説明

改良されたモレキュラーシーブ含有水素化脱ロウ触媒

潤滑油沸点範囲の原料油流れを水素化脱ロウするのに使用するための、活性金属酸化物と、第VIII族および第VIB族金属から選択される少なくとも1種の水素添加金属とが堆積された中細孔モレキュラーシーブを含有する触媒組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油沸点範囲の原料油流れの脱ロウに使用するのに適した触媒に関する。より詳細には、本発明は、活性金属酸化物と、第VIII族および第VIB族金属から選択される少なくとも1種の水素添加金属とが堆積された中細孔モレキュラーシーブを含有する触媒組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
更に、大抵の潤滑油原料材は、最低使用温度までは流体のままである潤滑油を生成するために脱ロウされなければならない。脱ロウは、石油留分中の容易に凝固する炭化水素(即ちワックス)を分離または転化するプロセスである。潤滑油範囲で沸騰するワックスおよびワックス質原料の水素化脱ロウ、並びに、かかるプロセスに有用な触媒は、当技術分野で周知である。一般に、これらのプロセスは、モレキュラーシーブ成分と、第VIII族および/または第VIB族金属から選択される成分とを含む触媒を利用する。
【0003】
完成された油の性能要件が高まるにつれて、改良された潤滑油基油特性のための要件も高まっている。この要求に対処するために、新規の様々なプロセス、改良された活性、選択性および/または長寿命を呈する触媒および触媒系を探し求めることが、引き続き課題となっている。このため、触媒の脱ロウおよび脱ロウ触媒の製造方法の改良が当技術分野で現在必要とされている。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,016,218号明細書
【特許文献2】米国特許第5,075,269号明細書
【非特許文献1】Atlas of Zeolite Structure Types、W.M.マイヤー(Maier)およびD.H.オルソン(Olson)、バターワース(Butterworths)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、潤滑油範囲で沸騰する原料油流れの品質向上に使用するのに適した触媒に関する。該触媒は、
a)少なくとも1種の中細孔モレキュラーシーブと、
b)希土類金属酸化物から選択される少なくとも1種の活性金属酸化物と、
c)第VIII族および第VIB族金属から選択される少なくとも1種の水素添加金属と
を含む。
【0006】
本発明の一実施形態では、水素化脱ロウ触媒の少なくとも1種の活性金属酸化物は、第IIIB族希土類金属酸化物から選択される。
【0007】
更に別の実施形態では、希土類金属酸化物は、イットリアである。
【0008】
更に別の実施形態では、水素化脱ロウ触媒の、第VIII族および第VIB族金属から選択される少なくとも1種の水素添加金属は、第VIII族貴金属から選択される。
【0009】
更に別の実施形態では、水素化脱ロウ触媒の、第VIII族および第VIB族金属から選択される少なくとも1種の水素添加金属は、Pt、Pdおよびその混合物から選択される。
【0010】
更に別の実施形態では、少なくとも1種の第VIII族金属は、Pt、Pdおよびその混合物から選択される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、潤滑油範囲で沸騰する炭化水素原料油流れの品質向上に使用するのに適した触媒である。水素化脱ロウ触媒は、少なくとも1種の中細孔モレキュラーシーブ、希土類金属酸化物から選択される少なくとも1種の活性金属酸化物、および少なくとも1種の第VIII族金属を含む。
【0012】
上述したように、本発明による触媒は、少なくとも1種の中細孔モレキュラーシーブを含む。本発明で使用するのに適した中細孔モレキュラーシーブは、シリコアルミノホスフェート(SAPO)などの酸性メタロシリケート、および一次元10環ゼオライト、即ち10員環を含む一次元チャネルを有する中細孔ゼオライトから選択することができる。モレキュラーシーブはゼオライトであることが好ましい。
【0013】
少なくとも1種のモレキュラーシーブとして有用なシリコアルミノホスフェート(SAPO)は、公知のSAPOのいずれかであり得る。好ましいSAPOには、SAPO−11、SAPO−34およびSAPO−41が挙げられる。
【0014】
