説明

放射線撮影システム、及び放射線撮影機器の制御装置

【課題】立位撮影と臥位撮影を続けて行う場合に被検者を円滑かつ安全に移動させる。
【解決手段】立位撮影の終了後、X線発生器14とX線検出器15を臥位撮影位置に移動する場合には、まず、X線発生器14を退避位置に移動する。この後、X線検出器15を臥位撮影位置に移動する。X線発生器14の退避により、被検者の動線が確保され、安全かつ円滑に被検者が寝台20に移動することができる。臥位撮影の終了後、X線発生器14とX線検出器15を立位撮影位置に移動する場合には、まず、X線検出器15を立位撮影位置に移動し、この後、X線発生器14を退避させる。X線検出器15が被検者の移動先を示す目印となるので、被検者は円滑に立位撮影位置の立ち位置に移動できる。X線発生器14は退避しているので、衝突の危険もない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立位撮影位置と臥位撮影位置の間で放射線撮影機器を移動させる放射線撮影システム、及び放射線撮影機器の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検者に向けてX線を曝射するX線発生器、被検者を透過したX線を検出するX線検出器からなるX線撮影装置が知られている。X線撮影装置には、被検者が寝台に横たわる臥位の姿勢で撮影する臥位撮影装置や、被検者が立位の姿勢で撮影する立位撮影装置などがあり、これらは目的に応じて使い分けられる。
【0003】
特許文献1及び2には、立位撮影と臥位撮影の両方の撮影が可能なX線撮影装置が記載されており、このX線撮影装置では、X線発生器及びX線検出器の少なくとも一方を立位撮影と臥位撮影の両方で共用しており、共用される機器の、立位撮影位置と臥位撮影位置の間の移動には、移動装置が用いられる。立位撮影位置は、立位姿勢の被検者を挟んで、X線発生器とX線検出器が対向させる位置であり、臥位撮影位置は、臥位姿勢の被検者を挟んで、X線発生器とX線検出器が対向する位置である。
【0004】
移動装置は、床や天井に敷設されたレールを有し、レールに沿ってX線発生器やX線検出器を移動させる。特許文献1の移動装置では、X線発生器とX線検出器の両方がモータなどの駆動手段によって自動で移動するようになっており、コンソールからの移動指示が入力されると、X線発生器とX線検出器の両方が、臥位撮影位置又は立位撮影位置の一方から他方に向けて一緒に移動する。駆動手段に指示を与えるコンソールは、撮影室に隣接した操作室に配置されているのが一般的である。また、特許文献2の移動装置では、X線検出器を手動又は自動で立位撮影位置又は臥位撮影位置に移動させると、それに連動してX線発生器が自動で移動する。
【0005】
特許文献1及び2に記載された移動装置のように、X線発生器とX線検出器を連動させると、一方を移動させれば他方が追従するため、1つずつ移動させる場合と比較して、移動時間を短縮できるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−024313号公報(段落[0032])
【特許文献2】特開平11−007102号公報(段落[0065]〜[0067])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
検査目的によっては、1人の被検者に対して臥位撮影と立位撮影の両方の撮影を連続して行う場合があり、この場合、X線発生器とX線検出器だけでなく、被検者も臥位撮影位置と立位撮影位置の間を移動することになる。特許文献1及び2の移動装置のように、X線発生器とX線検出器を連動させると、最初の撮影位置から次の撮影位置に両方が同時に移動することになるため、臥位撮影と立位撮影の両方の撮影を連続して行う場合には、次のような不都合があった。
【0008】
まず、X線発生器とX線検出器の両方が次の撮影位置に同時に移動すると、被検者は、X線発生器及びX線検出器との衝突を避けるために、両方に注意を払いながら移動しなければならないので、衝突を回避するという安全性の観点から問題がある。
【0009】
また、X線発生器とX線検出器の次の撮影位置への移動が終了した後に、被検者が次の撮影位置へ移動する場合には、被検者が次の撮影位置へ向かう最短経路内に、X線発生器又はX線検出器のいずれかが位置することになり、被検者の動線を塞いでしまうことも多い。撮影室が狭い場合には、X線発生器やX線検出器の間を縫うようにして移動しなければならないことにもなるため、被検者の円滑な移動を阻害する要因になっていた。
【0010】
被検者は傷病のため身体が不自由で行動に制限があったり、また、動作が緩慢であったりする場合も多く、医療現場においては、衝突を避けるための安全性の確保や、被検者を円滑に移動させるための動線の確保については特に配慮されるべきである。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、1人の被検者に対して臥位撮影と立位撮影を連続して行う場合に、被検者が円滑に移動することが可能で、かつ、安全に放射線撮影機器を移動させることが可能な放射線撮影システム、及び放射線撮影機器の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の放射線撮影システムは、第一の撮影位置と、第二の撮影位置との間で、前記放射線発生器及び前記放射線検出器をそれぞれ独立に移動可能に保持する第一及び第二の移動機構と、前記放射線発生器及び前記放射線検出器を、前記第一の撮影位置と前記第二の撮影位置の一方から他方へ移動させる場合に、前記第一及び第二の移動機構を制御することにより、前記放射線発生器と前記放射線検出器の移動順序を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
