説明

放熱装置及び電子機器

【課題】噴流発生器に放熱系のデバイス、あるいは熱伝達デバイス等を好適に組み合わせて放熱能力を向上させることができる放熱装置及びこの放熱装置を搭載した電子機器を提供すること。
【解決手段】放熱装置100は、噴流発生器20と、熱伝達デバイス31とを備えている。噴流発生器20は、筐体21内に振動板を有し、この振動板の振動によって筐体内の空気をノズル22a及び22bから吐出することで合成噴流を発生する。熱伝達デバイス31は、例えば、毛細管力等を利用して冷媒を循環させて、その冷媒の相変化により熱を輸送する熱輸送デバイスである。熱輸送デバイスとして、例えばヒートパイプが用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱源の熱を放出させるための放熱装置及びこれを搭載した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、PC(Personal Computer)の高性能化に伴うIC(Integrated Circuit)等の発熱体からの発熱量の増大が問題となっており、様々な放熱の技術が提案され、あるいは製品化されている。その放熱方法として、例えばICにアルミなどの金属でなる放熱用のフィンを接触させて、ICからの熱をフィンに伝導させて放熱する方法がある。また、ファンを用いることにより、例えばPCの筐体内の温まった空気を強制的に排除し、周囲の低温の空気を発熱体周辺に導入することで放熱する方法もある。あるいは放熱フィンとファンとを併用することにより、放熱フィンで発熱体と空気の接触面積を大きくしつつ、ファンにより放熱フィンの周囲の暖まった空気を強制的に排除する方法もある。
【0003】
しかしながら、このようなファンによる空気の強制対流では、放熱フィンの下流側でフィン表面の温度境界層が生起され、放熱フィンからの熱を効率的に奪えないという問題がある。このような問題を解決するためには、例えばファンの風速を上げて温度境界層を薄くすることが挙げられる。しかし、風速を上げるためにファンの回転数を増加させることにより、ファンの軸受け部分からの騒音や、ファンからの風が引き起こす風切り音などによる騒音が発生するという問題がある。
【0004】
一方、送風手段としてファンを用いずに、上記温度境界層を破壊し、放熱フィンからの熱を効率よく外気に逃がす方法として、周期的に往復運動する振動板を用いる方法がある(例えば特許文献1、2、3、4参照)。これらの装置のうち、特に特許文献3及び4の装置は、チャンバ内を空間的に概略二分する振動板と、振動板を支持しチャンバに設けられた弾性体と、振動板を振動させる手段とを備えている。これらの装置では、例えば振動板が上方向に変位したときには、チャンバの上部空間の体積が減少するため、上部空間の圧力が上昇する。上部空間は吸排気口を通じて外気と連通しているため、上部空間の圧力上昇によって、その内部の空気の一部が外気中に放出される。一方このとき、振動板を挟んで上部空間と反対側にある下部空間の体積は逆に増加するため、下部空間の圧力が下降する。下部空間は吸排気口を通じて外気と連通しているため、下部空間の圧力減少によって、吸排気口近傍にある外気の一部が下部空間内部に引き込まれる。これとは逆に、振動板が下方向に変位したときには、チャンバの上部空間の体積が増加するため、上部空間の圧力が下降する。上部空間は吸排気口を通じて外気と連通しているため、上部空間の圧力下降によって、吸排気口近傍にある外気の一部が上部空間内部に引き込まれる。一方このとき、振動板を挟んで上部空間と反対側にある下部空間の体積は逆に減少するため、下部空間の圧力は上昇する。下部空間の圧力上昇によって、その内部の空気の一部が外気中に放出される。振動板の駆動は例えば電磁駆動方式が用いられる。このように、振動板を往復運動させることによって、チャンバ内の空気が外気に排出される動作と、外気がチャンバ内に吸気される動作が周期的に繰り返される。このような、振動板の周期的な往復運動によって誘起される空気の脈流が放熱フィン(ヒートシンク)等に吹き付けられることにより、放熱フィンの表面にある温度境界層が効率よく破壊され、結果的に放熱フィンが効率良く冷却される。
【特許文献1】特開2000−223871号公報(図2)
【特許文献2】特開2000−114760号公報(図1)
【特許文献3】特開平2−213200号公報(第1図、第3図)
【特許文献4】特開平3−116961号公報(第3図、第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように脈流として噴流を発生する噴流発生器と、ヒートシンク等の放熱系とを如何にして組み合わせるかが、放熱能力の観点から重要な課題となってくる。一方、噴流発生器が、電子機器に内蔵される場合、噴流発生器やその周辺の放熱系の薄型化が要求される。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、噴流発生器に放熱系のデバイス、あるいは熱伝達デバイス等を好適に組み合わせて放熱能力を向上させることができる放熱装置及びこの放熱装置を搭載した電子機器を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、薄型化または小型化を実現することができる放熱装置及び電子機器を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、放熱装置を搭載した場合に放熱効率を向上させることができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る放熱装置は、筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、第1の発熱源の熱を前記筐体に伝達する熱伝達デバイスとを具備する。
【0010】
本発明では、第1の発熱源からの熱が熱伝達デバイスにより噴流発生器の筐体に伝達され、その熱は筐体内に含まれた気体に伝達される。噴流発生器は、その筐体内の熱を持つ気体を合成噴流として吐出することで放熱することができる。
【0011】
合成噴流とは、筐体から吐出された気体噴流が、その噴流と周囲の気体との気圧差により、該周囲の気体を巻き込んで合成された噴流である。
【0012】
噴流発生器は、脈流で気体を吐出し、その周期に同期して筐体外の気体を筐体内に吸入するように構成されている。したがって、熱を持つ気体が筐体内にこもってしまうことはない。
【0013】
「熱伝達デバイス」には、熱伝導性の部材(例えば、金属部材、カーボン材、セラミックス、または熱伝導性のシート等)が含まれる。あるいは、後述するように冷媒の相変化によって熱を輸送する熱輸送デバイスが含まれる。以下、同様である。
【0014】
気体は、例えば空気が挙げられるが、これに限らず、窒素、ヘリウムガス、あるいはアルゴンガス、その他の気体であってもよい。以下、同様である。
【0015】
本発明において、前記熱伝達デバイスは、冷媒の相変化により第1の発熱源の熱を輸送する第1の熱輸送デバイスである。この場合、第1の熱輸送デバイスの吸熱側が第1の発熱源に熱的に接続され、放熱側が筐体に熱的に接続される。「熱的に接続される」とは、第1の熱輸送デバイスと筐体とが直接接続されているか、または、両者が熱伝導可能な部材(流体は含まれない)を介して接続されていることを意味する。以下、同様である。
【0016】
本発明において、放熱装置は、前記噴流発生器から吐出された前記気体が吹き付けられるヒートシンクをさらに具備する。本発明では、筐体から吐出された、熱を持つ気体がヒートシンクに吹き付けられ、ヒートシンクからその熱が放出される。噴流発生器から吐出される気体は合成噴流であるため、筐体外の気体(筐体内より低温度の気体)が吐出された噴流に巻き込まれながらヒートシンクに供給される。これにより、放熱能力を高めることができる。
【0017】
本発明において、放熱装置は、前記ヒートシンクに熱的に接続され、該ヒートシンクに第2の発熱源の熱を伝達するために、冷媒の相変化により熱を輸送する第2の熱輸送デバイスをさらに具備する。本発明は、発熱源が分かれて2つ以上ある場合に、特に有効である。
【0018】
本発明において、前記第1の熱輸送デバイスは、前記筐体にカシメまたは半田により接続されている。これにより、極力、熱伝達の抵抗を少なくして第1の熱輸送デバイスと筐体とを接続することができる。
【0019】
本発明において、前記筐体は、前記第1の熱輸送デバイスが熱的に接続される金属でなる部分を有する。これにより、第1の熱輸送デバイスから筐体への熱伝導性を高めることができる。
【0020】
本発明において、前記筐体は、前記第1の熱輸送デバイスが嵌め込まれるように、該第1の熱輸送デバイスが当たる位置に凹部または穴を有する。これにより、放熱装置の幅または厚さを小さくすることができ、小型化または薄型化を実現することができる。
【0021】
本発明において、前記噴流発生器は、前記気体を吐出するために前記筐体内の前記気体に圧力変化を与えることが可能な振動体と、前記振動体を駆動する駆動体とを有し、前記筐体は、前記振動体が振動することで前記気体を吐出させることが可能な開口を有する。筐体内のチャンバは1つでもよいし、2つであってもよい。振動体が複数ある場合、チャンバが3つ以上となる場合もある。駆動体の駆動方式としては、例えば電磁作用、圧電作用または静電作用を利用することができる。
【0022】
本発明において、前記噴流発生器は、前記筐体内で前記振動体の振動方向に該振動体により分離され、前記気体が含まれる第1及び第2のチャンバと、前記第1及び第2のチャンバのうち少なくとも一方側に配置され、前記筐体の一部を構成する金属板とを有する。金属板は、例えば樹脂等に比べ強度が高いので筐体を薄くすることができる。その上、例えば振動体が電磁式のモータでなる場合であって、振動体が筐体内にある場合、その金属板によって漏れ磁界を抑えることができる。この場合、磁気シールド効果を発揮させるために、金属板としては透磁率の高いものが用いられることが好ましい。
【0023】
さらに、第1の熱輸送デバイスが前記金属板に熱的に接続されていれば、放熱装置の放熱能力を高めることが可能となる。
【0024】
本発明において、前記金属板が、前記第1及び第2のチャンバのうち前記第1のチャンバ側に配置され、前記駆動体は、前記第2のチャンバ側で前記筐体の一部を構成するヨークを有する電磁式のモータでなる。このように、モータが有するヨークが筐体の一部を構成することで、噴流発生器の薄型化を達成できる。さらに、金属板があることで、第1のチャンバ側でヨークからの漏れ磁界をシールドすることができる。
【0025】
本発明において、前記振動体及び前記駆動体は、当該放熱装置を搭載する電子機器が有するスピーカを構成し、前記噴流発生器は、前記スピーカから発生する音を、前記開口を介して前記電子機器の外部に出力する。これにより、電子機器のスピーカを利用して電子機器の外部に、第1の発熱源の熱を放出することが可能となる。
【0026】
