説明

放射線治療用ベッド位置決めシステム、治療計画装置及びベッド位置決め装置

【課題】ベッド位置決め時の操作者の入力の煩雑さを解消しつつ、ベッド位置決めの精度維持を容易とし、ベッド位置決め時間の短縮化を可能とする。
【解決手段】
治療計画時に計算点をCT画像上にて設定し、設定した計算点の三次元座標値をDRR画像内に設定する。ベッド位置決め装置115はDRR画像を画像サーバ109から読込んだ時点でDRR画像内に設定されている計算点座標値を読み取り、モニタ116にDRR画像と共に表示するとともに、位置決め装置115にDR画像データが読込まれると、モニタ116上にDR画像を表示するとともにDRR画像上に設定されている計算点をDR画像にも設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線又は陽子線をはじめとする粒子線等の各種放射線を照射標的に照射して治療する放射線治療用ベッド位置決めシステム、治療計画装置及びベッド位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍細胞を、各種放射線を照射することで壊死させることを目的とする放射線治療は、近年広く行われつつある。用いられる放射線としては、最も広く利用されているX線だけでなく、陽子線をはじめとする粒子線を使った治療も行われている。
【0003】
放射線治療の重要なプロセスの一つにベッド位置決めがある。ベッド位置決めとは、一般に治療計画装置から出力されたDRR(Digital Reconstructed Radiograph)画像と放射線照射前にX線撮像装置を用いて治療用ベッド(以下、ベッドと省略する)の上に患者を寝かせた状態で撮影するX線画像(DR画像、Digital Radiograph画像)とを技師または医師が比較することにより、治療計画で決定した照射標的の位置と現在のベッド上の照射標的の位置とのズレを算出し、二種類の画像が一致するようにベッドの移動量を求め、ベッドを移動させるプロセスである。
【0004】
DRR画像は、X線画像を模擬した画像であり、治療計画時に撮影されたX線CT画像から生成される。なお、ベッド位置決めでは、参照画像として上記DRR画像以外にもX線シミュレータ等を用いて撮影したX線透視画像を用いる場合もある。
【0005】
ベッド位置決め手法の代表的方法として、DRR画像及びDR画像上に参照点(計算点)を打つ方法がある。以下、この方法について説明する。
【0006】
ベッドの移動量を求めるために操作者は、DRR画像及びX線画像を並べて表示することのできる機能を備えたベッド位置決め装置を使用する。これは、画像表示のためのモニタ、位置決め演算を実施するための演算装置及びキーボードやマウス等の入力手段から構成されるものである。
【0007】
操作者は、ベッド位置決め装置のモニタ上に映し出されたDRR画像上の特徴的な点や治療計画時のCT画像撮影前に埋め込まれDRR画像上にも現れている照射対象内に存在するマーカ(金属のペレット等)に重なるように、入力手段を使用し計算点を入力する。DR画像に対しても同様に計算点を入力する。入力後、DRR画像上の計算点とDR画像上の計算点を例えば画像中心を原点とし座標値に変換する。変換した座標値を各々比較することによりベッドの移動量を算出する。このような方法は、例えば特許文献1のような方式である。さらに、使用するDRR画像及びDR画像は一般的には、照射方向と照射方向に垂直な方向から撮影したものであるため、合計4枚の画像が必要となる。
【0008】
【特許文献1】特表2000−510023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術の方法では、ベッド位置決め時、すなわち照射対象への照射直前に、DRR画像及びDR画像への計算点の入力(画像上の特徴的な構造や画像に写った照射対象内のマーカ上への計算点の入力)を実施するため、2種類の画像に対して計算点を入力をせねばならず煩雑であり、かつベッド位置決めに要求される精度を維持するのに多大な労力が必要であり、ベッド位置決めに時間がかかる要因ともなっていた。
【0010】
また、初回以降のベッド位置決めに際しても、初回のベッド位置決めと同様、DRR画像及びDR画像の2種類の画像に対して計算点を入力するため、DRR画像上への初回のベッド位置決めに際しての計算点の入力座標の再現性及びDR画像上への初回のベッド位置決めに際しての計算点の入力座標の再現性の両方が入力者の技量に依存してしまい、照射標的のベッド位置決めを実施する際の位置決め精度を維持するために多大な努力が必要であった。
【0011】
本発明の目的は、ベッド位置決め時に操作者がこれまで強いられてきた入力の煩雑さを解消することにより、ベッド位置決めに要求される精度を維持することが容易となり、ベッド位置決め時間の短縮化を可能とする放射線治療用ベッド位置決めシステムを提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、初回以降のベッド位置決めに際して、ベッド位置決め時に操作者がこれまで強いられてきた入力の煩雑さを解消しつつ、計算点の入力座標の再現性向上を通して位置決め精度をさらに向上させる放射線治療用ベッド位置決めシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、ベッド位置決めシステムが、ベッド位置決めの参照画像である第1画像を提供する第1画像データを演算及び生成し、前記第1画像データに設定済みの第1計算点の座標値を付加して保存し、第1画像ファイルを生成する第1画像ファイル生成装置と、前記第1画像ファイルを用いて前記第1画像を表示するとともに、前記第1画像上の前記設定済みの第1計算点に対応する位置に前記第1計算点を表示し、かつベッド上の照射対象を撮影した現在画像である第2画像を表示し、前記第1画像データに付加された前記第1計算点の座標値と前記第2画像上の目標位置に設定した第2計算点の座標値とを用いてベッド位置決めデータを生成するベッド位置決め装置とを備えることにより解決される。
【0014】
また、上記課題は、前記ベッド位置決め装置が、前記ベッド位置決めデータを反映した新たな第2画像データ及び第2計算点の座標値を生成し、前記新たな第2画像データに前記新たな第2計算点の座標値を付加して保存し、第2画像ファイルを生成する第2画像ファイル生成装置を備えることによっても解決される。
【0015】
上記課題の根本的な理由は、ベッド位置決め時にDRR画像とDR画像の両方に計算点を入力することである。このため入力座標の再現性や入力の煩雑さ及び、位置決め時間を短縮化できないという課題が発生する。
【0016】
上記課題を解決するために、治療計画時に使用する第1画像(X線CT画像から生成されるDRR画像)へのベッド位置決め時における計算点の入力を省略するための手段を本発明は提供する。
【0017】
具体的には、第1画像ファイル生成装置は、治療計画時に計算点(第1計算点)をX線CT画像上にて設定し、設定した計算点の三次元座標値をDRR画像(第1画像)に設定する。ベッド位置決め装置は、DRR画像を画像サーバから読込んだ時点でDRR画像内に設定されている計算点座標値を読み取り、ベッド位置決め装置のモニタ(表示装置)にDRR画像と共に、画像上に計算点(第1計算点)を表示する。DRR画像は二次元の画像であるが、計算点は三次元の空間上に配置された計算点である。第2画像(DR画像)が撮像され、ベッド位置決め装置にDR画像データが読込まれると、ベッド位置決め装置はモニタ上にDR画像を表示するとともに、好ましくは、DRR画像上に設定されている計算点をDR画像上にも転写表示し、ベッド位置決め装置を操作する操作者はその計算点を第2計算点として目的位置に移動することにより第2計算点を設定する。
