説明

操作入力装置及びその制御方法

【課題】入力スイッチの視認性、操作性に優れた操作入力装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】入力位置が透光部により表示されてなる複数の入力スイッチ12と、この各入力スイッチ12をそれぞれ個別に照明する複数の発光素子であるLED15と、入力位置が透光部により表示され、オン又はオフ操作により装置全般の消灯または点灯を行なう電源スイッチとしての電源消灯/点灯スイッチ50と、この電源消灯/点灯スイッチ50の操作に基づいて、複数のLED15を電源消灯/点灯スイッチ50を基準にして順次点灯又は消灯制御を行なう点灯消灯制御手段と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力装置及びその制御方法に関し、特に入力スイッチの視認性、操作性を向上させた車両に適用可能な操作入力装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転席の中央部付近に配置されたセンタークラスタには、例えばカーナビゲーション、オーディオやエアコンディショナ等の各種の車載機器を操作するための操作入力装置が設けられている。この操作入力装置は、各種車載機器に対応したスイッチ操作面を有するタッチスイッチパネルをセンタークラスタの意匠パネルとして備えており、乗員(操作者)がタッチスイッチパネルをタッチ操作することで、各種車載機器の動作設定を行うようになっている。
【0003】
この操作入力装置には、乗員によりタッチ操作された際にタッチスイッチパネルの背面側を照らしてスイッチ操作面の視認性を高める照明装置(バックライト)が設けられている。乗員がタッチスイッチパネルを操作しないと、照明装置が消灯してスイッチ操作面が消えたブラックアウトのままの状態に維持されており、スイッチ操作面を見えにくくすることでセンタークラスタの意匠性を高めている。
【0004】
この種のタッチセンサ式操作入力装置にあっては、複数のスイッチ操作面のうち、選択しようとするスイッチ操作面を操作者により直接目視して確認することが必要である。しかし、操作者がスイッチ操作面をタッチ操作しなければ、タッチスイッチパネルは、複数のスイッチ操作面が表示されないブラックアウトのままの状態に維持されるので、操作者のタッチ操作時にタッチスイッチパネルのどの位置をタッチ操作したらよいのかを把握しにくい。
【0005】
一方、スイッチ操作面に操作者の手指が近づくと、バックライトが第1のパターンで点灯され、タッチパネル(意匠パネル)の表面に光透過パターンを浮かび上がらせ、その浮かび上がった部分に操作者の手指が接触すると、第2のパターンで点灯され、光透過パターンの輝度、色等を変化させる静電容量式スイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−128019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、仮に、車両の運転席の中央部付近に配置されたセンタークラスタに上記特許文献1記載の静電容量式スイッチ装置を使用した場合でも、ブラックアウトのままの状態のどこをタッチすれば操作入力装置の表示がなされるのかわかりにくく、入力スイッチの視認性、操作性を高いものにしたいという要望があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、入力スイッチの視認性、操作性に優れた操作入力装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]上記目的を達成するため本発明に係る操作入力装置は、入力位置が透光部により表示されてなる複数の入力スイッチと、前記各入力スイッチをそれぞれ個別に照明する複数の発光素子と、入力位置が透光部により表示され、オン又はオフ操作により装置全般の消灯または点灯を行なう電源スイッチと、前記電源スイッチの操作に基づいて、前記複数の発光素子を前記電源スイッチを基準にして順次点灯又は消灯制御を行なう点灯消灯制御手段と、を有することを特徴とする操作入力装置を提供する。
【0010】
[2]前記電源スイッチは、装置全般の消灯時においても、前記入力位置が点滅していることを特徴とする上記[1]に記載の操作入力装置であってもよい。
