説明

放熱基板及びその製造方法、半導体モジュール

【課題】表面に配線パターンを形成することができ、かつ搭載するチップからの放熱を高効率で行うことができる放熱基板を得る。
【解決手段】この放熱基板10は、金属層11、複合シート12、絶縁シート13、金属薄膜層14が積層されて構成される。金属層11の上面側には、矩形形状をした凸部111が形成されている。一方、複合シート12には、この凸部111と嵌合する形状とされた開口部121が形成されている。複合シート12は、その面内方向にグラファイト層(グラファイト領域)と樹脂層(樹脂領域)とが交互に配された構造をもつ層である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュール等に用いられる放熱基板、及びその製造方法、この放熱基板が用いられた半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
大電流の動作を行うパワー半導体素子として、シリコンで構成されたダイオードやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が用いられている。これらの素子が形成された半導体チップが用いられた半導体モジュールにおいては、半導体チップからの放熱が効率的に行われるような構成とされる。
【0003】
このため、こうした場合においては、半導体チップは、高い熱伝導率をもった放熱基板に搭載される。放熱基板の材料としては、一般的には、銅やアルミニウム等、熱伝導率の高い金属が用いられる。しかしながら、更に高い熱伝導率をもった材料として、グラファイトがある。しかしながら、グラファイトの熱伝導にはその結晶構造に起因する異方性があり、一方向(一般的には薄膜における面内方向)におけるグラファイトの熱伝導率は1000〜2000W/m/K程度と極めて高いのに対して、これと垂直な方向(一般的には薄膜の厚さ方向)においては、1〜5W/m/K程度である。前者の値は銅、アルミニウム等の熱伝導率(高々300〜400W/m/K程度)と比べて高いものの、後者の値はこれらよりも大幅に低い。一方、放熱基板としては、どの方向においても高い熱伝導率をもつことが好ましい。
【0004】
グラファイトを用いた放熱基板としては、例えば、特許文献1にその構造が記載されている。この構成においては、グラファイト層と金属層とが交互に積層された構成が用いられている。この際、高い熱伝導率はグラファイト層の面内方向で得られ、その膜厚方向の熱伝導率は低い。しかしながら、この膜厚方向には金属層が積層されているため、膜厚方向における熱伝導率は金属層によって確保される。また、この積層構造を積層方向(各層の面内方向と垂直な方向:厚さ方向)に切断したシート状にすれば、このシートにおいては、前記と逆に、その厚さ方向における熱伝導はグラファイトによって確保され、かつ面内方向における熱伝導は金属層によって確保される。この積層構造の表面は、更にめっき層で保護され、この上に半導体チップが実装される。
【0005】
また、特許文献2には、グラファイトシートと粘着層とを交互に積層し、この積層構造を積層方向に切断したシートが記載されている。これにより、前記と同様に膜厚方向における高い熱伝導率をもったシートが得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−043851号公報
【特許文献1】特開2009−295921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の通り、放熱基板には半導体チップからの放熱を効率的に行うという機能が求められる。一方で、配線パターンを放熱基板上に形成し、この放熱基板を配線基板として使用する場合もある。特許文献1に記載の放熱基板は導電性であるため、こうした使用を行うことは困難である。
【0008】
特許文献2に記載の放熱基板においては、粘着層の熱伝導率はグラファイトと比べて著しく低い。また、この放熱基板の面内方向はグラファイト層の膜厚方向となるため、この放熱基板の面内方向におけるグラファイト層自身の熱伝導率も低い。このため、この放熱基板の膜厚方向における熱伝導率は高くなるものの、その面内方向における熱伝導率は著しく低い。このため、特にパワー半導体モジュールのように、搭載する半導体チップからの放熱を高効率で行うという目的には適さない。
【0009】
すなわち、表面に配線パターンを形成することができ、かつ搭載するチップからの放熱を高効率で行うことができる放熱基板を得ることは困難であった。
