放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法及びシステム
【課題】患者の癌及び他の障害を治療するために放射線療法を加える方法及びシステムを提供する。
【解決手段】放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法及びシステム。一実施形態では、方法は、患者内のターゲットの撮像データを取得する段階と、取得した撮像データに基づいて、ターゲットに向けたレーザビームでターゲットを照射する段階と、患者の光力学療法薬剤をレーザビームで活性化する段階とを含む。ターゲットは、皮下又は皮膚とすることができ、又は皮下及び皮膚の両方の部分を有することができる。
【解決手段】放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法及びシステム。一実施形態では、方法は、患者内のターゲットの撮像データを取得する段階と、取得した撮像データに基づいて、ターゲットに向けたレーザビームでターゲットを照射する段階と、患者の光力学療法薬剤をレーザビームで活性化する段階とを含む。ターゲットは、皮下又は皮膚とすることができ、又は皮下及び皮膚の両方の部分を有することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2006年2月17日出願の「患者内の障害を治療するために放射線療法を加える方法及びシステム」という名称の米国特許仮出願第60/774、332号の恩典を請求するものである。
【0002】
米国特許出願第10/805、683号は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0003】
本発明は、患者の癌及び他の障害を治療するために放射線療法を加える方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
癌は、アメリカでは第2に主要な死因であり、米国癌協会は、2005年には癌の新しい症例が130万より多く診断されたと推定している。これらの新しい症例のほぼ212、930例が、侵襲性の乳癌(ステージI〜IVと定められる)であり、推定で40、870が致死的である。更に、頭部癌及び頸部癌のような他の種類の癌の更に多くの症例が毎年発生している。以下の表1に示すように、治療を成功させ、生存率を高めるためには、乳癌及び他の癌を早期に検出することが重大な意味を有する。
【0005】
(表1)
【0006】
40歳を超えた女性は毎年乳癌検診を受けることを多くのヘルスケアの専門家が推奨している。残念なことに、米国癌協会は、昨年は、40歳を超える女性の62%しかマンモグラムを受けなかったと推定している。推奨されてはいるが、慣例のマンモグラフィーにはいくつかの欠点がある。第1に、多くの女性が、典型的なマンモグラム手順の間に、特に乳房が圧迫されることから大きな不快感を受けることである。この不快感により、次の年にマンモグラム検診を受けるのを躊躇する女性もいる。第2に、マンモグラム検診の結果が正確でない可能性があることである。例えば、検出することができる最も小さな腫瘍は、ほぼ1〜5mmであるために、乳癌の20%までが毎年のマンモグラム検診の段階で検出されない。更に、従来的なマンモグラフィーは、追跡調査マンモグラム及び/又は生検を必要とする可能性がある偽陽性であることに難がある。その結果、患者に不快感を与えることなく、早期に正確に乳癌を検出するための改良手順が必要とされている。
【0007】
従来の乳癌の治療法には、手術、化学療法、及び/又は電離放射線の高強度ビームを用いる放射線療法が含まれる。乳癌は、患者によって様々であるために、全ての患者に有効な単一の治療法はない。乳癌を治療するための典型的な手術には、全乳房又は乳房の癌が位置する部分のみを切断、切除、又は他の方法で除去する段階が含まれる。しかし、手術は、癌の部位により、多くの患者に対する実行可能な選択肢ではない。更に、手術治療は、麻酔又は感染に伴う合併症が起こることもあり、長期の疼痛を伴う回復期間を有する可能性がある。化学療法は、癌を薬物で化学的に治療する段階を含むが、この薬物は、倦怠感、嘔気、嘔吐、四肢の疼痛、脱毛、及び貧血症を含む多くの副作用を有する可能性がある。更に、放射線治療の間に乳房が移動し、病巣の代わりに健康な組織が照射される可能性があるために、電離放射線ビームを用いる放射線療法も困難である。従って、上述の従来の治療法の欠点を回避するか又は少なくとも最小限にする癌治療法が必要とされている。
【0008】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/774、332号
【特許文献2】米国特許出願第10/805、683号
【発明の開示】
【0009】
A.概説
以下の開示は、患者内の障害を治療するために放射線療法を加える方法及びシステムのいくつかの実施形態を説明する。1つのこのような方法の実施形態には、患者内のターゲットの撮像データを取得する段階と、得られる撮像データに基づいてターゲットに向けた放射線でターゲットを照射する段階と、放射線で患者内の光力学療法剤を活性化する段階とが含まれる。放射線は、放射線源又は放射線送出装置から皮下のターゲットに経皮的に伝達されるか、又は皮膚のターゲットに対しては、放射線は、外部の部位から伝達される。従って、ターゲットは、皮下、皮膚とすることができ、又は皮下及び皮膚の両方の部分を有することができる。ターゲットを照射する段階は、ターゲットを横切ってレーザビームを走査するか、又は全ターゲットを同時に照射する段階を含むことができる。放射線源は、レーザ、発光ダイオード(LED)、又はランプ(例えば、白熱及び/又は蛍光)とすることができる。
【0010】
別の実施形態では、方法は、薬剤を患者内のターゲットに誘導するための標的成分を含む薬剤を患者に導入する段階と、第1の波長を有する放射線をターゲットに照射し、薬剤の撮像成分を活性化することによってターゲットを撮像する段階と、第2の波長を有する放射線をターゲットに当てることによって薬剤の光力学療法成分を活性化する段階とを含む。いくつかの用途では、薬剤の活性撮像成分は、ターゲットで蛍光を発する。ターゲットを撮像する段階は、ターゲットで撮像成分の蛍光を捕捉する段階と、捕捉した蛍光に基づいて、ターゲットの3次元画像を生成する段階とを含む。
【0011】
別の実施形態では、方法は、第1の波長を有する放射線で患者内のターゲットを照射する段階と、ターゲットのデジタル3次元画像を生成する段階と、3次元画像に基づいて、第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線でターゲットを照射する段階とを含む。第2の波長を有する放射線でターゲットを照射する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザ又は他の適切なレーザでターゲットを照射する段階を含むことができる。
【0012】
本発明の別の態様は、放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムに関する。一実施形態では、システムは、患者内のターゲットの画像を捕捉するための撮像ユニットと、ターゲットを照射して患者内の光力学療法薬剤を活性化するためのレーザと、ターゲットの捕捉した画像に基づいてレーザを作動してターゲットに照射させるために撮像ユニット及びレーザと作動可能に連結されたコントローラとを含む。レーザは、ビーム経路に沿ってレーザビームを生成するように構成され、システムは、レーザビームを再方向付け及び/又は調整するためにビーム経路に整列した光学要素アセンブリを更に含むことができる。システムは、ターゲットを照射し、ターゲットで撮像剤を活性化するために第2のレーザを更に含むことができる。
【0013】
別の実施形態では、システムは、第1の波長を有する放射線で患者内のターゲットを照射するための第1の放射線送出装置と、ターゲットのデジタル画像を捕捉するための撮像ユニットと、第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線でターゲットを照射するための第2の放射線送出装置と、捕捉したデジタル画像に基づいて第2の波長を有する放射線でターゲットを照射するために、第2の放射線送出装置及び撮像ユニットと作動可能に連結されたコントローラとを含む。
【0014】
放射線療法を加えて癌を治療するためのシステム及び方法に関して、本発明のいくつかの実施形態の特定の詳細を以下に説明するが、他の実施形態では、このシステム及び方法を用いて、他の疾患及び障害を治療することができる。多くの場合、放射線療法を加えることを伴う公知の構造又は処理を説明する詳細のいくつかは、簡潔性及び明瞭性のために以下の説明では述べない。更に、本発明のいくつかの他の実施形態は、この節に説明するものとは異なる構造、構成要素、又は手順を有することができる。従って、それに応じて、本発明は、付加的な要素を備える他の実施形態を有することができ、図1〜図10に関して以下に示して説明する要素のいくつかを含まない他の実施形態を有することができることは当業者には理解されるであろう。更に、文脈が許せば、単数又は複数の用語は、それぞれ複数又は単数の用語を含むことができる。更に、「又は」という語が、少なくとも2つの品目のリストに関する他の品目から排他的に単一の品目のみを意味することに限定されることが明らかでない場合には、そのようなリストでの「又は」の使用は、(a)リストのあらゆる単一の品目、(b)リストの全ての品目、又は(c)リストの品目のあらゆる組合せを含むと解釈されるものとする。更に、「含む」という用語は、他の特徴及び構成要素の同じ特徴及び/又は種類のあらゆるより多くのものが除外されないように、少なくとも列挙した特徴を含むことを意味するように全体を通して用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
B.放射線療法を加えるためのシステムの実施形態
図1は、本発明の一実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム100の概略図である。システム100は、患者190のターゲット192を含む領域を照射し、ターゲット192で撮像剤を活性化する。ターゲット192で活性化された撮像剤は、蛍光を発するか、又は他の種類の放射線を放出する。システム100は、放射線を捕捉し、この放射線からターゲット192の画像を生成する。撮像データに基づいて、システム100は、ターゲット192を選択的に照射して光力学薬剤を活性化し、これが、患者190の特定の障害(例えば、癌)を治療する。癌を治療する場合には、ターゲットは、例えば、患者の乳房、頭部、頸部、又は他の患部に存在することができる。
【0016】
図示のシステム100は、第1のレーザビーム112を生成するための第1のレーザ110(概略的に示す)と、第1のレーザビーム112を誘導及び/又は調整するための第1の光学要素アセンブリ114と、光学要素アセンブリ114を移動及び/又は位置決めし、第1のレーザビーム112を患者190の望ましい領域に誘導するための位置決め装置116(概略的に示す)とを含む。第1のレーザ110は、ダイオードレーザ、ガスレーザ、固体レーザ、色素レーザ、ファイバレーザ、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザ、又は他の第1のレーザビーム112を生成するのに適切なレーザとすることができる。いずれの場合でも、第1のレーザ110は、組織を透過して患者190内の薬剤を活性化するように選択した波長の第1のレーザビーム112を生成するように構成される。例えば、撮像剤がインドトリカルボシアニンである用途では、第1のレーザビーム112の波長は、ほぼ748ナノメートルとすることができる。他の実施形態では、第1のレーザ110は、可変周波数レーザビームを生成することができ、及び/又は第1のレーザビーム112は、近赤外線の範囲又は組織を透過して患者190中の撮像剤を活性化する他の適切な範囲の異なる波長を有することができる。更に別の実施形態では、システム100は、第1のレーザ110を含まず、患者190中の撮像剤を活性化するために異なる種類の放射線源を含むことができる。例えば、撮像剤又は薬物の他の成分を活性化するための放射線源は、レーザの代わりに又はそれに加えて、LEDアレイ又はランプとすることができる。
【0017】
第1の光学要素アセンブリ114は、第1のレーザビーム112を調整し、第1のレーザ110から患者190の望ましい領域までビーム112を誘導する。第1の光学要素アセンブリ114は、コリメータ、レンズ、ミラー、ビームスプリッタ、及び/又は他の第1のレーザビーム112を再方向付け及び/又は調整するのに適切な光学部材を含むことができる。位置決め装置116は、アセンブリ114の1つ又はそれよりも多くの構成要素を移動して第1のレーザビーム112を患者190の望ましい領域に誘導するために第1の光学要素アセンブリ114と作動可能に連結される。例えば、いくつかの用途では、位置決め装置116は、第1の光学要素アセンブリ114を移動し、ターゲット192を含む患者190の領域を横切って第1のレーザビーム112を走査することができる。別の実施形態では、システム100は、位置決め装置116の代わりに又はそれに加えて、第1のレーザ110又は患者190を移動させるための別の位置決め装置を含むことができる。
【0018】
図示のシステム100は、患者190中の撮像剤が放出する放射線128を捕捉するための撮像ユニット120と、第1のレーザ110、位置決め装置116、及び撮像ユニット120に作動可能に連結されたコントローラ140(概略的に示す)とを更に含む。撮像ユニット120は、ターゲット192で活性撮像剤が放出する放射線128を捕捉してデジタル化し、ターゲット192の3次元画像を生成する。撮像ユニット120は、CCDカメラ、CTスキャナ、MRI機械、X線装置、又は別の適切な撮像装置を含むことができる。適切なCCDカメラには、ニュージャージー州トレントン所在の「Roper Scientific」製の「Pixis」カメラ、マサチューセッツ州ウォバーン所在の「CRI Inc.」製の「Maestro」、ニューヨーク州ロチェスター所在の「Kodak Inc.」製の「イメージ・ステーション4000MM」、及びドイツチューリンゲン所在の「Carl Storz」製の「D光蛍光システム」が含まれる。例えば、撮像ユニット120は、薬物の撮像成分又は他の成分により引き起こされる放射線の放出及び散乱を検出する時間ゲート式カメラを有することができる。このような時間ゲート検出は、パルスを照射する間、パルス照射の合間、又はその後に行うことができる。撮像ユニット120は、撮像剤が放出する放射線128を励起光から分離するためにレンズ及び/又はフィルタを更に含むことができる。例えば、一実施形態では、撮像ユニット120は、一方のカメラが励起光を捕捉し、他方のカメラが撮像剤から放出される放射線128を捕捉するように、異なるフィルタを有する2つのCCDカメラを含む。いずれの場合でも、撮像ユニット120及び/又はコントローラ140は、ターゲット192で撮像剤から放たれる放射線128に基づいてターゲット192の3次元画像を生成する。システム100は、腫瘍学者及び/又は技術者が画像を見ることができるように高解像度ディスプレイ(図示せず)を含むこともできる。
【0019】