【0011】
[3]また、前記点灯消灯制御手段は、前記電源スイッチがオンされた時に、前記複数の発光素子を前記電源スイッチから近い順に順次点灯する制御を行なうことを特徴とする上記[1]に記載の操作入力装置であってもよい。
【0012】
[4]また、前記点灯消灯制御手段は、前記電源スイッチがオフされた時に、前記複数の発光素子を前記電源スイッチから遠い順に順次消灯する制御を行なうことを特徴とする上記[1]に記載の操作入力装置であってもよい。
【0013】
[5]上記目的を達成するため本発明に係る操作入力装置は、入力位置が透光部により表示され、オン又はオフ操作により装置全般の消灯または点灯を行なう電源スイッチのオン又はオフ操作を判断する判断ステップと、前記電源スイッチのオン又はオフ操作を判断するステップの判断結果に基づいて、入力位置が透光部により表示されてなる複数の入力スイッチをそれぞれ個別に照明する複数の発光素子を前記電源スイッチを基準にして順次点灯又は消灯制御を行なう点灯消灯制御ステップと、を有することを特徴とする操作入力装置の制御方法を提供する。
【0014】
[6]前記点灯消灯制御ステップは、前記電源スイッチがオン操作されたと判断された場合に、前記複数の発光素子を前記電源スイッチから近い順に順次点灯する制御を行なうことを特徴とする上記[5]に記載の操作入力装置の制御方法であってもよい。
【0015】
[7]また、前記点灯消灯制御ステップは、前記電源スイッチがオフ操作されたと判断された場合に、前記複数の発光素子を前記電源スイッチから遠い順に順次消灯する制御を行なうことを特徴とする上記[5]に記載の操作入力装置の制御方法であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の操作入力装置によれば、入力スイッチの視認性、操作性に優れた操作入力装置及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、車両の前部座席前方部の全体構成を例示する図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態による操作入力装置のシステム構成を示す図である。
【図3】図3は、操作入力パネルユニットを横からみた場合の図1におけるA−A断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態による操作入力ECUの構成を示すブロック図である。
【図5】図5(a)は、操作入力パネルユニットがスリープモード、待機モードの状態の場合での表示例を示し、図5(b)は、電源消灯/点灯スイッチがオンされた状態の場合での表示例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態による操作入力装置で電源消灯/点灯スイッチがオンされたときの動作フローを示すフローチャートである。
【図7】図7(a)〜(d)は、本発明の実施の形態による操作入力装置で電源消灯/点灯スイッチがオンされたときの操作入力パネルユニットの表示状態を順次示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態による操作入力装置で電源消灯/点灯スイッチがオフされたときの動作フローを示すフローチャートである。
【図9】図9(a)〜(d)は、本発明の実施の形態による操作入力装置で電源消灯/点灯スイッチがオフされたときの操作入力パネルユニットの表示状態を順次示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る操作入力装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(車両の前部座席前方部の構成)
図1は、車両において運転席がある前部座席の前方部の全体構成を例示する図である。車両1の前部座席の前方部には、計器類や助手席用エアバックなどが装着された合成樹脂製のインストルメントパネル2が車幅方向に配置されている。このインストルメントパネル2の中央部付近にはセンタークラスタ3が配置されている。このセンタークラスタ3の意匠面側に、選択メニュー等の各種画像を表示可能なディスプレイ4が設けられている。センタークラスタ3のディスプレイ4の周辺部には、本発明の操作入力装置の実施の形態である操作入力パネルユニット10が設けられている。
