説明

放射線硬化性組成物

構造、


[式中、(A)は、900より高い分子量M、30℃より5低いT及び/又はTを有し、少なくとも75モル%の飽和脂肪族多酸及び任意に0〜25モル%の他の多酸を含有する酸成分並びにアルコール成分から得られる一つ以上のヒドロキシル官能性ポリエステルの残基であり、
(B)は、一つ以上のポリイソシアネートの残基であり、
(C)は、一つ以上のエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物の残基であり、
xは0.5〜10である]
に応答する少なくとも一つの放射線硬化性オリゴマーを含有する放射線硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にコイル被覆に使用可能な放射線硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
コイルコーターは種々のタイプ及び形態の金属コイルを被覆する。コイル被覆は、二次加工の前に高速度で金属を被覆するための連続的で高度に自動化された工程である。当該工程は通常、以下の工程から成る。金属コイルは巻きを解かれ、上面側及び下面側は、油、グリース及び汚れを除去するために機械的及び化学的に清浄にされる。清浄化後、防蝕及び塗料付着性を高めるためにシートに化学的予備処理が施され得る。次に、そのストリップは乾燥炉内に直接移動され、続いて被覆単位装置に入れられる。塗料が塗布された後に、当該ストリップは再び乾燥炉内に移動され、続いて冷却され、輸送のために再び巻き上げられる。予備被覆されたシートは金属加工工業において用いられる。従って、多くの金属物品は、用いられときに又は組み立てられるときには、被覆されず、又、塗料が塗布されないが、平板素材がコイル巻きで供給され、その後、所望の物品に成形、切断及び組み立てられるときに最初に被覆される。結果として、ほとんどすべての場合における主な基準は、被覆されたストリップを二次成形する又は曲げる能力である。二次成形は通常、金属曲げが非常に過酷であり得る高速加工装置により行われる。被覆物は亀裂を起こすことなく二次成形又は曲げをさせ、かつ、なお付着性を維持するために柔軟性でなくてはならない。金属を意味する完全な系、ある場合には亜鉛保護層、予備処理層及び塗料層も、高レベルの耐蝕性に達しなくてはならない。耐薬品性及び耐汚染性のような基本的性質は変わらず重要であり、いくつかの用途では、湿度試験抵抗性及び滅菌試験抵抗性のような性質も求められる。
【0003】
放射線硬化性系はコイル被覆に良好に適合し得て、支持体は平らであり、線速度は高く、溶媒の使用のような環境問題を解決でき、他の被覆技術では必要な硬化炉よりも少ないエネルギー及び小さい床面積しか必要としない。しかし、現在まで、放射線硬化性被覆組成物、特にUV配合物は、コイル被覆用途に広範には用いられていない。典型的なUV配合物は、アクリル(メタクリル)化オリゴマー及び反応性希釈剤から成り、硬化されると、耐薬品性、耐引掻性及び表面硬度のような良好な性質を有する高度に架橋された被覆層を形成する。そのような高い架橋結合密度は、又、金属支持体上への付着を制限するフィルムの制限された柔軟性及び収縮にも関連する。それらの厳しい要求への解決法を見出そうと試みたときに、妥当な粘度を達成するために分子量を低くすることと、所望の硬化された被覆物の柔軟性に到達するために架橋と架橋の間の実質的な分子量についての必要性との間でしばしば制限される。
【0004】
高レベルの柔軟性が二次成形操作に本質的であるコイル被覆用途では、典型的なUV配合物は適さない。US 2002/0132059 A1には、コイル状に巻かれた金属シートの被覆用に光重合性被覆組成物を用いることの原則が記載されている。それに記載されている、コイル状に巻かれた金属シートに被覆物を施すための方法において、金属シートは、被覆組成物が施される前に、最初に清浄にされ、次に予備処理される。
【0005】
前記特許出願において特定の光重合性組成物は開示されていない。しかし、コイル被覆工程において、不飽和オリゴマーを含有する光重合性被覆組成物が用いられる場合に、すべてが満足する結果を得られるわけではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者らは、今や、光重合性組成物中に用いられるのに非常に適した新規な放射線硬化性オリゴマーを見出した。
【0007】
従って、本発明は、少なくとも0.3mg当量/gの量の重合性エチレン性不飽和基を有し、下記構造(I):
【化1】


[式中、(A)は、900より高い分子量M、30℃より低いガラス転移温度T及び/又は融点Tを有し、4〜14の炭素原子を有する飽和脂肪族多酸を少なくとも75モル%及び任意に他の多酸を0〜25モル%含有する酸成分並びにアルコール成分から得られる一つ以上のヒドロキシル官能性ポリエステルの残基であり、
(B)は、一つ以上のポリイソシアネートの残基であり、
(C)は、一つ以上のエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物の残基であり、
xは0.5〜10である]
に応答する少なくとも一つの放射線硬化性オリゴマーを含有する放射線硬化性組成物に関する。
