説明

放送受信装置

【課題】選択可能な非サイマル放送の番組を的確に把握して提示することができる放送受信装置を提供する。
【解決手段】複数の受信系統のうちの少なくとも一つに受信可能な放送局をスキャンさせる選局制御部8と、スキャンで得られた放送局のうち、同一の放送局の異なる放送形態で異なる番組を放送している放送局を検出する非サイマル放送検出部9と、非サイマル放送検出部9により検出された放送局のうち、受信電界強度が所定の閾値以上の放送局を判別してそのリストデータを生成する比較部10と、比較部10が生成したリストデータに基づいて、受信可能な放送局の番組のうち、同一の放送局の異なる放送形態で放送されている番組をリスト表示する表示部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2には、同一受信周波数(同一放送局)の異なる放送形態で、異なる番組が放送される非サイマル放送の有無を通知する受信装置が提案されている。この装置は、ユーザに対して非サイマル放送の有無を通知することにより、ユーザが番組を選択する際の利便性やその自由度を向上させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−147708号公報
【特許文献2】特開2010−45494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、固定端末による放送受信を前提としており、車載機器のような移動端末に適用すると、移動体向け放送(ワンセグ放送)の視聴に十分な電界強度を確保できない可能性があるという課題があった。
また、特許文献2に係る発明は、番組の開始時間あるいはその前後で非サイマル放送の有無を通知しており、移動中にバックグラウンドで受信状況が変化した場合、その変化をユーザが認識できないという課題があった。さらに、特許文献2の発明では、非サイマル放送の選択が可能であることが通知されても、視聴に十分な電界強度を確保できているか否かを知ることができない。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、選択可能な非サイマル放送の番組を的確に把握して提示することができる放送受信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る放送受信装置は、複数の受信系統を備えた放送受信装置において、複数の受信系統のうちの少なくとも一つに受信可能な放送局をスキャンさせる選局制御部と、スキャンで得られた放送局のうち、同一の放送局の異なる放送形態で異なる番組を放送している放送局を検出する非サイマル放送検出部と、非サイマル放送検出部により検出された放送局のうち、受信電界強度が所定の閾値以上の放送局を判別してそのリストデータを生成する比較部と、比較部が生成したリストデータに基づいて、受信可能な放送局の番組のうち、同一の放送局の異なる放送形態で放送されている番組をリスト表示する表示部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、選択可能な非サイマル放送の番組を的確に把握して提示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る放送受信装置による動作(初回起動時)を示すフローチャートである。
【図3】非サイマル放送の番組リストを表示した画面例を示す図である。
【図4】非サイマル放送の番組リストを表示した別の画面例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る放送受信装置による動作(スキャンタイミングごとの動作)を示すフローチャートである。
【図6】受信電界強度を含む非サイマル放送の番組リストを表示した画面例を示す図である。
【図7】受信電界強度を含む非サイマル放送の番組リストを表示した別の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る放送受信装置の構成を示すブロック図であり、アンテナ2aとチューナ部3aを含む受信系統、およびアンテナ2bとチューナ部3bを含む受信系統を備えた場合を示している。なお、この発明は、アンテナとチューナ部を含む受信系統を2つ以上備えていればよい。図1において、実施の形態1に係る放送受信装置1は、アンテナ2a,2b、チューナ部3a,3b、分離部4、演算・制御部5、メモリ6、および表示・操作部7を備える。