【0020】
(操作入力装置7の構成)
図2は、本発明の実施の形態による操作入力装置7のシステム構成を示す図である。本実施の形態による操作入力装置7は、操作入力パネルユニット10と、操作入力パネルユニット10を制御する操作入力電子制御装置(以下、「操作入力ECU20」という。)とを備えている。図2に示されるように、操作入力パネルユニット10と操作入力ECU20は、LIN、CAN等の車内LAN31を介して操作入力対象機器としてのエアコン装置32、カーナビゲーション装置33及びオーディオ装置34等の種々の車載機器が通信可能に接続されている。
【0021】
図3は、操作入力パネルユニット10を横からみた場合の図1におけるA−A断面図である。操作入力パネルユニット10は、操作表示パネル13と、タッチセンサシート14と、発光ダイオード基板(以下、「LED基板16」という。)とを備えている。
【0022】
操作表示パネル13は、例えばアクリル系又はポリカーボネート系の透明な樹脂材料により板状に形成される。そして、タッチ方式の入力スイッチ12の操作面を構成するスイッチ操作面12aが、所定箇所に複数形成されている。
【0023】
このスイッチ操作面12aには、使用者へ操作位置を示す目印として、操作入力に対応する例えばエアコン装置32、カーナビゲーション装置33、オーディオ装置34等の文字、記号又は絵柄等を縁取った中抜き部分が光を透過又は拡散させる半透明の光透部として形成されている。操作表示パネル13において、これらの文字等を中抜きした透光部を除く面領域に遮光性(概ね黒)のシルク印刷が施されている。
【0024】
なお、遮光性の面領域をシルク印刷でなく、スイッチ操作面12aの文字等を半透明に中抜きしたブラックフィルムシートを、操作表示パネル13の背面に貼り付けてもよい。また、入力位置を示す透光部の表面に蛍光剤を塗布し又は透光部内に混入してもよい。
【0025】
タッチセンサシート14は、透明なフィルムシートに例えばITO(インジウム錫酸化物)等の透明電極18が所定のパターンで形成される。タッチセンサシート14は、操作表示パネル13の各スイッチ操作面12aの部分と、タッチセンサシート14の各透明電極が一致するように、操作表示パネル13の背面に貼り付けられる。
【0026】
タッチセンサシート14は、操作入力パネルユニット10を介した使用者による操作入力を検出するための静電容量式の入力スイッチ12を構成する。つまり、使用者が操作表示パネル13のスイッチ操作面12aに指を近づけるか又は触れると、その背後に位置するタッチセンサシート14の透明電極18の静電容量が変化する。この特性を利用して後述する操作入力ECU20のタッチセンサ検出回路22が透明電極の静電容量の変化を検出することで、当該入力スイッチ12に操作入力がされたと判断される。
【0027】
なお、操作入力パネルユニット10の入力スイッチ12としては、静電容量式以外にも、例えば感圧式のタッチセンサを各スイッチ操作面12aに対応させて操作表示パネル13の前面に配置されるものでもよい。
【0028】
LED基板16には、入力スイッチ12の各スイッチ操作面12aに個別に対応する複数の発光素子としてのLED15が実装されている。図3に示されるように、LED基板16は、操作表示パネル13の背後に設けられ、各LED15が、その直前のスイッチ操作面12aの透光部(中抜き文字等)を照明するように配置される。また、図3に示すように、隣接するスイッチ操作面12aに照明光が漏れないようにするための仕切板17を各LED15の間に設ける構成としてもよい。
【0029】
LED15が点灯又は点滅することにより、対応するスイッチ操作面12aの透光部を光が通過して外部に放射され、入力スイッチ12への操作入力が可能な状態であることを使用者に認識させる。また、使用者が操作入力対象機器であるエアコン装置32やオーディオ装置34等を使用していないとき(メイン電源が切られている等の状態)には、機能していない機器に対応する入力スイッチ12のLED15を消灯することで、操作の目印となる文字等がブラックアウトする。これにより、メイン電源が切られ機能していない機器等への操作を選択肢から外すことができる。
