説明

放射線撮影システム及び放射線撮影装置、並びに放射線撮影方法

【課題】CMOSセンサ等の単結晶半導体からなるイメージセンサの素抜け領域における特性劣化を抑制する。
【解決手段】放射線発生装置6の光源14を点灯させ、反射ミラー13により反射された可視光を被写体Hに照射する。放射線撮影装置7のフォトセンサアレイ32は、放射線検出器31上で被写体Hの周囲に照射された可視光を検出することにより、被写体HにX線が照射された際に被写体Hを透過していないX線が放射線検出器31に直接照射される素抜け領域を検出する。素抜け領域の検出結果は、無線通信によりコンソール8に送信され、コンソール8で素抜け領域にX線が照射されないようなコリメータ11の駆動量が決定される。コリメータ駆動量は、コンソール8から放射線発生装置6に送信され、コリメータ11はコリメータ駆動量に基づいて駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を検出して放射線画像の画像データを出力する放射線検出器を用いた放射線撮影装置と、放射線撮影装置を用いた放射線撮影システム、及び放射線撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、画像診断を行うために、放射線、例えばX線を利用して被写体を撮影する放射線撮影システムが知られている。放射線撮影システムは、被写体に向けてX線を照射する放射線発生装置と、被写体を透過したX線の照射を受けて、被写体の放射線画像を撮影する放射線撮影装置とを有する。放射線撮影装置には、立位姿勢や臥位姿勢の被検者を撮影するための立位撮影台や臥位撮影台に組み込まれた据え置き型の他、偏平な形状の筐体を有する可搬型がある。可搬型の放射線撮影装置は、病室等でベッドに寝ている患者の下に挿入して撮影するような撮影方法にも用いることができる。
【0003】
放射線撮影装置としては、X線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する画素部がマトリクス状に配列された検出面を有し、検出面において画素部毎に信号電荷を蓄積することで、被写体の画像情報を表す放射線画像を検出し、これをデジタルな画像データとして出力する放射線検出器を利用したものが実用化されている。
【0004】
放射線検出器には、TFT読出し直接型、TFT読出し間接型、CMOS読出し間接型等がある。TFT読出し直接型は、a−Se(アモルファスセレン)等のX線を直接吸収して信号電荷に変換する材料からなる光電変換層でX線を受光し、ここで発生した信号電荷を、TFTスイッチを用いたTFTパネルで順次選択的に読み出す方式である。また、TFT読出し間接型は、シンチレータによりX線を可視光に変換した後、a−Si(アモルファスシリコン)等の可視光を吸収して信号電荷に変換する材料からなる光電変換層で該可視光を受光し、この可視光によって光電変換層で発生した信号電荷を、TFTパネルで順次選択的に読み出す方式である。
【0005】
CMOS読出し間接型は、シンチレータによりX線を可視光に変換した後、この可視光をCMOS型のイメージセンサ(以下、CMOSセンサという)によって光電変換して、可視光に応じた信号を読み出す方式である。シリコン等の単結晶半導体からなるCMOSセンサは、a−Si等の多結晶半導体からなるTFTパネルに比べてキャリア移動度が3〜4桁以上速く、周辺回路も混載可能であり、製造時の特性(例えばVth等)のばらつきが小さいため、高感度、高S/N、高速読み出しが必要な高画質撮影や動画撮影に適している。また、CMOSセンサは、現在では12インチウエハから一辺が約200mm角のものが製造可能であるため、例えば医療用の放射線検出器のサイズとして一般的な17インチ角の放射線検出器は、4枚のCMOSセンサを配列することにより構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−082169号公報
【特許文献2】特開平05−042135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
単結晶SiからなるCMOSセンサは、X線照射により、MOSトランジスタの閾値電圧Vthの変化や、暗電流が増加する等の特性劣化が発生することが知られている。これは、単結晶Siを用いたMOS構造では、吸収線量の増加によって半導体と酸化膜との境目の電荷(以下、界面電荷という)が増加するためである。放射線撮影装置に照射されるX線のうち、CMOSセンサの特性劣化に影響するのは、放射線撮影に使用されないX線の低エネルギ成分と考えられる。すなわち、X線の高エネルギ成分は、CMOSセンサを透過してしまうが、X線の低エネルギ成分は、CMOSセンサを透過するだけのエネルギが無いため、CMOSセンサに吸収されてしまい、界面電荷を増加させる可能性がある。
【0008】
特に、被写体のサイズが放射線撮影装置の撮影範囲よりも小さい場合には、放射線検出器の検出面と被写体とが対面していない部分、いわゆる素抜け領域にX線が直接照射されるため、素抜け領域の特性劣化が問題となる。
【0009】
上記問題は、ISS(Irradiation Side Sampling)方式、すなわち、シンチレータのX線が入射するX線入射面と放射線検出器の検出面とが対面するように、筐体内において、X線の入射側から、放射線検出器、シンチレータの順に配置される方式を採用した場合により顕著である。というのは、ISS方式では、X線の入射側から、放射線検出器、シンチレータの順に配置されることになるため、シンチレータ、放射線検出器の順に配置され、シンチレータのX線入射面とは反対側の面で光を検出するPSS(Penetration Side Sampling)方式と比較して、放射線検出器に照射されるX線量が増えるからである。
【0010】
特許文献1には、CCDカメラにより被写体を固定している固定材を撮影し、撮影した画像を画像処理して固定材の位置を特定し、その特定結果に基づいて撮影範囲内に固定材が含まれるようにコリメータの位置を自動制御することが記載されている。しかし、特許文献1では、被写体の上方からCCDカメラで固定材を撮影しているため、上方から見た固定材の輪郭しか検出することができず、実際にX線がどのように照射されるかを検出することはできない。
【0011】
また、特許文献2には、X線発生装置から被写体にX線を照射し、X線撮影装置によりX線を検出して得た放射線画像を画像処理して素抜け領域を検出し、この検出結果に基づいてコリメータを制御している。特許文献2は、特許文献1と異なり被写体の近傍でX線が実際にどのように照射されるかを検出できるが、X線の照射が必要であるため被写体の被爆量が増えてしまう。更に、特許文献1、2では、X線照射範囲の特定に画像処理を必要とするため、制御が複雑となる。
【0012】
本発明は、上記問題を解決するため、CMOSセンサ等の単結晶半導体からなるイメージセンサの素抜け領域における特性劣化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の放射線撮影システムは、被写体に放射線を照射する放射線原、及び被写体に検出光を照射する光源を有する放射線発生装置と、被写体を透過した放射線を検出する複数の画素がマトリクス状に配列された放射線検出器、及び放射線検出器上で被写体の周囲に照射された検出光を検出することにより、被写体に放射線が照射された際に被写体を透過していない放射線が放射線検出器に直接照射される素抜け領域を検出する素抜け領域検出手段とを備えている。
【0014】