本明細書で用いられる脱ロウ触媒に使用するのに適した中細孔ゼオライト(一次元10環ゼオライトと呼ばれることもある)は、公知のもののいずれかであり得る。本明細書で使用されるような中細孔ゼオライトは、非特許文献1に中細孔ゼオライトとして記載された任意のゼオライトであり得る。ゼオライトは多孔質の結晶質材料であり、中細孔ゼオライトは、n−ヘキサン、3−メチルペンタン、ベンゼンおよびp−キシレンなどの分子を自由に吸着するような、細孔径が5〜7オングストロームのゼオライトとして一般に定義されている。中細孔ゼオライトに使用される別の一般的な分類は、特許文献1(参照により本明細書に援用される)に記載される制限指数試験を含む。中細孔ゼオライトは典型的には、触媒の拡散性を調節するための処理の前で、改質剤を用いていない単独のゼオライトを基準にして、1〜12の制限指数を有する。好ましい一次元10環ゼオライトは、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−48およびフェリエライトである。更に好ましいのは、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48およびZSM−57である。最も好ましいのは、ZSM−48である。ZSM−48への最も好ましい合成経路は特許文献2に記載されたものである。
【0015】
本発明に使用される中細孔モレキュラーシーブは、好ましくは、好適な多孔質のバインダーまたは母材材料と組み合わせられる。かかる材料の非限定的な例には、粘土、シリカ、および/または、アルミナなどの金属酸化物などの、活性材料および不活性材料が挙げられる。合成することができる天然の粘土の非限定的な例には、サブベントナイトを含むモンモリロナイト/カオリン系由来の粘土、および、ディキシー(Dixie)粘土、マクナミー(McNamee)粘土、ジョージア(Georgia)粘土およびフロリダ(Florida)粘土として一般的に知られているカオリン由来の粘土が挙げられる。また、主な鉱物の成分が、ハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライトまたはアナウキサイトである他の粘土が使用されてもよい。粘土は、元々混合されたそのままの状態で使用するか、或いは、少なくとも1種のモレキュラーシーブと組み合わせられる前に、カ焼、酸処理または化学的改質を施した状態で使用することができる。多孔質の母材またはバインダー材料が、シリカ、アルミナまたはカオリン粘土の少なくとも1種を含むことが好ましい。バインダー材料がアルミナを含むことがより好ましい。少なくとも1種のモレキュラーシーブのモレキュラーシーブの量は、合成されたモレキュラーシーブを基準にして、10〜100重量%、好ましくは35〜100重量%である。かかるモレキュラーシーブは、噴霧乾燥、押出し等などの方法によって形成することができる。本発明による触媒は、硫化されたまたは硫化されていない形態で使用されてもよく、好ましくは硫化された形態にある。
【0016】
また、本発明による水素化脱ロウ触媒は、希土類金属酸化物から選択される少なくとも1種の活性金属酸化物を含む。本明細書で使用される際の「希土類金属酸化物」は、周期表の57〜71の原子番号で表される元素、およびイットリウム(原子番号39で表されるが、多くの用途で希土類金属に類似した挙動をする)を含む金属酸化物を指すことを意味している。少なくとも1種の活性金属酸化物が、イットリウムを含む周期表の第IIIB族の希土類金属酸化物から選択されることが好ましく、より好ましくは少なくとも1種の活性金属酸化物はイットリアである。
【0017】
少なくとも1種の活性金属酸化物は、それを行うのに有効であると知られている任意の手段によって、上記の中細孔モレキュラーシーブに組み込むことができる。好適な組込み手段の非限定的な例には、初期湿潤、イオン交換、モレキュラーシーブおよびバインダーと金属酸化物前駆体の機械的混合、またはそれらの組合せが挙げられ、初期湿潤法が好ましい方法である。
【0018】
中細孔モレキュラーシーブに組み込まれる、即ち堆積される活性金属酸化物の量は、触媒を基準にして、0.1重量%を超える。好ましくは、混合される金属酸化物の量は、0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜8重量%、最も好ましくは1重量%〜4重量%の範囲である。
【0019】
また、本発明による水素化脱ロウ触媒は、第VIII族および第VIB族金属から選択される少なくとも1種の水素添加金属を含む。従って、本発明に使用するのに適した水素化脱ロウ触媒は二機能性である。第VIII族および第VIB族金属から選択される少なくとも1種の水素添加金属は、金属水素添加成分として機能する。好ましい第VIII族金属は、第VIII族貴金属から選択されるものであり、より好ましくはPt、Pdおよびその混合物から選択されるものであり、Ptが最も好ましい第VIII族金属である。好ましい第VIB族金属には、モリブデンおよびタングステンが挙げられる。特に好ましい実施形態では、少なくとも1種の水素添加金属は、第VIII族金属から選択され、好ましい第VIII族金属は上述されたものである。
