説明

撮像装置

【課題】良好なパノラマ画像および立体画像を簡単に撮影することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、第1撮像部10Rと、第2撮像部10Lと、第1撮像部10Rと第2撮像部10Lとを連結するためのヒンジ部20とから構成される。ヒンジ部20は、第1撮像部10Rの光軸LRと第2撮像部10Lの光軸LLとのなす角度である光軸間角度を調整可能に構成される。撮像装置は、ヒンジ部20により調整された光軸間角度に応じて、通常撮影モード、パノラマ撮影モード、および立体撮影モードのいずれかを選択して実行可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撮像装置に関し、より特定的には、立体画像およびパノラマ画像を撮影可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体画像やパノラマ画像を撮影可能なデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置が開発されている。この種の撮像装置として、たとえば特開2005−229290号公報(特許文献1)には、本体部に対して回動(自転および公転)可能に構成された撮像部を備えたカメラが開示される。
【0003】
この特許文献1では、立体画像を撮影する場合には、最初に、撮像部が第1の撮像位置にセットされて被写体の撮像が行なわれる。続いて、撮像部が自動的に第2の撮像位置に移動し、第2の撮像位置で被写体の撮像が行なわれる。そして、第1の撮像位置での撮像画像と第2の撮像位置での撮像画像とが合成されることにより立体画像が生成される。
【0004】
また、パノラマ撮影モードを撮影する場合には、撮像部が時計周りに回動され、所定の回動角度ごとに被写体の撮像が行なわれる。そして、メモリに一時的に記憶された複数の画像データを合成することによりパノラマ画像が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−229290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載される撮像装置は、撮像部を移動させることによって複数の撮像位置で同一被写体を撮像し、得られた画像を合成して立体画像やパノラマ画像を生成する。そのため、複数の画像の間には、撮像部の移動速度に応じた時間差が生じてしまう。よって、動きのある被写体の撮影には不向きである。
【0007】
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、良好なパノラマ画像および立体画像を簡単に撮影することができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従う撮像装置は、複数の切替え可能な撮影モードを有する撮像装置であって、第1撮像部と、第2撮像部と、第1撮像部と第2撮像部とを連結するための連結機構と、第1撮像部による撮像画像および第2撮像部による撮像画像を画像処理することにより、表示用画像を生成するための画像処理部とを備える。連結機構は、第1撮像部の光軸と第2撮像部の光軸とのなす角度である光軸間角度を調整可能に構成される。撮像装置は、連結機構により調整された光軸間角度に応じて、撮影モードの設定を複数の撮影モードの間で切替えるためのモード切替手段をさらに備える。
【0009】
好ましくは、撮像装置は、第1撮像部および第2撮像部の撮影タイミングを一致させるための操作部をさらに備える。
【0010】
好ましくは、複数の撮影モードは、第1撮像部による撮像画像に基づいて表示用画像を生成する第1の撮影モードと、第1撮像部による撮像画像および第2撮像部による撮像画像に基づいて、パノラマ画像を表示用画像として生成する第2の撮影モードと、第1撮像部による撮像画像および第2撮像部による撮像画像に基づいて、立体画像を表示用画像として生成する第3の撮影モードとを含む。
【0011】
好ましくは、モード切替手段は、第1撮像部の撮像画角と第2撮像部の撮像画角とが、撮像画像の水平方向において部分的に重なり合うように光軸間角度が調整された場合に、撮影モードを第2の撮影モードに切替える。
【0012】
好ましくは、モード切替手段は、第1撮像部の光軸が被写体方向に向けられる一方で、第2撮像部の光軸が被写体方向と反対の方向に向けられるように、光軸間角度が調整された場合に、撮影モードを第1の撮影モードに切替える。画像処理部は、第1の撮影モードの選択中は、第1撮像部による撮像画像に基づいて表示用画像を生成するモードと、第1撮像部による撮像画像および第2撮像部による撮像画像の合成画像を表示用画像として生成するモードとを選択して撮影可能に構成される。
【0013】
好ましくは、連結機構は、第1撮像部および第2撮像部を開閉かつ相対回転可能に連結するためのヒンジ部を含む。光軸間角度は、ヒンジ部を中心とした第1撮像部および第2撮像部の開き角度および回転角度に応じて調整される。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、良好な立体画像およびパノラマ画像を簡単に撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態に係る撮像装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】通常撮影モードにおける撮影処理を説明する図である。
【図3】合成画像撮影モードにおける撮影処理を説明する図である。
