説明

撮像装置

【課題】前方視野に加え側方視野を持ち、前方視野の照明のみならず側方視野の照明にも有利な撮像装置を提供する。
【解決手段】主鏡2及び副鏡3は、透明カバー4を透過した入射光16aが第1の反射面6、第2の反射面8の順に反射された後、第1の開口5に入射し、かつレンズ9を透過した入射光15aが第1の開口5に入射するように配置されており、撮像部11は、第1の開口5に入射した入射光16a、15aを受光するように配置されており、透明カバー4は、光源20からの光が入射する入射面4aと、入射面4aから入射した光が射出する射出面4bを形成しており、主鏡2及び副鏡3のうち少なくとも一方の側面に、光源20からの光を透明カバー4の外側に向けて反射する第3の反射面25が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前方視野に加え側面視野を持ち、両視野を照明することができる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置は各種分野において用いられており、その一例として内視鏡がある。従来内視鏡として、体内の検査や治療に用いる医療用内視鏡や、配管内の検査等に用いる工業用内視鏡が知られている。これらの内視鏡においては、光源を備え暗空間を照明しながら観察可能としたものが各種提案されている。例えば、下記特許文献1には、撮像手段の背後側の空間を利用して光源を配置して、外径の増加を招くことなく、低コストで照明が可能になる内視鏡が提案されている。下記特許文献2には、取付ベース上の限られたスペース内に充分な数のLEDを配置できるようにして、LED照明手段の小型化と充分な光量確保を両立させることのできる内視鏡が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−29235号公報
【特許文献2】特開2005−253653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1、2に記載の内視鏡は、前方のみを観察するためのものであり、側面方向を観察するためのものではなかった。このため、これらの内視鏡が備える光源についても、前方を照明することを前提としたものであり、特許文献1、2には、側面方向を観察するための照明については、特別提案がされていなかった。
【0005】
本発明は、前記のような従来の問題を解決するためのものであり、前方視野に加え側方視野を持ち、前方視野の照明のみならず側方視野の照明にも有利な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、中央に第1の開口を有し、第1の反射面が形成された主鏡と、中央に第2の開口を有し、第2の反射面が形成された副鏡と、前記第2の開口の位置に設けられたレンズと、前記主鏡及び前記副鏡を支持する透明カバーと、前記レンズの光軸上に配置された撮像部と、光源とを備えており、前記主鏡及び前記副鏡は、前記透明カバーを透過した入射光が前記第1の反射面、前記第2の反射面の順に反射された後、前記第1の開口に入射し、かつ前記レンズを透過した入射光が前記第1の開口に入射するように配置されており、前記撮像部は、前記第1の開口に入射した入射光を受光するように配置されており、前記透明カバーは、前記光源からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が射出する射出面を形成しており、前記主鏡及び前記副鏡のうち少なくとも一方の側面に、前記光源からの光を前記透明カバーの外側に向けて反射する第3の反射面が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、透明カバーを透過した入射光とレンズを透過した入射光が撮像部で受光されるので、一画面で前方視野の映像と側方視野の映像とが同時に撮像されることになる。また、透明カバー内に入射した入射光は、透明カバー内を導光されて射出面から射出され、撮像装置の前方照明が可能になる。一方、光源からの光を透明カバーの外側に向けて反射する第3の反射面が形成されているので、撮像装置の側方照明が可能になる。
【0008】
この構成では、光源1個分の光が前方照明及び側方照明の双方に利用できるので、側方照明のための専用の光源を追加することは不要になる。また、側方照明を可能にする第3の反射面は、主鏡及び副鏡のうち少なくとも一方の側面に、形成しているので、側方照明のための専用の反射面を別部材として追加することは不要になる。したがって、本発明の撮像装置によれば、簡単な構成としながらも、前方視野及び側方視野の双方の照明が可能になる。