チューナ部3aは、通常の受信動作として、ユーザが選局した放送局またはメモリ6にプリセットされた受信可能な局からの放送信号を、アンテナ2aで受信して復調した復調信号を出力する。この復調信号は、後段の機能部により誤り訂正されて、トランスポートストリーム(TS)が再生される。このTS信号から映像・音声データが分離され、分離後の映像・音声データが復号され、ユーザに提示される。
一方、チューナ部3bは、アンテナ2bを介して受信可能な放送局を定期的にバックグラウンドでスキャンを行う。分離部4は、チューナ部3bにより受信され復調された受信バンド内の各周波数の復調信号から番組情報を分離し、チューナ部3bから当該受信信号の受信電界強度を読み出して、その値をメモリ6に保存する。
【0010】
演算・制御部5は、チューナ部3a,3bを用いた受信動作を制御する機能部であり、選局制御部8、非サイマル放送検出部9、および比較部10を備える。
選局制御部8は、チューナ部3a,3bの選局動作を制御する機能部である。例えば、操作部11を用いて指定されたチャンネルへの選局をチューナ部3aに指示する。
非サイマル放送検出部9は、メモリ6に保存された番組情報に基づいて、アンテナ2bで受信可能な放送局のうち、同一受信周波数(同一放送局)の異なる放送形態で、異なる番組が放送される非サイマル放送を行っている放送局を検出する機能部である。
比較部10は、メモリ6に保存した受信電界強度を所定の閾値とそれぞれ比較し、当該閾値以上の受信電界強度の番組を受信電界強度が高い順にリストアップしたリストデータを生成する。
【0011】
メモリ6は、受信した放送の復調信号から分離された番組情報、およびその受信電界強度のリストを記憶する記憶部である。なお、番組情報には、例えば、電子番組表(EPG(Electric Program Guide)情報)があり、この電子番組表を基にして非サイマル放送の有無が検出される。移動体向けのデジタル放送(ワンセグ放送)などにおいて、放送局による独自の番組コンテンツが非サイマル放送で提供されている。
【0012】
表示・操作部7は、受信可能な番組のリストを表示して、ユーザに選局させるHMI(Human Mchine Interface)を提供する機能部であり、操作部11および表示部12を備える。操作部11は、外部からの入力操作を受け付ける機能部であり、ハードキーやタッチパネル、これらを用いた入力処理を行うためのソフトウェアから構成される。また、この操作部11を用いて、ユーザは、表示部12の画面の一部に表示された受信可能な非サイマル放送の番組リストから、ユーザが所望の番組を選択することができる。
表示部12は、演算・制御部5による処理で得られた表示データを表示する機能部であり、液晶モニタなどの表示装置およびその表示処理を行うためのソフトウェアから構成される。特に、表示部12は、受信可能な番組のリスト表示や、その受信電界強度のリストを表示する。
【0013】
次に動作について説明する。
(1)初回起動時
図2は、実施の形態1に係る放送受信装置による動作を示すフローチャートであって、放送受信装置1の初回起動時における動作を示している。
まず、放送受信装置1が起動すると、選局制御部8が、チューナ部3bに対して受信可能な放送局のバックグラウンドでのスキャンを指示する。チューナ部3bは、選局制御部8からの指示に従って、アンテナ2bを介して受信可能な放送局のスキャンを開始する(ステップST1)。次に、分離部4は、チューナ部3bが受信して復調した復調信号から番組情報を分離するとともに、当該信号の受信電界強度を読み出してメモリ6に保存する(ステップST2)。
【0014】
非サイマル放送検出部9は、チューナ部3bによる直近のスキャンでメモリ6に保存された番組情報に基づいて、受信可能な放送局における非サイマル放送の有無を検出する(ステップST3)。例えば、ワンセグ放送の番組情報に含まれるEPG情報に基づいて、同一の放送局、すなわち同一の放送チャンネルで放送され、かつ放送日時が同一の番組のうち、番組名が異なる番組を非サイマル放送の番組と判断する。
【0015】
