説明

放電ランプ装置

【課題】希ガス蛍光ランプ等を使用した放電ランプ装置において、無負荷時と点灯時を確実に峻別し検知すること。
【解決手段】第1スイッチ素子と第2スイッチ素子を交互に動作させて交流電圧に出力する交流変換回路2と、前記交流電圧を昇圧するトランス3の2次側に希ガス蛍光ランプ4を備えた放電ランプ装置において、第1スイッチ素子のオン時に流れる第1電流経路と第2スイッチ素子のオン時に流れる第2電流経路とが重なると共に、第1電流経路と第2電流経路を流れる電流が互いに逆方向である電流経路に接続された電流波形検出回路51と、第1スイッチ素子のオン期間を含み第2スイッチ素子のオン期間を含まない略半周期間、電流波形検出回路の検出電流を通過させるスイッチ回路52と、スイッチ回路を通過した電流を平均化する平均化回路53と、平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路54とからなる無負荷検知回路5を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプ装置に係わり、特に、放電ランプとして希ガス蛍光ランプを用いた、液晶ディスプレイパネルのバックライト光源や照明用光源等に用いられる放電ランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイパネルのバックライト光源や照明用光源として、冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプが多く用いられている。これらのランプは、内部に微量の水銀が封入されており、放電により励起された水銀から発生する紫外線により蛍光体を発光させるものであり、高輝度で、かつ効率的な発光が得られる点で優れている。
【0003】
しかし、近年、環境汚染の防止の観点から、水銀を含まない新しい光源が望まれている。水銀を含まない蛍光ランプとしては、ガラス管の外面に帯状の複数本の電極を配設し、これらの電極に、例えば、トランスで昇圧された高周波の高電圧を印加して点灯する希ガス蛍光ランプが提案されている。
【0004】
ところで、希ガス蛍光ランプは、何等かの事情で配線が外れたり、発光管の破損でガスリークが生じ、点灯ができなくなるような、いわゆる無負荷状態になることも想定しておかなければならない。無負荷状態になると、回路中の寄生容量、寄生インダクタンスによる共振で高電圧が生じ、装置内の高周波電源が破損したり、装置内の回路の絶縁部を破壊するような異常事態が引き起こされるおそれがある。そのため、このような無負荷状態を迅速に検知して装置を停止させる等の処置が必要である。
【0005】
特許文献1には、出力トランスの2次側に希ガス蛍光ランプを接続し、出力トランスの2次側に流れる電流を検出して、無負荷状態を検出する放電ランプ点灯装置が記載されている。しかし、特許文献1に記載の無負荷検知手段は、希ガス蛍光ランプのハーネス、トランス等の浮遊容量を流れる高周波振動電流により、無負荷時を点灯時として誤検知しやすい問題がある。そこで、特許文献2には、無負荷時に浮遊容量を流れる高周波電流により、無負荷検知が妨げられることを防ぐために、無負荷検知手段に高周波電流バイパス手段を付加した放電ランプ点灯装置が記載されている。より具体的には、無負荷検知手段の電流検出部分に対して、コンデンサまたはコンデンサ及び抵抗器の直列回路を並列接続して、無負荷時に流れる高周波電流を分路させる構成が示されている。
【0006】
図18は、特許文献2に記載されているような従来技術に係る放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
同図において、直流電源101から出力される直流電圧は、交流変換回路102に入力される。交流変換回路102は、スイッチング素子Q11、Q12、Q21、Q22、ダイオードD11、D12、D21、D22からなり、フルブリッジ回路を構成する。スイッチング素子Q11、Q22と、スイッチング素子Q21、Q12は、各々直列に接続され、それらの両端に直流電源1が接続される。スイッチング素子Q11、Q21はハイサイド側に配置され、スイッチング素子Q22、Q12はローサイド側に配置される。ダイオードD11、D12、D21、D22は、スイッチング素子Q11、Q12、Q21、Q22に対して各々個別に並列接続される。方向は低電位側から高電位側を順方向とする。スイッチング素子Q11、Q12、Q21、Q22には、スイッチング素子駆動回路21から出力される信号S1、S1、S2、S2が各々入力され、同信号がハイレベルの場合にオンとなり、ローレベルの場合にオフとなるように動作する。トランス103の1次側両端は、交流変換回路102のスイッチング素子Q11、Q21の接続点とスイッチング素子Q22、Q12の接続点に接続され、トランス103の2次側両端には、希ガス蛍光ランプ104と無負荷検知回路105の電流波形検出回路106とからなる直列回路が接続される。
【0007】
図19は、図18に示した無負荷検知回路105の具体的構成を示す回路図である。
同図において、電流波形検出回路106は抵抗Rsからなり、点灯時または無負荷時に流れる電流に比例する電流波形信号を出力する。電流波形信号は、抵抗R1、コンデンサC1によるローパスフィルターからなる高周波バイパス回路107へ入力される。高周波バイパス回路107からの出力信号は、ダイオードD1からなる整流回路108により半波整流され、抵抗R2、コンデンサC2からなる平均化回路109へ入力される。平均化回路109で平均化された信号は、比較回路110に入力される。比較回路110に入力された入力信号は、抵抗R3、R4の直列回路へ入力され、抵抗R3とR4で分圧された電圧がトランジスタQ1のベース、エミッタ間に入力される。ベース、エミッタ間電圧が約0.6Vを上回ると、トランジスタQ1がオンになり、無負荷検知信号をハイレベルからローレベルへ変化させる。