【0020】
少なくとも1種の水素添加金属は、少なくとも1種の活性金属酸化物が堆積される前または後、好ましくは堆積された後に、中細孔モレキュラーシーブに組み込まれる、即ち堆積され得る。また、少なくとも1種の水素添加金属は、それを行うのに有効であると知られている任意の手段によって、上記の活性金属酸化物含有中細孔モレキュラーシーブに組み込むことができる。好適な組込み手段の非限定的な例には、初期湿潤、イオン交換、モレキュラーシーブおよびバインダーと金属酸化物前駆体の機械的混合、またはそれらの組合せが挙げられ、初期湿潤法が好ましい方法である。
【0021】
金属酸化物含有中細孔モレキュラーシーブに組み込まれる、即ち堆積される少なくとも1種の水素添加金属の量は、触媒を基準にして、0.1〜30重量%である。好ましくは、少なくとも1種の水素添加金属の量は、0.2重量%〜25重量%、より好ましくは0.5重量%〜20重量%、最も好ましくは0.6〜20重量%の範囲である。
【0022】
本発明の触媒は、潤滑油範囲で沸騰する炭化水素原料油流れの品質向上に使用するのに適している。それらは、潤滑油沸点範囲原料油流れの接触水素化脱ロウに使用するのに特に適している。本発明者らは、本発明を利用する接触水素化脱ロウプロセスが、現在利用可能な商用水素化脱ロウ触媒を用いるプロセスと比較した際に、改良された収率、および、より優れた粘度指数(「VI」)を有する潤滑油沸点範囲生成物を伴うプロセスを提供することを見出した。収率の増加(収率増分と呼ばれることもある)は、原料を基準にして約10%であり、VI増加(VI増分と呼ばれることもある)は、約1〜5VIポイントである。
【0023】
潤滑油品質向上プロセスに使用される際、本発明は様々な潤滑油沸点範囲の原料油流れを品質向上させるのに使用可能である。これらの原料油流れは典型的には、ASTM D 86またはASTM 2887によって測定した際に、典型的には650°F(343℃)より高い10%蒸留温度を有する、潤滑油範囲で沸騰するワックス含有原料であり、鉱物源、合成源または2種の混合物に由来する。好適な潤滑油原料油流れの非限定的な例には、ラフィネート、部分的に溶剤脱ロウされた油、脱れき油、留出物、減圧ガス油、コーカーガス油、スラックワックス、フーツ油等などの溶剤精製プロセスに由来した油、脱ロウ油、オートマチックトランスミッションフルード原料材およびフィッシャー−トロプシュワックスなどの素材源に由来したものが挙げられる。好ましい潤滑油原料油流れは、ラフィネートおよび脱ロウ油から選択されるものである。
【0024】
また、これらの原料油流れは、高含量の、窒素汚染物質および硫黄汚染物質を有することがある。原料を基準にして、0.2重量%までの窒素、および3.0重量%までの硫黄を含有する原料は、本発明を利用して処理することができる。高いワックス含量を有する原料は典型的には、200以上までの高い粘度指数を有する。硫黄および窒素含量は、標準ASTM方法D5453およびD4629によってそれぞれ測定され得る。
【0025】
本発明を利用する潤滑油沸点範囲品質向上プロセスによって用いられる条件は、該プロセスで使用するのに適した任意の条件であり得る。例えば、本発明が接触水素化脱ロウプロセスで利用される場合、有効な接触水素化脱ロウ条件には、一般に、250℃〜400℃、好ましくは275℃〜350℃の温度、791〜20786kPa(100〜3000psig)、好ましくは1480〜17339kPa(200〜2500psig)の圧力、0.1〜10時間−1、好ましくは0.1〜5時間−1の液空間速度、および45〜1780m/m(250〜10000scf/B)、好ましくは89〜890m/m(500〜5000scf/B)の水素処理ガス比が含まれる。
【0026】
上記の記載は本発明の好ましい実施形態に関する。当業者は、本発明の趣旨を実施するために、同様に有効な他の実施形態を考案し得ることを認識するであろう。
【0027】
以下の実施例は、本発明の改良された効果を示すが、決して本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0028】
実施例1−触媒の調製
比較触媒−触媒A
比較用のベースケース触媒を、65部のZSM−48結晶(Si/Al、約200/1)と35部の擬ベーマイトアルミナを押し出すことにより調製した。押出しの後、押出物を空気中121℃で乾燥させ、続いて窒素中538℃でカ焼し、ゼオライト中の有機テンプレートを分解した。分解後、押出物を、ナトリウムを除去するために1NのNHNO硝酸塩と交換し、続いて121℃で更なる乾燥ステップを行った。第2の乾燥ステップの後に、ZSM−48のNH形態をH−形態に転化し、かつ窒素分解の後に触媒に残るいかなる残余炭素も除去するために、触媒を、空気中538℃でカ焼した。その後、押出物のH−形態を、白金テトラアミン硝酸塩および水を使用して、初期湿潤含浸によって、0.6重量%のPtに含浸させた。含浸の後、触媒を、過剰水を除去するために121℃で再び乾燥させ、続いて、酸化白金へと金属塩を分解するために、360℃で穏やかな空気カ焼を行った。