素抜け領域検出手段は、放射線検出器の検出光照射側に配置されて検出光を検出する複数のフォトセンサパネルを備えたフォトセンサアレイである。
【0015】
また、放射線撮影システムは、素抜け領域検出手段の検出結果に基づいて、素抜け領域に放射線が照射されないように、放射線発生装置において放射線の照射範囲を規定するコリメータの駆動量を決定するコリメータ駆動量決定手段と、コリメータ駆動量決定手段の決定結果に基づいてコリメータを駆動するコリメータ駆動手段とを備えている。
【0016】
コリメータ駆動量決定手段は、各フォトセンサパネルの検出結果に基づいて、素抜け領域に存在する放射線検出器の素抜け画素数を特定し、素抜け画素数が予め設定されている許容値を超えないようにコリメータ駆動量を決定する。なお、素抜け画素数の許容値は、放射線原から照射される放射線の照射線量に応じて設定されていることが好ましい。これによれば、放射線の照射線量に応じてコリメータを最適に制御することができる。
【0017】
フォトセンサパネルは、有機光電変換材料によって構成してもよい。これにより、フォトセンサパネルを薄く構成することができ、放射線の吸収がほとんど発生しないので、フォトセンサパネルによる放射線の減衰が発生しない。また、フォトセンサアレイは、検出光を検出する検出面の中央部に配置されるフォトセンサパネルよりも、周縁部に配置されるフォトセンサパネルのサイズを小さくしてもよい。周縁部は、被写体の輪郭に対面することが多いので、輪郭周辺の素抜け領域を精密に検出することができる。
【0018】
コリメータは、放射線原の光路を横切るように移動自在とされた少なくとも一対の遮蔽板を有し、遮蔽板の断面形状は、外周部に向かうにしたがって厚みが厚くなるくさび型形状であることが好ましい。これによれば、遮蔽板の薄い部分で放射線が僅かに透過するので、被写体Hの輪郭を判別できる程度に撮影することができる。
【0019】
コリメータは、放射線の照射範囲を規定する第1コリメータと、素抜け領域に照射される放射線から低エネルギ成分を吸収する第2のコリメータとから構成してもよい。これによれば、素抜け領域に対する放射線の低エネルギ成分の照射を抑制することができる。なお、放射線の低エネルギ成分とは、放射線撮影に使用されないエネルギ成分であって、放射線発生装置から放射される放射線のエネルギ分布の1/2以下のエネルギ成分である。
【0020】
放射線発生装置は、素抜け領域に放射線が照射されないように放射線の照射角度を切り替えるための首振り機構を備えていてもよい。また、一対の遮蔽板は、放射線の光軸に対して個別に移動可能であってもよい。これらによれば、素抜け領域を限界まで減らすことができる。
【0021】
放射線検出器は、放射線を吸収して光に変換するシンチレータと、シンチレータの放射線照射側に配置され、シンチレータで変換された光を検出する複数の画素がマトリクス状に配列されたセンサパネルとから構成してもよい。センサパネルは、CMOS型イメージセンサを用いてもよい。また、センサパネルを素抜け領域検出手段として兼用させてもよい。
【0022】
放射線撮影装置は、放射線検出器及び素抜け領域検出手段に放射線及び検出光をそれぞれ照射させるため、放射線及び検出光が照射される照射面に放射線及び検出光を透過させる天板を有していることが好ましい。また、放射線検出器に検出光を含む可視光が照射されるのを防止するため、放射線検出器と素抜け領域検出手段との間に遮光層を備えていることが好ましい。
【0023】
また、天板に、検出光を透過させる状態と遮光する状態との間で切り換えられる切換機構を設けてもよい。この場合、放射線検出器と素抜け領域検出手段との間の遮光層は省略することができる。また、放射線撮影装置が収容可能な被覆部材に、素抜け領域検出手段を配置してもよい。これによれば、放射線撮影装置に検出光が透過可能な天板を設ける必要がない。
【0024】
検出光は、放射線以外の電磁波であり、例えば可視光、赤外光または紫外光を用いることができる。
【0025】
本発明の放射線撮影装置は、被写体を透過した放射線を検出する複数の画素がマトリクス状に配列された放射線検出器と、放射線検出器上で被写体の周囲に照射された検出光を検出することにより、被写体に放射線が照射された際に被写体を透過していない放射線が放射線検出器に直接照射される素抜け領域を検出する素抜け領域検出手段とを備えたものである。
【0026】
素抜け領域検出手段は、放射線検出器の検出光照射側に配置されて検出光を検出する複数のフォトセンサパネルを備えたフォトセンサアレイであることが好ましい。また、フォトセンサパネルは、有機光電変換材料からなることが好ましい。
【0027】
本発明の放射線撮影方法は、被写体に検出光を照射するステップと、放射線検出器上で被写体の周囲に照射された検出光を検出することにより、被写体に放射線が照射された際に被写体を透過していない放射線が放射線検出器に直接照射される素抜け領域を検出するステップと、を含むものである。また、本発明の放射線撮影方法には、素抜け領域に放射線が照射されないように、放射線の照射範囲を規定するコリメータの駆動量を決定するステップと、コリメータの駆動量に基づいて前記コリメータを駆動させるステップとを含めてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、被写体を透過していない放射線が放射線検出器に直接照射される素抜け領域を検出することができるので、放射線の照射によって特性が劣化するCMOSセンサ等を放射線検出器に用いた場合に、素抜け領域の特性劣化の抑制に資することができる。
【0029】
また、素抜け領域検出手段として、放射線検出器の検出光照射側に配置されたフォトセンサアレイを用いるので、被写体及び放射線検出器の近傍で実際に発生する素抜け領域を検出することができる。これにより、素抜け領域に対する放射線の照射を効果的に抑制することができる。また、素抜け領域の検知に画像処理を必要としないので、構成を簡素化することができる。
【0030】
更に、素抜け領域検出手段の検出結果に基づいてコリメータを駆動するので、放射線の照射範囲の設定が容易であり、素抜け領域に対する放射線の照射を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】放射線撮影システムの構成図である。
【図2】放射線撮影装置及びコリメータの斜視図である。
【図3】放射線撮影装置の断面図である。
【図4】天板に貼り合わされたセンサパネルを示す底面図である。
【図5】放射線検出器の構成を概略的に示す断面図である。
【図6】光電変換層の感度域及びシンチレータの発光領域を示すグラフである。
【図7】信号出力回路の構成を示す回路図である。
【図8】天板上に被写体が載置されている状態を示す斜視図である。
【図9】放射線撮影装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図10】コンソール及び放射線発生装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図11】フォトセンサアレイによる素抜け領域の検出状態を示す概念図である。
【図12】第1及び第2コリメータを備えた放射線発生装置の概念図である。
【図13】領域ごとにフォトセンサパネルのサイズを異ならせたフォトセンサアレイを示す概念図である。
【図14】首振り機構を備えた放射線発生装置を示す概念図である。
【図15】一対の遮蔽板を個別に駆動できるようにしたコリメータを示す概念図である。
【図16】可視光を透過する状態と遮光する状態との間で切り換え可能な天板の構成を示す概念図である。