【0008】
図20(a)は、図18に示した放電ランプ装置における、希ガス蛍光ランプ104の点灯時における、無負荷検知回路105の平均化回路109に入力される信号波形を示す図である。同信号波形は、整流回路108により半波整流されるので、マイナス成分はカットされ、周期Tで時間平均を行うと、平均値は正である一定以上の大きさを持つ。図20(b)は、図18に示した放電ランプ装置の、無負荷時における、無負荷検知回路105の平均化回路109に入力される入力信号の信号波形を示す図である。同信号波形は整流回路108により半波整流されるので、マイナス成分はカットされ、周期Tで時間平均を行うと、平均値はある一定以上の大きさを持つ。
【特許文献1】特開2002−231478号公報
【特許文献2】特開2003−36987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献2に記載の無負荷検知手段は、ランプ電流と高周波振動電流の周波数成分の差が小さい場合は、無負荷時と点灯時の区別が困難であり、誤検知の可能性がある。そのため、誤検知を回避しようすると、ランプ電流と高周波振動電流の周波数の差を大きく保つために、希ガス蛍光ランプの放電に関わる静電容量と、ハーネスやトランス等の浮遊容量との大きさの関係に制約を設ける必要がある。しかし、これではハーネスの長さや希ガス放電ランプの大きさ等を自由に決めることが出来ないという問題がある。また、希ガス放電ランプやハーネスの近くに導体が設置される等、設計時においては想定し得ない条件下で使用されると、浮遊容量の大きさが変化し、誤検知を防ぐことが困難になるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑みて、光源として希ガス蛍光ランプを使用したような場合において、無負荷時と点灯時を確実に峻別して検知することのできる放電ランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。 第1の手段は、一方または一方の組の第1のスイッチング素子と他方または他方の組の第2のスイッチング素子を交互にスイッチング動作させて直流電圧を交流電圧に変換させる交流変換回路と、該交流変換回路からの交流電圧を昇圧するトランスと、該トランスの2次側に接続された希ガス蛍光ランプを備えた放電ランプ装置において、前記第1のスイッチング素子のオン期間を含み前記第2のスイッチング素子のオン期間を含まない前記交流電圧の略半周期間流れる電流を検出する手段と、前記検出された電流を平均化する平均化回路と、該平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路と、からなる無負荷検知回路を設けたことを特徴とする放電ランプ装置である。
第2の手段は、一方または一方の組の第1のスイッチング素子と他方または他方の組の第2のスイッチング素子を交互にスイッチング動作させて直流電圧を交流電圧に変換させる交流変換回路と、該交流変換回路からの交流電圧を昇圧するトランスと、該トランスの2次側に接続された希ガス蛍光ランプを備えた放電ランプ装置において、第1のスイッチング素子がオンの時に流れる第1の電流経路と第2のスイッチング素子がオンの時に流れる第2の電流経路とが重なると共に、前記第1の電流経路と前記第2の電流経路を流れる電流が互いに逆方向である電流経路に直列に接続された電流波形検出回路と、前記第1のスイッチング素子のオン期間を含み前記第2のスイッチング素子のオン期間を含まない前記交流電圧の略半周期間、前記電流波形検出回路で検出された電流波形信号を通過させるスイッチ回路と、該スイッチ回路を通過した電流波形信号を平均化する平均化回路と、該平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路と、からなる無負荷検知回路を設けたことを特徴とする放電ランプ装置である。
第3の手段は、第2の手段において、前記無負荷検知回路の電流波形検出回路を、前記トランスの2次側に接続したことを特徴とする放電ランプ装置である。
第4の手段は、一方または一方の組の第1のスイッチング素子と他方または他方の組の第2のスイッチング素子を交互にスイッチング動作させて直流電圧を交流電圧に変換させる交流変換回路と、該交流変換回路からの交流電圧を昇圧するトランスと、該トランスの2次側に接続された希ガス蛍光ランプを備えた放電ランプ装置において、第1のスイッチング素子がオンの時に流れる第1の電流経路と第2のスイッチング素子がオンの時に流れる第2の電流経路とが重ならない電流経路に直列に接続された電流波形検出回路と、前記電流波形検出回路で検出された電流波形信号を平均化する平均化回路と、該平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路と、からなる無負荷検知回路を設けたことを特徴とする放電ランプ装置である。
第5の手段は、一方または一方の組の第1のスイッチング素子と他方または他方の組の第2のスイッチング素子を交互にスイッチング動作させて直流電圧を交流電圧に変換させる交流変換回路と、該交流変換回路からの交流電圧を昇圧するトランスと、該トランスの2次側に接続された希ガス蛍光ランプを備えた放電ランプ装置において、第1のスイッチング素子がオンの時に流れる第1の電流経路と第2のスイッチング素子がオンの時に流れる第2の電流経路とが重なると共に、前記第1の電流経路と前記第2の電流経路を流れる電流が互いに同方向である電流経路に直列に接続された電流波形検出回路と、前記電流波形検出回路で検出された電流波形信号を平均化する平均化回路と、該平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路と、からなる無負荷検知回路を設けたことを特徴とする放電ランプ装置である。
