説明

操作ペダルの支持構造

【課題】互いに車幅方向に間隔を隔てて車両前後方向に延びる第1及び第2側板を有し、かつ車体側に取り付けられるペダルブラケットにおける上記第1及び第2側板に、車幅方向に延びる支軸を介して揺動自在に支持される操作ペダルの支持構造において、操作ペダルがペダルブラケットに支軸を介して支持され、かつこのペダルブラケットが車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、分割ブラケットが別々に支軸周りを回転するのを規制する。
【解決手段】各側板20,21には、支軸3が挿通支持される支持孔20a,21aが形成されており、ペダルブラケット2を、第1側板20側の第1分割ブラケット2aと第2側板21側の第2分割ブラケット2bとに車幅方向に2分割する。仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの少なくとも一方が他方とは別に支軸3周りを回転するのを規制する規制手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに車幅方向に間隔を隔てて車両前後方向に延びる第1及び第2側板を有し、かつ車体側に取り付けられるペダルブラケットにおける上記第1及び第2側板に、車幅方向に延びる支軸を介して揺動自在に支持される操作ペダルの支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体側に取り付けられるペダルブラケットに車幅方向に延びる支軸を介して揺動自在に支持される操作ペダルの支持構造が従来技術として知られている。
【0003】
例えば、特許文献1のものは、その一端側にボスが設けられたペダルアーム(操作ペダル)を、ブラケット(ペダルブラケット)に対してボスに挿通される枢支ピン(支軸)を介して揺動自在に枢支せしめる一方、ボスにはアシストスプリングを支持するスプリング取付アームが突設されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−85401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ブラケットを一体に成形すると、その成形性が悪化する。これは特に、ブラケットの形状が複雑な場合において顕著である。この問題を解決するため、ブラケットを2つの分割ブラケットに車幅方向に2分割することが考えられる。こうすれば、2つの分割ブラケットをそれぞれ成形すればよく、その成形性が向上する。
【0006】
しかしながら、ブラケットを2つの分割ブラケットに車幅方向に2分割すると、ペダルアームがブラケットに枢支ピンを介して支持され、かつこのブラケットが車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、分割ブラケットが別々に枢支ピン周りを回転するという問題がある。このように、分割ブラケットが別々に枢支ピン周りを回転すると、例えば、ブラケットを車体側に取り付けにくくなったりする。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、互いに車幅方向に間隔を隔てて車両前後方向に延びる第1及び第2側板を有し、かつ車体側に取り付けられるペダルブラケットにおける上記第1及び第2側板に、車幅方向に延びる支軸を介して揺動自在に支持される操作ペダルの支持構造において、操作ペダルがペダルブラケットに支軸を介して支持され、かつこのペダルブラケットが車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、分割ブラケットが別々に支軸周りを回転するのを規制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、互いに車幅方向に間隔を隔てて車両前後方向に延びる第1及び第2側板を有し、かつ車体側に取り付けられるペダルブラケットにおける上記第1及び第2側板に、車幅方向に延びる支軸を介して揺動自在に支持される操作ペダルの支持構造であって、上記各側板には、上記支軸が挿通支持される支持孔が形成されており、上記ペダルブラケットは、上記第1側板側の第1分割ブラケットと上記第2側板側の第2分割ブラケットとに車幅方向に2分割されており、上記操作ペダルが上記ペダルブラケットに上記支軸を介して支持され、かつ該ペダルブラケットが上記車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、上記第1及び第2分割ブラケットの少なくとも一方が他方とは別に上記支軸周りを回転するのを規制する規制手段を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
これによれば、操作ペダルがペダルブラケットに支軸を介して支持され、かつこのペダルブラケットが車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケットの少なくとも一方が他方とは別に支軸周りを回転するのを規制する規制手段を設けているので、仮組み状態において、分割ブラケットが別々に支軸周りを回転するのを規制することできる。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記第1分割ブラケットは、上記第1側板と、該第1側板から車幅方向の上記第2側板側に延びる第1取付板とを有しており、上記第2分割ブラケットは、上記第2側板と、該第2側板における上記第1取付板に対応する部分から車幅方向の上記第1側板側に延びて上記第1取付板の上記車体側に重ねられた状態で上記車体側に上記第1取付板とともに共締めで取り付けられる第2取付板とを有していることを特徴とするものである。