【図4】パノラマ撮影モードにおける撮影処理を説明する図である。
【図5】立体撮影モードにおける撮影処理を説明する図である。
【図6】本実施の形態に従う撮像装置の制御構造を示すブロック図である。
【図7】ヒンジ部の一形態を説明するための図である。
【図8】撮像装置における光軸間角度θとCPU200により設定される撮影モードとの関係を示す図である。
【図9】本実施の形態に従う撮像装置における撮影モード切替え動作の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態に係る撮像装置の全体構成を示す正面図である。
図1を参照して、本実施の形態に係る撮像装置は、代表的にデジタルカメラであり、第1撮像部10Rと、第2撮像部10Lと、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lを連結するためのヒンジ部20とを備える。
【0018】
第1撮像部10Rは、第1筐体6Rを備える。第1筐体6Rは、撮像レンズが内部に組み込まれた第1レンズユニット2Rを前面に有する。第1レンズユニット2Rには、図示しないフォーカス機構、ズーム機構および絞り機構がさらに組み込まれている。また、第1筐体6Rの上面には、デジタルカメラに対する撮影の開始等の指示を入力するためのシャッタボタン12が設けられている。第1筐体6Rの背面には、第1LCD(Liquid Crystal Display)4Rが設けられている。
【0019】
第2撮像部10Lは、第2筐体6Lを備える。第2筐体6Lは、撮像レンズが内部に組み込まれた第2レンズユニット2Lを前面に有する。第2レンズユニット2Lには、図示しないフォーカス機構、ズーム機構および絞り機構がさらに組み込まれている。第2筐体6Lの上面には、デジタルカメラに対する電源の入/切を切り替えるための電源ボタン14が設けられている。筐体6Lの背面には、第2LCD4Lが設けられている。
【0020】
ヒンジ部20は、第1筐体6Rに対して第2筐体6Lを、二軸に動かせるように構成されている。この二軸のうちの1つは、第1筐体6Rと第2筐体6Lとの開閉のためのものである。他の1つは、第1筐体6Rを第2筐体6Lに対して回転させるためものである。
【0021】
図1には、第1筐体6Rと第2筐体6Lとが重なり合うように、撮像装置が折り畳まれた状態が示されている。第1筐体6Rと第2筐体6Lとは、撮像装置が折り畳まれたときに、レンズユニット2R,2Lがそれぞれ撮像装置の外側を向くように構成されている。すなわち、撮像装置が折り畳まれたときには、第1撮像部10Rの光軸LRと、第2撮像部10Lの光軸LLとが略平行で、かつ、互いに逆向きとなっている。
【0022】
第1撮像部10Rの光軸LRおよび第2撮像部10Lの光軸LLの向きは、第1筐体6Rと第2筐体6Lとの開閉角度や、第1筐体6Rに対する第2筐体6Lの回転角度によって変化する。本明細書では、光軸LRおよび光軸LLの向きを、光軸LRと光軸LLとのなす角度である光軸間角度θ(0〜180°)として表わす。一例として、図1に示すように光軸LRと光軸LLとは略平行であって、互いに逆向きとなっている状態を、光軸間角度θが略180°と表わす。一方、光軸LRと光軸LLとが略平行であって、同じ向きとなっている状態を、光軸間角度θが略0°と表わす。
【0023】
そして、図1に示される撮像装置が折り畳まれた状態から第1筐体6Rと第2筐体6Lとが開かれることによって、光軸LRおよび光軸LLは略平行の状態からハの字形状へと変化する。これにより、光軸間角度θは180°から次第に小さくなる。
【0024】
すなわち、本実施の形態に係る撮像装置において、ヒンジ部20は、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの光軸間角度を調整可能に構成される。
【0025】
本実施の形態に係る撮像装置の動作モードには、静止画または動画の撮影を行なう撮影モード、撮影モードで撮像した画像を第1LCD4Rに表示する再生モード、および各種設定を行なう設定モードがある。動作モードの切り替えは、第1筐体6Rに設けられたモード切替スイッチ(図示せず)を操作することにより行なうことができる。
【0026】
本実施の形態に係る撮像装置は、さらに、撮影モードにおいて、通常撮影モード、パノラマ撮影モードおよび立体撮影モードのいずれかを選択して撮影可能に構成される。撮影モードの切替えは、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの光軸間角度に応じて、自動的に行なわれる。
【0027】
次に、図2から図5を参照して、本実施の形態に係る撮像装置の撮影モードについて説明する。
【0028】
(通常撮影モード)
図2は、通常撮影モードにおける撮影処理を説明する図である。図2(1)は、通常撮影モード時における撮像装置の第1の形態を示す。図2(2)は、通常撮影モード時における撮像装置の第2の形態を示す。
【0029】
図2(1)を参照して、通常撮影モード時の第1の形態として、撮像装置は、第1撮像部10Rの第1筐体6Rと第2撮像部10Lの第2筐体6Lとが重なり合うように折り畳まれた状態となっている。この第1の形態は、図1に示したものと同じである。すなわち、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lは、互いの光軸LR,LLが略平行であって、互いに逆向きとなっている。したがって、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの光軸間角度θは略180°である。