第6の手段は、第1の手段ないし第5の手段のいずれか1つの手段において、前記希ガス蛍光ランプに代えて紫外線を照射するエキシマランプを用いたことを特徴とする放電ランプ装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光源として希ガス蛍光ランプからなる放電ランプを使用したような場合において、無負荷時と点灯時を確実に峻別して検知することができ、従来の無負荷状態の誤検知を無くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の第1の実施形態を図1ないし図5を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係る放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
同図において、1は直流電源、2は交流変換回路、21はスイッチング素子駆動回路、22はRSフリップフロップ、3はトランス、4は希ガス蛍光ランプ、5は無負荷検知回路、51はトランス3の2次側を流れる電流を検出する電流波形検出回路、52はスイッチ回路、53は平均化回路、54は比較回路である。
【0014】
図2は、図1に示した希ガス蛍光ランプ4の構成を示す図であり、図2(a)は、希ガス蛍光ランプの管軸方向に直交する切断面から見た断面図、図2(b)は、希ガス蛍光ランプの斜視図である。
これらの図に示すように、希ガス蛍光ランプ4は、例えば、ガラス管41にて密閉状に構成された直管状の外囲器であって、その内面には希土類蛍光体、ハロリン酸塩蛍光体等の蛍光体よりなる蛍光物質42が形成されている。ガラス管41の封着構造はガラス管41の端部にディスク状の封着ガラス板を封着して構成されているが、例えば、単にガラス管41を加熱しながら縮径加工し溶断するいわゆるトップシールによって構成することもできる。外部電極43、44は、例えば、アルミニウムテープを幅1mmに切断したものが、ガラス管41の外表面における希ガス蛍光ランプの中心軸を挟んだ対向位置に貼り付けられている。また、外部電極43、44は、例えば、導電性ペーストをスクリーン印刷し、焼付けて形成したものであってもよい。なお、このガラス管41の密閉空間には水銀等の金属蒸気を含まないHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上を主成分とする希ガスが所定量封入されている。易始動部位45は、導電性物質もしくは易電子放射物質よりなり、放電開始を容易にするために、ガラス管41の内部に少なくとも1箇所配置される。放電は易始動部位45を起点に発生し、そこから連鎖的に希ガス蛍光ランプ全体に広がる。通常は、ガラス管41の端部等に設けられ、点灯中における光取出効率に影響を与えないようにする。
【0015】
図3は、希ガス蛍光ランプ4の等価回路を示す図である。
同図に示すように、希ガス蛍光ランプ4は、ガラス管41の静電容量Cgと、放電のインピーダンスpが直列に接続され、放電空間の静電容量Cdが放電のインピーダンスpと並列に接続された形で表される。静電容量Csはハーネスやトランス等の浮遊容量である。このように、希ガス蛍光ランプ4は、ガラス管41の静電容量を介して放電する、容量性の負荷である。無負荷時は、放電のインピーダンスpは無限大になるので、希ガス蛍光ランプ4はコンデンサと等価とみなせる。
【0016】
次に、図1に戻り、本実施形態の放電ランプ装置の回路構成を詳しく説明する。
同図において、直流電源1から出力される直流電圧は、交流変換回路2に入力される。交流変換回路2は、スイッチング素子Q11、Q12、Q21、Q22、ダイオードD11、D12、D21、D22からなり、フルブリッジ回路を構成する。スイッチング素子Q11、Q22と、スイッチング素子Q21、Q12は、各々直列に接続され、それらの両端に直流電源1が接続される。スイッチング素子Q11、Q21はハイサイド側に配置され、スイッチング素子Q22、Q12はローサイド側に配置される。ダイオードD11〜D22は、各々スイッチング素子Q11〜Q22の寄生ダイオード、または別に付加したものであり、スイッチング素子Q11、Q12、Q21、Q22に対して、各々個別に並列接続される。方向は低電位側から高電位側を順方向とする。スイッチング素子Q11、Q12、Q21、Q22には、スイッチング素子駆動回路21から出力される信号S1、S1、S2、S2が各々入力され、同信号がハイレベルの場合にオンとなり、ローレベルの場合にオフとなるように動作する。トランス3の1次側両端には、交流変換回路2のスイッチング素子Q11、Q22の接続点とスイッチング素子Q21、Q12の接続点に接続され、トランス3の2次側両端には、希ガス蛍光ランプ4と無負荷検知回路5の電流波形検出回路51とからなる直列回路が接続される。無負荷検知回路5から出力された無負荷検知信号は、スイッチング素子駆動回路21に入力される。
【0017】
同図において、スイッチング素子Q11、Q12を第1のスイッチング素子とし、スイッチング素子Q21、Q22を第2のスイッチング素子とする。また、第1のスイッチング素子Q11、Q12がオンの時に電流が流れる経路を第1の電流経路とし、具体的には、直流電源1の高電位側から、スイッチング素子Q11、トランス3の1次側、スイッチング素子Q12、直流電源1の低電位側までを周回する経路と、トランス3の2次側の高電位端子(以下、HV端子という)から、希ガス蛍光ランプ4、無負荷検知回路5の電流波形検出回路51、トランス3の低電位端子(以下、LV端子という)までを周回する経路とする。また、第2のスイッチング素子Q21、Q22がオンの時に電流が流れる経路を第2の電流経路とし、具体的には、直流電源1の高電位側から、スイッチング素子Q21、トランス3の1次側、スイッチング素子Q22、直流電源1の低電位側までを周回する経路と、トランス3の2次側のLV端子から、無負荷検知回路5の電流波形検出回路51、希ガス蛍光ランプ4、トランス3の2次側のHV端子までを周回する経路とする。