次いで、比較部10は、チューナ部3bによる直近のスキャンでメモリ6に保存された非サイマル放送における受信電界強度を所定の閾値と比較して、当該閾値以上の受信電界強度の番組を判別する(ステップST4)。所定の閾値は、アンテナ3a,3bで受信可能な電界強度の下限値であり、例えば、受信状況が悪化して完全に受信が途絶える前に、バックグラウンドでスキャンした非サイマル放送に切り替えられるように、受信可能な電界強度の下限値に余裕度を加味した値であってもよい。なお、上記閾値は、操作部11を用いたユーザからの設定などで変更可能であってもよい。
【0016】
続いて、比較部10は、ステップST4で受信電界強度が閾値以上となった非サイマル放送の番組を、受信電界強度が高い順に並べたリストデータを作成する(ステップST5)。このリストデータは、表示・操作部7の表示部12へ送られる。
表示部12は、演算・制御部5で生成されたリストデータで、現在表示中の画面内容を更新する(ステップST6)。すなわち、チューナ部3bによる直近のスキャンで、メモリ6の受信可能な番組の番組情報が更新される度に、表示部12が表示する受信可能な非サイマル放送の番組リストが更新される。
【0017】
図3は、非サイマル放送の番組リストを表示した画面例を示す図であり、フルセグ放送とワンセグ放送(1Seg.)における非サイマル放送の番組リストの表示例を示している。図3では、表示部12でチャンネル1(1ch)(○○放送局)の旅行番組をフルセグ放送で視聴している際に、受信可能な非サイマル放送の番組リスト13を、画面12Aの端部に表示している。ここでは、現在視聴中のチャンネル1(1ch)(○○放送局)での非サイマル放送として、チャンネル1(1ch)で“料理番組”が放送されている。
【0018】
また、現在視聴しているチャンネル以外にも受信可能な非サイマル放送があれば、その番組もリストアップされる。ユーザは、タッチパネルでの番組欄のタッチなどやハードキーでの選択などの操作部11を用いた操作により、表示部12の画面12Aに表示された番組リスト13から所望の番組を選択することができる。これにより、ユーザによる番組選択の自由度を向上させることができる。
なお、表示の際、受信可能な番組がどのような放送形態であるかを通知してもよい。例えば、図3に示す番組リスト13では、チャンネル3(3ch)の放送形態がフルセグ放送で“サッカー”が視聴でき、ワンセグ放送で“野球”が視聴できる。
【0019】
図4は、非サイマル放送の番組リストを表示した別の画面例を示す図であり、図3と同様にフルセグ放送とワンセグ放送(1Seg.)における非サイマル放送の番組リストの表示例を示している。図4では、表示部12が、カーナビゲーションシステムのルート案内の地図画面12Bに、非サイマル放送の番組リスト13を表示している。
このように、実施の形態1に係る放送受信装置1は、他の車載機器と表示部12を共用する場合であっても、受信した放送を視聴するモードが設定されると、表示部12の画面端部に番組リスト13を表示する。
【0020】
(2)スキャンタイミングごとの動作
図5は、実施の形態1に係る放送受信装置による動作を示すフローチャートであり、スキャンタイミングごとの動作を示している。
図2に示した初回起動時の動作の後、選局制御部8は、スキャンタイミングの待ち状態に移行する(ステップST1a)。ここで、スキャンタイミングとは、チューナ部3bでバックグラウンドのスキャンを行うタイミングである。例えば、前回のスキャンから所定の時間が経過した場合(所定の時間周期)、または、受信バンドの電界強度が視聴可能と判断される閾値(受信した放送が所定の画質及び音質で視聴できる受信電界強度の下限値)に到達した場合、あるいは、車速パルスに基づく車速およびGPSによる自車位置から周辺の受信環境が変化したと予想される所定の距離だけ移動した場合(所定の距離周期)が考えられる。
【0021】
スキャンタイミングになると、選局制御部8は、チューナ部3bに対して、初回起動時にメモリ6に保存した番組の放送局のスキャンを行うよう指示する。チューナ部3bは、アンテナ2bを介して、選局制御部8からの指示された放送局のスキャンを開始する(ステップST2a)。次に、分離部4は、チューナ部3bが受信して復調した復調信号から番組情報を分離するとともに、当該信号の受信電界強度を読み出してメモリ6に保存する(ステップST3a)。