【0018】
これにより操作者は、DRR画像への計算点の入力を省略できるので、入力の手間を大幅に簡略化でき、入力の煩雑さを解消できる。また、DR画像への計算点の修正指示のみで済むので、ベッド位置決めの精度維持、すなわち計算点の精度維持に応えるのが容易となり、ベッド位置決め時間も短縮できる。
【0019】
更に、初回以降のベッド位置決めに際しても、計算点を設定した第1画像(DRR画像)データを用いることにより、DRR画像及びDR画像の2種類の画像に対して計算点を入力する必要がなく、その結果、初回のベッド位置決め時と同様の効果が得られるだけでなく、計算点の入力座標の再現性が向上し、位置決め精度を更に向上させることができる。
【0020】
また、ベッド位置決め装置が、ベッド位置決めデータ(移動量)を反映した第2画像データと第2計算点の座標値とを保存した第2画像ファイルを生成する場合は、初回以降のベッド位置決めに際して、上記第1画像(DRR画像)データを用いる代わりに、その第2画像ファイルの第2計算点を設定した第2画像データを用いることによっても、同様の効果(計算点の入力座標の再現性及び位置決め精度向上)が得られる。
【0021】
また、ベッド位置決めデータ(移動量)を反映した第2画像データと第2計算点の座標値とを保存した第2画像ファイルを生成する場合は、そのファイルデータを用いてベッド位置決め後に、ベッド位置決めの精度や状態の妥当性の検証をいつでも確実に容易に実施できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ベッド位置決めを実施しようとする操作者は、第1画像(DRR画像)への計算点の入力を省略できるので、入力の手間を大幅に簡略化でき、入力の煩雑さを解消できる。また、第2画像(DR画像)への計算点の修正指示のみで済むので、ベッド位置決めの精度維持に応えるのが容易となり、ベッド位置決め時間も短縮できる。
【0023】
また、本発明によれば、初回以降のベッド位置決めに際しても、計算点を設定した第1画像(DRR画像)データを用いることにより、DRR画像及びDR画像の2種類の画像に対して計算点を入力する必要がなく、その結果、初回のベッド位置決め時と同様の効果が得られるだけでなく、計算点の入力座標の再現性が向上し、位置決め精度を更に向上させることができる。
【0024】
また、本発明によれば、初回以降のベッド位置決めに際して、第1画像(DRR画像)データを用いる代わりに、第2画像ファイルの第2計算点を設定した第2画像データを用いることによっても、同様の効果(計算点の入力座標の再現性及び位置決め精度向上)が得られる。また、第2画像ファイルを生成する場合は、そのファイルデータを用いてベッド位置決め後に、ベッド位置決めの精度や状態の妥当性の検証をいつでも確実に容易に実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
<装置構成>
図1は、本発明の一実施の形態に係わる放射線治療用ベッド位置決めシステムの全体構成を示す図である。この図1を用いて、まず、システムを構成する各装置について説明する。
【0026】
本システムは、治療計画装置101と、画像データサーバ109と、ベッド位置決め装置115と、X線画像撮像システム114と、ベッド制御装置123とを備えている。
【0027】
治療計画装置101は第1ファイル生成装置を提供するものであり、治療計画を演算するための装置を内部に備える治療計画演算装置104と、治療計画演算装置104の演算結果を表示するモニタ102(第1表示装置)と、治療計画演算装置104に対しモニタ102上に表示されたユーザーインターフェースを通して指示を与えるための入力手段103とから構成される。入力手段103は、一般的にはキーボードやマウス等である。また、ユーザーインターフェースとしてはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)が良く用いられる。
【0028】
治療計画演算装置104は、ネットワーク124に接続し通信をするための通信装置105、演算結果やCT画像等のデータ及び治療計画プログラムを保存するための記憶装置106、治療計画プログラムの演算処理及び治療計画装置101を制御するための治療計画演算処理装置107、治療計画演算処理装置107にて治療計画プログラムを演算する際に記憶装置106に保存してある治療計画プログラム及び処理に必要なデータを一時的に保管するための主記憶装置108を備える。
【0029】
画像データサーバ109は、ネットワーク124に接続し他の装置とデータの交換をするための通信装置110、データを保存するための記憶装置111、画像データサーバ109の各内部装置を制御し、データに対し例えばデータ容量の圧縮等の演算を実施するデータ演算処理装置112、及びデータ演算処理装置112が使用する処理プログラムや処理対象データを一時的に格納するための主記憶装置113から構成される。
【0030】
ベッド位置決め装置115は、ベッド位置決め演算を実施するためのベッド位置決め演算装置118と、演算結果の表示及びユーザインタフェースを表示するためのモニタ116(第2表示装置)と、モニタ116上に表示されるユーザインタフェースを通じベッド位置決め演算装置118及びベッド制御装置123への指示を入力するための入力手段117とから構成される。入力手段117としては、キーボードやマウス等が用いられる。さらに、ベッド位置決め演算装置118は、入力データ及び演算結果を送信するための通信装置119、データ及びベッド位置決め演算プログラムを保存するための記憶装置120、ベッド位置決め演算を実行するためのベッド位置決め演算処理装置121、演算プログラムや入力データ等をベッド位置決め演算処理装置121にて使用するために一時的に格納するための主記憶装置122より構成される。
【0031】
ベッド制御装置123は、簡略化して示しているが、放射線を照射する照射標的(患者)を載せるベッド126を制御するための制御装置であり、ベッド位置決め装置115が演算により算出したベッドの移動量を受信し、ベッド126に含まれる駆動機構に対し移動指令を送出する機能を持つ。ベッド126及びベッド制御装置123は本明細書では詳細には記述しないが、放射線照射システム125の一部を構成するものである。放射線照射システム125は、その他に、放射線を出射する照射ヘッド(ノズル)127や照射ヘッド127を保持するガントリ128、照射ヘッド127やガントリ128を制御するための治療装置制御部129、治療装置制御部129に指示を与えるための治療装置操作卓130からなる。ガントリ128は一般に回転機構を備える。
【0032】
X線画像撮像システム114は、X線画像撮影装置135及びX線画像撮影装置制御操作卓131から構成される。X線画像撮像装置135は、X線源132及びX線源132に対向する位置に配置されたX線受像装置133から構成される。ベッド126はX線源132とX線受像装置133の間に位置し、ベッド126上に照射標的が存在する。X線画像撮像装置135はベッド126上の照射標的を撮像するために使用する。また、X線受像装置133はフラットパネルディテクタやイメージインテンシファイア等を使用する。X線画像撮影装置制御操作卓131は、X線画像撮影装置135に対し撮像のための例えばX線源の電圧や撮影時間等の撮影に必要な撮影条件を設定する機能と、それらをX線撮影装置制御部134に送信する機能を持つ。X線撮像装置制御部134は受信した操作卓131からの指示をX線源132及び受像装置133に送信する。さらに、X線画像撮影装置135にて撮影されたX線画像をX線画像撮影装置35より受信し、画像データサーバ109に送信する機能を持つ。