【0018】
ここで、無負荷検知回路5の電流波形検出回路51は、第1の電流経路と第2の電流経路が重なり、かつ第1のスイッチング素子がオンになって最初に流れる電流の方向と、第2のスイッチング素子がオンになって最初に流れる電流の方向とが互いに逆となる経路内であればどこに設けても良い。
【0019】
図4は、図1に示した無負荷検知回路5の具体的構成を示す回路図である。
同図において、電流波形検出回路51は抵抗Rsからなり、電流に比例した大きさの電流波形信号を出力する。電流経路が接地できない場合は抵抗Rsの代わりにカレントトランスを用いても良い。電流波形信号はスイッチ回路52に入力される。スイッチ回路52に入力される入力信号は、一端が直流電圧Vaに接続された抵抗R1、R2の直列回路の他端へ接続される。抵抗R1とR2の接続点は、スイッチAS1の一端へ接続される。ここでは、単電源入力のアナログスイッチを用いるため、電流波形信号のゼロ点をR2×Va/(R1+R2)とし、振動波形が正の範囲に収まるように調節されている。ただし、R1、R2≫Rsとする。スイッチAS1には制御信号として図1に示したRSフリップフロップ22からスイッチ回路制御信号が入力され、スイッチ回路制御信号がハイレベルの場合に導通状態となり、ローレベルの場合に非導通状態となる。スイッチ回路52の出力信号は、平均化回路53へ入力される。平均化回路53に入力される入力信号は、一端が接地されたコンデンサC1の他端に入力され、平均化される。平均化された信号は、比較回路54へ入力される。比較回路54は、オペアンプOP1,抵抗R3〜R11、トランジスタQ1、直流電圧Vaから構成される。比較回路54へ入力された信号は、スイッチ回路52でシフトしたゼロ点を元に戻すための差動増幅回路へ入力される。差動増幅回路は、抵抗R3、R4、R7、R8とオペアンプから構成され、R3=R7、R4=R8の関係である。差動増幅回路のプラス入力側(R3側)には、コンデンサC1で平均化された信号が入力され、マイナス入力側(R7側)には、電圧Vaを抵抗R5、R6により分圧した大きさの電圧が入力される。ここで、R5=R1、R6=R2とすることにより、電圧Vaの大きさが変化しても、電流波形信号のゼロ点をシフトする大きさと元に戻す大きさが同じになるので、電圧Vaのバラツキをキャンセルすることができる。差動増幅回路の出力信号、すなわちオペアンプOP1の出力信号は、抵抗R9、R10の直列回路へ入力され、抵抗R9とR10で分圧された電圧がトランジスタQ1のベース、エミッタ間に入力される。ベース、エミッタ間電圧が約0.6Vを上回ると、トランジスタQ1がオンになり、無負荷検知信号をハイレベルからローレベルに変化させる。図1において、無負荷検知信号がローレベルの時は、スイッチング素子駆動回路21の発振を持続するように働き、無負荷検知信号がハイレベルの場合は、スイッチング素子駆動回路21の発振を停止するように働く。
【0020】
図5は、図1に示した放電ランプ装置の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。
同図において、信号S1は、パルス幅tonのハイレベル信号が周期Tで繰り返される、繰り返し信号である。信号S2もパルス幅ton、周期Tの繰り返し信号であり、信号S1に対して位相が180°ずれて出力される。スイッチ回路制御信号は、信号S1がハイレベルになってから、信号S2がハイレベルになるまでの間がハイレベルで、信号S2がハイレベルになってから、信号S1がハイレベルになるまでの間がローレベルとなる信号である。希ガス蛍光ランプ4のランプ電圧波形は、信号S1がハイレベルになると負から正に極性反転し、信号S2がハイレベルになると正から負に極性反転する。ここで、電流波形検出回路51によって検出される電流波形信号は、第1、第2の電流経路を流れる電流に比例する信号である。電流波形信号がスイッチ回路52によって制御され平均化回路53に入力される入力信号は、スイッチ回路制御信号がハイレベルの間だけを抜き出した電流波形信号に相当する。なお、本実施形態では、スイッチ回路制御信号は、信号S1がハイレベルになってから、信号S2がハイレベルになるまでの間がハイレベルで、信号S2がハイレベルになってから、信号S1がハイレベルになるまでの間がハイレベルになるように制御されているが、スイッチ回路制御信号のオン期間は、信号S1のオン期間を全て含む、凡そ半周期(T/2)の期間であれば、これに限定する必要は無い。
【0021】
次に、本発明の第2の実施形態を図6ないし図8を用いて説明する。
図6は、本実施形態の発明に係る放電ランプ装置の回路構成を示す図である。なお、同図において、無負荷検知回路6の構成および回路への挿入位置以外は、図1に示した同符号の構成に対応するので説明は省略する。
同図において、スイッチング素子Q11、Q12を第1のスイッチング素子とし、スイッチング素子Q21、Q22を第2のスイッチング素子とする。第1のスイッチング素子Q11、Q12がオンの時に電流が流れる経路を第1の電流経路とし、具体的には、直流電源1の高電位側から、スイッチング素子Q11、トランス3の1次側、スイッチング素子Q12、無負荷検知回路6の電流波形検出回路61、直流電源1の低電位側までを周回する経路と、トランス3の2次側のHV端子から、希ガス蛍光ランプ4、トランス3のLV端子までを周回する経路とする。また、第2のスイッチング素子Q21、Q22がオンの時に電流が流れる経路を第2の電流経路とし、具体的には、直流電源1の高電位側から、スイッチング素子Q21、トランス3の1次側、スイッチング素子Q22、直流電源1の低電位側までを周回する経路と、トランス3の2次側のLV端子から、希ガス蛍光ランプ4、トランス3の2次側のHV端子までを周回する経路とする。
【0022】