【0011】
これによれば、第1分割ブラケットの第1取付板及び第2分割ブラケットの第2取付板を重ね合わせた状態で車体側に共締めで取り付けるので、ペダルブラケットの車体側への取付強度を向上させることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1又は2の発明において、上記規制手段は、上記第1及び第2分割ブラケットの一方に形成された係合部と、該第1及び第2分割ブラケットの他方に形成されて上記係合部が係合可能な被係合部とを有していて、上記仮組み状態にする際に上記係合部が上記被係合部に係合されることにより、上記規制を行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
これによれば、係合部及び被係合部という簡単な構成で、規制手段を具現化することができる。
【0014】
第4の発明は、上記第2の発明において、上記規制手段は、上記第1分割ブラケットの上記第1取付板における車幅方向の上記第2側板側の端縁部に車幅方向の上記第2側板側に突起するように形成された係合部と、上記第2分割ブラケットにおける上記係合部に対応する部分に形成されて該係合部が係合可能な切り欠き又は孔からなる被係合部とを有していて、上記仮組み状態にする際に上記係合部が上記被係合部に係合されることにより、上記規制を行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
これによれば、係合部及び切り欠き又は孔からなる被係合部という簡単な構成で、規制手段を具現化することができる。
【0016】
ところで、上述の如く、第1分割ブラケットの第1取付板及び第2分割ブラケットの第2取付板を重ね合わせた状態で車体側に共締めで取り付けるので、操作ペダルがペダルブラケットに支軸を介して支持され、かつこのペダルブラケットが車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、第1及び第2取付板が重ね合わされた状態を維持するのが望ましい。
【0017】
ここで、本発明によれば、第1分割ブラケットの第1取付板における車幅方向の第2側板側の端縁部に車幅方向の第2側板側に突起するように係合部を形成するとともに、第2分割ブラケットにおける係合部に対応する部分に係合部が係合可能な切り欠き又は孔からなる被係合部を形成している。そして、仮組み状態にする際に係合部が被係合部に係合されることにより、仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケットの少なくとも一方が他方とは別々に支軸周りを回転するのを規制している。
【0018】
このように、係合部を共締め部分としての第1取付板自体に形成するとともに、被係合部をそのような第1取付板の近傍部分に形成しているので、仮組み状態において、第1及び第2取付板が重ね合わされた状態を確実に維持することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操作ペダルがペダルブラケットに支軸を介して支持され、かつこのペダルブラケットが車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケットの少なくとも一方が他方とは別に支軸周りを回転するのを規制する規制手段を設けているので、仮組み状態において、分割ブラケットが別々に支軸周りを回転するのを規制することできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る操作ペダルの支持構造を示す斜視図である。
【図2】操作ペダルの支持構造を示す分解斜視図である。
【図3】操作ペダルを示す上面図である。
【図4】突起部が切り欠きに係合された状態におけるペダルブラケットを示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る操作ペダルの支持構造の斜視図であり、この操作ペダル1は、車体側に取り付けられるペダルブラケット2に車幅方向に延びる支軸3を介して車両前後方向に揺動自在に支持されるようになっている。操作ペダル1は、例えばクラッチペダルやブレーキペダル、アクセルペダルなどであり、本実施形態ではブレーキペダルである。操作ペダル1は、図1〜図3に示すように、半割形状の金属製の一対の半体を互いに突き合わせて筒形状に形成されていて、支軸3から下側に延びた後に車両後側斜め下側に延びている。操作ペダル1の上端部の車幅方向両端面における互いに対向する部分には、支軸3が挿通支持される支持孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。操作ペダル1の上端部の中空部における支持孔に対応する部分には、支軸3が挿通支持される円筒形状の金属製の筒状部材10が車幅方向に延びるように取り付けられている。操作ペダル1の下端部には、その操作の際に運転者が踏み込む踏み込み部11が設けられている。尚、図1は、後述する仮組み状態における操作ペダルの支持構造を示している。
【0023】
