説明

改良されたサーモスタット取付部を有する自動二輪車

【課題】サーモスタット取付け部を有する自動二輪車において、サーモスタットは、隠されるが、拘束され、かつアクセスが難しい位置には位置決めされないようにする。
【解決手段】エンジンが、シャーシへ取付けられ、かつそのエンジンは、エンジンブロックへ接合されるフロントシリンダヘッドとリアシリンダヘッドを有する。エンジンをシャーシへ取付ける前部マウントアセンブリと後部マウントアセンブリが設けられる。後部マウントアセンブリは、エンジンとシャーシのトップフレーム構造体との間に固定される一対の横方向に離間するサポートプレートを備える。サポートプレートは、リアシリンダヘッドの後方に配設される。ラジエータがシャーシへ取付けられる。サーモスタットが、エンジンとラジエータとの間に接続され、かつエンジンからラジエータへのクーラント流を制御するように作動可能である。サーモスタットは、サポートプレート間に配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の冷却システムに関し、特に自動二輪車のサーモスタットの取り付けに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車は、前輪と後輪上に支承されるシャーシを備える。エンジン、燃料タンク、及び、サーモスタットとラジエータとを備える冷却システムが、シャーシに取付けられる。クルージング用自動二輪車などの一定の自動二輪車は、開放シャーシ、すなわち、本体パネルまたは伸張したフェアリングにより覆われないシャーシを有するのが望ましい。開放シャーシを有する自動二輪車において、自動二輪車に均整がとれた邪魔されない外観を提供するのが望ましく、そこにおいて、エンジンのような主要な機械的構成部分が、自動二輪車の他の周辺構成部分により視界から遮られることなく、目立つように展示される。そのような均整がとれた邪魔されない外観を損なう傾向がある自動二輪車の構成部分は、冷却システムのサーモスタットと他の構成部材である。
【0003】
従来、自動二輪車のラジエータは、フロントフォークの直後のエンジンの前方に取付けられ、そのフロントフォークへ前輪が回転自在に取付けられる。サーモスタットは、種々の方向に延びる複数のゴムホースによりラジエータ、水ポンプおよびエンジンへ接続される。サーモスタットとホースが外観上好ましくない厄介物として現れるのを避けるために、サーモスタットの取付け位置は、サーモスタットおよび付随するホースの可視性を最小にするように通常は選択される。サーモスタットは、燃料タンクにより覆われるか、または燃料タンクへ近接して位置決めされることが多い。そのようなサーモスタット取付け位置を有する自動二輪車の例が知られている(たとえば、特許文献1、2、3、4)。
【0004】
【特許文献1】Matsudaなどへ付与された米国特許第4,237,996号
【特許文献2】Ozawaへ付与された米国特許第4,640,341号
【特許文献3】Schneiderなどへ付与された公告米国特許出願第2002/0195289A1号
【特許文献4】Kodanなどへ付与された公告米国特許出願第2003/0066697A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のことに基づいて、改良されたサーモスタット取付け部を有する自動二輪車についてのニーズが当該技術に存在し、そこにおいて、サーモスタットは、隠されるが、拘束され、かつアクセスが難しい位置には位置決めされない。本発明は、そのような自動二輪車を指向する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、前輪および後輪上で支承され、かつそれらへ接続されるシャーシを有する自動二輪車が提供される。エンジンが、シャーシへ取付けられ、かつそのエンジンは、エンジンブロックへ接合される少なくとも1つのシリンダヘッドを有する。エンジンをシャーシへ取付ける少なくとも1つの取付け部が設けられる。その取付け部は、エンジンとシャーシとの間に固定される一対の横方向に離間するサポートプレートを備える。サポートプレートは、少なくとも1つのシリンダヘッドの最も後方のヘッドの後方に配設される。ラジエータがシャーシへ取付けられる。サーモスタットが、エンジンとラジエータとの間に接続され、かつエンジンからラジエータへのクーラント流を制御するように作動可能である。サーモスタットは、サポートプレート間に配設される。本発明の1つの態様において、サポートプレートは、シャーシのトップフレーム構造体に固定され、かつその構造体から下方へ延びる。サポートプレートは、後部マウントに固定され、かつ後部マウントの両側に配設される下方部分を有する。サポートプレートは、後部マウントとトップフレーム構造体と協働して保持空間を形成し、その空間が、サポートプレート間、および後部マウントとトップフレーム構造体との間に延びる。サーモスタットは、保持空間内に配設される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の特徴、態様および利点は、下記の説明、付属クレームおよび添付図面を参照すれば、一層良く理解される。
【0008】
以下の詳細な説明において、同一の構成部分は、それらが本発明の種々の実施態様において示されているかどうかに関係なく、同一の参照数字を有することが分かるはずである。本発明を明確かつ簡潔に開示するために、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、また本発明の一部の特徴は、幾分概略の形態で示されることも分かるはずである。