同図において、無負荷検知回路6の電流波形検出回路61は、第1の電流経路に設けられているが、第1の電流経路と第2の電流経路が互いに重ならない経路内であればどこでも良い。
【0023】
図7は、図6に示した無負荷検知回路6の具体的構成を示す回路図である。
同図において、電流波形検出回路61は抵抗Rsからなり、電流に比例した大きさの電流波形信号を出力する。電流経路が接地できない場合は抵抗Rsの代わりにカレントトランスを用いても良い。電流波形検出回路61からの出力信号は、抵抗R1、コンデンサC1からなる平均化回路62に入力され、平均化される。平均化回路62からの出力信号は、比較回路63に入力される。比較回路63に入力された入力信号は、抵抗R2、R3の直列回路へ入力され、抵抗R2とR3で分圧された電圧がトランジスタQ1のベース、エミッタ間に入力される。ベース、エミッタ間電圧が約0.6Vを上回ると、トランジスタQ1がオンになり、無負荷検知信号をハイレベルからローレベルへ変化させる。
【0024】
図8は、図6に示した放電ランプ装置の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。
同図において、信号S1は、パルス幅tonのハイレベル信号が周期Tで繰り返される、繰り返し信号である。信号S2もパルス幅ton、周期Tの繰り返し信号であり、信号S1に対して位相が180°ずれて出力される。ランプ電圧波形は、信号S1がハイレベルになると負から正に極性反転し、信号S2がハイレベルになると正から負に極性反転する。ここで、電流波形検出回路61によって検出される電流波形信号は、第1または第2の電流経路の何れか一方の電流に比例する信号である。
【0025】
次に、本発明の第3の実施形態を図9および図10を用いて説明する。
図9は、本実施形態の発明に係る放電ランプ装置の回路構成を示す図である。なお、同図において、無負荷検知回路7の構成および回路への挿入位置以外は、図1に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。また、無負荷検知回路7の具体的構成は、図7において説明した回路図と同様であるので説明を省略する。
同図において、スイッチング素子Q11、Q12を第1のスイッチング素子とし、スイッチング素子Q21、Q22を第2のスイッチング素子とする。また、第1のスイッチング素子Q11、Q12がオンの時に電流が流れる経路を第1の電流経路とし、具体的には、直流電源1の高電位側から、スイッチング素子Q11、トランス3の1次側、スイッチング素子Q12、無負荷検知回路7の電流波形検出回路71、直流電源1の低電位側までを周回する経路と、トランス3の2次側のHV端子から、希ガス蛍光ランプ4、トランス3のLV端子までを周回する経路とする。また、第2のスイッチング素子Q21、Q22がオンの時に電流が流れる経路を第2の電流経路とし、具体的には、直流電源1の高電位側から、スイッチング素子Q21、トランス3の1次側、スイッチング素子Q22、無負荷検知回路7の電流波形検出回路71、直流電源1の低電位側までを周回する経路と、トランス3の2次側のLV端子から、希ガス蛍光ランプ4、トランス3の2次側のHV端子までを周回する経路とする。
【0026】
同図において、無負荷検知回路7の電流波形検出回路71は、第1の電流経路と第2の電流経路が重なり、かつ、第1のスイッチング素子がオンになって最初に流れる電流の方向と、第2のスイッチング素子がオンになって最初に流れる電流の方向が互いに同じとなる経路内であれば、どこでも良い。
【0027】
図10は、図9に示した放電ランプ装置の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。
同図において、信号S1は、パルス幅tonのハイレベル信号が周期Tで繰り返される、繰り返し信号である。信号S2もパルス幅ton、周期Tの繰り返し信号であり、信号S1に対して位相が180°ずれて出力される。ランプ電圧波形は、信号S1がハイレベルになると負から正に極性反転し、信号S2がハイレベルになると正から負に極性反転する。ここで、電流波形検出回路71によって検出される電流波形信号は、第1、第2の電流経路を流れる電流に比例する信号である。
【0028】
次に、第1ないし第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置における、希ガス蛍光ランプ4の点灯時および無負荷時における各部の電流波形について説明する。
図11(a)は、第1ないし第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置における、希ガス蛍光ランプ4の点灯時におけるトランス3の2次側に流れる電流波形を示す図である。
図11(b)は、第1ないし第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置における、希ガス蛍光ランプ4の無負荷時におけるトランス3の2次側に流れる電流波形を示す図である。
【0029】
図12(a)は、第1の実施形態(または第2の実施形態)の発明に係る放電ランプ装置の、希ガス蛍光ランプ4の点灯時における、無負荷検知回路5の平均化回路53(または無負荷検知回路6の平均化回路62)に入力される入力信号の波形を示す図であり、周期Tで波形の時間平均を行うと、平均値はある一定以上の大きさを持つ。なお、ゼロ点をシフトしている場合は、シフトした大きさを差し引いて考える。
図12(b)は、第1の実施形態(または第2の実施形態)の発明に係る放電ランプ装置の無負荷時における、無負荷検知回路5の平均化回路53(または無負荷検知回路6の平均化回路62)に入力される入力信号の波形を示す図であり、無負荷時に流れる振動電流は、希ガス蛍光ランプ4の静電容量や浮遊容量を流れる振動電流である。直流成分は含まれていない。そのため、周期Tで波形の時間平均を行なうと、平均値は略0になる。なお、ゼロ点をシフトしている場合は、シフトした大きさを差し引いて考える。
