説明

操作支援装置、移動体情報通信端末、撮影装置及び情報処理装置

【課題】操作者が直感的に操作対象物を所望の姿勢に修正する操作を支援できる操作支援装置、並びに、その操作支援装置を備えた移動体情報通信端末、撮影装置及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】操作対象物の姿勢情報を検出する姿勢情報検出手段と、姿勢情報検出手段により検出された姿勢情報と予め設定された目標姿勢情報との差を触覚情報に変換する情報変換手段と、情報変換手段により変換された触覚情報を、操作対象物を操作する操作体に伝達する触覚情報伝達手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作対象物に対して操作者が行う操作を支援する操作支援装置、並びに、その操作支援装置を備えた移動体情報通信端末、撮影装置及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、操作者が保持して操作する操作対象物である携帯電話やデジタルカメラなどの携帯端末においては、操作者が携帯端末に対して行う操作を支援する情報を、携帯端末から操作者に提示するものが知られている(特許文献1など)。例えば、携帯端末の姿勢情報を操作者に提示して、携帯端末の姿勢を所望の姿勢に修正する操作を操作者が行う際に、携帯端末の姿勢情報として、携帯端末の所望の姿勢に対する傾き度合を画面上に表示するものや、携帯端末の姿勢が所望の姿勢になると音を発して操作者に知らせるものなどがある。これらは、携帯端末の姿勢情報を、操作者の感覚のうち聴覚あるいは視覚の情報に変換して、携帯端末から操作者に提示し、操作者による携帯端末の姿勢を所望の姿勢に修正する操作を支援している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、操作者が携帯端末の画面を見ることができなかったり、携帯端末から発せられる音が周囲の騒音にかき消されたりすると、聴覚情報や視覚情報に基づいて操作者は携帯端末の姿勢を把握することが困難となる。そのため、携帯端末から操作者に提示された視覚情報や聴覚情報に基づいて、操作者が直感的に携帯端末を所望の姿勢に修正する操作を行えなくなるといった問題が生じる。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、操作者が直感的に操作対象物を所望の姿勢に修正する操作を支援できる操作支援装置、並びに、その操作支援装置を備えた移動体情報通信端末、撮影装置及び情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、操作対象物の姿勢情報を検出する姿勢情報検出手段と、前記姿勢情報検出手段により検出された前記姿勢情報と予め設定された目標姿勢情報との差を触覚情報に変換する情報変換手段と、前記情報変換手段により変換された前記触覚情報を、前記操作対象物を操作する操作体に伝達する触覚情報伝達手段とを備えることを特徴とするものである。
【0006】
本発明においては、姿勢情報検出手段によって検出された操作対象物の姿勢情報を情報変換手段で触覚情報に変換し、その触覚情報を触覚情報伝達手段により操作体に提示する。これにより、操作対象物の姿勢情報を操作者の感覚のうち触覚の情報として操作対象物に接している操作体に提示し、操作者による操作対象物の姿勢を所望の姿勢に修正する操作を支援することができる。よって、操作者の感覚のうち視覚あるいは聴覚の情報を用いて操作対象物の姿勢情報を提示する場合よりも、操作者は触覚情報伝達手段から操作体に提示された触覚情報に基づいて直感的に操作対象物の姿勢を所定の姿勢に修正する操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0007】
以上、本発明によれば、操作者が直感的に操作対象物を所望の姿勢に修正する操作を支援できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】操作支援装置の制御にかかるブロック図。
【図2】各種機器への触覚情報伝達手段の搭載例を示す図。
【図3】操作対象物の内部構成の一例を示す図。
【図4】コントローラの内部構成の一例を示す図。
【図5】プロセッサ内部の処理例を示す図。
【図6】(a)デジタルカメラの姿勢の説明図、(b)スマートフォンの姿勢の説明図、(c)ビデオカメラの姿勢の説明図。
【図7】操作対象物の操作支援制御に係る全体のフローを示す図。
【図8】プロセッサ内部の処理例を示す図。
【図9】操作対象物の操作支援制御に係る全体のフローを示す図。
【図10】プロセッサ内部の処理例を示す図。
【図11】操作対象物の操作支援制御に係る全体のフローを示す図。
【図12】(a)感度を弱めた触覚情報変換関数の例を示す図、(b)感度をより弱めた触覚情報変換関数の例を示す図、(c)感度を強めた触覚情報変換関数の例を示す図、(d)感度を強めた触覚情報変換関数の例を示す図、(e)感度を弱めた触覚情報変換関数の例を示す図。
【図13】時系列の目標位置姿勢にあるビデオカメラの説明図。
【図14】(a)法線方向の力による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段の例を示す図、(b)接線方向の力による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段の例を示す図、(c)接線方向の力による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段の例を示す図、(d)接線方向の力による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段の例を示す図。
【図15】振動刺激による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段の例を示す図。