【0008】
構造(I)の放射線硬化性オリゴマーにおいて、(A)と(B)及びそれぞれ(C)と(B)はウレタン基−0−CO−N−により結合されている。
【0009】
構造(I)の放射線硬化性オリゴマーにおいて、xは好ましくは0.5〜5、より好ましくは0.9〜1.5、最も好ましくは約1である。
【0010】
重合性エチレン性不飽和基とは、本発明において、照射及び/又は(光)開始剤の影響下でラジカル重合を受けることができる炭素−炭素二重結合を意図することを意味する。重合性エチレン性不飽和基は一般的に、アクリル(メタクリル)[(meth)acryl]基及びアリル基、好ましくはアクリル(メタクリル)基、最も好ましくはアクリル基から選ばれる。本発明において、「アクリル(メタクリル)」という用語は、アクリル化合物及びメタクリル化合物の両方又は誘導体並びにそれらの混合物を包含すると理解すべきである。
【0011】
エチレン性不飽和基の量は、過剰のブロメート−ブロミド溶液の、試料の酸性化溶液への添加により不飽和生成物が臭素と反応する滴定法により測定され得る。適する反応時間の後に、ヨウ化カリウムを臭素接触と反応させ、ヨウ素を生成させる。次にヨウ素を、不飽和基の量の計算を可能にするチオ硫酸ナトリウムで滴定する。
【0012】
好ましくは、重合性エチレン性不飽和基の量は、放射線硬化性オリゴマーのg当り、少なくとも0.4mg当量、特に少なくとも0.5mg当量の重合性エチレン性不飽和基である。
【0013】
好ましくは、重合性エチレン性不飽和基の量は5mg当量/gを超えない、特に2.5mg当量/gを超えない。
【0014】
放射線硬化性オリゴマーは好ましくは少なくとも1,200の、より好ましくは少なくとも1,800の数平均分子量を有する。一般的に、放射線硬化性オリゴマーは、10,000を超えない、好ましくは7,000を超えない、最も好ましくは5,000より低い数平均分子量を有する。
【0015】
放射線硬化性オリゴマーは、分当り20℃の加熱勾配でASTM D3418による示差走査熱量法により測定されるときに、好ましくは30℃より低いガラス転移温度T及び/又は融点Tを有する。
【0016】
構造(I)の放射線硬化性オリゴマーは一般的に、一つ以上のヒドロキシル官能性ポリエステル、一つ以上のポリイソシアネート及び一つ以上のエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物の反応から得られる。
【0017】
ヒドロキシル官能性ポリエステルとは、本発明において、遊離の一般的に末端のヒドロキシル基を有し、一般的に10〜180mgのKOH/gのヒドロキシル価を有するポリエステルを意図することを意味する。本発明において用いられるポリエステルは、好ましくは20〜80mgのKOH/gの、より好ましくは30〜70mgKOH/gのヒドロキシル価を有する。
【0018】
本発明において用いられるヒドロキシル官能性ポリエステルは、一つ以上の多酸を含有する酸成分の、一つ以上のポリオールを含有するアルコール成分との反応から一般的に得られる。当該ポリエステルは、好ましくは酸成分の総量に対して、75〜100モル%の、4〜14の炭素原子を有する少なくとも一つの直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸及び任意に0〜25モル%の少なくとも一つの他の脂肪族、脂環式及び/又は芳香族ポリカルボン酸、並びにアルコール成分の総量に対して、25〜100モル%の少なくとも一つの分岐鎖脂肪族ジオール及び任意に0〜75モル%の少なくとも一つの他の脂肪族又は脂環式ポリオールから得られる。
【0019】
本発明において用いられるポリエステル中に含有される4〜14の炭素原子を有する直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸は好ましくは、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ウンデカンジオン酸、トリデカンジオン酸、テトラデカンジオン酸及びそれらの無水物から、単独で又は混合物として選ばれる。当該直鎖飽和脂肪二酸は、最も好ましくはアジピン酸である。
【0020】
本ポリエステル中に任意に含有される他のポリカルボン酸は一般的にジカルボン酸又はそれらの無水物から、より特定するとフマル酸、マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸から、単独で又は混合物として選ばれる。本ポリエステルは、酸成分の総量に対して15モル%以下の、トリメリット酸、ピロメリット酸及びそれらの無水物のような、少なくとも3つのカルボン酸基を有する多酸又はそれらの無水物を混合することにより得られる分岐鎖ポリエステルであることもできる。
【0021】
本ポリエステルは、より好ましくは、酸成分の総量に対して、85〜100モル%の、最も好ましくは95〜100モル%の、4〜14の炭素原子を有する直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸から得られる。
【0022】
ポリカルボン酸を用いる代わりに又はポリカルボン酸に加えて、相当する無水物、エステル又はそれらの混合物がポリエステルの製造のために用いられ得る。
