説明

放熱装置、パワーモジュール、パワーモジュールの製造方法

【課題】放熱性能を維持しつつ、放熱装置の変形を防止または抑制する。
【解決手段】一方面側に半導体素子を配置可能な絶縁基板の他方面側に、天板22と、底板24との間に、放熱フィン26を挟み接合させる放熱器20を備える。放熱フィン26は、底板24と接合する接合頂部25a,25bを含み、天板22と底板24との間隔にほぼ等しい振幅方向高さhを有する第1の部分26a,26dと、底板24と所定の間隙dを有する非接合頂部27a,27bを含み、天板22と底板24との間隔よりも小さい振幅方向高さhを有する第2の部分26b,26cと、を含むコルゲートフィンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱装置、パワーモジュール、パワーモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパワーモジュールについて説明する。図6に例示するパワーモジュール500は、DBA(ダイレクト・ボンディング・アルミニウム)法やDBC(ダイレクト・ボンディング・カッパー)法などによりその片面または両面に回路が形成された絶縁基板14の一方面側に半導体素子12が、他方面側に放熱装置116が、それぞれ接合されている。放熱装置116は、放熱器120と、必要に応じて設けられる放熱板118とを含み、絶縁基板14を介して伝達する、半導体素子12に由来する熱を、特に放熱フィン126を備える放熱器120から放散させることができる。
【0003】
このような構成を有するパワーモジュール500において、一般に線膨張係数が大きく異なる絶縁基板14と放熱装置116(放熱板118)との接合には、例えば600℃程度の高温でロウ付けし、これを冷却する手法を適用することができる。このとき、ロウ付け後、常温に戻る際に、絶縁基板14と放熱装置116とがそれぞれ収縮するが、両者の線膨張係数の相違に基づいて、収縮の程度が異なる。つまり、線膨張係数が比較的小さい絶縁基板14(セラミック系の絶縁材料の場合の一例(窒化アルミニウム)として、線膨張係数が4.5×10−6/K程度)に対し、線膨張係数が比較的大きな放熱装置116(アルミニウムやアルミニウム合金、銅、黄銅などの熱伝導性の高い材料の場合の一例(アルミニウム)として、線膨張係数が23×10−6/K程度)の方が、その収縮の程度が大きくなるため、放冷など、公知の冷却方法により常温(例えば、25℃)まで冷却を行うと、図7に示すように平面部材122,124を含む放熱器120や放熱装置116が変形してしまう場合があり得、さらに変形が進むと、場合によっては絶縁基板14と放熱装置116との間の接合強度や、パワーモジュールとしての耐久性が低下することもあり得た。
【0004】
例えば特許文献1〜4に示すように、絶縁基板や放熱装置および/または放熱板の反りを防止または抑制するためのさまざまな手法が知られている。
【0005】
特許文献1,2には、絶縁基板と放熱フィンとの間に貫通穴が形成された板材を挟んで接合し、応力を緩和することについて記載されている。
【0006】
特許文献3には、絶縁基板を予め放熱板の反対側に反らせておくことにより、接合後の反りを抑制することについて記載されている。
【0007】
特許文献4には、コルゲートフィンが絶縁基板側にのみ接合され、絶縁基板に対向する面では接合されていないパワーモジュールについて記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2008−124187号公報
【特許文献2】特開2006−294699号公報
【特許文献3】特開2006−202884号公報
【特許文献4】特開2006−310486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、放熱性能を維持しつつ、熱応力を緩和して放熱装置の変形を防止または抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の構成は以下のとおりである。
【0011】
(1)対面する第1の平面部材と第2の平面部材との間に放熱フィンを挟んでなる放熱器を備え、一方面側に半導体素子を配設可能な絶縁基板の他方面側に配置される放熱装置であって、前記第1の平面部材が、絶縁基板側に接合可能な絶縁基板側接合面と、前記放熱フィンと対向し、接合する第1の放熱フィン接合面とを含み、前記第2の平面部材が、前記放熱フィンと対向し、少なくともその一部が前記放熱フィンと接合する第2の放熱フィン接合面を含み、前記放熱フィンが、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔にほぼ等しい振幅方向高さを有し、前記第2の放熱フィン接合面と接合する第1の部分と、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔よりも小さい振幅方向高さを有し、前記第2の放熱フィン接合面と所定の間隙を有する第2の部分と、を含むコルゲートフィンである、放熱装置。