【0030】
一方、図2に示されるように、操作入力パネルユニット10の上部に設けられた電源消灯/点灯スイッチ50は、LED基板56に電源消灯/点灯スイッチ50のスイッチ操作面に対応する発光素子としてのLED55が実装されている。この電源消灯/点灯スイッチ50は、オン又はオフ操作により装置全般の消灯または点灯を行なう電源スイッチとして機能する。すべての入力スイッチ12が消灯状態で操作の目印となる文字等がブラックアウトの状態であっても、電源消灯/点灯スイッチ50は点滅し、明るさが所定の周期で明減している。すなわち、操作入力パネルユニット10がスリープモード、待機モードの状態であることを点滅動作で知らせる。また、すべての入力スイッチ12が消灯状態となり操作の目印となる文字等がブラックアウト状態であっても、電源消灯/点灯スイッチ50が点滅動作を行なうことにより、操作すべき位置が明確になる。
【0031】
すべての入力スイッチ12が点灯状態となっている場合には、電源消灯/点灯スイッチ50は、点灯状態が維持される。この点灯状態での電源消灯/点灯スイッチ50に対してタッチ等のスイッチ操作を行なうことにより、すべての入力スイッチ12を消灯状態にしてスリープモード、待機モードの状態にすることができる。尚、入力スイッチ12のスイッチ操作が何らなされずに一定の時間が経過することにより、すべての入力スイッチ12を消灯状態にしてスリープモード、待機モードの状態にすることもできる。
【0032】
次に、図4は、操作入力ECU20の構成を示すブロック図である。操作入力ECU20は、CPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータ(マイコン)21を備えている。マイクロコンピュータ21は、その周辺回路であるタッチセンサ検出回路22,23からの出力信号を随時受け付けるとともに、LED駆動回路24、LAN制御回路25等に対する制御動作を実行する。
【0033】
タッチセンサ検出回路22には、操作入力パネルユニット10に設けられているタッチセンサシート14が接続されている。タッチセンサ検出回路22は、タッチセンサシート14の透明電極18の静電容量の変化を検出することで、当該透明電極18に対応するスイッチ操作面12a、あるいは、電源消灯/点灯スイッチ50のスイッチ操作面50aへの操作入力を検知する。もう一つのタッチセンサ検出回路23には、ディスプレイ4に設けられているタッチセンサ41が接続されている。このタッチセンサ検出回路23は、ディスプレイ4のタッチセンサ41からの出力に基づいて、使用者がディスプレイ4の画面に対して入力した操作位置の座標を検出する。
【0034】
また、操作入力ECU20には、ディスプレイ4への画像表示制御を行う画像表示制御回路30が備えられている。この画像表示制御回路30は、操作入力ECU20のマイクロコンピュータ21等と同一の基板に装備されるが、画像表示制御回路30を例えばディスプレイ4内に組み込み、操作入力ECU20と一体として用いられるものとして構成されるものでもよい。
【0035】
LED駆動回路24は、マイクロコンピュータ21からの指示命令に応じて、電源消灯/点灯スイッチ50の制御と複数の入力スイッチ12の点灯順序を制御する。すなわち、LED55の点滅状態、点灯状態を制御すると共に、LED15の点灯順序を電源消灯/点灯スイッチ50のスイッチ操作に基づいて制御する。また、上記のLED15の点灯順序と共に、点灯輝度を点灯順序に応じて制御することもできる。
【0036】
画像表示制御回路30は、画像プロセッサ26と、画像データ記憶部27と、画像表示RAM28と、画像表示駆動部29とを備えている。画像プロセッサ26は、マイクロコンピュータ21からの指示命令に応じて、画像データ記憶部27からその指示に基づく選択メニュー等の画像データを読み取る。または、マイクロコンピュータ21からの指示命令に応じて、カーナビゲーション装置33等の外部機器からディスプレイ4に表示すべき画像データを受け取る。そして、必要に応じて画像データを解凍または復調処理して、ディスプレイ4の画面ピクセル毎にアドレスが対応付けられた画像表示RAM28にその読み取った画像データを書き込む。画像表示RAM28に画像データが書き込まれると、画像表示駆動部29がその画像データをビデオ信号に変調し、またはデジタル信号に変換してディスプレイ4にそのデータを転送する。これにより、画像信号に基づく選択メニュー画像やコンテンツ画像がディスプレイ4に表示される。尚、ディスプレイ4は、電源消灯/点灯スイッチ50のオン操作によって初期画面が表示されるように設定することができる。この初期画面は、予め設定しておくこともでき、また、電源消灯/点灯スイッチ50がオフ操作されたときの画面を次に立ち上げるときの初期画面とすることもできる。