【図16】電気刺激による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段の例を示す図。
【図17】(a)触覚情報伝達手段の接触部がスマートフォンのタッチパネルの一部である場合の説明図、(b)触覚情報伝達手段の接触部がパッド型パーソナルコンピュータのタッチパネルの一部である場合の説明図。
【図18】タッチパネルの内部断面構造を示す断面図。
【図19】触覚情報伝達手段の可動部がデジタルカメラのシャッターボタンである場合の説明図。
【図20】筐体から一部が外部に突出したシャッターボタンの周辺のデジタルカメラの内部断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に操作支援装置の制御にかかるブロック図を示す。
操作対象物101は、操作者107が保持して操作可能な携帯端末である。姿勢情報検出手段102は、操作対象物101の姿勢情報を検出し、姿勢情報を出力する機能をもつ。情報変換手段103は、姿勢情報検出手段102によって検出された姿勢情報と予め設定された目標姿勢情報100との差を、触覚情報106に変換する機能をもつ。触覚情報伝達手段104は、情報変換手段103によって変換された触覚情報106を操作者107の指先109に伝達して作用させる機能をもつ。
【0010】
操作対象物101としては、例えば、携帯型の撮像装置であるデジタルカメラ、移動体情報通信端末である携帯電話やスマートフォン、及び、携帯型の情報処理装置であるラップトップ型パーソナルコンピュータやパッド型パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0011】
操作者107は、指先109に与えられた触覚情報を元に、上肢108で支持及び把持している操作対象物101に対して操作出力105をおこなう。
【0012】
なお、図中の指先109は、操作者107の手の触覚受容器が存在する部位であって手のひらなどでも良い。また、上肢108は、操作者107の腕、肘、肩、手首、指関節などであって、さらに可動させることができる部位であれば身体のどこでも良い。
【0013】
姿勢情報検出手段102としては、例えば、慣性センサを用いることができる。これにより、環境とは独立に操作対象物101を非接地、非拘束の状態で操作対象物101の動きを検出することができる。
【0014】
慣性センサとしては、平行な面内で互いに直交するX軸方向及びY軸方向に向かう加速度を検出するための2軸のセンサや、平行な面内で互いに直交するX軸方向及びY軸方向に向かう加速度と、その面の法線方向であるZ軸方向に向かう加速度とを検出する3軸のセンサなどである加速度センサを用いることができる。加速度センサを用いることにより、重力加速度の各軸での成分から操作対象物101の姿勢を算出することができる。
【0015】
また、慣性センサとしては、ジャイロセンサに代表される角速度センサを用いても良い。これにより、基準姿勢と時間積分とにより操作対象物101の姿勢を算出することができる。
【0016】
姿勢情報検出手段102の他の例としては、磁界の存在する環境で、X軸、Y軸からなる2次元座標上における磁界の強度を検知したり、X軸、Y軸、Z軸からなる3次元座標上における磁界の強度を検知したりする磁気センサを用いても良い。この場合、磁気マーカなどを環境に設置しても良いし、地磁気を利用した地磁気センサを用いても良い。これにより、磁気センサによって検知された各軸の磁界の強さから操作対象物101の姿勢を算出することができる。
【0017】
姿勢情報検出手段102のさらに他の例としては、画像センサを用いても良い。操作対象物101あるいは環境に画像センサを設置し、得られた画像データを画像処理することにより操作対象物101の姿勢を算出することができる。
【0018】
触覚情報伝達手段104は、図2に示すように各種携帯端末(携帯電話30、スマートフォン40、デジタルカメラ50、ラップトップ型パーソナルコンピュータ60、パッド型パーソナルコンピュータ70)の操作者107の指先109が接触し得る所定のスペース(図中斜線部など)にモジュール化されて配置されたり埋め込まれたりして搭載される。
【0019】
図3に操作対象物101の内部構成の一例を示す。
姿勢情報検出手段102は姿勢センサ202であり、情報変換手段103はコントローラ203であり、触覚情報伝達手段104はアクチュエータ204である。
【0020】
図4は、コントローラ203の内部構成の一例を示す図である。図4に示すようにコントローラ203内には、センサ信号をデジタル化するA/D変換部301、情報処理をおこなうプロセッサ302、計算結果をアナログ化するD/A変換部303、アクチュエータ204を駆動する回路であるアクチュエータドライバ304が設けられている。
【0021】
A/D変換部301は姿勢センサ202のアナログ出力信号をデジタル変換する機能をもつ。プロセッサ302は、変換されたセンサ信号と、予め設定された目標姿勢情報との差を計算し、触覚情報に変換する演算処理をおこなう機能をもつ。D/A変換部303は触覚情報をアナログ信号に変換する機能をもつ。アクチュエータドライバ304は、前記アナログ信号を指令値としてアクチュエータ204を駆動する機能をもつ。
【0022】
プロセッサ302の内部で行われる処理について、図5を用いて説明する。プロセッサ302には、姿勢算出部401と触覚情報変換部402とが設けられている。姿勢算出部401は、姿勢センサ202のセンサ信号から姿勢情報(ロール、ピッチ、ヨーなどの角度)を算出する機能をもつ。また、触覚情報変換部402は、姿勢算出部401で算出された操作対象物101の姿勢情報と目標姿勢情報100との差を触覚情報に変換する機能をもつ。
【0023】
