説明

撮像装置

【課題】単純な構造で、撮像画像のうち撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げる。
【解決手段】光を集光するレンズ13(iは1から6までの整数)と、レンズ13により集光された光を電気信号に変換する撮像素子14と、を備え、撮像素子14は、レンズ13から所定の距離範囲にある被写体からレンズ13に到来する光が撮像素子14上で結ぶ錯乱円の直径が所定の長さより小さくなり、レンズ13から上記所定の距離範囲外の距離にある被写体からレンズ13に到来する光が撮像素子14上で結ぶ錯乱円の直径が所定の長さ以上であるようにレンズからの距離とレンズに対する角度が決定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用カメラは、車両前方を撮像し、道路の白線や走行上の障害物を検知することに用いられている。図16は従来の撮像装置のレンズと撮像素子の取り付け構造の1例を示した図である。従来の撮像装置101は、光学部110と制御部20とを備える。
光学部110は、レンズホルダー111と、レンズ鏡筒112と、6つのレンズ113(iは1から6までの整数)と、撮像素子114と、A/D変換部115とを備える。
後側主点から撮像素子面までの距離が、焦点距離fとなるように撮像素子114が設置されている。
【0003】
また、特許文献1では、制約された設置位置から監視する対象の視認性を向上させるために、車両に搭載されて車両の内部または外部を撮像する車載カメラ装置において、撮像レンズ及びこの撮像レンズを通して得た像を電気信号に変換する撮像素子を備え、撮像素子の読み出し領域と撮像レンズとがあおり効果が生じる位置関係に配置されることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−285701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の車載用カメラでは、遠方の対象物を検知するための解像度を得るように、車載用カメラの撮像素子の画素数を選定するので、車載用カメラの近傍では、過剰な解像度になってしまい、後段の演算部における演算処理が重くなるという欠点があった。
この欠点に対し、従来では後段の演算部が、車載用カメラで得られた画像に対して自車の近傍を撮像した部分の解像度を落とすフィルターを掛ける必要があるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、撮像画像のうち撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることを可能とする撮像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]上記の課題を解決するために、本発明の一態様である撮像装置は、光を集光するレンズと、前記レンズにより集光された光を電気信号に変換する撮像素子と、を備え、前記撮像素子は、前記レンズから所定の距離範囲内にある被写体から前記レンズに到来する光が前記撮像素子上で結ぶ第1の錯乱円の直径が所定の長さより小さくなり、前記レンズから前記所定の距離範囲外にある被写体から前記レンズに到来する光が前記撮像素子上で結ぶ第2の錯乱円の直径が前記所定の長さ以上であるように前記レンズからの距離と前記レンズに対する角度が決定されていることを特徴とする。
上記撮像装置によれば、所定の距離範囲にある被写体に対しては焦点を合わせることができ、所定の距離範囲外にある被写体に対しては焦点を合わなくすることができるので、撮像画像のうち所定の距離範囲外に含まれる撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。
【0008】
[2]上記[1]記載の撮像装置において、前記第1の錯乱円の前記レンズからの距離が、焦点距離から焦点深度分短い距離から、前記焦点距離から前記焦点深度分長い距離までの範囲内で、前記第2の錯乱円の前記レンズからの距離が、焦点距離から焦点深度分短い距離から、前記焦点距離から前記焦点深度分長い距離までの範囲外になるように、前記撮像素子が前記レンズに対して平行でない角度をなすことを特徴とする。
これによれば、撮像素子が、所定の距離範囲にある被写体に対しては焦点を合わせることができ、所定の距離範囲外にある被写体に対しては焦点を合わなくすることができる位置およびレンズに対する所定の角度で設置されるので、撮像画像のうち所定の距離範囲外に含まれる撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。
【0009】
[3]上記[1]記載の撮像装置において、前記撮像素子は、前記レンズからの距離が前記レンズの焦点距離から、前記レンズの焦点距離から焦点深度分短い距離までの範囲で、前記レンズと平行であることを特徴とする。
これによれば、撮像素子が、所定の距離範囲にある被写体に対しては焦点を合わせることができ、所定の距離範囲外にある被写体に対しては焦点を合わなくすることができる位置に、レンズと水平に設置されるので、撮像画像のうち所定の距離範囲外に含まれる撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。