【0023】
ポリエステル中に用いられる分岐鎖脂肪族ジオールは好ましくは、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,3−プロパンジオール 2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバレート及びそれらの混合物から選ばれる。分岐鎖脂肪族ジオールは最も好ましくはネオペンチルグリコールである。
【0024】
ポリエステル中に任意に含有される他の脂肪族又は脂環式ポリオールは一般的に、二−、三−及び/又は四−官能性ポリオール類から選ばれる。ジオール類は好ましくは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA及びそれらの混合物から選ばれる。ジ−及びトリ−エチレングリコール類並びにジ−及びトリ−プロピレングリコール類のようなポリアルキレングリコール類も用いられ得る。ジオールは、より好ましくは脂肪族ジオール、特に、2〜12の炭素原子を有するアルキルジオールである。ポリエステルは又、アルコール成分の総量に対して30モル%以下の、3つ以上のアルコール基を有するポリオール類、好ましくはトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール及びそれらの混合物のような三官能性及び四官能性ポリオール類を組み込んだ分岐鎖ポリエステルであることもできる。
【0025】
本発明において用いられるポリエステルは、より好ましくはアルコール成分の総量に対して、45〜100モル%の分岐鎖脂肪族ジオール、0〜55モル%の他の脂肪族ジオール及び0〜30モル%の三−及び/又は四−官能性ポリオールから得られる。
【0026】
ボリエステルは好ましくは少なくとも1,000の、より好ましくは少なくとも1,500の数平均分子量Mを有する。ポリエステルの数平均分子量Mは、好ましくは9,500を超えず、より好ましくは6,500を超えず、最も好ましくは4,500を超えない。
【0027】
本発明において、数平均分子量Mは式:
【数1】


[式中、j及びkはそれぞれ、当該ポリエステルの合成に用いられる異なる多酸類及びポリオール類を示し、Macは当該ポリエステルの合成に用いられる多酸類のgにおける重量を表し、Mは当該ポリエステルの合成に用いられるポリオール類のgにおける重量を表し、nac及びnは、それぞれ当該ポリエステルの合成に用いられる多酸類及びポリオール類のモル数であり、MH20及びnH20はそれぞれ当該ポリエステルの合成中に発生する水のgにおける重量及びモル数である]
から得ることができる。
【0028】
当該ポリエステルは好ましくは非晶質ポリエステルである。非晶質ポリエステルとは、本発明において、実質的に結晶化を示さず、分当り20℃の加熱勾配でASTM D3418による示差走査熱量法により測定されるときに融点を示さないポリエステルを意図することを意味する。本ポリエステルは、より好ましくは、分当り20℃の加熱勾配でASTM D3418による示差走査熱量法により測定されるときに−125〜25℃のガラス転移温度Tを有する。ポリエステルは好ましくは25℃において液体である。
【0029】
本発明において用いられるポリイソシアネートには、少なくとも2つのイソシアネート官能基を有する芳香族、脂環式及び/又は脂肪族ポリイソシアネート類が含まれる。好ましいのは、ヘキサメチレン−ジイソシアネート(HMDI)、イソホロン−ジイソシアネート(IPDI)、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、トルエン−ジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチル−m−キシレンジイソシアネートのような脂肪族の、脂環式の及び/又は芳香族のジイソシアネート類である。特に好ましいのは、ヘキサメチレン−ジイソシアネート(HMDI)及びイソホロン−ジイソシアネート(IPDI)並びにそれらの混合物である。任意に、先に挙げた又は類似のイソシアネート類のイソシアネート官能性ビウレット類、アロホネート類(allophonates)及びイソシアヌレート類が用いられ得る。
【0030】
エチレン性不飽和ヒドロキシル化合物とは、少なくとも一つのヒドロキシル基及び少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有する化合物を意図することを意味する。2〜12の炭素原子を有する多価脂肪族アルコール類と不飽和カルボン酸類、特にアクリル酸及びメタクリル酸のエステル類が一般的に用いられる。
【0031】