【0033】
治療計画装置101、画像データサーバ109、ベッド位置決め装置115、X線画像撮像システム114、ベッド制御装置123はネットワーク124を介して接続されており、データをネットワーク経由で送受信することが可能である。
<データのフローの概要>
図1に示すシステムにおけるデータの流れについて図2を用いて説明する。データは、治療計画装置101、X線画像撮像システム114にて生成され、それらが画像データサーバ109に蓄積され、ベッド位置決め装置115にて使用される。
<治療計画装置101>
まず、照射標的への照射やベッド位置決め以前に、治療計画装置101を用いてベッド位置決めに使用するDRR画像を生成する。そのために、治療計画装置101において、治療計画立案のためのCT画像データを画像データサーバ109から読込み、CT画像を記憶装置106及び主記憶装置108に格納する(ステップ201,202)。CT画像上に表示されているマーカや特徴点上に計算点(第1計算点;参照点)を設定する(ステップ203)。その後、計算点が設定されたCT画像を用いてDRR画像を生成する(ステップ204)。生成したDRR画像は、画像データサーバ109に送信し(ステップ205)、画像データサーバ109では受信したDRR画像を記憶装置111に保存する(ステップ206,207)。CT画像上に計算点を設定するステップ203からDRR画像を生成するステップ204までの処理内容については、後述する。
<X線画像撮像システム114>
X線画像撮像システム114では、照射標的の照射前に、ベッド上に照射標的を置いた状態でベッド上の照射標的をX線撮影し(ステップ208)、得られたX線データをX線画像撮影装置制御操作卓131に送信する(ステップ209)。X線画像撮影装置制御操作卓131にてX線データをDR画像(現在画像)を提供するDR画像データに変換し(ステップ210)、変換したDR画像データを画像データサーバ109に送信する(ステップ211)。DR画像データをX線画像撮像システム114より受信した画像データサーバ109は、DR画像データを記憶装置111に保存する(ステップ212,213)。ここで、DR画像データは、ベッド位置決め装置115の分野にて一般的に使用されているダイコム(DICOM)フォーマットであるとする。ただし、その他の画像フォーマットでもかまわない。また、DRR画像も同様である。
<ベッド位置決め演算装置118>
ベッド位置決め演算装置118では、ベッド位置決め演算を実施するために、DRR画像(参照画像)及びDR画像(現在画像)を画像データサーバ109から受信し、演算処理装置121内に読込み(ステップ215)、主記憶装置122及び記憶装置120に保存する(ステップ216)。読込んだDRR画像及びDR画像とをモニタ116上に表示し(ステップ217)、DR画像上に表示された特徴点やマーカ上に計算点(第2計算点)を設定し、DRR画像上に表示された計算点(第1計算点)とDR画像上に設定した計算点(第2計算点)の位置座標値を用いて位置決め演算を実施する(ステップ218)。位置決め演算後に、得られたベッド移動量をベッド制御装置123に送信する(ステップ219)。ベッド移動量送信後、座標変換したDR画像DRR画像は、画像データサーバ109に送信し(ステップ220)、画像データサーバ109では受信した座標変換後のDR画像を記憶装置111に保存する(ステップ221,222)。ここで、モニタ117上に画像データを表示するステップ217からベッド制御装置123へ移動量を送信するステップ219までの処理内容については、後述する。
<各ステップ単位での詳細>
図2に示すステップ203,204,217,218の詳細を図3を用いて説明する。
【0034】
図2及び図3において、ステップ203(ステップ203(1)〜ステップ203(4))は、表示装置(モニタ102)にX線CT画像を表示させ、この表示装置に表示されたX線CT画像に計算点(第1計算点)を設定する第1演算装置を構成し、ステップ204のステップ204(1)は、前記X線CT画像を提供するCT画像データに基づいてX線による撮像を模擬した第1画像(DRR画像)を提供する第1画像データを生成する第2演算装置を構成し、ステップ204のステップ204(2)及びステップ204(3)及びステップ205〜ステップ207は、前記X線CT画像に設定した第1計算点の三次元の座標値を用いて前記第1画像(DRR画像)における前記第1計算点の二次元の座標値を演算し、前記第1画像データに前記第1計算点の三次元の座標値と二次元の座標値を付加して保存し、第1画像ファイルを生成する第3演算装置を構成する。
【0035】
また、図3において、ステップ217(ステップ217(1)〜ステップ217(3))は、表示装置(モニタ116)にベッド位置決めの参照画像である第1画像(DRR画像)を表示させるとともに、前記第1画像上の設定済みの第1計算点に対応する位置に前記第1計算点を表示させ、かつベッド上の照射対象を撮影した現在画像である第2画像(DR画像)を表示させ、この表示装置(モニタ116)に表示された第2画像(DRR画像)上の目標位置に第2計算点を設定する第4演算装置を構成し、ステップ218(ステップ218(1)〜ステップ218(7))は、前記設定済みの第1計算点の座標値と前記第2計算点の座標値とを用いてベッド位置決めデータを生成する第5演算装置を構成する。
【0036】
更に、図2及び図3において、ステップ220〜ステップ222は、前記ベッド位置決めデータのベッド移動量を反映した新たな第2画像データ及び第2計算点の座標値を生成し、前記新たな第2画像データに前記新たな第2計算点の座標値を付加して保存し、第2画像ファイルを生成する第2画像ファイル生成装置を構成する。
[DRRの生成まで(治療計画)]
DRR画像に対し計算点の三次元座標値を設定する方法について説明する。
【0037】
まず、ステップ203における計算点の設定について説明する。治療計画装置101では、画像データサーバから読込み記憶装置106に保存したCT画像データを治療計画演算処理装置104を用いて主記憶装置108に読込み、モニタ102に表示する(ステップ203(1))。CT画像は通常複数枚の画像ファイルから構成され、その1枚をスライスと呼ぶ。モニタ102上には、複数枚読込んだスライスの特定の1枚が表示される。治療計画装置101を操作する操作者は、入力手段103であるマウスやキーボード等を用いながら、例えばスライス上の計算点(第1計算点)となるべき位置にカーソルを移動し、その位置を指定する。治療計画演算処理装置104は入力手段103から計算点入力信号を受け取り、スライス上に計算点を設定する(ステップ203(2))。CT画像撮影以前に照射標的にマーカが埋め込まれている場合、CT画像にマーカも撮影されているため、CT画像に写ったマーカ上にも計算点を設定する。また、背骨や骨盤等のはっきりとした構造物の端点等にも計算点を設定する。設定された計算点は、CT画像のスライス上に重ねてモニタ上に点として表示される(ステップ203(3))。
【0038】