【0009】
前記本発明の撮像装置においては、前記第3の反射面は、前記レンズの光軸に平行な面としてもよい。この構成によれば、第3の反射面の加工が容易になる。
【0010】
前記第3の反射面は、前記レンズの光軸に対し傾斜した傾斜面であってもよい。この構成によれば、反射光量の確保に有利になる。また、傾斜面の傾斜角度に応じて照明範囲が変化するので、傾斜角度の設定により、必要な範囲を照明することが可能になる。
【0011】
前記第3の反射面は、球面又は非球面であってもよい。この構成によっても、反射光量の確保に有利になる。また、球面又は非球面の形状の設定に応じて照明範囲が変化するので、反射面の形状の設定により、必要な範囲を照明することが可能になる。
【0012】
また、前記第3の反射面は、鏡面反射及び拡散反射のうち少なくとも一方の反射により、前記光源からの光を反射するように形成されているようにすればよい。この構成によれば、第3の反射面の反射効果を高めることができる。
【0013】
前記透明カバーは、外周部の直径を維持しつつ内周部の直径を大きくした薄肉部を形成しており、前記薄肉部と前記主鏡の側面との間に、前記光源を配置していることが好ましい。この構成によれば、透明カバーに光源と対向する入射面が形成され、透明カバー内への入射光の確保に有利になるとともに、薄肉部は光源の保護部材としても用いられるので、部品点数を削減でき製造も容易になる。あわせて、薄肉部は光源の収納空間の確保にも寄与することになり、透明カバーの外径を増加させることなく、光源の収納空間を確保することも可能になる。
【0014】
前記主鏡は前記第1の反射面の形成部より直径を小さくした縮径部を形成しており、前記透明カバーと前記縮径部との間に、前記光源を配置していることが好ましい。この構成によっても、透明カバーの外径を増加させることなく、光源の収納空間を確保することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一画面で前方視野の映像と側方視野の映像とが同時に撮像されるともに、透明カバー内を導光された光により撮像装置の前方照明が可能になり、第3の反射面で反射された光により撮像装置の側方照明が可能になる。あわせて、側方照明のための専用の光源を追加することは不要になるとともに、側方照明のための専用の反射面を別部材として追加することは不要になり、簡単な構成としながらも、前方視野及び側方視野の双方の照明が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係る内視鏡の内部を示す斜視図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る内視鏡の縦断面図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る内視鏡の横断面図。
【図4】本発明の実施の形態2に係る内視鏡の縦断面図。
【図5】本発明の実施の形態3に係る内視鏡の縦断面図。
【図6】本発明の実施の形態4に係る内視鏡の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態に係る撮像装置について、図面を参照しながら説明する。以下の各実施の形態では、撮像装置が内視鏡である場合の例について説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡1の内部を示す斜視図である。図1では、筒状の透明カバー4を断面状態で図示している。図2は図1に示した内視鏡1の縦断面図である。図1、2において、内視鏡1は、主鏡2及び副鏡3を備えており、主鏡2と副鏡3とが空間12を介して対向するように配置されている。主鏡2及び副鏡3の外周は、筒状の透明カバー4により囲まれており、透明カバー4の内周面に主鏡2及び副鏡3の外周面が嵌合している。このことにより、主鏡2及び副鏡3は透明カバー4により支持されている。透明カバー4の材料は、例えばアクリル、ガラスである。
【0019】
主鏡2は、中央に第1の開口5を有し、第1の反射面6が形成されている。副鏡3は中央に第2の開口7を有し、第2の反射面8が形成されている。第2の開口7の位置にレンズ9が設けられている。レンズ9の光軸10上に、第1の開口5の中心と第2の開口7の中心とが配置されている。第1の反射面6及び第2の反射面8は、いずれも光軸10回りに回転対称な反射面である。
【0020】
内視鏡1は、前方視野15及び側方視野16を持っており、各視野における映像を撮像可能である。前方視野15の光は、レンズ9を透過して空間12内に入射する。図2では、前方視野15は光軸10の片側にのみ図示しているが、光軸10を囲む全周から光が空間12内に入射することになる。