図6(a)はデジタルカメラ50の姿勢の説明図であり、図6(b)はスマートフォン40の姿勢の説明図であり、図6(b)はビデオカメラ500の姿勢の説明図である。姿勢算出部401は、A/D変換部301によりデジタル化されたセンサ信号から操作対象物の姿勢情報を算出する。算出する操作対象物の姿勢情報としては、例えば、図6(a)や図6(b)や図6(c)に示すように直交した3軸の物理量から操作対象物101であるデジタルカメラ50やスマートフォン40やビデオカメラ500のロール角、ピッチ角、ヨー角などの角度である。
【0024】
操作対象物101の姿勢情報としては、ロール角とピッチ角とヨー角とのいずれかの少なくとも一つの角度から求めることができるが、ここでは操作対象物101の姿勢情報としてロール角に着目した場合について説明する。姿勢算出部401で算出したロール角をθIN、目標姿勢をθ、その差をΔθ=θIN−θとし、触覚情報変換部402でΔθに対して所定の触覚情報変換関数f(Δθ)を用いた変換をほどこして触覚情報xを得る。そして、この触覚情報xを元にプロセッサ302からアクチュエータ204へ指令を出す。
【0025】
例えば、デジタルカメラ50による撮影で水平出しの操作を考えると、Δθ=0はデジタルカメラ50の姿勢が水平になっている状態に相当する。
【0026】
図7に操作対象物101の操作支援制御に係る全体のフローを示す。
操作支援の制御を開始すると、まず操作対象物101の目標姿勢θを設定する(S1)。次に、操作対象物101の姿勢を姿勢センサ202で検出し、姿勢センサ202から出力されたアナログ出力信号をA/D変換部301によってデジタル変換する(S2)。このようにA/D変換部301でデジタル化されたセンサ信号から、姿勢算出部401によって操作対象物101の姿勢θINを算出する(S3)。そして、姿勢算出部401で算出した姿勢をθIN、目標姿勢をθ、その差をΔθ=θIN−θとし、触覚情報変換部402でΔθに対して所定の触覚情報変換関数f(Δθ)を用いて変換をほどこして触覚情報xを算出する(S4)。このように算出した触覚情報xに対してD/A変換部303によりD/A変換を実行し、指令値としてアクチュエータドライバ304に送り、その指令値に応じて予め設定された動きをするようにアクチュエータ204を駆動させる(S5)。そして、操作支援を継続して行う場合には(S6でYES)、姿勢センサ202による読み出しへ戻って再度一連の制御を実行する。一方、操作支援を継続して行わない場合には(S6でNO)、一連の制御を終えて操作支援を終了する。
【0027】
このような制御を実行することにより、操作者107が直感的に操作対象物101を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0028】
次に、姿勢情報が位置情報も含む多次元の場合について説明する。
3次元空間内で位置3自由度,姿勢3自由度の6自由度の位置姿勢情報は、θ=[q1,q2,q3,q4,q5,q6 ]のようにベクトルであらわされる。なお、本明細書中においては明細書の作成上、「θ」の上に「→」をつけて表されるベルトル記号を、添え字「」で代用して表している。
【0029】
また、二つの位置姿勢ベクトルθθの距離(スカラー)をd(θθ)と表記する。距離として、例えば標準ユークリッド距離やマハラノビス距離などを用いても良い。
【0030】
図8において、位置姿勢情報算出部401で算出した位置姿勢情報をθINとし、目標位置姿勢情報をθとし、これらから誤差算出部403により目標からの誤差Δθ=d(θINθ)が算出される。そして、触覚情報変換部402でΔθに対して所定の触覚情報変換関数f(Δθ)を用いた変換をほどこして、触覚情報xを得る。そして、この触覚情報xを元にプロセッサ302からアクチュエータ204へ指令を出す。
【0031】
図9に操作対象物101の操作支援制御に係る全体のフローを示す。
操作支援の制御を開始すると、まず操作対象物101の目標位置姿勢θを設定する(S1)。次に、操作対象物101の姿勢を位置姿勢センサ202で検出し、位置姿勢センサ202から出力されたアナログ出力信号をA/D変換部301によってデジタル変換する(S2)。このようにA/D変換部301でデジタル化されたセンサ信号から、位置姿勢算出部401によって操作対象物101の位置姿勢θINを算出する(S3)。そして、位置姿勢算出部401で算出した位置姿勢をθIN、目標位置姿勢をθ、これらから誤差算出部403により算出した目標からの誤差をΔθ=d(θINθ)とし、触覚情報変換部402でΔθに対して所定の触覚情報変換関数f(Δθ)を用いて変換をほどこして触覚情報xを算出する(S4)。このように算出した触覚情報xに対してD/A変換部303によりD/A変換を実行し、指令値としてアクチュエータドライバ304に送り、その指令値に応じて予め設定された動きをするようにアクチュエータ204を駆動させる(S5)。そして、操作支援を継続して行う場合には(S6でYES)、位置姿勢センサ202による読み出しへ戻って再度一連の制御を実行する。一方、操作支援を継続して行わない場合には(S6でNO)、一連の制御を終えて操作支援を終了する。
【0032】
次に、目標位置姿勢が時系列データとして設定されている場合について説明する。
位置姿勢情報において、ある時刻tでの位置姿勢は、θ(t)=[q(t),q(t),q(t),q(t),q(t),q(t)]のように時刻tを含むベクトルであらわされる。
【0033】
図10において、各時刻t(k=0,1,2,・・・)での目標位置姿勢情報をθ(t)が,目標位置姿勢情報記憶部405に格納されており、目標位置姿勢情報読み出し部404は、現在の時刻tにおける位置姿勢情報401のθ(t)を目標位置姿勢情報記憶部405より読み出す。位置姿勢情報算出部401で算出した位置姿勢情報をθINとし、読み出された目標位置姿勢情報をθ(t)とし、これらから誤差算出部403により目標からの誤差Δθ=d(θINθ(t))を算出する。触覚情報変換部402でΔθに対して所定の触覚情報変換関数f(Δθ)を用いた変換をほどこして触覚情報xを得る。そして、この触覚情報xを元にプロセッサ302からアクチュエータ204へ指令を出す。目標位置姿勢情報記憶部405の例として、各タイムステップごとのθ(t)の成分が記述されたテーブルを表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