治療計画装置101は複数枚のCT画像スライスを記憶装置106及び主記憶装置108に格納するが、それらは治療計画演算処理装置107により、二次元の断面の集合ではなく三次元データとして保持されている。これをボクセルと呼ぶ。図4にボクセルデータとなったCT画像の三次元データの模式図及び本実施の形態で用いるボクセルデータに設定する座標系を示す。スライスを重ねる方向にY軸があり、Y軸と直交しかつスライス面と平行な方向にX軸とZ軸を持つ。X軸とZ軸は互いに直交する。1個のボクセルは、図4に示すように、X軸方向にサイズrx、Y軸方向にサイズry、Z軸方向にサイズrzを持つ。本実施の形態では単位はmm(ミリメートル)である。一般にrx、rzはCT画像データファイルに解像度データとして格納されており、ryはCT画像データファイルにスライス厚として埋め込まれている値を使用するか、もしくはCT画像データファイルに入っているスライス位置を使用し、2枚のスライスのスライス位置を引き算することで求める。これらの演算処理は、治療計画演算装置107により実施される。
【0039】
CT画像のスライス上に設定された計算点は、原点からの距離に応じた三次元の座標値として計算され(ステップ203(4))、主記憶装置108に保持される。座標値の演算は、治療計画演算処理装置107にて実施される。計算点の座標値を指定するための原点は、どこに置いてもよく、治療計画装置101を操作する操作者が自由に変更可能である。一般には、DRR画像生成時における利便性を考え、アイソセンタ点を原点とすることが多い。なお、アイソセンタ点は本実施の形態ではスライスの1つに設定されるものとする。
【0040】
具体的な計算点の三次元座標値の算出方法について説明する。図5は計算点の座標値の算出方法を説明するための図である。ここでは、アイソセンタを原点としている。また、説明の簡略化のために、スライス内の座標値であるX及びZの座標値の算出方法について説明する。Y軸の座標値は、アイソセンタ点のあるスライスのY座標値から計算点のあるスライスが何枚離れているか(これをスライスインデックスと呼ぶことにする)にryを乗ずることにより求まる。今、計算点aが図5に示す位置にあるとすると、この点は、X軸の正方向に2ボクセル、Z軸方向の正方向に1ボクセルの位置にある。そのため、計算点aの座標値は、(X、Z)で表現すると(2、1)となる。単位はmmである。図5ではボクセルのサイズを1mmとしている。また、Y軸の座標値は、仮にこのスライスがアイソセンタのあるスライスからY軸の正方向に2スライスの位置にあるとすると、Y軸の座標値は2mmとなる。
【0041】
計算点としては1個以上の点が設定される。設定された複数個の計算点を区別するために計算点一つ一つに独立な番号をつける。例えば、番号1の点、番号2の点というように番号をつける。計算点に対する番号と座標値を主記憶装置108に格納する。番号を指定すれば、その番号を表す計算点の座標値が得られる。
【0042】
アイソセンタ点は、放射線を照射する際の照射中心を表す。治療計画装置101には、照射標的に対しどの領域を照射するのかを設定する機能があり、これを照射領域設定と呼び、設定された領域を照射領域と呼ぶ。また、設定された照射領域に対しどの方向からどのように放射線を照射するかを操作者の指示に基づき計算する機能を照射計画機能と呼ぶ。通常、治療計画装置は照射領域の重心位置や照射領域の外接直方体の中心位置をアイソセンタ点に設定する。当然、操作者の指示によりアイソセンタ点の位置を変更可能である。ベッド位置決めでは、治療計画装置にて設定されたアイソセンタ点と放射線を照射する際の照射中心を一致させることが目的である。
【0043】
CT画像上への計算点の設定が終了すると、治療計画装置101はベッド位置決め用にDRR画像を生成する。 DRR画像は、DR画像をコンピュータシミュレーションにより模擬した画像であり、X線透視画像を模擬したものとなる。DRR画像はX線の照射標的内での減衰を治療計画演算装置101にて演算することで生成する(ステップ204(1))。ここで、X線の照射標的内での減衰はその密度分布に応じて計算できることが知られている。より具体的には、X線画像撮像システム114にあるX線源132から照射標的に向けて照射されるX線の照射標的内での減衰は、照射標的の密度分布を表すCT画像データであるCT値を用いることで算出可能である。複数枚のCTスライスから構成されるボクセルデータの要素に対し、X線源132から仮想的なレイと呼ばれるX線を模擬した線を通過させ、X線源132からの距離とボクセルデータの要素に格納されているCT値に比例してX線の減衰を計算する。そして、X線受像装置133の位置における減衰したレイの強度を求める。X線受像装置133の位置にて例えば画像サイズ512×512マトリックス及び予め設定した解像度で二次元のメッシュ上の領域を構成し、これらの各要素中心でのレイの減衰を求める。このような演算を二次元のメッシュ内の要素全てに対し実施することで、X線受像装置133の位置におけるDRR画像を生成できる。また、DRR画像上には照射標的内に埋め込まれたマーカも写っている。
【0044】
ところで、一般的にベッド位置決めに用いるDRR画像は、X線受像装置位置ではなく、アイソセンタ面と呼ぶアイソセンタ点が存在し放射線の照射方向と垂直な面上にX線受像装置位置にて生成したDRR画像を投影した画像を用いる。投影計算は、X線源132の位置とX線受像装置133の位置とを結ぶ直線の長さと、X線源132の位置とアイソセンタ面位置とを結ぶ直線の長さとの比を用いて求める。
[参照点をDRR画像に設定する方法]
ベッド位置決め用のDRR画像の生成が終了すると、引き続き治療計画装置101は、計算点をDRR画像に付加する処理を実施する。CT画像上に入力された計算点(参照点)はCT値としてCT画像内に存在している訳ではないため、DRR画像の生成過程において自動的にDRR画像上に写りこむことはない。そのため、三次元座標値である計算点がDRR画像すなわちX線受像装置133上のどこに投影されるか、さらにアイソセンタ面に投影した場合はアイソセンタ面上のどこに位置するかを計算する(ステップ204(2))。演算にはCT画像からDRR画像を計算する方法と同様の方法を使用する。
【0045】
図3に計算点のX線受像装置133の位置への投影計算の模式図を示す。ボクセルで構成されたCT画像データ内に計算点a,b,cが設定されているとする。また計算点には各々番号が割り振られている。CT画像データは実際は照射標的の密度分布であるCT値の集合であるが、ここではCT画像データの外郭である直方体のみを図示している。各計算点は三次元の座標値を持つ。計算点を通る直線をX線源132の位置を出発点とし、X線受像装置まで引く直線とX線受像装置133が交わる点をX線受像装置位置でのDRR画像上の計算点の座標とする。また、アイソセンタ点は、DRR画像では画像の中心に位置するが、これはX線受像装置133の中心でもある。そのため、DRR画像上に投影された計算点の座標値もアイソセンタ点が投影された点であるDRR画像の中心を原点とする。なおCT画像上において計算点が設定されている位置にマーカがあった場合、DRR画像上にはマーカも写りこんでおり、投影された計算点はその写りこんだマーカ上に位置する。また、CT画像データ上の計算点とDRR画像上への投影された計算点は同じ番号が割り振られるため、1対1に対応しており、容易に特定可能である。さらに、DRR画像におけるアイソセンタ面への投影演算と同様に、計算点もアイソセンタ面へ投影する。
【0046】
DRR画像の生成演算が終了すると、それを放射線医療装置間で交換するためのデータフォーマットに変換する。これらのデータフォーマットは広く使用されているダイコム(DICOM)フォーマットであったり、ジェーペグ(JPEG)画像のようなフォーマットであったりする。いずれにしても画素値の他にその画像データに付随する様々なデータを付加するためのタグ領域やヘッダ領域と呼ばれる付加データ領域を持つフォーマットを使用する。
【0047】