非サイマル放送検出部9は、ステップST3aでメモリ6に保存された番組情報に基づいて、メモリ6に番組情報が保存された放送局における非サイマル放送の有無を検出する(ステップST4a)。なお、非サイマル放送の有無の検出は、図2のステップST3の場合と同様である。
【0022】
次に、比較部10は、ステップST3aでメモリ6に保存された非サイマル放送の番組の受信電界強度と前回のスキャンでの受信電界強度とを比較して、受信電界強度に変化があるか否かを判定する(ステップST5a)。前回(初回起動時を含む)のスキャンから受信電界強度に変化がなければ(ステップST5a;NO)、ステップST1aに戻る。
前回のスキャンから受信電界強度に変化がある場合(ステップST5a;YES)、比較部10は、表示部12において受信電界強度付きの非サイマル放送の番組リストを表示しているか否かを判定する(ステップST6a)。受信電界強度付きの非サイマル放送の番組リストを表示していない場合(ステップST6a;NO)、ステップST9aへ移行する。
【0023】
受信電界強度付きの非サイマル放送の番組リストを表示している場合(ステップST6a;YES)、比較部10は、ステップST3aでメモリ6に保存された非サイマル放送の番組の受信電界強度で、メモリ6に保存されている非サイマル放送の番組リストデータにおける受信電界強度を更新する(ステップST7a)。更新後の受信電界強度が、次回のスキャンにおいて、ステップST5aで前回のスキャンでの受信電界強度として使用される。
【0024】
更新後のリストデータは、比較部10から表示部12へ送られる。これにより、表示部12は、更新後の受信電界強度付きの非サイマル放送の番組リストを表示する(ステップST8a)。図6は、受信電界強度を含む非サイマル放送の番組リストを表示した画面例を示す図であり、フルセグ放送とワンセグ放送(1Seg.)における非サイマル放送の番組リストの表示例を示している。図6において、表示部12は、カーナビゲーションシステムのルート案内の地図画面12Cに、受信電界強度付きの非サイマル放送の番組リスト13Aを表示している。すなわち、表示部12が、比較部10から入力した非サイマル放送の番組およびその受信電界強度を含むリストデータに基づいて、各放送局の非サイマル放送の番組についての受信電界強度を示すインジケータ14を含む番組リスト13Aを、地図画面12Cの端部に表示する。
このようにすることで、ユーザに対して受信状況の良否を明瞭に示すことができる。なお、ステップST5aで受信電界強度に変化があった番組については、インジケータ14の強度表示が更新される。
また、図6に示すインジケータ14は、受信電界強度を棒グラフで示す指標であるが、受信電界強度の大小を視認できるものであれば、どのような表示形態であってもよい。
【0025】
ステップST9aにおいて、比較部10は、ステップST5aで前回からの変化が検出された非サイマル放送の番組の受信電界強度と所定の閾値を比較して当該閾値以上であるか否かを判定する。なお、上記閾値は、例えば、図3のステップST4と同様に、アンテナ3a,3bで受信可能な電界強度の下限値である。
非サイマル放送の番組の受信電界強度が所定の閾値未満である場合(ステップST10a;NO)、ステップST1aに戻る。
【0026】
一方、非サイマル放送の番組の受信電界強度が所定の閾値以上であれば(ステップST10a;YES)、比較部10は、ステップST3aでメモリ6に保存された非サイマル放送の番組およびその受信電界強度で、メモリ6に保存された非サイマル放送の番組リストデータを更新する(ステップST11a)。すなわち、前回のスキャンではリストアップされていなかった非サイマル放送の番組が、受信状況の変化によって受信可能になると、当該番組およびその受信電界強度を追加する更新が行われる。
更新後のリストデータは、比較部10から表示部12へ送られる。これにより、表示部12は、更新後の受信電界強度付きの非サイマル放送の番組リストを表示する(ステップST12a)。
【0027】
上述したように、予め定めたスキャンタイミングごとにバックグラウンドでスキャンを行い、受信可能と判定された非サイマル放送の番組を、その受信電界強度とともにリスト表示するので、ユーザが、放送を現在視聴中の放送局の他に、これ以外の放送局における非サイマル放送の受信状況の良否を知ることができ、選局の自由度を向上できる利点がある。