前記第一の撮影位置は立位撮影位置であり、前記第二の撮影位置は臥位撮影位置であることが好ましい。
【0014】
前記第一及び第二の移動機構は、それぞれ前記放射線発生器及び前記放射線検出器を自動で移動させるための第一及び第二の駆動手段を備えており、前記制御手段は、第一及び第二の駆動手段を制御することにより、前記移動順序を制御することが好ましい。
【0015】
前記制御手段は、前記立位撮影位置と前記臥位撮影位置の間の移動方向に応じて、前記移動順序を制御することが好ましい。
【0016】
前記移動方向が前記立位撮影位置から前記臥位撮影位置へ移動する第一方向の場合には、前記制御手段は、前記放射線発生器から先に移動を開始させることが好ましい。
【0017】
前記制御手段は、先に移動を開始した前記放射線発生器を、前記立位撮影位置及び前記臥位撮影位置の両方から退避する退避位置に退避させ、その状態で前記放射線検出器を前記臥位撮影位置に移動させ、前記放射線検出器の前記臥位撮影位置への移動が完了した後に、前記放射線発生器を前記退避位置から前記臥位撮影位置に移動させることが好ましい。
【0018】
前記移動方向が前記臥位撮影位置から前記立位撮影位置へ移動する第二方向の場合には、前記制御手段は、前記放射線検出器を先に前記立位撮影位置に移動させることが好ましい。
【0019】
前記制御手段は、前記放射線検出器の前記立位撮影位置への移動後に、前記放射線発生器を、前記立位撮影位置及び前記臥位撮影位置の両方から退避する退避位置にいったん退避させてから、前記立位撮影位置に移動させることが好ましい。
【0020】
前記寝台は、天板が水平になる使用位置と、天板が畳まれる不使用位置との間で、前記天板が移動する可倒式であり、前記天板を使用位置と不使用位置で移動する第三移動機構を備えており、前記制御手段は、前記放射線発生器及び前記放射線検出器に加えて、前記天板の移動順序を制御することが好ましい。
【0021】
前記第三移動機構は、前記天板を自動で移動させるための第三駆動手段を備えており、前記制御手段は、前記第三駆動手段を制御することにより、前記移動順序を制御することが好ましい。
【0022】
前記制御手段は、前記移動方向が前記第一方向の場合には、前記放射線発生器の前記退避位置への移動、天板の前記収納位置から前記使用位置への移動、前記放射線検出器の前記臥位撮影位置への移動、及び前記放射線発生器の前記退避位置から前記臥位撮影位置への移動がこの順序で行われるように前記移動順序を制御し、前記移動方向が前記第二方向の場合には、前記放射線検出器の前記立位撮影位置の移動、前記放射線発生器の前記退避位置への移動、天板の前記使用位置から前記収納位置への移動、前記放射線発生器の前記退避位置から前記立位撮影位置への移動がこの順序で行われるように前記移動順序を制御することが好ましい。
【0023】
または、前記制御手段は、前記放射線発生器及び前記放射線検出器を、前記立位撮影位置から前記臥位撮影位置へ移動させる場合は、前記放射線発生器及び前記放射線検出器のうち前記臥位撮影位置に近い方を先に移動させ、前記臥位撮影位置から前記立位撮影位置へ移動させる場合は、前記放射線検出器を先に移動させるように第一及び第二の移動機構を制御することが好ましい。
【0024】
前記放射線発生器及び前記放射線検出器を、前記臥位撮影位置と前記立位撮影位置の一方から他方に移動する際に、被検者に対して移動すべき場所を報知する報知手段を備えたことが好ましい。
【0025】
本発明の放射線撮影機器の制御装置は、放射線発生器及び放射線検出器を、第一の撮影位置と第二の撮影位置の一方から他方へ移動させる場合に、前記放射線発生器と前記放射線検出器の移動順序を決定する順序決定手段と、決定した前記順序に基づき放射線発生器及び放射線検出器をそれぞれ移動させる第一及び第二の移動機構に可動可否情報を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、放射線発生器及び放射線検出器の移動順序が制御されるから、1人の被検者に対して臥位撮影と立位撮影を連続して行う場合に、被検者が円滑に移動することが可能で、かつ、安全に放射線撮影機器を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】X線撮影システムの外観斜視図である。
【図2】移動装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】撮影装置を立位撮影位置から臥位撮影位置へ移動するときの移動装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】撮影装置を立位撮影位置から臥位撮影位置へ移動するときの移動装置の動作手順を示す図である。
