4版フォルダ、L版フォルダ)を作成し、このフォルダに画像を保存する構成とすることもできる。これらの構成によれば、撮影画像のプリントサイズを直ちに知ることができる。
【0027】
図4(a)、(b)、(c)は、光学ファインダ2で視認される画面を示す図である。
【0028】
同図(a)に示すように光学ファインダ2に表示されていた画面は、上記のS11の処理により、同図(b)、(c)に示すようにプリントサイズのアスペクト比に応じてクロップされて表示される。同図(b)は、A4版のプリントサイズがS6で指定された場合の画面、同図(c)は、L版のプリントサイズがS6で指定された場合の画面である。これらの画面では、指定されたプリントサイズのアスペクト比で、光学ファインダ2の縦方向長さを基準に横方向長さが縮小されて表示される。縮小されてプリントサイズから外れる画面の両端部分61は、PN液晶板52の対応する両端部が非通電とされることにより、レンズ43からの入射光が遮光されて黒く表示される。また、同図(b)に示すようにプリントサイズが比較的大きいA4版の場合、ISO感度の上限値はS7の処理で低めの例えば400と算出され、同図(c)に示すようにプリントサイズが比較的小さいL版の場合、ISO感度の上限値はS7の処理で高めの例えば1600と算出される。この結果、プリントサイズがA4版の場合、同図(d)に示す印刷画像62のように、画像のサイズが比較的大きく、ISO感度が小さくてノイズが目立たないように印刷される。また、プリントサイズがL版の場合、同図(e)に示す印刷画像63のように、画像のサイズが比較的小さく、ISO感度が大きくても綺麗に印刷される。
【0029】
このような本実施形態によるデジタルカメラ1によれば、プリントサイズ指定手段によって図3、S6で指定されたプリントサイズに応じて、撮像手段によって撮像される画像のISO感度の上限値がS7で算出手段によって算出される。このため、例えば、指定されたプリントサイズが大きい場合には、その大きなプリントサイズに応じた最適なISO感度が算出されるため、撮影画像のISO感度を高く設定し過ぎることがなくなる。この結果、印刷される撮影画像に生じるざらつきによるノイズ感が抑えられ、失敗の少ない撮影を行うことができて、高品位の画像が印刷される。
【0030】
また、本実施形態によるデジタルカメラ1によれば、指定されるプリントサイズが大きい場合には、算出される撮影画像のISO感度の上限値がS7の処理で下げられることで、印刷画像のノイズ感が抑えられる。一方、指定されるプリントサイズが小さい場合には、算出される撮影画像のISO感度が下げられることがないので、撮影状況に応じて撮影画像のISO感度を高く設定することができる。この結果、指定されるプリントサイズが小さい場合には、さらに失敗の少ない撮影を行うことができる。
【0031】
また、本実施形態によるデジタルカメラ1によれば、S9で、警告手段により、デジタルカメラ1の設定を算出手段により算出されたISO感度にするように、促される。このため、撮影者は、警告手段の警告により、プリントサイズ指定手段によって指定したプリントサイズに応じた最適なISO感度に設定して、失敗することなく撮影することができる。
【0032】
また、本実施形態によるデジタルカメラ1によれば、S10において、算出手段により算出されたISO感度が設定手段によってデジタルカメラ1に自動的に設定される。このため、撮影者は、プリントサイズに応じて最適なISO感度をデジタルカメラ1に設定する操作に煩わされることなく、撮影を行うことができる。
【0033】
なお、本実施形態では、プリントサイズ指定手段によって指定されたプリントサイズに応じて、撮像手段によって撮像される画像の感光度を算出する構成であったが、撮像手段によって撮像される画像のISO感度を指定する感光度指定手段をコマンドダイヤル4などで構成し、感光度指定手段によって指定されたISO感度に応じて、撮像手段によって撮像される画像が印刷機器によって印刷される際のプリントサイズを算出する算出手段をCPU48が構成するようにしてもよい。この構成によれば、感光度指定手段によって指定されたISO感度に応じて、撮像手段によって撮像される画像のプリントサイズが算出手段によって算出される。このため、例えば、指定されたISO感度が大きい場合には、その大きなISO感度に応じた最適なプリントサイズが算出されるため、撮影画像のプリントサイズを大きく設定し過ぎることがなくなる。この結果、本構成によっても、印刷される撮影画像に生じるざらつきによるノイズ感が抑えられ、失敗の少ない撮影を行うことができて、高品位の画像が印刷される。
【0034】
また、上記の構成において、CPU48は、感光度指定手段によって指定されるISO感度が上がるに連れて、算出するプリントサイズを小さくするように構成してもよい。この構成によれば、指定されるISO感度が大きい場合には、算出される撮影画像のプリントサイズが小さくされることで、印刷画像のノイズ感が抑えられる。一方、指定されるISO感度が小さい場合には、算出される撮影画像のプリントサイズが小さくされることがないので、撮影画像に応じてプリントサイズを大きく設定することができる。この結果、指定されるISO感度が小さい場合には、所望の大きさで撮影画像の印刷を行うことができる。
【0035】