図11に操作対象物101の操作支援制御に係る全体のフローを示す。
操作支援の制御を開始すると、まず時刻tに初期値tをセットする(S1)。次に、目標位置姿勢情報読み出し部404は、時刻tでの操作対象物101の目標位置姿勢θ(t)を目標位置姿勢情報記憶部405より読み出す(S2)。次に、操作対象物101の姿勢を位置姿勢センサ202で検出し、位置姿勢センサ202から出力されたアナログ出力信号をA/D変換部301によってデジタル変換する(S3)。このようにA/D変換部301でデジタル化されたセンサ信号から、位置姿勢算出部401によって操作対象物101の位置姿勢θINを算出する(S4)。そして、位置姿勢算出部401で算出した位置姿勢をθIN、目標位置姿勢をθ(t)、目標からの誤差をΔθ=d(θINθ(t))とし、触覚情報変換部402でΔθに対して所定の触覚情報変換関数f(Δθ)を用いて変換をほどこして触覚情報xを算出する(S5)。このように算出した触覚情報xに対してD/A変換部303によりD/A変換を実行し、指令値としてアクチュエータドライバ304に送り、その指令値に応じて予め設定された動きをするようにアクチュエータ204を駆動させる(S6)。そして、操作支援を継続して行う場合には(S7でYES)、時刻を更新(S8)し、目標位置姿勢読み出し(S2)へ戻って再度一連の制御を実行する。時間更新tkのkの値を1増やす。一方、操作支援を継続して行わない場合には(S7でNO)、一連の制御を終えて操作支援を終了する。
【0036】
触覚情報変換関数f(Δθ)の具体例を、図12(a)、図12(b)、図12(c)、図12(d)、図12(e)に示す。触覚情報変換関数f(Δθ)を用いた姿勢のズレΔθの変換は、Δθ=0近辺に特徴を持つような変換である。
【0037】
図12(a)、図12(b)、図12(c)のように触覚情報変換関数f(Δθ)のΔθ=0付近の幅を変えることで、操作対象物101が目標姿勢になったとして操作支援を終了するためのΔθの感度を調整することが可能となる。
【0038】
図12(a)に示した触覚情報変換関数f(Δθ)を用いて変換を行うと、姿勢のズレΔθが0の場合だけではなく、操作対象物101の姿勢が目標姿勢から僅かにズレていても、操作対象物101が目標姿勢になったとして操作支援が終了される。
【0039】
また、図12(b)に示した触覚情報変換関数f(Δθ)を用いて変換を行うと、姿勢のズレΔθが0の場合だけではなく、図12(a)に示した触覚情報変換関数f(θ)を用いた場合よりも許容範囲が大きくなった目標姿勢に対する操作対象物101のズレ量でも、操作対象物101が目標姿勢になったとして操作支援が終了される。
【0040】
一方、図12(c)に示した触覚情報変換関数f(Δθ)を用いて変換を行うと、姿勢のズレΔθが0の場合にだけ、操作対象物101が目標姿勢になったとして操作支援が終了される。
【0041】
つまり、図12(a)や図12(b)に示した触覚情報変換関数f(Δθ)では、操作対象物101が目標姿勢になったとして操作支援を終了するためのΔθの感度を弱めており、図12(c)に示した触覚情報変換関数f(Δθ)では前記感度を強めている。
【0042】
例えば、操作対象物101として、デジタルカメラ50による撮影で水平出しの操作を考えた場合、デジタルカメラ50の姿勢が水平となる状態を目標姿勢として設定すると、操作者107がデジタルカメラ50を手にもって撮影を行うときには、デジタルカメラ50の姿勢を厳密に水平状態とし且つその姿勢を継続して保持するのは非常に困難である。
【0043】
そのため、前記感度が強い場合には、姿勢のズレΔθ=0の場合だけに操作支援を終了するようにすると、撮影を行う際にデジタルカメラ50の姿勢が僅かに水平からズレただけで、デジタルカメラ50から操作支援として操作者107が感じ取れる大きさの振動などの触覚情報が操作者107に提示される。そのため、操作支援として操作者107に提示された触覚情報により手ぶれなどを引き起こし撮影の妨げになる虞がある。特に、デジタルカメラ50を持った手を上にあげて前方の被写体を撮影しようとする場合などに生じ易いと考えられる。
【0044】
よって、前記感度を弱めて、デジタルカメラ50の姿勢が僅かに水平からズレたとしても、そのズレ量が実使用上で許容できる許容範囲内であれば、デジタルカメラ50の姿勢が略水平状態になっているとして、ほとんど感じ取れない程度の小さな触覚情報を操作者に提示する。これにより、デジタルカメラ50から操作者107に操作支援のために提示される触覚情報に起因して手ぶれなどが引き起こり、撮影の妨げになってしまうのを抑えつつ、デジタルカメラ50の姿勢を水平状態または略水平状態にして撮影を行うことができる。
【0045】
また、触覚情報変換関数f(Δθ)としては、図12(d)や図12(e)に示したような関数も考えられる。
【0046】
図12(a)、図12(b)、図12(c)に示した触覚情報変換関数を用いて変換を行う場合には、操作対象物101であるデジタルカメラ50のロール角が水平に対して図6中矢印A方向に傾いている場合と矢印B方向に傾いている場合とで、姿勢のズレΔθの絶対値が同じであれば同じ触覚情報xが提示される。
【0047】