【0021】
側方視野16の光は、透明カバー4を透過して空間12内に入射する。図2では、側方視野15は光軸10の片側にのみ図示しているが、筒状の透明カバー4の側面全周から光が空間12内に入射することになる。前方視野15及び側方視野16から空間12内に入射した光は、撮像部11で受光され、前方視野15及び側方視野16の映像が撮像されることになる。撮像部11は、例えばCCDカメラである。以下、内視鏡1による撮像について、具体的に説明する。
【0022】
図2において入射光16aは、側方視野16内から透明カバー4を透過する入射光の一部である。入射光16aは第1の反射面6で反射され、続いて第2の反射面8で反射された後、第1の開口5を経て撮像部11で受光される。これと同様に、透明カバー4の全周に亘り、側方視野16の全範囲の入射光が撮像部11で受光されることになる。このことにより、内視鏡1の側面全周に亘り側方視野16の映像が撮像されることになる。
【0023】
一方、図2において入射光15aは、前方視野15内からレンズ9を透過する入射光の一部である。空間12内に入射した入射光15aは、第1の開口5を経て撮像部11で受光される。これと同様に、光軸10回りの全周に亘り、前方視野15の全範囲の入射光が撮像部11で受光されることになる。このことにより、光軸10回りの全周に亘り前方視野15の映像が撮像されることになる。
【0024】
したがって、本実施の形態に係る内視鏡1によれば、一画面で前方視野15の映像と側方視野16の映像とが同時に撮像されることになる。また、前記の通り透明カバー4の全周に亘る側方視野16の映像が撮像できるので、内視鏡1を検査位置に挿入するだけで、一度に側面全周に亘る映像が撮像され、検査時間の短縮を図ることができる。
【0025】
ここで、内視鏡1は、主に暗空間の撮像に用いられる。暗空間の撮像を容易にするためには、照明が必要になる。本実施の形態では、簡単な構成でかつ外形を増加させることなく、前方視野15の照明のみならず側面視野16の照明も可能にしている。このことについて、以下具体的に説明する。
【0026】
図1、2において、主鏡2に隣接するように光源20が配置されている。光源20は、例えばLEDである。透明カバー4の主鏡2側には入射面4aが形成されており、副鏡3側には射出面4bが形成されている。光源20からの光は、入射面4aから透明カバー4内に入射する。透明カバー4内に入射した光は、透明カバー4内で導光されて射出面4bから射出し、前方照明が可能になる。
【0027】
図2において、入射光21は光源20から透明カバー4の入射面4aに入射した入射光である。入射光21は、透明カバー4の外周面4cで全反射されて射出面4bに向かって導光され、射出面4bから射出している。入射角度θは、入射光21の透明カバー4の外周面4cへの入射角度である。入射角度θが所定角度以上であれば全反射が起こり、入射光21は透明カバー4の外周面4cを透過することなく、図2に示したように外周面4cで全反射されることになる。
【0028】
透明カバー4の材質がアクリルの場合、角度θが42度以上のときに全反射が起こることになる。図2では、入射光21の透明カバー4内における全反射の回数は、外周面4cにおける1回のみであるが、入射角度θが小さい入射光では、透明カバー4の外周面4c及び内周面4dの双方で全反射されて、射出面4bから射出されるものもある。
【0029】
光源20からは所定の広がり角度で光が射出されるので、透明カバー4内においては、光源20からの射出角度に応じて入射角度θも異なることになる。このため、透明カバー4内に入射した各入射光は、光源20からの射出角度に応じて全反射の角度が異なり、射出面4bからの射出角度も異なることになる。したがって、透明カバー4内を導光された光は、射出面4bから所定の広がり角度で射出され、前方視野15における対象物を照明することが可能になる。
【0030】
一方、光源20からの射出光の一部は、透明カバー4内に入射する前に、主鏡2の側面に形成された反射面25で反射され、側方照明が可能になる。図2の反射光26は、反射面25で反射された反射光である。反射光26は、透明カバー4を透過して透明カバー4の外側に射出されている。光源20からは所定の広がり角度で光が射出されるので、反射面25における反射光26の反射角度は、光源20における射出角度に応じて異なることになる。このため、所定の広がり角度で透明カバー4の外側に向けて光が出射し、側方視野16における対象物を照明することが可能になる。
【0031】