【0010】
[4]上記[1]記載の撮像装置において、前記撮像素子の角度を変更するために撮像素子の一端を移動させる駆動部と、前記レンズに対する前記撮像素子の角度を算出する角度算出部と、前記算出された角度に基づいて、前記撮像素子の一端の移動量を算出する移動量算出部と、前記撮像素子の一端が前記算出された移動量移動するよう前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備えることを特徴とする。
これによれば、撮像素子の角度を調整することができるので、撮像条件が変化しても、撮像画像のうち所定の距離範囲外に含まれる撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。
【0011】
[5]上記[4]記載の撮像装置において、前記角度算出部は、外部から供給された自装置の地面に対する俯角を示す俯角情報に基づいて、前記レンズに対する前記撮像素子の角度を算出することを特徴とする。
これによれば、俯角情報に基づいてレンズに対する撮像素子の角度を算出することができるので、撮像装置の地面に対する俯角が変更されても、撮像画像のうち所定の距離範囲外に含まれる撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。
【0012】
[6]上記[4]記載の撮像装置において、前記撮像素子が変換した電気信号から絞り量を算出する絞り量算出部と、前記角度算出部は、前記算出された絞り量に基づいて、前記レンズに対する前記撮像素子の角度を算出することを特徴とする。
これによれば、絞り量に基づいてレンズに対する撮像素子の角度を算出するができるので、絞り量を変更しても、撮像画像のうち所定の距離範囲外に含まれる撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像画像のうち撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態における撮像装置の機能ブロック図である。
【図2】撮像装置で車外前方の道路状況を撮影したときの出力画像の1例である。
【図3】従来の撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係の1例を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態において、レンズに対する撮像素子の角度を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における撮像装置の機能ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係の1例を示した図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係を説明するための図である。
【図10】本発明の第2の実施形態において、レンズに対する撮像素子の位置を説明するための図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における撮像装置の機能ブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における撮像素子の角度を変更する処理の流れを示したフローチャートである。
【図13】本発明の第4の実施形態における撮像装置の機能ブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施形態において、入射光を絞ったときにレンズに対する撮像素子の傾斜角を変更する際の傾斜角を説明するための図である。
【図15】本発明の第4の実施形態における撮像装置の処理の流れを示したフローチャートである。
【図16】従来の車載用カメラのレンズと撮像素子の取り付け構造の1例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における撮像装置の機能ブロック図である。撮像装置1は、光学部10と制御部20とを備える。光学部10は、レンズホルダー11と、レンズ鏡筒12と、6枚のレンズ13(iは1から6までの整数)と、撮像素子14と、A/D変換部15とを備える。
【0016】
レンズホルダー11は、レンズ鏡筒12を保持する。レンズ鏡筒12は、各レンズ13を保持する。各レンズ13は被写体から供給された光を集光し、撮像素子14で結像させる。
【0017】
撮像素子14は、各レンズ13に対して、所定の角度φで取り付けられている。撮像素子14は、レンズ13により集光された光を電気信号に変換し、A/D変換部15へ供給する。
A/D変換部15は、供給された電気信号をデジタルの画像データに変換し、変換した画像データを制御部20の後述する記憶部21に記憶させる。
【0018】
制御部20は、記憶部21と、画像処理部22とを備える。画像処理部22は、記憶部21に記憶された画像データを読出し、読み出した画像データに対して、必要に応じて所定のフィルターを掛けたり、輝度値を調整したり、射影変換を施したりする。画像処理部22は、上記画像処理後の画像データを不図示の外部装置へ供給する。
【0019】