ペダルブラケット2は、図1、図2、図4に示すように、略コ字形状の金属製のものであって、互いに車幅方向(支軸3方向)に間隔を隔てて車両前後方向に延びる車両左側の第1側板20及び車両右側の第2側板21を有している。第1側板20の車両後側部分には、支軸3の軸方向一端部(図1では車両左側端部)が挿通支持される円形状の第1支持孔20aが形成されている。第2側板21の車両後側部分における第1支持孔20aに対向する部分には、支軸3の軸方向他端部(図1では車両右側端部)が挿通支持される円形状の第2支持孔21aが形成されている。
【0024】
本実施形態では、ペダルブラケット2は、第1側板20側の第1分割ブラケット2aと第2側板21側の第2分割ブラケット2bとに車幅方向に2分割されている。
【0025】
第1分割ブラケット2aは、第1側板20と、この第1側板20から車両右側(車幅方向の第2側板21側)に延びる第1取付板22とを有している。第1側板20は略L字形状のものであって、支軸3から上側に延びる第1上側延長部20bと、支軸3から車両前側斜め下側に延びる第1下側延長部20cとを有している。第1上側延長部20bは、その上端部に行くに従って先細になり、かつ車両右側(車幅方向内側)に傾斜している。第1下側延長部20cの車両前側端部には、車両左側に延びてエンジンルームと車室とを区画する車体側としてのダッシュパネル(図示せず)にボルトなどの締結具(図示せず)によって取り付けられる第1取付板部20dが一体に形成されている。この第1取付板部20dの中央部には、締結具が挿通される挿通孔20eが形成されている。第1取付板22は、第1上側延長部20bの車両前側端縁部から車両右側に延びている。第1取付板22の中央部には、締結具が挿通される第1挿通孔22aが形成されている。第1取付板22における車両右側端縁部の上端部には、車両右側に突起する突起部22b(係合部)が一体に形成されている。この突起部22bは略L字形状のものであって、第1取付板22から車両右側に延びた後に下側に延びている。
【0026】
第2分割ブラケット2bは、第2側板21と、この第2側板21における第1取付板22に対応する部分から車両左側(車幅方向の第1側板20側)に延びて第1取付板22の車両前側(車体側)に重ねられた状態でダッシュパネルに第1取付板22とともに締結具によって共締めで取り付けられる第2取付板23とを有している。第2側板21は略L字形状のものであって、支軸3から上側に延びる第2上側延長部21bと、支軸3から車両前側斜め下側に延びる第2下側延長部21cとを有している。第2上側延長部21bは、その上端部に行くに従って先細になり、かつ車両左側(車幅方向内側)に傾斜している。第2下側延長部21cの車両前側端部には、車両左側に延びてダッシュパネルに締結具によって取り付けられる第2取付板部21dが一体に形成されている。この第2取付板部21dの中央部には、締結具が挿通される挿通孔21eが形成されている。第2取付板23は第1取付板22とほぼ同じ大きさのものであって、第2上側延長部21bの車両前側端縁部から車両右側に延びている。第2取付板23の中央部における第1取付板22の第1挿通孔22aに対応する部分には、締結具が挿通される第2挿通孔23aが形成されている。第1及び第2挿通孔22a,23aは、第1及び第2取付板22,23が重ね合わせられた状態において、重なり合っている。
【0027】
第2上側延長部21bにおける突起部22bと対応する部分、具体的には、第2上側延長部21bにおける車両前側縁部の上端部(「第2上側延長部21bと第2取付板23との境界部の上端部」とも言える)には、突起部22bが係合可能な略四角形状の切り欠き21f(被係合部)が形成されている。この切り欠き21fには、操作ペダル1がペダルブラケット2に支軸3を介して支持され、かつペダルブラケット2が車体側に取り付けられる前の仮組み状態(プリアッセンブリ状態)にする際において、突起部22bが係合される。この係合状態における突起部22bは、切り欠き21を通った後に下側に延びて、その先端側の下側部分が切り欠き21fの下側縁部の車両右側(車幅方向外側)に位置している。そして、突起部22b及び切り欠き21fが、仮組み状態において第1及び第2分割ブラケット2a,2bの少なくとも一方が他方(もう一方)とは別に支軸3周りを回転するのを規制する規制手段(即ち、仮組み状態において第1及び第2分割ブラケット2a,2bが支軸3を中心として互いに相対的に回転するのを規制する規制手段)を構成している。本実施形態では、この規制手段は、仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bが車幅方向に相対的に離れるのも規制するようになっている。
【0028】
支軸3は、図1〜図3に示すように、円形状の金属製のピンである。支軸3は、操作ペダル1の支持孔及び筒状部材10の中空部、並びに、ペダルブラケット2の第1及び第2側板20,21の第1及び第2支持孔20a,21aに挿通させた後に、その車幅方向両端部がつぶされてかしめられている。このように、支軸3の車幅方向両端部をかしめることにより、支軸3をペダルブラケット2や操作ペダル1から抜け止めしている。尚、図1は、支軸3の車幅方向両端部がかしめられる前の状態を示している。
【0029】
−操作ペダルのペダルブラケットへの支持方法−
以下、操作ペダル1をペダルブラケット2に支持する方法について説明する。
【0030】