【図17】放射線撮影装置を収容可能な透明ジャケットを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
図1に示すように、本発明を用いた放射線撮影システム5は、被写体HにX線を照射する放射線発生装置6と、被写体Hを透過したX線に基づいて放射線画像を撮影する放射線撮影装置7と、放射線発生装置6と放射線撮影装置7とを制御するコンソール8とから構成されている。
【0033】
放射線発生装置6は、X線管10、コリメータ11、線源フィルタ12、反射ミラー13及び光源14を有する。本発明の放射線原に相当するX線管10は、熱電子を放出するフィラメントからなる陰極と、陰極から放出された熱電子が衝突してX線を放射する陽極(ターゲット)とを有しており、X線放射部10aから被写体Hに向けてX線を放射する。
【0034】
コリメータ11は、X線管10のX線放射部10aに対面する位置に配置されている。図2に示すように、コリメータ11は、X線の光軸方向zに対して垂直なxy面のx方向のX線分布または面積を変更する第1遮蔽部17と、xy面のy方向のX線分布または面積を変更する第2遮蔽部18とを有する。第1遮蔽部17及び第2遮蔽部18は、それぞれx方向及びy方向に移動可能にされた一対の遮蔽板17a、17b及び18a、18bと、これらの遮蔽板を移動させるコリメータ駆動機構19とを有する、いわゆるダブルリーフ構造となっており、遮蔽板17a、17b及び18a、18bによりX線の照射範囲が規定される。遮蔽板17a、17b及び18a、18bには、X線吸収性に優れた鉛等が用いられており、その断面は、外側にいくにしたがってz方向の厚みが厚くされたくさび楔型形状となっている。
【0035】
線源フィルタ12は、X線管10から放射されたX線から、被写体Hの透過時に散乱して放射線画像の劣化原因となりやすい低エネルギ成分を除去する。線源フィルタ12には、放射線撮影に用いられるX線の高エネルギ成分を透過させ、低エネルギ成分のみを吸収する性質を有する材質が用いられる。このような材質としては、例えばアルミニウムが好適である。
【0036】
なお、本実施形態におけるX線の高エネルギ成分及び低エネルギ成分とは、X線管10から放射されるX線のエネルギ分布によって異なる。例えば、X線管10の管電圧が70kVであり、X線管10から放射されるX線の最大エネルギが70KeV程度であるときには、X線のエネルギ分布はおおよそ15〜70KeVとなる。本実施形態では、X線のエネルギ分布の1/2以下、例えば15〜40KeVを低エネルギ成分とし、それ以上を高エネルギ成分としている。
【0037】
反射ミラー13は、X線管10とコリメータ11との間に配置されており、光源14は反射ミラー13の側方に配置されている。光源14は、検出光である可視光を照射するランプ等からなり、コリメータ11によるX線の照射範囲を規定する際に、反射ミラー13に向けて可視光を照射する。反射ミラー13は、光源14から照射された可視光をコリメータ11に向けて反射するように傾けられているので、反射ミラー13により反射された可視光は、コリメータ11を通過した放射線撮影装置7に照射される。なお、X線は反射ミラー13を透過するので、X線照射時に反射ミラー13を退避させる必要はない。
【0038】
図2に示すように、本発明に係る放射線撮影装置7は、全体形状がおよそ箱形で、矩形状の上面が放射線の照射面22とされた筐体23を備えている。筐体23は、照射面22が設けられている天板24と、天板24以外の筐体本体25とからなる。筐体本体25は、例えばABS樹脂等から構成されており、天板24は、可視光及びX線の透過性が高いプラスチック等から構成されている。これにより、天板24による放射線の吸収を抑制しつつ、上述した光源14から照射された可視光を透過させ、天板24の強度が確保される。筐体23は、放射線により感光材料に画像を記録する構成を備えた旧来のカセッテと同サイズである。したがって、放射線撮影装置7は当該カセッテと同様に可搬性を有し、当該カセッテに代えて同様な放射線撮影を行なえるようになっている。
【0039】
放射線撮影装置7の照射面22には、複数個のLEDからなり、放射線撮影装置7の動作モード(例えば「レディ状態」や「データ送信中」等)やバッテリの残容量等の動作状態を表示するための表示部28が設けられている。なお、表示部28は、LED以外の発光素子で構成してもよいし、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示手段で構成してもよい。また、表示部28は、照射面22以外の部位に設けてもよい。
【0040】
放射線撮影装置7の筐体23内には、照射面22に対面するように、被写体Hを透過したX線を検出するパネル状の放射線検出器31が配置されている。また、天板24と放射線検出器31との間には、放射線検出器31上で被写体Hの周囲に照射された検出光を検出することにより、被写体HにX線が照射された際に被写体Hを透過していないX線が放射線検出器31に直接照射される素抜け領域を検出するフォトセンサアレイ32が配置されている。フォトセンサアレイ32は、複数の矩形状のフォトセンサパネル33を天板24に対面するように配列したものである。フォトセンサパネル33は、複数のフォトセンサをマトリクス状に配列したものであり、例えば、薄く構成することができ、またX線の吸収がほとんど無い有機光電変換材料(OPC)が用いられている。
【0041】
なお、天板24を透過した光がフォトセンサアレイ32も透過して放射線検出器31に入射した場合、放射線検出器31がその光を検出してしまうので放射線画像が劣化する。そのため、フォトセンサアレイ32だけで天板24を透過した光を遮光できない場合には、フォトセンサアレイ32と放射線検出器31との間にX線透過性を有する遮光層34(図3参照)を設けるのが好ましい。
【0042】
筐体23の内部には、照射面22の短手方向に沿った一端側に、マイクロコンピュータを含む各種の電子回路や、充電可能かつ着脱可能なバッテリ(二次電池)を収容するケース36が配置されている。放射線検出器31を含む放射線撮影装置7の各種電子回路は、ケース36内に収容されたバッテリから供給される電力によって作動する。筐体23内のうちケース36の照射面22側には、ケース36内に収容された各種電子回路がX線の照射に伴って損傷することを回避するため、鉛板等からなる放射線遮蔽部材が配設されている。
【0043】
図3に示すように、フォトセンサアレイ32は、天板24の内面に全面にわたって接着剤によって貼り合わされている。また、フォトセンサアレイ32の下面には、放射線検出器31が接着剤によって貼り合わされている。このように、天板24にフォトセンサアレイ32及び放射線検出器31を貼り合わせることにより、放射線撮影装置7を薄型化し、かつフォトセンサアレイ32によって放射線検出器31を補強することができる。なお、フォトセンサアレイ32は、放射線検出器31が貼り合わせられるようにするため、放射線検出器31と同等もしくはより大きな外形サイズを有することが好ましい。
【0044】
放射線検出器31は、放射線が照射される方向に沿って、照射面22側からセンサパネル39及びシンチレータ40が積層された構成を有している。シンチレータ40の下面には、シンチレータ40の形成時に用いられる蒸着基板41が配置されている。放射線検出器31の外周には、シンチレータ40を湿気等から保護するために封止剤42が設けられている。筐体23内の底面には、制御基板43が配置されている。制御基板43とセンサパネル39及びフォトセンサアレイ32とは、フレキシブルケーブル44、45を介して電気的に接続されている。
【0045】