本発明の他の観点に係る放熱装置は、筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、前記筐体から吐出される前記気体が吹き付けられるヒートシンクと、発熱源の熱を前記ヒートシンクに伝達する熱伝達デバイスとを具備する。
【0027】
本発明では、噴流発生器によりヒートシンクに気体が吹き付けられる。これにより、熱伝達デバイスを介して発熱源から伝達されてきた熱を持つヒートシンクを冷却することができる。
【0028】
本発明に係る電子機器は、発熱源と、前記発熱源を内蔵する外筐と、筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、前記発熱源の熱を前記筐体に伝達する熱伝達デバイスとを具備する。
【0029】
電子機器としては、コンピュータ(パーソナルコンピュータの場合、ラップトップ型であっても、デスクトップ型であってもよい。)、PDA(Personal Digital Assistance)、電子辞書、カメラ、ディスプレイ装置、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、携帯電話、ゲーム機器、カーナビゲーション機器、ロボット機器、その他の電化製品等が挙げられる。以下、同様である。
【0030】
この場合、熱伝達デバイスは、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、熱伝導性セラミックス、または窒化ケイ素を含む形態が考えられる。外筐は、アルミニウム、マグネシウム合金、ステンレス等の金属、または熱伝導率の高い樹脂でなる形態が考えられる。
【0031】
本発明において、前記噴流発生器は、前記気体を吐出するために前記筐体内の前記気体に圧力変化を与えることが可能な振動体を有するスピーカを有し、前記筐体は、前記外筐の一部を構成する部分と、前記外筐の一部を構成する部分に設けられ、前記気体を前記外筐の外部へ吐出させることが可能であり、前記スピーカから発生する音を前記外筐の外部に出力することが可能な開口とを有する。特に、電子機器がビデオ撮影機器の場合、近年、HD(High Definition)化が進みつつあり、発熱量も増加しているので、本発明は有効なものとなる。また、スピーカと噴流発生器の振動体とが兼用であるので、電子機器の小型化も実現することができる。
【0032】
本発明において、電子機器は、前記振動体を可聴周波数域以外の周波数で振動させるように制御する制御手段をさらに具備する。例えば制御手段は、スピーカがスピーカとして使用されていない時に、振動体を可聴周波数域以外の周波数で振動させるように制御することができる。
【0033】
本発明において、前記噴流発生器は、前記気体を吐出するために前記筐体内の前記気体に圧力変化を与えることが可能な圧電デバイスを有する。このように圧電デバイスを振動させることによっても、合成噴流を発生させることができる。
【0034】
この場合、当該電子機器は、前記圧電デバイスを振動させて音を出力するスピーカを有するビデオ撮影機器であってもよい。
【0035】
また、前記圧電デバイスは、前記筐体の一部を構成することにより、電子機器の小型化を実現できる。
【0036】
本発明において、前記外筐は底面に開口を有し、当該電子機器は、前記底面から突出するように設けられた脚部をさらに具備していてもよい。これにより、第1の開口を外筐の底面に設けた場合でも、脚部を設けることにより、電子機器が載置される面と開口との間に空間が生まれるため、外筐の内外での換気を促進して発熱源の放熱を行うことができる。
【0037】
また本発明において、前記外筐は、前記気体を外筐内へ吸入するための第1の開口と、前記合成噴流を前記外筐外へ排出するための第2の開口とを有し、当該電子機器は、前記外筐に、前記第1の開口と前記第2の開口との間の前記気体の流通を阻害するように設けられた壁部をさらに具備していてもよい。これにより、第2の開口から排出された温かい合成噴流が第1の開口から引き戻されて外筐内に吸入されてしまうのを防ぎ、効率よく放熱を行うことができる。
【0038】
この場合、前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、前記壁部は、前記外筐の外周部側から前記第1の開口へ前記気体を導く流路を前記外筐とともに形成するように前記底面に設けられていてもよい。これにより、上記合成噴流の第1の開口への引き戻しを防ぐとともに、第1の開口が外筐の底面に設けられた場合でも、外筐内部の発熱源により外筐底面周辺の温められた気体が第1の開口から吸入されるのを防ぎ、外筐の外周部側から温度の低い気体を第1の開口に導くことができ、効率よく放熱を行うことができる。
【0039】
またこの場合、前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、前記壁部は前記外筐の脚部となるように前記底面に設けられるようにしても構わない。これにより、上記壁部と外筐の脚部とを兼用することができ、外筐の内外での換気を促進しながら効率よく放熱を行うことができる。
【0040】
本発明において、当該電子機器は、前記発熱源と、前記噴流発生器と、前記熱伝達デバイスとを内蔵する第1の外筐と、表示部を有し前記第1の外筐に対して開閉可能に連結された第2の外筐とを有するラップトップ型コンピュータであり、前記第1の外筐は、前記第1の外筐の上面であって、かつ、前記第1の外筐の背面近傍の、前記第2の外筐が開いた状態で前記表示部の裏側となる位置に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第1の開口と、前記第1の外筐の底面に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第2の開口と、前記背面に設けられ、前記合成噴流を前記第1の外筐外へ排出するための第3の開口と、前記底面から突出するように設けられた脚部とを有していてもよい。
【0041】
これにより、第2の外筐が開いた状態において、吸気または排気により第1〜第3の開口から発生するユーザへの直進音が第1及び第2の外筐によりいずれも遮断されることとなり、ユーザが感じる騒音を極力なくすことができる。また、吸気のための開口を第1の外筐の上面と底面とに設けることで、吸気効率を向上させ、放熱効率を向上させることができる。
【0042】
この場合、前記第2の開口よりも前記側面側に、前記第1の外筐の側面に沿って前記底面から突出するように設けられた壁部をさらに具備していてもよい。これにより、第1の外筐の側面側からの音漏れを防止して、さらに静音性を向上させることができる。
【0043】
本発明の他の観点に係る電子機器は、発熱源と、筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、前記筐体から吐出される前記気体が吹き付けられるヒートシンクと、前記発熱源の熱を前記ヒートシンクに伝達する熱伝達デバイスとを具備する。
【0044】
本発明において、前記外筐は底面に開口を有し、当該電子機器は、前記底面から突出するように設けられた脚部をさらに具備していてもよい。これにより、第1の開口を外筐の底面に設けた場合でも、脚部を設けることにより、外筐の内外での換気を促進して発熱源の放熱を行うことができる。
【0045】
この場合、前記外筐は、前記気体を外筐内へ吸入するための第1の開口と、前記ヒートシンクへ吹き付けられた気体を前記外筐外へ排出するための第2の開口とを有し、当該電子機器は、前記外筐に、前記第1の開口と前記第2の開口との間の前記気体の流通を阻害するように設けられた壁部をさらに具備していてもよい。これにより、第2の開口から排出された温かい合成噴流が第1の開口から引き戻されて外筐内に吸入されてしまうのを防ぎ、効率よく放熱を行うことができる。
【0046】
またこの場合、前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、前記壁部は、前記外筐の外周部側から前記第1の開口へ前記気体を導く流路を前記外筐とともに形成するように前記底面に設けられていても構わない。これにより、上記合成噴流の第1の開口への引き戻しを防ぐとともに、外筐の外周部側から温度の低い気体を第1の開口に導くことができ、効率よく放熱を行うことができる。
【0047】
また、上述したように外筐が第1及び第2の開口を有し、電子機器が壁部を具備する構成の場合、前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、前記壁部は前記外筐の脚部となるように前記底面に設けられていてもよい。これにより、上記壁部と外筐の脚部とを兼用することができる。
【0048】
また本発明において、上述したように電子機器が発熱源と噴流発生器とヒートシンクと熱伝達デバイスとを具備する構成の場合、当該電子機器は、前記発熱源と、前記噴流発生器と、前記熱伝達デバイスとを内蔵する第1の外筐と、表示部を有し前記第1の外筐に対して開閉可能に連結された第2の外筐とを有するラップトップ型コンピュータであり、前記第1の外筐は、前記第1の外筐の上面であって、かつ、前記第1の外筐の背面近傍の、前記第2の外筐が開いた状態で前記表示部の裏側となる位置に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第1の開口と、前記第1の外筐の底面に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第2の開口と、前記背面に設けられ、前記ヒートシンクへ吹き付けられた気体を前記第1の外筐外へ排出するための第3の開口と、前記底面から突出するように設けられた脚部とを有していてもよい。
【0049】
これにより、第1〜第3の開口から発生するユーザへの直進音を遮断して静音性を向上させることができるとともに、吸気のための開口を2つ設けることで、放熱効率を向上させることができる。
【0050】
この場合、前記第2の開口よりも前記側面側に、前記第1の外筐の側面に沿って前記底面から突出するように設けられた壁部をさらに具備していても構わない。これにより、第1の外筐の側面側からの音漏れを防止して、さらに静音性を向上させることができる。
【0051】
本発明のさらに別の観点に係る電子機器は、発熱源と、前記発熱源を内蔵する外筐と、筐体を有し、前記筐体から気体を吐出するファンと、前記発熱源の熱を前記筐体に伝達する熱伝達デバイスとを具備する。ファンは、例えば軸流ファンや遠心ファンがあるが、特に、遠心ファンが好ましい。
【0052】
本発明のさらに別の観点に係る電子機器は、発熱源と、筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、前記発熱源及び前記噴流発生器を内蔵し、底面に第1の開口を有する外筐と、前記底面から突出するように設けられた脚部とを具備する。
【0053】