図1に示すシステム100は、第2のレーザビーム132を生成するための第2のレーザ130(概略的に示す)と、第2のレーザビーム132を誘導及び/又は調整する第2の光学要素アセンブリ134と、第2の光学要素アセンブリ134を移動及び/又は位置決めして第2のレーザビーム132を患者190の望ましい領域に誘導するための位置決め装置136とを更に含む。第2のレーザ130は、ターゲット192で光力学療法薬剤を活性化するように選択された波長で第2のレーザビーム132を生成するように構成される。いくつかの用途では、第2のレーザ130は、近赤外線の範囲(例えば、750〜850ナノメートル)にレーザビームを生成する効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザとすることができる。例えば、一実施形態では、第2のレーザ130は、次のパラメータを有する。
レーザ波長:λ=750〜900nm
レーザ時間パルス長:τp=100fs〜1ps
レーザパルスエネルギ:P=1.0〜10mJ
レーザ表面スポット面積:S=1cm2
レーザパルス繰返し数:R=1〜10kHz
しかし、他の実施形態では、第2のレーザ130は、異なるパラメータを有することができる。第2のレーザ130の別の適切な実施形態は、波長がほぼ800〜1、500ナノメートル、パルス持続時間が1ps〜100nsのビームを生成することができる。適切なレーザには、カリフォルニア州サンタクララ所在の「Coherent Inc.」製の「Libra and Legend」レーザ、ミシガン州デクスター所在の「Clark−MXR Inc.」製の「CPAシリーズ」レーザ、ニューヨーク州イーストセタケット所在の「Quantronix」製の「Integra」レーザ、カリフォルニア州マウンテンビュー所在の「Spectra−Physics Lasers」製の「Eclipse」レーザ、ミシガン州アナーバー所在の「IMRA America」製の「μJewel」レーザ、スイスチューリッヒ所在の「Time−Bandwidth」製の「Fortis」レーザ、オーストリアホーヘネムス所在の「High−Q Laser」製の「femtoRegen」レーザを含むことができる。別の実施形態では、第2のレーザ130は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザでなくてもよく、及び/又はシステム100は、第1及び第2のレーザ110及び130の代わりに第1及び第2のレーザビーム112及び132を生成することができる単一のレーザを含むことができる。
【0020】
第2の光学要素アセンブリ134は、第2のレーザビーム132を調整し、第2のレーザ130から患者190のターゲット192にビーム132を誘導する。更に、第2の光学要素アセンブリ134は、第2のレーザビーム132を患者190内の望ましい深さに集束させる。第2の光学要素アセンブリ134は、コリメータ、レンズ、ミラー、及び/又は第2のレーザビーム132を再方向付け、調整、及び/又は集束させる他の光学部材を含むことができる。位置決め装置136は、アセンブリ134の1つ又はそれよりも多くの構成要素を移動するために第2の光学要素アセンブリ134に連結され、コントローラ140は、第2のレーザ130及び位置決め装置136と作動可能に連結され、撮像データに基づいて第2のレーザビーム132を患者190のターゲット192に導いて集束させる。その結果、第2のレーザビーム132は、ターゲット192中の光力学療法薬剤を活性化することができる。光学アセンブリは、レーザビームをターゲットに伝達させる光ファイバ、ファイバ束、又はライトパイプを更に含む。例えば、高ピーク強度のパルスレーザビーム(例えば、>109W)は、損傷閾値が高い光子ファイバを通して伝達させることができる。
【0021】
C.患者内の障害を放射線療法で治療する方法の実施形態
図2は、本発明の一実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法280を示す流れ図である。方法280は、患者の乳癌、皮膚癌、頭部癌、頸部癌、及び他の種類の皮膚及び皮下の障害を治療するのに特に良好に適している。図示の方法には、導入処理282、第1の照射処理284、撮像処理286、及び第2の照射処理288が含まれる。図1及び図2の両方を参照すると、導入処理282は、薬剤を患者190に導入する段階を含む。薬剤は、(例えば、静脈内注射を通じて)注入することができ、嚥下することができ、又は何らかの他の適切な方法で患者190に導入することができる。いくつかの用途では、薬剤は、標的成分、撮像成分、及び光力学療法成分を有する3機能化合物とすることができる。標的成分は、特定の場所、細胞の種類、又はターゲット192の他の特性に基づいて、薬剤を患者190のターゲット192に誘導する。例えば、患者190が癌細胞を有する用途では、標的成分は、急速に分割する細胞又は癌細胞の他の特性に親和性を有することにより、3機能薬剤をこれらの細胞に誘導することができる。撮像成分は、インドトリカルボシアニン又は活性化されると蛍光又は別の種類の放射線を放出する他の適切な化合物とすることができる。撮像成分は、特定の波長の非電離放射線又は何らかの他の方法により活性化することができる。光力学療法成分は、特定の波長の放射線又は他の方法により活性化された後には特定の細胞(例えば、癌細胞)の死を惹起することができる。米国特許出願第10/805、683号には、適切な薬剤及び成分が説明されており、これは、添付文書Aとして本明細書に添付される。他の実施形態では、3つの成分は、患者190内に別々に導入することができる。更に別の実施形態では、薬剤は、撮像及び光力学療法成分のみを有する2機能薬剤とすることができる。いずれの場合でも、薬剤を患者190に導入した後、方法280は、典型的には、薬剤をターゲット192に蓄積させるために、数日(例えば、96時間)までの待機期間を含む。
【0022】
第1の照射処理284は、第1のレーザ110で第1のレーザビーム112を生成する段階と、第1のレーザビーム112をターゲット192を含む組織191の区画に誘導し、撮像成分を活性化する段階とを含む。患者190のターゲット192の正確な場所、形状、及び大きさは未知であることが多いが、ターゲット192を含む組織191の区画の全体的な場所は既知である。その結果、第2のレーザビーム132は、ターゲット192を含むことが既知の組織191の区画を照射する。一実施形態では、位置決め装置116は、組織191の区画を横切って第1のレーザビーム112をラスタ走査するように第1の光学要素アセンブリ114から移動され、ターゲット192で薬剤の撮像成分を照射して活性化することができる。第1のレーザビーム112を組織191の区画を横切って走査することの利点の1つは、撮像ユニット120が、当業技術で公知の有限要素拡散光回復に基づいて、ターゲット192の3次元画像を生成することができることである。代替的に、第1のレーザビーム112は、ターゲット192を含む組織191の少なくともほぼ全区画を同時に照射するように構成されたスポットの大きさを有することができる。いずれの場合でも、第1のレーザビーム112は、ターゲット192で薬剤の撮像成分を活性化する。
【0023】
撮像処理286は、薬剤の活性化撮像成分から放出される放射線128を捕捉してデジタル化し、ターゲット192の3次元画像を生成する段階を含む。これには、患者190から受け取った放射線をフィルタにかけ、撮像成分から放出される放射線128を励起放射線から分離することが必要であろう。例えば、撮像成分がインドトリカルボシアニンであり、ほぼ780ナノメートルで蛍光を放つ用途では、撮像ユニット120で、放射線の他の波長をフィルタにかけて除外する。
【0024】
第2の照射処理288は、撮像処理286から得られるデータに基づいて、ターゲット192を照射して光力学療法成分を活性化する段階を含む。より詳細には、撮像データは、ターゲット192の場所、大きさ、形状、及び/又は他の特性に関する情報を与える。コントローラ140は、この撮像データを撮像ユニット120から受け取り、第2のレーザ130及び位置決め装置136を作動して第2のレーザビーム132の照準を定めて集束させ、ビーム132がターゲット192を照射して光力学療法成分を活性化するようにする。例えば、位置決め装置136は、ターゲット192を横切って第2のレーザビーム132をラスタ走査することができる。代替的に、コントローラ140は、少なくともほぼ全ターゲット192を同時に照射するように第2のレーザ130及び位置決め装置136を作動することができる。他の実施形態では、コントローラ140は、位置決め装置136を自動的に作動することができないが、技術者又は腫瘍学者が、撮像データに基づいて手動で第2のレーザビーム132の照準を定め及び/又は集束させることができる。いくつかの用途では、第2の照射処理288は、第1の照射処理284の後に行われる。しかし、他の用途では、第1及び第2のレーザビーム112及び132は、患者190を同時に照射することができる。例えば、第1のレーザビーム112は、組織191の区画を横切って走査することができ、ビーム112がターゲット192の一部を照射し、撮像ユニット120がターゲット192を検出する度に、コントローラ140は、ターゲット192のその部分を照射するように第2のレーザ130を作動することができる。いずれの場合でも、活性化光力学療法成分は、ターゲット192の特定の細胞の死を惹起することができ、他の方法でターゲット192の障害を治療することができる。例えば、癌細胞は、アポトーシス、壊死、及び/又は自己貪食により破壊することができる。方法280を用いて癌又は別の障害を検出し、必ずしも治療しない別の実施形態では、方法280は、第2の照射処理288を含まなくてもよい。
【0025】
治療の効率は、方法280の一部が繰り返される1つ又はそれよりも多くの追跡調査セッションにより判断することができる。例えば、追跡調査セッションの1つでは、導入、第1の照射、及び撮像処理282、284、及び286を行うことができる。ターゲット192の腫瘍又は他の障害が破壊されれば、撮像ユニット120は、ターゲット192での薬剤の濃度を検出する必要はない。
【0026】
図1及び図2を参照して上述した方法280の特徴の1つは、方法280が、(a)薬剤を特定の細胞(例えば、癌細胞)に誘導する標的成分と、(b)細胞から放射線を放出する撮像成分とで患者に薬剤を導入する段階を含むことである。その結果、特定の細胞が患者に存在すると、その細胞を有する患者の領域は、患者の残りの部分より薬剤の濃度が高いことになる。この特徴の利点は、方法280を用いて癌及び/又は他の障害を早期に検出することができることである。癌及びいくつかの他の障害を早期に検出することは、治療を成功させ、生存率を高めるために重大な意味を有する。この特徴の別の利点は、方法280が、患者にあまり不快感を与えないと予想されることである。
【0027】
図1及び図2を参照して上述した方法280の別の特徴は、方法280が、第2のレーザビーム132で薬剤の光力学療法成分を活性化する段階を含むことである。活性化された光力学療法成分は、特定の細胞の死を惹起するか、又は他の方法で患者内の障害を治療する。この特徴の利点は、方法280が、非侵襲性の手順で癌及び/又は他の障害を治療することである。その結果、侵襲性の手順に伴う感染及び他の合併症の危険性が最小限になるか又は排除される。更に、患者は、外来患者の手順として癌又は別の障害に対する治療を受けることができ、それによって入院に伴う費用が減少し、患者の不便も軽減する。
【0028】
システム100の更に別の特徴は、異なる種類の癌を1つの装置で治療するのに特に適することである。撮像システム120及び治療放射線送出システムは、特定の癌細胞死亡経路を活性化するのに最適にすることができる異なる撮像照明及びPDT放射線様式を用いて作動することができる。それによってシステムの柔軟性が増大するために、診療所に、特定の適応症のみを治療することに限定された別々の機器を置く必要がなくなる。
【0029】
図1及び図2を参照して上述したシステム100の特徴の1つは、コントローラ140が、第2のレーザ130及び第2の光学要素アセンブリ134が撮像データに基づいてターゲット192を照射するように作動するための命令を有するコンピュータ可読媒体を含むことである。その結果、システム100は、第2のレーザビーム132をターゲット192に正確で精密に照準を定めて集束させることができる。この特徴の利点は、システム100が、周りの組織を不必要に放射線に露出することなくターゲット192を照射することができることである。
【0030】
D.患者の乳癌を放射線療法で治療する方法の実施形態
図3及び図4は、本発明の一実施形態による放射線療法を加えて患者の乳癌を治療する1つの方法のいくつかの手順を示している。例えば、図3は、患者290及び放射線療法システム100の一部の概略図である。方法は、3機能薬剤を患者290に導入する段階を含む。3機能薬剤は、薬剤を患者290の乳房に近接するリンパ節292の癌細胞に送出するように特に構成された標的成分を含む。薬剤がリンパ節292に到達した後、第1のレーザビーム112は、リンパ節292を含む患者290の領域を照射し、薬剤の撮像成分を活性化する。システム100は、図3に示すようにリンパ節292を含む患者290の領域を横切って第1のレーザビーム112でラスタ走査することができ、又は全領域を同時に照射することができる。いずれの場合でも、各リンパ節292の薬剤の活性撮像成分が蛍光を発し、各リンパ節292の撮像成分からの蛍光128が、撮像ユニット120により捕捉されてデジタル化される。撮像データから、リンパ節292の正確な大きさ、形状、及び場所を判断することができる。次に、第2のレーザ130が、撮像データに基づいて、各リンパ節292を照射してリンパ節292の薬剤の光力学療法成分を活性化する。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態により、各リンパ節292を照射する経路の概略図である。本発明者は、単点の治療の効果は、全ての方向にほぼ0.5cm広がることを観察した。典型的なリンパ節292の高さH及び幅Wは、ほぼ1cmであるために、システム100は、第2のレーザビーム132の焦点をリンパ節292の中央に一致する深さに合わせ、リンパ節292の第1及び第2の端部293a〜bの間の単一の直線状経路113に沿ってビーム132を移動させることによって全リンパ節292を照射することができる。他の実施形態では、システム100は、異なる方法でリンパ節292を照射することができる。
【0032】
E.放射線療法を加えるためのシステムの更に別の実施形態
図5は、本発明の別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム200の概略図である。システム200は、一般的に、図1を参照して上述したシステム100と同様である。例えば、図示のシステム200は、第1のレーザビーム112を生成するための第1のレーザ110(概略的に示す)と、患者190の撮像剤から放出される放射線を捕捉するための撮像ユニット120(概略的に示す)と、第2のレーザビーム(図示せず)を生成するための第2のレーザ130(概略的に示す)と、第1のレーザ110、撮像ユニット120、及び第2のレーザ130に作動可能に連結されたコントローラ140(概略的に示す)とを含む。しかし、図示のシステム200は、第1及び第2のレーザビーム112を調整し、誘導し、及び/又は集束させるための単一の光学要素アセンブリ214を含む。光学要素アセンブリ214は、コリメータ、レンズ、ミラー、ビームスプリッタ、及び/又はレーザビームを再方向付け、調整、及び/又は集束させる他の適切な光学部材を含むことができる。図示の光学要素アセンブリ214は、アセンブリ214が適切に位置決めされ、(a)第1のレーザ110からの第1のレーザビーム112を患者190の望ましい領域に誘導し、かつ(b)第2のレーザ130からの第2のレーザビームを患者190のターゲット192に誘導するように、少なくとも方向Xに移動可能である。更に別の実施形態では、光学要素アセンブリ214は、移動可能でなくてもよい。
【0033】