【0029】
本発明による触媒−触媒B
1重量%イットリウム含有ZSM−48触媒を、白金テトラアミン硝酸塩含浸に先立って、H−形態の押出物を、初期湿潤法を使用して、硝酸イットリウム(1重量%イットリウム)に含浸させた以外は上述したベースケース触媒と同様の方式で調製した。その後、イットリウム含有触媒を、酸化イットリウムへの硝酸イットリウムを分解するために空気流中538℃でカ焼した。カ焼の後、イットリウム含有ZSM−48押出物を、白金テトラアミン硝酸塩および水を使用して、初期湿潤含浸によって0.6重量%のPtに含浸させた。Pt含浸の後、得られた触媒を、過剰水を除去するために121℃で再び乾燥させ、続いて、酸化白金へ金属塩を分解するために360℃で緩やかな空気カ焼を行った。
【0030】
実施例2−触媒の使用
上記の実施例1に記載される触媒AおよびBを別々に使用して、ガスクロマトグラフィーによって測定した際に、5wppmの硫黄、4wppmの窒素を有し、420℃の平均沸点を有する、予め水素化処理された150Nのスラックワックスを脱ロウした。触媒Aおよび触媒Bはいずれも、以下に記載される同一の工程条件下で使用した。
【0031】
触媒AおよびBを、325℃の温度、1000psig(6996kPa)の圧力、1時間−1の液空間速度、および2500scf/bbl(445m/m)の水素処理ガス比を含む、同じ脱ロウ条件を各々用いる、2つの別個の実験に使用した。150Nのスラックワックス原料の脱ロウを、単純な垂直管形反応器中で行い、炭化水素原料および水素の同時供給が可能となるようにした。これらの実験の結果を、図1、2、3および4に示す。
【0032】
図1は、本発明による触媒(触媒B)が従来の水素化脱ロウ触媒(触媒A)を上回る意外な改良を示すことを示す。図1に示されるように、本発明の意外な改良のうちの1つは、−20℃の一定の流動点で、同一の水素化脱ロウ条件下において、触媒Aを用いる水素化脱ロウプロセスが、原料を基準にして49重量%の収率をもたらす一方、触媒B(本発明による触媒)を利用する水素化脱ロウプロセスが、原料を基準にして59重量%の収率をもたらすことである。
【0033】
図2は、本発明の更に意外な改良を示す。図2は、本発明を用いる水素化脱ロウプロセスが、触媒Aを利用する水素化脱ロウプロセスによって生成される生成物よりも、2〜5ポイント高い粘度指数(「VI」)を有する生成物を生成したことを示す。
【0034】
図3および4は、比較した際の、本発明の別の意外な改良を示す。図3は、本発明による触媒(触媒Bなどの触媒)を利用するプロセスが、5日以内にラインアウトし、一定の流動点で、通油日数5〜23日間かけて82%の収率(370℃+Hi−Vac収率と定義される)を呈することを示す。しかしながら、図4は、触媒Aを利用する以外は同じ水素化脱ロウ条件を使用する水素化脱ロウプロセスが、ラインアウトするのにはるかに長くかかることを示す。図4に示されるように、触媒Aを用いる水素化脱ロウプロセスは、75+通油日数の後でさえ、定常状態に達しなかった。更に、このプロセスは、触媒Bを用いる水素化脱ロウプロセスの高い370℃+Hi−Vac収率に到達しなかった。従って、図1、2、3および4は、本発明が、意外に速いラインアウト時間と、従来のZSM−48ベースの水素化脱ロウ触媒を用いるプロセスより優れたVIを有する生成物の高収率とをもたらす潤滑油品質向上触媒を提供することを示す。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来のZSM−48ベースの水素化脱ロウ触媒と比較した、本発明によるZSM−48触媒で150Nのスラックワックスを水素化脱ロウすることにより得られる潤滑油基油の流動点を収率と関連付けるグラフである。
【図2】従来のZSM−48ベースの水素化脱ロウ触媒と比較した、本発明によるZSM−48触媒で150Nのスラックワックスを水素化脱ロウすることにより得られる潤滑油生成物の流動点を粘度指数と比較するグラフである。
【図3】本発明による触媒に関する、一定の流動点における収率を通油時間と関連付けるグラフである。
【図4】従来のZSM−48水素化脱ロウ触媒に関する、一定の流動点における収率を通油時間と関連付けるグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油沸点範囲の原料油流れを品質向上させるのに適した触媒であって、