DRR画像の画素値とともに付加データ領域に計算点の座標値を付加する(ステップ204(3))。このようにすることで、ベッド位置決め装置115で容易に治療計画装置101にて設定した計算点を再現することが可能となる。付加データの構成としては例えば以下のような構成がある。まず、CT画像データ上に設定した計算点には治療計画演算処理装置107により番号が割り付けられる。計算点は、番号に引き続き三次元の座標値X,Y,Zを持つ。この座標値を模式的に表した図を図7に示す。この順序で同じ処理を設定した計算点の個数分繰り返す。なお、これらは主記憶装置108に格納される。さらに、DRR画像上に投影された計算点にも二次元の座標値が割り振られる。その模式図を図8に示す。番号は共通である。番号を指定することで計算点の三次元座標値及び投影された二次元座標値を検索することができる。DRR画像データへの計算点座標データ付加を模式的に表した図を図9に示す。図9の二重線の外枠は1枚のDRR画像を象徴的に表現したものである。多数ある四角の箱はデータの構成単位すなわち主記憶装置や記憶装置内においてそれらが占める領域を表す。また、記号<>はそれぞれの後続のデータが何を表すかを示すデータタイプ識別記号である。<3D Point>は、CT画像データ上に設定した三次元座標値を持つ計算点であることを表し、<2D Point>はDRR画像上に投影された二次元座標値を持つ計算点であることを表す。<画像>は、画像データを格納していることを表す。その他、データタイプ識別記号としては、一般に照射標的のID番号や画像の撮影日、DRR画像の解像度、マトリックスサイズやX線源からの距離等が挙げられるが、これらは図示していない。番号は、計算点の番号を表す。また番号に続くX,Y,Z及びX,Yの並びは計算点の座標値を表す。<画像>に続く値は、画素値すなわちこの場合は、DRR画像の値を表す。このようなDRR画像ファイルを治療計画演算処理装置107にて作成し、主記憶装置108及び必要があれば記憶装置106に格納する。生成したDRR画像ファイルを通信装置105を経由し、画像データサーバ109へと送信し、画像データサーバ109では受信したDRR画像ファイルを記憶装置111に保存する(ステップ205〜ステップ207)。する。
[2方向のDRR画像の必要性について]
DRR画像ファイル生成の説明の都合上1枚のDRR画像ファイルしか生成しないかのように記述を進めてきたが、実際は2枚以上のDRR画像ファイルをベッド位置決めにおいて使用するのが一般的である。つまり、異なる方向からアイソセンタ点に向けて撮影したDRR画像を用いる。異なる方向から生成した2枚のDRR画像を用いることで、三次元空間内での平行移動及び各平行移動軸まわりの回転量(これを6自由度と呼ぶ)を求めることが可能となる。1枚のDRR画像では二次元のデータであり、その二次元面内の2つの平行移動及び二次元面に垂直な方向まわりの回転量しか求めることができない。そのため、少なくとも2枚のDRR画像が必要である。実際に6自由度を求める演算方法については、後述する。また、いずれのDRR画像ファイルにおいても前述したDRR画像に計算点の座標値を付加する処理が実施される。
[位置決め演算について]
ステップ217以降のベッド位置決め演算装置115の動作について説明する。画像データサーバ109から読込まれたDRR画像(参照画像)及びDR画像(現在画像)はモニタ116上に表示される。例えば、図10のような配置で表示される(ステップ217)。この配置を2×2表示と呼ぶことにする。その他にもベッド位置決め演算装置は、2方向のDRR画像もしくはDR画像のみを表示する表示方法や特定の1方向のDRR画像及びDR画像を表示する表示方法を備える。これらの表示方法の切り替えは、モニタに表示されているGUI部品であるボタンやコンボボックス等を用いて、ベッド位置決め演算処理装置121に指示を与えることで実現する。図10では、表示されている画像の内容については省略し、画像を表示する領域の配置のみを示した。モニタ116内には、2枚のDRR画像を表示するために第1DRR画像表示領域701と第2DRR画像表示領域702がある。また、同様の目的をDR画像に対し実現するために第1DR画像表示領域703と第2DR画像表示領域704がある。さらに、表示切替や画像のコントラスト調整その他の操作をGUIにて実現するために操作パネル705がある。もちろん、図10に示す表示領域701〜704及び操作パネル705の配置は任意の並びが可能である。
【0048】
DRR画像が読込まれると第1及び第2DRR画像表示領域701,702に画像が表示されるとともに、画像ファイル中の付加データ領域中に存在する計算点(第1計算点或いは参照点)の座標値をベッド位置決め演算処理装置121が演算し、それぞれの表示領域に点として表示する(ステップ217(1))。例えば、点の形状としては、×や□や○等である。また、計算点の番号に応じて点の色を変更しても良い。画像表示領域への計算点の表示は、付加領域に埋め込まれている<2D Point>の座標値すなわち投影された計算点の座標値を使用する。仮に、<2D Point>が画像ファイル中に存在しなかった場合は、<3D Point>からベッド位置決め演算処理装置121がX線源132とX線受像装置133の距離を使用して自動的に演算を実施し、画像表示領域に計算点を表示する。
【0049】
DR画像がモニタ116に表示されると、ベッド位置決め演算装置118は、DRR画像ファイルに付加されていた計算点の二次元座標値に対応するDR画像上の座標位置にも計算点(仮の第2計算点)表示する(ステップ217(2))。この際、DR画像の中心を原点とする。また、同時に主記憶装置122にもDR画像用の計算点二次元座標値の記憶領域を生成し、その計算点の二次元座標値を保存する。
【0050】
DR画像上に表示された計算点は、一般的にはDRR画像作成時に設定した特徴点やマーカ上からはズレている。これは、放射線照射前に照射標的をベッドに載せるがその際に誤差が発生しているからであり、ベッド位置決めを実施しなければならない理由でもある。そのため、ベッド位置決め装置115の操作者は、DR画像上にベッド位置決め演算装置118により自動的に表示された計算点を特徴点やマーカ上に移動させるために編集作業を実施する。編集作業は、マウスやキーボード等の入力手段117を用い、モニタ116上に表示される計算点とDR画像とを確認しながら実施する(ステップ217(3))。計算点が特徴点やマーカ上に移動すると(両者の位置が一致すると)、その計算点(第2計算点)の二次元座標値は上記記憶領域に保存される。ベッド位置決め演算装置118は、計算点の編集機能(計算点を移動する機能)及び編集結果を表示し保存する機能を提供する。編集機能には、計算点を最初の設定値に戻すリセット機能を含めてもよい。
【0051】
DR画像上での計算点の移動、設定作業が済むと操作者は、DRR画像つまり治療計画時と比較し、どのぐらい照射標的が照射中心からずれているかを計算するための指示をベッド位置決め演算装置118に与える。指示は、GUIである操作パネル705より入力手段117を用いて位置決め演算処理装置121に伝達される(ステップ218(1))。位置決め演算処理装置121は、指令が伝達されると位置決め演算を開始する(ステップ218(2))。
【0052】
位置決め演算処理装置121が実施する位置決め演算について説明する。位置決め演算は、計算点の三次元座標値を利用する。DRR画像上の第1計算点とDR画像上の第2計算点とが一致するということは、以下の関係式(式1)が二つの画像上に設定された計算点間に成立することを意味する。
【0053】
【数1】