図2は、撮像装置で車外前方の道路状況を撮影したときの出力画像の1例である。同図において、車外前方の被写体面には、撮像された車のオブジェクトが示されている。また、被写体面より所定の距離だけ遠方に位置する被写体を遠方被写体といい、被写体面より所定の距離だけ近傍に位置する被写体を近傍被写体という。
【0020】
続いて、従来の撮像装置と本実施形態の撮像装置との違いを説明する。
図3は、従来の撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係を示した図である。ここで、焦点深度δである。同図に置いて、中間被写体Aから出た光と、近傍被写体Bから出た光と、遠方被写体Cから出た光とがレンズで集光されて、それぞれ撮像素子の位置A’、位置B’、位置C’で像が結ばれている。
【0021】
位置A’では焦点が合っているので、光源からの光が撮像素子上で結ぶ円形の像である錯乱円の直径はほぼ0である。一方、位置B’では焦点がずれており、近傍像の錯乱円の直径はεbである。また、位置C’では焦点がずれており、遠傍像の錯乱円の直径はεである。また、近傍像の錯乱円の直径εbと、遠傍像の錯乱円の直径εとは等しい。
【0022】
図4は、本発明の第1の実施形態における撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係の1例を示した図である。同図において、中間被写体Aから出た光と、近傍被写体Bから出た光と、遠方被写体Cから出た光とがレンズで集光されて、それぞれ撮像素子の位置A’、位置B’、位置C’で像が結ばれている。撮像素子は、レンズに対して所定の角度φをなしている。
【0023】
位置C’における遠方像の錯乱円の直径εは、位置A’における中間像の錯乱円の直径εより小さい。また、位置A’における中間像の錯乱円の直径εは、位置B’における近傍像の錯乱円の直径εより小さい。
図4の例では、撮像素子14は、被写体が撮像装置に近づくほど錯乱円の直径が大きくなるような所定の位置およびレンズに対する所定の傾斜角に設置されている。
【0024】
続いて、撮像素子の傾斜角θの算出方法について1例を用いて説明する。図5は、本発明の第1の実施形態における撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係を説明するための図である。同図において、焦点が合う遠方被写体Cと中間被写体Aとの間の領域を合焦領域であり、焦点が合わない中間被写体Aと近傍被写体Bとの間の領域を非合焦領域である。また、被写体Aのレンズから焦点が合う距離である合焦距離はf、被写体Bの合焦距離はf、被写体Cの合焦距離はfである。
【0025】
ここで、焦点(合焦)距離f、許容錯乱円径ε、レンズ有効口径Dとすると、焦点深度δは、以下の式(1)で算出される。
δ=f×ε/D …(1)
許容錯乱円径εは、例えば、1画素分の長さである。
【0026】
1例として、レンズ有効口径Dを2[mm]、許容錯乱円径εを5[μm]、被写体Cからレンズまでの距離を100[m]、被写体Aからレンズまでの距離を50[m]、被写体Bからレンズまでの距離をB=20[m]とした場合の合焦距離をそれぞれf=3.99[mm]、f=4.00[mm]、f=4.01[mm]とする。
そうすると、上式(1)から、焦点深度はそれぞれδ=9.975[μm]、δ=10[μm]、δ=10.25[μm]で、どれも約±10[μm]が合焦面からの許容合焦範囲となる。
【0027】
図6は、本発明の第1の実施形態において、レンズに対する撮像素子の角度を説明するための図である。位置A’、位置B’および位置C’における合焦面からの合焦範囲を±10[μm]とする。そうすると、同図に示すように、位置C’における合焦範囲61が位置C’から±10[μm]の範囲である。また、位置A’における合焦範囲62は、位置A’から±10[μm]の範囲である。また、位置B’における合焦範囲は、位置B’から±10[μm]の範囲であるので、位置B’における非合焦範囲は、同図に示された非合焦範囲63と非合焦範囲64とである。
【0028】
図5における遠方被写体Cから中間被写体Aまでは合焦領域なので、位置C’と位置A’とにおいて合焦するよう撮像素子の傾斜角θを算出する。また、図5における近傍被写体Bからレンズまでは非合焦領域なので、位置B’において合焦しないよう撮像素子の傾斜角θを算出する。
【0029】
具体的には、例えば、撮像面の傾斜角θの範囲は、以下のようにして算出される。まず、遠方被写体Cが合焦するために、撮像素子が位置C’から向かって左に10[μm]離れた点を通る場合について説明する。
【0030】
図6において、中間被写体Aが合焦するためには、位置C’から向かって左に10[μm]離れた点から位置A’から向かって左に10[μm]離れた点までの線分65よりも、撮像素子が向かって右に傾いている必要がある。また、位置C’から向かって左に10[μm]離れた点から位置A’から向かって右に10[μm]離れた点までの線分65よりも、撮像素子が向かって左に傾いている必要がある。そうすると、位置A’と位置C’との垂直距離は2[mm]であるから、撮像面の傾斜角θには、以下の条件(2)を満たす必要がある。
10/2000<tanθ<30/2000 …(2)
【0031】
