説明

放電ランプ点灯装置

【課題】トランスを大型化することなく出力リップル電流の低減を図った放電ランプ点灯装置を構成する。
【解決手段】チョッパ回路1と放電ランプ3との間に第1のダイオードD1を設け、トランスT1の2次巻線N2と第2のコンデンサC2とからなる直列回路を第1のダイオードD1に対して並列接続する。2次巻線N2の一端とコンデンサC2との接続点とチョッパ回路1の出力との間には第2のダイオードD2を設ける。スイッチ回路Q1がオンすると、コンデンサC1の充電電荷がトランスT1の1次巻線N1を介して放電し、2次巻線N2に発生する電圧がコンデンサC2に充電される。その後、スイッチ回路Q1のオフにより2次巻線の共振パルスがコンデンサC2の直流高電圧に重畳されて放電ランプ3に印加され、放電ランプが点灯する。その後の定常点灯状態では、チョッパ回路1→ダイオードD2→2次巻線N2→放電ランプ3の経路で通電される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水銀ランプやキセノンランプといった放電ランプを点灯させる放電ランプ点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水銀ランプやキセノンランプといった高圧放電ランプは、高圧パルス電圧が印加されると、ランプ内部の電極間の絶縁破壊が起こり、陰極から陽極に熱電子が発射され、細い放電路が形成され放電が開始し、続いて適正な電圧が印加され電流が供給されると放電過渡状態のグロー放電を経て定常状態のアーク放電に移行する。このような点灯動作を行わせるために放電ランプ点灯装置は、放電始動時に高電圧を発生させる回路を備えている。
【0003】
従来、定常時に印加される直流電圧(500〜1500V)に、1000〜3000Vのパルス電圧を重畳させた始動電圧を放電ランプに印加して点灯させる放電ランプ点灯装置が特許文献1,2に開示されている。
【0004】
図1は特許文献1に示されている放電ランプ点灯装置の回路図である。また図2は特許文献2に示されている放電ランプ点灯装置の回路図である。但し、後に示すこの発明の実施形態との対比を容易にするために、いずれも符号などを付け替えて表している。
【0005】
図1において、チョッパ回路11の出力には、その出力電圧を充電するコンデンサC11および抵抗R11からなる充電回路が備えられ、コンデンサC11の放電経路にトランスT11の1次巻線N1とスイッチ回路Q11が直列に接続されている。すなわちコンデンサC11の放電電流がトランスT11の1次巻線N1およびスイッチ回路Q11を介して流れるように回路が接続されている。トランスT11の2次巻線N2には昇圧出力コンデンサC12を介して放電ランプ13が接続されている。またチョッパ回路11の出力と放電ランプ13との間にはダイオードD11が接続されている。
【0006】
チョッパ回路11は所定の直流電圧を発生し、その電圧が抵抗R11を介してコンデンサC11に充電される。スイッチ回路Q11がオンするとコンデンサC11の充電電荷がトランスT11の1次巻線N1を経由して放電されることにより、パルス電圧がトランスT11の2次巻線N2に発生する。トランスT11の2次巻線N2に発生した高電圧パルスは、チョッパ回路11→ダイオードD11→昇圧出力コンデンサC12の経路で、昇圧出力コンデンサC12に充電され、その電圧が所定電圧まで上昇して放電ランプ13が点灯を開始した後はチョッパ回路11の出力電圧がダイオードD11を介して放電ランプ13に供給されることになる。
【0007】
一方、図2において、チョッパ回路21の出力には、その出力電圧を充電するコンデンサC21および抵抗R21からなる充電回路が備えられ、コンデンサC21の放電経路にトランスT21の1次巻線N1とスイッチ回路Q21が直列に接続されている。すなわちコンデンサC21の放電電流がトランスT21の1次巻線N1およびスイッチ回路Q21を介して流れるように回路が接続されている。チョッパ回路21の出力とトランスT21の2次巻線N2の一端との間にはダイオードD21が接続され、2次巻線N2の他端にはコンデンサC22が接続されている。また、2次巻線N2とコンデンサC22との接続点には3次巻線N3の一端が接続され、3次巻線N3の他端に放電ランプ23が接続されている。チョッパ回路21の出力と3次巻線N3の一端との間にはダイオードD22が接続されている。
【0008】