【0012】
(2)上記(1)に記載の放熱装置において、前記第2の平面部材の、前記第2の放熱フィン接合面とは反対の面が、発熱体を固定するための発熱体固定面である、放熱装置。
【0013】
(3)上記(2)に記載の放熱装置において、前記発熱体が、リアクトルまたはDC/DCコンバータである、放熱装置。
【0014】
(4)絶縁基板の一方面側に半導体素子を、前記絶縁基板の他方面側に放熱装置を、それぞれ配置してなるパワーモジュールであって、前記放熱装置が、対面する第1の平面部材と第2の平面部材との間に放熱フィンを挟んでなる放熱器を含み、前記第1の平面部材が、絶縁基板側に接合可能な絶縁基板側接合面と、前記放熱フィンと対向し、接合する第1の放熱フィン接合面とを含み、前記第2の平面部材が、前記放熱フィンと対向し、少なくともその一部が前記放熱フィンと接合する第2の放熱フィン接合面を含み、前記放熱フィンが、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔にほぼ等しい振幅方向高さを有し、前記第2の放熱フィン接合面と接合する第1の部分と、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔よりも小さい振幅方向高さを有し、前記第2の放熱フィン接合面と所定の間隙を有する第2の部分と、を含むコルゲートフィンである、パワーモジュール。
【0015】
(5)上記(4)に記載のパワーモジュールにおいて、前記第2の平面部材の、前記第2の放熱フィン接合面とは反対の面に、発熱体を固定してなる、パワーモジュール。
【0016】
(6)上記(5)に記載のパワーモジュールにおいて、前記第2の平面部材と前記発熱体との間に熱伝導性グリースを挟んでなる、パワーモジュール。
【0017】
(7)上記(5)または(6)に記載のパワーモジュールにおいて、前記発熱体が、リアクトルまたはDC/DCコンバータである、パワーモジュール。
【0018】
(8)上記(4)から(7)のいずれか1つに記載のパワーモジュールにおいて、前記絶縁基板と前記放熱装置との接合領域には放熱フィンの前記第1の部分と前記第2の部分とを備え、前記絶縁基板と前記放熱装置との非接合領域には放熱フィンの前記第1の部分のみを備える、パワーモジュール。
【0019】
(9)絶縁基板の一方面側に半導体素子を、前記絶縁基板の他方面側に放熱装置を、それぞれ配置してなるパワーモジュールの製造方法であって、前記放熱装置が、対面する第1の平面部材と第2の平面部材との間に放熱フィンを挟んでなる放熱器を含み、前記第1の平面部材が、絶縁基板側に接合可能な絶縁基板側接合面と、前記放熱フィンと対向し、接合可能な第1の放熱フィン接合面とを含み、前記第2の平面部材が、前記放熱フィンと対向し、少なくともその一部が前記放熱フィンと接合可能な第2の放熱フィン接合面を含み、前記放熱フィンが、前記第1の放熱フィン接合面と前記第2の放熱フィン接合面との間隔にほぼ等しい振幅方向高さを有し、前記第2の放熱フィン接合面と接合可能な第1の部分と、前記第1の部分よりも小さい振幅方向高さを有し、前記第2の放熱フィン接合面と所定の間隙を有する第2の部分と、を含むコルゲートフィンであり、前記絶縁基板と前記放熱装置とをロウ付けにより接合し、冷却する工程を含む、パワーモジュールの製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、放熱性能を維持しつつ、放熱装置の変形を防止または抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、各図面において同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成の概略を示す断面図である。図1に示すパワーモジュール100は、放熱装置116に代えて放熱装置16を備えることを除き、図5に示すパワーモジュール500とほぼ同様の構成を有している。放熱装置16は、放熱器20を備え、さらに図5に示す放熱板118とほぼ同様の構成を有する放熱板18を必要に応じて備え得る。
【0023】
図2は、図1に示す放熱装置16の構成をさらに説明するために、特に図1の領域Aについて示した拡大図である。図2において、放熱器20は、ほぼ同様の構成を有する平面状の板材である、天板22(第1の平面部材とも称する)と底板24(第2の平面部材とも称する)とが放熱フィン26を挟んでほぼ平行に対面している。
【0024】
図2において、天板22は、絶縁基板14側の部材(本実施の形態では、放熱板18)に接合する絶縁基板側接合面22aと、放熱フィン26と対向し、接合する放熱フィン接合面(第1の放熱フィン接合面とも称する)22bとを含む。一方、底板24は、放熱フィン26と対向し、少なくともその一部が放熱フィン26と接合する放熱フィン接合面(第2の放熱フィン接合面とも称する)24bを含む。