一方、近傍被写体Bが合焦しないようにするためには、位置C’から向かって左に10[μm]離れた点から位置B’から向かって左に10[μm]離れた点までの線分66よりも、撮像素子が向かって左に傾いている必要がある。また、位置C’から向かって左に10[μm]離れた点から位置B’から向かって右に10[μm]離れた点までの線分66よりも、撮像素子が向かって右に傾いている必要がある。そうすると、位置B’と位置C’との垂直距離は5[mm]であるから、撮像面の傾斜角θには、以下の条件(3)を満たす必要がある。
tanθ<20/5000 又は tanθ>40/5000 …(3)
【0032】
中間被写体Aが合焦し、近傍被写体Bが合焦しないようにするためには、撮像面の傾斜角θは、式(2)かつ式(3)を満たす必要がある。式(2)かつ式(3)を解くと、撮像面の傾斜角θの範囲は、0.458[deg]<θ<0.859[deg](図6の傾斜角69a)となる。
【0033】
次に、撮像素子が位置C’から向かって右に10[μm]離れた点を通る場合について説明する。図6において、中間被写体Aが合焦するためには、位置C’から向かって右に10[μm]離れた点から位置A’から向かって左に10[μm]離れた点までの線分67よりも、撮像素子が向かって右に傾いている必要がある。また、位置C’から向かって右に10[μm]離れた点から位置A’から向かって右に10[μm]離れた点までの線分67よりも、撮像素子が向かって左に傾いている必要がある。そうすると、位置A’と位置C’との垂直距離は2[mm]であるから、撮像面の傾斜角θには、以下の条件(4)を満たす必要がある。
−10/2000<tanθ<10/2000 …(4)
【0034】
一方、近傍被写体Bが合焦しないようにするためには、位置C’から向かって右に10[μm]離れた点から位置B’から向かって左に10[μm]離れた点までの線分68よりも、撮像素子が向かって左に傾いている必要がある。また、位置C’から向かって右に10[μm]離れた点から位置B’から向かって右に10[μm]離れた点までの線分68よりも、撮像素子が向かって右に傾いている必要がある。そうすると、位置B’と位置C’との垂直距離は5[mm]であるから、撮像面の傾斜角θには、以下の条件(5)を満たす必要がある。
tanθ<0 又は tanθ>20/5000 …(5)
【0035】
中間被写体Aが合焦し、近傍被写体Bが合焦しないようにするためには、撮像面の傾斜角θは、式(4)かつ式(5)を満たす必要がある。式(4)かつ式(5)を解くと、撮像面の傾斜角θの範囲は、−0.286[deg]<θ<0[deg]又は0.229[deg]<θ<0.286[deg](図6の傾斜角69b)となる。
【0036】
このように、第1の実施形態における撮像装置において、合焦領域にある被写体から到来する光が撮像素子に結ぶ像(または第1の錯乱円)のレンズからの距離が、焦点距離から焦点深度分短い距離から、前記焦点距離から前記焦点深度分長い距離までの範囲内になるように、撮像素子の傾斜角が予め設定される。
上記の条件に加えて、非合焦領域にある被写体から到来する光が撮像素子に結ぶ像(または第2の錯乱円)のレンズからの距離が、焦点距離から焦点深度分短い距離から、前記焦点距離から前記焦点深度分長い距離までの範囲外になるように、撮像素子の傾斜角が予め設定される。
【0037】
このように、撮像素子は、レンズから所定の距離範囲にある被写体からレンズに到来する光が撮像素子上で結ぶ第1の錯乱円の直径が所定の長さより小さくなり、レンズから所定の距離範囲外の距離にある被写体からレンズに到来する光が前記撮像素子上で結ぶ第2の錯乱円の直径が前記所定の長さ以上であるように前記レンズからの距離と前記レンズに対する角度が決定される。
【0038】
第1の実施形態によれば、撮像装置は予め定められた遠方領域にある被写体に対しては焦点を合わせることができ、予め定められた近傍領域にある被写体に対しては焦点を合わなくすることができるので、撮像画像のうち撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。これにより、画像処理部において近傍付近の解像度を落とすためのフィルター処理が不要となるので、画像処理部での演算処理を軽くすることができる。
【0039】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態における撮像装置の機能ブロック図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図7の撮像装置1bの構成は図1の撮像装置1の構成に対して、光学部10を光学部10bに変更したものとなっている。図7の光学部10bの構成は、図1の光学部10の構成に対して、撮像素子14を撮像素子14bに変更したものとなっている。
【0040】
撮像装置1bは、レンズの絞りを開放とするので絞りを有しておらず、焦点位置を被写界深度の遠方(焦点深度の前方)へ合わせることにより、近傍の合焦度合いを低下させる。これにより、近傍を撮像した像に対して、ローパスフィルタの効果を持たせることができる。
撮像素子14bは、各レンズ13に対して並行に配置され、後側主点から焦点距離fから焦点深度δを引いた距離(f−δ)に位置している。撮像素子14bは、レンズ13により集光された光を電気信号に変換し、A/D変換部15へ供給する。