シンチレータ40は、被写体Hを透過して筐体23の照射面22に照射され、天板24、フォトセンサアレイ32及びセンサパネル39を透過して照射されたX線を吸収して光を放出する。シンチレータ40としては、例えばCsI:Tl(タリウムを添加したヨウ化セシウム))や、CsI:Na(ナトリウム賦活ヨウ化セシウム)、GOS(Gd2O2S:Tb)等の材料を用いることができる。本実施形態では、シンチレータ40として、蒸着基板41にCsI:Tlを蒸着することにより、蒸着基板41からセンサパネル39に向かう光出射方向に沿って、複数の柱状結晶を形成している。柱状結晶は、その平均径が柱状結晶の長手方向に沿っておよそ均一である。
【0046】
シンチレータ40で発生した光は、柱状結晶のライトガイド効果によって柱状結晶内を進行し、センサパネル39へ射出される。その際に、センサパネル39側へ射出される光の拡散が抑制されるので、放射線撮影装置7によって検出される放射線画像のボケが抑制される。また、シンチレータ40の深部に到達した光は、蒸着基板41の内面に設けられ反射層によってセンサパネル39側へ反射されるので、センサパネル39に入射される光量(シンチレータ40で発光された光の検出効率)が向上する。
【0047】
なお、本実施形態では、シンチレータ40の放射線照射面側にセンサパネル39が配置されているが、シンチレータとセンサパネルとをこのような位置関係で配置する方式は、「表面読取方式(ISS:Irradiation Side Sampling)」と称する。シンチレータは、X線入射側がより強く発光するので、シンチレータのX線入射側にセンサパネルを配置する表面読取方式(ISS)は、シンチレータのX線入射側と反対側にセンサパネルを配置する「裏面読取方式(PSS:Penetration Side Sampling)」よりもセンサパネルとシンチレータの発光位置とが接近することから、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高く、またセンサパネルの受光量が増大することで、結果として放射線撮影装置の感度が向上する。
【0048】
図4に示すように、センサパネル39は、X線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する複数の画素部がマトリクス状に配列されたCMOS型イメージセンサ(以下、CMOSセンサという)48を、4枚並べて大面積化したものである。CMOSセンサ48は、例えば一辺の長さが200mm程度の大きな矩形状を有し、医療用の放射線検出器のサイズとして一般的な17インチ角の放射線検出器を4枚のCMOSセンサ48によって構成することができる。
【0049】
CMOSセンサ48の基板には、単結晶の半導体であるシリコンが用いられている。したがって、a−Si等の多結晶半導体からなるTFTパネルに比べ、キャリア移動度3〜4桁以上速く、周辺回路も混載可能であり、製造時の特性(例えばVth等)のばらつきが小さいため、高感度、高S/N、高速読み出しが必要な高画質撮影や動画撮影に適している。
【0050】
図5に示すように、CMOSセンサ48は、単結晶Siからなる基板及びこの基板上に形成された絶縁層からなる信号出力層50と、信号出力層50に複数の画素部毎に分離して形成された第1電極51、第1電極51の下に形成された複数の画素部で共通の一枚構成の光電変換層52と、光電変換層52の下に形成された複数の画素部で共通の一枚構成の第2電極53とを備えている。シンチレータ40は、第2電極53の下面に接着剤により貼り合わされている。
【0051】
画素部に含まれる第1電極51と、この第1電極51と平面視上重なる位置にある光電変換層52及び第2電極53とにより、光電変換素子55(図7参照)が構成される。この光電変換素子55では、第1電極51及び第2電極52間にバイアス電圧を印加することで、光電変換層52で発生した信号電荷を第1電極51まで移動させ、ここから該信号電荷を信号出力層50に取り出すことができるようになっている。
【0052】
第2電極53には、その下方より、シンチレータ40で変換された可視光が入射される。第2電極53は、そこに入射された光(本実施形態では可視光)を光電変換層52に入射させる必要があるため、入射光に対して透明な導電性材料(例えばITO)で構成される。第2電極53は、全画素部で共通の一枚構成であるが、画素部毎に分割してあってもよい。
【0053】
光電変換層52は、シンチレータ40と組み合わせて用いることにより、X線に応じた信号電荷を発生することができるものである。光電変換層52は、可視光を吸収して、吸収した光量に応じた信号電荷を発生する有機又は無機の光電変換材料で構成される。無機の光電変換材料としては、例えばアモルファスシリコン(a−Si)が挙げられる。また、有機の光電変換材料としては、例えばキナクリドンが挙げられる。図6に示すように、キナクリドンからなる有機光電変換材料(OPC)の感度は、CsI:Naや、単結晶Si(c−Si)等に比べて、CsI:Tlからなるシンチレータ40が発生する可視光の波長域と近いため、高い検出効率を得ることができる。なお、高画質撮像及び動画撮像を可能にするためには、光電変換層52の材料としてキャリア移動度が速く且つ製造バラつきの少ない有機の光電変換材料を用いることが好ましい。
【0054】
信号出力層50内には、信号出力回路57が各光電変換素子55に対応して設けられている。信号出力回路57は、対応する光電変換素子の光電変換層52で発生して第1電極51に移動した信号電荷を、その信号電荷量に応じた電圧信号に変換し、信号出力線Sにより外部に出力するものであり、例えば公知のCMOS回路が用いられている。信号出力回路57と第1電極51との間は、コンタクト配線58によって電気的に接続されており、第1電極51で捕集された信号電荷は、コンタクト配線58を介して信号出力回路57に移動される。
【0055】
図7に示すように信号出力回路57は、蓄積された信号電荷をリセットするためのMOSトランジスタであるリセットトランジスタ60と、蓄積された信号電荷を電圧信号に変換して出力するためのMOSトランジスタである出力トランジスタ61と、出力トランジスタ61から出力される電圧信号を信号出力線Sに選択的に出力するためのMOSトランジスタである行選択トランジスタ62と、それらを駆動するためのリセット線R、行選択線L等を含む。
【0056】
信号出力回路57のうち、リセット線R、行選択線L、信号出力線Sは一般にアルミニウムで形成されるためX線の影響を受けないが、リセットトランジスタ60、出力トランジスタ61、及び行選択トランジスタ62は、単結晶のシリコンで形成されるため、X線照射により、閾値電圧Vthの変化や、暗電流が増加する等の特性劣化が発生する。これは、単結晶Siを用いたMOS構造では、吸収線量の増加によって半導体と酸化膜との境目の電荷(以下、界面電荷という)が増加するためである。
【0057】
図8に示すように、放射線撮影装置7を用いた放射線撮影では、被写体Hの撮影部位が放射線検出器31の撮影範囲よりも小さい場合が多く、更にその被写体Hの撮影部位は放射線検出器31の撮影範囲の中央に配置された状態で撮影されることがほとんどである。そのため、被写体Hの撮影部位が配置される中央部分の周縁部は、被写体Hを介さずにX線が直接照射される素抜け領域となり、CMOSセンサ48の特性劣化が発生しやすくなる。この素抜け領域に対するX線照射によってCMOSセンサ48の特性が劣化するのを抑制するため、本実施形態では、フォトセンサアレイ32による可視光の検出結果に基づいてコリメータ11を制御し、センサパネル39に不要なX線が照射されないようにしている。