好ましいのは、モノヒドロキシアルキルアクリレート(メタクリレート)類、特に、ヒドロキシメチルアクリレート(メタクリレート)、ヒドロキシエチルアクリレート(メタクリレート)、ヒドロキシプロピルアクリレート(メタクリレート)、ヒドロキシブチルアクリレート(メタクリレート)、グリセロールジアクリレート(メタクリレート)、トリメチロールプロパンジアクリレート(メタクリレート)、ペンタエリトリトールトリアクリレート(メタクリレート)、ジトリメチロールプロパントリアクリレート(メタクリレート)、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート(メタクリレート)、並びにそれらの(ポリ)エトキシル化及び/又は(ポリ)プロポキシル化同等物のような4〜40の炭素原子を有するモノヒドロキシアルキルアクリレート(メタクリレート)類である。好ましいのは、4〜10の炭素原子を有するモノヒドロキシアルキルアクリレート(メタクリレート)類である。アクリレート類が好ましい。特に好ましいのは、2−ヒドロキシエチルアクリレートである。他のエチレン性不飽和モノヒドロキシ化合物も用いられ得る。それらには、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、イタコネート化合物類、クロトネート化合物類等が含まれる。
【0032】
放射線硬化性オリゴマーは多くの方法で製造され得る。例えば、ポリイソシアネートをエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物と予備反応させ、モノイソシアネートを生成させ、その後に、そのモノイソシアネートをヒドロキシル官能性ポリエステルと反応させることにより製造され得る。その代わりとして、ヒドロキシル官能性ポリエステル、ポリイソシアネート及びエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物を一度に一緒に反応させ得るか、又はヒドロキシル官能性ポリエステルとポリイソシアネートを最初に反応させ、その生成物をさらにエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物と反応させ得る。後者の方法が好ましい。
【0033】
その反応は一般的に加熱下で一つ以上の触媒の存在下で行なわれる。その反応の間又は後に一つ以上の重合防止剤が添加され得る。
【0034】
放射線硬化性オリゴマーの合成に用いられるポリエステル、ポリイソシアネート及びエチレン性不飽和化合物の相対量は、一般的にポリエステルの一つより多い残基(A)をオリゴマー主鎖に組み入れ、そして式(II):
【化2】


(式中、n>0である)
に応答する構造物を生成することにより連鎖延長を回避するために一般的に選ばれる。一般的に、10重量%未満、より好ましくは5重量%未満の、式(II)の構造物を含有する組成物を用いることが好ましい。
【0035】
ヒドロキシル官能性ポリエステルとポリイソシアネートを最初に又はエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物と一緒に反応させる場合、用いられるポリエステル及びポリイソシアネートの相対量は一般的にヒドロキシル官能性ポリエステルにより与えられるOHの当量数に対する用いられるポリイソシアネートのモル数が少なくとも約0.95、好ましくは少なくとも約1であるような量である。従って、エチレン不飽和ヒドロキシル化合物の量は、好ましくはすべての残存する遊離のイソシアネート基がその化合物と反応するような量である。
【0036】
ポリイソシアネートをエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物と予備反応させる製造法が用いられる場合、それらの化合物の相対量は、一般的に最初にモノイソシアネートが生成されるような量である。次にそのモノイソシアネートを更にヒドロキシル官能性ポリエステルと、NCO基に対する、ヒドロキシルポリエステルにより与えられるOH基の当量比が約0.8〜1.3、好ましくは1〜1.2である相対量で反応させ得る。
【0037】
本発明による放射線硬化性オリゴマーは、そのまま製造され得るが、放射線硬化性オリゴマーと共重合される希釈剤の存在下でも製造され得る。好ましい態様によると、それらの合成の間、終わり及び/又は後に、少なくとも一つの放射線硬化性希釈剤を放射線硬化性オリゴマーに添加する。
【0038】
本発明による放射線硬化性組成物は一般的に、少なくとも5重量%の、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも25重量%の放射線硬化性オリゴマーを含有する。放射線硬化性オリゴマーの量は通常、硬化性組成物の95重量%、好ましくは80重量%を超えない。
【0039】
本発明による放射線硬化性組成物は好ましくは、一つ以上の放射線硬化性オリゴマーの他に、少なくとも一つの放射線硬化性希釈剤を含有する。その希釈剤は、好ましくは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー、より好ましくは、単−又は多−官能性アクリレート(メタクリレート)モノマーである。共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとは、一般的に光重合条件下で、特に照射により、放射線硬化性オリゴマーと共重合可能であるモノマーを意図することを意味する。好ましい共重合可能なエチレン性不飽和モノマーは、少なくとも一つの、そして好ましくは6より多いアクリレート(メタクリレート)基を有する単−及び多−官能性アクリレート(メタクリレート)類、特に、一つのアクリレート(メタクリレート)基を有する化合物である単官能性アクリレート(メタクリレート)類である。