【0009】
本発明は、改良された取付け部を備えたサーモスタットを有する冷却システムを備える自動二輪車を指向する。
【0010】
ここで図1を参照すると、本発明の冷却システムを組込む自動二輪車10が示される。自動二輪車10は、パトロール型自動二輪車であり、かつ本体パネルまたは伸張したフェアリングにより覆われない開放シャーシ12を備える。シャーシ12は、前輪14と後輪16上に支承され、かつメインフレームまたはフロントフレーム18とリアスイングアームまたはスイングフレーム20を備える。自動二輪車10が、パトロール型自動二輪車として、かつリアスイングフレーム20を有するように示されるが、本発明は、リアスイングフレームを有するパトロール型自動二輪車における使用に限定されないことが明らかであるはずである。
【0011】
フロントフレーム或はメインフレーム18は、ステアリングヘッド22から下方かつ後方に延びる一対の離間するダウン(立下り)チューブ或はパイプ24を有するステアリングヘッド22を備える。横方向に延びる十字バー26が、ダウンパイプ24間に接合される。ダウンパイプ24の下方部分が、後方へ延び、かつほぼ水平に配設される一対の下端チューブまたはパイプ28へ、ベンドにおいて接合される。下端パイプ28の後方部分は、一対の後部ステー30に固定される。トップフレーム構造体32(図2に示される)が、ステアリングヘッド22と後部ステー30との間に延びる。以下に詳細に説明するように、トップフレーム構造体32は、一対のシートレール36とダクト構造部材38とから成ることができる。シートレール36は、後部ステー30とダクト構造部材38との間に固定される。
【0012】
ここで図6と7を参照すると、リアスイングフレーム20は、ほぼ三角形の形状を有し、かつ一対のほぼ三角形の側面構造部材40を備え、その構造部材のそれぞれには、ほぼC形の前方取付け部46へ接続される一対の上部と下部のアーム42、44が備えられる。それぞれの側面構造部材40において、上部と下部のアーム42、44の後方端部は、車輪取付け部48において互いに接合され、また上部と下部のアーム42、44の前方部分は、前方取付け部46へ接合される。それぞれの側面構造部材40の上部と下部のアーム42、44は、後輪取付け部48から前方取付け部46へ互いに鋭角で前方へ延びる。下部アーム44は、離間され、かつ円弧状の横方向下部十字部材50により互いに接合される一方、上部アーム42は、離間され、かつ円弧状の横方向上部十字部材52により互いに接合される。剛性または半剛性構造を有する円弧状のシールドプレートまたは内部フェンダー56が、好ましくは、リアスイングフレーム20に固定され、かつ上部十字部材52と下部十字部材50との間、および側面構造部材40間に延びる。リアスイングフレーム20は、前方取付け部46と後部ステー30との間に延びる揺動軸57によりフロントフレームまたはメインフレーム18へ揺動自在に接続される。リアスイングフレーム20の両側において、揺動ピン58(図1)が、後部ステー30と前方取付け部46における整合された通路を通して延び、かつ揺動軸57において受容される。
【0013】
図1へ戻ると、フロントフォークアセンブリ60が、ステアリングヘッド22へ回転自在に接続される。フロントフォークアセンブリ60は、ステアリングヘッド22から下方へかつ前方へ延びる一対の細長いフォーク脚部62を備える。前輪14は、フォーク脚部62の下方端部間に回転自在に接続される。ヘッドライト64が、フロントフォークアセンブリ60に固定され、かつフォーク脚部62の上方端部間に配設される。ハンドルバー66が、フロントフォークアセンブリ60を動かすために、そのアセンブリへ接続される。
【0014】
燃料タンク70が、シャーシ12上で支承されるエンジン72へ燃料を供給するために設けられる。燃料タンク70は、エンジン72の上方にあるトップフレーム構造体32上に配設され、かつその構造体に固定される。シート74が、フロントフレームまたはメインフレーム18のシートレール36へ取付けられ、かつ燃料タンク70の後方に配設される。シート74は、フェンダーサポート(図示されない)に固定されるリアフェンダー76上に延びることができる。後輪16は、リアスイングフレーム20の車輪取付け部48間に回転自在に接続される。後輪16は、当該技術において知られる変速装置と適切な駆動システムを通してエンジン72により駆動される。たとえば、エンジン72は、変速装置と駆動チェーン、回転自在の駆動シャフト、または図2において参照数字78で表示されるベルトのような無端歯付き駆動ベルトを通して後輪16を駆動できる。
【0015】
上述の構造により、自動二輪車10は、縦方向平面を有し、その平面の周りに自動二輪車10がほぼ横方向に対称である。縦方向平面は、ステアリングヘッド22と前輪と後輪14、16を通して延びる。
【0016】
ここで図2を参照すると、エンジン72と冷却システムの特徴を一層良く示すために、燃料タンク70のような構成部分を取外した、自動二輪車10の左側すなわち駆動側の側面図が示される。エンジン72は、フロントフレームまたはメインフレーム18に固定され、かつそれにより支承される。エンジン72は、多シリンダ液体冷却式エンジンであり、かつエンジンブロック84、フロントシリンダヘッド80a、およびリアシリンダヘッド82aを備える。シリンダブロック84は、V形形状で配設されるフロントシリンダ80とリアシリンダ82を備える。フロントシリンダヘッド80aとリアシリンダヘッド82aのそれぞれは、関連するフロントシリンダ80とリアシリンダ82を覆う。