【0058】
図9は、放射線撮影装置7の構成を示すブロック図である。放射線撮影装置7は、上述した放射線検出器31及びフォトセンサアレイ32等の他、信号処理部65、画像メモリ66、制御部67、無線通信部68、電源部69等を備えている。信号処理部65は、センサパネル39の各画素部から出力された電圧信号を増幅する増幅器、マルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器等を備えており、センサパネル39から出力された電圧信号をデジタルの画像データに変換する。
【0059】
信号処理部65には画像メモリ66が接続されており、信号処理部65のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ66に順に記憶される。画像メモリ66は複数フレーム分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ66に順次記憶される。
【0060】
画像メモリ66は、放射線撮影装置7全体の動作を制御する制御部67と接続されている。制御部67は、マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPU67a、ROM及びRAMを含むメモリ67b、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部67cを備えている。
【0061】
制御部67は、コンソール8において素抜け領域の検出が指示され、その指示信号が送信されてきたときに、フォトセンサアレイ32に光源14の可視光を検出させる。フォトセンサアレイ32は、各フォトセンサパネル33によって放射線検出器31上で被写体Hの周囲に照射された検出光を検出し、被写体HにX線が照射された際に被写体Hを透過していないX線が放射線検出器31に直接照射される素抜け領域を検出する。フォトセンサアレイ32による素抜け領域の検出結果は、制御部67に送信される。
【0062】
制御部67には無線通信部68が接続されている。無線通信部68は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。制御部67は、無線通信部68を介してコンソール8(図10参照)と無線通信が可能とされており、コンソール8との間で各種情報の送受信が可能とされている。
【0063】
また、放射線撮影装置7には電源部69が設けられており、上述した各種電子回路(信号処理部65、画像メモリ66、制御部67、無線通信部68等)は電源部69と各々接続され(図示省略)、電源部69から供給された電力によって作動する。電源部69は、放射線撮影装置7の可搬性を損なわないように、前述のバッテリ(二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種電子回路へ電力を供給する。信号処理部65、画像メモリ66、制御部67、無線通信部68は、上述したケース36内、もしくは制御基板43に設けられている。
【0064】
図10に示すように、コンソール8はコンピュータからなり、装置全体の動作を司るCPU74、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM75、各種データを一時的に記憶するRAM76、及び、各種データを記憶するHDD77を備え、これらはバスを介して互いに接続されている。またバスには、通信I/F部78及び無線通信部79が接続され、ディスプレイ80がディスプレイドライバ81を介して接続され、更に、操作パネル82が操作入力検出部83を介して接続されている。
【0065】
通信I/F部78は、接続端子78a、通信ケーブル86及び放射線発生装置6の接続端子87aを介して、放射線発生装置6の通信I/F部87と接続されている。コンソール8(のCPU74)は、通信I/F部87により、放射線発生装置6に素抜け領域の検出を指示し、曝射条件、コリメータ駆動量等の各種情報を放射線発生装置6に送受信する。無線通信部79は、放射線撮影装置7の無線通信部68と無線通信を行う機能を備えている。コンソール8(のCPU74)は、無線通信部79により、放射線撮影装置7に素抜け領域の検出を指示し、画像データ、素抜け領域の検出結果等、各種情報の送受信を行なう。
【0066】
ディスプレイドライバ81はディスプレイ80への各種情報を表示させるための信号を生成・出力し、コンソール8(のCPU74)はディスプレイドライバ81を介して操作メニューや撮影された放射線画像等をディスプレイ80に表示させる。また、操作パネル82は複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される。操作入力検出部83は操作パネル82に対する操作を検出し、検出結果をCPU74へ通知する。
【0067】
コンソール8は、放射線撮影装置7から送信された素抜け領域の検出結果に基づいて、素抜け領域にX線が照射されないようにするためのコリメータ11の駆動量を決定するコリメータ駆動量決定部91を備えている。図11に示すように、コリメータ駆動量決定部91は、各フォトセンサパネル33の検出結果、各フォトセンサパネル33の面積、可視光の強度、光源14とフォトセンサアレイ32との距離等に基づいて、各フォトセンサパネル33でどのぐらいの面積が素抜けているかを表す素抜け面積を算出する。なお、素抜け面積は、全てのフォトセンサパネル33において算出するのではなく、例えば、被写体Hの輪郭部分に対面するフォトセンサパネル33a〜33jの素抜け面積のみを算出する。
【0068】
コリメータ駆動量決定部91は、フォトセンサパネル33a〜33jの素抜け面積に対応するセンサパネル39の画素数、すなわち素抜け画素数を特定するとともに、この素抜け画素数が予め設定されている許容値を超えないようなコリメータ11の駆動量を決定する。なお、コリメータ駆動量決定部91は、X線の照射線量に対応した素抜け画素数の許容値をテーブルとして備えている。この素抜け画素数の許容値テーブルは、例えばX線量が小さいときには、CMOSセンサ48の特性劣化が小さいため、素抜け画素数の許容値は必ずしも「0」にはならないが、X線量が大きいときには、CMOSセンサ48の特性劣化が大きいため、素抜け画素数の許容値がほとんど「0」になるように設定されている。コリメータ駆動量決定部91により決定されたコリメータ駆動量は、通信I/F部78、87を介して放射線発生装置6に送信される。
【0069】
なお、コリメータ11によって素抜け画素数が「0」になるようにX線の照射範囲が規定されると、放射線画像には被写体Hの輪郭が撮影されなくなる。しかし、過去の放射線画像と比較等をする際には、輪郭が写っているほうが撮影部位の特定がしやすい。この点、本実施形態では、コリメータ11の各遮蔽板17a,17b及び18a,18bの断面を楔型形状にしているので、X線は遮蔽板17a,17b及び18a,18bの薄い部分を僅かに透過する。したがって、コリメータ11によって素抜け画素数が「0」になるようにX線の照射範囲を限定した場合でも、被写体Hの輪郭を判別できる程度に撮影することができる。
【0070】
放射線発生装置6は、X線管10、コリメータ11、光源14、コリメータ駆動機構19とともに、コンソール8との間で曝射条件、コリメータ駆動量等の各種情報の送受信を行う通信I/F部87と、線源制御部89とを備えている。線源制御部89は、コンソール8から素抜け領域の検出が指示されたときに、コリメータ駆動機構19を制御してX線の照射範囲が最大になるようにコリメータ11を駆動させ、光源14を点灯させる。また、線源制御部89は、コンソール8からコリメータ駆動量を受信したときには、コリメータ駆動機構19を制御して所定のX線の照射範囲となるようコリメータ11を駆動させる。更に、線源制御部89は、コンソール8から受信した曝射条件(この曝射条件には管電圧、管電流の情報が含まれている)に基づいてX線管10を制御する。