適するモノマーの例には、オクチル−デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレート、環式トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、n−ブチルアクリロイルオキシエチルカルバメート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アクリル酸の、ネオデカン酸のような脂肪族カルボン酸のグリシジルエステルとの反応生成物及びそれらの混合物が含まれる。最も好ましい希釈剤はフェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、n−ブチルアクリロイルオキシエチルカルバメート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アクリル酸とネオデカン酸のような脂肪族カルボン酸のグリシジルエステルとの反応生成物並びにそれらの混合物である。放射線硬化性組成物中に存在する放射線硬化性希釈剤の量は一般的に0〜95重量%、好ましくは5〜75重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
【0040】
放射線硬化性組成物は、ISO 12058により測定するとき、好ましくは25℃において100〜8,000mPa.s、好ましくは1,500〜3,500mPa.sの粘度を示す。
【0041】
本発明による方法において用いられる放射線硬化性組成物は又、通常、少なくとも一つの抑制剤を含有する。抑制剤には、制限なく、ハイドロキノン、トルハイドロキノン、モノメチルエーテルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ジ−tert−ブチルハイドロキノン、フェノチアジンが含まれる。用いられる抑制剤の量は好ましくは0〜0.5重量%である。
【0042】
放射線硬化性組成物は又、放射線硬化性オリゴマー及び任意にその組成物中に存在する他の放射線硬化性化合物の重合を開始することができる少なくとも一つの光化学開始剤及び/又は化学開始剤を含有し得る。光化学開始剤(光開始剤とも称される)は、光、典型的にはUV光の吸収によりラジカル類を発生することができる化合物である。光開始剤は好ましくはフリーラジカル光開始剤である。
【0043】
UV光下で硬化される場合、少なくとも一つの光開始剤を含有する硬化性組成物が好ましい。当該組成物中の光開始剤又は化学開始剤の量は好ましくは0.01〜5重量%構成する。
【0044】
その代わりとして、当該組成物は、開始剤の不存在下で、特に電子ビーム放射線により硬化され得る。
【0045】
放射線硬化性組成物は又、一つ以上の付着促進剤を含有し得る。付着促進剤の量は、一般的に0〜20重量%である。好ましくは2〜15重量%の量の付着促進剤が用いられる。
【0046】
本発明による放射線硬化性組成物は又、顔料、着色剤及び/又は多官能性アクリル(メタクリル)化化合物、導電性顔料、分散剤、流れ調整剤、スリップ剤、難燃剤、UV−防護剤のような他の添加剤を含有し得る。添加剤の量は好ましくは10重量%を超えない。
【0047】
本発明による放射線硬化性組成物は好ましくは水、及び揮発性有機溶媒(VOC’s)であると考えられる有機溶媒を実質的に含有しない。従って、当該組成物は一般的に100%固体放射線硬化性組成物と考えられ、次に続く硬化中に水又は溶媒の蒸発を必要としない。
【0048】
本発明による放射線硬化性組成物により、良好な耐薬品性、耐溶媒性、耐引掻性及び表面硬度を、改良された柔軟性、曲げ時及び迅速変形時における付着性及び亀裂抵抗性並びに改良された耐蝕性とともに有する被覆物が得られる。その被覆物は、柔軟性と表面硬度の改良されたバランスを有する。それらの特性は、金属、プラスチック及びガラスのような支持体上の被覆用途のような多くの用途に用いられるのに適したものにさせる。本発明による組成物は、金属被覆及び装飾、特に、農業用及び建築用装置用の被覆、管被覆、銅線被覆のようなワイヤー被覆、特に自動車補修におけるプライマーのような自動車用途、缶被覆のような多くの用途に適している。放射線硬化性組成物は又、絵付成形のような熱成形用途にも用いられ得る。本組成物は、又、電気スリーブ及びガラス積層物を製造するために用いられるのにも適している。本組成物は、特に、包装材料及びプラスチック類のような軟質支持体を被覆するのに有用である。本放射線硬化性組成物は又、高可撓性及び耐衝撃性を示すUV硬化性スクリーンインクの配合物のためにも有用である。
【0049】
従って、本発明は又、先に記載したように、被覆用途のための先に記載した組成物の使用及び特に先に記載したように物品を組成物で被覆する工程を含む被覆された物品を製造する方法にも関する。
【0050】
本放射線硬化性組成物は、金属被覆、特にコイル被覆用途に適していることが見出された。従って、本発明は、金属及びコイル被覆用途のための本組成物の使用、並びに特に、下記の工程:
(1)コイル状に巻かれた金属シートの巻きを解く工程、