このような回路により、チョッパ回路21は所定の直流電圧を発生し、その電圧が抵抗R21を介してコンデンサC21に充電される。スイッチ回路Q21がオンするとコンデンサC21の充電電荷がトランスT21の1次巻線N1を経由して放電されることにより、パルス電圧がトランスT21の2次巻線N2に発生する。この2次巻線N2に発生した高電圧パルスはコンデンサC22に充電され、その充電電圧が所定電圧に達して放電ランプ23が点灯を開始すると、チョッパ回路21の出力電圧がダイオード22およびトランスT21の3次巻線N3を介して放電ランプ23に供給されることになる。
【特許文献1】特開2002−231473号公報
【特許文献2】特開2005−4980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが図1に示した特許文献1の放電ランプ点灯装置では、点灯後の定常状態ではチョッパ回路11の出力電圧がダイオードD11を介してそのまま放電ランプ13に供給されるようになるので、チョッパ回路11の出力電圧に含まれるリップル電圧の影響をそのまま受けて放電ランプ13にリップル電流が流れてしまう。その結果、EMI(電磁気妨害)が発生するという問題が生じる。このようなリップルを低減するためには、例えば図1においてダイオードD11と放電ランプ13との間にチョ−クコイル等のインダクタを設けなければならない。
【0010】
一方、図2に示した特許文献2の放電ランプ点灯装置では、点灯後の定常状態においてチョッパ回路21の出力電流がダイオードD22→3次巻線N3→放電ランプ23の経路で流れるので、トランスT21の3次巻線N3が出力リップル電流低減のためのノーマルモードコイルとして作用し、上述の問題が生じない。しかし、用いるトランスに3次巻線を必要とするので、全体に大型化しコスト高になるという問題が生じる。
【0011】
そこで、この発明の目的は、トランスを大型化することなく出力リップル電流の低減を図った放電ランプ点灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、この発明は次のように構成する。
(1)入力電源の電圧を所定電圧に変換するチョッパ回路と、
該チョッパ回路の出力電圧を基にパルス状高電圧を発生させて放電ランプに印加する高電圧発生回路と、備えた放電ランプ点灯装置において、
前記高電圧発生回路は、前記チョッパ回路の出力電圧を基にパルス電圧を発生するパルス電圧発生回路と、前記パルス電圧を入力して放電ランプに対する高電圧を発生するトランス(T1)とを備え、
前記パルス電圧発生回路は、前記チョッパ回路の出力電圧を充電する第1のコンデンサ(C1)を含む充電回路と、前記第1のコンデンサの放電経路に前記トランスの1次巻線とスイッチ回路(Q1)とを接続してなり、
前記チョッパ回路の出力と前記放電ランプとの間に、前記チョッパ回路の出力電圧の極性で順方向に第1のダイオード(D1)を設け、前記トランスの2次巻線と第2のコンデンサ(C2)からなる直列回路を前記第1のダイオードに対して並列に接続したものとする。
【0013】
(2)また、前記トランスの2次巻線の一端と前記第2のコンデンサ(C2)との接続点と、前記チョッパ回路の出力との間に、前記チョッパ回路の出力電圧の極性で順方向に第2のダイオード(D2)を備えるものとする。
【0014】
(3)前記スイッチ回路は例えば双方向2端子サイリスタとする。
【0015】
(4)前記第2のダイオード(D2)に代えて、前記放電ランプの点灯後に導通する半導体スイッチを設けてもよい。
【0016】
(5)また第2のダイオード(D2)に代えて、前記放電ランプの点灯後に導通状態となるメカニカルスイッチを設けてもよい。
【発明の効果】
【0017】
(1)チョッパ回路の出力電圧が第1のコンデンサ(C1)に充電され、スイッチ回路(Q1)がオンすると、(チョッパ回路の出力電圧が正極性である場合を例にすると、)トランス(T1)の2次巻線(N2)には2次巻線(N2)→第2のコンデンサ(C2)→ダイオード(D1)というループで電流が流れ、第2のコンデンサ(C2)に電荷を充電する。その後、スイッチ回路(Q1)のオフにより2次巻線(N2)に発生する共振パルス電圧がコンデンサ(C2)の電圧に重畳されて出力され、放電ランプが点灯する。このように、第2のコンデンサ(C2)に貯まった直流電圧に2次巻線(N2)に生じる共振パルスが重畳された電圧が放電ランプに印加されるので、放電ランプに点灯に必要な高電圧が速やかに印加され、図1に示した従来の放電ランプ点灯回路のように、スイッチ回路Q11が何度もオン・オフを繰り返して出力電圧が段階的に上昇する場合に比べて、速やかに点灯させることができる。