【0017】
それぞれのシリンダ80、82は、水ジャケット(図示されない)により囲まれる。水ジャケットの少なくとも一部分が、シリンダヘッド80a、82aを通して延びるか、またはそれらと接触する。ピストン(図示されない)が、シリンダ80、82内に移動自在に配設され、かつ変速装置を通して駆動プーリ86を駆動するクランクシャフト(図示されない)へ接続される。当然ながら、駆動プーリは、当該技術において知られているように、駆動スプロケットまたはシャフトアセンブリにより置換えできるであろう。フロントシリンダ80とリアシリンダ82の水ジャケットは、好ましくは水ジャケットの下方部分においてパイプ88または他の手段により互いに接続される。リアシリンダヘッド82aにより、水ジャケットへの入口が形成され、その入口は、フレキシブルホース94により水ポンプ92へ接続される。フロントシリンダヘッド80aとリアシリンダヘッド82aのそれぞれには、水ジャケット出口が備えられるので、クーラントは、関連する水ジャケットを流通後にエンジンブロック84から流出できる。
【0018】
水ポンプ92は、フロントシリンダ80とリアシリンダ82の下方においてエンジンブロック84に固定される。フロントシリンダヘッド80aとリアシリンダヘッド82aにおける水ジャケット出口は、フレキシブルホース96、98により、マルチポートコネクタ100の入口へ接続される。マルチポートコネクタ100の出口が、フレキシブルホース104によりサーモスタット102へ接続される。
【0019】
水ポンプ92からのクーラントは、ホース94を通過して、リアシリンダヘッド82aに設けられる入口を経てリアシリンダ82を取囲む水ジャケット中に導入され、ついでクーラントの一部分がパイプ88を通過してフロントシリンダ80を取囲む水ジャケットに流入するように分流する。クーラントは、フロントシリンダ80とリアシリンダ82の水ジャケットを通過後に、フロントシリンダヘッド80aとリアシリンダヘッド82aの出口から流出し、ついでホース96、98を通してマルチポートコネクタ100まで流れる。クーラントは、マルチポートコネクタ100から、ホース104を通してサーモスタット102まで流れる。以下に詳細に説明するように、エンジン72が冷えると、クーラントは、サーモスタットから水ポンプ92まで戻り、エンジンブロックを通して循環される(ラジエータ150をバイパスして)一方、エンジンが温まるか、または熱くなると、クーラントは、サーモスタットを通して、ラジエータ150まで、ついで水ポンプ92まで流れてから、エンジンブロックまで戻される。
【0020】
エンジンブロック84には、エンジン72をフロントフレームまたはメインフレーム18へ取付ける外部の前部取付け部108と後部マウント110が設けられる。前部取付け部108は、形状がほぼ円筒形であり、かつ自動二輪車10の両側で外方に面する端面を有する。後部マウント110は、丸い三角形の形状を有し、かつエンジンブロックへ接合される下端ベース110a、および丸い上端部110bを備える。後部マウント110は、後部マウント110が下端ベース110aから上端部110bまで上方へ延びるにつれて、内方へ緩やかに先細になる。内腔が、後部マウント110の上端部110bを通して横方向に延びる。前部取付け部108は、フロントシリンダ80の前方に配設され、一方、後部マウント110は、リアシリンダ82の後方に配設される。エンジン72は、下端パイプ28とトップフレーム構造体32との間に垂直方向に配設され、かつダウンパイプ24と後部ステー30との間に縦方向に配設される。エンジン72の後方部分が、後部ステー30と内部フェンダー56から前方に離間される。このようにして、後部冷却空間112が、エンジン72の後方部分と内部フェンダー56との間に形成される。
【0021】
エンジン72は、少なくとも一対のフロントサポートプレート114および一対のリアサポートプレート116によりフロントフレームに固定される。それぞれのフロントサポートプレート114は、ほぼ丸い三角形の形状を有し、かつフロント部分から一対の離間するアームが前方へ延びる前方部分と、および円弧状の後縁部を有する丸い後方部分とを備える。エンジン取付け開口部が、リアサポートプレートの後方部分に形成される。それぞれのフロントサポートプレート114は、フロントサポートプレートが前方部分から後方部分へ後方へ延びるにつれて、内方へ緩やかに先細になる。フロントサポートプレート114の前方部分は、フロントサポートプレート114のアームとダウンパイプ24の整合された開口部を通して延びるボルトにより、ダウンパイプ24へそれぞれ固定される。エンジン72上の前部取付け部108は、フロントサポートプレートの後方部分間に配設される。中を通して延びる開口部を有する一対のエラストマーアブソーバ(図示されない)が、前部取付け部108の端面とフロントサポートプレート114の内面との間にそれぞれ配設されて、エンジン72からの振動を減衰する。フロントサポートプレート114におけるエンジン取付け開口部およびアブソーバは、取付け通路を形成するように、前部取付け部108における内腔と整合される。ボルト120が、取付け通路を通して延びて、フロントサポートプレート114間に固定されるので、エンジン72の前部取付け部108が、フロントサポートプレート114へ、かくしてダウンパイプ24に固定される。
【0022】