【0054】

Mは、座標の変換行列を表す。x_DRR、 y_DRR、 z_DRRはDRR上の計算点の座標であり、x_DR、 y_DR、 z_DRは対応するDR画像上の計算点の座標である。つまり、同じ番号を割り当てられた計算点間で式1が成立する。行列Mは、6自由度である平行移動3成分と回転3成分とを含む。
【0055】
【数2】

【0056】

ここで、式2中のθ、φ、ψは回転量であり、Δx、Δy、Δzは平行移動量である。また、s()、c()の記法はそれぞれsin()、 cos()を表している。ベッド位置決め演算では、式1の関係が成立するように式2中の回転量及び平行移動量を求める。それがベッドの移動量となる。
【0057】
まず最初にDR画像上の計算点の三次元座標を算出しなければならない。これは、DR画像上の計算点は操作者により移動させられているからである。そのため、DR画像上の計算点の二次元座標値から三次元座標値を再構成する演算を実施する。図11にDR画像上の二次元座標値から三次元座標値を再構成するための模式図を示す。r1は第1DR画像表示領域に表示されているDR画像であり、r2は第2DR画像表示領域に表示されているDR画像である。図11中のx、y、z軸は現在の照射中心を原点とする互いに直交する軸である。また、r1及びr2上にその中心を原点とする座標軸xr1、yr1及びxr2、yr2が設定されている。実際のr1及びr2は、照射中心を含む面として定義されるが、ここでは演算方法の説明の便宜上図11に示す位置にr1、r2が位置するとしている。この位置は、X線受像装置133の位置と同じである。しかしながら、本手法の特徴は第1DR画像と第2DR画像のそれぞれに、X線源132の位置と画像上の計算点とを直線で結び、 その交点または2直線の最も近い距離の点を求めることにある。そのため、二次元座標値がどの面上であるかということは本手法においては重要ではない。点B及び点Dが計算点である。また、点A及び点CはX線源132の位置を表す。さらに点Aと点Bとを通る直線をL0と呼び、点Cと点Dとを通る直線をL1と呼ぶ。2直線L0とL1との交点または、2直線L0とL1の最小距離を表す点をNとする。
【0058】
理想的には、直線L0とL1とは交差する。しかしながら、DR画像上に設定した計算点である点B及び点Dは、操作者による移動指示により必ずしも二直線が交差する位置にはない可能性がある。そのため、2直線の距離が最小になる点を交点Nとみなす。直線L0、L1を媒介変数s、tを用いて表示すると、
【0059】
【数3】

【0060】

となる。ここで、OAは原点から点Aへのベクトル、ABは点Aと点Bとを結ぶベクトル、OCは原点から点Cへのベクトル、CDは点Cと点Dとを結ぶベクトルである。また、式中ではOA等の上に矢印がついているが、これはベクトルであることを表す記号である。2直線間の距離N(s、t)は、
【0061】
【数4】

【0062】

である。式4をs及びtで偏微分することで、2直線の最小距離を求めることができる。偏微分した結果の各係数を以下のようにすると、
【0063】
【数5】

【0064】

2直線が最小になる場合の媒介変数s、tは、以下の式6にて求めることができる。
【0065】
【数6】

【0066】

式6を式4に代入することで、交点Nを求めることができる。このような演算処理によりDR画像上の計算点の三次元座標値を求める(ステップ218(3))。本演算処理は、計算点の数だけ繰り返す。また求まった三次元座標値は、前述したデータ構造を用いて主記憶装置122に格納される。
【0067】
このようにDR画像に設定された三次元座標値が求まると、式1が成立するための式2に示される平行移動量及び回転量を求める処理が位置決め演算処理装置121にて実施される。まず、DRR画像に設定された計算点の三次元座標値とその計算点と同一の番号を持つDR画像に設定された計算点の三次元座標値の誤差Eを計算する。ここで、DR画像に設定された計算点の三次元座標値は式1を用いて座標変換されているものとする。また、Eは全ての計算点間の誤差である。Eの式を式7に示す。
【0068】
【数7】