【0030】
図2(1)に示す形態において、通常撮影モードでの撮影には第1撮像部10Rが用いられ、第2撮像部10Lは未使用とされる。具体的には、図2(1)に示すような被写体を撮影する場合には、第1撮像部10Rの光軸LRが被写体の方向に向けられ、第2撮影部10Lの光軸LLが撮影者の方向に向けられる。この状態で、第1筐体6Rの上面に設けられたシャッタボタン12が押下されると、第1撮像部10Rによって被写体が撮像され、撮像された画像データの記録処理が実行される。以下では、第1撮像部10Rによる撮像画像を「右画像」という。これに対して、第2撮像部10Lによる撮像画像を「左画像」という。
【0031】
図2(1)には、第1撮像部10Rによる撮像画像(右画像)に基づいて生成された表示用画像が示されている。この表示用画像は、再生モードにおいて、第1LCD4Rに再生表示される画像である。以下では、通常撮影モードで撮影された画像に基づいて生成された表示用画像を、「通常撮影画像」と称することとする。
【0032】
なお、図2(1)に示す第1の形態での通常撮影を行なう場合には、第1LCD4Rと第2LCD4Lとが重なり合っているため、第1撮像部10Rで撮像されたスルー画像をリアルタイムに第1LCD4Rに表示させることができない。そのため、撮影者は、撮影画角を確認することができない。
【0033】
これに対して、図2(2)には、通常撮影モード時の第2の形態が示される。第2の形態では、第1撮像部10Rの第1筐体6Rおよび第2撮像部10Lの第2筐体6Lが、並列に配置された状態となっている。さらに、第1撮像部10Rの光軸LRは被写体の方向に向けられ、第2撮像部10Lの光軸LLは撮影者の方向に向けられている。すなわち、第2の形態において、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lは、互いの光軸LR,LLが略平行であって、互いに逆向きとなっている。よって、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの光軸間角度θは略180°である。なお、この第2の形態は、ヒンジ部20を介して第1撮像部10Rに対して第2撮像部10Lを相対回転させることによって形成することができる。
【0034】
図2(2)に示す形態において、通常撮影モードでの撮影には第1撮像部10Rが用いられ、第2撮像部10Lは未使用とされる。具体的には、図2(2)に示すような被写体を撮影する場合、シャッタボタン12が押下されると、第1撮像部10Rによって被写体が撮像され、撮像された画像データ(右画像)の記録処理が実行される。同図には、第1撮像部10Rによる撮像画像(右画像)に基づいて生成された表示用画像(通常撮影画像)が示されている。
【0035】
なお、図2(2)に示す第2の形態で通常撮影を行なう場合には、第1撮像部10Rで撮像されたスルー画像がリアルタイムに第1LCD4Rに表示される。よって、撮影者は、撮影画角を確認することができる。
【0036】
また、第2の形態で通常撮影を行なう場合には、図3に示すように、シャッタボタン12の押下操作による撮影指示に応答して、第1撮像部10Rと第2撮像部10Lとが同じタイミングで撮影を行なうことも可能である。この場合、第1撮像部10Rによって被写体が撮像され、撮像された画像データ(右画像)が記録されるとともに、第2撮像部10Lによって撮影者が撮像され、撮像された画像データ(左画像)が記録される。そして、記録された右画像および左画像を合成することにより、1つの合成画像が生成される。同図には、右画像および左画像に基づいて生成された表示用画像の一例が示されている。この例は、右画像(被写体像)の一部の領域に左画像(撮影者像)を重ね合わせるように合成して生成された合成画像である。なお、図3では、右画像の一部の領域に左画像を重ね合わせているが、左右画像を合成する態様は特に限定されるものではない。以下では、図3に示すように、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lによる撮像画像に基づいて合成画像を生成するための撮影モードを、図2(2)に示す通常撮影モードと区別するために、「合成画像撮影モード」とも記す。
【0037】
(パノラマ撮影モード)
図4は、パノラマ撮影モードにおける撮影処理を説明する図である。
【0038】
図4を参照して、パノラマ撮影モード時の形態として、撮像装置は、第1撮像部10Rの第1筐体6Rと第2撮像部10Lの第2筐体6Lとが、所定の角度で開かれた状態となっている。このとき、第1撮像部10Rの光軸LRと第2撮像部10Lの光軸LLとは、所定の角度に応じた光軸間角度θをなしている。
【0039】
図4に示す形態において、光軸間角度θは、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの撮影画角よりも小さくなるように調整される。すなわち、第1撮像部10Rと第2撮像部10Lとは、互いの撮影画角が重なり合うように予め定められた角度X°に光軸間角度θが調整される(0<X<180)。これにより、第1撮像部10Rによる撮像画像(右画像)および第2撮像部10Lによる撮像画像(左画像)には、互いの撮像画像が重なり合う領域が形成される。
【0040】