それぞれのリアサポートプレート116は、ほぼ丸い三角形の形状を有し、かつ直線状の後縁部を有する後方部分116aと、および円弧状の前縁部を有する丸い前方部分116bを備える。それぞれのリアサポートプレート116は、リアサポートプレート116が後方部分116aから前方部分116bへ下方にかつ前方へ延びるにつれて、緩やかに内方へ先細になる。リアサポートプレート116それぞれは、一対のフレーム取付け開口部122(図4において仮想線で示される)、および中に形成される細長いエンジン取付け開口部124(図4において仮想線で示される)を有する。フレーム取付け開口部112は、後縁部へ向けて配設される一方、エンジン取付け開口部124は、前縁部へ向けて配設される。少なくとも一対の固定孔も、それぞれのリアサポートプレート116に形成される。リアサポートプレート116の後方部分116aは、トップフレーム構造体32上の一対の上端取付け部128へそれぞれ固定される。
【0023】
ここで図5を参照すると、上端取付け部分128は、横方向に離間し、かつ溶接または他の方法によりトップフレーム構造体32へ接合される。具体的には、上端取付け部128は、トップフレーム構造体32を形成するダクト構造部材38へ溶接できるか、または他の方法により接合できる。上端取付け部分128は、前方へかつ下方へ延びる。それぞれの上端取付け部128は、中に開口部131を形成する一対の円弧状タブ130を備える。それぞれの上端取付け部128においてタブ130が、架橋部分132により互いに接合され、その架橋部分は、タブ130と協働して、ほぼ半円形の窪み134を形成し、その窪みは、タブ130間に配設され、かつ下方と前方に開放する。
【0024】
ここで図2と図5の両方を参照すると、リアサポートプレート116は、リアサポートプレート116内のフレーム取付け開口部122が上端取付け部128における開口部131とそれぞれ整合するように、上端取付け部128の外面へそれぞれ押付けられる。それぞれのリアサポートプレート116およびその関連する上端取付け部128は、リアサポートプレート116と上端取付け部128における整合された開口部122、131を通して延びる一対のボルト136により、互いに固定される。
【0025】
ここで図4を参照すると、エンジン72上の後部マウント110は、リアサポートプレート116の下端部分116b間に配設される。中を通して延びる開口部142(仮想線で示される)を有する一対のエラストマーアブソーバ140が、後部マウント110の端面とリアサポートプレート116の内面との間にそれぞれ配設されて、エンジン72からの振動を減衰する。アブソーバ140は、任意選択とみなすことができ、かつ一部の自動二輪車型式においては省略できることが分かる。リアサポートプレート116におけるエンジン取付け開口部およびアブソーバ140における開口部142は、取付け通路を形成するように、後部マウント110における内腔144と整合される。ボルト146が、取付け通路を通して延びて、リアサポートプレート116間で固定されるので、エンジン72の後部マウント110がリアサポートプレート116へ、かくしてトップフレーム構造体32に固定される。リアサポートプレート116が、エンジン72の後部マウント110およびトップフレーム構造体32と協働して、保持空間148を形成し、その空間は、リアサポートプレート116間に横方向に延び、かつ後部マウント110とトップフレーム構造体32との間に上方かつ後方に延びる。以下にさらに説明するように、サーモスタット102は、保持空間148内に配設される。
【0026】
自動二輪車10の冷却システムは、サーモスタット102、水ポンプ92、ラジエータ150、ファンアセンブリ152、および冷却空気をラジエータ150へ供給する空気管理システムを備える。
【0027】
図1と2を参照すると、空気管理システムは、冷却空気を自動二輪車10の前部からエンジン72と内部フェンダー56との間の後部冷却空間112へ案内する複数の空気ダクトを備える。具体的には、空気管理システムは、上端ダクト154、下端ダクト156、中間ダクト158、および一対の後部ダクト160を備える。
【0028】
上端ダクト154と中間ダクトは、エンジン上を延びて、ステアリングヘッド22から冷却空間へ、または冷却空間へ近接して後方へ延びる空気通路を形成する。中間ダクト158が上端ダクト154間に固定され、上端ダクト154は、自動二輪車10の両側に配設され、および中間ダクト158は、自動二輪車10の縦方向平面により縦方向に分割される。上端ダクト154と中間ダクト158のそれぞれは、入口と出口を備え、かつ好ましくは、入口と出口を除いて密閉される。上端ダクト154と中間ダクト158は、図示されるように、溝形またはチューブ形にできる。上端ダクト154と中間ダクト158は、溝形であるならば、図示されるように、台形断面を有することができる。上端ダクト154と中間ダクト158は、剛性または半剛性の構造を有することができ、かつ金属またはプラスチックから成ることができる。上端ダクト154と中間ダクト158は、トップフレーム構造体32の形成を容易にする場合は、剛性構造を有して、鋼のような金属から成る。加えて、上端ダクト154の内壁(入口へ向けての)は、溶接および/または他の固定手段により、ステアリングヘッド22の両側へそれぞれ接合される。上端ダクト154の入口は、ステアリングヘッド22の両側に配設される一方、中間ダクト158の入口は、ステアリングヘッド22の下方に配設され、かつダウンパイプ24間の空間と横方向に整合される。
【0029】