【0037】
(電源消灯/点灯スイッチ50のオン操作による入力スイッチ12の順次点灯動作)
図5(a)は、操作入力パネルユニットがスリープモード、待機モードの状態の場合での表示例を示し、図5(b)は、電源消灯/点灯スイッチがオンされた状態の場合での表示例を示す図である。
【0038】
図5(a)に示す操作入力パネルユニット10がスリープモード、あるいは、待機モードの状態では、電源消灯/点灯スイッチ50が点滅状態、ディスプレイ4が無表示の状態であると共に、操作表示パネル13の各入力スイッチ12の部分はそれぞれのLED15が消灯されているので黒状態であり、操作表示パネル13がいわゆるブラックアウト状態となっている。一方、図5(b)に示す操作入力パネルユニット10がオンの状態では、電源消灯/点灯スイッチ50が点灯状態、ディスプレイ4に所定の画面表示がされていると共に、すべての入力スイッチ12が点灯されているので黒い背景に各スイッチ操作面12aの透光部(中抜き文字等)がそれぞれのLED15により透過照明される。
【0039】
図6は、本発明の実施の形態による操作入力装置で電源消灯/点灯スイッチがオンされたときの動作フローを示すフローチャートである。以下、このフローチャートの従って、電源消灯/点灯スイッチがオンされたときの動作を説明する。
【0040】
(Step01)
スタート状態では、図7(a)に示すように、電源消灯/点灯スイッチ50は点滅状態である。マイクロコンピュータ21は、まず、電源消灯/点灯スイッチ50がオンされたかどうかを判断する。すなわち、図4で示すタッチセンサ検出回路22で電源消灯/点灯スイッチ50のスイッチ操作面50aに対応した透明電極18の静電容量の変化を検出してオンされたかどうかを判断する。オンされたと判断した場合は、次のStep02へ進み、オンされたと判断されない場合はStep01の判断を繰り返して行なう。
【0041】
(Step02)
マイクロコンピュータ21は、LED駆動回路24を介して、図7(b)、(c)、(d)に示すように、入力スイッチ12を上から下へ順次点灯させる。すなわち、図7(a)に示すブラックアウトの状態から、図7(b)に示すように、最上段の「現在地」と「エアコン」の表示を点灯させる。次に、図7(c)に示すように、2段目の「目的地」と「オーディオ」の表示を点灯させ、順次上から点灯させて、図7(d)に示すように、すべての表示を点灯させる。このように、各入力スイッチ12に対応したLED15を上から下へ順次点灯させて、選択項目を上から下へ順次点灯させる。この点灯制御により、電源消灯/点灯スイッチ50から出て行くような印象をユーザに与えることができる。
【0042】
(Step03)
マイクロコンピュータ21は、すべてのLED15が点灯したかどうかを判断する。すべてのLED15が点灯したと判断された場合は、次のStep04へ進み、点灯したと判断されない場合はStep02へ戻って点灯動作を繰り返して行なう。
【0043】
(Step04)
電源消灯/点灯スイッチ50を点滅状態から点灯状態にする。
【0044】
(Step05)
ディスプレイ4にメニュー等が画面表示される。表示される画面は初期画面であり、これを予め設定しておくこともでき、また、電源消灯/点灯スイッチ50がオフ操作されたときの画面を次に立ち上げるときの初期画面とすることもできる。尚、Step04とStep05の制御順序は逆であってもよく、また、同時であってもよい。
【0045】
以上により、電源消灯/点灯スイッチ50がオンされることにより、操作入力パネルユニット10がブラックアウト状態から操作時の通常画面表示に移行する一連の動作フローが終了する。
【0046】
(電源消灯/点灯スイッチ50のオフ操作による入力スイッチ12の順次消灯動作)
図8は、本発明の実施の形態による操作入力装置で電源消灯/点灯スイッチがオフされたときの動作フローを示すフローチャートである。