これにより、第1の開口から導入されて発熱源により温められた気体を、第1の開口から合成噴流として排出することで、発熱源を放熱することができる。第1の開口を外筐の底面に設けた場合でも、脚部を設けることにより、電子機器が載置される面と開口との間に空間が生まれるため、外筐の内外での換気を促進して放熱効率を向上させることができる。なお、ここで発熱源とは、IC等、自ら熱を発する物体のみならず、ヒートシンク等、他の発熱源から熱を伝導される物体も含むものである。
【0054】
本発明のさらに別の観点に係る電子機器は、発熱源と、筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、前記発熱源及び前記噴流発生器を内蔵し、前記気体を吸入するための第1の開口と、前記合成噴流を排出するための第2の開口とを有する外筐と、前記外筐に、前記第1の開口と前記第2の開口との間の前記気体の流通を阻害するように設けられた壁部とを具備する。
【0055】
これにより、発熱源により温められた気体を、外筐の底面の開口から合成噴流として排出することで、発熱源を放熱することができる。また、壁部を設けることで、第2の開口から排出された温かい合成噴流が第1の開口から引き戻されて外筐内に吸入されてしまうのを防ぎ、効率よく放熱を行うことができる。
【0056】
この場合、前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、前記壁部は、前記外筐の外周部側から前記第1の開口へ前記気体を導く流路を前記外筐とともに形成するように前記底面に設けられていてもよい。これにより、上記合成噴流の第1の開口への引き戻しを防ぐとともに、第1の開口が外筐の底面に設けられた場合でも、外筐の外周部側から温度の低い気体を第1の開口に導くことができ、効率よく放熱を行うことができる。
【0057】
またこの場合、前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、前記壁部は前記外筐の脚部となるように前記底面に設けられていても構わない。これにより、上記壁部と外筐の脚部とを兼用することができる。
【0058】
また、上述したように電子機器が、発熱源と噴流発生器と外筐と脚部とを具備する構成の場合、当該電子機器は、前記発熱源及び前記噴流発生器を内蔵し、前記気体を吸入するために前記底面に前記第1の開口を有する第1の外筐と、表示部を有し前記第1の外筐に対して開閉可能に連結された第2の外筐とを有するラップトップ型コンピュータであり、前記第1の外筐は、前記第1の外筐の上面であって、かつ、前記第1の外筐の背面近傍の、前記第2の外筐が開いた状態で前記表示部の裏側となる位置に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第2の開口と、前記背面に設けられ、前記合成噴流を前記第1の外筐外へ排出するための第3の開口とを有していてもよい。これにより、ラップトップ型コンピュータにおいて、表示部が設けられた第2の外筐を利用して、第1〜第3の開口から発生するユーザへの直進音を遮断して騒音を低減することができるとともに、吸気のための開口を第1の外筐の上面及び底面に設けることで、放熱効率を向上させることができる。
【0059】
この場合、前記第2の開口よりも前記側面側に、前記第1の外筐の側面に沿って前記底面から突出するように設けられた壁部をさらに具備していてもよい。これにより、第1の外筐の側面側からの音漏れを防止して、さらに静音効果を向上させることができる。
【発明の効果】
【0060】
以上のように、本発明によれば、噴流発生器に放熱系のデバイス、あるいは熱伝達デバイス等を好適に組み合わせて放熱能力を向上させることができる。また、放熱装置の薄型化または小型化を実現することができる。さらに、放熱装置を電子機器に搭載した場合の放熱効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0062】
本発明の実施の形態に係る放熱装置を説明する前に、まず噴流発生器の実施形態について説明する。
【0063】
図1は、本発明の一実施の形態に係る噴流発生器を示す斜視図である。図2は、図1に示す噴流発生器の断面図である。
【0064】
噴流発生器10は、後部が円筒状をなす筐体1と、筐体1内に配置された振動装置15とを備えている。筐体1の前面1aには、ノズル2a及び2bがそれぞれ複数配列されている。図2に示すように、筐体1の内部は、振動装置15と、この振動装置15が取り付けられる取付部7によって、上部チャンバ11a及び下部チャンバ11bに分離されている。ノズル2a及び2bが取り付けられている筐体1の前面1aには、ノズル2a及び2bに対応する位置に開口12a及び12bが形成されている。これにより、上部チャンバ11a及び下部チャンバ11bは筐体1の外部の大気にそれぞれ連通している。各チャンバ11aと11bとは、容積がほぼ同じとなっている。すなわち、振動装置15が上部チャンバ11aに配置される分、下部チャンバ11bより上部チャンバ11aの方が図2中の上下方向(厚さ方向)で厚くなっている。これにより、後述するようにノズル2a及び2bから交互に吐出される気体量を同じにすることができ、静音性が向上する。
【0065】
筐体1の形状は、図1に示すような形状に限られず、直方体状、円柱状、あるいはそれ以外の形状であってもよい。
【0066】
振動装置15は、例えばスピーカに類似した構成を有している。振動装置15は、フレーム4と、フレーム4に装着されたアクチュエータ5と、弾性支持部材6によってフレーム4に支持された振動体(振動板)3とを有している。振動板3は、例えば円板状でなる。振動板3は、円板状に限らず、筐体1の形状に合わせて楕円形や矩形であってもよい。あるいは、振動板3は、板状に限らず、剛性を確保するために図示しない側板等が設けられた立体的な形状であってもよい。フレーム4には、フレーム4の内外で筐体1内に含まれた空気を流通させるための流通口4aが形成されている。
【0067】
振動板3は、例えば樹脂、紙、または金属でなる。特に、振動板3が紙でなることにより、非常に軽量化される。紙は、樹脂ほど任意な形状に作製しにくいが、軽量化では有利である。振動板3が樹脂の場合、成形により任意の形状に作製しやすい。一方、振動板3が金属の場合、マグネシウムのような軽量で射出成形が可能な材料があるので、場合に応じて使用できる。
【0068】
図3は、アクチュエータ5を示す拡大断面図である。円筒状のヨーク8の内側に、振動板3の振動方向Rに着磁されたマグネット14が内蔵され、マグネット14には、例えば円板状のヨーク18が取り付けられている。このマグネット14、ヨーク8及び18により図4に示すような磁界が発生し、磁気回路が構成される。マグネット14とヨーク8との間の空間には、コイル17が巻回されたコイルボビン9が出入りするようになっている。すなわち、アクチュエータ5はボイスコイルモータでなる。アクチュエータ5には、給電線16により、例えば図示しない駆動用のICから電気信号が供給される。ヨーク8はフレーム4の内側中央に固定され、コイルボビン9は振動板3の表面に固定されている。平板状のヨーク18は、上述のように例えば円板形である。しかし、円でなくても楕円や、矩形状でもよい。このようなアクチュエータ5により、振動板3を矢印Rの方向に振動させることができる。
【0069】
筐体1は、例えば、樹脂、ゴム、または金属でなる。樹脂やゴムは成形で作製しやすく量産向きである。また、筐体1が樹脂やゴムの場合、アクチュエータ5の駆動により発生する音、あるいは振動板3が振動することにより発生する空気の気流音等を抑制することができる。つまり、筐体1が樹脂やゴムの場合、それらの音の減衰率も高くなり、騒音を抑制することができる。さらに、軽量化に対応でき、低コストとなる。樹脂等の射出成形で筐体1が作製される場合は、ノズル2a及び2bと一体で成形することが可能である。筐体1が熱伝導性の高い材料、例えば金属でなる場合、アクチュエータ5から発せられる熱を筐体1に逃がして筐体1の外部に放熱することができる。金属としては、アルミニウムや銅が挙げられる。熱伝導性を考慮する場合、金属に限らず、カーボンであってもよい。金属としては、射出成形が可能なマグネシウム等も用いることができる。アクチュエータ5の磁気回路からの漏れ磁界が機器の他のデバイスに影響する場合は、漏れ磁界を無くす工夫が必要である。その一つが、筐体1を磁性材料、例えば鉄等にすることである。これにより、漏れ磁界はかなりのレベルで低減される。さらに、高温での使用や、特殊用途ではセラミックスの筐体であってもよい。
【0070】
上述したように、放熱のために筐体1に高熱伝導材料が用いられる場合、フレーム4も熱伝導性の高い材料を用いることが好ましい。この場合、フレーム4も金属やカーボンが用いられる。しかし、熱伝導をあまり考慮しない場合、フレーム4は、例えば樹脂が用いられる。樹脂であれば、安価で軽量なフレームを射出成形で作製することができる。フレーム4の一部を磁性体とすることもできる。これにより、その磁性体でアクチュエータ5のヨークを構成することができ、磁束密度を高めることも可能である。
【0071】
弾性支持部材6は、例えばゴムや樹脂等でなる。弾性支持部材6はベローズ状をなし、上面から見る場合、円環形状をなしている。振動板3は、主にアクチュエータ5により支持されるが、振動板3の振動方向Rとは垂直方向の振れである横振れを防止するために、弾性支持部材6は振動体3を支持する機能を有している。また、弾性支持部材6は、上記したように、チャンバ11a及び11bを分離し、振動体3が振動するときに、チャンバ11a及び11b間での気体の流通を阻止する。
【0072】
なお、筐体1にはノズル2a及び2bが設けられる構成としたが、ノズルではなく、筐体1に単に開口が設けられている構成であってもかまわない。
【0073】
以上のように構成された噴流発生器10の動作について説明する。
【0074】
アクチュエータ5に例えば正弦波の交流電圧が印加されると、振動体3は正弦波振動を行う。これにより、チャンバ11a及び11b内の容積が増減する。チャンバ11a及び11bの容積変化に伴い、それらチャンバ11a及び11bの圧力が変化し、これに伴い、それぞれノズル2a及び2bを介して空気の流れが脈流として発生する。例えば、振動体3がチャンバ11aの容積を増加させる方向に変位すると、チャンバ11aの圧力は減少し、チャンバ11bの圧力は増加する。これによりノズル2aを介して筐体1の外部の空気がチャンバ11a内に流れ込み、チャンバ11bにある空気がノズル2bを介して外部に噴出される。逆に、振動体3がチャンバ11aの容積を減少させる方向に変位すると、チャンバ11aの圧力は増加し、チャンバ11bの圧力は減少する。これによりチャンバ11aにある空気がノズル2aを介して外部に噴出され、ノズル2bを介して外部の空気がチャンバ11b内に流れ込む。ノズル2a及び2bから空気が噴出されるときにノズル2a及び2bの周囲の気圧が低下することにより、当該周囲の空気が各ノズルから噴出される空気に巻き込まれる。すなわち、これが合成噴流である。このような合成噴流が、例えばヒートシンク等の発熱体や高熱部に吹き付けられることにより、当該発熱体や高熱部を冷却することができる。