上端ダクト154と中間ダクト158は、溶接または他の固定手段により互いに接合されて、ダクト構造部材38を形成する。ダクト構造部材38は、溶接または他の固定手段により、シートレール36の前方部分へ接合される。ブレース(図示されない)を、シートレール36とダクト構造部材38との接合部へ近接してシートレール36間に配設でき、かつシートレール36へそれぞれ、およびダクト構造部材38に固定できる。ダクト構造部材38(上端ダクト154と中間ダクト158とから成る)、シートレール36およびブレース(存在する場合)は、互いにトップフレーム構造体32を形成する。上端ダクト154がステアリングヘッド22の両側へそれぞれ接合され、かつシートレール36の後方部分が後部ステー30に固定される場合、トップフレーム構造体32は、ステアリングヘッド22に固定される前方部分、および後部ステー30に固定される後方部分を有する。
【0030】
上述の構造の場合、トップフレーム構造体32が独自のフレーム構造体を形成し、その構造体は、フロントフレームまたはメインフレーム18の一体部分であることに加えて、自動二輪車10の前部からラジエータ150へ空気を導く導管として機能する。
【0031】
ここで図6と7を参照すると、ラジエータ150は、方形の形状を有し、かつ好ましくは、上端取付けブラケット164と下端取付けブラケット166により、リアスイングフレーム20に固定される。しかしながら、ラジエータ150は、代わりにフロントフレームまたはメインフレーム18に固定することもできる。たとえば、ラジエータ150は、シートレール36と下端パイプ28へ接続することができる。ラジエータ150は、リアスイングフレーム20もしくはフロントフレームまたはメインフレーム18に固定されるかどうかに関係なく、エンジン72と内部フェンダー56との間の冷却空間112に配設され、かつシート74の下方であるように位置決めされる。加えて、ラジエータ150の最も上方部分は、好ましくは、後輪16の最も上方部分よりも低いレベルに配設される。
【0032】
ラジエータ150は、入口タンク170と出口タンク172との間に配設される中心部168を備える。中心部168には、1つ以上のセクションが備えられ、セクションのそれぞれは、複数の離間するチューブおよび波形冷却フィンから成る。2つの中心セクションが一般に好ましい。それぞれのセクションにおいて、チューブは、入口タンク170と出口タンク172との間に垂直方向に延び、また波形冷却フィンは、チューブ間に配設される。入口タンク170は入口174を有し、また出口タンク172は入口176を有する。
【0033】
入口174は、以下にさらに説明されるように、サーモスタット102を通してフロントシリンダヘッド80とリアシリンダヘッド82の水ジャケットへ接続される一方、出口176は、フレキシブルホース178により水ポンプ92の入口へ接続される。入口タンク170の下端壁(図示されない)は、チューブの入口へ接続される開口部を中に形成する一方、出口タンク172の上端壁(図示されない)は、チューブの出口へ接続される開口部を中に形成する。エンジン72により暖められるクーラントは、サーモスタット102と入口174を経て入口タンク170に流入し、チューブを流通し、そのチューブにおいて冷却され、出口タンク172に流入し、ついで出口176を通してラジエータ150から流出する。ファンアセンブリ152は、ラジエータ150を通して空気を吸引して、チューブを流通する暖められたクーラントを冷却するのに役立つ。
【0034】
ファンアセンブリ152は、ラジエータ150に固定される取付けケージ180を備え、かつ少なくとも1つの、好ましくは一対のファン182を保持する。ファン182のそれぞれは、インペラに固定される回転自在のシャフトを有する電動モータを備える。取付けケージ180は、ファン182を、ラジエータ150の中心部168の前方に、かつそれと整合するように位置決めする。ファン182のモータには、自動二輪車10の電力システムへ接続される電力通し配線が設けられる。モータへの電力は、ラジエータ150の出口タンク172上に設けられる温度スイッチにより制御される。出口タンク172内のクーラントの温度が一定温度よりも上昇すると、温度スイッチが閉じて、電力がモータへ供給されるので、インペラが回転して、ラジエータ150を通して空気が吸引される。
【0035】
エンジン72からラジエータ150へのクーラントの流れは、サーモスタット102により制御される。ここで図3を参照すると、サーモスタット102は、第1と第2のセクション192、194から形成されるハウジング190を備える。
【0036】
第1のセクション192は、中に出口開口部を形成した円筒形側壁196を備える。第1の端壁198が、側壁196へ接合されて、側壁196の外端部を覆う一方、第1の環状部材200が、側壁196へ接合されて、側壁196の開放された内端部の周りに延びる。一対のネジ切りされた固定内腔202が、第1の端壁198に形成される。
【0037】
第2のセクション194は、中に入口開口部とバイパス開口部を形成した円筒形側壁206を備える。第2の端壁208が、側壁206へ接合されて、側壁206の外端部を覆う一方、第2の環状部材210が、側壁206へ接合されて、側壁206の開放された内端部の周りに延びる。一対のネジ切りされた固定内腔(図示されない)が、第2の端壁208に形成される。
【0038】