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の放熱基板は、面内方向において、六角形環が広がる方向が厚さ方向とされた複数のグラファイト領域が、樹脂領域を介して接合された構成を具備し、更に厚さ方向を貫通する開口部を具備する複合シートと、当該複合シートの下側に配され、前記開口部に嵌合する凸部が設けられた金属層と、前記複合シートの上部に配された絶縁シートと、当該絶縁シートの上部に配された金属薄膜層と、が積層された構成を具備することを特徴とする。
本発明の放熱基板において、前記絶縁シートはエポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の放熱基板において、前記樹脂層はエポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の放熱基板の製造方法は、放熱基板の製造方法であって、六角形環が広がる方向が面内方向とされたグラファイト層と、樹脂層とを交互に複数層積層して圧着した積層体を製造し、当該積層体を積層方向に沿って切断分離した後に、前記開口部を形成することによって前記複合シートを製造する複合シート製造工程と、前記金属層、前記複合シート、前記絶縁シート、及び前記金属薄膜層を積層し、熱圧着する接合工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の半導体モジュールは、前記放熱基板が用いられた半導体モジュールであって、前記金属薄膜層がパターニングされて複数の領域に分割され、少なくとも当該領域の一つの前記金属薄膜層の上に半導体チップが搭載されたことを特徴とする。
本発明の半導体モジュールは、前記半導体チップが搭載されない前記金属薄膜層の領域の直下に、前記複合シートにおける前記開口部が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のように構成されているので、表面に配線パターンを形成することができ、かつ搭載するチップからの放熱を高効率で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る放熱基板の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る放熱基板において用いられる複合シートの断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る放熱基板において用いられる複合シートの製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る放熱基板を用いて半導体モジュールを製造する工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態となる放熱基板の構造について説明する。この放熱基板は、下側から順に、金属層、複合シート、絶縁シート、金属薄膜層が積層されて構成される。ここで、複合シートにおいては、その面内方向において、六角形環が広がる方向が厚さ方向とされた複数のグラファイト領域が、樹脂領域を介して接合されてた構成を具備する。また、この複合シートには開口部が設けられ、この開口部は、金属層に設けられた凸部と嵌合している。最上部の金属薄膜層は、エッチング加工されることによって、半導体モジュールにおける配線パターンの一部とされる。
【0015】
図1は、この放熱基板10の構造を示す分解斜視図である。この放熱基板10は、金属層11、複合シート12、絶縁シート13、金属薄膜層14が積層されて構成される。ここで、金属層11、絶縁シート13、金属薄膜層14はそれぞれ同一材料で一様に構成されている。一方、複合シート12は、グラファイト層と樹脂層で構成されており、図2は、複合シート12のA−A方向(開口部のない箇所)の断面図である。
【0016】
金属層11の上面側(複合シート12と接合される側の面)には、矩形形状をした凸部111が形成されている。一方、複合シート12には、この凸部111と嵌合する形状とされた開口部121が形成されている。凸部111の高さは、複合シート12の厚さと同等とされる。この凸部111、開口部121の構成は、後述するように、半導体モジュールの形態に応じて適宜設定することが可能である。また、この放熱基板10においては、金属層11、複合シート12、絶縁シート13、金属薄膜層14が積層されて一体化された状態で、各層の間に空隙が形成されていないことが好ましい。このため、凸部111が形成された箇所以外の金属層11の上側の表面、開口部121が形成された箇所以外の複合シート12の表面、絶縁シート13の表面全域、及び金属薄膜層14の下側の表面は、平坦であることが好ましい。