【0075】
一方、ノズル2a及び2bから空気が噴出されるときに、各ノズル2a及びノズル2bから独立して騒音が発生する。しかしながら、各ノズル2a及びノズル2bとで発生する各音波は逆位相の音波であるため互いに弱められる。これにより、騒音が抑制され、静音化を図ることができる。
【0076】
図5は、本発明の他の形態に係る噴流発生器を示す断面図である。図6は、図5におけるA−A線断面図である。図5及び図6において、図1に示す噴流発生器10の部材や機能等について同様のものは説明を簡略または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0077】
この噴流発生器20は、ノズル部22と、筐体21とが別部品で構成されている。このように別部品に構成される理由は、ノズル部22及び筐体をそれぞれ一体成形することができ、製造が容易になるからである。ノズル部22は、複数のノズル22a及び複数のノズル22bを有している。筐体21の前面、つまり、筐体21の、ノズル部22が配置される側は開口され、チャンバ21aがノズル部22の内部の領域26aに連通し、チャンバ21bは領域26bに連通している。図6に示すように、チャンバ21aとチャンバ21bとは、前面側(図中左側)では、弾性支持部材6が装着される仕切り部材24によって分割されている。なお、給電線16は、筐体21の背面側に取り付けられた端子台(または回路基板)23に接続されている。図1における給電線16も図5と同様に構成されればよい。
【0078】
アクチュエータ5の円筒状ヨーク8は、筐体21の一部を構成しており、ヨーク8が筐体21の外部に露出している。このようにアクチュエータ5が筐体1に取り付けられることにより、図1の噴流発生器10に比べ、噴流発生器20の図中高さ方向、つまり厚さが薄くなる。
【0079】
図7は、本発明の一実施の形態に係る放熱装置を示す斜視図である。
【0080】
放熱装置100は、上述の図5及び図6に示した噴流発生器20と、熱伝達デバイス31とを備えている。熱伝達デバイス31は、例えば、毛細管力等を利用して冷媒を循環させて、その冷媒の相変化により熱を輸送する熱輸送デバイスである。熱輸送デバイスとして、例えばヒートパイプが用いられる。ヒートパイプのようにパイプ形状に限られず、プレート状で薄型の熱輸送デバイスであってもよい。
【0081】
ヒートパイプ31の吸熱側31aには、例えばヒートスプレッダ29が接続されている。ヒートスプレッダ29には、IC等の発熱源105が取り付けられる。噴流発生器20の筐体21の上面にはヒートパイプ31の放熱側31bが接続されている。ヒートパイプ31は、接着剤等によって筐体21に接着されればよい。あるいは、図8に示すように、例えば半田33により接続されれば、熱伝達性が向上する。
【0082】
あるいは、カシメによりヒートパイプ31が筐体21に接続されてもよい。この場合、具体的には、図9及び図10に示すように、筐体21の一部にヒートパイプ31が入るような穴を開けておき、その穴へヒートパイプ31を挿入し、外側から筐体21ごと加圧して、筐体21を塑性変形させる。ヒートパイプ31が通る筐体の部分は、穴でなくてもよく、凹部であってもよい。図9及び図10のような構成により、放熱装置の厚さを小さくすることができ、小型化または薄型化を実現することができる。
【0083】
さらに、ヒートパイプ31の放熱側31bが接続される筐体21の部分に、熱伝導性の高い材料を用いることも可能である。その材料としては、例えば鉄、銅、アルミニウム等の金属、カーボンを含む材料等が挙げられる。筐体21全体が金属で構成されるようにしてもよい。筐体21に金属材料が用いられる場合、樹脂等に比べ強度が増し、その分金属板を薄くすることができるので、噴流発生器20、ひいては放熱装置100の薄型化を実現できる。
【0084】
図7、図8及び図9に示す放熱装置の動作を説明する。発熱源105から発する熱がヒートスプレッダ29を介してヒートパイプ31の吸熱側31aで吸収される。ヒートパイプ31は、吸収された熱を放熱側31bから放出することで筐体21に伝達し、また、筐体21内の空気に熱が伝達される。噴流発生器20が動作することで、上述したようにノズル22a及び22bから交互に、熱を持つ筐体21内の空気が吐出され、放熱される。
【0085】
このような放熱装置100の構成及び動作により、発熱源105と噴流発生器20とが離れて配置されている場合であっても、効率良く放熱することができる。
【0086】
図11は、本発明の他の実施の形態に係る放熱装置を示す斜視図である。これ以降の説明において、図7に示す放熱装置100の部材や機能等について同様のものは説明を簡略または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0087】
放熱装置110は、図7に示した放熱装置100に、さらにヒートシンク35と、このヒートシンク35に接続された第2のヒートパイプ131とが備えられて構成されている。ヒートパイプ131は、放熱側131bがヒートシンクに接続され、吸熱側131aがヒートスプレッダ129を介して第2の発熱源205に接続されている。第2の発熱源205は例えばIC等である。この放熱装置110が、例えばPCに搭載される場合、第1の発熱源105は例えばCPUであり、第2の発熱源205は例えばグラフィックチップである。しかし、発熱源はこれらの具体例に限定されないことは言うまでもない。噴流発生器20のノズル22a及び22bは、例えばヒートシンク35の各フィンの間に当該ノズル22a及び22bから気体が吐出されるように配置されている。
【0088】
このような放熱装置110の構成により、第2の発熱源205の熱が第2のヒートパイプ131を介してヒートシンク35に伝達される。一方、噴流発生器20が動作することによって合成噴流がヒートシンク35に吹き付けられる。つまり、筐体21内の熱を持つ空気だけでなく、筐体21の周囲の冷えた空気もヒートシンク35に供給される。このようにして、第1及び第2の発熱源105及び205の熱は、最終的にヒートシンク35から放出される。
【0089】
本実施の形態に係る放熱装置110により、図7の形態に係る放熱装置100に比べ、20%程度の熱抵抗の改善結果が得られた。
【0090】
図12は、本発明のさらに別の実施の形態に係る放熱装置を示す斜視図である。
【0091】
放熱装置120は、噴流発生器20、ヒートシンク35、ヒートパイプ131及びヒートスプレッダ129を備えている。このような構成によっても、ヒートシンク35を介して、発熱源205の熱を放出することができる。
【0092】
図13は、本発明のさらに別の実施の形態に係る放熱装置を示す平面図である。図14は、図13に示す放熱装置の背面図である。
【0093】
放熱装置130は、2つの噴流発生器の筐体251及び351が一体化された2連式の噴流発生器40を備えている。以下、一体化された筐体251及び351をすべて含めた1つの筐体を「筐体202」とする。筐体202は、例えば金型等により一体成形可能である。噴流発生器40は、それぞれの筐体251及び351ごとにアクチュエータ5を有し、筐体251及び351ごとに図5に示したようにチャンバを2つずつ備えている。つまり、噴流発生器40は、合計4つのチャンバを筐体202内に有する。筐体202の前面には、複数のノズル222aを有するノズル部222が取り付けられている。各ノズル222aの下側には、図示しないノズルがノズル222aと同じ数だけ配列されている。ノズル部222のさらに前面側にそのノズルの長さ分に等しい、あるいはその長さに近い長さのヒートシンク135が配置されている。また、各アクチュエータ5を駆動するためのIC等を搭載した基板23が、筐体202の背面に取り付けられている。
【0094】
図14に示すように、筐体202の両側部には、凹部(溝部または段差部と言ってもよい。)202a及び202bがそれぞれ形成されている。これら凹部202a及び202bには、ヒートスプレッダ29及び129にそれぞれ熱的に接続されたヒートパイプ141及び241がそれぞれ通っている。このように、筐体202の両端部に凹部202a及び202bがあっても構造的に問題はない。厚さ方向で制限される箇所は、アクチュエータ5がある部分であり、この部分以外であれば凹部が設けられても問題ない。
【0095】
ヒートスプレッダ29及び129には、図示しない発熱源が熱的に接続される。この場合、発熱源はCPUやグラフィックチップ等であるが、これらに限られない。ヒートパイプ141及び241の各吸熱側141a及び241aが各ヒートスプレッダ29及び129にそれぞれ熱的に接続され、放熱側141b及び241bが各ヒートシンク135にそれぞれ熱的に接続されている。これにより、図示しない2つの発熱源からの熱がヒートシンク135に伝達され、噴流発生器40から発生する合成噴流により、ヒートシンク135から熱が放出される。
【0096】
本実施の形態では、筐体202の凹部202a及び202bに、それぞれヒートパイプ141及び241が配置されているので、ヒートパイプ141及び241を含めた噴流発生器40の厚さを薄くすることができる。
【0097】
図15は、上述したように金属板が、筐体の一部として用いられた噴流発生器を示す断面図である。
【0098】
噴流発生器30は、これまで説明した噴流発生器とは上下が逆に示されている。このように上下逆に示したのは、例えば、この噴流発生器30が、図示しないPC等の電子機器の筐体に組み込まれる場合、アクチュエータ5が配置される側のチャンバ41bが下になり、チャンバ41aが上になるように、噴流発生器30が配置されることを示すためである。しかし、電子機器に噴流発生器30が電子機器に組み込まれる場合、必ずしも、このように上下逆に配置されるとは限らない。
【0099】
噴流発生器30の筐体41の天板43は、上述したように金属でなる。金属板43に、上述のヒートパイプ31の放熱側が接続されれば、ヒートパイプ31から筐体43への熱伝導性を高めることができる。このように金属板43が用いられる場合、樹脂等に比べ強度が増し、その分金属板43を薄くすることができるので、噴流発生器20、ひいては放熱装置100の薄型化を実現できる。例えば、この場合、金属板43が0.5mm程度の薄さでも十分な剛性を得ることができる。樹脂の場合、厚さが0.5mm程度であると、すぐに曲がったり、折れたりしてしまい、形状を維持することができない。
【0100】
さらに、金属板43が磁性体の場合、アクチュエータ5のマグネット14、ヨーク8及び18で構成される磁気回路の磁界が、金属板43から上方に漏れることを防止することができる。例えば、この噴流発生器30が、図示しないPC等の電子機器の筐体に組み込まれる場合、金属板43の上に、図示しない様々な電子部品が配置されることが考えられる。その場合に、金属板43の磁気シールド効果により、電子部品へ悪影響が及ぶという懸念が少なくなる。磁性材料としては、鉄、パーマロイ、ケイ素鋼板、あるいはSPCC(冷間圧延鋼板)等が挙げられる。