第1と第2のセクション192、194の第1と第2の環状部材200、210は、ボルトまたはネジのような締付具212により互いに固定されるので、第1と第2のセクション192、194が互いに締付けられる。第1のセクション192において、円筒形出口ポート214が出口開口部の周りの側壁196へ接合される一方、第2のセクション194において、円筒形入口216とバイパスポート218が入口開口部とバイパス開口部の周りの側壁206へそれぞれ接合される。出口ポート214とバイパスポート218は、ほぼ同一の方向にハウジング190から外方へ延びる一方、入口ポート216は、出口ポートとバイパスポート214、218の全く反対方向ではなく、すなわち約160°それらから離れてハウジング190から外方へ延びる。
【0039】
弁胴(図示されない)が、ハウジング190の内側に取付けられ、かつ入口ポート216に流入するクーラントの温度の変化に応答して開放位置と閉止位置との間で移動自在である。弁胴は、開放位置において、入口ポート216と出口ポート214との間にクーラントが流れる通し通路を生成し、バイパスポート218へのクーラントの通過を阻止する。弁胴は、閉止位置において、入口ポート216とバイパスポート218との間にクーラントが流れる通し通路を生成して、出口ポート214へのクーラントの通過を阻止する。弁胴は、バネ(図示されない)により閉止位置へ押付けられる。弁胴は、入口ポート216に流入するクーラントの温度が設定点温度よりも上昇した後に、バネの押圧に抗して開放位置まで移動する。従来のように、弁胴は、弁胴内に配設されるワックスまたはポリマーの熱膨張の結果として開放位置へ移動されることができる。
【0040】
ここで図4を参照すると、サーモスタット102は、フロントフレームまたはメインフレーム18へのエンジン72の取付けを容易にするリアサポートプレート116間に配設される。ハウジング190は、第1と第2の端壁198、208がリアサポートプレート116へそれぞれ押付けられるように、かつ第1と第2の端壁198、208へ向けてのハウジング190の部分が、上端取付け部128の窪み134に配設されるように、すなわち上端取付け部128が、図5に示されるように、ハウジング190の周辺の部分の周りに延びるように、位置決めされる。ハウジング190がそのように位置決めされると、ハウジング190の縦方向軸は、リアサポートプレート116間に横方向に延びる。ハウジング190は、出口とバイパスのポート214、218が後方かつ下方に延びる一方、入口ポート216が下方かつ前方に延びるように、縦方向軸に対して角度を付けて位置決めされる。
【0041】
第1と第2の端壁198、208は、第1と第2の端壁198、208における固定内腔202がリアサポートプレート116における固定孔とそれぞれ整合するように、リアサポートプレート116に対してそれぞれ位置決めされる。ネジ230が、整合された固定孔を通して固定内腔202中にネジ込まれるので、第1と第2の端壁198、208はリアサポートプレート116へそれぞれ固定される。
【0042】
サーモスタット102が、リアサポートプレート116に固定されるように示され、かつ説明されるが、サーモスタット102を、代わりに、トップフレーム構造体32またはエンジン72の後部マウント110に固定できることが分かるはずである。たとえば、サーモスタット102の第1と第2の環状部材200、202を、上端取付け部128に固定できる。
【0043】
サーモスタット102の出口ポート214は、フレキシブルホース232によりラジエータ150の入口174へ接続される一方、サーモスタット102の入口ポート216は、フロントシリンダ80とリアシリンダ82の水ジャケットからのクーラントを受容する多ポートコネクタ100の出口ポートへ、ホース104により接続される。サーモスタット102のバイパスポート218は、フレキシブルバイパスホース(図示されない)により、水ポンプ92の入口へ接続される。
【0044】
冷却システムは、エンジンブロックとシリンダヘッドからの熱を取去ることにより、エンジン72を冷却するように作動する。しかしながら、エンジン72が最初に始動するとき、エンジンおよびエンジン内のクーラントは冷たい(すなわち、サーモスタット弁が開く所定の温度未満である)。したがって、クーラントの流れは、水ジャケットから出て、ホース96、98を通して、多ポートコネクタ100まで流れ、そこにおいて、それらの流れが混合される。混合されたクーラントの流れは、ついでホース104を通してサーモスタット102まで流れ、入口ポート216を通してサーモスタット102に流入する。クーラント温度が、サーモスタット弁胴が開放位置まで移動する所定または設定点の温度未満であるので、クーラントは、サーモスタット102を通して流れ、ついでバイパスポート218を通してサーモスタット102から出る。クーラントは、バイパスホースを通して水ポンプ92まで戻り、ついでフロントシリンダ80とリアシリンダ82を取囲むエンジンブロック水ジャケット中に再びポンプ送液される。したがって、水ポンプ92は、エンジン水ジャケット内でクーラントを循環するので、ラジエータ150がバイパスされて、エンジンがほぼ迅速に昇温される。
【0045】