まず、支軸3を操作ペダル1の支持孔及び筒状部材10の中空部に挿通させる。その次に、操作ペダル1を第1分割ブラケット2aの第1側板20と第2分割ブラケット2bの第2側板21との間に配置して、第1分割ブラケット2aの第1取付板22を第2分割ブラケット2bの第2取付板23の車両後側(車体側とは反対側)に重ねた状態で、操作ペダル1の支軸3を第1側板20の第1支持孔20a及び第2側板21の第2支持孔21aに挿通させるととともに、第1取付板22の突起部22bを第2側板21の切り欠き21fに引っ掛けて係合させることにより、操作ペダル1がペダルブラケット2に支軸3を介して支持され、かつこのペダルブラケット2が車体側に取り付けられる前の仮組み状態にする。この仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの少なくとも一方が他方とは別に支軸3周りを回転しようとすると、突起部22bの基端側と切り欠き21fの車両前側縁部又は車両後側縁部とが当接するため、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの少なくとも一方が他方とは別に支軸3周りを回転するのが規制される。尚、仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの両方が一緒に支軸3周りを回転するのは可能である。また、仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bが車幅方向に相対的に離れるようとすると、突起部22bの先端側の下側部分と切り欠き21fの下側縁部とが当接するため、第1及び第2分割ブラケット2a,2bが車幅方向に相対的に離れるのが規制される。
【0031】
その後に、支軸3の車幅方向両端部をつぶしてかしめる。このように、支軸3の車幅方向両端部をかしめると、支軸3がペダルブラケット2や操作ペダル1から抜け止めされて、仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bが車幅方向に相対的に離れるのが規制される。それから、第1及び第2取付板22,23をダッシュパネルに第1及び第2挿通孔22a,23aに挿通された締結具によって共締めで取り付けるとともに、第1及び第2取付板部20d,21dをダッシュパネルに挿通孔20e,21に挿通された締結具によって取り付ける。
【0032】
以上のようにして、操作ペダル1がペダルブラケット2に支軸3を介して支持され、かつこのペダルブラケット2が車体側に取り付けられた本組み状態にする。そして、操作ペダル1は、運転者が踏み込み部11を踏み込むと、支軸3を中心として車両前後方向に回動するようになっている。
【0033】
−効果−
以上により、本実施形態によれば、操作ペダル1がペダルブラケット2に支軸3を介して支持され、かつこのペダルブラケット2が車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの少なくとも一方が他方とは別に支軸3周りを回転するのを規制する規制手段を設けているので、仮組み状態において、分割ブラケット2a,2bが別々に支軸3周りを回転するのを規制することできる。
【0034】
また、第1分割ブラケット2aの第1取付板22及び第2分割ブラケット2bの第2取付板23を重ね合わせた状態で車体側に共締めで取り付けるので、ペダルブラケット2の車体側への取付強度を向上させることができる。
【0035】
また、突起部22b及び切り欠き21fという簡単な構成で、規制手段を具現化することができる。
【0036】
ところで、上述の如く、第1分割ブラケット2aの第1取付板22及び第2分割ブラケット2bの第2取付板23を重ね合わせた状態で車体側に共締めで取り付けるので、第1取付板22の第1挿通孔22a及び第2取付板23の第2挿通孔23aの正確な位置合わせのため、仮組み状態において、第1及び第2取付板22,23が重ね合わされた状態を維持するのが望ましい。
【0037】
ここで、本実施形態によれば、第1分割ブラケット2aの第1取付板22における車幅方向の第2側板21側の端縁部に車幅方向の第2側板21側に突起するように突起部22bを形成するとともに、第2分割ブラケット2bにおける突起部22bに対応する部分に突起部22bが係合可能な切り欠き21fを形成している。そして、仮組み状態にする際に突起部22bが切り欠き21fに係合されることにより、仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの少なくとも一方が他方とは別々に支軸3周りを回転するのを規制している。
【0038】
このように、突起部22bを共締め部分としての第1取付板22自体に形成するとともに、切り欠き21fをそのような第1取付板22の近傍部分に形成しているので、仮組み状態において、第1及び第2取付板22,23が重ね合わされた状態を確実に維持することができる。
【0039】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、ペダルブラケット2を、第1側板20及び第1取付板22を有する第1分割ブラケット2aと、第2側板21及び第2取付板23を有する第2分割ブラケット2bとで構成しているが、ペダルブラケット2を車幅方向に2分割している限り、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの構成は上記のものに限定されない。例えば、第1及び第2取付板22,23からなる共締め部分をなくして、取付板を第1及び第2分割ブラケット2a,2bの一方にのみ形成する構成にしたりしてもよい。但し、ペダルブラケット2の車体側への取付強度を向上させる観点からは、第1側板20及び第1取付板22を有する第1分割ブラケット2aと、第2側板21及び第2取付板23を有する第2分割ブラケット2bとで構成するのが望ましい。