【0071】
次に本実施形態の作用を説明する。放射線撮影装置7を使用して放射線画像の撮影を行う場合、撮影者(例えば放射線技師等)は、被写体Hの撮影対象部位と撮影台との間に、照射面22側を上方へ向けた放射線撮影装置7を挿入し、向きや位置等を調整する準備作業を行う。例えば、図8に示すように、放射線撮影装置7の天板24上の中央部には、被写体Hの撮影部位が直接載置される。
【0072】
撮影者は、被写体Hの天板24上の載置が完了すると、操作パネル82を操作して素抜け領域の検出を指示する。これにより、コンソール8は、素抜け領域の検出を指示する指示信号を放射線発生装置6及び放射線撮影装置7に送信する。コンソール8から指示信号を受信した放射線発生装置6の線源制御部89は、コリメータ駆動機構19を制御してX線の照射範囲が最大になるようにコリメータ11を駆動させ、光源14を点灯させる。光源から照射された可視光は、反射ミラー13により反射されて放射線撮影装置7に照射される。
【0073】
コンソール8から、素抜け領域の検出を指示する指示信号を受信した放射線撮影装置7の制御部67は、フォトセンサアレイ32に光源14から照射された可視光を検出させる。フォトセンサアレイ32は、各フォトセンサパネル33によって放射線検出器31上で被写体Hの周囲に照射された検出光を検出し、被写体HにX線が照射された際に被写体Hを透過していないX線が放射線検出器31に直接照射される素抜け領域を検出する。素抜け領域の検出結果は、制御部67に送信され、無線通信部68、79によってコンソール8に送信される。
【0074】
コンソール8のコリメータ駆動量決定部91は、図11に示すように、被写体Hの輪郭部分に対面するフォトセンサパネル33a〜33jの素抜け面積を算出し、素抜け面積に基づいて素抜け画素数を特定する。そして、コリメータ駆動量決定部91は、素抜け画素数の許容値テーブルに基づいて、X線の照射線量に対応したコリメータ駆動量を決定する。
【0075】
コリメータ駆動量決定部91により特定されたコリメータ駆動量は、通信I/F部78、87により放射線発生装置6に送信される。コリメータ駆動機構19は、受信したコリメータ駆動量に基づいてコリメータ11を駆動させ、光源14を消灯させる。
【0076】
撮影者は、X線照射範囲の測定完了後、操作パネル82を操作して撮影開始を指示する。これにより、コンソール8では、曝射開始を指示する指示信号を放射線発生装置6へ送信し、放射線発生装置6はX線管10から放射線を射出させる。X線管10から射出されたX線は、コリメータ11により照射範囲が適切に限定されるので、CMOSセンサ48の素抜け領域にはX線は照射されない。
【0077】
コリメータ11により照射範囲が制限されたX線は、線源フィルタ12を透過して低エネルギ成分が除去され、被写体Hの撮影部位に照射される。被写体Hを透過したX線は、放射線撮影装置7の天板24、フォトセンサアレイ32及びセンサパネル39を透過して、シンチレータ40に照射される。
【0078】
シンチレータ40に照射されたX線は、シンチレータ40のX線の入射面近傍、すなわちセンサパネル39の近傍で大部分が光に変換され、センサパネル39に向かう。また、シンチレータ40で発生した光のうち、蒸着基板41側に向かった光は、蒸着基板41の反射層により反射されてセンサパネル39に向かう。これにより、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高く、またセンサパネル39の受光量が増大することで、結果として放射線撮影装置7の感度が向上する。また、シンチレータ40からセンサパネル39に向かう光は、CsI:Tlからなるシンチレータ40の柱状結晶によってガイドされるので、画像ボケが抑制される。
【0079】
シンチレータ40で変換された可視光は、第2電極53を透過して光電変換層52に入射し、ここで信号電荷に変換される。露光終了後、光電変換層52で発生した信号電荷が信号出力回路57によって電圧信号に変換され、この電圧信号が各画素から順次出力される。出力された電圧信号は、信号処理部65により画像データに変換され、画像メモリ66に記憶される。CPU67aは、画像メモリ66に記憶された画像データを無線通信部68によってコンソール8へ送信する。コンソール8のCPU74は、放射線撮影装置7から受信した画像データを、RAM76を介してHDD77に記憶する。また、CPU74は、ディスプレイドライバ81を介して、HDD77に記憶されている画像データからなる放射線画像をディスプレイ80に表示させる。
【0080】
コリメータ11の各遮蔽板17a,17b及び18a,18bは、断面がくさび型形状となっているので、X線は遮蔽板17a,17b及び18a,18bの薄い部分を僅かに透過する。したがって、コリメータ11によって素抜け画素が「0」になるようにX線の照射範囲を限定した場合でも、被写体Hの輪郭部分にX線が僅かに照射されるので、放射線画像では被写体Hの輪郭を判別することができ、過去に撮影した画像との比較が容易となる。
【0081】
上述したように、本実施形態では、CMOSセンサ48の素抜け領域にX線が直接照射されるのを抑制することができる。このような効果は、CMOSセンサを用いるISSタイプの放射線検出器において特に顕著である。すなわち、TFTパネルを用いたISSタイプの放射線検出器では、TFTパネルの基板として用いられる無アルカリガラスのX線吸収が大きいため、管電圧が低いマンモグラフィには適用ができなかったが、本発明を用いることによりISSタイプの放射線検出器にCMOSセンサを用いることができるので、マンモグラフィへの適用も容易である。
【0082】
[第2実施形態]
上記実施形態では、断面がくさび型形状のコリメータ11を用いたが、図12に示す放射線発生装置100のように、断面が板状の通常の第1コリメータ101と、断面がくさび型形状の第2コリメータ102とを用いてもよい。この場合、第1コリメータ101は鉛板等によって構成して通常通りX線の照射範囲を限定し、第2コリメータ102はX線の低エネルギ成分の吸収に優れたアルミニウム等で構成して、素抜け領域の低エネルギ成分の吸収に用いる。そして、X線の照射範囲の測定時は、第2コリメータ102を全開状態にして実施し、測定後に第2コリメータ102の開度を制御する。
【0083】
[第3実施形態 ]
また、上記実施形態では、フォトセンサアレイ32を構成するフォトセンサパネル33の大きさを均一にしたが、図13に示すフォトセンサアレイ105のように、被写体Hに対面することが多い中央部のフォトセンサパネル106に対し、被写体の輪郭部分に対面することが多い周縁部のフォトセンサパネル107の面積を小さくしてもよい。これによれば、より精密に素抜け画素数を検出することができる。
【0084】
[第4実施形態 ]
また、図14に示すように、放射線発生装置110に首振り機能を設けてコリメータ制御と併用してもよい。これによれば、撮影対象となる病変部Bが被写体Hの端部に存在する場合でも、病変部Bに向けてX線を照射することができるので、素抜け画素数を最大限まで減らすことができる。
【0085】