図6は、本発明の別の実施形態により患者内の障害を治療するために放射線療法を加えるためのシステム300の概略図である。システム300は、一般的に、図1を参照して上述したシステム100と同様である。例えば、図示のシステム300は、レーザビーム132を生成するためのレーザ130(概略的に示す)と、レーザビーム132を調整し、誘導し、及び/又は集束させるための光学要素アセンブリ314と、レーザ130と作動可能に連結されたコントローラ140(概略的に示す)とを含む。しかし、図示のシステム300は、統合撮像ユニットを含まない。そうではなく、コントローラ140は、(a)外部撮像ユニット(例えば、MRI走査、CT走査、PET走査、又はX線)から撮像データを受け取り、(b)外部撮像ユニット及び外部基準又は内部マーカの誘導で受け取った撮像データに基づいて、レーザ130を作動して患者190のターゲット192に照射する。光学要素アセンブリ314は、コリメータ、レンズ、ミラー、ビームスプリッタ、及び/又はレーザビーム132を再方向付け、調整、及び/又は集束させる他の適切な光学部材を含む。レーザ130は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザ又は他の適切な装置とすることができる。
【0034】
図7は、本発明の別の実施形態により患者内の障害を治療する放射線療法を加えるためのシステム400の概略図である。システム400は、一般的に、図1を参照して上述したシステム100と同様である。例えば、図示のシステム400は、レーザビームを生成するためのレーザ430(概略的に示す)と、レーザビームを調製し、誘導し、及び/又は集束させる光学要素アセンブリ314と、患者190の撮像剤により放出される放射線を補足するための撮像ユニット120(概略的に示す)と、レーザ430及び撮像ユニット120に作動可能に連結されたコントローラ140(概略的に示す)とを含む。しかし、図示のレーザ430は、異なる波長のレーザビームを生成することができる。例えば、レーザ430は、撮像剤を活性化するための第1の波長を有する第1のレーザビーム112及び光力学療法薬剤を活性化するための第1の波長と異なる第2の波長を有する第2のレーザビーム132を生成することができる。別の実施形態では、システム400は、1つのレーザではなく、2つのレーザを含むことができる。
【0035】
図8は、本発明の別の実施形態により患者内の障害を治療する放射線療法を加えるためのシステム500の概略図である。システム500は、図1を参照して上述したシステム100の別の実施形態である。この実施形態では、システム500は、撮像放射線源522を有する撮像ユニット520と、検出装置524とを含む。撮像放射線源522は、撮像放射線を患者PのターゲットTに誘導する第1のレーザとすることができる。検出装置524は、カメラ又は他の適切な放射線検出装置とすることができる。システム500は、治療放射線源530を更に含み、これは、薬剤の治療成分を活性化するのに適切な波長又は他の特性を有する第2のレーザとすることができる。システム500は、治療ヘッド532、及び治療放射線源530と治療ヘッド532の間に伝送線534を更に含む。例えば、治療ヘッド532は、治療放射線源530により生成されるレーザビームを調整し、誘導し、及び/又は集束させるための光学アセンブリとすることができる。伝送線534は、光ファイバ、ファイバ束、又はライトパイプとすることができる。図8に示す実施形態では、治療放射線源530は、その上に患者Pが位置決めされるテーブル536に取り付けられ、治療ヘッド532は、ロボット538に装着される。ロボット538は、治療ヘッド532をターゲットT及び患者Pに対して望ましい位置に位置決めするために、6°までの自由度を有するロボットアームとすることができる。一実施形態では、撮像ユニット520は、治療ヘッド532と離して位置決めされる。一実施形態では、撮像ユニット520及び治療ヘッド532は、両方ともロボット538に装着することができる。システム500は、撮像ユニット520と、治療放射線源530と、治療ヘッド532と、ロボット538とに作動可能に装着されたコントローラを更に含む。コントローラ540は、電線、光学線、及び/又は無線伝送様式を用いてシステム500の他の構成要素に連結することができる。
【0036】
図9Aは、本発明の更に別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム600の概略図である。システム600は、一般的に、上述のシステム100及びシステム500と同様であり、従って、同じ参照番号は、図1〜図9Aの同じ構成要素を意味する。従って、システム600は、撮像ユニット520、治療放射線源530、治療ヘッド532、及びテーブル536を含む。この実施形態では、システム600は、画像ユニット520及び治療ヘッド532が装着されるガントリ640を含む。従って、ガントリは、患者Pに対して画像ユニット520及び治療ヘッド532を位置決めするように作動される。
【0037】
図9Bは、互いにパッケージ化された画像ユニット520及び治療ヘッド532の実施形態を概略的に示している。従って、撮像放射線源522、少なくとも1つの検出装置524及び治療ヘッド532は、互いに対して所定位置に保持され、ガントリ640(図9A)に装着される。
【0038】
図10は、本発明の更に別の実施形態により、放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム700の概略図である。システム700は、一般的に、図8を参照して上述したシステム500と同様であり、従って、同じ参照番号は、図8及び図10の同じ構成要素を意味する。この実施形態では、治療放射線源530は、テーブル536から離間している。システム700は、レーザビーム531を治療ヘッド532に誘導するミラーのような導光器を更に含むことができる。レーザビーム531は、空気を通って治療放射線源530からミラー710に伝播することができる。他の実施形態では、ミラー710を排除することができ、光ファイバ、光学束、又はライトパイプを通してレーザビーム531を伝送することができる。
【0039】
以上により、本発明の特定的な実施形態は、説明のために本明細書に説明したものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることは認められるであろう。例えば、図1〜図10に示すターゲットは、皮下のターゲットであるが、他の実施形態では、ターゲットは、皮膚のターゲットとすることができ、又は皮膚及び皮下の両方の部分を有するターゲットとすることができる。更に、撮像様式は、患者に投与された薬物の撮像成分及び/又はPDT感作物質成分により引き起こされる放射線の特定の吸収及び/又は散乱を検出する段階を含むことができる。従って、本発明は、特許請求の範囲以外では制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図2】本発明の一実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法を示す流れ図である。
【図3】本発明の実施形態により放射線療法を加えて患者の乳癌を治療する1つの方法のいくつかの手順を示す、患者及び図1の放射線療法システムの一部の概略図である。
【図4】本発明の実施形態により放射線療法を加えて患者の乳癌を治療する1つの方法のいくつかの手順を示す、本発明の一実施形態により患者のリンパ節を照射するための経路の概略図である。
【図5】本発明の別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図6】本発明の別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図7】本発明の別の実施形態により患者の放射線療法を加えて障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図8】本発明の別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図9A】本発明の更に別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図9B】図9Aに示すシステムに用いることができる撮像ユニット及び治療ヘッドの概略図である。
【図10】本発明の更に別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【符号の説明】
【0041】
100 放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム
128 放射線
190 患者
192 ターゲット
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2006年2月17日出願の「患者内の障害を治療するために放射線療法を加える方法及びシステム」という名称の米国特許仮出願第60/774、332号の恩典を請求するものである。
【0002】
米国特許出願第10/805、683号は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0003】
本発明は、患者の癌及び他の障害を治療するために放射線療法を加える方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
癌は、アメリカでは第2に主要な死因であり、米国癌協会は、2005年には癌の新しい症例が130万より多く診断されたと推定している。これらの新しい症例のほぼ212、930例が、侵襲性の乳癌(ステージI〜IVと定められる)であり、推定で40、870が致死的である。更に、頭部癌及び頸部癌のような他の種類の癌の更に多くの症例が毎年発生している。以下の表1に示すように、治療を成功させ、生存率を高めるためには、乳癌及び他の癌を早期に検出することが重大な意味を有する。
【0005】
(表1)
【0006】
40歳を超えた女性は毎年乳癌検診を受けることを多くのヘルスケアの専門家が推奨している。残念なことに、米国癌協会は、昨年は、40歳を超える女性の62%しかマンモグラムを受けなかったと推定している。推奨されてはいるが、慣例のマンモグラフィーにはいくつかの欠点がある。第1に、多くの女性が、典型的なマンモグラム手順の間に、特に乳房が圧迫されることから大きな不快感を受けることである。この不快感により、次の年にマンモグラム検診を受けるのを躊躇する女性もいる。第2に、マンモグラム検診の結果が正確でない可能性があることである。例えば、検出することができる最も小さな腫瘍は、ほぼ1〜5mmであるために、乳癌の20%までが毎年のマンモグラム検診の段階で検出されない。更に、従来的なマンモグラフィーは、追跡調査マンモグラム及び/又は生検を必要とする可能性がある偽陽性であることに難がある。その結果、患者に不快感を与えることなく、早期に正確に乳癌を検出するための改良手順が必要とされている。
【0007】
従来の乳癌の治療法には、手術、化学療法、及び/又は電離放射線の高強度ビームを用いる放射線療法が含まれる。乳癌は、患者によって様々であるために、全ての患者に有効な単一の治療法はない。乳癌を治療するための典型的な手術には、全乳房又は乳房の癌が位置する部分のみを切断、切除、又は他の方法で除去する段階が含まれる。しかし、手術は、癌の部位により、多くの患者に対する実行可能な選択肢ではない。更に、手術治療は、麻酔又は感染に伴う合併症が起こることもあり、長期の疼痛を伴う回復期間を有する可能性がある。化学療法は、癌を薬物で化学的に治療する段階を含むが、この薬物は、倦怠感、嘔気、嘔吐、四肢の疼痛、脱毛、及び貧血症を含む多くの副作用を有する可能性がある。更に、放射線治療の間に乳房が移動し、病巣の代わりに健康な組織が照射される可能性があるために、電離放射線ビームを用いる放射線療法も困難である。従って、上述の従来の治療法の欠点を回避するか又は少なくとも最小限にする癌治療法が必要とされている。
【0008】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/774、332号
【特許文献2】米国特許出願第10/805、683号
【発明の開示】
【0009】
A.概説
以下の開示は、患者内の障害を治療するために放射線療法を加える方法及びシステムのいくつかの実施形態を説明する。1つのこのような方法の実施形態には、患者内のターゲットの撮像データを取得する段階と、得られる撮像データに基づいてターゲットに向けた放射線でターゲットを照射する段階と、放射線で患者内の光力学療法剤を活性化する段階とが含まれる。放射線は、放射線源又は放射線送出装置から皮下のターゲットに経皮的に伝達されるか、又は皮膚のターゲットに対しては、放射線は、外部の部位から伝達される。従って、ターゲットは、皮下、皮膚とすることができ、又は皮下及び皮膚の両方の部分を有することができる。ターゲットを照射する段階は、ターゲットを横切ってレーザビームを走査するか、又は全ターゲットを同時に照射する段階を含むことができる。放射線源は、レーザ、発光ダイオード(LED)、又はランプ(例えば、白熱及び/又は蛍光)とすることができる。
【0010】
別の実施形態では、方法は、薬剤を患者内のターゲットに誘導するための標的成分を含む薬剤を患者に導入する段階と、第1の波長を有する放射線をターゲットに照射し、薬剤の撮像成分を活性化することによってターゲットを撮像する段階と、第2の波長を有する放射線をターゲットに当てることによって薬剤の光力学療法成分を活性化する段階とを含む。いくつかの用途では、薬剤の活性撮像成分は、ターゲットで蛍光を発する。ターゲットを撮像する段階は、ターゲットで撮像成分の蛍光を捕捉する段階と、捕捉した蛍光に基づいて、ターゲットの3次元画像を生成する段階とを含む。
【0011】
別の実施形態では、方法は、第1の波長を有する放射線で患者内のターゲットを照射する段階と、ターゲットのデジタル3次元画像を生成する段階と、3次元画像に基づいて、第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線でターゲットを照射する段階とを含む。第2の波長を有する放射線でターゲットを照射する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザ又は他の適切なレーザでターゲットを照射する段階を含むことができる。
【0012】
本発明の別の態様は、放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムに関する。一実施形態では、システムは、患者内のターゲットの画像を捕捉するための撮像ユニットと、ターゲットを照射して患者内の光力学療法薬剤を活性化するためのレーザと、ターゲットの捕捉した画像に基づいてレーザを作動してターゲットに照射させるために撮像ユニット及びレーザと作動可能に連結されたコントローラとを含む。レーザは、ビーム経路に沿ってレーザビームを生成するように構成され、システムは、レーザビームを再方向付け及び/又は調整するためにビーム経路に整列した光学要素アセンブリを更に含むことができる。システムは、ターゲットを照射し、ターゲットで撮像剤を活性化するために第2のレーザを更に含むことができる。
【0013】
別の実施形態では、システムは、第1の波長を有する放射線で患者内のターゲットを照射するための第1の放射線送出装置と、ターゲットのデジタル画像を捕捉するための撮像ユニットと、第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線でターゲットを照射するための第2の放射線送出装置と、捕捉したデジタル画像に基づいて第2の波長を有する放射線でターゲットを照射するために、第2の放射線送出装置及び撮像ユニットと作動可能に連結されたコントローラとを含む。