パノラマ撮影モードでの撮影には、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lが用いられる。具体的には、シャッタボタン12の押下操作による撮影指示に応答して、第1撮像部10Rと第2撮像部10Lとが同じタイミングで撮影を行なう。そして、第1撮像部10Rによる撮像画像(右画像)および第2撮像部10Lによる撮像画像(左画像)に基づいて、1つのパノラマ画像が生成される。
【0041】
図4には、右画像および左画像と、左右画像に基づいて生成された表示用画像(パノラマ画像)とが示されている。左右画像に基づくパノラマ画像の生成においては、右画像と左画像とが重なり合うオーバーラップ領域が検出される。このオーバーラップ領域は、撮像部10R,10Lの光軸間角度θ、ズーム倍率などによって一義的に決まる。これらのパラメータのうち、光軸間角度θは固定値である。したがって、撮影時のズーム倍率に基づいて左右画像のオーバーラップ領域が検出される。そして、この検出されたオーバーラップ領域で重ね合わせるように左右画像を合成することにより、1つのパノラマ画像が生成される。なお、このパノラマ画像を生成する方法については、周知の方法を用いることができる。
【0042】
(立体撮影モード)
図5は、立体撮影モードにおける撮影処理を説明する図である。
【0043】
図5を参照して、立体撮影モード時の形態として、撮像装置は、第1撮像部10Rの第1筐体6Rと第2撮像部10Lの第2筐体6Lとが、並列に配置された状態となっている。さらに、第1撮像部10Rの光軸LRおよび第2撮像部10Lの光軸LLはいずれも被写体の方向に向けられている。すなわち、図5の形態において、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lは、互いの光軸LR,LLが略平行であって、同じ向きとなっている。よって、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの光軸間角度θは略0°である。
【0044】
立体撮影モードでの撮影には、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lが用いられる。具体的には、シャッタボタン12の押下操作による撮影指示に応答して、第1撮像部10Rと第2撮像部10Lとが同じタイミングで撮影を行なう。そして、第1撮像部10Rによる撮像画像(右画像)および第2撮像部10Lによる撮像画像(左画像)に基づいて、1つの立体画像が生成される。
【0045】
図5には、右画像および左画像と、左右画像に基づいて生成された表示用画像(立体画像)とが示されている。左右画像に基づく立体画像の生成においては、右画像を画面右側に、左画像を画面左側に位置させたサイドバイサイド方式による生成方法を用いることができる。なお、立体画像を生成する方法は、サイドバイサイド方式に特に限定されず、周知の各種方法を用いてもよい。
【0046】
(制御構造)
以上のように、本実施の形態に係る撮像装置は、通常撮影モードでの撮影、パノラマ撮影モードでの撮影、および立体撮影モードでの撮影のいずれかを選択して実行することが可能である。次に、本実施の形態による撮影モードの切替え動作を実現するための制御構造について、図面を参照して説明する。
【0047】
図6は、本実施の形態に従う撮像装置の制御構造を示すブロック図である。
図6を参照して、撮像装置は、第1撮像部10Rと、第2撮像部10Lと、ヒンジ部20とを備える。
【0048】
第1撮像部10Rの第1筐体6Rは、その内部に、第1レンズユニット2R、第1イメージセンサ110R、第1AFE(アナログフロントエンド)120R、TG(Timing Generator)130、映像系処理回路140、圧縮処理回路150、伸張処理回路160、光軸間角度検出部210、CPU200、SDRAM220、および記録媒体230を備える。また、第1筐体6Rは、その背面に第1LCD4Rを備え、その上面にシャッタボタン12を含む第1操作部170Rを備える。
【0049】
第2撮像部10Lの第2筐体6Lは、その内部に、第2レンズユニット2L、第2イメージセンサ110L、および第2AFE120Lを備える。また、第2筐体6Lは、その背面に第2LCD4Lを備え、その上面に電源ボタン14を含む第2操作部170Lを備える。
【0050】
第1レンズユニット2Rは、図示しない撮像レンズ、ズーム機構、フォーカス機構および絞り機構を含む。ズーム機構は、撮像レンズを移動してズーミングを行なう。フォーカス機構は、撮像レンズに組込まれたフォーカスレンズを移動してピント合せを行なう。絞り機構は、図示しない絞りを調整することで、第1イメージセンサ110Rに入射する被写体光の強度を調整する。ズーム機構、フォーカス機構および絞り機構は、図示しないレンズドライバを介してCPU200によって駆動制御される。
【0051】
第1イメージセンサ110Rは、撮像レンズの背後に配置されたCCD(撮像素子)と、CCDに接続されるCCDドライバとを含む。CCDは、撮像レンズからの被写体光を光電変換し、電気的な撮像信号として出力する。CCDドライバは、CPU200によって制御される。CCDドライバは、TG130からの同期パルスによって駆動され、CCDの電荷蓄積時間および電荷読出し転送タイミングを制御する。
【0052】
第1イメージセンサ110RのCCDから出力された撮像信号は、第1AFE120Rに入力される。第1AFE120Rは、CDS(相関二重サンプリング)回路、AGC(自動ゲイン調整アンプ)およびA/D変換器から構成される。第1AFE120Rは、TG130からの同期パルスに従って、CCDの電荷読出し転送動作と同期して作動する。CDS回路は、相関二重サンプリングを行なって撮像信号からノイズを除去する。AGC回路は、CPU200によって設定される撮影感度に応じたゲインで撮像信号を増幅する。A/D変換器は、AGC回路からのアナログの撮像信号をデジタル画像信号(以下、右画像信号)に変換し、変換した右画像信号を映像系処理回路140へ転送する。