一方、図12(d)、図12(e)に示した触覚情報変換関数を用いて変換を行う場合には、デジタルカメラ50のロール角が水平に対して図6中矢印A方向に傾いている場合と矢印B方向に傾いている場合とで、姿勢のズレΔθの絶対値が同じであれば触覚情報xと触覚情報−xとがそれぞれ提示される。すなわち、デジタルカメラ50の姿勢が、水平に対して前記矢印A方向と前記矢印B方向とのどちらの方向に傾いているのかがわかるような触覚情報を、操作者に提示することになる。これにより、操作者107は、デジタルカメラ50をどの方向に動かせばデジタルカメラ50の姿勢を所望の姿勢に修正できるのかを、提示された触覚情報から直感的に把握することができる。よって、操作者107は提示された触覚情報を手がかりにして、より直感的にデジタルカメラ50を所望の姿勢に向けて動かして姿勢の修正を行うことができる。
【0048】
なお、図12(d)に示した触覚情報変換関数f(Δθ)は、操作対象物101が目標姿勢になったとして操作支援を終了するためのΔθの感度を強めた場合であり、図12(e)に示した触覚情報変換関数f(Δθ)は、前記感度を弱めた場合である。
【0049】
さらに、触覚情報変換関数としては、Δθのみならずその時間微分(1階、2階)に依存した変換であっても良い。
【0050】
以上の触覚情報変換関数f(Δθ)を複数設定し、コントローラ203内の図示しない記憶手段であるメモリなどに予め記憶させておき、操作者107や操作シーンに応じて変換ルールを変更し、最適な触覚情報変換関数f(Δθ)を呼び出し設定できるようにしてもよい。これにより、操作者107や操作シーンに応じた最適な触覚情報を操作者107に提示して、操作者107が直感的に操作対象物101を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0051】
次に、動画撮影機能を有する携帯型ビデオカメラを手持ちで撮影操作する場合について説明する。図13は、表1のような時系列の目標位置姿勢θ(t)にあるビデオカメラを示したものである。位置情報を時系列に3次元空間にならべていくと、一つの経路500が形成される。時刻t=tでの目標位置姿勢θ(t)にあるビデオカメラは符号501で,時刻t=tでの目標位置姿勢θ(t)にあるビデオカメラは符号502であらわされる。このような時系列で定義された目標位置姿勢をあらかじめ設定しておく。そして前述したのと同様に、この目標からのズレを触覚情報として操作者に提示する機能をビデオカメラ上に備えることにより、目標位置姿勢に従った時系列のビデオカメラ操作が可能となる。例えば、ビデオカメラの録画(REC)ボタンなど、操作者の指先が触れる部分に触覚情報伝達手段を設ければ良い。
【0052】
次に、コントローラ203内の触覚情報変換部402でΔθに対して所定の触覚情報変換関数f(Δθ)で変換をほどこし、得られた触覚情報xに基づいて操作者107の指先109に触覚情報を提示する触覚情報伝達手段104の例について説明する。
【0053】
図14(a)は、法線方向の力による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段104の例を示す図である。図14(a)に示すように、触覚情報伝達手段104は操作者107の指先109に接する可動部11を持ち、その上下方向の変位をxとする。すなわち、触覚情報xは可動部11の上下方向の変位量である。これにより、可動部11の上下方向の変位による法線方向の力によって、触覚情報を可動部11に接した操作者107の指先109に提示することができ、操作者107が直感的に操作対象物101を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0054】
図14(b)は、接線方向の力による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段104の例を示す図である。図14(b)に示すように、触覚情報伝達手段104は操作者107の指先109に接する可動部である円盤12を持ち、その円盤12の軸周りの回転角度をxとする。すなわち、触覚情報xは円盤12の軸周りの回転角度である。図のように円盤12の上面を指先109との接触位置としても良いし、円盤12の周辺部を指先109との接触位置としても良い。これにより、円盤12の軸周りの回転による接線方向の力によって、触覚情報を円盤12に接した操作者107の指先109に提示することができ、操作者107が直感的に操作対象物101を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0055】
図14(c)は、接線方向の力による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段104の例を示す図である。図14(c)に示すように、触覚情報伝達手段104は操作者107の指先109に接する、面上に凸形状を有した可動部13を持ち、その可動部13の水平方向の変位をxとする。すなわち、触覚情報xは凸形状を有した可動部13の水平方向の変位量である。これにより、凸形状を有する可動部13の水平方向への変位による接線方向の力によって、触覚情報を可動部13に接した操作者107の指先109に提示することができ、操作者107が直感的に操作対象物101を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0056】
図14(d)は、接線方向の力による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段104の例を示す図である。図14(d)に示すように、触覚情報伝達手段104は操作者107の指先109に接する、面上に凹形状を有した可動部14を持ち、その可動部14の水平方向の変位をxとする。すなわち、触覚情報xは凹形状を有した可動部の水平方向の変位量である。これにより、凹形状を有する可動部14の水平方向への変位による接線方向の力によって、触覚情報を可動部14に接した操作者107の指先109に提示することができ、操作者107が直感的に操作対象物101を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0057】