【0014】
放射線療法を加えて癌を治療するためのシステム及び方法に関して、本発明のいくつかの実施形態の特定の詳細を以下に説明するが、他の実施形態では、このシステム及び方法を用いて、他の疾患及び障害を治療することができる。多くの場合、放射線療法を加えることを伴う公知の構造又は処理を説明する詳細のいくつかは、簡潔性及び明瞭性のために以下の説明では述べない。更に、本発明のいくつかの他の実施形態は、この節に説明するものとは異なる構造、構成要素、又は手順を有することができる。従って、それに応じて、本発明は、付加的な要素を備える他の実施形態を有することができ、図1〜図10に関して以下に示して説明する要素のいくつかを含まない他の実施形態を有することができることは当業者には理解されるであろう。更に、文脈が許せば、単数又は複数の用語は、それぞれ複数又は単数の用語を含むことができる。更に、「又は」という語が、少なくとも2つの品目のリストに関する他の品目から排他的に単一の品目のみを意味することに限定されることが明らかでない場合には、そのようなリストでの「又は」の使用は、(a)リストのあらゆる単一の品目、(b)リストの全ての品目、又は(c)リストの品目のあらゆる組合せを含むと解釈されるものとする。更に、「含む」という用語は、他の特徴及び構成要素の同じ特徴及び/又は種類のあらゆるより多くのものが除外されないように、少なくとも列挙した特徴を含むことを意味するように全体を通して用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
B.放射線療法を加えるためのシステムの実施形態
図1は、本発明の一実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム100の概略図である。システム100は、患者190のターゲット192を含む領域を照射し、ターゲット192で撮像剤を活性化する。ターゲット192で活性化された撮像剤は、蛍光を発するか、又は他の種類の放射線を放出する。システム100は、放射線を捕捉し、この放射線からターゲット192の画像を生成する。撮像データに基づいて、システム100は、ターゲット192を選択的に照射して光力学薬剤を活性化し、これが、患者190の特定の障害(例えば、癌)を治療する。癌を治療する場合には、ターゲットは、例えば、患者の乳房、頭部、頸部、又は他の患部に存在することができる。
【0016】
図示のシステム100は、第1のレーザビーム112を生成するための第1のレーザ110(概略的に示す)と、第1のレーザビーム112を誘導及び/又は調整するための第1の光学要素アセンブリ114と、光学要素アセンブリ114を移動及び/又は位置決めし、第1のレーザビーム112を患者190の望ましい領域に誘導するための位置決め装置116(概略的に示す)とを含む。第1のレーザ110は、ダイオードレーザ、ガスレーザ、固体レーザ、色素レーザ、ファイバレーザ、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザ、又は他の第1のレーザビーム112を生成するのに適切なレーザとすることができる。いずれの場合でも、第1のレーザ110は、組織を透過して患者190内の薬剤を活性化するように選択した波長の第1のレーザビーム112を生成するように構成される。例えば、撮像剤がインドトリカルボシアニンである用途では、第1のレーザビーム112の波長は、ほぼ748ナノメートルとすることができる。他の実施形態では、第1のレーザ110は、可変周波数レーザビームを生成することができ、及び/又は第1のレーザビーム112は、近赤外線の範囲又は組織を透過して患者190中の撮像剤を活性化する他の適切な範囲の異なる波長を有することができる。更に別の実施形態では、システム100は、第1のレーザ110を含まず、患者190中の撮像剤を活性化するために異なる種類の放射線源を含むことができる。例えば、撮像剤又は薬物の他の成分を活性化するための放射線源は、レーザの代わりに又はそれに加えて、LEDアレイ又はランプとすることができる。
【0017】
第1の光学要素アセンブリ114は、第1のレーザビーム112を調整し、第1のレーザ110から患者190の望ましい領域までビーム112を誘導する。第1の光学要素アセンブリ114は、コリメータ、レンズ、ミラー、ビームスプリッタ、及び/又は他の第1のレーザビーム112を再方向付け及び/又は調整するのに適切な光学部材を含むことができる。位置決め装置116は、アセンブリ114の1つ又はそれよりも多くの構成要素を移動して第1のレーザビーム112を患者190の望ましい領域に誘導するために第1の光学要素アセンブリ114と作動可能に連結される。例えば、いくつかの用途では、位置決め装置116は、第1の光学要素アセンブリ114を移動し、ターゲット192を含む患者190の領域を横切って第1のレーザビーム112を走査することができる。別の実施形態では、システム100は、位置決め装置116の代わりに又はそれに加えて、第1のレーザ110又は患者190を移動させるための別の位置決め装置を含むことができる。
【0018】
図示のシステム100は、患者190中の撮像剤が放出する放射線128を捕捉するための撮像ユニット120と、第1のレーザ110、位置決め装置116、及び撮像ユニット120に作動可能に連結されたコントローラ140(概略的に示す)とを更に含む。撮像ユニット120は、ターゲット192で活性撮像剤が放出する放射線128を捕捉してデジタル化し、ターゲット192の3次元画像を生成する。撮像ユニット120は、CCDカメラ、CTスキャナ、MRI機械、X線装置、又は別の適切な撮像装置を含むことができる。適切なCCDカメラには、ニュージャージー州トレントン所在の「Roper Scientific」製の「Pixis」カメラ、マサチューセッツ州ウォバーン所在の「CRI Inc.」製の「Maestro」、ニューヨーク州ロチェスター所在の「Kodak Inc.」製の「イメージ・ステーション4000MM」、及びドイツチューリンゲン所在の「Carl Storz」製の「D光蛍光システム」が含まれる。例えば、撮像ユニット120は、薬物の撮像成分又は他の成分により引き起こされる放射線の放出及び散乱を検出する時間ゲート式カメラを有することができる。このような時間ゲート検出は、パルスを照射する間、パルス照射の合間、又はその後に行うことができる。撮像ユニット120は、撮像剤が放出する放射線128を励起光から分離するためにレンズ及び/又はフィルタを更に含むことができる。例えば、一実施形態では、撮像ユニット120は、一方のカメラが励起光を捕捉し、他方のカメラが撮像剤から放出される放射線128を捕捉するように、異なるフィルタを有する2つのCCDカメラを含む。いずれの場合でも、撮像ユニット120及び/又はコントローラ140は、ターゲット192で撮像剤から放たれる放射線128に基づいてターゲット192の3次元画像を生成する。システム100は、腫瘍学者及び/又は技術者が画像を見ることができるように高解像度ディスプレイ(図示せず)を含むこともできる。
【0019】
図1に示すシステム100は、第2のレーザビーム132を生成するための第2のレーザ130(概略的に示す)と、第2のレーザビーム132を誘導及び/又は調整する第2の光学要素アセンブリ134と、第2の光学要素アセンブリ134を移動及び/又は位置決めして第2のレーザビーム132を患者190の望ましい領域に誘導するための位置決め装置136とを更に含む。第2のレーザ130は、ターゲット192で光力学療法薬剤を活性化するように選択された波長で第2のレーザビーム132を生成するように構成される。いくつかの用途では、第2のレーザ130は、近赤外線の範囲(例えば、750〜850ナノメートル)にレーザビームを生成する効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザとすることができる。例えば、一実施形態では、第2のレーザ130は、次のパラメータを有する。
レーザ波長:λ=750〜900nm
レーザ時間パルス長:τp=100fs〜1ps
レーザパルスエネルギ:P=1.0〜10mJ
レーザ表面スポット面積:S=1cm2
レーザパルス繰返し数:R=1〜10kHz
しかし、他の実施形態では、第2のレーザ130は、異なるパラメータを有することができる。第2のレーザ130の別の適切な実施形態は、波長がほぼ800〜1、500ナノメートル、パルス持続時間が1ps〜100nsのビームを生成することができる。適切なレーザには、カリフォルニア州サンタクララ所在の「Coherent Inc.」製の「Libra and Legend」レーザ、ミシガン州デクスター所在の「Clark−MXR Inc.」製の「CPAシリーズ」レーザ、ニューヨーク州イーストセタケット所在の「Quantronix」製の「Integra」レーザ、カリフォルニア州マウンテンビュー所在の「Spectra−Physics Lasers」製の「Eclipse」レーザ、ミシガン州アナーバー所在の「IMRA America」製の「μJewel」レーザ、スイスチューリッヒ所在の「Time−Bandwidth」製の「Fortis」レーザ、オーストリアホーヘネムス所在の「High−Q Laser」製の「femtoRegen」レーザを含むことができる。別の実施形態では、第2のレーザ130は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザでなくてもよく、及び/又はシステム100は、第1及び第2のレーザ110及び130の代わりに第1及び第2のレーザビーム112及び132を生成することができる単一のレーザを含むことができる。
【0020】
第2の光学要素アセンブリ134は、第2のレーザビーム132を調整し、第2のレーザ130から患者190のターゲット192にビーム132を誘導する。更に、第2の光学要素アセンブリ134は、第2のレーザビーム132を患者190内の望ましい深さに集束させる。第2の光学要素アセンブリ134は、コリメータ、レンズ、ミラー、及び/又は第2のレーザビーム132を再方向付け、調整、及び/又は集束させる他の光学部材を含むことができる。位置決め装置136は、アセンブリ134の1つ又はそれよりも多くの構成要素を移動するために第2の光学要素アセンブリ134に連結され、コントローラ140は、第2のレーザ130及び位置決め装置136と作動可能に連結され、撮像データに基づいて第2のレーザビーム132を患者190のターゲット192に導いて集束させる。その結果、第2のレーザビーム132は、ターゲット192中の光力学療法薬剤を活性化することができる。光学アセンブリは、レーザビームをターゲットに伝達させる光ファイバ、ファイバ束、又はライトパイプを更に含む。例えば、高ピーク強度のパルスレーザビーム(例えば、>109W)は、損傷閾値が高い光子ファイバを通して伝達させることができる。
【0021】
C.患者内の障害を放射線療法で治療する方法の実施形態
図2は、本発明の一実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法280を示す流れ図である。方法280は、患者の乳癌、皮膚癌、頭部癌、頸部癌、及び他の種類の皮膚及び皮下の障害を治療するのに特に良好に適している。図示の方法には、導入処理282、第1の照射処理284、撮像処理286、及び第2の照射処理288が含まれる。図1及び図2の両方を参照すると、導入処理282は、薬剤を患者190に導入する段階を含む。薬剤は、(例えば、静脈内注射を通じて)注入することができ、嚥下することができ、又は何らかの他の適切な方法で患者190に導入することができる。いくつかの用途では、薬剤は、標的成分、撮像成分、及び光力学療法成分を有する3機能化合物とすることができる。標的成分は、特定の場所、細胞の種類、又はターゲット192の他の特性に基づいて、薬剤を患者190のターゲット192に誘導する。例えば、患者190が癌細胞を有する用途では、標的成分は、急速に分割する細胞又は癌細胞の他の特性に親和性を有することにより、3機能薬剤をこれらの細胞に誘導することができる。撮像成分は、インドトリカルボシアニン又は活性化されると蛍光又は別の種類の放射線を放出する他の適切な化合物とすることができる。撮像成分は、特定の波長の非電離放射線又は何らかの他の方法により活性化することができる。光力学療法成分は、特定の波長の放射線又は他の方法により活性化された後には特定の細胞(例えば、癌細胞)の死を惹起することができる。米国特許出願第10/805、683号には、適切な薬剤及び成分が説明されており、これは、添付文書Aとして本明細書に添付される。他の実施形態では、3つの成分は、患者190内に別々に導入することができる。更に別の実施形態では、薬剤は、撮像及び光力学療法成分のみを有する2機能薬剤とすることができる。いずれの場合でも、薬剤を患者190に導入した後、方法280は、典型的には、薬剤をターゲット192に蓄積させるために、数日(例えば、96時間)までの待機期間を含む。
【0022】
第1の照射処理284は、第1のレーザ110で第1のレーザビーム112を生成する段階と、第1のレーザビーム112をターゲット192を含む組織191の区画に誘導し、撮像成分を活性化する段階とを含む。患者190のターゲット192の正確な場所、形状、及び大きさは未知であることが多いが、ターゲット192を含む組織191の区画の全体的な場所は既知である。その結果、第2のレーザビーム132は、ターゲット192を含むことが既知の組織191の区画を照射する。一実施形態では、位置決め装置116は、組織191の区画を横切って第1のレーザビーム112をラスタ走査するように第1の光学要素アセンブリ114から移動され、ターゲット192で薬剤の撮像成分を照射して活性化することができる。第1のレーザビーム112を組織191の区画を横切って走査することの利点の1つは、撮像ユニット120が、当業技術で公知の有限要素拡散光回復に基づいて、ターゲット192の3次元画像を生成することができることである。代替的に、第1のレーザビーム112は、ターゲット192を含む組織191の少なくともほぼ全区画を同時に照射するように構成されたスポットの大きさを有することができる。いずれの場合でも、第1のレーザビーム112は、ターゲット192で薬剤の撮像成分を活性化する。
【0023】
撮像処理286は、薬剤の活性化撮像成分から放出される放射線128を捕捉してデジタル化し、ターゲット192の3次元画像を生成する段階を含む。これには、患者190から受け取った放射線をフィルタにかけ、撮像成分から放出される放射線128を励起放射線から分離することが必要であろう。例えば、撮像成分がインドトリカルボシアニンであり、ほぼ780ナノメートルで蛍光を放つ用途では、撮像ユニット120で、放射線の他の波長をフィルタにかけて除外する。
【0024】
第2の照射処理288は、撮像処理286から得られるデータに基づいて、ターゲット192を照射して光力学療法成分を活性化する段階を含む。より詳細には、撮像データは、ターゲット192の場所、大きさ、形状、及び/又は他の特性に関する情報を与える。コントローラ140は、この撮像データを撮像ユニット120から受け取り、第2のレーザ130及び位置決め装置136を作動して第2のレーザビーム132の照準を定めて集束させ、ビーム132がターゲット192を照射して光力学療法成分を活性化するようにする。例えば、位置決め装置136は、ターゲット192を横切って第2のレーザビーム132をラスタ走査することができる。代替的に、コントローラ140は、少なくともほぼ全ターゲット192を同時に照射するように第2のレーザ130及び位置決め装置136を作動することができる。他の実施形態では、コントローラ140は、位置決め装置136を自動的に作動することができないが、技術者又は腫瘍学者が、撮像データに基づいて手動で第2のレーザビーム132の照準を定め及び/又は集束させることができる。いくつかの用途では、第2の照射処理288は、第1の照射処理284の後に行われる。しかし、他の用途では、第1及び第2のレーザビーム112及び132は、患者190を同時に照射することができる。例えば、第1のレーザビーム112は、組織191の区画を横切って走査することができ、ビーム112がターゲット192の一部を照射し、撮像ユニット120がターゲット192を検出する度に、コントローラ140は、ターゲット192のその部分を照射するように第2のレーザ130を作動することができる。いずれの場合でも、活性化光力学療法成分は、ターゲット192の特定の細胞の死を惹起することができ、他の方法でターゲット192の障害を治療することができる。例えば、癌細胞は、アポトーシス、壊死、及び/又は自己貪食により破壊することができる。方法280を用いて癌又は別の障害を検出し、必ずしも治療しない別の実施形態では、方法280は、第2の照射処理288を含まなくてもよい。