【0030】
図13(a)は、第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置の、希ガス蛍光ランプ4の点灯時における、無負荷検知回路7の平均化回路72に入力される入力信号の波形を示す図であり、周期Tで波形の時間平均を行うと、平均値はある一定以上の大きさを持つ。なお、
図13(b)は、第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置の無負荷時における、無負荷検知回路7の平均化回路72に入力される入力信号の波形を示す図である。無負荷時に流れる振動電流は、希ガス蛍光ランプ4の静電容量や浮遊容量を流れる振動電流であり、直流成分は含まれていない。そのため、周期Tで波形の時間平均を行なうと、平均値は略0になる。
【0031】
上記のごとく、第1の実施形態(または第2の実施形態)の発明に係る放電ランプ装置によれば、図12(a)に示すように、点灯時の無負荷検知回路5の平均化回路53(または無負荷検知回路6の平均化回路62)の出力はある一定以上の大きさを持ち、一方、図12(b)に示すように、無負荷時の無負荷検知回路5の平均化回路53(または無負荷時の無負荷検知回路6の平均化回路62)の出力は略0になる。この平均化回路5(または平均化回路6)の出力を測定することにより、点灯状態にあるか、無負荷状態にあるかを知ることができる。点灯時と無負荷時における平均化回路5(または平均化回路6)の出力差は大きく、区別は容易であり、また、浮遊容量等の大きさが変化し、振動電流波形の周波数が変化しても、無負荷時の積分値は略0であり、不点灯検知の正確性に影響を及ぼさない。
【0032】
また、上記のごとく、第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置によれば、図13(a)に示すように、点灯時の無負荷検知回路7の平均化回路72の出力はある一定以上の大きさを持ち、一方、図13(b)に示すように、無負荷時の無負荷検知回路7の平均化回路72の出力は略0になる。この平均化回路7の出力を測定することにより、点灯状態にあるか、無負荷状態にあるかを知ることができる。点灯時と無負荷時における平均化回路72の出力差は大きく、区別は容易であり、また、浮遊容量等の大きさが変化し、振動電流波形の周波数が変化しても、無負荷時の積分値は略0であり、不点灯検知の正確性に影響を及ぼさない。
【0033】
図14は、第1ないし第3の各実施形態の発明に係る放電ランプ装置の平均化回路における点灯時の時間平均値に対する無負荷時の時間平均値の相対値と、図18に示した従来技術に係る放電ランプ装置の平均化回路における、点灯時の時間平均値に対する無負荷時の時間平均値の相対値と、を示した表である。
同図に示すように、各実施形態の発明に係る放電ランプ装置においては、何れも相対値は9%台であり、点灯時と無負荷時の差は90%以上あるので、バラツキに対する許容範囲は大きい。また、浮遊容量の大きさが変化しても無負荷時の積分値の大きさに殆ど影響を及ぼさないので、点灯時と無負荷時の差が縮まることは無い。このことは、図12(a)と図12(b)、または図13(a)に示す平均化回路に入力される入力信号波形を対比観察することによっても明らかである。一方、従来技術に係る放電ランプ装置においては、相対値は65.3%であり、点灯時と無負荷時の差は約35%であるので、バラツキに対する許容範囲は小さい。また、浮遊容量等の大きさが変化すると、無負荷時の電流波形が変わり、積分値が変化するので、点灯時と無負荷時の差が縮まるおそれがある。このことは、図20(a)と図20(b)に示す平均化回路に入力される入力信号波形を対比観察することによっても明らかである。
【0034】
なお、第1ないし第3の実施形態においては、交流変換回路2をフルブリッジ方式で構成したが、これに限定されず、交流変換回路2をプッシュプル方式で構成してもよい。
図15は、交流変換回路2をプッシュプル方式で構成し、無負荷検知回路が省略されて示されている放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
同図において、ここでは、一方のスイッチング素子Q1を第1のスイッチング素子とし、他方のスイッチング素子Q2を第2のスイッチング素子とする。第1の電流経路は、第1のスイッチング素子Q1がオンの時に電流が流れる経路であり、この電流は、直流電源1の高電位側から、トランス3、スイッチング素子Q1、直流電源1の低電位側までを周回とする経路と、トランス3の2次側のHV端子から、希ガス蛍光ランプ4、トランス3の2次側のLV端子までを周回とする経路を流れる。第2の電流経路は、第2のスイッチング素子Q2がオンの時に電流が流れる経路であり、この電流は、直流電源1の高電位側から、トランス3、スイッチング素子Q2、直流電源1の低電位側までを周回とする経路と、トランス3の2次側のLV端子から、希ガス蛍光ランプ4、トランス3の2次側のHV端子までを周回とする経路を流れる。
【0035】
また、交流変換回路2をハーフブリッジ方式で構成してもよい。
図16は、交流変換回路2をハーフブリッジ方式で構成し、無負荷検知回路が省略されて示されている放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
同図において、ここでは、一方のスイッチング素子Q1を第1のスイッチング素子とし、他方のスイッチング素子Q2を第2のスイッチング素子とする。第1の電流経路は、第1のスイッチング素子Q1がオンの時に電流が流れる経路であり、この電流は、コンデンサC1の高電位側から、スイッチング素子Q1、トランス3、コンデンサC1の低電位側までを周回とする経路と、トランス3の2次側のHV端子から、希ガス蛍光ランプ4、トランス3の2次側のLV端子までを周回とする経路を流れる。第2の電流経路は、第2のスイッチング素子Q2がオンの時に電流が流れる経路であり、この電流は、コンデンサC2の高電位側から、トランス3の1次側、スイッチング素子Q2、コンデンサC2の低電位側までを周回とする経路と、トランス3の2次側のLV端子から、希ガス蛍光ランプ4、トランス3の2次側のHV端子までを周回とする経路を流れる。