図15は、振動刺激による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段104の例を示す図である。図15に示すように、触覚情報伝達手段104は操作者107の指先109が接触する、弾性体からなる接触部15を持ち、その接触部15に振動子16が装着されており、その振動子16の駆動力の振幅をxとする。すなわち、触覚情報xは振動子16の駆動力の振幅である。これにより、振動子16によって接触部15を振動させることによる振動刺激によって、触覚情報を接触部15に接触した操作者107の指先109に対して提示することができ、操作者107が直感的に操作対象物101を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0058】
図16は、電気刺激による触覚情報伝達を行う触覚情報伝達手段104の例を示す図である。図16に示すように、触覚情報伝達手段104は操作者107の指先109が接触する、絶縁体からなる接触部17を持ち、その接触部17に埋め込まれた電極18に供給する電圧または電流の振幅をxとする。すなわち、触覚情報xは電極18に供給する電圧または電流の振幅である。これにより、電極18に電圧または電流を供給することによって、電気刺激による触覚情報を接触部17に触れた操作者107の指先109に対して提示することができ、操作者107が直感的に操作対象物101を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0059】
このような図14、図15、図16に示した形態のいずれかの触覚情報伝達手段104のモジュールが、図2に示した各種携帯端末(携帯電話30、スマートフォン40、デジタルカメラ50、ラップトップ型パーソナルコンピュータ60、パッド型パーソナルコンピュータ70)の操作者107の指先109が接触し得る所定のスペース(図中斜線部など)に搭載される。
【0060】
これらとは別に、既存の搭載部品に触覚情報伝達手段104が組み込まれている例について説明する。
【0061】
まず、図15の形態の触覚情報伝達手段104のモジュールの接触部15が、図17(a)に示したスマートフォン40のタッチパネル41の一部や、図17(b)に示したパッド型パーソナルコンピュータ70のタッチパネル71の一部である場合について説明する。
【0062】
図18にタッチパネル41,71の内部断面構造を示す。画像が表示される表示部80を覆うように設けられたタッチパネル41,71の横幅方向の一方の側端部には、タッチパネル41,71を横方向に変位させるアクチュエータ81に接続されている。このアクチュエータ81は筐体83に設けられている。また、タッチパネル41,71の横幅方向の他方の側端部は弾性体82を介して筐体84に設置されている。また、タッチパネル41,71の縦幅方向の両側端部は支持されておらず浮いた状態となっている。そして、アクチュエータ81によってタッチパネル41,71を横幅方向に振動させることによる振動刺激によって、触覚情報をタッチパネル41,71に接触した操作者107の指先109に対して提示することができ、操作者107が直感的にスマートフォン40やパッド型パーソナルコンピュータ70を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0063】
次に、図14(b)の形態の触覚情報伝達手段104のモジュールの可動部が、図19に示したデジタルカメラ50のシャッターボタン(レリーズボタン)51である場合について説明する。
【0064】
図20に筐体53から一部が外部に突出したシャッターボタン51の周辺のデジタルカメラ50の内部断面構造を示す。触覚情報伝達手段104は、操作者107の指先109に接し押圧されることで下方に変位可能であり回転軸51aを中心に回転可能な可動部であるシャッターボタン51と、回転軸51aを中心にシャッターボタン51を回転させるとともに指先109でシャッターボタン51が下方に押圧されることでシャッターをきるプッシュスイッチとして機能する回転アクチュエータ52を含むモジュールからなる。そして、回転アクチュエータ52により軸周りに回転させたシャッターボタン51からの接線方向の力によって、触覚情報をシャッターボタン51に接した操作者107の指先109に提示する。これにより、操作者107が直感的にデジタルカメラ50を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0065】
なお、図14(a)の形態の触覚情報伝達手段104のモジュールを、図19に示したデジタルカメラ50において、シャッターボタン51や、シャッターボタン51を上下方向に変位させるともに指先109でシャッターボタンが下方に押圧されることでシャッターをきるプッシュスイッチとして機能するアクチュエータを含むモジュールとして適用することもできる。これにより、アクチュエータによって上下方向に変位させたシャッターボタン51からの法線方向の力によって、触覚情報をシャッターボタン51に接した操作者107の指先109に提示することができる。これにより、操作者107が直感的にデジタルカメラ50を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
【0066】
携帯電話30、スマートフォン40、デジタルカメラ50、ラップトップ型パーソナルコンピュータ60、及び、パッド型パーソナルコンピュータ70などの各種携帯端末には、アプリケーションとしてカメラ機能を搭載でき、本実施形態で説明したような操作支援装置を採用することで、操作者107による機器の水平出し動作を支援する機能を持たせることができる。
【0067】