【0053】
第2撮像部10Lにおいて、第2レンズユニット2L、第2イメージセンサ110Lおよび第2AFE120Lは、第1撮像部10Rのそれらと同じ構成であり、左画像信号を映像系処理回路140へ転送する。
【0054】
CPU200は、撮影モードの切替え処理を含む撮像装置全体の動作を制御する部位であり、所定のプログラムによって動作するプロセッサを主体に構成される。CPU200には、制御系データバス190を介して、映像系処理回路140、圧縮処理回路150、伸張処理回路160、SDRAM220、記録媒体230、操作部170R,170Lが接続されている。
【0055】
映像系処理回路140は、第1AFE120Rから右画像信号を受け、第2AFE120Lから左画像信号を受ける。映像系処理回路140は、左右画像信号に対して所定の処理を施すことにより、画素毎の輝度信号および色信号からなる左右画像データをそれぞれ生成する。生成された左右画像データは、映像処理系データバス192を介してSDRAM220に記録される。
【0056】
左右画像データの記録後、CPU200は、第1LCD4Rおよび第2LCD4Lを制御して、スルー画像を表示する。CPU200は、SDRAM220から右画像データを読出して、第1LCD4Rに右スルー画像を表示させる。また、CPU200は、SDRAM220から左画像データを読出して、第2LCD4Lに左スルー画像を表示させる。
【0057】
また、映像系処理回路140は、第1イメージセンサ110Rからの右画像信号に基づいて、コントラストを評価したAF評価値を算出するとともに、被写体輝度を検出する。そして、CPU200は、算出されたAF評価値に基づいて、第1レンズユニット2R内のレンズドライバを制御することにより、撮像レンズのピント調節を行なう。また、CPU200は、検出した被写体輝度に基づいて、レンズドライバやCCDドライバを制御することにより、露出制御を行なう。
【0058】
映像系処理回路140は、同様に、第2イメージセンサ110Lからの左画像信号に基づいてコントラストを評価したAF評価値を算出するとともに、被写体輝度を検出する。CPU200は、算出されたAF評価値に基づいて、第2レンズユニット2L内のレンズドライバを制御することにより、撮像レンズのピント調節を行なう。また、CPU200は、検出した被写体輝度に基づいて、レンズドライバやCCDドライバを制御することにより、露出制御を行なう。
【0059】
また、映像系処理回路140は、左右画像データの記録後、CPU200からの指示を受けて、SDRAM220から読出した左右画像データに基づいて1つの表示用画像を生成する。このとき、映像系処理回路140は、CPU200により設定された撮影モードに応じて、表示用画像の生成方法を切替える。
【0060】
具体的には、CPU200により撮影モードが通常撮影モードに設定された場合には、映像系処理回路140は、撮影指示がなされると、SDRAM220から読出した右画像データに基づいて通常撮影画像(図2(1),(2)参照)を生成する。圧縮処理回路150は、生成された通常撮影画像に圧縮処理を行ない、所定のファイル形式の圧縮通常撮影画像データを生成する。生成された圧縮通常撮影画像データは、記録媒体230に保存される。伸張処理回路160は、再生モード時に、記録媒体230に保存された圧縮通常撮影画像データに伸張処理を行ない、非圧縮の通常撮影画像データを生成して第1LCD4Rへ出力する。これにより、再生モード時には、記録媒体230から読出された通常撮影画像が第1LCD4Rに表示される。
【0061】
なお、通常撮影モード時に合成画像(図3参照)の撮影を行なうときには、第1操作部170Rに設けられたメニューボタンなどを用いて合成画像撮影モードに設定する。映像系処理回路140は、CPU200から画像合成指令を受けて、SDRAM220から左右画像データを読出して合成し、合成画像(図3)を生成する。合成画像は、圧縮処理回路150によって所定のファイル形式の圧縮合成画像データにエンコードされた後、記録媒体230に保存される。
【0062】
一方、CPU200により撮影モードがパノラマ撮影モードに設定された場合には、映像系処理回路140は、撮影指示がなされると、SDRAM220から読出した左右画像データに基づいてパノラマ画像(図4参照)を生成する。圧縮処理回路150は、生成されたパノラマ画像に圧縮処理を行ない、所定のファイル形式の圧縮パノラマ画像データを生成する。生成された圧縮パノラマ画像データは、記録媒体230に保存される。伸張処理回路160は、再生モード時に、記録媒体230に保存された圧縮パノラマ画像データに伸張処理を行ない、非圧縮のパノラマ画像データを生成して第1LCD4Rへ出力する。これにより、再生モード時には、記録媒体230から読出されたパノラマ画像が第1LCD4Rに表示される。
【0063】
また、CPU200により撮影モードが立体撮影モードに設定された場合には、映像系処理回路140は、撮影指示がなされると、SDRAM220から読出した左右画像データに基づいて立体画像(図5参照)を生成する。圧縮処理回路150は、生成された立体画像に圧縮処理を行ない、所定のファイル形式の圧縮立体画像データを生成する。生成された圧縮立体画像データは、記録媒体230に保存される。伸張処理回路160は、再生モード時に、記録媒体230に保存された圧縮立体画像データに伸張処理を行ない、非圧縮の立体画像データを生成して第1LCD4Rへ出力する。これにより、再生モード時には、記録媒体230から読出された立体画像が第1LCD4Rに表示される。