【図5】図4に示す動作手順の続きを示す図である。
【図6】撮影装置を臥位撮影位置から立位撮影位置へ移動するときの移動装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】撮影装置を臥位撮影位置から立位撮影位置へ移動するときの移動装置の動作手順を示す図である。
【図8】図7に示す動作手順の続きを示す図である。
【図9】撮影装置のレイアウトが異なる態様のX線撮影システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示すように、第1実施形態のX線(放射線)撮影システム11は、撮影装置12及び移動装置13からなり、病院の撮影室に設置される。撮影システム11は、立位撮影と臥位撮影の両方の撮影が可能である。
【0029】
撮影装置12は、X線発生器14及びX線検出器15を有する。X線発生器14は、X線を発するX線管とX線の照射範囲を限定するX線可動絞りとからなる。X線検出器15の検出面は、被検者の胸部全体をカバーする程度の面積を有している。X線検出器15には、例えばイメージングプレート、フラットパネルディテクタなどの周知のものが用いられる。
【0030】
移動装置13は、X線発生器14及びX線検出器15を、XY平面及びZ軸方向に移動して、立位姿勢の被検者を挟んで、X線発生器14とX線検出器15が対向する立位撮影位置(実線で示す)と、臥位姿勢の被検者を挟んで、X線発生器14とX線検出器15が対向する臥位撮影位置(二点鎖線で示す)との間で、X線発生器14及びX線検出器15を移動可能に保持する。
【0031】
立位撮影位置では、X線検出器15の検出面がY軸に対して垂直な方向に向き、X線発生器14の照射口が検出面と対向する。臥位撮影では、X線検出器15は、被検者を寝かせる寝台20の天板20aと検出面が平行になる姿勢で、天板20aの下に配置され、天板20aを挟んでその上方に、検出面に照射口が対向するようにX線発生器14が配置される。寝台20は、天板20aが昇降自在に設けられており、高さ調節が可能である。
【0032】
移動装置13は、X線発生器14を移動する第一移動機構16と、X線検出器15を移動する第二移動機構17からなり、第一及び第二の各移動機構16、17は、X線発生器14、X線検出器15をそれぞれ独立に移動可能に保持する。
【0033】
第一移動機構16は、天井に固定されY軸方向に延びた固定レール21と、Y軸方向と直交するX軸方向に延び、固定レール21に沿って可動する可動レール22とからなる天井吊り下げ式の移動機構である。固定レール21、可動レール22は、それぞれ平行な一対のレール部材からなる。
【0034】
可動レール22は、可動レール22に固定された一対の走行部24によって固定レール21に移動可能に取り付けられている。各走行部24は、回転自在なローラ(図示省略)を備えており、このローラが固定レール21のガイド溝内で回転することにより、固定レール21に沿って走行する。
【0035】
可動レール22は、可動レール22に沿って走行する台車26を保持する。台車26には、走行部24と同様の走行部29が設けられており、走行部29が可動レール22に沿って走行することにより、台車26がX軸方向に移動する。
【0036】
台車26には、Z軸方向に伸縮自在な支柱18が固定されており、支柱18の下端にX線発生器14が設けられている。X線発生器14は、台車26及び可動レール22の移動によってXY平面内を移動し、支柱18の伸縮によりZ軸方向に昇降する。また、X線発生器14は、支柱18の下端に、保持部30を介して、Z軸及びX軸回りに回転自在に設けられている。
【0037】
走行部24、走行部29、支柱18及び保持部30は、モータなどの駆動部(図2の符号16a参照)によって電動で駆動されるようになっており、移動指示の入力によってX線発生器14を臥位撮影位置と立位撮影位置との間で、自動で移動させることができる。
【0038】
第一移動機構16は、X線発生器15が停止中に不用意に移動しないように、可動レール22、台車26、支柱18及び保持部30の移動を規制するブレーキ機構(図2の符号16b参照)が設けられており、移動指示が入力されると、ブレーキ機構16bが解除され、移動が完了すると、ブレーキ機構16bが作動(ロック)するようになっている。ブレーキ機構16bは、例えば、固定レール21や可動レール22に圧接して摩擦力を発生させるブレーキ板と、このブレーキ板をロック位置と解除位置の間で移動させるアクチュエータからなる。
【0039】
X線発生器14には、操作ハンドル33や操作パネル34からなる操作部32が設けられている。操作パネル34には、駆動部16aに対する移動及び停止の指示を入力する操作ボタンが設けられている。X線発生器14の細かな位置調整や角度調整は、操作ハンドル33を手動操作することによって行われる。
【0040】
第二移動機構17は、床に敷設されY軸方向に延びたレール36と、Z軸方向に直立しレール36に沿って走行する支柱37と、支柱37に沿ってZ軸方向に昇降自在に設けられX軸方向に延びるアーム38とからなる床上式移動装置である。なお、図示しないが、支柱37は、その下端がレール36で支持されるとともに、例えば、壁に敷設されたレールによってもう1点支持される。