エンジンが作動温度に達したとき、エンジンブロックから出るクーラントは、所定の温度を超えており、その温度においてサーモスタット弁が開き、したがってサーモスタット弁が、ラジエータ150と流体連通ができるように移動する。かくして、水ポンプ92は、ホース178を通してラジエータ150からクーラントを引込み、フロントシリンダ80とリアシリンダ82を取囲む水ジャケット中にホース94を通してクーラントをポンプ送液する。エンジンブロック84およびシリンダヘッド80aとシリンダヘッド82aからの熱は、水ジャケット内を流れるクーラントへ伝達される。暖められたクーラントは、エンジンブロックの水ジャケットから出て、サーモスタット102まで流れる。サーモスタット102に流入する暖められたクーラントの温度が、設定点温度を超えるので、サーモスタット弁胴は、開放位置まで動く。これが生じると、暖められたクーラントは、サーモスタット102を通して入口ポート216から出口ポート214まで流れ、ついでホース232を通してラジエータ150まで流れる。ラジエータ150において、暖められたクーラントは、冷却され、ついでホース178を通して水ポンプ92まで戻る。
【0046】
サーモスタット102は、上述の仕方でリアサポートプレート116間に配設された場合、特に自動二輪車10が横方向から見られるときに、ほぼ視界から隠される。加えて入口、出口およびバイパスのポート216、214、218の角度を付けた位置決めは、ホース104、232およびバイパスホースが僅かにだけ目視できるので、それらのホースの経路指定に役立つ。具体的には、入口ポート216は上方と前方へ延びるので、トップフレーム構造体32に沿って上方と前方に延びるホース104の経路指定が容易になり、そこにおいて、ホース104が視界から殆ど隠される一方、出口ポート214とバイパスポート218は下方と後方へ延びるので、冷却空間112を通して、かつ後部ダクト160の内方へのホース232とバイパスホースの経路指定が容易になり、そこにおいて、それらのホースが視界から殆ど隠される。かくして、リアサポートプレート116間のサーモスタット102の取付け部は、自動二輪車10に均整がとれた邪魔されない外観を提供するのに役立つ。
【0047】
本発明を、その特定の実施態様を参照して示し、かつ説明してきたが、これらの実施態様は、それらに限定するものではなく、説明用のものであり、またここに説明される特定の実施態様の変形態様と変更態様は、当該技術に有能な者にとり明らかであり、それらの全てが、本発明の意図された精神と範囲内にある。したがって本発明は、範囲と効果において、ここで説明された特定の実施態様に限定されないし、または当該技術における進展が本発明により発展された程度と一致しない他の如何なる方法において限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による冷却システムを搭載した自動二輪車の正面斜視図である。
【図2】上記冷却システムとエンジンの特徴を一層良く示すために幾つかの構成部材を取外して示した自動二輪車の部分側面図である。
【図3】上記冷却システムのサーモスタットの斜視図である。
【図4】エンジンを自動二輪車のシャーシに取付けるのに役立つリアサポートプレート間に取付けられたサーモスタットの正面図である。
【図5】自動二輪車の部分側面図であって、リアサポートプレートの1つを取外し、シャーシ上の上端マウントに隣接して配設されるサーモスタットを示す。
【図6】シャーシのリアスイングフレームの正面斜視図であり、冷却システムのラジエータがリアスイングフレームに取付けられた状態を示す。
【図7】リアスイングフレームとラジエータの平面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 自動二輪車
12 シャーシ
14 前輪
16 後輪
18 フロントフレーム
20 リアスイングフレーム
22 ステアリングヘッド
24 ダウンパイプ
26 十字バー
28 下端パイプ
30 後部ステー
32 トップフレーム構造体
36 シートレール
38 ダクト構造部材
40 側面構造部材
42 上部アーム
44 下部アーム
46 前方取付け部
48 車輪取付け部
50 下部十字部材
52 上部十字部材
60 フロントフォークアセンブリ
62 フォーク脚部
66 ハンドルバー
72 エンジン
74 シート
76 リアフェンダー
80 フロントシリンダ
82 リアシリンダ
84 エンジンブロック
92 水ポンプ
100 多ポートコネクタ
102 サーモスタット
114 フロントサポートプレート
116 リアサポートプレート
150 ラジエータ
152 ファンアセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車であって
前輪および後輪と、
前記前輪および前記後輪に支承され、かつ、これらに連結されたシャーシと、
前記シャーシに取付けられ、エンジンブロックに結合された少なくとも1つのシリンダヘッドを有するエンジンと、
前記エンジンを前記シャーシに取付けるための少なくとも1つのマウントアセンブリと、
前記少なくとも1つのマウントアセンブリが、前記エンジンと前記シャーシとの間に固定された一対の横方向に離間するサポートプレートを備えること、及び、前記サポートプレートが、前記少なくとも1つのシリンダヘッドの最後方のヘッドの後方に配設されていることと、
前記シャーシに取付けられたラジエータと、
前記エンジンと前記ラジエータとの間に接続されて前記エンジンから前記ラジエータへのクーラント流を制御するとともに、前記サポートプレート間に配設されたサーモスタットと、
から成ることを特徴とする自動二輪車。
【請求項2】
前記サーモスタットは、前記サポートプレート間を延びる縦方向軸を有するハウジングを備える請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項3】