図2では、説明の便宜上、右側の光源20からの射出光が前方照明をし、左側の光源20からの射出光が側方照明をする図示をしているが、各光源20のそれぞれが、前方照明及び側方照明の双方の照明をすることになる。すなわち、各光源20からの射出光は射出角度に応じて、前方照明に用いられるものと側方照明に用いられるものとに分かれることになる。
【0032】
主鏡2の側面反射による側方照射の効果を高めるには、主鏡2の側面25を鏡面加工することが好ましい。例えば主鏡2の材料をアルミニウム合金とし、側面25の切削や研磨により鏡面加工すればよい。また、主鏡2の側面25に粗面を形成し、光源20からの光を主鏡2の側面25において拡散反射させるようにしてもよい。反射面を、鏡面反射の反射面とするか拡散反射の反射面とするかは、検査の特性に応じて決定すればよい。
【0033】
前記の通り、本実施の形態によれば、各光源20は内視鏡1の前方照明のみならず側方照明にも用いられている。このため、本実施の形態では、側方照明のために専用の光源は不要となる。また、主鏡2の側面が反射面25を兼ねているので、側方照明のための専用の反射面を別部材として追加することも不要になる。したがって、本実施の形態に係る内視鏡1によれば、部品点数を増加させることなく、簡単な構成としながらも、前方照明及び側方照明の双方の照明が可能になる。また、図2に示したように、反射面25はレンズ9の光軸10に平行な面である。この構成によれば、反射面25の加工が容易になる。
【0034】
本実施の形態に係る内視鏡1においては、光源20の個数を増加させることにより、前方照明及び側方照明の双方に有利になる。図3は、光源20の配置の一例を示す内視鏡1の横断面図である。図3の例では、透明カバー4の周方向に、角度αを60度間隔として光源20を6個配置している。このように透明カバー4の全周に亘り光源20を配置することにより、前方照明及び側方照明の双方において、広範囲な照明が可能になる。
【0035】
光源20の配置、個数は図3の例に限るものではなく、必要な照明範囲に応じて適宜決定すればよい。前記の通り、各光源20は前方照明及び側方照明をするので、光源20が1個の構成であっても、前方照明及び側方照明が可能になる。
【0036】
また、本実施の形態においては、内視鏡1の外径寸法を増加させることなく、光源20を追加している。具体的には、図2において透明カバー4は、外周部の直径を維持しつつ内周部の直径を大きくした薄肉部4eを形成している。このことにより、光源20と対向する入射面4aが形成され、透明カバー4内への入射光の確保に有利になっている。また入射面4aは、透明カバー4の端面ではなく透明カバー4の内側に形成されており、薄肉部4eが光源20の保護部材としても用いられている。この構成は、透明カバー4の端面を入射面とした構成と比べると、透明カバー4とは別に光源20の保護部材を追加することは不要になり、部品点数を削減でき製造も容易になる。さらに、薄肉部4eは下記の通り、光源20の収納空間の確保にも寄与している。
【0037】
図2において、主鏡2は、第1の反射面6の形成部より直径を小さくした縮径部2aを形成している。光源20は、薄肉部4eと縮径部2aとの間に配置している。この構成によれば、透明カバー4の外径を増加させることなく、薄肉部4eと縮径部2aとの間に光源20の収納空間を確保することができる。
【0038】
図2の例では、薄肉部4eと縮径部2の双方を形成しているが、いずれか一方のみの形成であっても、光源20の収納空間の確保には有利になる。例えば、光源20の大きさによっては、縮径部2aを形成せず薄肉部4eのみを形成した場合であっても、光源20を収納できる可能性がある。また、薄肉部4eを形成しない場合は、透明カバー4には光源20と対向する入射面4aは形成されないが、光源20の出射光は、透明カバー4の内周面から入射可能である。
【0039】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る内視鏡1aの縦断面図を示している。内視鏡1aにおいても、実施の形態1の内視鏡1と同様に、一画面で前方視野15の映像と側方視野16の映像とが同時に撮像でき、前方照明及び側方照明の双方が可能である。図4では、図1、2に示した内視鏡1と同一構成の部分は、同一番号を付して説明は省略する。
【0040】
本図に示した内視鏡1aは、主鏡2に傾斜面である反射面27を形成している点が、図1、2に示した内視鏡1と異なっている。反射面27は、レンズ9の光軸10に対して傾斜しており、主鏡2の側面の全周に形成されている。光源20からの射出光の一部は、反射面27で反射されることになる。図4の反射光30は、反射面27で反射された反射光である。反射光30は、透明カバー4を透過して透明カバー4の外側に射出されている。