【0041】
支柱37の下端には、走行部24と同様のローラ式の走行部が設けられており、この走行部がレール36を走行することによって支柱37が移動する。アーム38には、X線検出器15が取り付けられている。X線検出器15は、支柱37とアーム38を移動させることにより、臥位撮影位置と立位撮影位置の間で移動する。
【0042】
また、アーム38は、X軸回りに回転自在に設けられており、アーム38の回転により、アーム38の先端に取り付けられたX線検出器15がX軸回りに回転する。これにより、臥位撮影位置と立位撮影位置のそれぞれの位置におけるX線検出器15の姿勢変化や細かな角度調整が可能になっている。
【0043】
第二移動機構17も、第一移動機構16と同様に、支柱37及びアーム38は、モータなどの駆動部(図2の符号17a参照)によって電動で駆動されるようになっており、移動指示の入力によってX線検出器15を臥位撮影位置と立位撮影位置との間で、自動で移動させることができる。さらに、第一移動機構16のブレーキ機構16bと同様に、支柱37やアーム38の不用意な移動を規制するためのブレーキ機構(図5の符号17b参照)が設けられている。
【0044】
また、アーム38には、操作パネル41が設けられており、駆動部17aに対する移動及び停止の指示を入力する操作ボタンが設けられている。X線検出器15の細かな位置調整や角度調整は、手動操作によって行われる。
【0045】
寝台20は、天板20a、ヒンジ43、及び脚部44からなる。天板20aは、ヒンジ43を介して脚部44に取り付けられている。天板20aは、ヒンジ36によってY軸回りに回動し、天板20aの上面が水平方向になる使用位置(二点鎖線で示す)と、天板20aが使用位置から90度回転して畳まれる不使用位置(実線で示す)との間で移動する可倒式である。使用しない間は、天板20aを畳んでおくことができるので省スペース化が可能になる。
【0046】
寝台20には、天板20aを自動で回動させるモータなどの駆動部(図2の符号53a参照)と、天板20aを使用位置又は不使用位置でロックするロック機構(図2の符号53b参照)が内蔵されている。ロック機構53bは、例えば、天板20aの回動経路に進入して回動を規制する規制部材と、この規制部材を進退させるアクチュエータからなる。寝台20には、駆動部53aに対して操作指示を入力する操作ボタン(図示せず)が設けられており、駆動部53aに操作指示が入力されると、ロック機構53bが解除されて天板20aが回動する。天板20aの回動が終了するとロック機構53bが作動して、天板20aがロックされる。ヒンジ43、駆動部53a及びロック機構53bは、第三移動機構(図2の符号53参照)を構成する。
【0047】
図2に示すように、移動装置13は、コントローラ51を備えている。コントローラ51は、操作パネル34、41、及びコンソール52から入力される操作信号にしたがって、移動装置13全体を統括的に制御する。コントローラ51は、例えば、制御プログラムを実行するCPUからなる。コントローラ51には、第一移動機構16の駆動部16aとブレーキ機構16b、第二移動機構17の駆動部17aとブレーキ機構17b、第三移動機構53の駆動部53aとロック機構53bが制御可能に接続されている。
【0048】
コンソール52は、例えば、撮影室に隣接した操作室に設置される操作端末である。コンソール52は、X線発生器14の管電圧や管電流、曝射時間などの撮影条件の入力や、撮影された画像を表示するディスプレイを備えた端末である。
【0049】
また、コンソール52は、操作パネル34、41、及び寝台20の操作ボタンと同様に、第一移動機構16、第二移動機構17、第三移動機構53のそれぞれに対する個別の操作指示を入力する機能を備えている。
【0050】
さらに、コンソール52は、こうした個別の操作指示の他に、臥位撮影位置及び立位撮影位置の一方から他方へ、X線発生器14及びX線検出器15が所定の移動順序で移動するように、第一移動機構16、第二移動機構17に対して一括して指示を与える一括移動指示を入力する機能を備えている。一括移動指示は、第三移動機構53に対しても入力されて、X線発生器14及びX線検出器15の移動に連動して、天板20aも移動する。
【0051】
コントローラ51には、X線発生器14、X線検出器15及び天板20aの移動順序を予め記憶するメモリが設けられており、後述するように、コンソール52から一括移動指示が入力されると、コントローラ51は、その移動順序にしたがって第一から第三の各移動機構16、17、53を制御する。つまり、コントローラ51は、メモリに記憶された情報に基づいて、X線発生器14、X線検出器15、及び天板20aの移動順序を決定する順序決定手段として機能する。また、コントローラ51は、決定した移動順序に基づいて、第一から第三の移動機構16、17、53を駆動する可動可否情報を、第一から第三の移動機構16、17、53に送信する送信手段として機能する。検査目的によっては、1人の被検者に対して臥位撮影と立位撮影の両方が続けて行われる場合がある。このような場合に、一括移動指示により、X線発生器14、X線検出器15及び天板20aの一括移動が行われる。