【0064】
図6に示す制御構造において、CPU200は、撮影モード時には、光軸間角度検出部210により検出される第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの光軸間角度に応じて、通常撮影モード、パノラマ撮影モードおよび立体撮影モードのいずれかを選択する。
【0065】
具体的には、光軸間角度検出部210は、ヒンジ部20(図1)と電気的に接続されており、ヒンジ部20から送出される電気信号に基づいて、ヒンジ部20を中心とした第1筐体6Rおよび第2筐体6Lの開き角度および相対回転の回転角度を検出する。そして、光軸間角度検出部210は、開き角度および回転角度の検出値を用いて、第1撮像部10Rの光軸LRと第2撮像部10Lの光軸LLとの光軸間角度θを算出する。
【0066】
図7は、ヒンジ部20の一形態を説明するための図である。図7を参照して、ヒンジ部20は、ヒンジ軸23と、ヒンジ軸23の軸方向の両端に結合された回転体21,24とを含む。回転体21は、第1筐体6Rに結合されている。回転体24は、第2筐体6Lに結合されている。回転体21は、回転体24に対してヒンジ軸23回りに約180°の範囲で相対回転可能に構成されている。
【0067】
回転体21の一方端面には、凸部22が設けられている。一方、回転体24は、回転体21の一方端面と対向する一方端面に、その周方向に沿って、3個の凹部25,26,27が設けられている。凹部25は、撮像装置が折り畳まれた状態にあるときには、凸部22と係合するように配置されている。凸部22と凹部25とが係合することにより、撮像装置を折り畳まれた状態にロックすることができる。この撮像装置が折り畳まれた状態は、図2(1)で説明した、通常撮影モード時の撮像装置の第1の形態に相当する。
【0068】
これに対して、凹部26,27は、回転体21をヒンジ軸23回りに図中の矢印で示す方向に沿って相対回転させたときに、その回転角度に応じて凸部22と係合するように配置されている。撮像装置を折り畳まれた状態から開いた場合には、回転体21にヒンジ軸23回りの回転力が働くことによって凸部22および凹部25の係合が外れ、回転体21がヒンジ軸23回りに回転可能となる。そして、回転体21を所定の回転角度だけ相対回転させた状態で凸部22と凹部26とが係合すると、撮像装置は当該回転角度に応じた開き角度でロックされる。この状態は、図4で説明したパノラマ撮影モード時の撮像装置の形態に相当する。
【0069】
さらに回転体21に回転力を付与すると、凸部22および凹部26の係合が外れ、回転体21は再び回転可能となる。そして、回転体21の回転角度が所定の上限値に達すると、凸部22と凹部27とが係合する。このとき、撮像装置は、略180°の開き角度、すなわち、第1筐体6Rと第2筐体6Lとを略同一平面に開いた状態にロックされる。この状態は、図5で説明した立体撮影モード時の撮像装置の形態に相当する。
【0070】
光軸間角度検出部210は、ヒンジ部20から出力される電気信号に基づいて、ヒンジ部20を中心とした第1筐体6Rおよび第2筐体6Lの開き角度を検出する。そして、光軸間角度検出部210は、開き角度の検出値を用いて第1撮像部10Rの光軸LRと第2撮像部10Lの光軸LLとの光軸間角度θを算出する。
【0071】
図6に戻って、CPU200は、光軸間角度検出部210による光軸間角度の検出値θに応じて、撮像装置の撮影モードを切替える。図8は、撮像装置における光軸間角度θとCPU200により設定される撮影モードとの関係を示す図である。図8を参照して、撮像装置が光軸間角度θが略0°の状態であるときには、CPU200は、撮像装置を立体撮影モード(図5)に設定する。これに対して、撮像装置が、光軸間角度θが略X°(0°<X<180°)の状態であるときには、CPU200は、撮像装置をパノラマ撮影モード(図4)に設定する。また、撮像装置が光軸間角度θが略180°の状態であるときには、CPU200は、撮像装置を通常撮影モード(図2)に設定する。
【0072】
さらに、CPU200は、光軸間角度θに基づいて、立体撮影モードまたはパノラマ撮影モードで撮影された後に、撮像装置が折り畳まれた状態に操作されたと判断された場合には、撮像装置の電源を自動的にオフとする。
【0073】
以上の処理は、図9に示すような処理フローにまとめることができる。
(フローチャート)
図9は、本実施の形態に従う撮像装置における撮影モード切替え動作の処理手順を示すフローチャートである。なお、図9に示す各ステップの処理は、CPU200に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
【0074】
図9を参照して、CPU200は、ステップS01により、電源ボタン14の操作により撮像装置の電源がオンされ、所定の初期化動作が終了すると、撮像可能状態となる。そして、CPU200は、ステップS02により、撮像装置の電源がオフに操作されたか否かを判定する。このステップS02では、CPU200は、電源ボタン14がオフに設定されたか否かを判定することにより行なわれる。CPU200は、また、光軸間角度検出部210による光軸間角度θの検出値に基づいて、撮像装置が折り畳まれた状態に操作されたか否かを判定する。
【0075】