【0028】
なお、チューナ部3bによるスキャン動作は予め定めたスキャンタイミングごとに行われるため、バックグラウンドでのスキャンを行わない間は、ラジオ放送の受信、システムや交通情報などのデータ放送の受信またはダイバーシティによる放送受信など、他の動作を行うことができる。
【0029】
また、上述の説明では、ステップST5aで前回から変化があると判定された受信電界強度に関するデータを、表示・操作部7の表示部12に表示した上で、メモリ6にプリセットする場合を示したが、ステップST7aでは受信電界強度の表示を更新のみでメモリ6に保存せず、ステップST10aで閾値以上となった場合に保存してもよい。
【0030】
図7は、受信電界強度を含む非サイマル放送の番組リストを表示した別の画面例を示す図であり、フルセグ放送とワンセグ放送(1Seg.)における非サイマル放送の番組リストの表示例を示している。図7では、表示部12が、カーナビゲーションシステムのルート案内の地図画面12Dに、受信電界強度付きの非サイマル放送の番組リスト13Bを表示している。
図5のステップST9aにおいて、番組リスト13Bにアップされている番組のうち、受信電界強度が下位に位置する番組について、その受信電界強度が上記閾値未満になったと判定された場合に、表示・操作部7が、その旨をユーザに提示してもよい。
例えば、図7に示すように、閾値未満の受信電界強度の番組欄を暗色で表示するなど、現在、良好な受信が不可であることを、他の番組欄と区別して表示する。このようにすることで、ユーザに対して受信可否を明瞭に示すことができる。
【0031】
以上のように、この実施の形態1によれば、複数の受信系統のうちの少なくとも一つに受信可能な放送局をスキャンさせる選局制御部8と、スキャンで得られた放送局のうち、同一の放送局の異なる放送形態で異なる番組を放送している放送局を検出する非サイマル放送検出部9と、非サイマル放送検出部9により検出された放送局のうち、受信電界強度が所定の閾値以上の放送局を判別してそのリストデータを生成する比較部10と、比較部10が生成したリストデータに基づいて、受信可能な放送局の番組のうち、同一の放送局の異なる放送形態で放送されている番組をリスト表示する表示部12とを備える。このように構成することで、選択可能な非サイマル放送の番組を的確に把握して提示することができる。
【0032】
また、この実施の形態1によれば、選局制御部8が、予め定めたスキャンタイミングで複数の受信系統のうちの少なくとも一つに受信可能な放送局をスキャンさせ、非サイマル放送検出部9が、スキャンタイミングのスキャンで得られた放送局のうち、同一の放送局の異なる放送形態で異なる番組を放送している放送局を検出し、比較部10が、非サイマル放送検出部9により検出された放送局のうち、受信電界強度が所定の閾値以上の放送局を判別して、判別した放送局でリストデータを更新し、表示部12が、比較部10が更新したリストデータに基づいて、番組のリスト表示を更新する。
このようにすることで、バックグラウンドでのスキャンを行わない間は、ラジオ放送の受信、システムや交通情報などのデータ放送の受信またはダイバーシティによる放送受信など、他の動作を行うことができる。
【0033】
さらに、この実施の形態1によれば、比較部10が、非サイマル放送検出部9により検出された放送局のうち、受信電界強度が所定の閾値以上の放送局の番組およびその受信電界強度をリストアップしたリストデータを生成し、表示部12が、比較部10が生成したリストデータに基づいて、番組とその受信電界強度を示す指標をリスト表示する。このようにすることで、ユーザに対して受信状況の良否を明瞭に示すことができる。
【0034】
さらに、この実施の形態1によれば、比較部10が、非サイマル放送検出部9により検出された放送局のうち、前回のスキャンから受信電界強度に変化があった放送局を判別して、判別した放送局の番組およびその受信電界強度をリストアップしたリストデータを生成し、表示部12が、比較部10が生成したリストデータに基づいて、リスト表示における受信電界強度の指標を更新する。このようにすることで、ユーザに対して受信状況の変化を明瞭に示すことができる。
【0035】