【0052】
なお、立位撮影位置及び臥位撮影位置は、立位または臥位で撮影する際のX線発生器14及びX線検出器15の位置座標情報として、コントローラ51のメモリに記憶されている。この位置座標情報は、X線撮影システム11を導入する際に設置者等によってその部屋のレイアウトに沿った位置座標情報として初期設定されてもよいし、製品出荷時に予め設定された立位、臥位間の相対座標であってもよい。
【0053】
また、この位置座標情報は、撮影時に入力される被検者の身長情報や撮影部位の情報を用いてリアルタイムに更新されてもよい。例えば身長と撮影部位に応じて、立位撮影の時はZ軸方向、臥位撮影の時はY軸方向を微調整すれば、被検者の個体差に関係なく撮影したい部位に適切に合わせることができるため、更に使い勝手がよくなる。
【0054】
コントローラ51は、例えば、第一移動機構16、第二移動機構17、第三移動機構53と送受信する信号に基づいて、X線発生器14、X線検出器15、天板20aのそれぞれの位置を把握する。例えば、駆動部16a、17a、53aにパルスモータが使用されている場合には、パルスモータに与える駆動パルスをアップカウント又はダウンカウントすることにより、パルスモータの回転量を検出して、各機器の位置を把握する。また、例えば、各レール21、22、36の要所にマイクロスイッチやフォトセンサなどの位置検知センサを設けて、位置検知センサからの出力によって各機器の位置を把握してもよい。
【0055】
臥位撮影と立位撮影の両方が続けて行われる場合は、X線発生器14及びX線検出器15の移動に応じて、被検者も移動する必要がある。報知器54は、例えば、ランプやスピーカなどで構成されており、一括移動が行われる場合に、音声や光で、被検者が移動すべき場所を報知して、被検者を誘導する。報知器54としてランプを用いる場合は、例えば、立位撮影を行う場合の被検者の立ち位置や臥位撮影で被検者が横たわる寝台20の近傍にそれぞれ設けられる。
【0056】
被検者検知器58は、被検者が寝台20に移動したことを検知する。被検者検知器48は、例えば、寝台20に内蔵され、天板20aに所定の重量が掛かった場合にその歪みを検知する歪みゲージであり、コントローラ51は、この歪みゲージの出力に基づいて被検者が寝台20に移動したことを検知する。被検者検知器59は、立位撮影における立ち位置に被検者が移動したことを検知する。被検者検知器59は、例えば、被検者検知器58と同様に歪みゲージからなり、被検者の立ち位置の床に内蔵されている。コントローラ51は、歪みゲージの出力に基づいて被検者が移動したことを検知する。
【0057】
なお、医師や診療放射線技師など、被検者以外の人の誤検知を防止するために、被検者の体重を計測し、その体重に応じた歪み量を予めメモリに記憶しておき、歪みゲージの出力がメモリに記憶した歪み量と一致した場合に被検者が移動したと判定するようにしてもよい。被検者検知器58及び被検者検知59としては、歪みゲージの他に、赤外線センサなどを用いてもよい。
【0058】
以下、コンソール52から一括移動指示がなされた場合の一括移動手順について説明する。まずは、先に立位撮影を行って引き続き臥位撮影を行う場合に、撮影装置12を立位撮影位置から臥位撮影位置へ移動する移動手順を、図3のフローチャート、図4及び図5の動作説明図を参照しながら説明する。
【0059】
立位撮影は、図4(A)に示すように、X線発生器14及びX線検出器15を立位撮影位置にセットして行われる。立位撮影が終了して、コンソール52から立位撮影位置から臥位撮影位置への一括移動指示が入力されると、図3のステップ11(S11)に示すように、まず、コントローラ51は、第一移動機構16を制御して、X線発生器14の移動を開始させ、X線発生器14を退避位置に移動する。
【0060】
退避位置は、立位撮影位置及び臥位撮影位置の両方から退避する位置であり、被検者が移動する動線を妨げない位置である。具体的には、図4(B)に示すように、寝台20の上方であり、その高さは、寝台20とX線発生器14の間に、立ち位置から移動する被検者が寝台20に横たわるのに邪魔にならない程度の間隔が確保される高さである。本例の退避位置は、1例であり、寝台20の上方ではなく、寝台20の側方を退避位置としてもよいし、臥位撮影位置に向かって移動せずに、立位撮影位置の側方あるいは上方を退避位置としてもよい。
【0061】
立位撮影を行っている間は、寝台20の天板20aは不使用位置にセットされているので、コントローラ51は、第三移動機構53を制御して、図4(C)に示すように、寝台20の天板20aを回動させて、使用位置に移動する(S12)。コントローラ51は、このタイミングで、報知器54を作動させて、被検者が移動すべき場所を報知する。被検者は、報知器54に誘導されて、立ち位置から寝台20に向かって移動する。X線発生器14は退避しているので、被検者がX線発生器14に衝突する危険はなく、また、動線も確保されているので円滑な移動が可能である。
【0062】