撮像装置の電源がオフに操作されているとき(ステップS02のYES判定時)には、CPU200は、ステップS04により、撮像装置の電源をオフとして一連の撮像処理を終了する。
【0076】
一方、撮像装置の電源がオフに操作されていないとき(ステップS02のNO判定時)には、CPU200は、ステップS03により、撮像装置の撮影モードを通常撮影モードに設定する。
【0077】
CPU200は、ステップS03により、光軸間角度検出部210に対して光軸間角度の検出指令を発する。光軸間角度検出部210は、この検出指令を受けて、ヒンジ部20からの電気信号に基づいて、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの光軸間角度θを検出する。CPU200は、光軸間角度θの検出値に基づいて、撮影モードの切替えを判定するとともに、その判定結果に基づいて撮影モード切替指令を発する。
【0078】
具体的には、CPU200は、ステップS06により、光軸間角度θが略X°であるか否かを判定する。光軸間角度θが略X°であるとき(ステップS06のYES判定時)には、CPU200は、ステップS07により、パノラマ撮影モードを選択する。
【0079】
一方、CPU200は、ステップS06がNO判定のとき、すなわち光軸間角度θが略X°でないときには、さらにステップS08により、光軸間角度θが略0°であるか否かを判定する。光軸間角度θは略0°であるとき(ステップS08のYES判定時)には、CPU200は、ステップS09により立体撮影モードを選択する。
【0080】
これに対して、ステップS08がNO判定のとき、すなわち光軸間角度θが略180°のときには、CPU200は、撮影モードを通常撮影モードに維持する。
【0081】
この状態で、CPU200は、第1LCD4Rおよび第2LCD4Lを制御して、スルー画像を表示する。CPU200は、SDRAM220から左右画像データを読出して、LCD4R,4Lに左右スルー画像をそれぞれ表示させる。
【0082】
CPU200は、シャッタボタン12(図1)が押下されると(ステップS10のYES判定時)、被写体を撮影する。このとき、CPU200は、ステップS11により、現在の撮影モードがパノラマ撮影モードであるか否かを判定する。現在の撮影モードがパノラマ撮影モードであるとき(ステップS11のYES判定時)には、ステップS12により、CPU200は、シャッタボタン12の押下操作による撮影指示に応答して、第1撮像部10Rと第2撮像部10Lとが同じタイミングで撮影を行なう。映像系処理回路140は、第1第1AFE120Rから右画像信号を受け、第2AFE120Lから左画像信号を受けると、左右画像信号に対して所定の処理を施すことにより、左右画像データをそれぞれ生成する。生成された左右画像データは、映像処理系データバス192を介してSDRAM220に記録される。そして、映像系処理回路140は、ステップS13により、SDRAM220から読出した左右画像データに基づいてパノラマ画像(図4参照)を生成する。生成されたパノラマ画像は、ステップS19により、所定のファイル形式の圧縮パノラマ画像データにエンコードされ、記録媒体230に保存される。、
一方、現在の撮影モードがパノラマ撮影モードでないとき(ステップS11のNO判定時)には、CPU200は、さらにステップS14により、現在の撮影モードが立体撮影モードであるか否かを判定する。現在の撮影モードが立体撮影モードであるとき(ステップS14のYES判定時)には、ステップS15により、シャッタボタン12の押下操作による撮影指示に応答して、第1撮像部10Rと第2撮像部10Lとが同じタイミングで撮影を行なう。映像系処理回路140は、第1第1AFE120Rから右画像信号を受け、第2AFE120Lから左画像信号を受けると、左右画像信号に対して所定の処理を施すことにより、左右画像データをそれぞれ生成する。生成された左右画像データは、映像処理系データバス192を介してSDRAM220に記録される。そして、映像系処理回路140は、ステップS16により、SDRAM220から読出した左右画像データに基づいて、右画像を画面右側に、左画像を画面左側に位置させたサイドバイサイド方式により、立体画像(図5参照)を生成する。生成された立体画像は、ステップS19により、所定のファイル形式の圧縮パノラマ画像データにエンコードされ、記録媒体230に保存される。
【0083】
また、ステップS14のNO判定時、すなわち、現在の撮影モードが通常撮影モードであるときには、ステップS17により、第1撮像部10Rが被写体を撮影する。映像系処理回路140は、第1AFE120Rから右画像信号を受けると、右画像信号に対して所定の処理を施すことにより、右画像データを生成する。生成された右画像データは、映像処理系データバス192を介してSDRAM220に記録される。そして、映像系処理回路140は、ステップS18により、SDRAM220から読出した右画像データに基づいて、通常撮影画像(図2(1),(2)参照)を生成する。生成された通常撮影画像は、ステップS19により、所定のファイル形式の圧縮通常撮影画像データにエンコードされ、記録媒体230に保存される。
【0084】
この発明の実施の形態と本願発明との対応関係については、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lが「第1撮像部」および「第2撮像部」にそれぞれ相当し、ヒンジ部20が「連結機構」に相当する。また、「通常撮影モード」が第1のモードに相当し、「パノラマ撮影モード」が「第2のモード」に相当し、「立体撮影モード」が「第3のモード」に相当し、CPU200および光軸角度検出部210が「モード切替手段」を構成する。