【0025】
治療の効率は、方法280の一部が繰り返される1つ又はそれよりも多くの追跡調査セッションにより判断することができる。例えば、追跡調査セッションの1つでは、導入、第1の照射、及び撮像処理282、284、及び286を行うことができる。ターゲット192の腫瘍又は他の障害が破壊されれば、撮像ユニット120は、ターゲット192での薬剤の濃度を検出する必要はない。
【0026】
図1及び図2を参照して上述した方法280の特徴の1つは、方法280が、(a)薬剤を特定の細胞(例えば、癌細胞)に誘導する標的成分と、(b)細胞から放射線を放出する撮像成分とで患者に薬剤を導入する段階を含むことである。その結果、特定の細胞が患者に存在すると、その細胞を有する患者の領域は、患者の残りの部分より薬剤の濃度が高いことになる。この特徴の利点は、方法280を用いて癌及び/又は他の障害を早期に検出することができることである。癌及びいくつかの他の障害を早期に検出することは、治療を成功させ、生存率を高めるために重大な意味を有する。この特徴の別の利点は、方法280が、患者にあまり不快感を与えないと予想されることである。
【0027】
図1及び図2を参照して上述した方法280の別の特徴は、方法280が、第2のレーザビーム132で薬剤の光力学療法成分を活性化する段階を含むことである。活性化された光力学療法成分は、特定の細胞の死を惹起するか、又は他の方法で患者内の障害を治療する。この特徴の利点は、方法280が、非侵襲性の手順で癌及び/又は他の障害を治療することである。その結果、侵襲性の手順に伴う感染及び他の合併症の危険性が最小限になるか又は排除される。更に、患者は、外来患者の手順として癌又は別の障害に対する治療を受けることができ、それによって入院に伴う費用が減少し、患者の不便も軽減する。
【0028】
システム100の更に別の特徴は、異なる種類の癌を1つの装置で治療するのに特に適することである。撮像システム120及び治療放射線送出システムは、特定の癌細胞死亡経路を活性化するのに最適にすることができる異なる撮像照明及びPDT放射線様式を用いて作動することができる。それによってシステムの柔軟性が増大するために、診療所に、特定の適応症のみを治療することに限定された別々の機器を置く必要がなくなる。
【0029】
図1及び図2を参照して上述したシステム100の特徴の1つは、コントローラ140が、第2のレーザ130及び第2の光学要素アセンブリ134が撮像データに基づいてターゲット192を照射するように作動するための命令を有するコンピュータ可読媒体を含むことである。その結果、システム100は、第2のレーザビーム132をターゲット192に正確で精密に照準を定めて集束させることができる。この特徴の利点は、システム100が、周りの組織を不必要に放射線に露出することなくターゲット192を照射することができることである。
【0030】
D.患者の乳癌を放射線療法で治療する方法の実施形態
図3及び図4は、本発明の一実施形態による放射線療法を加えて患者の乳癌を治療する1つの方法のいくつかの手順を示している。例えば、図3は、患者290及び放射線療法システム100の一部の概略図である。方法は、3機能薬剤を患者290に導入する段階を含む。3機能薬剤は、薬剤を患者290の乳房に近接するリンパ節292の癌細胞に送出するように特に構成された標的成分を含む。薬剤がリンパ節292に到達した後、第1のレーザビーム112は、リンパ節292を含む患者290の領域を照射し、薬剤の撮像成分を活性化する。システム100は、図3に示すようにリンパ節292を含む患者290の領域を横切って第1のレーザビーム112でラスタ走査することができ、又は全領域を同時に照射することができる。いずれの場合でも、各リンパ節292の薬剤の活性撮像成分が蛍光を発し、各リンパ節292の撮像成分からの蛍光128が、撮像ユニット120により捕捉されてデジタル化される。撮像データから、リンパ節292の正確な大きさ、形状、及び場所を判断することができる。次に、第2のレーザ130が、撮像データに基づいて、各リンパ節292を照射してリンパ節292の薬剤の光力学療法成分を活性化する。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態により、各リンパ節292を照射する経路の概略図である。本発明者は、単点の治療の効果は、全ての方向にほぼ0.5cm広がることを観察した。典型的なリンパ節292の高さH及び幅Wは、ほぼ1cmであるために、システム100は、第2のレーザビーム132の焦点をリンパ節292の中央に一致する深さに合わせ、リンパ節292の第1及び第2の端部293a〜bの間の単一の直線状経路113に沿ってビーム132を移動させることによって全リンパ節292を照射することができる。他の実施形態では、システム100は、異なる方法でリンパ節292を照射することができる。
【0032】
E.放射線療法を加えるためのシステムの更に別の実施形態
図5は、本発明の別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム200の概略図である。システム200は、一般的に、図1を参照して上述したシステム100と同様である。例えば、図示のシステム200は、第1のレーザビーム112を生成するための第1のレーザ110(概略的に示す)と、患者190の撮像剤から放出される放射線を捕捉するための撮像ユニット120(概略的に示す)と、第2のレーザビーム(図示せず)を生成するための第2のレーザ130(概略的に示す)と、第1のレーザ110、撮像ユニット120、及び第2のレーザ130に作動可能に連結されたコントローラ140(概略的に示す)とを含む。しかし、図示のシステム200は、第1及び第2のレーザビーム112を調整し、誘導し、及び/又は集束させるための単一の光学要素アセンブリ214を含む。光学要素アセンブリ214は、コリメータ、レンズ、ミラー、ビームスプリッタ、及び/又はレーザビームを再方向付け、調整、及び/又は集束させる他の適切な光学部材を含むことができる。図示の光学要素アセンブリ214は、アセンブリ214が適切に位置決めされ、(a)第1のレーザ110からの第1のレーザビーム112を患者190の望ましい領域に誘導し、かつ(b)第2のレーザ130からの第2のレーザビームを患者190のターゲット192に誘導するように、少なくとも方向Xに移動可能である。更に別の実施形態では、光学要素アセンブリ214は、移動可能でなくてもよい。
【0033】
図6は、本発明の別の実施形態により患者内の障害を治療するために放射線療法を加えるためのシステム300の概略図である。システム300は、一般的に、図1を参照して上述したシステム100と同様である。例えば、図示のシステム300は、レーザビーム132を生成するためのレーザ130(概略的に示す)と、レーザビーム132を調整し、誘導し、及び/又は集束させるための光学要素アセンブリ314と、レーザ130と作動可能に連結されたコントローラ140(概略的に示す)とを含む。しかし、図示のシステム300は、統合撮像ユニットを含まない。そうではなく、コントローラ140は、(a)外部撮像ユニット(例えば、MRI走査、CT走査、PET走査、又はX線)から撮像データを受け取り、(b)外部撮像ユニット及び外部基準又は内部マーカの誘導で受け取った撮像データに基づいて、レーザ130を作動して患者190のターゲット192に照射する。光学要素アセンブリ314は、コリメータ、レンズ、ミラー、ビームスプリッタ、及び/又はレーザビーム132を再方向付け、調整、及び/又は集束させる他の適切な光学部材を含む。レーザ130は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザ又は他の適切な装置とすることができる。
【0034】
図7は、本発明の別の実施形態により患者内の障害を治療する放射線療法を加えるためのシステム400の概略図である。システム400は、一般的に、図1を参照して上述したシステム100と同様である。例えば、図示のシステム400は、レーザビームを生成するためのレーザ430(概略的に示す)と、レーザビームを調製し、誘導し、及び/又は集束させる光学要素アセンブリ314と、患者190の撮像剤により放出される放射線を補足するための撮像ユニット120(概略的に示す)と、レーザ430及び撮像ユニット120に作動可能に連結されたコントローラ140(概略的に示す)とを含む。しかし、図示のレーザ430は、異なる波長のレーザビームを生成することができる。例えば、レーザ430は、撮像剤を活性化するための第1の波長を有する第1のレーザビーム112及び光力学療法薬剤を活性化するための第1の波長と異なる第2の波長を有する第2のレーザビーム132を生成することができる。別の実施形態では、システム400は、1つのレーザではなく、2つのレーザを含むことができる。
【0035】
図8は、本発明の別の実施形態により患者内の障害を治療する放射線療法を加えるためのシステム500の概略図である。システム500は、図1を参照して上述したシステム100の別の実施形態である。この実施形態では、システム500は、撮像放射線源522を有する撮像ユニット520と、検出装置524とを含む。撮像放射線源522は、撮像放射線を患者PのターゲットTに誘導する第1のレーザとすることができる。検出装置524は、カメラ又は他の適切な放射線検出装置とすることができる。システム500は、治療放射線源530を更に含み、これは、薬剤の治療成分を活性化するのに適切な波長又は他の特性を有する第2のレーザとすることができる。システム500は、治療ヘッド532、及び治療放射線源530と治療ヘッド532の間に伝送線534を更に含む。例えば、治療ヘッド532は、治療放射線源530により生成されるレーザビームを調整し、誘導し、及び/又は集束させるための光学アセンブリとすることができる。伝送線534は、光ファイバ、ファイバ束、又はライトパイプとすることができる。図8に示す実施形態では、治療放射線源530は、その上に患者Pが位置決めされるテーブル536に取り付けられ、治療ヘッド532は、ロボット538に装着される。ロボット538は、治療ヘッド532をターゲットT及び患者Pに対して望ましい位置に位置決めするために、6°までの自由度を有するロボットアームとすることができる。一実施形態では、撮像ユニット520は、治療ヘッド532と離して位置決めされる。一実施形態では、撮像ユニット520及び治療ヘッド532は、両方ともロボット538に装着することができる。システム500は、撮像ユニット520と、治療放射線源530と、治療ヘッド532と、ロボット538とに作動可能に装着されたコントローラを更に含む。コントローラ540は、電線、光学線、及び/又は無線伝送様式を用いてシステム500の他の構成要素に連結することができる。
【0036】
図9Aは、本発明の更に別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム600の概略図である。システム600は、一般的に、上述のシステム100及びシステム500と同様であり、従って、同じ参照番号は、図1〜図9Aの同じ構成要素を意味する。従って、システム600は、撮像ユニット520、治療放射線源530、治療ヘッド532、及びテーブル536を含む。この実施形態では、システム600は、画像ユニット520及び治療ヘッド532が装着されるガントリ640を含む。従って、ガントリは、患者Pに対して画像ユニット520及び治療ヘッド532を位置決めするように作動される。
【0037】
図9Bは、互いにパッケージ化された画像ユニット520及び治療ヘッド532の実施形態を概略的に示している。従って、撮像放射線源522、少なくとも1つの検出装置524及び治療ヘッド532は、互いに対して所定位置に保持され、ガントリ640(図9A)に装着される。
【0038】
図10は、本発明の更に別の実施形態により、放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム700の概略図である。システム700は、一般的に、図8を参照して上述したシステム500と同様であり、従って、同じ参照番号は、図8及び図10の同じ構成要素を意味する。この実施形態では、治療放射線源530は、テーブル536から離間している。システム700は、レーザビーム531を治療ヘッド532に誘導するミラーのような導光器を更に含むことができる。レーザビーム531は、空気を通って治療放射線源530からミラー710に伝播することができる。他の実施形態では、ミラー710を排除することができ、光ファイバ、光学束、又はライトパイプを通してレーザビーム531を伝送することができる。
【0039】
以上により、本発明の特定的な実施形態は、説明のために本明細書に説明したものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることは認められるであろう。例えば、図1〜図10に示すターゲットは、皮下のターゲットであるが、他の実施形態では、ターゲットは、皮膚のターゲットとすることができ、又は皮膚及び皮下の両方の部分を有するターゲットとすることができる。更に、撮像様式は、患者に投与された薬物の撮像成分及び/又はPDT感作物質成分により引き起こされる放射線の特定の吸収及び/又は散乱を検出する段階を含むことができる。従って、本発明は、特許請求の範囲以外では制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図2】本発明の一実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法を示す流れ図である。
【図3】本発明の実施形態により放射線療法を加えて患者の乳癌を治療する1つの方法のいくつかの手順を示す、患者及び図1の放射線療法システムの一部の概略図である。
【図4】本発明の実施形態により放射線療法を加えて患者の乳癌を治療する1つの方法のいくつかの手順を示す、本発明の一実施形態により患者のリンパ節を照射するための経路の概略図である。
【図5】本発明の別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図6】本発明の別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図7】本発明の別の実施形態により患者の放射線療法を加えて障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図8】本発明の別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図9A】本発明の更に別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【図9B】図9Aに示すシステムに用いることができる撮像ユニット及び治療ヘッドの概略図である。