【0041】
図8は、本発明の第2の実施形態における撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係の1例を示した図である。同図に置いて、中間被写体Aから出た光と、近傍被写体Bから出た光と、遠方被写体Cから出た光とがレンズで集光されて、それぞれ撮像素子の位置A’、位置B’、位置C’で像が結ばれている。撮像素子は、レンズの後側主点から(f−δ)離れた距離に位置し、レンズに対して並行に設置されている。
【0042】
位置C’における遠方像の錯乱円の直径εはほぼ0であり、位置A’における中間像の錯乱円の直径εより小さい。また、位置A’における中間像の錯乱円の直径εは、位置B’における近傍像の錯乱円の直径εより小さい。
図8の例では、撮像素子14bは、被写体が撮像装置に近づくほど錯乱円の直径が大きくなるように、レンズから所定の距離離れた位置に、レンズに対して並行に設置されている。
【0043】
続いて、撮像素子のレンズからの距離の算出方法について1例を用いて説明する。図9は、本発明の第2の実施形態における撮像装置のレンズと撮像素子の位置関係を説明するための図である。同図において、焦点が合う遠方被写体Cと中間被写体Aとの間が領域を合焦領域であり、焦点が合わない中間被写体Aと近傍被写体Bとの間の領域が非合焦領域である。また、被写体Aの合焦距離はf、被写体Bの合焦距離はf、被写体Cの合焦距離はfである。撮像素子は、レンズから被写体Aの合焦距離fと被写体Bの合焦距離fの間の距離に位置している。
【0044】
図10は、本発明の第2の実施形態において、レンズに対する撮像素子の位置を説明するための図である。同図において、合焦範囲101は、遠方被写体の焦点が合う範囲であって、位置C’から±10[μm]の範囲である。合焦範囲102は、中間被写体の焦点が合う範囲であって、位置A’から±10[μm]の範囲がである。非合焦範囲103と、非合焦範囲104とは、近傍被写体の焦点が合わない範囲であって、それぞれ位置B’から向かって左に10[μm]を超えて離れた範囲と、位置B’から向かって右に10[μm]を超えて離れた範囲である。
【0045】
レンズ口径Dが2[mm]、許容錯乱円径εが1画素の値5[μm]で、被写体Cのレンズからの距離が100[m]、被写体Aのレンズからの距離が50[m]、被写体Bのレンズからの距離が20[m]とする。その場合の合焦距離をそれぞれf=3.99[mm]、f=4.00[mm]、f=4.01[mm]とすると、焦点深度はそれぞれδ=9.975[μm]、δ=10[μm]、δ=10.25[μm]である。被写体A、B、Cは、どれも約10[μm]が合焦面からの許容合焦範囲となる。
【0046】
被写体BおよびCの焦点深度を10[μm]と近似すると、被写体Aと被写体Bに焦点をあわせ、被写体Cには焦点を合わせないようにするため、撮像素子のレンズからの距離は、3.99から4.00[mm]となる。図10には、その場合の撮像素子の設置範囲105が示されている。
【0047】
このように、第2の実施形態における撮像装置において、合焦領域にある被写体から到来する光が像を結ぶ際の撮像素子の位置が焦点距離に相当する位置から焦点距離から焦点深度離れた位置までの範囲内になるように、撮像素子の位置が予め設定される。
上記の条件に加えて、非合焦領域にある被写体から到来する光が像を結ぶ際の撮像素子の位置が焦点距離に相当する位置から焦点距離から焦点深度離れた位置までの範囲に入らないように、撮像素子の位置が予め設定される。
【0048】
換言すれば、撮像素子は、レンズから所定の距離範囲にある被写体からレンズに到来する光が撮像素子上で結ぶ錯乱円の直径が所定の長さより小さくなり、レンズから所定の距離範囲外の距離にある被写体からレンズに到来する光が前記撮像素子上で結ぶ錯乱円の直径が所定の長さ以上であるように設置される。
【0049】
第2の実施形態によれば、撮像装置は予め定められた遠方領域にある被写体に対しては焦点を合わせることができ、予め定められた近傍領域にある被写体に対しては焦点を合わせなくすることができるので、撮像画像のうち撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。これにより、画像処理部において近傍付近の解像度を落とすためのフィルター処理が不要となるので、画像処理部での演算処理を軽くすることができる。
【0050】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、撮像装置の地面に対する俯角が変更された際に、撮像素子の角度を調節する撮像装置について説明する。撮像素子の角度を調節することは、例えば、撮像装置が観測する車両からの距離範囲を変更するときに撮像装置の俯角が変更された際、または撮像装置が搭載された車両が積載する荷物の重量が変わることで車高が変わり、その結果撮像装置の俯角が変更された際に、有用である。
【0051】
図11は、本発明の第3の実施形態における撮像装置の機能ブロック図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図11の撮像装置1cの構成は図1の撮像装置1の構成に対して、光学部10を光学部10cに変更し、制御部20を制御部20cに変更したものとなっている。