また、上記の構成において、デジタルカメラ1の設定を算出手段により算出されたプリントサイズに促す警告手段を、光学ファインダ2、ファインダー表示板51、およびCPU48などで構成するものであってもよい。この構成によれば、警告手段により、デジタルカメラ1の設定を算出手段により算出されたプリントサイズにするように、促される。このため、撮影者は、警告手段の警告により、感光度指定手段によって指定したISO感度に応じた最適なプリントサイズに設定して、失敗することなく撮影することができる。
【0036】
また、上記の構成において、算出手段により算出されたプリントサイズをデジタルカメラ1に自動的に設定する設定手段をCPU48が構成するものであってもよい。この構成によれば、算出手段により算出されたプリントサイズが設定手段によってデジタルカメラ1に自動的に設定される。このため、撮影者は、ISO感度に応じて最適なプリントサイズをデジタルカメラ1に設定する操作に煩わされることなく、撮影を行うことができる。
【0037】
また、本実施形態では、光学ファインダ2で視認される画像が、図4(b)、(c)に示すように、指定されたプリントサイズのアスペクト比で表示され、プリントサイズから外れた部分が黒く表示されていた。しかし、ライブビュー撮影を行う場合に、背面モニタ5に構図を取るために表示されるスルー画像が、図4(b)、(c)に示すように、指定されたプリントサイズのアスペクト比で表示され、プリントサイズから外れた部分が黒く表示される構成であってもよい。
【0038】
図5は、背面モニタ5にプリントサイズを表示する別の例において、背面モニタ5に表示されている画面を示す図である。
【0039】
同図(a)では、図3、S6で指定されたプリントサイズに応じた枠71が背面モニタ5に表示されている。この状態で、S2でレリーズボタン42が押されると、枠71の大きさに応じたISO感度で撮影が行われる。この撮影では、枠71の中の被写体70がトリミングされて、同図(b)に示す撮影画像72が生成され、メモリーカード26等に保存される。この際、トリミングされて、例えば、枠71の大きさが拡大された場合、生成される画像のノイズが目立ってしまわないように、CPU48は、ISO感度の上限値を下げる。
【0040】
上述した実施形態および変形例では、本発明の撮像装置をデジタルカメラに適用した場合について説明したが、ビデオカメラや、携帯電話機等に内蔵されるカメラ等のその他の撮像装置にも適用することが可能である。このような撮像装置に本発明を適用した場合においても、上記実施形態と同様な作用効果が奏される。
【符号の説明】
【0041】
1…デジタルカメラ
2…光学ファインダ
5…背面モニタ
6…十字ボタン
7…決定ボタン
8…削除ボタン
9…メニューボタン
10…情報表示ボタン
11…縮小/サムネイルボタン
12…拡大ボタン
18…撮像素子
19…撮像素子駆動回路
48…CPU
50…焦点板
51…ファインダー表示板
52…PN液晶板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像される画像が印刷機器によって印刷される際のプリントサイズを指定するプリントサイズ指定手段と、
前記プリントサイズ指定手段によって指定されたプリントサイズに応じて、前記撮像手段によって撮像される画像の感光度を算出する算出手段と
を備える撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記算出手段は、前記プリントサイズ指定手段によって指定されるプリントサイズが大きくなるに連れて、算出する感光度を下げる
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
撮像装置の設定を前記算出手段により算出された感光度に促す警告手段を備える
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
前記算出手段により算出された感光度を撮像装置に自動的に設定する設定手段を備える
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像される画像の感光度を指定する感光度指定手段と、
前記感光度指定手段によって指定された感光度に応じて、前記撮像手段によって撮像される画像が印刷機器によって印刷される際のプリントサイズを算出する算出手段と
を備える撮像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の撮像装置において、
前記算出手段は、前記感光度指定手段によって指定される感光度が上がるに連れて、算出するプリントサイズを小さくする
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の撮像装置において、
撮像装置の設定を前記算出手段により算出されたプリントサイズに促す警告手段を備える
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載の撮像装置において、
前記算出手段により算出されたプリントサイズを撮像装置に自動的に設定する設定手段を備える
ことを特徴とする撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−41123(P2011−41123A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188384(P2009−188384)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】