【図10】本発明の更に別の実施形態により放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムの概略図である。
【符号の説明】
【0041】
100 放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステム
128 放射線
190 患者
192 ターゲット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法であって、
患者内のターゲットの撮像データを取得する段階と、
前記取得した撮像データに基づいて、前記ターゲットを該ターゲットに向けたレーザビームで照射する段階と、
前記患者内の光力学療法薬剤を前記レーザビームで活性化する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記光力学療法薬剤は、多機能薬剤の成分であり、
方法が、前記多機能薬剤を前記患者内の前記ターゲットに誘導するための標的成分を更に含む該多機能薬剤を該患者に導入する段階を更に含み、
前記ターゲットを前記レーザビームで照射する段階は、(a)効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで第1の波長を有する放射線を該ターゲットに適用する段階と、(b)該ターゲットの少なくとも一部分を横切って該レーザビームを走査する段階とを含み、
方法が、前記ターゲットにおける前記多機能薬剤の撮像成分の少なくとも一部分が蛍光を発するように、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で該ターゲットを照射して該撮像成分を活性化する段階を更に含み、
撮像データを取得する段階は、蛍光を発する前記撮像成分のデジタル3次元画像を捕捉する段階を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
撮像データを取得する段階は、前記ターゲットのデジタル3次元画像を捕捉する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲットを照射する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで放射線を適用する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲットを照射する段階は、前記取得した撮像データに基づいて前記レーザビームを前記ターゲットに集束させる段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲットを照射する段階は、前記レーザビームを前記ターゲットの少なくとも一部を横切って自動的に走査する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記光力学療法薬剤は、多機能薬剤の成分であり、
方法が、前記多機能薬剤を前記患者内の前記ターゲットに誘導するための標的成分を更に含む該多機能薬剤を該患者内に導入する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットを前記レーザビームで照射する段階は、第1の波長を有する放射線を該ターゲットに適用する段階を含み、
方法が、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射して撮像剤を活性化する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ターゲットを前記レーザビームで照射する段階は、第1の波長を有する放射線を該ターゲットに適用する段階を含み、
方法が、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射し、該ターゲットの撮像データを取得しながら撮像剤を活性化する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ターゲットを前記レーザビームで照射する段階は、第1の波長を有する放射線を該ターゲットに適用する段階を含み、
方法が、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射し、該ターゲットにおける前記撮像成分の少なくとも一部分が蛍光を発するように撮像剤を活性化する段階を更に含み、
撮像データを取得する段階は、蛍光を発する前記ターゲットで前記撮像成分の画像を捕捉する段階を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ターゲットを照射する段階は、第1のレーザビームで該ターゲットに放射線を適用する段階を含み、
方法が、前記ターゲットを前記第1のレーザビームで照射しながら第2のレーザビームで該ターゲットを照射する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
撮像データを取得する段階は、カメラでデジタル画像を取得する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記光力学療法薬剤を活性化する段階は、多機能薬剤の光力学療法成分を活性化する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲットの撮像データを取得する段階は、皮下のターゲットの撮像データを捕捉する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法であって、
患者内のターゲットのデジタル3次元画像を捕捉する段階と、
前記捕捉した3次元画像に基づいて、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザビームをコンピュータで前記ターゲットを横切って自動的に走査する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができる該パルスレーザビームで前記ターゲットを照射する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、前記捕捉したデジタル3次元画像に基づいて該レーザビームを前記ターゲットに集束させる段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記デジタル3次元画像を捕捉する段階は、前記患者内の皮下のターゲットの撮像データを取得する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、前記患者内の光力学療法薬剤を該レーザビームで活性化する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
薬剤を前記患者内の前記ターゲットに誘導するための標的成分を含む薬剤を該患者内に導入する段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、第1の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射する段階を含み、
方法が、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射して前記患者内の撮像剤を活性化する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、第1の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射する段階を含み、
方法が、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射し、該ターゲットにおける撮像剤の少なくとも一部分が蛍光を発するように前記患者内の該撮像剤を活性化する段階を更に含み、
前記デジタル3次元画像を捕捉する段階は、蛍光を発する前記撮像剤の撮像データを取得する段階を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項23】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法であって、
薬剤を患者内の非電離ターゲットに誘導するための標的成分を含む薬剤を該患者内に導入する段階と、
第1の波長を有する非電離放射線で前記ターゲットを照射して前記薬剤の撮像成分を活性化することによって該ターゲットを撮像する段階と、
第2の波長を有する放射線を前記ターゲットに適用して前記薬剤の光力学療法成分を活性化する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記ターゲットを撮像する段階は、皮下ターゲットの画像を捕捉する段階を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ターゲットを撮像する段階は、前記ターゲットのデジタル3次元画像を生成する段階を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ターゲットを撮像する段階は、第1のレーザビームで該ターゲットに非電離放射線を適用する段階を更に含み、
前記第2の波長を有する放射線を適用する段階は、第2のレーザビームで前記ターゲットを照射する段階を含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の波長を有する放射線を適用する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで前記ターゲットを照射する段階を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の波長を有する放射線を適用する段階は、前記撮像したターゲットに基づいて該ターゲットに向けたレーザビームで該ターゲットを照射する段階を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記ターゲットを撮像する段階は、
前記ターゲットを横切って前記第1の波長を有するレーザビームを走査する段階と、
効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで前記レーザビームを発生させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記ターゲットを撮像する段階は、
前記ターゲットにおける撮像剤の少なくとも一部分が蛍光を発するように、前記薬剤の前記撮像成分を活性化する段階と、
蛍光を発する前記撮像剤の画像を捕捉する段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の波長を有する放射線を適用する段階は、
前記ターゲットを横切って前記第2の波長を有するレーザビームを自動的に走査する段階と、
前記撮像されたターゲットに基づいて前記レーザビームを該ターゲットに集束させる段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項32】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法であって、
第1の波長を有する放射線で患者内のターゲットを照射する段階と、
前記ターゲットのデジタル3次元画像を生成する段階と、
前記3次元画像に基づいて、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
前記ターゲットを前記第1の波長を有する放射線で照射する段階は、第1のレーザビームで該ターゲットに放射線を適用する段階を含み、
前記ターゲットを前記第2の波長を有する放射線で照射する段階は、第2のレーザビームで該ターゲットに放射線を適用する段階を含む、
ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ターゲットを前記第2の波長を有する放射線で照射する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで該ターゲットに放射線を適用する段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記ターゲットを前記第2の波長を有する放射線で照射する段階は、前記患者内の光力学薬剤を活性化する段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項36】
薬剤を前記患者内の前記ターゲットに誘導するための標的成分を含む薬剤を該患者内に導入する段階を更に含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記ターゲットを前記第1の波長を有する放射線で照射する段階は、前記患者内の撮像剤を活性化する段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記患者内の前記ターゲットを前記第1の波長を有する放射線で照射する段階は、該患者内の皮下ターゲットに放射線を向ける段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記ターゲットを前記第1の波長を有する放射線で照射する段階は、該ターゲットにおける撮像剤の少なくとも一部分が蛍光を発するように前記患者内の該撮像剤を活性化する段階を含み、
前記デジタル3次元画像を生成する段階は、蛍光を発する前記撮像剤の画像を捕捉する段階を含む、
ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記患者内の前記ターゲットを照射する段階は、該ターゲットを横切ってレーザビームを自動的に走査する段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項41】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムであって
患者内のターゲットの画像を捕捉するための撮像ユニットと、
前記ターゲットを照射して前記患者内の光力学療法薬剤を活性化するためのレーザと、
前記レーザを作動して前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを照射するために前記撮像ユニットと該レーザとに作動可能に連結されたコントローラと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項42】
前記レーザは、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生するように構成され、
システムが、前記レーザビームを再方向付け及び/又は調整するための前記ビーム経路に整列した光学要素アセンブリを更に含み、
前記コントローラは、前記光学要素アセンブリと作動可能に連結され、かつ前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査するように構成される、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記撮像ユニットは、前記ターゲットの3次元画像を捕捉するように構成されることを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記レーザは、第1のレーザを含み、
システムが、前記ターゲットを照射して該ターゲットにおける撮像剤を活性化するための第2のレーザを更に含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項45】
前記レーザは、前記ターゲットを第1の波長を有する放射線で照射するための第1のレーザを含み、