【0052】
図11の光学部10cの構成は、図1の光学部10の構成に対して、撮像素子14を撮像素子14cに変更し、撮像素子基板16と、固定部材17とアクチュエータ(駆動部)18とが加えられたものとなっている。
撮像素子14cは、各レンズ13に対して所定の角度φとなるように、撮像素子基板16に対して水平に取り付けられている。撮像素子14cは、レンズ13により集光された光を電気信号に変換し、A/D変換部15へ供給する。
【0053】
撮像素子基板16は、撮像素子14cを支持する。撮像素子基板16は、その一端を固定部材17によって、レンズホルダー11に固定されている。また、撮像素子基板16の他端は、アクチュエータ(駆動部)18に接合されている。
【0054】
アクチュエータ(駆動部)18は、後述する制御部20cの駆動制御部25から供給される駆動信号によって、その長さを調整する。これによって、アクチュエータ(駆動部)18は、撮像素子基板16の各レンズ13に対する傾斜角を変更することができるので、撮像素子14cが各レンズ13に対して所定の角度φとなるように調整することができる。
【0055】
図11の制御部20cの構成は、図1の制御部10の構成に対して、記憶部21を記憶部21cに変更し、角度算出部23と、移動量算出部24と、駆動制御部25とが加えられたものとなっている。
記憶部21cには、A/D変換部15から供給された画像データが記憶されている。また、記憶部21cには、現在の撮像素子の傾斜角を示す現傾斜角情報が記憶されている。
【0056】
角度算出部23は、不図示の角度調整装置から供給された撮像装置の地面に対する俯角を示す俯角情報と、予め観測する範囲の情報とから、変更後の撮像素子の傾斜角を算出する。角度算出部23は、算出した変更後の撮像素子の傾斜角φを示す変更傾斜角情報を移動量算出部24へ供給する。
移動量算出部24は、記憶部21cに記憶されている現在の撮像素子の傾斜角φを示す現傾斜角情報を読み出す。移動量算出部24は、現傾斜角情報と、角度算出部23から供給された変更後の傾斜角φを示す変更傾斜角情報とから、アクチュエータ(駆動部)18の移動量を算出する。また、移動量算出部24は、その変更傾斜角情報で、記憶部に記憶されている現傾斜角情報の値を更新する。
【0057】
アクチュエータ(駆動部)18の移動量Δxは、以下の式(6)で算出される。
Δx=L(tanφ−tanφ) …(6)
ここで、Lは、固定部材17とアクチュエータ(駆動部)18との垂直距離である。移動量算出部24は、算出した移動量の情報を駆動制御部25へ供給する。
【0058】
駆動制御部25は、移動量算出部24から供給された移動量の情報から、アクチュエータ(駆動部)18をその移動量動かす制御信号を生成し、その制御信号をアクチュエータ(駆動部)18へ供給する。これによって、駆動制御部25は、アクチュエータ(駆動部)18を所定の移動量だけ移動させることができる。
【0059】
図12は、本発明の第3の実施形態における撮像素子の角度を変更する処理の流れを示したフローチャートである。まず、角度算出部23は、不図示の角度調整装置から供給された撮像装置の地面に対する俯角を示す俯角情報を受信する(ステップS101)。次に、角度算出部23は、俯角情報から撮像素子の変更後の傾斜角φを算出する(ステップS102)。
【0060】
次に、移動量算出部24は、記憶部21から読み出した撮像素子の傾斜角φを示す現傾斜角情報と、角度算出部23から供給された変更後の傾斜角φを示す変更傾斜角情報とからアクチュエータ(駆動部)18の移動量を算出する(ステップS103)。
次に、駆動制御部25は、アクチュエータ(駆動部)18の移動量からアクチュエータ(駆動部)18をその移動量だけ動かす制御信号を生成し、その制御信号をアクチュエータ(駆動部)18へ供給する(ステップS104)。
【0061】
次に、アクチュエータ(駆動部)18は、供給された制御信号に応じて、アクチュエータ(駆動部)18と撮像素子基板16の接合位置を移動させ、撮像素子基板16の傾斜角を変更する(ステップS105)。これによって、アクチュエータ(駆動部)18は撮像素子14cの傾斜角を変更させることができる。以上で、本フローチャートは終了する。
【0062】
第3の実施形態によれば、撮影可能範囲を変更すべく撮像装置の地面に対する角度である俯角が変更された場合に、その変更された俯角に応じて、撮像装置は、撮像素子の傾斜角を変更することができる。これにより、撮像装置は俯角に応じて、遠方領域にある被写体に対しては焦点を合わせることができ、予め定められた近傍領域にある被写体に対しては焦点を合わなくすることができるので、撮像画像のうち撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。これにより、画像処理部において近傍付近の解像度を落とすためのフィルター処理が不要となるので、画像処理部での演算処理を軽くすることができる。
【0063】
また、検知対象物が被写界深度のどの位置にあろうとも対象物の解像度を最大にするように撮像素子の角度を調整できるので、検知対象物を鮮明に撮像することができる。