【0101】
なお、図13に示した筐体202についても、上述したように、筐体202の一部または全部が金属でなっていてもよい。あるいは、筐体202の一部または全部が磁性材料でなっていてもよい。
【0102】
図16は、さらに別の実施の形態に係る放熱装置が内蔵される電子機器の一例を示す斜視図である。図17は、図16に示す電子機器のほぼ反対側から見た斜視図である。
【0103】
この電子機器210はビデオ撮影機器(以下、ビデオカムコーダという。)である。ビデオカムコーダ210は、電子部品等が内蔵される本体36を有する。本体36には、ディスプレイ部38が所望の角度に調整可能に接続されている。本体36の上部には撮像素子やレンズ等の光学系を搭載する鏡筒37が設けられ、さらに本体36の下部には、例えば充電式のバッテリー39が装着されている。
【0104】
図18は、上記ビデオカムコーダ210に搭載される放熱装置を示す断面図である。放熱装置140は、スピーカ70と、このスピーカ70を本体36(図16及び図17参照)の外筐44に固定することが可能な固定部材64を備えている。外筐44には、ボス部44bが設けられており、このボス部44bに固定部材64のフランジ64aが当接してネジ65により固定されている。また、外筐44には、スピーカ70の音を外部に出力するための複数の開口44aが形成されている。
【0105】
スピーカ70は、環状のマグネット51、上述した第1のヨーク52及び第2のヨーク53を有する。第2のヨーク53は環状でなる。マグネット51及び第2のヨーク53の中央にはセンターポール52aが立設され、センターポール52aにはコイル62が巻回されている。センターポール52aは例えば円柱状でなる。第1のヨーク52は、このセンターポール52aに対して垂直な円板52bでなっている。円板52bは、上記固定部材64の開口された部分に嵌め込まれている。
【0106】
このスピーカの振動板81は、例えば20kHz以上の周波数帯域にて、音響損失係数(tanδ)が0.02以上の値を有する音響振動板材料でなる。すなわち、振動板81は、人の可聴周波数域以外の周波数で振動が可能に構成されている。振動板81の材料として、例えばポリエチレンテレフタレートが挙げられる。振動板81は、中央部に位置し、断面形状がほぼ円弧状をなすドーム部81aと、連結部81cを介してこのドーム部81aの外周側に位置するエッジ部81bとが一体に形成されて構成されている。
【0107】
円筒状の導電性1ターンリング83の端部が、この振動板81のドーム部81aとエッジ部81bとの間の連結部81cに、例えば接着剤等により固定されている。さらにこの導電性1ターンリング83がプレート53とセンターポール52aと間の磁気ギャップ84に配置される。振動板81の外周端部は、フレーム58に接着固定されている。フレームの表面に、蒸着またはスパッタリング等により、アルミニウム、銅、その他熱導電性の材料で成膜されれば、熱伝達性が向上する。
【0108】
マグネット51には、溝または孔51aが1つ以上設けられている。孔51aは、スピーカ70の内部のスペース77と、スピーカ70外部のスペース78との間で空気を流通させる流路となる。
【0109】
円板52bには、熱伝達素子74を介してドライバIC73が熱的に接続されている。ドライバIC73は、回路基板72に搭載されている。熱伝達素子74は、銅、アルミニウム等の金属、カーボン材料、その他、高熱伝導性のシート等である。このような構成により、ドライバICから発生する熱は、熱伝達素子74を介して円板52bに伝達され、スペース77及びその他スピーカ70を構成する部材に伝達される。円板52bは、磁性材料で、かつ熱伝導性の高い材料が用いられることが好ましい。
【0110】
図19は、スピーカ70のコイル62に駆動信号を供給するための駆動信号供給源を示すブロック図である。駆動信号供給源は、CPU79からの制御信号に基づきドライバ73が駆動信号を生成する。ドライバ73は、上記ドライバIC73により構成されればよい。ドライバ73により生成された駆動信号は、スピーカ70のコイル62に供給される。コイル62に駆動信号が供給されると、電磁誘導作用によりこの導電性1ターンリング13が振動して振動板81が振動し放音する。この音は、主に上記外筐44の開口44aから外部に出力される。この時の音の周波数は、人の可聴域の周波数であってもよいが、特に可聴域以外の周波数である場合もある。
【0111】
本実施の形態では、このようにビデオカムコーダ210に搭載されたスピーカ70が噴流発生器として用いられる。この場合、外筐44の一部、固定部材64及び円板52bにより、噴流発生器の筐体が構成される。振動板81が振動することで、スペース77の圧力変化によって上記孔51aを介して空気が出入りする。これにより、スペース78も圧力変化を起こし、結果的に開口44aから熱を持つ空気が流出する。また、スペース77及び78と、外筐44の外部との温度差により、開口44aを介して自然対流が起こるので、スペース77及び78の空気熱が放熱される。これにより、発熱源たるドライバICが冷却されることになる。
【0112】
このように本実施の形態では、スピーカ70を利用して発熱源が放熱されるので、冷却用のファンモータも要らず、電子機器の小型化を実現することができる。また、冷却用のファンモータ等が要らないので、電子機器のコストを低減できる。しかも、可聴域以外の周波数で振動板81が駆動することにより、静音性を高めることができる。
【0113】
一般的にビデオカムコーダの録画時において、スピーカは、ボタン操作がされる時ぐらい(ブザー等)しか使われない。したがって、録画中の時間のほとんどを放熱に用いることが可能である。また、熱が問題となるのは、再生時ではなく録画時である。録画時はカメラ等のいろいろなデバイスが動作するからである。このことも、スピーカを放熱に有効利用できる理由となる。また、特に近年では、HD化が進みつつあり、発熱量も増加しているので、本実施形態は有効である。
【0114】
また、本実施の形態によれば、ビデオカムコーダ220が高温になりユーザが低温やけどをする等の危惧が解消される。また、放熱効率がよいので、外筐内の各種の電子部品への熱影響も抑えられる。
【0115】
図20は、本発明の他の実施の形態に係るビデオカムコーダを示す斜視図である。図21は、図20に示すビデオカムコーダのほぼ反対側から見た斜視図である。
【0116】
このビデオカムコーダ220は、図16に示したビデオカムコーダ210に比べて、外観が多少異なるが、ビデオ撮影機能としては同様であり、その同様の機能は説明を省略する。なお、ビデオカムコーダ220は、本体36の鏡筒37内にCCD(Charge Coupled Device)センサ45が配置され、本体36にはマイクロフォンデバイス46が内蔵されている。これらCCDセンサやマイクロフォンデバイス46は、もちろん図16等に示したビデオカムコーダ210にも搭載されている。CCDセンサの代わりにCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサが用いられてもよい。符号38は液晶ディスプレイ、符号39はバッテリーである。
【0117】
図21に示すように、ビデオカムコーダ220の外筐47の側面には噴流発生器50が設置されている。噴流発生器50としては、例えば図2や図5に示したような噴流発生器10、20と同様の構造のものが用いられればよい。薄型化を実現するためには、図5に示した噴流発生器20が用いられることが望ましい。図22は、ビデオカムコーダ220の噴流発生器20を含む部分の、上部から見た断面図である。噴流発生器20は、例えばその筐体48内に破線で示すように振動板3が配置されればよい。筐体48には、空気が出入りする開口48aが形成されている。
【0118】
ビデオカムコーダ220の外筐47内には、IC56を搭載した回路基板54が搭載されている。IC56は、熱伝達デバイス57が接し、熱伝達デバイス57は外筐47の内面に接している。熱伝達デバイス57は、例えば、シリコーンまたはアクリル系の樹脂でなるベース材に放熱フィラーが含まれて構成される放熱スペーサである。前記放熱フィラーとしては、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、熱伝導性セラミックス、または窒化ケイ素(Si3N4)が用いられる。このような熱伝達デバイス57と外筐47との間 及び/または IC56と熱伝達デバイス57との間に、熱伝導性グリース、あるいはフェーズチェンジ材が挿入されれば、IC56、熱伝達デバイス57、外筐47のそれぞれの密着性が向上する。
【0119】
外筐47の材料としては、例えば、アルミニウム、マグネシウム合金、ステンレス等の金属、または熱伝導率の高い樹脂でなる形態が考えられる。これにより、熱伝達デバイス57から外筐47へ効率よく熱が伝達され、外筐47から外部に熱が効率よく放出される。外筐47へ伝達した熱は、噴流発生器50の筐体48内の空気にも伝達される。また、噴流発生器50が作動することでその熱を持つ筐体48内に空気の強制対流を発生させつつ、開口48aを介して熱を含む空気が外部に放出される。これにより、ビデオカムコーダ220が高温になりユーザが低温やけどをする等の危惧が解消される。また、放熱効率がよいので、外筐47内の電子部品への熱影響も抑えられる。さらに、本実施の形態では、外筐47の内部は密閉された構造とされているので、ゴミや埃等が外筐47内に入ることを防止することができる。
【0120】
外筐47と筐体48の材料は同じであってもよいし、異なる材料であってもよい。両者が異なる材料でなる場合、その材料の組み合わせは、上記アルミニウム、マグネシウム合金、ステンレス等の金属、または熱伝導率の高い樹脂のうちいずれか2つを選択することができる。
【0121】
図22では、噴流発生器50の筐体の一部は外筐47で構成される。これにより、図中Y方向の厚みを小さくすることができ、小型化を実現することができる。しかしながら、そのような構成に限らず、外筐47を用いずに噴流発生器50の筐体が構成されてももちろんよい。
【0122】
外筐47や筐体48にマグネシウム合金等を用いると、コストがかさむ。したがって、炭素繊維やアルミナ等の高熱伝導性セラミックスのフィラーが含有された高熱伝導性樹脂を外筐47や筐体48として用いることも可能である。
【0123】
図23は、本発明の他の実施の形態に係るビデオカムコーダの一部を示す断面図である。
【0124】
このビデオカムコーダ230では、上記噴流発生器50の代わりに、回転羽根59を有するファン60が外筐47に設置されている。このファン60は遠心ファンであり、つまり、空気を回転羽根59の回転周方向に開口48aを介して吐出する。回転羽根59の駆動源としては、図示しないが、一般的な扁平型のモータを用いることができる。このような構成によっても、ファン60の筐体48内に空気の強制対流を発生させ、効率よく放熱することができる。