【0036】
図15および図16において、第1の実施形態の放電ランプ装置における無負荷検知回路5に相当する無負荷検知回路が挿入される箇所は、第1の電流経路と第2の電流経路が重なり、かつ、第1のスイッチング素子がオンになって最初に流れる電流と、第2のスイッチング素子がオンになって最初に流れる電流の方向が互いに逆となる経路内であれば、どこに設けても良い。また、第2の実施形態の放電ランプ装置における無負荷検知回路6に相当する無負荷検知回路が挿入される箇所は、第1の電流経路と第2の電流経路で互いに重ならない経路内であればどこでも良い。さらに、第3の実施形態の放電ランプ装置における無負荷検知回路7に相当する無負荷検知回路が挿入される箇所は、第1の電流経路と第2の電流経路が重なり、かつ、第1のスイッチング素子がオンになって最初に流れる電流と、第2のスイッチング素子がオンになって最初に流れる電流の方向が互いに同じとなる経路内であれば、どこに設けても良い。
【0037】
なお、本発明の放電ランプ装置は、希ガス蛍光ランプに代えて、エキシマランプにも適用可能である。
図17は、エキシマランプの一例を示す概略断面図である。同図に示すように、このエキシマランプは、円筒外部放射型のもので、放電容器46は石英ガラス等の誘電体で構成されている。放電容器46は、円筒状をした外壁461と、その内側に筒軸を共通にした円筒状の内壁462と、この外壁461と内壁462とを両端で封止する封止壁463、464からなり、これらの各壁で囲まれた円筒状の領域が放電空間Sとなる。外壁461の表面に密着して網状の第1の電極47が設けられ、内壁462の筒軸側の表面に密着してアルミニウム等からなる第2の電極48が密着して設けられている。これらの第1、第2電極間には高周波電源8が接続される。高周波電源8により第1の電極47と第2の電極48との間に高周波電圧が印加されると、放電空間S内には誘電体バリア放電による直径0.02〜0.2mm程度の多数のマイクロプラズマが発生する。これにより放電空間S内にエキシマが生成され、エキシマ光が放出される。このエキシマ光は、外壁461を透過し第1の電極47の網目を通って外部に放射される。放電空間S内に封入される放電ガスとしては、希ガスまたは希ガスとハロゲンガスとの混合ガスが用いられるが、放電ガスの種類を変えることによって、それぞれ発光中心波長が異なるエキシマ光を放射させることができる。放電ガスとして、キセノン(Xe)、クリプトン(Kr)、アルゴン(Ar)等の希ガスを用いた場合には、それぞれ172nm、146nm、126nmの発光中心波長をもつエキシマ光を得ることができる。また、クリプトン(Kr)と塩素(Cl)ガスとの混合ガスを用いた場合には、発光中心波長が222nmのエキシマ光が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1の実施形態の発明に係る放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
【図2】図1に示した希ガス蛍光ランプ4の構成を示す図である。
【図3】希ガス蛍光ランプ4の等価回路を示す図である。
【図4】図1に示した無負荷検知回路5の具体的構成を示す回路図である。
【図5】図1に示した放電ランプ装置の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】第2の実施形態の発明に係る放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
【図7】図6に示した無負荷検知回路6の具体的構成を示す回路図である。
【図8】図6に示した放電ランプ装置の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
【図10】図9に示した放電ランプ装置の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】第1ないし第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置における、希ガス蛍光ランプ4の点灯時におけるトランス3の2次側に流れる電流波形、および希ガス蛍光ランプ4の無負荷時におけるトランス3の2次側に流れる電流波形を示す図である。
【図12】第1(または第2)の実施形態の発明に係る放電ランプ装置における、希ガス蛍光ランプ4の点灯時および無負荷時における、無負荷検知回路5の平均化回路53(または無負荷検知回路6の平均化回路62)に入力される入力信号の電流波形を示す図である。
【図13】第3の実施形態の発明に係る放電ランプ装置における、希ガス蛍光ランプ4の点灯時におよび無負荷時における、無負荷検知回路7の平均化回路72に入力される入力信号の電流波形を示す図である。
【図14】第1ないし第3の各実施形態の発明に係る放電ランプ装置および図17に示した従来技術に係る放電ランプ装置の平均化回路における、点灯時の時間平均値に対する無負荷時の時間平均値の相対値を示した表である。
【図15】交流変換回路2をプッシュプル方式で構成し、無負荷検知回路が省略されて示されている放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
【図16】交流変換回路2をハーフブリッジ方式で構成し、無負荷検知回路が省略されて示されている放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