【0064】
<第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、絞りが変更された際に、撮像素子の角度を調節する撮像装置について説明する。撮像素子の角度を調節することは、例えば、トンネル内からトンネル外に出たときに、周囲の明るさが極端に明るくなった場合に、絞りを絞って撮像素子に到来する光量を少なくする際に有用である。
【0065】
図13は、本発明の第4の実施形態における撮像装置の機能ブロック図である。なお、図11と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図13の撮像装置1dの構成は図11の撮像装置1cの構成に対して、光学部10cを光学部10dに変更したものとなっている。図13の光学部10dの構成は、図11の光学部10cの構成に対して、絞り19が追加されたものになっている。
【0066】
絞り19は、後述する制御部20dの絞り制御部27から供給された制御信号に基づいてレンズ13から入射する光の幅を調整し、幅が調整された光を撮像素子14cに導く。
図13の制御部20dの構成は、図11の光学部20cの構成に対して、画像処理部22を画像処理部22dに変更し、角度算出部23を角度算出部23dに変更し、絞り量算出部26と、絞り制御部27とが追加されたものになっている。
【0067】
画像処理部22dは、記憶部21に記憶された画像データを読出し、読み出した画像データに対して、必要に応じて所定のフィルターを掛けたり、輝度値を調整したり、射影変換を施したりする。画像処理部22dは、上記画像処理後の画像データを絞り量算出部26と不図示の外部装置とへ供給する。
【0068】
絞り量算出部26は、画像処理部22dから供給された画像処理後の画像データの輝度値から所定の関係式を用いて絞り量を算出する。絞り量算出部26は、算出した絞り量を角度算出部23dと絞り制御部27とへ供給する。
絞り制御部27は、絞り量算出部26から供給された絞り量に基づいて、その絞り量だけ絞り19を動かす制御信号を生成し、その制御信号を絞り19に供給する。これにより、絞り制御部27は、絞り19を所定の絞り量だけ動かすことができる。
【0069】
角度算出部23dは、絞り量算出部26から供給された絞り量に基づいて、撮像素子の傾斜角を算出し、その傾斜角を示す傾斜角情報を移動量算出部24へ供給する。その傾斜角算出方法について、具体的に説明する。
図14は、本発明の第4の実施形態において、入射光を絞ったときにレンズに対する撮像素子の傾斜角を変更する際の傾斜角を説明するための図である。同図には、レンズ141と、絞りを絞る前の撮像素子142と、絞りを絞った後の撮像素子143とが示されている。
【0070】
絞りを絞る前の実線144で示された光は、絞る前の撮像素子142に矢印145で示される直径の錯乱円を生成する。一方、絞りを絞った後の破線146で示された光は、絞った後の撮像素子143に矢印147で示される直径の錯乱円を生成する。
角度算出部23dは、矢印145の錯乱円の直径と、矢印147の錯乱円の直径とが同じになるように、撮像素子の傾斜角を算出する。
【0071】
図15は、本発明の第4の実施形態における撮像装置の処理の流れを示したフローチャートである。まず、レンズ13は被写体から出た光を撮像素子に集光させ、撮像素子は集光された光を電気信号に変換する(ステップS201)。次に、A/D変換部15は、撮像素子から供給された電気信号をデジタルの画像データに変換し、その画像データを記憶部21に記憶させる(ステップS202)。
【0072】
次に、画像処理部22dは、所定の画像処理を行い、画像処理後の画像データを絞り量算出部26へ供給する(ステップS203)。絞り量算出部26は、画像処理部22dから供給された画像処理後の画像データの輝度値から所定の関係式を用いて絞り量を算出し、その絞り量を示す絞り量情報を絞り制御部27へ供給する(ステップS204)。
【0073】
次に、絞り制御部27は、絞り量算出部26から供給された絞り量情報に基づいて、制御信号を生成し、その制御信号を絞り19に供給することにより、絞り19を絞り量だけ動かす(ステップS205)。
次に、角度算出部23dは、絞り量算出部26から供給された絞り量情報に基づいて、撮像素子の変更後の傾斜角φを算出し、その変更後の傾斜角φを示す変更後傾斜角情報を移動量算出部24へ供給する(ステップS206)。
【0074】
次に、移動量算出部24は、記憶部21から読み出した撮像素子の傾斜角φを示す現傾斜角情報と、角度算出部23dから供給された変更後の傾斜角φを示す変更傾斜角情報とからアクチュエータ(駆動部)18の移動量を算出する(ステップS207)。
次に、駆動制御部25は、アクチュエータ(駆動部)18の移動量からアクチュエータ(駆動部)18をその移動量だけ動かす制御信号を生成し、その制御信号をアクチュエータ(駆動部)18へ供給する(ステップS208)。
【0075】
次に、アクチュエータ(駆動部)18は、駆動制御部25から供給された制御信号に応じて、アクチュエータ(駆動部)18と撮像素子基板16の接合位置を移動させ、撮像素子基板16の傾斜角を変更する(ステップS209)。これによって、アクチュエータ(駆動部)18は撮像素子14cの傾斜角を変更させることができる。以上で、本フローチャートは終了する。