【0085】
以上のように本発明の実施の形態による撮像装置によれば、第1撮像部および第2撮像部の光軸間角度に応じて、撮像装置の撮影モードを、通常撮影モード、パノラマ撮影モードおよび立体撮影モードを自動的に切替えて設定することができる。これにより、撮影モードを切替えるための機構を別途容易する必要がなく、簡単にパノラマ画像や立体画像を撮影することができる。
【0086】
また、パノラマ撮影モードおよび立体撮影モードでは、シャッタボタン12の押下操作による撮影指示に応答して第1撮影部および第2撮影部が同じタイミングで撮影することから、動きのある被写体に対しても、良好なパノラマ撮影および立体撮影を行なうことができる。
【0087】
さらに、通常撮影モードでは、被写体を撮影する第1撮像部および撮影者を撮影する第2撮像部によりそれぞれ得られた撮像画像を合成して合成画像を生成することができる。
【0088】
なお、本実施の形態では、撮像装置の好ましい構成例として、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lをヒンジ部20で連結する構成を示したが、第1撮像部10Rおよび第2撮像部10Lの光軸間角度を調整可能であれば、撮像装置は本実施の形態に例示した構成には限定されない。
【0089】
また、本実施の形態では、複数の切替え可能な撮影モードの一例として、通常撮影モード、パノラマ撮影モードおよび立体撮影モードを示したが、これら3つの撮影モードのうちの少なくとも2つの間で撮影モードを切替えるように構成してもよい。
【0090】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
2R,2L レンズユニット、4R,4L LCD、6R,6L 筐体、10R,10L 撮像部、12 シャッタボタン、14 電源ボタン、20 ヒンジ部、21,24 回転体、23 ヒンジ軸、110R,110L イメージセンサ、120R,120L AFE、130 TG、140 映像系処理回路、150 圧縮処理回路、160 伸張処理回路、170R,170L 操作部、190 制御系データバス、192 映像処理系データバス、200 CPU、210 光軸間角度検出部、220 SDRAM、230 記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の切替え可能な撮影モードを有する撮像装置であって、
第1撮像部と、
第2撮像部と、
前記第1撮像部と前記第2撮像部とを連結するための連結機構と、
前記第1撮像部による撮像画像および前記第2撮像部による撮像画像を画像処理することにより、表示用画像を生成するための画像処理部とを備え、
前記連結機構は、前記第1撮像部の光軸と前記第2撮像部の光軸とのなす角度である光軸間角度を調整可能に構成され、
前記連結機構により調整された前記光軸間角度に応じて、撮影モードの設定を前記複数の撮影モードの間で切替えるためのモード切替手段をさらに備える、撮像装置。
【請求項2】
前記第1撮像部および前記第2撮像部の撮影タイミングを一致させるための操作部をさらに備える、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の撮影モードは、
前記第1撮像部による撮像画像に基づいて前記表示用画像を生成する第1の撮影モードと、
前記第1撮像部による撮像画像および前記第2撮像部による撮像画像に基づいて、パノラマ画像を前記表示用画像として生成する第2の撮影モードと、
前記第1撮像部による撮像画像および前記第2撮像部による撮像画像に基づいて、立体画像を前記表示用画像として生成する第3の撮影モードとを含む、請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記モード切替手段は、前記第1撮像部の撮像画角と前記第2撮像部の撮像画角とが、撮像画像の水平方向において部分的に重なり合うように前記光軸間角度が調整された場合に、撮影モードを前記第2の撮影モードに切替える、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記モード切替手段は、前記第1撮像部の光軸が被写体方向に向けられる一方で、前記第2撮像部の光軸が前記被写体方向と反対の方向に向けられるように、前記光軸間角度が調整された場合に、撮影モードを前記第1の撮影モードに切替え、
前記画像処理部は、前記第1の撮影モードの選択中は、前記第1撮像部による撮像画像に基づいて前記表示用画像を生成するモードと、前記第1撮像部による撮像画像および前記第2撮像部による撮像画像の合成画像を前記表示用画像として生成するモードとを選択して撮影可能に構成される、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記連結機構は、前記第1撮像部および前記第2撮像部を開閉かつ相対回転可能に連結するためのヒンジ部を含み、
前記光軸間角度は、前記ヒンジ部を中心とした前記第1撮像部および前記第2撮像部の開き角度および回転角度に応じて調整される、請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−159616(P2012−159616A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18214(P2011−18214)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】