【0017】
金属層11、金属薄膜層14は、共に銅や銅を主成分とする合金等で構成される。金属層11を図1に示された形状に加工する際には、例えばエッチング加工が用いられる。なお、金属層11はこの放熱基板10における支持基板となるために、図1における構成要素の中で最も厚く設定される。一方、金属薄膜層14は、後で配線パターンとされるため、その厚さは配線抵抗を考慮されて設定される。具体的には、金属層11の厚さ(凸部111のない箇所)は例えば2.0mm程度とされ、金属薄膜層14の厚さは例えば0.05mmとされる。
【0018】
絶縁シート13は、高い絶縁性をもち、かつ熱圧着によって複合シート12や金属薄膜層14と接合することのできる、例えばエポキシ樹脂で構成され、その厚さは例えば0.2mmとされる。また、絶縁シート13は、単一材料で構成される必要はなく、熱硬化性樹脂(この場合における硬化剤は熱可塑性樹脂とする)とアルミナ等からなる無機物フィラーを含むことができる。更にガラス繊維等も含ませることができる。
【0019】
図2に示されるように、複合シート12は、その面内方向にグラファイト層(グラファイト領域)122と樹脂層(樹脂領域)123とが交互に配された構造をもつ層である。なお、図2はその断面図であるが、図2における紙面と垂直方向にグラファイト層122、樹脂層123はそのまま延伸している。図3は、この製造方法を模式的に示す断面図である。
【0020】
この複合シート12は、以下に説明する積層シート製造工程によって製造される。まず、図3(a)に示されるように、グラファイト層122と樹脂層123とが積層される。ここで、グラファイト層122は、六角形環(六方晶系における六角形の結晶が亀の甲上に2次元的に広がった構成)が積層された形態の結晶構造をもつグラファイトで構成される。グラファイトにおいては、この六角形環が広がる方向における熱伝導率が高く、その積層方向における熱伝導率が低くなっている。この六角形環が広がる方向は、図3(a)中の矢印で示される方向であり、これは、この状態におけるグラファイト層122の面内方向(積層方向と垂直な方向)である。
【0021】
樹脂層123は、このグラファイト層122と圧着ができる材料として、例えばエポキシ樹脂で構成される。図示されるように、この構成のグラファイト層122と樹脂層123とが交互に複数積層される。また、絶縁シート13と同様に、樹脂層123も、単一材料で構成される必要はなく、熱硬化性樹脂(この場合における硬化剤は熱可塑性樹脂とする)とアルミナ等からなる無機物フィラーを含むことができる。更にガラス繊維等も含ませることができる。
【0022】
図3(b)に示されるように、この積層構造は熱加圧処理により一体化され、積層体125となる。
【0023】
その後、図3(c)に示されるように、積層体125を積層方向に沿って薄く切断してシート状とした複合シート12とする。図3(a)の状態においてはグラファイト層122の熱伝導率は面内方向で高く厚さ方向で低かったのに対し、この複合シート12においては、グラファイトの向きが90°変わったため、その熱伝導率は厚さ方向で高く面内方向で低くなっている。なお、樹脂層123の熱伝導率はどの方向でも低いために、複合シート12における面内方向の熱伝導に対するその寄与は小さい。
【0024】
図1に示されるように、この複合シート12には開口部121が設けられる。例えば、プレス打ち抜き加工を用いてこの開口部121を形成することができる。この際、この複合シート12は、図2に示されるように、薄い樹脂層123が厚さ方向に沿って多数設けられた断面構造をもつため、この打ち抜き加工は極めて容易である。
【0025】
この放熱基板10は、図1に示されるように、金属層11、複合シート12、絶縁シート13、金属薄膜層14を積層して熱圧着することによって製造される(接合工程)。なお、この接合を強固に行うために、金属層11の凸部111の平面視における形態を、複合シート12の開口部121よりも若干大きくすることが好ましい。この場合、この接合工程時に金属層11を構成する金属が軟化することにより、この接合を強固とすることができる。
【0026】
前記の通り、複合シート12における面内方向の熱伝導率は高くない。この放熱基板10においては、これを補完するために、複合シート12に開口部121が設けられ、この開口部121の中に金属層11の凸部111が嵌合される。金属層11を構成する金属の熱伝導率は、グラファイトの熱伝導率が高くなる方向(複合シート12における厚さ方向)におけるその熱伝導率よりも低いが、グラファイトの熱伝導率が低い方向(複合シート12における面内方向)におけるその熱伝導率よりも大幅に高い。このため、この複合シート12においては、凸部111が存在する箇所において、面内方向で高い熱伝導が得られる。この放熱基板10においては、面内方向で熱伝導率が高い領域と厚さ方向で熱伝導率が高い領域とを、凸部111(開口部121)の設定によって、適宜設定することができる。