【0076】
第4の実施形態によれば、絞りにより撮像素子に到達する光量が調整された場合、絞りの絞り量に応じて、撮像装置は、撮像素子の傾斜角を変更することができる。これにより、撮像装置は絞り量に応じて、遠方領域にある被写体に対しては焦点を合わせることができ、予め定められた近傍領域にある被写体に対しては焦点を合わなくすることができるので、撮像画像のうち撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。これにより、画像処理部において近傍付近の解像度を落とすためのフィルター処理が不要となるので、画像処理部での演算処理を軽くすることができる。
【0077】
以上により、本発明の撮像装置は、遠方領域にある被写体に対しては焦点を合わせることができ、予め定められた近傍領域にある被写体に対しては焦点を合わなくすることができるので、撮像画像のうち撮像装置近傍が撮像された領域の解像度を下げることができる。
【0078】
なお、本発明の第1の実施形態と第3の実施形態と第4の実施形態において、撮像素子とレンズの傾斜角は撮像素子とレンズを保持するレンズホルダー筐体に設けてもよく、また撮像素子を撮像素子基板に取り付けたときに、撮像素子を撮像素子基板に対して傾斜角分傾けて取り付けてもよい。
【0079】
また、本発明の第3の実施形態と第4の実施形態において、撮像素子がレンズと予め所定の角度をなしており、俯角情報または絞り量情報に応じて撮像素子の角度を変更したが、これに限らず、撮像素子がレンズと並行で、俯角情報または絞り量情報に応じて撮像素子のレンズからの距離を変更してもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1、 1b、1c、1d 撮像装置
10、10b、10c 光学部
11 レンズホルダー
12 レンズ鏡筒
13、13、13、13、13、13 レンズ
14、14b 撮像素子
15 A/D変換部
16 撮像素子基板
17 固定部材
18 アクチュエータ(駆動部)
19 絞り
20、20c、20d 制御部
21 21c 記憶部
22 22d 画像処理部
23 23d 角度算出部
24 移動量算出部
25 駆動制御部
26 絞り量算出部
27 絞り制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を集光するレンズと、
前記レンズにより集光された光を電気信号に変換する撮像素子と、
を備え、
前記撮像素子は、前記レンズから所定の距離範囲内にある被写体から前記レンズに到来する光が前記撮像素子上で結ぶ第1の錯乱円の直径が所定の長さより小さくなり、前記レンズから前記所定の距離範囲外にある被写体から前記レンズに到来する光が前記撮像素子上で結ぶ第2の錯乱円の直径が前記所定の長さ以上であるように前記レンズからの距離と前記レンズに対する角度が決定されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の錯乱円の前記レンズからの距離が、焦点距離から焦点深度分短い距離から、前記焦点距離から前記焦点深度分長い距離までの範囲内で、前記第2の錯乱円の前記レンズからの距離が、焦点距離から焦点深度分短い距離から、前記焦点距離から前記焦点深度分長い距離までの範囲外になるように、前記撮像素子が前記レンズに対して平行でない角度をなすことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像素子は、前記レンズからの距離が前記レンズの焦点距離から、前記レンズの焦点距離から焦点深度分短い距離までの範囲で、前記レンズと平行であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子の角度を変更するために撮像素子の一端を移動させる駆動部と、
前記レンズに対する前記撮像素子の角度を算出する角度算出部と、
前記算出された角度に基づいて、前記撮像素子の一端の移動量を算出する移動量算出部と、
前記撮像素子の一端が前記算出された移動量移動するよう前記駆動部を制御する駆動制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記角度算出部は、外部から供給された自装置の地面に対する俯角を示す俯角情報に基づいて、前記レンズに対する前記撮像素子の角度を算出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像素子が変換した電気信号から絞り量を算出する絞り量算出部と、
前記角度算出部は、前記算出された絞り量に基づいて、前記レンズに対する前記撮像素子の角度を算出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−49892(P2012−49892A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191092(P2010−191092)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(300052246)株式会社ホンダエレシス (105)
【Fターム(参考)】