【0040】
また、上記実施形態では、突起部22b及び切り欠き21fが規制手段を構成しているが、操作ペダル1がペダルブラケット2に支軸3を介して支持され、かつこのペダルブラケット2が車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの少なくとも一方が他方とは別に支軸3周りを回転するのを規制することができる限り、規制手段は上記のものに限定されない。例えば、規制手段は、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの一方に形成された係合部と、第1及び第2分割ブラケット2a,2bの他方に形成されて係合部が係合可能な被係合部とを有していて、仮組み状態にする際に係合部が被係合部に係合されることにより、上記規制を行うように構成してもよい。これによれば、係合部及び被係合部という簡単な構成で、規制手段を具現化することができる。
【0041】
また、突起部22bを第1取付板22の車両右側端縁部における上端部以外の部分に形成してもよい。この場合、第2分割ブラケット2bにおける突起部22bに対応する部分に突起部22bが係合可能な孔(被係合部)を形成することになる。
【0042】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0043】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上説明したように、本発明にかかる操作ペダルの支持構造は、操作ペダルがペダルブラケットに支軸を介して支持され、かつこのペダルブラケットが車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、分割ブラケットが別々に支軸周りを回転するのを規制することが必要な用途等に適用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 操作ペダル
2 ペダルブラケット
2a 第1分割ブラケット
2b 第2分割ブラケット
20 第1側板
20a 第1支持孔
21 第2側板
21a 第2支持孔
21f 切り欠き(規制手段、被係合部)
22 第1取付板
22b 突起部(規制手段、係合部)
23 第2取付板
3 支軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに車幅方向に間隔を隔てて車両前後方向に延びる第1及び第2側板を有し、かつ車体側に取り付けられるペダルブラケットにおける上記第1及び第2側板に、車幅方向に延びる支軸を介して揺動自在に支持される操作ペダルの支持構造であって、
上記各側板には、上記支軸が挿通支持される支持孔が形成されており、
上記ペダルブラケットは、上記第1側板側の第1分割ブラケットと上記第2側板側の第2分割ブラケットとに車幅方向に2分割されており、
上記操作ペダルが上記ペダルブラケットに上記支軸を介して支持され、かつ該ペダルブラケットが上記車体側に取り付けられる前の仮組み状態において、上記第1及び第2分割ブラケットの少なくとも一方が他方とは別に上記支軸周りを回転するのを規制する規制手段を備えていることを特徴とする操作ペダルの支持構造。
【請求項2】
請求項1記載の操作ペダルの支持構造において、
上記第1分割ブラケットは、上記第1側板と、該第1側板から車幅方向の上記第2側板側に延びる第1取付板とを有しており、
上記第2分割ブラケットは、上記第2側板と、該第2側板における上記第1取付板に対応する部分から車幅方向の上記第1側板側に延びて上記第1取付板の上記車体側に重ねられた状態で上記車体側に上記第1取付板とともに共締めで取り付けられる第2取付板とを有していることを特徴とする操作ペダルの支持構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の操作ペダルの支持構造において、
上記規制手段は、上記第1及び第2分割ブラケットの一方に形成された係合部と、該第1及び第2分割ブラケットの他方に形成されて上記係合部が係合可能な被係合部とを有していて、上記仮組み状態にする際に上記係合部が上記被係合部に係合されることにより、上記規制を行うように構成されていることを特徴とする操作ペダルの支持構造。
【請求項4】
請求項2記載の操作ペダルの支持構造において、
上記規制手段は、上記第1分割ブラケットの上記第1取付板における車幅方向の上記第2側板側の端縁部に車幅方向の上記第2側板側に突起するように形成された係合部と、上記第2分割ブラケットにおける上記係合部に対応する部分に形成されて該係合部が係合可能な切り欠き又は孔からなる被係合部とを有していて、上記仮組み状態にする際に上記係合部が上記被係合部に係合されることにより、上記規制を行うように構成されていることを特徴とする操作ペダルの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−39583(P2011−39583A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183490(P2009−183490)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(506132544)株式会社オートテクニカ (21)
【Fターム(参考)】