【0025】
また、放熱フィン26は、板材を、天板22の第1の放熱フィン接合面22bと接合する天板側頂部23と、底板24の第2の放熱フィン接合面24bと接合する底板側接合頂部25a,25bと、第2の放熱フィン接合面24bと離間して対面する底板側非接合頂部27a,27bとを含むように所望の波板形状に成形した、いわゆるコルゲートフィンである。
【0026】
図3は、本発明の実施の形態において適用可能な放熱フィン26の一例を説明するための、図2に示す天板22側から見た上面図である。図5に示す放熱フィン26は、放熱性向上の観点から、例えば0.3〜3.0mm程度の幅を有するスリット10を挟んで隣り合うコルゲート部分28aと28b、28bと28c、28cと28dの位相がそれぞれ互いにずれた、いわゆるオフセットフィンと称される配置にすることが可能である。また、作業性の向上や完成品の成形精度の観点から、スリット10を挟んで隣り合うコルゲート部分28a,28b,28c,28dはそれぞれ、少なくとも一方の端部29または両端部の一部を繋いで一体に成形することが可能である。なお、図5に示す放熱フィン26は一例であってこれに限るものではない。つまり、スリット10の配置は任意であり、またコルゲート部分28a,28b,28c,28dの位相がすべて同じであっても良く、さらにコルゲート部分28a,28b,28c,28dはそれぞれ、別々に成形したものを適切に配置したものであっても良い。
【0027】
このような構成を有する放熱フィン26は、図2に示すように、底板側接合頂部25a,25bを含み、底板24と接合する部分(第1の部分)26a,26dでは、天板22と底板24との間隔にほぼ等しい振幅方向高さ(h)を有しており、天板22または底板24とこれに当接する放熱フィン26の頂部とがロウ付けなどの手法により接合されている。一方、底板側非接合頂部27a,27bを含み、底板24と接合していない部分(第2の部分)26b,26cでは、天板22と底板24との間隔よりも小さい振幅方向高さ(h)を有し、第2の放熱フィン接合面24bと所定の間隙dを隔てて対面している。
【0028】
このような構成を有する放熱器20は、放熱フィン26の第2の部分26b,26cでは底板24と接合していないため、絶縁基板14と放熱装置16を構成する各部材間の線膨張係数の差に基づく影響が緩衝され、底板24の反りなどを含む放熱装置16の変形が抑制される。一方、放熱フィン26の第1の部分26a,26dでは、底板24と接合しているため、放熱性を確保することもできる。
【0029】
本実施の形態において、図2に示す放熱フィン26の底板側頂部と底板24とが接合する第1の部分と、放熱フィン26の底板側頂部と底板24とが接合しない第2の部分との配置は、図1,2に示す放熱器20と同様の比率や順序に限らず、例えば図1に示す半導体素子12の発熱特性や絶縁基板14と放熱装置16との間の線膨張係数の差の程度、放熱器20の物理的強度などの諸条件に応じて適宜設定することができるが、放熱装置16の変形を均等に防止または抑制するためには、少なくとも第1の部分(図2では、部分26a,26d)の配置は、等間隔であることが好ましい。
【0030】
本実施の形態において、放熱フィン26は断面がほぼUまたはS字波形状を有しているが、これに限定されるものではなく、成形性や強度、放熱性能などに応じて、例えば三角波形状、正弦波形状、矩形波形状またはこれらに類似する適切な波形状を適宜設定することができる。
【0031】
また、本実施の形態において、図2に示す間隙dは、底板24と接合されない程度であればいかなる大きさであっても良く、特に限定されるものではないが、放熱フィン26の成形精度やロウ付けなどの接合精度に応じて、例えば0.2〜1mm程度に設定することが可能である。間隙dが1mmを超えると、底板24の組成や厚みによっては放熱性能が低減する場合がある。
【0032】
[実施の形態2]
図4は、本発明の他の実施の形態におけるパワーモジュールの構成の概略を示す断面図である。図4に示すパワーモジュール200は、底板24の、放熱フィン接合面24bとは反対側の外側面24aに、発熱体30を備えることを除き、図1に示すパワーモジュール100とほぼ同様の構成を有している。
【0033】
図7に示すように、底板124が変形したパワーモジュールの場合、底板124の外側に発熱体30をさらに配置する場合には、例えば図8に示すように、発熱体30と底板124との間に生じた隙間に、熱伝導性グリース132などを挟み込み、固定する必要があり、発熱体30からの放熱が十分でない場合があり得た。これに対し、本実施の形態では、図4に示すように、発熱体30と底板24との間にはほとんど隙間がないことから、熱伝導性グリース32を少量適用することで密着、固定させることが可能となるため、発熱体30からの放熱性を確保することができる。本実施の形態によれば、天板22側に発熱体を配置する場合と比較すると放熱性が若干低い傾向があるものの、発熱体30として例えばリアクトルやDC/DCコンバータなどを配置し、熱伝導性グリース32として、シリコーングリースなどの高い熱伝導性を有する材料を適用する場合には、充分な放熱性を確保することが可能であり、パワーモジュールの小型化や放熱装置16の高効率化に寄与し得る。