なお、過去に撮影した放射線画像と比較することを考慮すると、被写体Hの輪郭が写っているほうがよいが、X線の照射線量が大きいときには、画像比較を考慮するよりもCMOSセンサの特性劣化の抑制を優先させるほうが好ましいので、放射線発生装置110の首振り機能は有効である。更に、被写体を放射線発生装置110の中心部にポジショニングしたつもりでも少しずれている場合が想定される。このような場合も、放射線発生装置110を僅かに首振りさせることで、素抜け領域にX線を照射させないためのコリメータ制御が容易となる。なお、放射線発生装置110を首振りさせるか否かの判断は、素抜け領域を検知したときに、左右の素抜け領域の大きさに有意差があった場合である。
【0086】
[第5実施形態 ]
上記第4実施形態では、放射線発生装置に首振り機能を設けたが、図15に示すように、コリメータ115の一対の遮蔽板115a,115bを個別に駆動できるようにし、X線の光軸Cに対して、左右でコリメータ開度a,bを異ならせてもよい。
【0087】
[第6実施形態 ]
上記第1実施形態では、フォトセンサアレイ32自体の遮光性、またはフォトセンサアレイ32と放射線検出器31との間に配置した遮光層により、天板24を透過した光が放射線検出器31に入射しないようにしているが、天板自体に遮光機能を設けてもよい。
【0088】
図16に示す本実施形態の天板120は、第1実施形態と同様に可視光及びX線の透過性が高いプラスチック等から構成されている。この天板120には、可視光に対する高い遮光性を有し、かつX線の透過性が高い遮光板121が側面から挿脱自在なスリット122が設けられている。本実施形態の天板120を用いた放射線撮影装置によって素抜け部を検知する際には、同図(A)に示すように、天板120から遮光板121を引き出して可視光が天板120を透過できるようにする。また、放射線撮影を行なう際には、同図(B)に示すように、天板120内に遮光板121を挿入して可視光が放射線検出器31に入射しないようにする。
【0089】
このような天板120を用いることにより、放射線検出器31に可視光が入射されるのを防止することができる。したがって、フォトセンサアレイ32を省略し、放射線検出器31のセンサパネル39により素抜け部の検知を兼用させることもできる。
【0090】
[第7実施形態 ]
また、上記各実施形態では、放射線撮影装置自体に素抜け検知機能を設けたが、放射線撮影装置に対し素抜け検知機能を後付けできるようにしてもよい。図17(A)、(B)に示す本実施形態の放射線撮影ユニット130は、第1実施形態の放射線撮影装置7のように透明な天板24やフォトセンサアレイ32等を有しておらず、天板及び筐体に遮光性を有した従来の放射線撮影装置131と、この放射線撮影装置131を収容する被覆部材である透明ジャケット132とから構成されている。
【0091】
透明ジャケット132は、例えば可視光及びX線の透過性が高い透明なプラスチックによって形成されており、放射線撮影装置131が挿脱可能なスリット133と、スリット133に放射線撮影装置131が挿入されたときに放射線撮影装置131の上面に配置されるフォトセンサアレイ134と、スリット133に放射線撮影装置131が挿入されたときにフォトセンサアレイ134と放射線撮影装置131とを電気的に接続する配線135及びコネクタ136が設けられている。これによれば、第1実施形態のように、放射線撮影装置に検出光が透過可能な天板を設ける必要がないので、放射線検出器を遮光するための手段を講ずる必要もない。
【0092】
本実施形態の放射線撮影ユニット130によって素抜け部を検知する際には、透明ジャケット132を透過した可視光をフォトセンサアレイ134により検出する。放射線撮影装置131は、天板及び筐体に遮光性を有するため、内蔵する放射線検出器が素抜け部検知用の可視光を検出することはない。フォトセンサアレイ134の検出結果は、配線135及びコネクタ136を介して放射線撮影装置131に送信され、第1実施形態と同様に、コンソール8のコリメータ駆動量決定部91によりコリメータ駆動量が決定され、放射線発生装置6のコリメータ11が素抜け部が生じないように調整される。また、放射線撮影は、透明ジャケット132にX線透過性が高い材質を用いているため、放射線撮影装置131を透明ジャケット132に挿入したまま行なうことができる。
【0093】
上記各実施形態では、X線撮影時に素抜け領域の検知を必ず行なうようにしているが、X線量が所定線量以上のときにのみ行なうようにしてもよい。また、上記各実施形態では、フォトセンサアレイ32により素抜け領域を検知したが、第6実施形態と同様に、外部からの可視光のご検出を防止できる構造を用いる場合には、放射線検出器31のセンサパネル39を素抜け領域の検知に兼用してもよい。この場合、CMOSセンサ48を透明なプラスチックフイルム上に設けることにより、素抜け領域の検出感度を高めることができる。
【0094】
プラスチックフイルム上にCMOSセンサを設けるには、例えば、プラスチックフイルム上に形成された有機薄膜トランジスタによって構成することができる。なお、有機薄膜トランジスタについては、「Tsuyoshi Sekitani、「Flexible organic transistors and circuits with extreme bending stability」、Nature Materials 9、平成22年11月7日、p.1015-1022」において詳細に説明されているので、詳しい説明は省略する。
【0095】
また、プラスチック基板上に、単結晶Siによって形成されたフォトダイオード及びトランジスタを配置した構成を用いてもよい。プラスチック基板上へのフォトダイオード及びトランジスタの配置には、例えば、数十ミクロン程度の大きさのデバイスブロックを溶液中で散布し、任意の基板上の必要な位置に配置する技術であるFluidic Self-Assembly(FSA)法を用いることができる。なお、FSA法については、「前澤宏一、「Fluidic Self-Assemblyのための共鳴トンネルデバイスブロック作製技術」、電子情報通信学会技術研究報告 ED,電子デバイス、社団法人電子情報通信学会、平成20年6月6日、108巻、87号、p.67-71」において詳細に説明されているので、詳しい説明は省略する。
【0096】
上記各実施形態では、可視光を用いて素抜け領域を検知したが、赤外光、紫外光等の被写体を被曝させない放射線以外の電磁波を用いてもよい。また、CsIからなるシンチレータ40は、紫外光の照射により僅かに発光するので、この発光をセンサパネル39またはフォトセンサアレイ32で検出して素抜け領域の検知に用いてもよい。
【0097】
上記各実施形態では、CMOSセンサを例に説明したが、本発明は、CMOSセンサと同じく単結晶の半導体基板を使用し、X線の照射によって特性劣化が発生するCCDイメージセンサを用いる放射線撮影装置にも適用することができる。また、ISSタイプの放射線検出器を例に説明したが、本発明は、PSSタイプの放射線検出器にも適用可能である。更に、本発明は、光電変換層によってX線を電荷に変換する直接変換型の放射線検出器にも適用が可能である。
【0098】
また、放射線検出器をカセッテサイズの筐体に組み込む例について説明したが、立位型、臥位型の撮影装置や、マンモグラフィ装置に組み込むことも可能である。また、放射線としてX線を例に説明したが、本発明は、γ線など、X線以外の放射線を使用するものでもよい。その他、上記の実施形態で説明した本発明に係る放射線撮影装置の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0099】
5 放射線撮影システム
6 放射線発生装置
7 放射線撮影装置
8 コンソール
10 X線管
11 コリメータ