【0018】
(2)また、トランスの2次巻線の一端と第2のコンデンサ(C2)との接続点と、チョッパ回路の出力との間に、チョッパ回路の出力電圧の極性で順方向に第2のダイオード(D2)を備えれば、(チョッパ回路の出力電圧が正極性である場合を例にすると、)点灯後、チョッパ回路→第2のダイオード(D2)→トランスの2次巻線→放電ランプの経路で定常電流が流れ、第1のダイオードは高耐圧特性があればよく、大電流が流れないので、第1のダイオードは高耐圧ながら小電流定格のものを選定でき、低コスト化が図れる。
【0019】
(3)前記スイッチ回路を双方向2端子サイリスタとすれば、チョッパ回路からの出力電圧を高電圧発生回路へ印加するだけで、この双方向2端子サイリスタへの印加電圧がターンオン電圧を超えるとオンし、その後、直ちにオフするので、自動起動スイッチとして作用し、特別なスイッチ操作のための回路が不要となる。
【0020】
(4)第2のダイオード(D2)に代えて、放電ランプの点灯後に導通する半導体スイッチを設ければ、点灯後に定常状態で第2のダイオード(D2)での順方向降下電圧分の損失がなくなり、低損失化が図れる。
【0021】
(5)第2のダイオード(D2)に代えて、放電ランプの点灯中に導通状態となるメカニカルスイッチを設ければ、点灯後に定常状態で第2のダイオード(D2)での順方向降下電圧分の損失がなくなり、低損失化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
《第1の実施形態》
図3はこの発明に係る放電ランプ点灯装置の回路図である。この放電ランプ点灯装置100はチョッパ回路1と、高電圧発生回路2とから構成している。チョッパ回路1は入力電源Vinを所定電圧に変換して出力し、高電圧発生回路2はチョッパ回路1の出力電圧Voを基にしてパルス状高電圧を発生させて放電ランプ3に印加する。
【0023】
高電圧発生回路2は、チョッパ回路1の出力電圧Voを充電する第1のコンデンサC1および抵抗R1からなる充電回路を備え、チョッパ回路1の出力電圧の極性(この例では正極性)で順方向に第1のダイオードD1を、チョッパ回路1と放電ランプとの間に設けている。また、この例ではダイオードD1に対して抵抗R2を直列に接続している。
【0024】
この第1のコンデンサC1の放電経路にトランスT1の1次巻線N1とスイッチ回路Q1を直列に接続し、第1のコンデンサC1の放電電流がトランスT1の1次巻線N1およびスイッチ回路Q1を介して流れるように回路を接続している。このコンデンサC1および抵抗R1からなる充電回路と、トランスT1の1次巻線N1と、スイッチ回路Q1とによって「パルス電圧発生回路」を構成している。
【0025】
また、トランスT1の2次巻線N2と第2のコンデンサC2からなる直列回路が第1のダイオードD1に対して並列接続されるように設けている。
【0026】
図3に示した放電ランプ点灯装置100の動作は次のとおりである。
まず、チョッパ回路1から約280Vの直流電圧が出力され、チョッパ回路1の出力電圧VoがコンデンサC1に充電される。スイッチ回路Q1としては双方向2端子サイリスタを用いている。このコンデンサC1の電位がスイッチ回路Q1のしきい値(例えば約280V)を超えた時、スイッチ回路Q1はオンする。
【0027】
スイッチ回路Q1のオンにより、コンデンサC1→トランスT1の1次巻線N1→スイッチ回路Q1、の経路でコンデンサC1の電荷が放電される。これによりトランスT1の2次巻線N2→コンデンサC2→ダイオードD1のループで電流が流れ、コンデンサC2に電荷が充電される。このときの充電電圧は約DC1200Vである。
【0028】
その後、双方向2端子サイリスタの特性によりすぐに(一定時間後に)スイッチ回路Q1はオフする。この1次巻線電流の遮断により2次巻線N2に電圧が誘起される。そのため、コンデンサC1の充電電圧(約DC1200V)+2次巻線N2の誘起電圧(パルスのピーク電圧約1200V)=ピーク電圧約2400Vが放電ランプ3に印加される。このときの電圧印加経路は、チョッパ回路1→抵抗R2→コンデンサC2→2次巻線N2→放電ランプ3である。
【0029】
このときQ1はオフ状態であり、トランスT1の1次巻線は開放されているので、トランスT1の2次巻線N2とトランスT1の分布容量やダイオードD1の端子間寄生容量等との間で共振回路を構成し、2次巻線N2のインダクタンスとトランスT1の分布容量、或いはダイオードD1の端子間寄生容量等のキャパシタンスとの自由共振現象により、N2→C2方向の電流とC2→N2方向の電流とが交互に流れる。そのため、コンデンサC2に充電された直流高電圧に、2次巻線N2に生じる共振高電圧パルス(共振パルス)が重畳された電圧が放電ランプ3に印加されることになる。