【0027】
実際にこの放熱基板10を用いて半導体モジュールを形成する際の形態について以下に説明する。図4は、この製造工程を示す断面図である。
【0028】
図4(a)に示される形態の放熱基板10に対して、図4(b)に示されるように、最上部の金属薄膜層14を所望のパターンにパターニングする。このパターニングは、例えばフォトレジストをマスクとしたウェットエッチング等によって容易に行われる。このエッチングは、例えば金属薄膜層14が銅で構成される場合には、塩化第二鉄水溶液を用いて複合シート12等に悪影響を与えずに行うことができる。なお、金属層11と金属薄膜層14が同一の材料で構成される場合であっても、金属層11は金属薄膜層14よりも充分厚いため、このエッチングによって金属層11は大きな影響を受けない。金属層11が薄い場合には、これをマスキングすることにより、この工程を行うことができる。図4(b)中では、この工程によって、金属薄膜層14は、左から14a、14b、14cの3つの領域に分離される。
【0029】
次に、図4(c)に示されるように、金属薄膜層14aの上に半導体チップ20aを、金属薄膜層14cの上に半導体チップ20bを、はんだ等を用いて接合することによってそれぞれ搭載する。また、半導体チップ20a上の電極と金属薄膜層14bの間、及び半導体チップ20b上の電極と金属薄膜層14bの間をそれぞれボンディングワイヤ21で接続する。半導体チップ20a、20bとしては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、FRD(Fast Recovery Diode)、制御用IC等が用いられる。これらのうち、IGBTやFRDには大電流が流されるため、その発熱量は大きい。
【0030】
なお、半導体チップ20a、20bの裏面側(金属薄膜層14a、14cと接続される側)にも電極が形成されており、これらの電極は、はんだ等によってそれぞれ金属薄膜層14a、14cに電気的に接続される。金属薄膜層14a、14b、14c、ボンディングワイヤ21は、この半導体モジュールにおける電気回路が半導体チップ20a、20bを用いて構成されるように設定される。
【0031】
最後に、図4(d)に示されるように、この放熱基板10、半導体チップ20a、20b、ボンディングワイヤ21等を封止する形態で、樹脂材料からなるモールド層30を形成する。なお、この半導体モジュールにおけるリードは、金属薄膜層14a、14b、14c等と接続され、図4(d)における紙面と垂直の方向においてモールド層30から突出する形態で取り出される。これにより、これらのリードをこの半導体モジュールにおける入出力端子とすることができる。
【0032】
このように、上記の放熱基板10を用いて半導体モジュールを製造することができる。ここで、金属薄膜層14がパターニングされる前の放熱基板10を形成した後で、その最上部の金属薄膜層14のみをパターニングすることにより、金属薄膜層14を配線パターンとして用いることができる。この際、このパターニングよりも後の製造工程は、通常の半導体モジュールを製造する場合と同様である。また、絶縁シート13が金属薄膜層14の下に存在するため、金属薄膜層14を配線パターンとして用いることができる。
【0033】
この際、上記の構成の放熱基板10が用いられているため、半導体チップ20a、20bが発する熱は、放熱基板の厚さ方向及び面内方向に効率的に伝わり、放熱がなされる。放熱基板10における金属層11の凸部111(複合シート12における開口部121)の構成は、この半導体モジュールの構成に応じて適宜設定することができる。
【0034】
例えば、図4(d)の例においては、半導体チップ20a、20bがそれぞれ搭載された金属薄膜層14a、14cにおける発熱量は大きいのに対し、半導体チップが搭載されていない金属薄膜層14bにおける発熱量は小さい。このため、金属薄膜層14bの領域から下側に向かう(放熱基板10の厚さ方向下側に向かう)熱伝導率を高くする必要はない。一方、この両側の領域では半導体チップ20a、20bによる発熱の影響が大きく、この発熱を下側と共に左右方向にも伝達させることにより、放熱効率を高くすることができる。すなわち、金属薄膜層側からの熱伝導が小さな領域においては、厚さ方向よりも面内方向における熱伝導を高めることが好ましい。一方、金属薄膜層側からの熱伝導が大きな領域においては、面内方向よりも厚さ方向における熱伝導を高めることが好ましい。このため、金属薄膜層14bの直下においては、金属層11の凸部111が設けられ、厚さ方向の熱伝導よりも面内方向の熱伝導が重視された設定とされている。この放熱基板10においては、特にこうした設定を、グラファイトを用いて複合シート12における厚さ方向の熱伝導率を特に高めた状態で実現することができる。