【0069】

ここで、添え字iはi番目のDRR画像及び座標変換されたDR画像の計算点である。また、DRR()の記法は、括弧の中にx、y、zが入ることによりそれぞれに対応した座標値成分となることを意味する。
【0070】
誤差Eが最小になるように、式2の各移動量を求めることでベッド移動量を求める(ステップ218(4))。そして再び誤差Eを計算するというように繰り返し計算を実施する。そのため、誤差Eを最小にするためには、最小二乗法の様な最適化アルゴリズムを使用する。そして誤差Eが最小になったところでベッド移動量を求める処理が終了する。
【0071】
ベッド移動量の算出が終了すると、ベッド位置決め装置115は、モニタ116上に操作者に対し移動量を表示し、またDR画像を移動量に基づき座標変換し、座標変換後のDR画像を画面上に表示する(ステップ218(5))。座標変換の演算はベッド位置決め演算処理装置121にて実施する。同様に、求まった移動量に基づきDR画像上に入力及び設定された計算点に対してもベッド位置決め演算処理装置121にて座標変換処理を実施し、モニタ116上に表示する。そして操作者に対し、演算結果を承認するか否かを確認するためのGUIによるダイアログボックス等を表示する。操作者がGUIを通じ入力手段117を用いて演算結果を承認し、その指令をベッド位置決め演算処理装置121が受け取ると(ステップ218(6))、位置決め演算処理装置121は、ベッド移動量をベッド制御装置に送信する。また、操作者がGUIを通じ不承認の指示を位置決め演算処理装置121に伝達した場合は、位置決め演算処理装置121はステップ217に戻り、操作者の指示を待つ。
[DR画像の保存]
ベッド移動量をベッドへと送信し終わりベッド位置決めが完了すると(ステップ219)、位置決め演算装置118はベッド位置決め演算処理装置121を用い、主記憶装置122上に存在するDR画像とDR画像上に設定された計算点とをDR画像ファイルへと変換し、記憶装置120に書き込み保存する(ステップ220)。ファイルのフォーマットは、例えば図9に示すようなDRR画像ファイルと同様な形式を用いる。また、事前にDR画像はベッド移動量に基づき座標変換されており、計算点も同様に座標変換されている。そして、ベッド位置決め演算装置118は生成したDR画像ファイルを通信装置119を経由して画像データサーバ109へと送信し、画像データサーバ109では受信したDR画像ファイルを記憶装置111に保存する(ステップ220〜ステップ222)。これら一連の処理の目的は、ベッド位置決め時の情報を検証及び確認するためであり、また翌日以降のベッド位置決め時にDRR画像の代わりにDR画像を使用するためである。
【0072】
一般に照射標的への照射は1回ではなく複数日にわけ複数回実施される。その際に、本実施例ではDRR画像とDR画像とを用いることをこれまで説明したが、DRR画像の代わりに画像データサーバ109へと保存した前述のDR画像を用いることもできる(この画像を基準DR画像と呼ぶ)。その場合もベッド位置決め演算装置118はDRR画像に対して施す処理と同一の処理を基準DR画像に対して実施し、ベッド位置決め時に撮影したDR画像を用いてベッド位置決め処理を実施する。
【0073】
以上のように説明した本発明によれば、治療計画装置101にてCT画像上に計算点を生成し、その座標値をベッド位置決めに使用するDRR画像ファイルに付加情報として付加し、さらにベッド位置決め演算装置118によりDRR画像を読み上げた際に計算点を自動的にモニタ116上に表示し、DR画像へも転送表示するので、操作者は第DRR画像への計算点の入力を省略でき、DR画像への計算点の修正指示をするだけで済み、操作者の入力の手間を大幅に簡略化できる。また、操作者はDR画像への計算点の修正指示のみで済むので、ベッド位置決めの精度維持、すなわち計算点の精度維持に応えるのが容易となり、ベッド位置決め時間も短縮できる。
【0074】
また、初回以降のベッド位置決めに際しては、計算点を設定したDRR画像、或いはDR画像ファイルに保存した計算点をDR画像(基準DR画像)を用いることにより、初回のベッド位置決め時と同様、2種類の画像に対して計算点を入力する必要がなく、同様の効果が得られる。また、2種類の画像に対して計算点を入力する必要がないので、計算点の入力座標の再現性が向上し、位置決め精度を更に向上させることができる。
【0075】
更に、DR画像上に設定した計算点もベッド位置決め終了後にDR画像ファイルとして保存するため、ベッド位置決め後のベッド位置決めの精度や状態の妥当性の検証が容易になる。
【0076】
本発明は説明した実施の形態に限らず実施が可能である。例えば、画像データサーバ109にデータファイルを保存するような構成を取っているが、直接治療計画装置101とベッド位置決め装置115とが通信し、データファイルを交換しても良い。また、DR画像ファイルは、画像データサーバ109に保管せずにベッド位置決め演算装置118の記憶装置120に補完しても良い。さらに、治療計画装置101及びベッド位置決め演算装置118は1台の装置であってもかまわない。また、ネットワーク124によるデータファイル等の通信を用いる形態を説明したが、データファイルの交換手段として他の記憶媒体たとえばフレクシブルディスクやCD−R等の大容量記憶媒体を用いても良い。
【0077】
また、本発明の実施の形態では、ベッド位置決めを実施する際に、ベッド位置決め演算装置118にDR画像データが読込まれると、ベッド位置決め演算装置118はモニタ116上にDR画像を表示するとともに、DRR画像上に設定されている計算点をDR画像上にも自動で転写表示し、操作者はその計算点(第2計算点)を編集機能により目的位置に移動した。しかし、本発明において、DR画像上への計算点の転写表示は、自動でなく、操作者の入力手段117による指示によって行ってもよい。更に、DR画像上への計算点の転写表示は本発明に必須の機能ではなく、計算点を転写表示する代わりに、操作者が入力手段117を用いて入力してもよい。しかし、DR画像上に計算点を転写表示する場合の方が、操作者はDR画像上への計算点の表示操作を省略できるので、その分、より入力の手間を減らすことができ、入力の煩雑さを低減できる。
【0078】
本発明の実施の形態では、DRR画像上に設定した計算点を移動すなわち編集及び変更することについては説明していないが、もちろん操作者の判断によりそのような編集及び変更も可能であり、この場合、ベッド位置決め演算装置118はDRR画像に対しても上記の計算点の編集機能を提供する。これは、治療計画装置101にて設定した計算点がベッド位置決め時に撮像したDR画像の状態にそぐわなかった場合に使用される機能である。
【0079】
また、本実施の形態では、治療計画装置101からベッド位置決め演算装置118に提供されるベッド位置決め用の画像はDRR画像であるが、計算点の座標値を渡すことが目的であることを考えると、CT画像データをそのままベッド位置決め演算装置118に提供してもかまわない。その場合、DRR画像に計算点の座標値を付加したのと同様にCT画像ファイルに対して計算点の座標値情報を付加する。
【0080】
さらに、本実施の形態では照射標的内のマーカもしくは特徴点を用いることを前提としているが、これらはその両方を用いてもまた一方のみを用いてもかまわない。また、照射標的の周囲に治具を設置しそれをマーカとしてもよいし、照射標的の表面に例えばX線を透過させないようなシールのようなものを貼りそれをマーカとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる放射線治療用ベッド位置決めシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる放射線治療用ベッド位置決めシステムにおける処理内容のデータの流れを示すフローである。
【図3】図2のステップ203,204,217,218の詳細を示すフローである。
【図4】ボクセルデータとなったCT画像の三次元データの模式図及び本実施の形態で用いるボクセルデータに設定する座標系を示す図である。
【図5】計算点の座標値の算出方法を説明するための図である。
【図6】DRR画像への三次元計算点の投影計算方法を模式的に示す図である。
【図7】計算点のデータ様式を示す図である。
【図8】計算点のデータ様式を示す図である。
【図9】DRR画像データへの計算点等の付加データの付加方法を模式的に示す図である。
【図10】ベッド位置決め装置のモニタ上におけるDRR画像及びDR画像、操作領域の配置の一例を示す図である。
【図11】二次元座標値を持つ計算点から三次元座標値を再構成する方法を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0082】
101 治療計画装置
102 モニタ(第1表示装置)
103 入力手段
104 治療計画演算装置(第1画像ファイル生成装置)
105 通信装置
106 記憶装置
107 治療計画演算処理装置
108 主記憶装置
109 画像データサーバ
110 通信装置
111 記憶装置
112 データ演算処理装置
113 主記憶装置
114 X線画像撮像システム
115 ベッド位置決め装置(第2画像ファイル生成装置を含む)
116 モニタ(第2表示装置)
117 入力手段
118 ベッド位置決め演算装置
119 通信装置
120 記憶装置
121 ベッド位置決め演算処理装置
122 主記憶装置
123 ベッド制御装置
124 ネットワーク
701 第1DRR画像表示領域
702 第2DRR画像表示領域