【0030】
図4は図3に示した放電ランプ点灯装置の各部の波形図である。この図4では、コンデンサC2に既に約1200Vが充電された状態から始まっている。図中t1のタイミングでスイッチ回路Q1がオフすることによって、2次巻線N2に生じる共振パルス(ピーク−ピーク値が約2400Vの交番電圧)が中間電圧(約1200V)を中心として現れる。これにより放電ランプ3が始動し点灯を開始する。その後は、チョッパ回路1の出力→ダイオードD2→トランスT1の2次巻線N2→放電ランプ3の経路で電流が流れ、定常点灯状態となる。
【0031】
この例では放電ランプ3は直流点灯する水銀ランプやキセノンランプであり、負特性を有するので放電を開始した後、放電電流が増大する。チョッパ回路1は、この出力電流の増加に伴って280Vの出力電圧を10〜20Vまで低下させる。
【0032】
放電ランプ3の点灯開始時の動作上はダイオードD2がなくても点灯するが、その場合には定常点灯状態の大電流(例えば数アンペア)がダイオードD1に流れることになるので、ダイオードD1が大電流に耐えるものでなければならない。しかしこのダイオードD1に要求される特性は、トランスT1の2次巻線N2に生じる共振パルスのピーク−ピーク値(約2400V)に耐えるだけの高耐圧特性である。このような高耐圧特性でありながら且つ大電流に耐えるものとなると現実的に選定可能な部品は限られてしまう。
【0033】
これに対して、ダイオードD2を設ければ、定常点灯状態でこのダイオードD2を介して放電ランプ3に電流が流れるので、ダイオードD2の特性としては大電流に耐えるものであればよく、ダイオードD1については高耐圧特性であればよい。そのためダイオードD1には比較的小電流の規格のものを用いることができる。
【0034】
一般に、ダイオードは高耐圧であるほど順方向の電圧降下も大きいので、定常点灯状態に入った時、チョッパ回路1の出力→抵抗R2→ダイオードD1→放電ランプ3という第1の経路よりも、チョッパ回路1→ダイオードD2→トランスの2次巻線N2→放電ランプ3という第2の経路の方がインピーダンスが低くなり、この経路を流れることになる。この時、直流電流が流れるのでトランスの2次巻線N2はインピーダンス素子としては作用しない。
【0035】
なお、図3の例では、ダイオードD1に対して直列に抵抗R2を設けて上記第1の経路のインピーダンスを高くしているが、ダイオードD1の順方向電圧降下が大きければ抵抗R2がなくても(直接接続しても)、定常点灯状態で上記第2の経路を電流が流れるので、上記抵抗R2は必須ではない。
【0036】
この発明によれば、図3に示したように、定常点灯モードで、チョッパ回路1→ダイオードD2→トランスの2次巻線N2→放電ランプ3の経路で通電されるので、トランスT1の2次巻線N2が出力リップル電流低減のためのノーマルモードチョークコイルとして作用する。これにより、図2に示したような3次巻線を有するトランスを用いることなく、また個別のチョークコイルを設けることなく、放電ランプ3に対する電流経路のリップル電流が低減されてEMIが抑制される。
【0037】
なお、図3に示した例ではチョッパ回路1の出力電圧Voが正極性である場合を例にしたが、このチョッパ回路1の出力電圧Voが負極性である場合には、ダイオードD1,D2の極性を逆方向にすればよい。その場合には、負の高電圧にトランスの2次巻線N2に生じる共振パルスが重畳された電圧が放電ランプ3に印加されることになる。
【0038】
《第2の実施形態》
図5は第2の実施形態に係る放電ランプ点灯装置101の回路図である。
図3に示した放電ランプ点灯装置と異なるのは、図3に示したダイオードD2に代えて半導体スイッチQ2を設けたことである。また、それに伴ってダイオードD1に直列に接続した抵抗R2を省いている。その他の構成は図3に示したものと同様である。半導体スイッチQ2はMOS−FETで構成していて、放電ランプ3の点灯時(スイッチ回路Q1のオン時)には遮断状態となり、定常点灯状態で導通するように、そのゲートに制御信号を与える。具体的には、ゲート・ソース間にパルストランスの2次側を接続し、この放電ランプ点灯装置101の制御を行う制御回路からの信号で上記パルストランス等を介して上記半導体スイッチQ2を制御する。この場合、スイッチ回路Q1もMOS−FET等のゲート制御の半導体スイッチで構成し、Q2とともに制御するように構成してもよい。