【0047】
(Step11)
スタート状態では、図9(a)に示すように、電源消灯/点灯スイッチ50は点灯状態である。マイクロコンピュータ21は、まず、電源消灯/点灯スイッチ50がオフされたかどうかを判断する。すなわち、図4で示すタッチセンサ検出回路22で電源消灯/点灯スイッチ50のスイッチ操作面50aに対応した透明電極18の静電容量の変化を検出してオフされたかどうかを判断する。オフされたと判断した場合は、次のStep12へ進み、オフされたと判断されない場合はStep11の判断を繰り返して行なう。
【0048】
(Step12)
マイクロコンピュータ21は、LED駆動回路24を介して、図9(b)、(c)、(d)に示すように、入力スイッチ12を下から上へ順次消灯させる。すなわち、図9(a)に示すすべての表示が点灯した状態から、図9(b)に示すように、最下段の表示を消灯させる。次に、図9(c)に示すように、下から2段目の「画質・消」と「メニュー」の表示を消灯させ、順次下から消灯させて、図9(d)に示すように、すべての表示を消灯させる。このように、各入力スイッチ12に対応したLED15を下から上へ順次消灯させて、選択項目を下から上へ順次消灯させる。この消灯制御により、電源消灯/点灯スイッチ50へ収容されるような印象をユーザに与えることができる。
【0049】
(Step13)
マイクロコンピュータ21は、すべてのLED15が消灯したかどうかを判断する。すべてのLED15が消灯したと判断された場合は、次のStep14へ進み、消灯したと判断されない場合はStep12へ戻って消灯動作を繰り返して行なう。
【0050】
(Step14)
電源消灯/点灯スイッチ50を点灯状態から点滅状態にする。
【0051】
(Step15)
ディスプレイ4の表示をオフにする。尚、Step14とStep15の制御順序は逆であってもよく、また、同時であってもよい。
【0052】
以上により、電源消灯/点灯スイッチ50がオフされることにより、操作入力パネルユニット10が操作時の通常画面表示からブラックアウト状態に移行する一連の動作フローが終了する。
【0053】
(操作入力装置による効果)
以上説明した本実施の形態の操作入力装置は、操作入力パネルユニット10の上部に設けられ、オン又はオフ操作により装置全般の消灯または点灯を行なう電源スイッチとして機能する電源消灯/点灯スイッチ50を有している。そして、この電源消灯/点灯スイッチ50は、すべての入力スイッチ12が消灯状態で操作の目印となる文字等がブラックアウトの状態であっても、電源消灯/点灯スイッチ50は点滅し、明るさが所定の周期で明減している。従って、操作入力パネルユニット10がスリープモード、あるいは、待機モードの状態であることを点滅動作で報知すると共に、すべての入力スイッチ12が消灯状態となり操作の目印となる文字等がブラックアウトの状態であっても、電源オン時の操作すべき位置が明確になるという効果を有する。
【0054】
また、本実施の形態の操作入力装置によれば、電源消灯/点灯スイッチ50のオン操作により、操作表示パネル13がいわゆるブラックアウト状態から、入力スイッチ12が上から下へ順次点灯される。すなわち、各入力スイッチ12に対応したLED15が上から下へ順次点灯される点灯制御により、電源消灯/点灯スイッチ50から出て行くような印象をユーザに与えることができる。これにより、電源オンの操作が、視覚的に認知しすいという効果を有する。また、電源消灯/点灯スイッチ50のオフ操作により、入力スイッチ12が下から上へ順次消灯され操作表示パネル13がいわゆるブラックアウト状態になる。すなわち、各入力スイッチ12に対応したLED15が下から上へ順次消灯される点灯制御により、電源消灯/点灯スイッチ50に収容されるような印象をユーザに与えることができる。これにより、電源オフの操作が、視覚的に認知しすいという効果を有する。
【0055】