703 第1DR画像表示領域
704 第2DR画像表示領域
705 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療におけるベッド位置決めシステムにおいて、
ベッド位置決めの参照画像である第1画像を提供する第1画像データを生成し、前記第1画像データに設定済みの第1計算点の座標値を付加して保存し、第1画像ファイルを生成する第1画像ファイル生成装置と、
前記第1画像ファイルを用いて前記第1画像を表示するとともに、前記第1画像上の前記設定済みの第1計算点に対応する位置に前記第1計算点を表示し、かつベッド上の照射対象を撮影した現在画像である第2画像を表示し、前記第1画像データに付加された前記第1計算点の座標値と前記第2画像上の目標位置に設定した第2計算点の座標値とを用いてベッド位置決めデータを生成するベッド位置決め装置とを備えることを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項2】
請求項1記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記第1画像ファイル生成装置は、前記第1画像データとして、X線CT画像を提供するCT画像データに基づいてX線による撮像を模擬したX線透視画像を演算処理によって生成することを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項3】
請求項2記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記第1画像ファイル生成装置は、前記第1計算点を前記X線CT画像に設定し、そのX線CT画像に設定した第1計算点の三次元の座標値を用いて前記第1画像における前記第1計算点の二次元の座標値を演算し、前記第1画像ファイルに、前記第1計算点の座標値として、前記三次元の座標値と前記二次元の座標値を付加することを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記ベッド位置決め装置は、前記第2画像としてX線画像撮像システムにより得たX線透視画像を用いることを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記ベッド位置決め装置は、前記第2画像に設定した第2計算点を入力手段の指示に応じて移動する編集機能を備えることを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記ベッド位置決め装置は、前記第1画像上に表示された前記第1計算点を前記第2画像上の同じ座標位置に仮の第2計算点として表示する転写機能と、前記第2画像上に表示された前記仮の第2計算点を入力手段の指示に応じて移動する編集機能とを備え、この編集機能による移動後の仮の第2計算点を前記第2計算点として設定することを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記ベッド位置決め装置は、前記ベッド位置決めデータのベッド移動量を反映した新たな第2画像データ及び第2計算点の座標値を生成し、前記新たな第2画像データに前記新たな第2計算点の座標値を付加して保存し、第2画像ファイルを生成する第2画像ファイル生成装置を備えることを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項8】
請求項7記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記第2画像ファイル生成装置は、前記第2演算装置で生成したベッド位置決めデータに基づいて前記第2画像及び前記第2計算点の二次元の座標値を座標変換し、この座標変換後の第2画像を提供する第2画像データ及び第2計算点の座標値を前記新たな第2画像データ及び第2計算点の座標値として保存し、前記第2画像ファイルを生成することを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項9】
請求項1記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記第1画像ファイル生成装置は、
第1表示装置と、
この第1表示装置にX線CT画像を表示させ、この第1表示装置に表示されたX線CT画像に前記第1計算点を設定する第1演算装置と、
前記X線CT画像を提供するCT画像データに基づいてX線による撮像を模擬した画像データを前記第1画像データとして生成する第2演算装置と、
前記CT画像に設定した前記第1計算点の三次元の座標値を用いて前記第1画像における前記第1計算点の二次元の座標値を演算し、前記第1画像データに前記第1計算点の三次元の座標値と二次元の座標値を付加して保存し、前記第1画像ファイルを生成する第3演算装置とを有することを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項10】
請求項1又は9記載のベッド位置決めシステムにおいて、
前記ベッド位置決め装置は、
第2表示装置と、
この第2表示装置に前記第1画像及び前記第1計算点と前記第2画像を表示させ、この第2表示装置に表示された第2画像上の目標位置に前記第2計算点を設定する第4演算装置と、
前記第1計算点の座標値と前記第2計算点の座標値とを用いて前記ベッド位置決めデータを生成する第5演算装置とを有することを特徴とするベッド位置決めシステム。
【請求項11】
放射線治療における治療計画装置において、
表示装置と、
この表示装置にX線CT画像を表示させ、この表示装置に表示されたX線CT画像に第1計算点を設定する第1演算装置と、
前記X線CT画像を提供するCT画像データに基づいてX線による撮像を模擬した第1画像を提供する第1画像データを生成する第2演算装置と、
前記X線CT画像に設定した前記第1計算点の三次元の座標値を用いて前記第1画像における前記第1計算点の二次元の座標値を演算し、前記第1画像データに前記第1計算点の三次元の座標値と二次元の座標値を付加して保存し、第1画像ファイルを生成する第3演算装置とを備えることを特徴とする治療計画装置。
【請求項12】
放射線治療におけるベッド位置決め装置において、
表示装置と、
この表示装置にベッド位置決めの参照画像である第1画像を表示させるとともに、前記第1画像上の設定済みの第1計算点に対応する位置に前記第1計算点を表示させ、かつベッド上の照射対象を撮影した現在画像である第2画像を表示させ、この表示装置に表示された第2画像上の目標位置に第2計算点を設定する第4演算装置と、
前記設定済みの第1計算点の座標値と前記第2計算点の座標値とを用いてベッド位置決めデータを生成する第5演算装置とを備えることを特徴とするベッド位置決め装置。
【請求項13】
請求項12記載のベッド位置決め装置において、
前記第4演算装置は、
前記第1画像上に表示された前記第1計算点を前記第2画像上の同じ座標位置に仮の第2計算点として表示する転写機能と、前記第2画像上に表示された前記仮の第2計算点を入力手段の指示に応じて移動する編集機能とを備え、この編集機能による移動後の仮の第2計算点を前記第2計算点として設定することを特徴とするベッド位置決め装置。
【請求項14】
請求項12記載のベッド位置決め装置において、
前記第5演算手段は、前記第3演算装置により設定した前記第2計算点の二次元の座標値を三次元の座標値に再構成する演算を行い、前記設定済みの第1計算点の三次元の座標値と前記第2計算点の三次元の座標値とを用いてベッド位置決めデータを生成することを特徴とするベッド位置決め装置。
【請求項15】
請求項12記載のベッド位置決め装置において、
前記第5演算手段は、前記ベッド位置決めデータのベッド移動量を反映した新たな第2画像データ及び第2計算点の座標値を生成し、前記新たな第2画像データに前記新たな第2計算点の座標値を付加して保存し、第2画像ファイルを生成することを特徴とするベッド位置決め装置。
【請求項16】
請求項15記載のベッド位置決め装置において、
前記第5演算装置は、前記第2演算装置で生成したベッド位置決めデータに基づいて前記第2画像及び前記第2計算点の二次元の座標値を座標変換し、この座標変換後の第2画像を提供する第2画像データ及び第2計算点の座標値を前記新たな第2画像データ及び第2計算点の座標値として保存し、前記第2画像ファイルを生成することを特徴とするベッド位置決め装置。
【請求項17】
請求項12記載のベッド位置決め装置において、
前記第5演算装置は、前記設定済みの第1計算点の座標値と前記第2計算点の座標値との偏差を演算し、その偏差が最小となる前記第2計算点の移動量を演算し、この移動量に基づいて前記ベッド位置決めデータを生成することを特徴とするベッド位置決め装置。
【請求項18】
請求項17記載のベッド位置決め装置において、
前記第5演算装置は、前記第2計算点の移動量に応じて前記第2画像及び前記第2計算点の二次元の座標値を座標変換して、前記表示装置に表示し、入力手段より承認通知を受信すると、前記ベッド位置決めデータを有効化することを特徴とするベッド位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−228966(P2008−228966A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72440(P2007−72440)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】