a)少なくとも1種の中細孔モレキュラーシーブ;
b)希土類金属酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種の活性金属酸化物;および
c)第VIII族および第VIB族金属から選択される少なくとも1種の水素添加金属
を含むことを特徴とする触媒。
【請求項2】
前記中細孔モレキュラーシーブは、酸性メタロシリケートおよびゼオライトよりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記酸性メタロシリケートは、SAPO−11、SAPO−34およびSAPO−41よりなる群から選択されるシリコアルミノホスフェート(SAPO)であることを特徴とする請求項2に記載の触媒。
【請求項4】
前記中細孔モレキュラーシーブは、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−48およびフェリエライトよりなる群から選択されるゼオライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒。
【請求項5】
前記中細孔モレキュラーシーブは、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭素、ジルコニア、珪藻土、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化イットリウムおよび酸化プラセオジムを含むランタニド酸化物;クロミア、酸化トリウム、ウラニア、ニオビア、タンタラ、酸化スズ、酸化亜鉛およびリン酸アルミニウムよりなる群から選択される好適な多孔質のバインダーまたは母材材料と、前記バインダー1部に対してゼオライト15部未満の量で組み合わされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒。
【請求項6】
前記好適な多孔質のバインダーまたは母材材料は、アルミナであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の触媒。
【請求項7】
前記少なくとも1種の活性金属酸化物および前記少なくとも1種の水素添加金属は、初期湿潤、イオン交換、中細孔モレキュラーシーブおよびバインダーと金属酸化物前駆体の機械的混合、並びにそれらの任意の組み合わせよりなる群から選択される方法によって、中細孔モレキュラーシーブに堆積されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の触媒。
【請求項8】
前記少なくとも1種の活性金属酸化物は、触媒を基準にして0.1重量%を超える量で、前記中細孔モレキュラーシーブに堆積されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の触媒。
【請求項9】
前記少なくとも1種の活性金属酸化物は、0.1〜10重量%の範囲の量で、前記中細孔モレキュラーシーブに堆積されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の触媒。
【請求項10】
前記少なくとも1種の水素添加金属は、第VIII族金属よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の触媒。
【請求項11】
前記少なくとも1種の水素添加金属は、触媒を基準にして0.1〜30重量%の範囲の量で、前記中細孔モレキュラーシーブに堆積されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の触媒。
【請求項12】
前記少なくとも1種の活性金属酸化物を前記中細孔モレキュラーシーブに堆積させた後に、前記少なくとも1種の水素添加金属を前記中細孔モレキュラーシーブに堆積させてあることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−512227(P2008−512227A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530338(P2007−530338)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/031069
【国際公開番号】WO2006/028884
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(390023630)エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー (442)
【氏名又は名称原語表記】EXXON RESEARCH AND ENGINEERING COMPANY
【Fターム(参考)】