図5(A)に示すように、被検者が寝台20に横たわると、被検者検知器58が検知信号を出力する。コントローラ51は、検知信号を受信すると、被検者が寝台20に移動したことを検知する(S13)。コントローラ51は、第二移動機構17を制御して、X線検出器15を臥位撮影位置に移動させる(S14)。図5(B)に示すように、X線検出器15の臥位撮影位置への移動が完了すると、コントローラ51は、X線発生器14を下降させて、臥位撮影位置に移動する(S15)。こうした手順で立位撮影位置から臥位撮影位置への一括移動が行われる。
【0063】
次に、先に臥位撮影を行って引き続き立位撮影を行う場合に、撮影装置12を臥位撮影位置から立位撮影位置へ移動する一括移動手順を、図6のフローチャート、図7及び図8の動作説明図を参照しながら説明する。
【0064】
臥位撮影は、図7(A)に示すように、X線発生器14及びX線検出器15を臥位撮影位置にセットして行われる。臥位撮影が終了して、コンソール52から臥位撮影位置から立位撮影位置への一括移動指示が入力されると、図6のステップ21(S21)に示すように、まず、コントローラ51は、第二移動機構17を制御して、X線検出器15の移動を開始させ、立位撮影位置に移動する。これにより、図7(B)に示すように、X線検出器15が立位撮影位置にセットされる。
【0065】
次に、コントローラ51は、第一移動機構16を制御して、X線発生器14を上昇させて、退避位置に移動する。コントローラ51は、X線発生器14を退避させたタイミングで、報知器54を作動させて、被検者が移動すべき場所を報知する。被検者は、報知器54に誘導されて、寝台20から立ち位置に向かって移動する。X線発生器14は退避しているので、被検者がX線発生器14に衝突する危険はなく、また、動線も確保されているので円滑な移動が可能である。
【0066】
また、臥位撮影位置から立位撮影位置への一括移動の場合には、X線発生器14よりも先にX線検出器15が立位撮影位置に移動される。これは、寝台20から立位撮影の立ち位置に被検者を円滑に移動させるための工夫の一つである。というのは、X線発生器14をX線検出器15よりも先に移動させてしまうと、頭上の障害物がなくなってしまうため、被検者が寝台20から起き上がって動きだしてしまう。その場合、X線検出器15は、まだ、臥位撮影位置(天板20aの下)にあるので、被検者が立ち位置を探して移動先に迷ってしまうおそれもある。X線発生器14よりも、X線検出器15を先に立位撮影位置に移動させれば、被検者が移動すべき場所(立ち位置)を示す目印となり、被検者が移動先に迷ってしまうこともない。
【0067】
コントローラ51は、X線検出器15を立位撮影位置に移動させた後、図7(C)に示すように、第一移動機構16を制御して、X線発生器14を上昇させて、退避位置に移動させる(S22)。これにより、被検者が寝台20から起き上がれる状態になり、寝台20から立位撮影の立ち位置に移動することができる。このとき、X線発生器14は、退避しているので、被検者がX線発生器14に衝突する危険もなく、また、寝台20から立ち位置への動線上にX線発生器14はないので、被検者は円滑に移動することができる。
【0068】
図8(A)に示すように、被検者が立ち位置に移動すると、被検者検知器59が検知信号を出力する。コントローラ51は、検知信号を受信すると、被検者が立ち位置に移動したことを検知する(S23)。コントローラ51は、被検者が立ち位置に移動したことを検知すると、図8(B)に示すように、第三移動機構53を制御して、寝台20の天板20aを回動させて、不使用位置に移動する(S24)。この後、第一移動機構16を制御して、X線発生器14を退避位置から立位撮影位置に移動させる(S25)。こうした手順で臥位撮影位置から立位撮影位置への一括移動が行われる。
【0069】
以上説明したように、移動装置13は、X線発生器14、X線検出器15、及び寝台20を所定の移動順序にしたがって移動させるので、立位撮影と臥位撮影を続けて行う場合に、被検者は、円滑かつ安全に移動することができる。また、移動装置13は、各機器を一つずつ移動させるから、複数の機器を同時に移動させる場合と比較して、移動中の機器の監視が散漫になることもなく、安全である。
【0070】
さらに、上記実施形態で示したように、臥位撮影位置から立位撮影位置へ、その反対に、立位撮影位置から臥位撮影位置へ移動させる場合、それぞれの移動方向に応じて適切な移動順序が考えられる。移動装置13は、移動方向に応じてX線発生器14とX線検出器15の移動順序を変化させることで、被検者を円滑、かつ、安全に移動させることができる。
【0071】
上記実施形態の移動順序は、1例であり適宜変更が可能である。例えば、立位撮影位置から臥位撮影位置へ一括移動する場合において、X線発生器14を退避させる(図3のS11)前に、寝台20の天板20aを使用位置に移動(S12)させておいてもよい。また、臥位撮影位置から立位撮影位置へ一括移動する場合において、X線検出器15の立位撮影位置への移動(S21)の前に、X線発生器14を退避(S22)させてもよい。立ち位置への誘導は、報知器によっても行うことができるので、X線発生器14による被検者の圧迫感を速やかに解放することを優先させる場合には、X線発生器14の退避を先に行ってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、臥位撮影位置から立位撮影位置に一括移動させる際、X線発生器14をいったん退避位置に移動させてから、立位撮影位置に移動させるようにしているが、退避位置を経由せずに、立位撮影位置に直接移動させてもよい。また、立位撮影位置から臥位撮影位置に一括移動させる場合でも、臥位撮影位置におけるX線発生器14と寝台20の間に、被検者の移動の妨げにならない程度の間隔が確保されているならば、退避位置を経由せずに、X線発生器14を臥位撮影位置に直接移動させてもよい。