【0041】
光源20からは所定の広がり角度で光が射出されるので、反射面27における反射光30の反射角度は、光源20における射出角度に応じて異なることになる。このため、所定の広がり角度で透明カバー4の外側に向けて光が出射し、側方視野16における対象物を照明することが可能になる。この点は、実施の形態1の反射面25による反射の場合と同様である。また、反射面27を鏡面加工や粗面加工し、側方照射の効果を高めるようにすればよい点も、実施の形態1の反射面25による反射の場合と同様である。
【0042】
本実施の形態のように反射面27を傾斜面とすることにより、光軸10に平行な面では十分な反射光量が得られない場合にも反射光量を確保することが可能になる。また、反射面27の傾斜角度に応じて照明範囲が変化するので、反射面27の傾斜角度の設定により、必要な範囲を照明することが可能になる。
【0043】
図4の構成では、反射面27に加え実施の形態1と同様に反射面25を形成している。この構成によれば、側方への反射光量の確保に有利になるとともに、側方における照明範囲の拡大にも有利になる。また、反射面27の形成範囲を拡大したり、部分的に傾斜角度を変化させたりして、反射光量の確保や照明範囲の拡大を図るようにしてもよい。
【0044】
また、図4において、主鏡2のうち透明カバー4の内周面との当接部は、レンズ9の光軸10と平行な直立面とし、面同士を接触させるようにしてもよい。このことにより、透明カバー4の内周面に特別な加工をすることなく、主鏡2の固定が安定することになる。
【0045】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る内視鏡1bの縦断面図を示している。内視鏡1bにおいても、実施の形態1の内視鏡1と同様に、一画面で前方視野15の映像と側方視野16の映像とが同時に撮像でき、前方照明及び側方照明の双方が可能である。図5では、図1、2に示した内視鏡1と同一構成の部分は、同一番号を付して説明は省略する。
【0046】
図5に示した内視鏡1bは、副鏡3に反射面31を形成している点が、図1、2に示した内視鏡1と異なっている。図5の例では、副鏡3の側面の一部に形成した傾斜面を反射面31としている。反射面31は副鏡3の側面の全周に形成されており、反射面31は、レンズ9の光軸10に対して傾斜している。
【0047】
図5において、光源20からの射出光32は、透明カバー4の外周面4cで全反射され、さらに副鏡3の反射面31で反射されている。反射面31で反射された反射光33は、透明カバー4を透過して透明カバー4の外側に射出されている。
【0048】
光源20からは所定の広がり角度で光が射出されるので、反射面31における反射光33の反射角度は、光源20における射出角度に応じて異なることになる。このため、所定の広がり角度で透明カバー4の外側に向けて光が出射し、側方視野16における対象物を照明することが可能になる。この点は、実施の形態1の反射面25による反射の場合と同様である。また、反射面31を鏡面加工や粗面加工し、側方照射の効果を高めるようにすればよい点も、実施の形態1の反射面25による反射の場合と同様である。
【0049】
反射面31の傾斜角度に応じて照明範囲が変化するので、反射面31の傾斜角度の設定により、必要な範囲を照明することが可能になる。反射面31は、水平面であってもよい。また、反射面31の範囲を拡大したり、部分的に傾斜角度を変化させたりして、反射光量の確保や照明範囲の拡大を図るようにしてもよい。
【0050】
図5では、副鏡3に反射面31を形成しているが、副鏡3及び主鏡2の双方に反射面を形成してもよい。例えば図5において、主鏡2の側面を加工して図2に示した反射面25のように反射光26が得られる反射面を形成してもよい。また、図5において、主鏡2の側面に図4に示した反射面27のような傾斜面を形成してもよい
【0051】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係る内視鏡1cの縦断面図を示している。図6に示した内視鏡1cは、反射面35の形状を除けば、図1、2に示した内視鏡1と同様の構成である。図6では、図1、2に示した内視鏡1と同一構成の部分は、同一番号を付して説明は省略する。
【0052】
図2では、反射面25は光軸10に平行な面であるのに対し、図6では反射面35は球面又は非球面である。図6において、反射面35で反射された反射光36は、透明カバー4を透過して透明カバー4の外側に射出されている。この構成では、反射面35の球面又は非球面の形状に応じて照明範囲が変化するので、球面又は非球面の形状の設定により、必要な範囲を照明することが可能になる。