【図17】エキシマランプの一例を示す概略断面図である。
【図18】従来技術に係る放電ランプ装置の回路構成を示す図である。
【図19】図18に示した無負荷検知回路105の具体的構成を示す回路図である。
【図20】図18に示した放電ランプ装置における、希ガス蛍光ランプ104の点灯時における無負荷検知回路105の平均化回路108に入力される入力信号の電流波形、および希ガス蛍光ランプ104の無負荷時における無負荷検知回路105の平均化回路108に入力される入力信号の電流波形を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 直流電源
2 交流変換回路
21 スイッチング素子駆動回路
22 RSフリップフロップ
3 トランス
4 希ガス蛍光ランプ
41 ガラス管
42 蛍光物質
43,44 外部電極
45 易始動部位
46 放電容器
461 外壁
462 内壁
463、464 封止壁
47 第1の電極
48 第2の電極
5 無負荷検知回路
51 電流波形検出回路
52 スイッチ回路
53 平均化回路
54 比較回路
6 無負荷検知回路
61 電流波形検出回路
62 平均化回路
63 比較回路
7 無負荷検知回路
71 電流波形検出回路
72 平均化回路
73 比較回路
8 高周波電源
Q11、Q12、Q21、Q22 スイッチング素子
D11、D12、D21、D22 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方または一方の組の第1のスイッチング素子と他方または他方の組の第2のスイッチング素子を交互にスイッチング動作させて直流電圧を交流電圧に変換させる交流変換回路と、該交流変換回路からの交流電圧を昇圧するトランスと、該トランスの2次側に接続された希ガス蛍光ランプを備えた放電ランプ装置において、
前記第1のスイッチング素子のオン期間を含み前記第2のスイッチング素子のオン期間を含まない前記交流電圧の略半周期間流れる電流を検出する手段と、前記検出された電流を平均化する平均化回路と、該平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路と、からなる無負荷検知回路を設けたことを特徴とする放電ランプ装置。
【請求項2】
一方または一方の組の第1のスイッチング素子と他方または他方の組の第2のスイッチング素子を交互にスイッチング動作させて直流電圧を交流電圧に変換させる交流変換回路と、該交流変換回路からの交流電圧を昇圧するトランスと、該トランスの2次側に接続された希ガス蛍光ランプを備えた放電ランプ装置において、
第1のスイッチング素子がオンの時に流れる第1の電流経路と第2のスイッチング素子がオンの時に流れる第2の電流経路とが重なると共に、前記第1の電流経路と前記第2の電流経路を流れる電流が互いに逆方向である電流経路に直列に接続された電流波形検出回路と、前記第1のスイッチング素子のオン期間を含み前記第2のスイッチング素子のオン期間を含まない前記交流電圧の略半周期間、前記電流波形検出回路で検出された電流波形信号を通過させるスイッチ回路と、該スイッチ回路を通過した電流波形信号を平均化する平均化回路と、該平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路と、からなる無負荷検知回路を設けたことを特徴とする放電ランプ装置。
【請求項3】
前記無負荷検知回路の電流波形検出回路を、前記トランスの2次側に接続したことを特徴とする請求項2に記載の放電ランプ装置。
【請求項4】
一方または一方の組の第1のスイッチング素子と他方または他方の組の第2のスイッチング素子を交互にスイッチング動作させて直流電圧を交流電圧に変換させる交流変換回路と、該交流変換回路からの交流電圧を昇圧するトランスと、該トランスの2次側に接続された希ガス蛍光ランプを備えた放電ランプ装置において、
第1のスイッチング素子がオンの時に流れる第1の電流経路と第2のスイッチング素子がオンの時に流れる第2の電流経路とが重ならない電流経路に直列に接続された電流波形検出回路と、前記電流波形検出回路で検出された電流波形信号を平均化する平均化回路と、該平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路と、からなる無負荷検知回路を設けたことを特徴とする放電ランプ装置。
【請求項5】
一方または一方の組の第1のスイッチング素子と他方または他方の組の第2のスイッチング素子を交互にスイッチング動作させて直流電圧を交流電圧に変換させる交流変換回路と、該交流変換回路からの交流電圧を昇圧するトランスと、該トランスの2次側に接続された希ガス蛍光ランプを備えた放電ランプ装置において、
第1のスイッチング素子がオンの時に流れる第1の電流経路と第2のスイッチング素子がオンの時に流れる第2の電流経路とが重なると共に、前記第1の電流経路と前記第2の電流経路を流れる電流が互いに同方向である電流経路に直列に接続された電流波形検出回路と、前記電流波形検出回路で検出された電流波形信号を平均化する平均化回路と、該平均化回路の出力値を基準値と比較する比較回路と、からなる無負荷検知回路を設けたことを特徴とする放電ランプ装置。
【請求項6】
前記希ガス蛍光ランプに代えて紫外線を照射するエキシマランプを用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つの請求項に記載の放電ランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−295556(P2009−295556A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150954(P2008−150954)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】