【0073】
また、寝台20を可倒式の例で説明したが、寝台は、天板が固定された固定式でもよい。この場合は、上記移動手順には、寝台20の天板を回動させるステップは不要である。
【0074】
また、図9に示すように、撮影室におけるX線発生器14とX線検出器15のレイアウトによっては、立位撮影位置において、X線発生器14よりもX線検出器15の方が寝台20に近い位置に配置されている場合もある。こうしたレイアウトの場合には、立位撮影位置から臥位撮影位置への一括移動の際に、X線発生器14よりも先にX線検出器15を臥位撮影位置に移動させた方が、被検者の動線の確保や、安全性の点で有利である。このように、一括移動の移動順序は、移動方向(臥位から立位か、立位から臥位か)及び撮影室のレイアウトの少なくとも一方を考慮して決定されることが好ましい。
【0075】
上記実施形態では、X線発生器14やX線検出器15をモータなどの駆動部によって自動で移動させる例で説明したが、手動操作(手動で各機器を移動させる)の移動順序を制御してもよい。この場合には、コントローラ51は、第一から第三の移動機構16、17、53のブレーキ機構16b、17bやロック機構53bを制御して、所定の移動順序でブレーキ機構やロック機構を順次解除して、誤った順序で移動が行われないようにする。
【0076】
図3に示す移動順序に即して説明すると、立位撮影位置から臥位撮影位置に移動させる場合には、まず、第一移動機構16のブレーキ機構16bの規制を解除し、X線発生器14の移動を許容する。X線発生器14が移動されない間は、コントローラ51は、第二移動機構17のブレーキ機構17bの解除を禁止してX線検出器15の移動を禁止し、X線発生器14が移動された場合には、ブレーキ機構17bのロックを解除する。X線発生器14の移動は、上述したように第一移動機構17と送受信される信号に基づいて検知される。
【0077】
また、手動操作の移動順序を、操作パネル34、操作パネル41、もしくはコントローラ51やコンソール52に設けられた表示部(図示省略)に表示するようにしてもよい。または、手動操作の移動順序を、報知器54や、コントローラ51、コンソール52、X線発生器14、X線検出器15に設けられたスピーカ(図示省略)によって音声で報知するようにしてもよい。
【0078】
また、X線発生器14及びX線検出器15と被検者の衝突の危険を防止して、より安全性を高めるために、X線発生器14及びX線検出器15に障害物検知センサを設けてもよい。障害物検知センサとしては、例えば、周囲の障害物を検知する赤外線センサや、障害物との接触を検知する振動センサや、音波によって障害物を探知するソナーなどが使用される。こうした障害検知センサは、X線発生器14やX線検出器15の要所に複数箇所設けられる。障害物検知センサが障害物を検知すると、検知信号がコントローラ51に入力される。コントローラ51は、検知信号に基づいて、第一移動機構16や第二移動機構17の各駆動部16a、17aに停止信号を出力して、X線発生器14やX線検出器15の移動を停止させたり、警告手段を通じて警告を発したりする。
【0079】
また、上記実施形態では、X線発生器14を天井吊り下げ式の移動機構で保持し、X線検出器15を床上式の移動機構で保持した例で説明したが、両方を天井吊り下げ式としてもよいし、その反対に、両方を床上式としてもよい。また、壁に固定レールを敷設した壁走行式の移動機構を使用してもよい。
【符号の説明】
【0080】
11 X線撮影システム
12 撮影装置
13 移動装置
14 X線発生器
15 X線検出器
16 第一移動機構
16a 駆動部
17 第二移動機構
17a 駆動部
20 寝台
20a 天板
51 コントローラ
53 第三移動機構
53a 駆動部
54 報知器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の撮影位置と、第二の撮影位置との間で、前記放射線発生器及び前記放射線検出器をそれぞれ独立に移動可能に保持する第一及び第二の移動機構と、
前記放射線発生器及び前記放射線検出器を、前記第一の撮影位置と前記第二の撮影位置の一方から他方へ移動させる場合に、前記第一及び第二の移動機構を制御することにより、前記放射線発生器と前記放射線検出器の移動順序を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項2】
前記第一の撮影位置は立位撮影位置であり、前記第二の撮影位置は臥位撮影位置であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システム。