【0039】
このように定常点灯状態でチョッパ回路1から放電ランプ3に対して流れる電流経路に半導体スイッチQ2を設けることによって、図3に示したダイオードD2による順方向降下電圧がなくなり、さらに低インピーダンス化を図ることができ、低損失・高効率化が図れる。またそれに伴ってダイオードD1に直列接続する抵抗(図3に示したR2)が不要となり、部品点数も削減できる。
【0040】
《第3の実施形態》
図6は第3の実施形態に係る放電ランプ点灯装置102の回路図である。
図3に示した放電ランプ点灯装置と異なるのは、図3に示したダイオードD2に代えてメカニカルスイッチSW1を設けたことである。また、それに伴ってダイオードD1に直列に接続した抵抗R2を省いている。その他の構成は図3に示したものと同様である。スイッチSW1はリレーの接点で構成していて、放電ランプ3の点灯時(スイッチ回路Q1のオン時)には遮断状態となり、定常点灯状態で導通するように、リレーに制御信号を与える。
【0041】
このように定常点灯状態でチョッパ回路1から放電ランプ3に対して流れる電流経路にスイッチSW1を設けることによって、図3に示したダイオードD2による順方向降下電圧がなくなり、さらに低インピーダンス化を図ることができ、低損失・高効率化が図れる。またそれに伴ってダイオードD1に直列接続する抵抗(図3に示したR2)が不要となり、部品点数も削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】特許文献1に示されている放電ランプ点灯装置の回路図である。
【図2】特許文献2に示されている放電ランプ点灯装置の回路図である。
【図3】第1の実施形態に係る放電ランプ点灯装置の回路図である。
【図4】同放電ランプ点灯装置の各部の電圧波形図である。
【図5】第2の実施形態に係る放電ランプ点灯装置の回路図である。
【図6】第3の実施形態に係る放電ランプ点灯装置の回路図である。
【符号の説明】
【0043】
1−チョッパ回路
2,4,5−高電圧発生回路
3−放電ランプ
100,101,102−放電ランプ点灯装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電源の電圧を所定電圧に変換するチョッパ回路と、
該チョッパ回路の出力電圧を基にパルス状高電圧を発生させて放電ランプに印加する高電圧発生回路と、備えた放電ランプ点灯装置において、
前記高電圧発生回路は、前記チョッパ回路の出力電圧を基にパルス電圧を発生するパルス電圧発生回路と、前記パルス電圧を入力して高電圧を発生するトランスとを備え、
前記パルス電圧発生回路は、前記チョッパ回路の出力電圧を充電する第1のコンデンサを含む充電回路と、前記第1のコンデンサの放電経路に前記トランスの1次巻線とスイッチ回路とを接続してなり、
前記チョッパ回路の出力と前記放電ランプとの間に、前記チョッパ回路の出力電圧の極性で順方向に第1のダイオードを設け、前記トランスの2次巻線と第2のコンデンサとからなる直列回路が前記第1のダイオードに対して並列に接続したことを特徴とする放電ランプ点灯装置。
【請求項2】
前記トランスの2次巻線の一端と前記第2のコンデンサとの接続点と、前記チョッパ回路の出力との間に、前記チョッパ回路の出力電圧の極性で順方向に第2のダイオードを備えた請求項1に記載の放電ランブ点灯装置。
【請求項3】
前記スイッチ回路は双方向2端子サイリスタである請求項1または2に記載の放電ランプ点灯装置。
【請求項4】
前記第2のダイオードに代えて、前記放電ランプの点灯後に導通する半導体スイッチを設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の放電ランプ点灯装置。
【請求項5】
前記第2のダイオードに代えて、前記放電ランプの点灯後に導通状態となるメカニカルスイッチを設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の放電ランプ点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−37907(P2009−37907A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201834(P2007−201834)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】