システムが、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射するための第2のレーザを更に含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
前記レーザは、前記ターゲットを照射して前記光力学療法薬剤を活性化するための第1のレーザを含み、
システムが、前記ターゲットを照射して撮像剤を活性化するための第2のレーザを更に含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記撮像ユニットは、カメラを含むことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
前記レーザは、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザを含むことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項49】
前記コントローラは、
前記患者内の前記ターゲットの前記画像を捕捉する段階と、
前記捕捉した画像に基づいて前記レーザビームを前記ターゲットに向ける段階と、
を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項50】
前記コントローラは、前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査する段階を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含むことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項51】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムであって、
患者内のターゲットを第1の波長を有する放射線で照射するための第1の放射線送出装置と、
前記ターゲットのデジタル画像を捕捉するための撮像ユニットと、
前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射するための第2の放射線送出装置と、
前記捕捉したデジタル画像に基づいて前記ターゲットを前記第2の波長を有する放射線で照射するために前記第2の放射線送出装置と前記撮像ユニットとに作動可能に連結されたコントローラと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項52】
前記第1の放射線送出装置は、第1のレーザを含み、
前記第2の放射線送出装置は、第2のレーザを含む、
ことを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記第2の放射線送出装置は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
システムが、前記レーザビームを再方向付け及び/又は調整するための前記ビーム経路に整列した光学要素アセンブリを更に含み、
前記コントローラは、前記光学要素アセンブリと作動可能に連結され、かつ前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査するように構成される、
ことを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項54】
前記第2の放射線送出装置は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
前記コントローラは、
前記患者内の前記ターゲットの前記画像を捕捉する段階と、
前記捕捉した画像に基づいて前記ターゲットに向けられた前記レーザビームで該ターゲットを照射する段階と、
を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含む、
ことを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
前記第2の放射線送出装置は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
前記コントローラは、前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査する段階を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含む、
ことを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項56】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムであって、
患者内のターゲットの画像を捕捉するための手段と、
前記ターゲットを放射線ビームで照射するための手段と、
前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットの前記照射を制御するための手段と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項57】
前記ターゲットを照射するための前記手段は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザを含むことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記画像を捕捉するための前記手段は、デジタル3次元画像を捕捉するように構成された撮像ユニットを含むことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記ターゲットを照射するための前記手段は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
システムが、前記レーザビームを再方向付け及び/又は調製するための手段を更に含み、
前記照射を制御するための前記手段は、前記レーザビームを再方向付け及び/又は調整するための前記手段と作動可能に連結されたコントローラを含み、
前記コントローラは、前記ターゲットの前記捕捉された画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査するように構成される、
ことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項60】
前記ターゲットを照射するための前記手段は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
前記コントローラは、前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査する段階を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含む、
ことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項61】
前記ターゲットを照射するための前記手段は、該ターゲットを第1の波長の放射線で照射するための手段を含み、
システムが、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長の放射線で照射するための手段を更に含む、
ことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項1】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法であって、
患者内のターゲットの撮像データを取得する段階と、
前記取得した撮像データに基づいて、前記ターゲットを該ターゲットに向けたレーザビームで照射する段階と、
前記患者内の光力学療法薬剤を前記レーザビームで活性化する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記光力学療法薬剤は、多機能薬剤の成分であり、
方法が、前記多機能薬剤を前記患者内の前記ターゲットに誘導するための標的成分を更に含む該多機能薬剤を該患者に導入する段階を更に含み、
前記ターゲットを前記レーザビームで照射する段階は、(a)効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで第1の波長を有する放射線を該ターゲットに適用する段階と、(b)該ターゲットの少なくとも一部分を横切って該レーザビームを走査する段階とを含み、
方法が、前記ターゲットにおける前記多機能薬剤の撮像成分の少なくとも一部分が蛍光を発するように、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で該ターゲットを照射して該撮像成分を活性化する段階を更に含み、
撮像データを取得する段階は、蛍光を発する前記撮像成分のデジタル3次元画像を捕捉する段階を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
撮像データを取得する段階は、前記ターゲットのデジタル3次元画像を捕捉する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲットを照射する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで放射線を適用する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲットを照射する段階は、前記取得した撮像データに基づいて前記レーザビームを前記ターゲットに集束させる段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲットを照射する段階は、前記レーザビームを前記ターゲットの少なくとも一部を横切って自動的に走査する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記光力学療法薬剤は、多機能薬剤の成分であり、
方法が、前記多機能薬剤を前記患者内の前記ターゲットに誘導するための標的成分を更に含む該多機能薬剤を該患者内に導入する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットを前記レーザビームで照射する段階は、第1の波長を有する放射線を該ターゲットに適用する段階を含み、
方法が、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射して撮像剤を活性化する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ターゲットを前記レーザビームで照射する段階は、第1の波長を有する放射線を該ターゲットに適用する段階を含み、
方法が、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射し、該ターゲットの撮像データを取得しながら撮像剤を活性化する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ターゲットを前記レーザビームで照射する段階は、第1の波長を有する放射線を該ターゲットに適用する段階を含み、
方法が、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射し、該ターゲットにおける前記撮像成分の少なくとも一部分が蛍光を発するように撮像剤を活性化する段階を更に含み、
撮像データを取得する段階は、蛍光を発する前記ターゲットで前記撮像成分の画像を捕捉する段階を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ターゲットを照射する段階は、第1のレーザビームで該ターゲットに放射線を適用する段階を含み、
方法が、前記ターゲットを前記第1のレーザビームで照射しながら第2のレーザビームで該ターゲットを照射する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
撮像データを取得する段階は、カメラでデジタル画像を取得する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記光力学療法薬剤を活性化する段階は、多機能薬剤の光力学療法成分を活性化する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲットの撮像データを取得する段階は、皮下のターゲットの撮像データを捕捉する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法であって、
患者内のターゲットのデジタル3次元画像を捕捉する段階と、
前記捕捉した3次元画像に基づいて、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザビームをコンピュータで前記ターゲットを横切って自動的に走査する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができる該パルスレーザビームで前記ターゲットを照射する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、前記捕捉したデジタル3次元画像に基づいて該レーザビームを前記ターゲットに集束させる段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記デジタル3次元画像を捕捉する段階は、前記患者内の皮下のターゲットの撮像データを取得する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、前記患者内の光力学療法薬剤を該レーザビームで活性化する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
薬剤を前記患者内の前記ターゲットに誘導するための標的成分を含む薬剤を該患者内に導入する段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、第1の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射する段階を含み、
方法が、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射して前記患者内の撮像剤を活性化する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記パルスレーザビームを自動的に走査する段階は、第1の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射する段階を含み、
方法が、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射し、該ターゲットにおける撮像剤の少なくとも一部分が蛍光を発するように前記患者内の該撮像剤を活性化する段階を更に含み、
前記デジタル3次元画像を捕捉する段階は、蛍光を発する前記撮像剤の撮像データを取得する段階を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項23】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法であって、
薬剤を患者内の非電離ターゲットに誘導するための標的成分を含む薬剤を該患者内に導入する段階と、
第1の波長を有する非電離放射線で前記ターゲットを照射して前記薬剤の撮像成分を活性化することによって該ターゲットを撮像する段階と、