【請求項3】
前記第一及び第二の移動機構は、それぞれ前記放射線発生器及び前記放射線検出器を自動で移動させるための第一及び第二の駆動手段を備えており、
前記制御手段は、第一及び第二の駆動手段を制御することにより、前記移動順序を制御することを特徴とする請求項2記載の放射線撮影システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記立位撮影位置と前記臥位撮影位置の間の移動方向に応じて、前記移動順序を制御することを特徴とする請求項3記載の放射線撮影システム。
【請求項5】
前記移動方向が前記立位撮影位置から前記臥位撮影位置へ移動する第一方向の場合には、前記制御手段は、前記放射線発生器から先に移動を開始させることを特徴とする請求項4記載の放射線撮影システム。
【請求項6】
前記制御手段は、先に移動を開始した前記放射線発生器を、前記立位撮影位置及び前記臥位撮影位置の両方から退避する退避位置に退避させ、その状態で前記放射線検出器を前記臥位撮影位置に移動させ、前記放射線検出器の前記臥位撮影位置への移動が完了した後に、前記放射線発生器を前記退避位置から前記臥位撮影位置に移動させることを特徴とする請求項5記載の放射線撮影システム。
【請求項7】
前記移動方向が前記臥位撮影位置から前記立位撮影位置へ移動する第二方向の場合には、前記制御手段は、前記放射線検出器を先に前記立位撮影位置に移動させることを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の放射線撮影システム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記放射線検出器の前記立位撮影位置への移動後に、前記放射線発生器を、前記立位撮影位置及び前記臥位撮影位置の両方から退避する退避位置にいったん退避させてから、前記立位撮影位置に移動させることを特徴とする請求項7記載の放射線撮影システム。
【請求項9】
前記寝台は、天板が水平になる使用位置と、天板が畳まれる不使用位置との間で、前記天板が移動する可倒式であり、
前記天板を使用位置と不使用位置で移動する第三移動機構を備えており、
前記制御手段は、前記放射線発生器及び前記放射線検出器に加えて、前記天板の移動順序を制御することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮影システム。
【請求項10】
前記第三移動機構は、前記天板を自動で移動させるための第三駆動手段を備えており、前記制御手段は、前記第三駆動手段を制御することにより、前記移動順序を制御することを特徴とする請求項9記載の放射線撮影システム。
【請求項11】
前記制御手段は、前記移動方向が前記第一方向の場合には、前記放射線発生器の前記退避位置への移動、天板の前記収納位置から前記使用位置への移動、前記放射線検出器の前記臥位撮影位置への移動、及び前記放射線発生器の前記退避位置から前記臥位撮影位置への移動がこの順序で行われるように前記移動順序を制御し、
前記移動方向が前記第二方向の場合には、前記放射線検出器の前記立位撮影位置の移動、前記放射線発生器の前記退避位置への移動、天板の前記使用位置から前記収納位置への移動、前記放射線発生器の前記退避位置から前記立位撮影位置への移動がこの順序で行われるように前記移動順序を制御することを特徴とする請求項10記載の放射線撮影システム。
【請求項12】
前記制御手段は、前記放射線発生器及び前記放射線検出器を、前記立位撮影位置から前記臥位撮影位置へ移動させる場合は、前記放射線発生器及び前記放射線検出器のうち前記臥位撮影位置に近い方を先に移動させ、前記臥位撮影位置から前記立位撮影位置へ移動させる場合は、前記放射線検出器を先に移動させるように第一及び第二の移動機構を制御することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の放射線撮影システム。
【請求項13】
前記放射線発生器及び前記放射線検出器を、前記臥位撮影位置と前記立位撮影位置の一方から他方に移動する際に、被検者に対して移動すべき場所を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項2〜12のいずれかに記載の放射線撮影システム。
【請求項14】
放射線発生器及び放射線検出器を、第一の撮影位置と第二の撮影位置の一方から他方へ移動させる場合に、前記放射線発生器と前記放射線検出器の移動順序を決定する順序決定手段と、
決定した前記順序に基づき放射線発生器及び放射線検出器をそれぞれ移動させる第一及び第二の移動機構に可動可否情報を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする放射線撮影機器の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−30687(P2011−30687A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178643(P2009−178643)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】