また、各種携帯端末に搭載できるアプリケーションの例としては、地図情報に基づくナビゲーション機能があり、地磁気センサ、慣性センサあるいはGPSなどのセンサデータを用いて目的のルートを示す方向を提示するシーンが想定される。この場合、目的の方向からのズレを触覚情報として指先109に提示する機能を本実施形態で説明したような操作支援装置を採用することにより実現することも可能である。
【0068】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
操作支援装置において、操作対象物の姿勢情報を検出する姿勢センサ202などの姿勢情報検出手段と、姿勢情報検出手段により検出された姿勢情報と予め設定された目標姿勢情報との差を触覚情報に変換するコントローラ203などの情報変換手段と、情報変換手段により変換された触覚情報を、操作対象物を操作する指先109などの操作体に伝達するアクチュエータ204などの触覚情報伝達手段とを備える。これよれば、上記実施形態について説明したように、操作者は操作対象物の姿勢について提示された触覚情報を手がかりとして、直感的に所望の姿勢に向けて操作対象物を動かし操作対象物の姿勢を修正することができる。
(態様B)
(態様A)において、姿勢情報検出手段が慣性センサである。これによれば、上記実施形態について説明したように、環境とは独立に操作対象物を非接地、非拘束で動きを検出することができる。
(態様C)
(態様B)において、慣性センサが加速度センサである。これによれば、上記実施形態について説明したように、重力加速度の各軸での成分から操作対象物の姿勢を算出することができる。
(態様D)
(態様B)において、慣性センサが角速度センサである。これによれば、上記実施形態について説明したように、基準姿勢と時間積分とにより操作対象物の姿勢を算出することができる。
(態様E)
(態様A)において、姿勢情報検出手段が磁気センサである。これによれば、上記実施形態について説明したように、各軸の磁界の強さから操作対象物の姿勢を算出することができる。
(態様F)
(態様A)において、姿勢情報検出手段が画像センサである。これによれば、得られた画像データを画像処理することにより操作対象物の姿勢を算出することができる。
(態様G)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)または(態様F)において、触覚情報伝達手段が操作体の表面に法線方向の力を及ぼす。これによれば、上記実施形態について説明したように、法線方向の力によって操作体に触覚情報を提示することができる。
(態様H)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)または(態様F)において、触覚情報伝達手段が操作体の表面に接線方向の力を及ぼす。これによれば、上記実施形態について説明したように、接線方向の力によって操作体に触覚情報を提示することができる。
(態様I)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)または(態様F)において、触覚情報伝達手段が操作体に振動刺激を与える。これによれば、上記実施形態について説明したように、振動刺激によって操作体に触覚情報を提示することができる。
(態様J)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)または(態様F)において、触覚情報伝達手段が操作体に電気刺激を及ぼす。これによれば、上記実施形態について説明したように、電気刺激によって操作体に触覚情報を提示することができる。
(態様K)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)、(態様G)、(態様H)、(態様I)または(態様J)において、情報変換手段が操作対象物を操作体で操作する操作者ごとに変換ルールを変更する。これによれば、上記実施形態について説明したように、操作者に応じた最適な触覚情報を操作者に提示して、操作者が直感的に操作対象物を所望の姿勢に向けて動かせるような操作支援を行うことができる。
(態様L)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)、(態様G)、(態様H)、(態様I)、(態様J)または(態様K)において、姿勢情報が操作対象物のロール角とピッチ角とヨー角とのいずれかを含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、操作対象物の姿勢を把握することができる。
(態様M)
携帯電話30やスマートフォン40などの移動体情報通信端末において、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)、(態様G)、(態様H)、(態様I)、(態様J)、(態様K)または(態様L)の操作支援装置を備えた。これによれば、上記実施形態について説明したように、操作者は移動体情報通信端末の姿勢について触覚情報の提示を手がかりにして、直感的に所望の姿勢に向けて通信移動端末を動かすことができる。
(態様N)
デジタルカメラ50などの撮影装置において、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)、(態様G)、(態様H)、(態様I)、(態様J)、(態様K)または(態様L)の操作支援装置を備えた。これによれば、上記実施形態について説明したように、操作者は撮影装置の姿勢について触覚情報の提示を手がかりにして、直感的に所望の姿勢に向けて撮影装置を動かすことができる。
(態様O)
ラップトップ型パーソナルコンピュータ60やパッド型パーソナルコンピュータ70などの情報処理装置において、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)、(態様G)、(態様H)、(態様I)、(態様J)、(態様K)または(態様L)の操作支援装置を備えた。これによれば、上記実施形態について説明したように、操作者は情報処理装置の姿勢について触覚情報の提示を手がかりにして、直感的に所望の姿勢に向けて情報処理装置を動かすことができる。