【0125】
図24は、本発明のさらに別の実施の形態に係るビデオカムコーダの一部を示す断面図である。
【0126】
このビデオカムコーダ240では、上記と同じ噴流発生器50またはファン60が熱伝達デバイス57に接している。この場合、筐体48が上述したような高熱伝導性の材料でなる。ビデオカムコーダ240の外筐147は、必ずしも高熱伝導性でなくてよい。しかし、筐体48と外筐147とが一体的に形成されている場合は、両者同じ材料でよい。
【0127】
図25は、本発明のさらに別の実施の形態に係るビデオカムコーダの一部を示す断面図である。
【0128】
このビデオカムコーダ250では、外筐147に噴流発生器80がはめ込まれている。噴流発生器80は、圧電デバイス85が振動板として筐体82に取り付けられている。圧電デバイス85は、例えば圧電体に図示しない電極が接合されて形成され、その電極にパルス電圧、あるいは交流電圧が印加されるようになっている。圧電デバイス85は、圧電体と電極板とを複数有する積層タイプであってもよい。圧電デバイス85は、例えばその周縁部が筐体82の内面に取り付けられている。圧電デバイス85の平面形状は、円、楕円、矩形、長円等、どんな形状でもよい。筐体82には、空気が出入りする開口82aが形成されている。また、筐体82は熱伝達デバイス57に接している。
【0129】
このような構成によれば、IC56からの熱が熱伝達デバイス57を介して筐体82に伝達され、圧電デバイス85が振動することで、筐体82内の空気に強制対流が発生し、開口82aを介して熱を含む空気が放出される。これにより、効率よく放熱することができる。
【0130】
なお、圧電デバイス85がスピーカの機能を果たす構成とすることもできる。これにより、スピーカと噴流発生器80とが兼用となり、ビデオカムコーダ250の小型化を実現することができる。
【0131】
図26は、本発明のさらに別の実施の形態に係るビデオカムコーダを示す斜視図である。図27は、図26に示すビデオカムコーダの一部を示す断面図である。
【0132】
このビデオカムコーダ260では、噴流発生器90が外筐247の内部に配置されている。噴流発生器90としては、例えば図2や図5に示した噴流発生器10、20と同様な構造のものが用いられる。噴流発生器90の筐体92は、熱伝達デバイス57に接し、熱伝達デバイス57はIC56に接している。図26では、外筐247が、噴流発生器90の筐体の一部を構成している。この場合の外筐247及び筐体92の材料は、上述したとおりであり、同じであってもよいし、異なる材料であってもよい。このような構成によっても、効率よく放熱することができる。
【0133】
なお、もちろん、外筐247は、噴流発生器90の筐体の一部を構成せずに、噴流発生器10または20がそのまま外筐247の内部に配置されていてもよい。
【0134】
本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0135】
上記各実施の形態に係る噴流発生器は、チャンバが2つ以上であった。しかし、チャンバが1つであってもよい。すなわち、その場合の噴流発生器は、その1つのチャンバに開口を介して筐体外部と連通した構成を有する。
【0136】
図16、図20等では、電子機器としてビデオカムコーダが例に挙げられた。しかし、これに限られず、もともとスピーカが搭載されている電子機器なら何でもよく、そのスピーカを利用して放熱システムを構成することができる。
【0137】
次に、本発明のさらに別の実施の形態について説明する。図28は、本発明の電子機器の一例としてのラップトップ型PCの外観を示した斜視図であり、図29は、図28のラップトップ型PCを背面側から見た斜視図である。また図30は図28のラップトップ型PCの底面図であり、図31は図28のラップトップ型PCの後方の側面側の略式断面図である。
【0138】
これらの図に示すように、ラップトップ型PC300は、第1の外筐301と第2の外筐302とが同図矢印A方向に回動することで開閉可能に連結された構成となっている。第1の外筐301は、上記図7で示した放熱装置100を搭載している。第2の外筐302は、第1の外筐301の上面301aの後方にスペースを持たせるように第1の外筐301と連結されており、液晶ディスプレイ309を有している。
【0139】
第1の外筐301の底面301bの、上記放熱装置100の近傍には、第1の外筐301の内外を連通し、第1の外筐301内の噴流発生器20近傍へ外気を吸入するための開口303が設けられ、また第1の外筐301の上面301a後方の、上記第2の外筐302が開いた状態で液晶ディスプレイ309の裏側となる位置にも、外気を吸入するための開口304が設けられている。なお、上面301aの後方の、開口304が設けられているスペースは、上記第2の外筐の厚み分だけ突出している。しかし、ラップトップ型PC300が当該上面後方のスペースを有さずに、第2の外筐302と第1の外筐301の各端部同士が連結されている場合には、上記開口304が無い構成であっても構わない。
【0140】
また、第1の外筐301の背面301cには、第1の外筐301の内外を連通し、上記噴流発生器20により発生した合成噴流を第1の外筐301外へ排出するための開口305が設けられている。
【0141】
図31に示すように、開口303及び304により第1の外筐301内に吸入された気体は、噴流発生器20により吸入され、上述したような噴流発生器20の駆動により合成噴流となって開口305から排出される。これにより発熱源105の熱が第1の外筐301の外へ放熱される。
【0142】
このように、開口303が第1の外筐301の底面301bに設けられ、開口305が背面301cに設けられ、開口304が、図28及び図29に示したように第2の外筐302が開いた状態で、液晶ディスプレイ309の裏側となる位置に設けられることで、各開口からの気体の吸入及び排出、すなわち噴流発生器の駆動の際に、液晶ディスプレイ309に正対しているユーザに向かう、各開口からの直進音が遮断されるため、静音性を向上させることができる。
【0143】
図29〜図31に示すように、第1の外筐301の底面301bの後方の両端部には、第1の外筐301を支持する脚部306が設けられている。当該脚部306により、底面301bと、ラップトップ型PC300の設置面との間にスペースが生まれるため、上記開口303からの吸気が促進される。脚部306の高さは例えば5mm以上、より好ましくは10mm程度であるが、この値に限られるものはない。また脚部306は2つ設けられているため第1の外筐301が傾きながら支持されることとなる。しかし、脚部の数は2つに限られず、底面301bが設置面に平行となるように、底面301bの四隅に計4つ設けられていてもよいし、それ以上設けられていても構わない。
【0144】
また、底面301bの脚部306近傍には、当該底面301bから突出するように壁部307が設けられている。当該壁部307により、図31の矢印で示すように、上記開口305と開口303との間の気体の流通が阻害される。したがって、上記開口305から排出された、熱を持った合成噴流が開口303側へ引き戻されてしまい、当該合成噴流を含む気体が開口303から第1の外筐301内へ流入して放熱効率が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0145】
なお、上記脚部306を廃して、当該壁部307を脚部としても用いても構わない。この場合、図32に示すように、壁部307は、底面301bの後方の両端に対称的に設けられる。これにより部品点数を削減できるとともに、脚部としての強度を上げることもできる。
【0146】
ところで、底面301bの下方の気体は、発熱源105やその他の発熱部品等により温められるため、当該空気を開口303から吸入すると放熱効率が低下してしまうおそれがある。そこで、上記図30で示した壁部307は、上記開口303と開口305との間の気体の流通を阻害するだけでなく、図33に示すように、第1の外筐301の外周部の気体を開口303へ導くような流路を、底面301bとともに形成するように設けられても構わない。これにより、同図矢印で示すように、底面301bの下方の温められた気体の開口303側への流通は阻害され、第1の外筐301の外周部の、より低い温度の気体のみが開口303から吸入されるため、放熱効果の低下を極力防ぐことができる。
【0147】
また、この場合、図34に示すように、図33で示した壁部307が、上記図32と同様、上記脚部を兼ねるように底面301bに対称的に2つ設けられていてもよい。
【0148】
さらに、図35の斜視図及び図36の側面図に示すように、第1の外筐301の底面301bの、側面301d側の両端に、当該側面301dに沿うように底面301bから突出した壁部308を設けても構わない。これにより、噴流発生器20の駆動時における側面301d側からの音(特に開口303から発生する音)の漏れを防ぎ、静音性をさらに向上させることができる。また、当該壁部308が脚部306を兼ねるようにしても構わない。
【0149】
以上のように、本実施形態によれば、放熱装置100をラップトップ型PC300に搭載する場合の放熱効率を向上させることができる。
【0150】
なお、以上の図28〜図36で示した構成を有するラップトップ型PC300に搭載される放熱装置は放熱装置100に限られず、上記図12で示したような、発熱源205と熱伝達デバイス131と噴流発生器20とヒートシンク35とから構成される放熱装置120を搭載してもよいし、図11で示したような、2つの発熱源105及び205と、各発熱源に接続された熱伝達デバイス31及び131と、噴流発生器20及びヒートシンク35から構成される放熱装置110を搭載しても構わない。
【0151】
図37は、上記図12で示した放熱装置120を搭載した場合のラップトップ型PC300の外観を示す斜視図である。この場合、開口303及び304から第1の外筐301内へ吸入された気体が噴流発生器20内へ吸入され、噴流発生器20により発生した合成噴流がヒートシンク35を通り、開口305を介して第1の外筐301外へ排出されることで、発熱源205の熱が放熱される。
【0152】
また、上記熱伝達デバイスを用いず、発熱源と噴流発生器のみで放熱装置を構成して、当該放熱装置をラップトップ型PC300に搭載しても構わない。図38は、発熱源105と噴流発生器20とからなる放熱装置140を搭載した場合のラップトップ型PC300の外観を示す斜視図である。この場合、開口303及び304から第1の外筐301内へ吸入された気体が噴流発生器20内へ吸入され、噴流発生器20により発生した合成噴流が発熱源105に吹き付けられ、発熱源105の周囲の熱を持った気体とともに開口305を介して第1の外筐301外へ排出されることで、発熱源105が放熱される。
【0153】
これら図37及び図38示した態様によっても、各放熱装置120及び140がラップトップ型PC300に搭載された場合の放熱効率を向上させることが可能である。