(2)当該金属シートを、先に記載した少なくとも一つの放射線硬化性オリゴマーを含有する硬化性組成物で被覆する工程、
(3)当該組成物を硬化する工程及び
(4)前記の被覆された金属シートを再びコイル状に巻く工程
を含む、被覆された金属シートコイルを製造する方法に関する。
【0051】
金属シートは一般的に、冷間圧延鋼板(予備処理した又は予備処理なしの)、熱間圧延鋼板(予備処理した又は予備処理なしの)、ステンレス鋼、電気亜鉛化した及び熱浸漬亜鉛めっき鋼板のようなZn処理鋼板(予備処理した又は予備処理なしの)、Al(予備処理した又は予備処理なしの)並びに熱浸漬錫から選ばれる。
【0052】
本発明による方法において、金属シートの巻きを解く及び再びコイル状に巻くことは、それらのために適したいずれかの方法により行われ得る。本発明による方法において、巻きを解かれた金属シートは、それを硬化性組成物で被覆する前にいずれかの適する処理に付され得る。巻きを解かれた金属シートは通常、保護油層を除去するために清浄にする。清浄化の後に、防蝕及び被覆密着性を高めるために化学的予備処理も金属シートに行なわれ得る。
【0053】
本発明による方法において、放射線硬化性組成物が被覆される物品に、特に金属シートに、浸漬被覆、噴霧被覆、静電被覆、薄塗、カーテンコーティング、真空使用、ロール塗布等のような、そのために適するいずれかの方法により被覆され得る。ロール塗布により行われるのが好ましい。物品、特に金属シートへの硬化性組成物の適用は、室温における、又は例えば金属シート、ローラーコーター及び/又は硬化性組成物を加熱することにより、より高い温度におけるような、いずれかの適する温度において行われ得る。
【0054】
物品又は金属シートへの硬化性組成物の被覆の後に、硬化性組成物を硬化する。硬化、すなわち、重合は、熱硬化又は照射のような当業者によく知られたいずれかの適する方法により行われ得る。照射硬化は、UV光、又はガンマ線、X線もしくは電子ビームのような電離線を用いることにより行われ得る。本発明による方法では、電子ビームそして特にUV放射線が好ましい。
【0055】
硬化性組成物の硬化の後に、被覆された金属シートをすぐに再びコイル状に巻き得るか、又は一つ以上の付加的な被覆物をその金属シートに被覆した後に再びコイル状に巻き得るか、又は再びコイル状に巻いた被覆された金属シートを、一つ以上の付加的な被覆物をその金属シートに被覆し得る他の被覆ラインへと移動させ得る。本発明による方法において、先に定義した2つ以上の硬化性組成物で金属シートを被覆するために、工程(2)及び(3)を繰り返し得る。その場合、硬化性組成物は同じであり得るか又は異なり得る。
【0056】
本発明による方法により、低減された量の溶媒を使用して又は溶媒の使用をせずに、従って、火炎危険が低減し、及びラインにおける溶媒の除去又は再循環に必要なエネルギー使用が低減し、そして空間節減(乾燥炉が必要でない)がされて、被覆された物品、特に金属コイルを得ることが可能になる。
【0057】
本発明による方法により、二次成形に用いられるために適したものにする改良された耐薬品性、耐溶媒性、耐引掻性及び表面硬度を、改良された柔軟性、曲げ時及び迅速変形時における付着性及び亀裂抵抗性並びに改良された耐蝕性とともに有する被覆物品、特に金属シートを得ることが可能になる。その被覆物は、柔軟性と表面特性の改良されたバランスを有する。
【0058】
金属表面上への亜鉛層の付着後に亜鉛めっき又は電気亜鉛ラインにおいて硬化性プライマーを塗布するのに本発明による方法が用いられる場合、現在行われている方法の下記の工程:亜鉛めっき又は電気亜鉛ラインにおける再コイル状巻きの前のストリップのオイリング、化学的清浄化、化学的予備処理及び被覆ラインにおける古典的なプライマーの使用の工程のいくつか又はすべてを回避することができる。化学的予備処理はしばしば、六価クロム(Cr VI)を用いるクロメート化であり、本発明による方法の使用により、この環境問題は解消される。本発明による方法により、例えばクロメート化による金属の化学的予備処理の使用をせずに良好な耐蝕性を有する被覆された金属コイルを得ることが可能になる。
【0059】
以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を例示するものである。他に示されていなければ、本例に記載されている部は重量部である。
【実施例】
【0060】
製造例1:ヒドロキシル官能性ポリエステル、PE1
加熱ジャケットに接続し、攪拌器を装備した2リットル容の反応器中に513gのネオペンチルグリコール及び646gのアジピン酸を入れた。その反応混合物を攪拌し、窒素流れ下で215℃まで漸進的に加熱し、水を蒸留により除去した。酸価が約50mgKOH/gに達したときに、大気圧において0.20gのFASCAT 4102(錫触媒)を添加し、その反応混合物をさらに215℃に加熱し、酸価が1mgKOH/gより低くなるまで真空下で水を除去した。得られたポリエステルは56mgKOH/gのヒドロキシル価を有する透明な液体であった。その平均分子量は約2,000であった。
【0061】
製造例2:ヒドロキシルポリエステル、PE2