第2の波長を有する放射線を前記ターゲットに適用して前記薬剤の光力学療法成分を活性化する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記ターゲットを撮像する段階は、皮下ターゲットの画像を捕捉する段階を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ターゲットを撮像する段階は、前記ターゲットのデジタル3次元画像を生成する段階を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ターゲットを撮像する段階は、第1のレーザビームで該ターゲットに非電離放射線を適用する段階を更に含み、
前記第2の波長を有する放射線を適用する段階は、第2のレーザビームで前記ターゲットを照射する段階を含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の波長を有する放射線を適用する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで前記ターゲットを照射する段階を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の波長を有する放射線を適用する段階は、前記撮像したターゲットに基づいて該ターゲットに向けたレーザビームで該ターゲットを照射する段階を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記ターゲットを撮像する段階は、
前記ターゲットを横切って前記第1の波長を有するレーザビームを走査する段階と、
効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで前記レーザビームを発生させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記ターゲットを撮像する段階は、
前記ターゲットにおける撮像剤の少なくとも一部分が蛍光を発するように、前記薬剤の前記撮像成分を活性化する段階と、
蛍光を発する前記撮像剤の画像を捕捉する段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の波長を有する放射線を適用する段階は、
前記ターゲットを横切って前記第2の波長を有するレーザビームを自動的に走査する段階と、
前記撮像されたターゲットに基づいて前記レーザビームを該ターゲットに集束させる段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項32】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療する方法であって、
第1の波長を有する放射線で患者内のターゲットを照射する段階と、
前記ターゲットのデジタル3次元画像を生成する段階と、
前記3次元画像に基づいて、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で前記ターゲットを照射する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
前記ターゲットを前記第1の波長を有する放射線で照射する段階は、第1のレーザビームで該ターゲットに放射線を適用する段階を含み、
前記ターゲットを前記第2の波長を有する放射線で照射する段階は、第2のレーザビームで該ターゲットに放射線を適用する段階を含む、
ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ターゲットを前記第2の波長を有する放射線で照射する段階は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザで該ターゲットに放射線を適用する段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記ターゲットを前記第2の波長を有する放射線で照射する段階は、前記患者内の光力学薬剤を活性化する段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項36】
薬剤を前記患者内の前記ターゲットに誘導するための標的成分を含む薬剤を該患者内に導入する段階を更に含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記ターゲットを前記第1の波長を有する放射線で照射する段階は、前記患者内の撮像剤を活性化する段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記患者内の前記ターゲットを前記第1の波長を有する放射線で照射する段階は、該患者内の皮下ターゲットに放射線を向ける段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記ターゲットを前記第1の波長を有する放射線で照射する段階は、該ターゲットにおける撮像剤の少なくとも一部分が蛍光を発するように前記患者内の該撮像剤を活性化する段階を含み、
前記デジタル3次元画像を生成する段階は、蛍光を発する前記撮像剤の画像を捕捉する段階を含む、
ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記患者内の前記ターゲットを照射する段階は、該ターゲットを横切ってレーザビームを自動的に走査する段階を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項41】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムであって
患者内のターゲットの画像を捕捉するための撮像ユニットと、
前記ターゲットを照射して前記患者内の光力学療法薬剤を活性化するためのレーザと、
前記レーザを作動して前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを照射するために前記撮像ユニットと該レーザとに作動可能に連結されたコントローラと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項42】
前記レーザは、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生するように構成され、
システムが、前記レーザビームを再方向付け及び/又は調整するための前記ビーム経路に整列した光学要素アセンブリを更に含み、
前記コントローラは、前記光学要素アセンブリと作動可能に連結され、かつ前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査するように構成される、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記撮像ユニットは、前記ターゲットの3次元画像を捕捉するように構成されることを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記レーザは、第1のレーザを含み、
システムが、前記ターゲットを照射して該ターゲットにおける撮像剤を活性化するための第2のレーザを更に含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項45】
前記レーザは、前記ターゲットを第1の波長を有する放射線で照射するための第1のレーザを含み、
システムが、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射するための第2のレーザを更に含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
前記レーザは、前記ターゲットを照射して前記光力学療法薬剤を活性化するための第1のレーザを含み、
システムが、前記ターゲットを照射して撮像剤を活性化するための第2のレーザを更に含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記撮像ユニットは、カメラを含むことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
前記レーザは、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザを含むことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項49】
前記コントローラは、
前記患者内の前記ターゲットの前記画像を捕捉する段階と、
前記捕捉した画像に基づいて前記レーザビームを前記ターゲットに向ける段階と、
を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含む、
ことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項50】
前記コントローラは、前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査する段階を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含むことを特徴とする請求項41に記載のシステム。
【請求項51】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムであって、
患者内のターゲットを第1の波長を有する放射線で照射するための第1の放射線送出装置と、
前記ターゲットのデジタル画像を捕捉するための撮像ユニットと、
前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長を有する放射線で照射するための第2の放射線送出装置と、
前記捕捉したデジタル画像に基づいて前記ターゲットを前記第2の波長を有する放射線で照射するために前記第2の放射線送出装置と前記撮像ユニットとに作動可能に連結されたコントローラと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項52】
前記第1の放射線送出装置は、第1のレーザを含み、
前記第2の放射線送出装置は、第2のレーザを含む、
ことを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記第2の放射線送出装置は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
システムが、前記レーザビームを再方向付け及び/又は調整するための前記ビーム経路に整列した光学要素アセンブリを更に含み、
前記コントローラは、前記光学要素アセンブリと作動可能に連結され、かつ前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査するように構成される、
ことを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項54】
前記第2の放射線送出装置は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
前記コントローラは、
前記患者内の前記ターゲットの前記画像を捕捉する段階と、
前記捕捉した画像に基づいて前記ターゲットに向けられた前記レーザビームで該ターゲットを照射する段階と、
を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含む、
ことを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
前記第2の放射線送出装置は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
前記コントローラは、前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査する段階を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含む、
ことを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項56】
放射線療法を加えて患者内の障害を治療するためのシステムであって、
患者内のターゲットの画像を捕捉するための手段と、
前記ターゲットを放射線ビームで照射するための手段と、
前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットの前記照射を制御するための手段と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項57】
前記ターゲットを照射するための前記手段は、効率的な2光子吸収を開始することができるパルスレーザを含むことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記画像を捕捉するための前記手段は、デジタル3次元画像を捕捉するように構成された撮像ユニットを含むことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記ターゲットを照射するための前記手段は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
システムが、前記レーザビームを再方向付け及び/又は調製するための手段を更に含み、
前記照射を制御するための前記手段は、前記レーザビームを再方向付け及び/又は調整するための前記手段と作動可能に連結されたコントローラを含み、
前記コントローラは、前記ターゲットの前記捕捉された画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査するように構成される、
ことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項60】
前記ターゲットを照射するための前記手段は、ビーム経路に沿ってレーザビームを発生させるように構成されたレーザを含み、
前記コントローラは、前記ターゲットの前記捕捉した画像に基づいて該ターゲットを横切って前記レーザビームを走査する段階を含む方法を実行する命令を収容するコンピュータ可読媒体を含む、
ことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項61】
前記ターゲットを照射するための前記手段は、該ターゲットを第1の波長の放射線で照射するための手段を含み、
システムが、前記ターゲットを前記第1の波長と異なる第2の波長の放射線で照射するための手段を更に含む、
ことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【公表番号】特表2009−527288(P2009−527288A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555498(P2008−555498)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/062264
【国際公開番号】WO2007/098377
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508247833)ラシリス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/062264
【国際公開番号】WO2007/098377
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508247833)ラシリス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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