【0034】
[実施の形態3]
図5は、本発明のさらに別の実施の形態におけるパワーモジュールの構成の概略を示す断面図である。図5に示すパワーモジュール300は、複数の半導体素子12a,12bを放熱する構成を有していることを除き、図1に示すパワーモジュール100とほぼ同様の構成を有している。
【0035】
図5に示すパワーモジュール300において、放熱板18a,18bおよび放熱器50を含む放熱装置46と絶縁基板14a,14bとが接合している接合領域40a,40bと、放熱装置46と絶縁基板とが接合していない非接合領域42とでは、放熱フィン56の形状が相違している。つまり、接合領域40aでは、放熱フィン56は、図2に示す放熱フィン26と同様に、放熱フィン56と底板54とが接合している部分(56c,56f)と、放熱フィン56と底板54とが接合していない部分(56a,56b,56d,56e,56g)とをそれぞれ有しており、接合領域40bにおいてもまた、放熱フィン56は接合領域40aとほぼ同様の形状を有している。これに対し、非接合領域42には、放熱装置の変形の要因となり得る絶縁基板が接合されていないため、放熱フィン56の頂部はすべて、接合領域40aの部分(56c,56f)と同様に、天板52または底板54と接合している。本実施の形態によれば、絶縁基板14a,14bとの接合領域40a,40bではある程度の放熱性の確保とともに放熱装置の変形を防止または抑制することができ、非接合領域42では高い放熱性を有する構成とすることにより、パワーモジュール300全体として放熱性能を維持しつつ、放熱装置の変形を防止または抑制することが可能となる。
【0036】
図5に示す本実施の形態において、底板54の、放熱フィン56とは反対側の外側面54aに、図4に示す構成と同様に、発熱体(図示せず)を配置させることができる。このとき、図示しない発熱体は、接合領域40a,40b、非接合領域42のいずれに配置しても良く、また、接合領域40a,40bの少なくともいずれか一方と非接合領域42との両者に跨がるように配置することも好適である。本実施の形態によれば、放熱器50を効率よく利用することができるため、パワーモジュールの小型化に寄与し得る。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、ハイブリッド車両に搭載されるハイブリッド(HV)インバータなど、各種のパワーモジュールに対し利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成の概略を示す断面図である。
【図2】図1に示す領域Aについて示した拡大図である。
【図3】放熱フィン26の一例を説明するための、図2に示す天板22側から見た上面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態におけるパワーモジュールの構成の概略を示す断面図である。
【図5】本発明のさらに別の実施の形態におけるパワーモジュールの構成の概略を示す断面図である。
【図6】従来のパワーモジュールの構成の概略を例示する断面図である。
【図7】図6に示すパワーモジュールにおいて、放熱装置の変形の様子を例示する断面図である。
【図8】図7に示す放熱器の底板側に発熱体を配置したパワーモジュールの構成の概略を例示する断面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 スリット、12,12a,12b 半導体素子、14,14a,14b 絶縁基板、16,46,116 放熱装置、18,18a,18b 放熱板、20,50,120 放熱器、22,52,122 天板(第1の平面部材)、23,25a,25b,27a,27b 頂部、24,54,124 底板(第2の平面部材)、26,56,126 放熱フィン、26a,26b、26c、26d、56a,56b,56c,56d,56e,56f,56g 部分、28a,28b,28c,28d コルゲート部分、29 端部、30 発熱体、32,132 熱伝導性グリース、40a,40b 接合領域、42 非接合領域、100,200,300,500 パワーモジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対面する第1の平面部材と第2の平面部材との間に放熱フィンを挟んでなる放熱器を備え、一方面側に半導体素子を配設可能な絶縁基板の他方面側に配置される放熱装置であって、