223gの1,4−ブタンジオール、272gのネオペンチルグリコール及び670gのアジピン酸を用いた他は、製造例1に記載された方法によりポリエステルを製造した。そのポリエステルは56mgKOH/gのヒドロキシル価を有する透明な液体であった。その平均分子量は約2,000であった。
【0062】
実施例1:放射線硬化性オリゴマーの製造
攪拌器、液体添加漏斗及び温度計を備えた反応フラスコに、2,616gのポリエステル PE1、2.35gのトリスノニルフェニルホスフィット(TNPP)、581gのイソホロンジイソシアネート及び0.69gのジブチル錫ジラウレート(DBTL)を入れた。その反応混合物を60℃まで加熱し、NCO含有率が約3.43%になるまで攪拌した。前記添加漏斗に304gの2−ヒドロキシルエチルアクリレート(HEA)、1.18gのTNPP、0.70gのHQ及び1.18gのDBTLの混合物を供給し、2時間の間、添加した。残存するNCO含有率が0.2%未満になるまで、その反応混合物を70℃に維持した。0.22gのHQ及び0.27gのTNPPを添加した。35,600mPasの粘度(ヘプラー粘度計、60℃においてISO 12058)及び0.67mg当量/gのC=C含有量を有するオリゴマーを得た。
【0063】
実施例2:
実施例1の方法の最後に、1503gのイソボルニルアクリレート(IBOA)を反応生成物に添加した他は実施例1を繰り返した。1,600mPasの粘度(ヘプラー粘度計、60℃においてISO 12058)を得た。
【0064】
その代わりとして、反応の最初に、IBOAの一部(251g)を添加し、他の部分(1,252g)をHEAと一緒に添加した。同様の結果を得た。
【0065】
実施例3:
攪拌器、液体添加漏斗及び温度計を備えた反応フラスコに、116gのイソホロンジイソシアネート、0.14gのDBTL及び0.04gのHQを入れた。その反応混合物を40℃まで加熱した。61gのHEAを液体添加漏斗に供給し、反応フラスコにおける温度が65℃を超えないように反応フラスコに滴下した。その反応混合物をNCO含有率が約12.33%になるまで攪拌した。次に、そのフラスコに523gのポリエステル PE1、0.70gのTNPP及び0.14gのDBTLを添加した。残存するNCO含有率が0.2%未満になるまで、その反応混合物を70℃に維持した。最後に0.04gのHQ、0.05gのTNPP及び301gのIBOAを添加した。1,150mPasの粘度(ヘプラー粘度計、60℃においてISO 12058)を得た。
【0066】
実施例4:
NCO含有率が約3.57%になるまで、600gのポリエステル PE1、0.54gのTNPP、104gのトルエンジイソシアネートを用いて、実施例1に記載された操作によりオリゴマーを合成した。次に、70gのHEA、0.27gのTNPP、0.05gのHQ及び0.15gのDABCO、そして最後に0.15gのHQ及び0.27gのTNPPを添加した。
【0067】
実施例5:
NCO含有率が約3.43%になるまで、1,000gのポリエステル PE2、0.94gのTNPP、222gのIPDI及び0.36gのジブチル錫ジラウレートを用いて、実施例1に記載された操作によりオリゴマーを合成した。次に、116gのHEA、0.67gのTNPP、0.67gのHQ及び0.36gのDBTL、そして最後に0.33gのHQ、0.33gのTNPP及び573gのIBOAを添加した。2,000mPasの粘度(ヘプラー粘度計、60℃においてISO 12058)を得た。
【0068】
比較例6R:
アクリル化ポリエステルを以下のように製造した:攪拌器を装備した油浴に接続した1リットル容の二重ジャケット反応器に、400gのポリエステル PE1、31.7gのアクリル酸、14.2gのp−トルエンスルホン酸(PTSA)、288gのトルエン、0.73gの酸化銅(Cu2O)及び0.55gのMeHQ、0.73gのTNPPを入れた。その反応混合物を、酸素流れ下(1m/時間)で加熱して還流した(全体で115−120℃)。共沸蒸留により水を除去した。水が蒸留されなくなったときに0.6gのメチルハイドロキノン及び0.36gのTNPPを添加し、減圧下でトルエンを蒸留した。ポリエステルアクリレートは60℃において1,544mPasの粘度を有した。
【0069】
比較例7R
400gのポリエステル PE2、31.7gのアクリル酸、14.2gのPTSA、288gのトルエン、0.73gのCu2O、0.55gのMeHQ及び0.73gのTNPPを用いた他は、比較例6Rにおけるようにアクリル化ポリエステルを製造した。共沸蒸留の後に、0.36gのMeHQ及び0.36gのTNPPを添加した。ポリエステルアクリレートは60℃において898mPa.sの粘度(ヘプラー粘度計、60℃においてISO 12058)を有した。
【0070】
実施例8〜14及び比較例15R〜18R:
90部の、それぞれ実施例1、2、3、5、比較例6R、7Rで得られた生成物又は市販のアクリル化ウレタン[EBECRYL(登録商標)210及びEBECRYL(登録商標)8411]、5部の付着促進剤[EBECRYL(登録商標)171]、3部の光開始剤[ADDITOL(登録商標)CPK]、2部の光開始剤(TPO−L)を混合することにより、UV硬化性配合物を製造した。
【0071】