【符号の説明】
【0069】
11 可動部
12 円盤
13 可動部
14 可動部
15 接触部
16 振動子
17 接触部
18 電極
30 携帯電話
40 スマートフォン
41 タッチパネル
50 デジタルカメラ
50 デジタルカメラ
51 シャッターボタン
51a 回転軸
52 回転アクチュエータ
53 筐体
60 ラップトップ型パーソナルコンピュータ
70 パッド型パーソナルコンピュータ
71 タッチパネル
80 表示部
81 アクチュエータ
82 弾性体
83 筐体
84 筐体
100 目標姿勢情報
101 操作対象物
102 姿勢情報検出手段
103 情報変換手段
104 触覚情報伝達手段
105 操作出力
106 触覚情報
107 操作者
108 上肢
109 指先
202 姿勢センサ
203 コントローラ
204 アクチュエータ
301 A/D変換部
302 プロセッサ
303 D/A変換部
304 アクチュエータドライバ
401 姿勢算出部
402 触覚情報変換部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2010−239553号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象物の姿勢情報を検出する姿勢情報検出手段と、
前記姿勢情報検出手段により検出された前記姿勢情報と予め設定された目標姿勢情報との差を触覚情報に変換する情報変換手段と、
前記情報変換手段により変換された前記触覚情報を、前記操作対象物を操作する操作体に伝達する触覚情報伝達手段とを備えることを特徴とする操作支援装置。
【請求項2】
請求項1の操作支援装置において、
上記姿勢情報検出手段が慣性センサであることを特徴とする操作支援装置。
【請求項3】
請求項2の操作支援装置において、
上記慣性センサが加速度センサであることを特徴とする操作支援装置。
【請求項4】
請求項2の操作支援装置において、
上記慣性センサが角速度センサであることを特徴とする操作支援装置。
【請求項5】
請求項1の操作支援装置において、
上記姿勢情報検出手段が磁気センサであることを特徴とする操作支援装置。
【請求項6】
請求項1の操作支援装置において、
上記姿勢情報検出手段が画像センサであることを特徴とする操作支援装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の操作支援装置において、
上記触覚情報伝達手段が上記操作体の表面に法線方向の力を及ぼすことを特徴とする操作支援装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5または6の操作支援装置において、
上記触覚情報伝達手段が上記操作体の表面に接線方向の力を及ぼすことを特徴とする操作支援装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5または6の操作支援装置において、
上記触覚情報伝達手段が上記操作体に振動刺激を与えることを特徴とする操作支援装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5または6の操作支援装置において、
上記触覚情報伝達手段が上記操作体に電気刺激を及ぼすことを特徴とする操作支援装置。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の操作支援装置において、
上記情報変換手段が上記操作対象物を上記操作体で操作する操作者ごとに変換ルールを変更することを特徴とする操作支援装置。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の操作支援装置において、
上記姿勢情報が上記操作対象物のロール角とピッチ角とヨー角とのいずれかを含むことを特徴とする操作支援装置。
【請求項13】
通信ネットワークを介して通信可能な移動体情報通信端末において、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の操作支援装置を備えたことを特徴とする移動体情報通信端末。
【請求項14】
被写体を撮影する撮影手段を備えた撮影装置において、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の操作支援装置を備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項15】
持ち運び可能な携帯型の情報処理装置において、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の操作支援装置を備えたことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図20】
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【図2】
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【図6】
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【図17】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−30143(P2013−30143A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240693(P2011−240693)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】