【0035】
このように、凸部111(開口部121)の設定は、半導体モジュールの構成に応じて適宜行うことができる。あるいは、予め定められた設定で凸部111が設けられた放熱基板10を製造し、この凸部111の構成を考慮して、配線パターンとなる金属薄膜層14a、14b、14cの構成を定めることができる。これにより、この放熱基板10を、厚さ方向の熱伝導と面内方向の熱伝導を搭載される半導体チップの構成に適合させることができる。
【0036】
なお、上記の構成において、複合シートにおけるグラファイトの六角形環が広がる方向は厚さ方向とされたが、これを厳密に厚さ方向に一致させる必要はない。例えば、面内方向にもある程度の熱伝導率をもたせるために、この角度を適宜設定することができる。これは、複合シート製造工程において、積層体を切断する方向を調整することによって適宜行われる。また、複合シート12を図3におけるグラファイト層122に置き換えた構成として図1の放熱基板を形成することも可能である。この場合には、前記の放熱基板10とは逆に、面内方向の熱伝導はグラファイト層122によって支配され、厚さ方向の熱伝導は金属層11(凸部111)によって支配される放熱基板が得られる。
【0037】
また、凸部(開口部)の配列や形状は、上記の放熱基板が製造できる限りにおいて、任意である。また、金属層、金属薄膜層、絶縁シート、樹脂層を構成する材料についても、上記の放熱基板が製造できる限りにおいて、任意である。
【符号の説明】
【0038】
10 放熱基板
11 金属層
12 複合シート
13 絶縁シート
14、14a、14b、14c 金属薄膜層
20a、20b 半導体チップ
21 ボンディングワイヤ
30 モールド層
111 凸部
121 開口部
122 グラファイト層(グラファイト領域)
123 樹脂層(樹脂領域)
125 積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面内方向において、六角形環が広がる方向が厚さ方向とされた複数のグラファイト領域が、樹脂領域を介して接合された構成を具備し、更に厚さ方向を貫通する開口部を具備する複合シートと、
当該複合シートの下側に配され、前記開口部に嵌合する凸部が設けられた金属層と、
前記複合シートの上部に配された絶縁シートと、
当該絶縁シートの上部に配された金属薄膜層と、
が積層された構成を具備することを特徴とする放熱基板。
【請求項2】
前記絶縁シートはエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の放熱基板。
【請求項3】
前記樹脂層はエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の放熱基板。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の放熱基板の製造方法であって、
六角形環が広がる方向が面内方向とされたグラファイト層と、樹脂層とを交互に複数層積層して圧着した積層体を製造し、当該積層体を積層方向に沿って切断分離した後に、前記開口部を形成することによって前記複合シートを製造する複合シート製造工程と、
前記金属層、前記複合シート、前記絶縁シート、及び前記金属薄膜層を積層し、熱圧着する接合工程と、
を具備することを特徴とする放熱基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の放熱基板が用いられた半導体モジュールであって、
前記金属薄膜層がパターニングされて複数の領域に分割され、少なくとも当該領域の一つの前記金属薄膜層の上に半導体チップが搭載されたことを特徴とする半導体モジュール。
【請求項6】
前記半導体チップが搭載されない前記金属薄膜層の領域の直下に、前記複合シートにおける前記開口部が設けられたことを特徴とする請求項5に記載の半導体モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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