【0154】
また、放熱装置が搭載される電子機器は、上記ラップトップ型PC300に限られず、例えばデスクトップ型のPCや、HDD(Hard Disk Drive)/DVD(Digital Versatile Disk)/BD(Blu-ray Disc)レコーダ等のオーディオ/ビジュアル機器、携帯電話、ゲーム機器、カーナビゲーション機器、ロボット機器等、あらゆる電子機器に搭載が可能である。
【0155】
また、上記開口303〜305の数や配置は、放熱装置の配置等によって適宜変更が可能である。図39は、一の外筐401を有する電子機器400に、上記発熱源105及び噴流発生器20からなる放熱装置140を搭載した例を示す斜視図である。また図40は、図39の電子機器400の底面図である。
【0156】
これらの図に示すように、外筐401の底面401bには、外筐401内部へ外気を吸入するための開口403が設けられ、また外筐401の側面401dには、噴流発生器20から発熱源105に吹き付けられた合成噴流を外筐401外へ排出するための開口405が設けられている。また底面401bには、上述したのと同様の脚部406が設けられている。
【0157】
図41は、上記図39及び図40で示した電子機器400の底面に壁部を設けた場合の電子機器400の底面図である。同図に示すように、壁部407は、底面401bの開口403と、側面401dの開口405との間の気体の流通を阻害するように設けられるとともに、底面401bの下方ではなく外筐401の外周部から開口403へ同図矢印で示すように気体を導くような流路を形成している。以上の構成によっても、電子機器400に放熱装置140を搭載する場合の放熱効率を向上させることができる。
【0158】
また、上記図34で示したのと同様に、図42に示すように、壁部407が脚部406を兼ねるように、壁部407を底面401bの側面401d方向の両端部に対称的に設けるようにしても構わない。
【0159】
図43は、図39及び40で示した電子機器400を前面方向から捉えた断面図である。同図に示すように、外筐401内には、放熱装置140以外にも例えば構成部品500等の他の構成部品が搭載される。この場合、構成部品500は、外筐401内で、放熱装置140周辺の空間と他の空間との間に、同図矢印で示したような気体の流れを形成するように搭載されることが好ましい。これにより、放熱装置140周辺の空間と他の空間との間の換気が促進されるとともに、放熱装置140側への気体の流れが活性化されるため、放熱効率を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の一実施の形態に係る噴流発生器を示す斜視図である。
【図2】図1に示す噴流発生器の断面図である。
【図3】アクチュエータを示す拡大断面図である。
【図4】図3に示したアクチュエータの磁界の様子を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る噴流発生器を示す断面図であり、アクチュエータが筐体の一部を構成する形態を示す。
【図6】図5におけるA−A線断面図である。
【図7】一実施の形態に係る放熱装置を示す斜視図であり、噴流発生器の筐体にヒートパイプが接続された形態を示す。
【図8】ヒートパイプが半田により筐体に接続された状態を示す噴流発生器の背面図である。
【図9】ヒートパイプがカシメにより筐体に接続された状態を示す噴流発生器の斜視図である。
【図10】図9に示す噴流発生器を示す断面図である。
【図11】ヒートパイプが2つで、それらが筐体とヒートシンクに接続された放熱装置を示す斜視図である。
【図12】ヒートパイプが1つで、それがヒートシンクに接続された放熱装置を示す斜視図である。
【図13】2連式の噴流発生器が用いられた放熱装置を示す平面図である。
【図14】図13に示す放熱装置の背面図である。
【図15】筐体の天板に金属板が用いられた噴流発生器を示す断面図である。
【図16】さらに別の実施の形態に係る放熱装置が内蔵される電子機器の一例を示す斜視図である。
【図17】図16に示すビデオカムコーダのほぼ反対側から見た斜視図である。
【図18】上記ビデオカムコーダに搭載される放熱装置を示す断面図である。
【図19】スピーカのコイルに駆動信号を供給するための駆動信号供給源を示すブロック図である。
【図20】本発明の他の実施の形態に係るビデオカムコーダを示す斜視図である。
【図21】図20に示すビデオカムコーダのほぼ反対側から見た斜視図である。
【図22】図20に示すビデオカムコーダの噴流発生器を含む部分の、上部から見た断面図である。
【図23】本発明の他の実施の形態に係るビデオカムコーダの一部を示す断面図であり、ファンが搭載された例を示す。
【図24】本発明のさらに別の実施の形態に係るビデオカムコーダの一部を示す断面図であり、熱伝達デバイスに噴流発生器等の筐体が直接接する例を示す。
【図25】本発明のさらに別の実施の形態に係るビデオカムコーダの一部を示す断面図であり、噴流発生器の振動板が圧電デバイスでなる例を示す。
【図26】本発明のさらに別の実施の形態に係るビデオカムコーダを示す斜視図であり、噴流発生器が外筐内に組み込まれた例を示す。
【図27】図26に示すビデオカムコーダの一部を示す断面図である。
【図28】本発明のさらに別の実施の形態に係るラップトップ型PCの外観を示す斜視図であり、放熱装置100が搭載された例を示す。
【図29】図28のラップトップ型PCを背面側から見た斜視図である。
【図30】図28のラップトップ型PCの底面図である。
【図31】図28のラップトップ型PCの後方の側面側の略式断面図である。
【図32】脚部と壁部とを兼用する場合のラップトップ型PCの底面図である。
【図33】壁部が開口303へ向かう気体の流路を形成するように構成した場合のラップトップ型PCの底面図である。
【図34】図33の壁部が脚部を兼ねる場合のラップトップ型PCの底面図である。
【図35】図29のラップトップ型PCが静音用の壁部を有する場合のラップトップ型PCの背面側の斜視図である。
【図36】図35の場合のラップトップ型PCの側面図である。
【図37】本発明のさらに別の実施の形態に係るラップトップ型PCの外観を示す斜視図であり、放熱装置120が搭載された例を示す。
【図38】本発明のさらに別の実施の形態に係るラップトップ型PCの外観を示す斜視図であり、噴流発生器及び発熱源からなる放熱装置140が搭載された例を示す。
【図39】本発明のさらに別の実施の形態に係るラップトップ型PCの外観を示す斜視図であり、放熱装置140が搭載された例を示す。
【図40】図39のラップトップ型PCの底面図である。
【図41】図39のラップトップ型PCが壁部を有する場合の底面図である。
【図42】図41の壁部が脚部を兼ねる場合のラップトップ型PCの底面図である。
【図43】図39のラップトップ型PCの外筐内部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0161】
1、21、41、48、43、202(251、351)…筐体
11a、11b、21a、22a…チャンバ
3、81…振動体(振動板)
5…アクチュエータ
8、18、52、53…ヨーク
10、20、40、…噴流発生器
11a、11b、21a、21b、41a、41b…上部チャンバ
12a、12b、44a、48a、92a、303〜305、403、405…開口
10、20、30、40、50、80、90…噴流発生器
31、57、74、131、141、241…熱伝達デバイス
33…半田
35…ヒートシンク
43…金属板
44、47、147、247、401…外筐
60…ファン
70…スピーカ
56、73、105、205…発熱源
85…圧電デバイス
100、110、120、130…放熱装置
210、220、230、240、250、260…ビデオカムコーダ
300…ラップトップ型PC
301…第1の外筐
301a…上面
301b、401b…底面
301c…背面
301d、401d…側面
302…第2の外筐
306、406…脚部
307、308、407…壁部
309…液晶ディスプレイ
400…電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、
第1の発熱源の熱を前記筐体に伝達する熱伝達デバイスと
を具備することを特徴とする放熱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放熱装置であって、
前記熱伝達デバイスは、冷媒の相変化により第1の発熱源の熱を輸送する第1の熱輸送デバイスであることを特徴とする放熱装置。
【請求項3】
請求項2に記載の放熱装置であって、
前記噴流発生器から吐出された前記気体が吹き付けられるヒートシンクをさらに具備することを特徴とする放熱装置。
【請求項4】
請求項3に記載の放熱装置であって、
前記ヒートシンクに熱的に接続され、該ヒートシンクに第2の発熱源の熱を伝達するために、冷媒の相変化により熱を輸送する第2の熱輸送デバイスをさらに具備することを特徴とする放熱装置。
【請求項5】
請求項2に記載の放熱装置であって、
前記第1の熱輸送デバイスは、前記筐体にカシメまたは半田により接続されていることを特徴とする放熱装置。
【請求項6】
請求項2に記載の放熱装置であって、
前記筐体は、前記第1の熱輸送デバイスが熱的に接続される金属でなる部分を有することを特徴とする放熱装置。
【請求項7】
請求項2に記載の放熱装置であって、
前記筐体は、前記第1の熱輸送デバイスが嵌め込まれるように、該第1の熱輸送デバイスが当たる位置に凹部または穴を有することを特徴とする放熱装置。
【請求項8】
請求項1に記載の放熱装置であって、
前記噴流発生器は、
前記気体を吐出するために前記筐体内の前記気体に圧力変化を与えることが可能な振動体と、
前記振動体を駆動する駆動体とを有し、
前記筐体は、前記振動体が振動することで前記気体を吐出させることが可能な開口を有することを特徴とする放熱装置。
【請求項9】
請求項1に記載の放熱装置であって、
前記噴流発生器は、
前記筐体内で前記振動体の振動方向に該振動体により分離され、前記気体が含まれる第1及び第2のチャンバと、
前記第1及び第2のチャンバのうち少なくとも一方側に配置され、前記筐体の一部を構成する金属板と
を有することを特徴とする放熱装置。
【請求項10】
請求項9に記載の放熱装置であって、
前記第1の熱輸送デバイスは、前記金属板に熱的に接続されることを特徴とする放熱装置。
【請求項11】
請求項9に記載の放熱装置であって、
前記金属板が、前記第1及び第2のチャンバのうち前記第1のチャンバ側に配置され、
前記駆動体は、前記第2のチャンバ側で前記筐体の一部を構成するヨークを有する電磁式のモータでなることを特徴とする放熱装置。
【請求項12】
請求項8に記載の放熱装置であって、
前記振動体及び前記駆動体は、当該放熱装置を搭載する電子機器が有するスピーカを構成し、
前記噴流発生器は、前記スピーカから発生する音を、前記開口を介して前記電子機器の外部に出力することを特徴とする放熱装置。