以上、本発明に好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で種々の変形、応用が可能である。例えば、電源消灯/点灯スイッチ50のオフ操作による入力スイッチ12の順次消灯動作において、マイクロコンピュータ21は、まず、電源消灯/点灯スイッチ50がオフされたかどうかを判断するとしたが、所定の時間を経過しても操作表示パネル13への操作が何らなされない場合に、入力スイッチ12の順次消灯動作を行なうフローにする構成にしてもよい。また、電源消灯/点灯スイッチ50は、装置全般の消灯時においても入力位置が点滅しているとしたが、所定の輝度で点灯されている構成とすることもできる。また、STEP05、STEP15でディスプレイ4の画面表示を電源消灯/点灯スイッチ50に連動させて表示制御しているが、ディスプレイ4の画面表示は電源消灯/点灯スイッチ50から独立した制御とすることができる。
【符号の説明】
【0056】
1…車両、2…インストルメントパネル、3…センタークラスタ、4…ディスプレイ、5…ステアリングホイール、7…操作入力装置
10…操作入力パネルユニット、12…入力スイッチ、12a…スイッチ操作面、13…操作表示パネル、14…タッチセンサシート、15…LED、16…LED基板、17…仕切板、18…透明電極
20…操作入力ECU、21…マイクロコンピュータ、22,23…タッチセンサ検出回路、24…LED駆動回路、25…LAN制御回路、26…画像プロセッサ、27…画像データ記憶部、28…画像表示RAM、29…表示駆動回路
30…画像表示制御回路、
31…車内LAN、32…エアコン装置、33…カーナビゲーション装置、34…オーディオ装置、
41…タッチセンサ、
50…電源消灯/点灯スイッチ、50a…スイッチ操作面、55…LED、56…LED基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力位置が透光部により表示されてなる複数の入力スイッチと、
前記各入力スイッチをそれぞれ個別に照明する複数の発光素子と、
入力位置が透光部により表示され、オン又はオフ操作により装置全般の消灯または点灯を行なう電源スイッチと、
前記電源スイッチの操作に基づいて、前記複数の発光素子を前記電源スイッチを基準にして順次点灯又は消灯制御を行なう点灯消灯制御手段と、
を有することを特徴とする操作入力装置。
【請求項2】
前記電源スイッチは、装置全般の消灯時においても、前記入力位置が点滅していることを特徴とする請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項3】
前記点灯消灯制御手段は、前記電源スイッチがオンされた時に、前記複数の発光素子を前記電源スイッチから近い順に順次点灯する制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項4】
前記点灯消灯制御手段は、前記電源スイッチがオフされた時に、前記複数の発光素子を前記電源スイッチから遠い順に順次消灯する制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項5】
入力位置が透光部により表示され、オン又はオフ操作により装置全般の消灯または点灯を行なう電源スイッチのオン又はオフ操作を判断する判断ステップと、
前記電源スイッチのオン又はオフ操作を判断するステップの判断結果に基づいて、入力位置が透光部により表示されてなる複数の入力スイッチをそれぞれ個別に照明する複数の発光素子を前記電源スイッチを基準にして順次点灯又は消灯制御を行なう点灯消灯制御ステップと、
を有することを特徴とする操作入力装置の制御方法。
【請求項6】
前記点灯消灯制御ステップは、前記電源スイッチがオン操作されたと判断された場合に、前記複数の発光素子を前記電源スイッチから近い順に順次点灯する制御を行なうことを特徴とする請求項5に記載の操作入力装置の制御方法。
【請求項7】
前記点灯消灯制御ステップは、前記電源スイッチがオフ操作されたと判断された場合に、前記複数の発光素子を前記電源スイッチから遠い順に順次消灯する制御を行なうことを特徴とする請求項5に記載の操作入力装置の制御方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−18465(P2012−18465A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153968(P2010−153968)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】