10μmバーコーターの方法により、熱浸漬亜鉛めっき鋼板(実施例8〜11及び比較例15R〜17R)又はクロメート化電気亜鉛処理鋼板(実施例12〜14)上に前記UV配合物を被覆し、120W/cmの非集中化中圧水銀蒸気ランプ(non focalised medium pressure mercury vapour lamp)からのUV放射線に暴露し、不粘着性フィルムを得た。
【0072】
耐溶媒性(ECCA T11)、クロスハッチ付着性(ISO 2409)、曲げ時における付着性及び亀裂抵抗性(T−ベンド試験、EN 13523−7)、迅速変形時における付着性及び亀裂抵抗性(裏面衝撃試験、ISO/DIS 6272−ASTM D2794)及び緩慢引張変形(slow drawn deformation)(ISO 1520)時における付着性について試料を試験した。
【0073】
得られた結果を下記の表に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
先に得られた結果の比較からわかるように、本発明によるオリゴマーは、改良された耐薬品性及び耐溶媒性を、改良された柔軟性、曲げ時及び迅速変形時における付着性及び亀裂抵抗性とともに同時に有する被覆物を得ることを可能にする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも0.3mg当量/gの量の重合性エチレン性不飽和基を有し、下記構造(I):
【化1】


[式中、(A)は、900より高い分子量M、30℃より低いガラス転移温度T及び/又は融点Tを有し、4〜14の炭素原子を有する飽和脂肪族多酸を少なくとも75モル%及び任意に他の多酸を0〜25モル%含有する酸成分並びにアルコール成分から得られる一つ以上のヒドロキシル官能性ポリエステルの残基であり、
(B)は、一つ以上のポリイソシアネートの残基であり、
(C)は、一つ以上のエチレン性不飽和ヒドロキシル化合物の残基であり、
xは0.5〜10である]
に応答する少なくとも一つの放射線硬化性オリゴマーを含有する放射線硬化性組成物。
【請求項2】
ヒドロキシル官能性ポリエステルが、10〜180mgのKOH/gのヒドロキシル価を有する、請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項3】
ヒドロキシル官能性ポリエステルが、酸成分の総量に対して、75〜100モル%の、4〜14の炭素原子を有する少なくとも一つの直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸及び任意に0〜25モル%の少なくとも一つの他の脂肪族、脂環式及び/又は芳香族のポリカルボン酸、並びにアルコール成分の総量に対して、25〜100モル%の少なくとも一つの分岐鎖脂肪族ジオール及び任意に0〜75モル%の少なくとも一つの他の脂肪族又は脂環式ポリオールから得られる、請求項1又は請求項2に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項4】
ポリイソシアネートが、脂肪族、脂環式及び/又は芳香族のジイソシアネート類から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項5】
エチレン性不飽和ヒドロキシル化合物がモノヒドロキシアルキルアクリレート(メタクリレート)類から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項6】
少なくとも15重量%の放射線硬化性オリゴマーを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項7】
5〜75重量%の少なくとも一つの放射線硬化性希釈剤を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項8】
放射線硬化性希釈剤が一官能価のアクリレート(メタクリレート)である、請求項7に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線硬化性組成物の、被覆用途への使用。
【請求項10】
物品が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線硬化性組成物で被覆される工程を含む、被覆された物品を製造する方法。
【請求項11】
(1)コイル状に巻かれた金属シートの巻きを解く工程、
(2)当該金属シートを当該硬化性組成物で被覆する工程、
(3)当該組成物を硬化する工程及び
(4)前記の被覆された金属シートを再びコイル状に巻く工程
を含む、請求項10に記載の方法。


【公表番号】特表2009−526874(P2009−526874A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553734(P2008−553734)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051045
【国際公開番号】WO2007/093512
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(505365965)サイテック サーフェース スペシャリティーズ、エス.エイ. (38)
【Fターム(参考)】