【請求項13】
筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、
前記筐体から吐出される前記気体が吹き付けられるヒートシンクと、
発熱源の熱を前記ヒートシンクに伝達する熱伝達デバイスと
を具備することを特徴とする放熱装置。
【請求項14】
発熱源と、
前記発熱源を内蔵する外筐と、
筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、
前記発熱源の熱を前記筐体に伝達する熱伝達デバイスと
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項14に記載の電子機器であって、
前記噴流発生器は、前記気体を吐出するために前記筐体内の前記気体に圧力変化を与えることが可能な振動体を有するスピーカを有し、
前記筐体は、
前記外筐の一部を構成する部分と、
前記外筐の一部を構成する部分に設けられ、前記気体を前記外筐の外部へ吐出させることが可能であり、前記スピーカから発生する音を前記外筐の外部に出力することが可能な開口と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項16】
請求項15に記載の電子機器であって、
前記振動体を可聴周波数域以外の周波数で振動させるように制御する制御手段をさらに具備することを特徴とする電子機器。
【請求項17】
請求項15に記載の電子機器であって、
当該電子機器は、ビデオ撮影機器であることを特徴とする電子機器。
【請求項18】
請求項14に記載の電子機器であって、
前記噴流発生器は、前記気体を吐出するために前記筐体内の前記気体に圧力変化を与えることが可能な圧電デバイスを有することを特徴とする電子機器。
【請求項19】
請求項18に記載の電子機器であって、
当該電子機器は、前記圧電デバイスを振動させて音を出力するスピーカを有するビデオ撮影機器であることを特徴とする電子機器。
【請求項20】
請求項18に記載の電子機器であって、
前記圧電デバイスは、前記筐体の一部を構成することを特徴とする電子機器。
【請求項21】
請求項14に記載の電子機器であって、
前記外筐は底面に開口を有し、
当該電子機器は、前記底面から突出するように設けられた脚部をさらに具備することを特徴とする電子機器。
【請求項22】
請求項14に記載の電子機器であって、
前記外筐は、前記気体を外筐内へ吸入するための第1の開口と、前記合成噴流を前記外筐外へ排出するための第2の開口とを有し、
当該電子機器は、
前記外筐に、前記第1の開口と前記第2の開口との間の前記気体の流通を阻害するように設けられた壁部をさらに具備することを特徴とする電子機器。
【請求項23】
請求項22に記載の電子機器であって、
前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、
前記壁部は、前記外筐の外周部側から前記第1の開口へ前記気体を導く流路を前記外筐とともに形成するように前記底面に設けられることを特徴とする電子機器。
【請求項24】
請求項22に記載の電子機器であって、
前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、
前記壁部は前記外筐の脚部となるように前記底面に設けられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項25】
請求項14に記載の電子機器であって、
当該電子機器は、前記発熱源と、前記噴流発生器と、前記熱伝達デバイスとを内蔵する第1の外筐と、表示部を有し前記第1の外筐に対して開閉可能に連結された第2の外筐とを有するラップトップ型コンピュータであり、
前記第1の外筐は、
前記第1の外筐の上面であって、かつ、前記第1の外筐の背面近傍の、前記第2の外筐が開いた状態で前記表示部の裏側となる位置に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第1の開口と、
前記第1の外筐の底面に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第2の開口と、
前記背面に設けられ、前記合成噴流を前記第1の外筐外へ排出するための第3の開口と、
前記底面から突出するように設けられた脚部と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項26】
請求項25に記載の電子機器であって、
前記第2の開口よりも前記側面側に、前記第1の外筐の側面に沿って前記底面から突出するように設けられた壁部をさらに具備することを特徴とする電子機器。
【請求項27】
発熱源と、
前記発熱源を内蔵する外筐と、
筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、
前記筐体から吐出される前記気体が吹き付けられるヒートシンクと、
前記発熱源の熱を前記ヒートシンクに伝達する熱伝達デバイスと
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項28】
請求項27に記載の電子機器であって、
前記外筐は底面に開口を有し、
当該電子機器は、前記底面から突出するように設けられた脚部をさらに具備することを特徴とする電子機器。
【請求項29】
請求項27に記載の電子機器であって、
前記外筐は、前記気体を外筐内へ吸入するための第1の開口と、前記ヒートシンクへ吹き付けられた気体を前記外筐外へ排出するための第2の開口とを有し、
当該電子機器は、
前記外筐に、前記第1の開口と前記第2の開口との間の前記気体の流通を阻害するように設けられた壁部をさらに具備することを特徴とする電子機器。
【請求項30】
請求項29に記載の電子機器であって、
前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、
前記壁部は、前記外筐の外周部側から前記第1の開口へ前記気体を導く流路を前記外筐とともに形成するように前記底面に設けられることを特徴とする電子機器。
【請求項31】
請求項29に記載の電子機器であって、
前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、
前記壁部は前記外筐の脚部となるように前記底面に設けられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項32】
請求項27に記載の電子機器であって、
当該電子機器は、前記発熱源と、前記噴流発生器と、前記熱伝達デバイスとを内蔵する第1の外筐と、表示部を有し前記第1の外筐に対して開閉可能に連結された第2の外筐とを有するラップトップ型コンピュータであり、
前記第1の外筐は、
前記第1の外筐の上面であって、かつ、前記第1の外筐の背面近傍の、前記第2の外筐が開いた状態で前記表示部の裏側となる位置に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第1の開口と、
前記第1の外筐の底面に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第2の開口と、
前記背面に設けられ、前記ヒートシンクへ吹き付けられた気体を前記第1の外筐外へ排出するための第3の開口と、
前記底面から突出するように設けられた脚部と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項33】
請求項32に記載の電子機器であって、
前記第2の開口よりも前記側面側に、前記第1の外筐の側面に沿って前記底面から突出するように設けられた壁部をさらに具備することを特徴とする電子機器。
【請求項34】
発熱源と、
前記発熱源を内蔵する外筐と、
筐体を有し、前記筐体から気体を吐出するファンと、
前記発熱源の熱を前記筐体に伝達する熱伝達デバイスと
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項35】
発熱源と、
筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、
前記発熱源及び前記噴流発生器を内蔵し、底面に第1の開口を有する外筐と、
前記底面から突出するように設けられた脚部と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項36】
発熱源と、
筐体を有し、前記筐体から気体を脈流として吐出することで合成噴流を発生する噴流発生器と、
前記発熱源及び前記噴流発生器を内蔵し、前記気体を吸入するための第1の開口と、前記合成噴流を排出するための第2の開口とを有する外筐と、
前記外筐に、前記第1の開口と前記第2の開口との間の前記気体の流通を阻害するように設けられた壁部と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項37】
請求項36に記載の電子機器であって、
前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、
前記壁部は、前記外筐の外周部側から前記第1の開口へ前記気体を導く流路を前記外筐とともに形成するように前記底面に設けられることを特徴とする電子機器。
【請求項38】
請求項36に記載の電子機器であって、
前記第1の開口は前記外筐の底面に設けられ、
前記壁部は前記外筐の脚部となるように前記底面に設けられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項39】
請求項35に記載の電子機器であって、
当該電子機器は、
前記発熱源及び前記噴流発生器を内蔵し、前記気体を吸入するために前記底面に前記第1の開口を有する第1の外筐と、表示部を有し前記第1の外筐に対して開閉可能に連結された第2の外筐とを有するラップトップ型コンピュータであり、
前記第1の外筐は、
前記第1の外筐の上面であって、かつ、前記第1の外筐の背面近傍の、前記第2の外筐が開いた状態で前記表示部の裏側となる位置に設けられ、前記気体を前記第1の外筐内へ吸入するための第2の開口と、
前記背面に設けられ、前記合成噴流を前記第1の外筐外へ排出するための第3の開口と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項40】
請求項39に記載の電子機器であって、
前記第2の開口よりも前記側面側に、前記第1の外筐の側面に沿って前記底面から突出するように設けられた壁部をさらに具備することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2007−142360(P2007−142360A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156001(P2006−156001)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】