さらに、この実施の形態1によれば、表示部12が、比較部10が生成したリストデータに基づいて、受信電界強度が所定の閾値未満となった放送局の番組を、受信電界強度が閾値以上である放送局の番組とは区別して表示するので、ユーザに対して受信可否を明瞭に示すことができる。
【0036】
上記実施の形態1では、2つのチューナ部3a,3bを使用してデジタルテレビ放送を受信する構成を示したが、本発明は、アナログテレビとデジタルテレビでの非サイマル放送や、アナログラジオとデジタルラジオでの非サイマル放送についても適用可能である。
【0037】
なお、本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 放送受信装置、2a,2b アンテナ、3a,3b チューナ部、4 分離部、5 演算・制御部、6 メモリ、7 表示・操作部、8 選局制御部、9 非サイマル放送検出部、10 比較部、11 操作部、12 表示部、12A〜12D 表示画面、13 番組リスト、13A 受信電界強度付き番組リスト、13B 受信不可の番組、14 受信電界強度のインジケータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受信系統を備えた放送受信装置において、
前記複数の受信系統のうちの少なくとも一つに受信可能な放送局をスキャンさせる選局制御部と、
前記スキャンで得られた放送局のうち、同一の放送局の異なる放送形態で異なる番組を放送している放送局を検出する非サイマル放送検出部と、
前記非サイマル放送検出部により検出された放送局のうち、受信電界強度が所定の閾値以上の放送局を判別してそのリストデータを生成する比較部と、
前記比較部が生成したリストデータに基づいて、受信可能な放送局の番組のうち、同一の放送局の異なる放送形態で放送されている番組をリスト表示する表示部とを備えたことを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記選局制御部は、予め定めたスキャンタイミングで前記複数の受信系統のうちの少なくとも一つに受信可能な放送局をスキャンさせ、
前記非サイマル放送検出部は、前記スキャンタイミングのスキャンで得られた放送局のうち、同一の放送局の異なる放送形態で異なる番組を放送している放送局を検出し、
前記比較部は、前記非サイマル放送検出部により検出された放送局のうち、受信電界強度が所定の閾値以上の放送局を判別して、判別した放送局で前記リストデータを更新し、
前記表示部は、前記比較部が更新したリストデータに基づいて、前記番組のリスト表示を更新することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記比較部は、前記非サイマル放送検出部により検出された放送局のうち、受信電界強度が所定の閾値以上の放送局の番組およびその受信電界強度をリストアップしたリストデータを生成し、
前記表示部は、前記比較部が生成したリストデータに基づいて、前記番組とその受信電界強度を示す指標をリスト表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記比較部は、前記非サイマル放送検出部により検出された放送局のうち、前回のスキャンから受信電界強度に変化があった放送局を判別して、判別した放送局の番組およびその受信電界強度をリストアップしたリストデータを生成し、
前記表示部は、前記比較部が生成したリストデータに基づいて、前記リスト表示における受信電界強度の指標を更新することを特徴とする請求項3記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記比較部が生成したリストデータに基づいて、受信電界強度が前記所定の閾値未満となった放送局の番組を、受信電界強度が前記閾値以上である放送局の番組とは区別して表示することを特徴とする請求項4記載の放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−26902(P2013−26902A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161026(P2011−161026)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】