前記サーモスタットは、前記サポートプレートに固定されている請求項2に記載の自動二輪車。
【請求項4】
前記シャーシは、フロントフレームを有し、前記フロントフレームは、
ステアリングヘッドと、
前記ステアリングヘッドに結合され、前記ヘッドから下方に延びる一対の離間するダウンパイプと、
前記ダウンパイプに結合され、前記パイプから後方に延びる一対の下端パイプと、
前記ステアリングヘッドに結合され、前記ヘッドから後方に延びる上端フレーム構造体と、を備える請求項3に記載の自動二輪車。
【請求項5】
前記サポートプレートは、前記上端構造体に固定され、前記部材から下方に延びる請求項4に記載の自動二輪車。
【請求項6】
前記少なくとも1つのマウントアセンブリは、前記エンジンブロックに結合され、前記エンジンブロックから上方に延びる後部マウントをさらに有する請求項5に記載の自動二輪車。
【請求項7】
前記サポートプレートは、前記後部マウントに固定され、前記後部マウントの両側面に配設された下方部分を有する請求項6に記載の自動二輪車。
【請求項8】
前記ラジエータは、前記エンジンの後方に配設される請求項4に記載の自動二輪車。
【請求項9】
前記シャーシは、前記フロントフレームに揺動自在に取付けられるリアスイングフレームを有する請求項8に記載の自動二輪車。
【請求項10】
前記ラジエータは、前記リアスイングフレームに取付けられる請求項9に記載の自動二輪車。
【請求項11】
前記少なくとも1つのシリンダヘッドは、フロントシリンダヘッドとリアシリンダヘッドを有する請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項12】
前記少なくとも1つのマウントアセンブリには、前部マウントアセンブリと後部マウントアセンブリを含み、前記後部マウントアセンブリは、前記後部マウントと前記サポートプレートを含む請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項13】
自動二輪車であって、
前輪および後輪と、
前記前輪および前記後輪に支承され、かつこれらに接続されたシャーシと、
エンジンと、
前記シャーシへの前記エンジンの取り付けを支援する一対の横方向に離間したサポートプレートと、
燃料タンクと、
前記シャーシに取り付けられたラジエータと、
サーモスタットと、から成り、
前記シャーシは、ステアリングヘッドと、前記ステアリングヘッドに結合され、前記ヘッドから下方に延びる一対の離間するダウンパイプと、前記ダウンパイプへ結合され、前記パイプから後方に延びる一対の下端パイプと、前記ステアリングヘッドに固定され、前記ヘッドから後方に延びるトップフレーム構造体と、前記下端パイプ及び前記トップフレーム構造体に連結された一対のステーと、を含んでおり、
前記エンジンは、前記下端パイプと前記トップフレーム構造体との間の前記シャーシに取り付けられているとともに、少なくとも1つのシリンダヘッド及びエンジンブロックに結合された後部マウントを有しており、前記後部マウントは、前記エンジンブロックから上方に延び、前記少なくとも1つのシリンダヘッドの最後方のヘッドの後方に配設されており、
前記サポートプレートは、前記トップフレーム構造体に固定されて前記部材から下方に延びているとともに、前記後部マウントに固定されかつ前記後部マウントの両側に配設された下部部分を有しており、前記後部マウント及び前記トップフレーム構造体と協働して、前記サポートプレート間及び前記後部マウントと前記トップフレーム構造体との間を延びる保持空間を形成しており、
前記燃料タンクは前記トップフレーム構造体上に配設され、これによって支承されており、
前記サーモスタットは、前記エンジンと前記ラジエータとの間に連結されて前記エンジンから前記ラジエータへのクーラント流を制御するよう作動可能であるとともに、前記保持空間に配設されている、ことを特徴とする自動二輪車。
【請求項14】
前記ラジエータは、前記エンジンの後方に配設されている請求項13記載の自動二輪車。
【請求項15】
前記サーモスタットは、前記サポートプレート間を延びる縦方向軸を有するハウジングを備える請求項14に記載の自動二輪車。
【請求項16】
前記サーモスタットは、前記サポートプレートに固定される請求項15に記載の自動二輪車。
【請求項17】
前記トップフレーム構造体は、ダクト構造体に固定される一対のシートレールを有し、前記ダクト構造体は、冷却空気を前記ラジエータに案内する少なくとも1つの空気ダクトを有し、前記少なくとも1つの空気ダクトは、前記エンジン上を延びるとともに、前記ステアリングヘッドの周囲に位置する入口と、送出空気を前記ラジエータに連通させるよう配置された出口を有する請求項15に記載の自動二輪車。
【請求項18】
前記シャーシは、前記後部ステーに揺動可能に取付けられたリアスイングフレームを更に有する請求項17に記載の自動二輪車。
【請求項19】
前記ラジエータは、前記リアスイングフレームに取付けられる請求項18に記載の自動二輪車。
【請求項20】
前記少なくとも1つのシリンダヘッドは、フロントシリンダヘッド及びリアシリンダヘッドを含む請求項13に記載の自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−8128(P2006−8128A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−185059(P2005−185059)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】