前記第1の平面部材が、絶縁基板側に接合可能な絶縁基板側接合面と、前記放熱フィンと対向し、接合する第1の放熱フィン接合面とを含み、
前記第2の平面部材が、前記放熱フィンと対向し、少なくともその一部が前記放熱フィンと接合する第2の放熱フィン接合面を含み、
前記放熱フィンが、前記第2の放熱フィン接合面と接合する接合頂部を含み、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔にほぼ等しい振幅方向高さを有する第1の部分と、前記第2の放熱フィン接合面と所定の間隙を有する非接合頂部を含み、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔よりも小さい振幅方向高さを有する第2の部分と、を含むコルゲートフィンであることを特徴とする放熱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放熱装置において、
前記第2の平面部材の、前記第2の放熱フィン接合面とは反対の面が、発熱体を固定するための発熱体固定面である、放熱装置。
【請求項3】
請求項2に記載の放熱装置において、
前記発熱体が、リアクトルまたはDC/DCコンバータである、放熱装置。
【請求項4】
絶縁基板の一方面側に半導体素子を、前記絶縁基板の他方面側に放熱装置を、それぞれ配置してなるパワーモジュールであって、
前記放熱装置が、対面する第1の平面部材と第2の平面部材との間に放熱フィンを挟んでなる放熱器を含み、
前記第1の平面部材が、絶縁基板側に接合可能な絶縁基板側接合面と、前記放熱フィンと対向し、接合する第1の放熱フィン接合面とを含み、
前記第2の平面部材が、前記放熱フィンと対向し、少なくともその一部が前記放熱フィンと接合する第2の放熱フィン接合面を含み、
前記放熱フィンが、前記第2の放熱フィン接合面と接合する接合頂部を含み、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔にほぼ等しい振幅方向高さを有する第1の部分と、前記第2の放熱フィン接合面と所定の間隙を有する非接合頂部を含み、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔よりも小さい振幅方向高さを有する第2の部分と、を含むコルゲートフィンであることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項5】
請求項4に記載のパワーモジュールにおいて、
前記第2の平面部材の、前記第2の放熱フィン接合面とは反対の面に、発熱体を固定してなる、パワーモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載のパワーモジュールにおいて、
前記第2の平面部材と前記発熱体との間に熱伝導性グリースを挟んでなる、パワーモジュール。
【請求項7】
請求項5または6に記載のパワーモジュールにおいて、
前記発熱体が、リアクトルまたはDC/DCコンバータである、パワーモジュール。
【請求項8】
請求項4から7のいずれか1項に記載のパワーモジュールにおいて、
前記絶縁基板と前記放熱装置との接合領域には放熱フィンの前記接合頂部と前記非接合頂部とを備え、
前記絶縁基板と前記放熱装置との非接合領域には放熱フィンの前記接合頂部のみを備える、パワーモジュール。
【請求項9】
絶縁基板の一方面側に半導体素子を、前記絶縁基板の他方面側に放熱装置を、それぞれ配置してなるパワーモジュールの製造方法であって、
前記放熱装置が、対面する第1の平面部材と第2の平面部材との間に放熱フィンを挟んでなる放熱器を含み、
前記第1の平面部材が、絶縁基板側に接合可能な絶縁基板側接合面と、前記放熱フィンと対向し、接合可能な第1の放熱フィン接合面とを含み、
前記第2の平面部材が、前記放熱フィンと対向し、少なくともその一部が前記放熱フィンと接合可能な第2の放熱フィン接合面を含み、
前記放熱フィンが、前記第2の放熱フィン接合面と接合する接合頂部を含み、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔にほぼ等しい振幅方向高さを有する第1の部分と、前記第2の放熱フィン接合面と所定の間隙を有する非接合頂部を含み、第1の平面部材と第2の平面部材との間隔よりも小さい振幅方向高さを有する第2の部分と、を含むコルゲートフィンであり、
前記絶縁基板と前記放熱装置とをロウ付けにより接合し、冷却する工程を含むことを特徴とするパワーモジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−161203(P2010−161203A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2472(P2009−2472)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】