【0053】
以上、実施の形態1〜4では内視鏡の例で説明したが、前記各実施の形態の構成は、内視鏡に限らず各種撮像装置の構成として用いることができる。例えば、前記各実施の形態の構成は、監視カメラとして用いることができる。また、自動車の前方確認や後方確認のための車載カメラとしても用いることができる。前記各実施の形態は、前方視野に加え側方視野を持ち、両視野を照明できるので、監視カメラとして用いた場合は、夜間における人の接近の検知も可能になる。同様に、車載カメラとして用いた場合は、夜間や暗い場所における確認も可能になる。
【0054】
以上のように、本発明によれば、前方視野に加え側方視野を持った撮像装置において、前方視野の照明のみならず側方視野の照明にも有利になるので、本発明は例えば内視鏡として用いることができ、より具体的には体内の検査や治療に用いる医療用内視鏡や、配管内の検査等に用いる工業用内視鏡として有用である。また、内視鏡に限らず各種撮像装置として用いることができ、例えば監視カメラや車載カメラとしても有用である。
【符号の説明】
【0055】
1,1a,1b,1c 内視鏡
2 主鏡
2a 縮径部
3 副鏡
4 透明カバー
4c 薄肉部
5 第1の開口
6 第1の反射面
7 第2の開口
8 第2の反射面
9 レンズ
10 光軸
11 撮像部
12 空間
15 前方視野
15a,16a,21,32 入射光
16 側方視野
20 光源
25,27,31,35 反射面
26,30,33,36 反射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に第1の開口を有し、第1の反射面が形成された主鏡と、
中央に第2の開口を有し、第2の反射面が形成された副鏡と、
前記第2の開口の位置に設けられたレンズと、
前記主鏡及び前記副鏡を支持する透明カバーと、
前記レンズの光軸上に配置された撮像部と、
光源とを備えており、
前記主鏡及び前記副鏡は、前記透明カバーを透過した入射光が前記第1の反射面、前記第2の反射面の順に反射された後、前記第1の開口に入射し、かつ前記レンズを透過した入射光が前記第1の開口に入射するように配置されており、
前記撮像部は、前記第1の開口に入射した入射光を受光するように配置されており、
前記透明カバーは、前記光源からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が射出する射出面を形成しており、
前記主鏡及び前記副鏡のうち少なくとも一方の側面に、前記光源からの光を前記透明カバーの外側に向けて反射する第3の反射面が形成されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第3の反射面は、前記レンズの光軸に平行な面である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第3の反射面は、前記レンズの光軸に対し傾斜した傾斜面である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第3の反射面は、球面又は非球面である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第3の反射面は、鏡面反射及び拡散反射のうち少なくとも一方の反射により、前記光源からの光を反射するように形成されている請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記透明カバーは、外周部の直径を維持しつつ内周部の直径を大きくした薄肉部を形成しており、前記薄肉部と前記主鏡の側面との間に、前記光源を配置している請求項1から5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記主鏡は前記第1の反射面の形成部より直径を小さくした縮径部を形成しており、前記透明カバーと前記縮径部との間に、前記光源を配置している請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−90723(P2012−90723A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239835(P2010−239835)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(591060980)岡山県 (96)
【Fターム(参考)】