13 反射ミラー
14 光源
17 第1遮蔽部
18 第2遮蔽部
17a、17b、18a、18b 遮蔽板
19 コリメータ駆動機構
31 放射線検出器
32 フォトセンサアレイ
33 フォトセンサパネル
39 センサパネル
40 シンチレータ
48 CMOSセンサ
91 コリメータ駆動量決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に放射線を照射する放射線原と、被写体に検出光を照射する光源とを有する放射線発生装置と、
被写体を透過した放射線を検出する複数の画素がマトリクス状に配列された放射線検出器と、前記放射線検出器上で被写体の周囲に照射された前記検出光を検出することにより、被写体に放射線が照射された際に被写体を透過していない放射線が前記放射線検出器に直接照射される素抜け領域を検出する素抜け領域検出手段とを有する放射線撮影装置と、
を備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項2】
前記素抜け領域検出手段は、前記放射線検出器の検出光照射側に配置されて前記検出光を検出する複数のフォトセンサパネルを備えたフォトセンサアレイであることを特徴とする請求項1記載の放射線撮影システム。
【請求項3】
前記素抜け領域検出手段の検出結果に基づいて、前記素抜け領域に放射線が照射されないように、前記放射線発生装置において放射線の照射範囲を規定するコリメータの駆動量を決定するコリメータ駆動量決定手段と、前記コリメータ駆動量決定手段の決定結果に基づいて前記コリメータを駆動するコリメータ駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の放射線撮影システム。
【請求項4】
前記コリメータ駆動量決定手段は、前記各フォトセンサパネルの検出結果に基づいて、前記素抜け領域に存在する前記放射線検出器の素抜け画素数を特定し、前記素抜け画素数が予め設定されている許容値を超えないように前記コリメータ駆動量を決定することを特徴とする請求項3記載の放射線撮影システム。
【請求項5】
前記素抜け画素数の許容値は、前記放射線原から照射される放射線の照射線量に応じて設定されていることを特徴とする請求項4記載の放射線撮影システム。
【請求項6】
前記フォトセンサパネルは、有機光電変換材料からなることを特徴とする請求項2〜5いずれか記載の放射線撮影システム。
【請求項7】
前記フォトセンサアレイは、前記検出光を検出する検出面の中央部に配置される前記フォトセンサパネルよりも、周縁部に配置される前記フォトセンサパネルのほうがサイズが小さいことを特徴とする請求項2〜6いずれか記載の放射線撮影システム。
【請求項8】
前記コリメータは、前記放射線原の光路を横切るように移動自在とされた少なくとも一対の遮蔽板を有し、前記遮蔽板の断面形状は、外周部に向かうにしたがって厚みが厚くなるくさび型形状であることを特徴とする請求項3または4記載の放射線撮影システム。
【請求項9】
前記コリメータは、放射線の照射範囲を規定する第1コリメータと、前記素抜け領域に照射される放射線から低エネルギ成分を吸収する第2のコリメータとを有することを特徴とする請求項8記載の放射線撮影システム。
【請求項10】
前記放射線の低エネルギ成分とは、放射線撮影に使用されないエネルギ成分であって、放射線発生装置から放射される放射線のエネルギ分布の1/2以下のエネルギ成分であることを特徴とする請求項9記載の放射線撮影装置。
【請求項11】
前記一対の遮蔽板は、放射線の光軸に対して個別に移動可能であることを特徴とする請求項8記載の放射線撮影システム。
【請求項12】
前記放射線発生装置は、前記素抜け領域に放射線が照射されないように放射線の照射角度を切り替えるための首振り機構を有することを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の放射線撮影システム。
【請求項13】
前記放射線検出器は、放射線を吸収して光に変換するシンチレータと、前記シンチレータの放射線照射側に配置され、前記シンチレータで変換された光を検出する複数の画素がマトリクス状に配列されたセンサパネルとを含むことを特徴とする請求項1〜12いずれか記載の放射線撮影システム。
【請求項14】
前記センサパネルは、CMOS型イメージセンサからなることを特徴とする請求項13記載の放射線撮影システム。
【請求項15】
前記センサパネルを前記素抜け領域検出手段として兼用させたことを特徴とする請求項13または14記載の放射線撮影システム。
【請求項16】
前記放射線撮影装置は、前記放射線及び前記検出光が照射される照射面に前記放射線及び前記検出光を透過させる天板を有し、前記放射線検出器と前記素抜け領域検出手段との間に遮光層を備えることを特徴とする請求項13または14記載の放射線撮影システム。
【請求項17】
前記放射線撮影装置は、前記放射線及び前記検出光が照射される照射面に前記放射線及び前記検出光を透過させる天板を有し、前記天板は、前記検出光を透過させる状態と遮光する状態との間で切り換えられる切換機構を有することを特徴とする請求項13〜15いずれか記載の放射線撮影システム。
【請求項18】
前記素抜け領域検出手段は、前記放射線撮影装置が収容可能な被覆部材に配置されていることを特徴とする請求項13または14記載の放射線撮影システム。
【請求項19】
前記検出光は、放射線以外の電磁波であることを特徴とする請求項1〜18いずれか記載の放射線撮影システム。
【請求項20】
前記電磁波は、可視光、赤外光または紫外光等であることを特徴とする請求項19記載の放射線撮影システム。
【請求項21】
被写体を透過した放射線を検出する複数の画素がマトリクス状に配列された放射線検出器と、
前記放射線検出器上で被写体の周囲に照射された前記検出光を検出することにより、被写体に放射線が照射された際に被写体を透過していない放射線が前記放射線検出器に直接照射される素抜け領域を検出する素抜け領域検出手段と、
を備えたことを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項22】
前記素抜け領域検出手段は、前記放射線検出器の検出光照射側に配置されて前記検出光を検出する複数のフォトセンサパネルを備えたフォトセンサアレイであることを特徴とする請求項21載の放射線撮影装置。
【請求項23】
前記フォトセンサパネルは、有機光電変換材料からなることを特徴とする請求項22記載の放射線撮影装置。
【請求項24】
被写体に検出光を照射するステップと、
放射線検出器上で被写体の周囲に照射された前記検出光を検出することにより、被写体に放射線が照射された際に被写体を透過していない放射線が前記放射線検出器に直接照射される素抜け領域を検出するステップと、
を含むことを特徴とする放射線撮影方法。
【請求項25】
前記素抜け領域に放射線が照射されないように、放射線の照射範囲を規定するコリメータの駆動量を決定するステップと、
前記コリメータの駆動量に基づいて前記コリメータを駆動させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項24記載の放射線撮影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−11553(P2013−11553A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145383(P2011−145383)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】