説明

敷物および監視装置

【課題】被監視体の行動の判別が可能であり、容易に設置することができる敷物を提供する。
【解決手段】敷物は、被監視体の行動を遠隔により監視する敷物であって、面状の保護層28と、保護層28の表面に配置されているセンサ用光ファイバ11を備える。 センサ用光ファイバ11は、被監視体に押圧されることにより生じる複数点の歪みを検知するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷物およびこれを備える監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、高齢者社会が進み、高齢者用の介護施設や老人ホーム等の福祉施設に入居する人が増えている。介護施設等においては、人手不足などにより、十分に目が行き届かない場合がある。また、家庭においても、核家族化や少子化により高齢者が1人で家に居る機会が増えている。このような近年の状況により、高齢者用の福祉施設における事故や家庭内での事故が問題になってきている。
【0003】
高齢者や家族にとっては、福祉施設または家庭内でのトラブルを少しでも早く発見して、重大な事故に至ることを未然に防ぐことが望ましい。または、福祉施設または家庭内での行動を把握できることが望ましい。
【0004】
従来の技術においては、被監視体の監視に監視カメラが用いられてきた。監視カメラは、監視者が確実に被監視体の行動を把握する面で優れているが、監視には多くの人手が必要であるという問題がある。たとえば、一人の監視者が同時に多人数の監視を行うことは困難である。また、監視カメラを用いることによりプライバシーが他人に覗かれることになるために、監視カメラは敬遠されるという問題がある。
【0005】
特開平11−102403号公報においては、監視センタに接続されたPHS親機が、制御用電波を送出し、老人が携帯するPHS子機が制御用電波の電界強度を監視する老人監視システムが開示されている。この監視システムにおいては、電波の電界強度が一定時間変化しない場合、老人が動いていないと判断して監視センタに通報することが開示されている。
【0006】
また、特開2000−131162号公報においては、カーペットと、カーペットの裏面側に設けた検出電極と、検出電極と絶縁された基準電極とを備え、検出電極と基準電極との間の静電容量の変化を検出する敷物センサが開示されている。この敷物センサにおいては、敷物の上部に存在する物体などを検出電極と基準電極との間の静電容量の変化として検出することが開示されている。
【0007】
センサとしては、静電容量による圧力センサの他に光ファイバの圧力センサが知られている。たとえば、特開2002−148129号公報においては、圧力印加時の2つの光ファイバ中の伝搬光間の位相差に基づいて、印加圧力を検出する光ファイバ圧力センサが開示されている。
【特許文献1】特開平11−102403号公報
【特許文献2】特開2000−131162号公報
【特許文献3】特開2002−148129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術において、静電容量等による電気的な圧力センサにおいては、電気を駆動源とするためにセンサ部分の全てに電気を供給する必要があり、設置工事が大がかりになるという問題があった。たとえば、人の体重のかかる位置に電気的なセンサを設置して、人がその位置に居るかを検知するセンサにおいては、複数の箇所に電気配線を行う必要があり、敷設工事が大がかりになるという問題があった。
【0009】
また、電気的なセンサにおいては、電気を駆動源とするために、台所、トイレまたは浴室などの水を使う場所に設置する場合に、漏電に対する対策を万全に講じなければならないという問題があった。さらには、台所のようなガスを用いる場所に電気的なセンサを配置する場合には、ガス漏れがあったときに爆発をひき起こさないように対策を講じなければならないという問題があった。
【0010】
本発明は、被監視体の行動の判別が可能であり、容易に設置することができる敷物および監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の敷物は、被監視体の行動を遠隔により監視する敷物であって、面状の基材を備える。基材の表面に配置されているセンサ用光ファイバを備える。 センサ用光ファイバは、被監視体に押圧されることにより生じる複数点の歪みを検知するように形成されている。
【0012】
上記発明において好ましくは、装飾が施され、表側に配置されている表側部材を備える。表側部材が固定されている裏側部材を備える。センサ用光ファイバは、裏側部材の内部に配置されている。
【0013】
上記発明において好ましくは、複数枚が連結可能に形成されている敷物であって、センサ用光ファイバの先端に配置され、センサ用光ファイバ同士を接続するためのジョイント部を備える。ジョイント部は、光が入射する入射ジョイント部および光が出射する出射ジョイント部を含む。ジョイント部は、基材の端面に配置されている。
【0014】
本発明の監視装置は、面状の基材および基材に配置されているセンサ用光ファイバを備える敷物を備える。センサ用光ファイバからの信号を解析する解析装置を備える。センサ用光ファイバは、複数点における歪みの検知が可能なように形成されている。解析装置は、複数点における信号の変化を解析することにより被監視体の行動を判別するように形成されている。
【0015】
上記発明において好ましくは、解析装置は、複数点における信号パターンを予め設定された基準信号パターンと比較することにより被監視体の行動を判別する。
【0016】
上記発明において好ましくは、解析装置は、複数点における信号の大きさの時間変化を解析することにより被監視体の行動を判別する。
【0017】
上記発明において好ましくは、複数の敷物が被監視体のそれぞれの居住場所に配置され、複数の敷物の信号は、監視者の居室に配置されている一の解析装置に伝達されている。
【0018】
上記発明において好ましくは、解析装置が配置されている場所から離れた場所に配置され、解析装置の出力を表示する端末を備える。解析装置の出力を端末に伝達する通信装置を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、被監視体の行動の判別が可能であり、容易に設置することができる敷物および監視装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
図1から図12を参照して、実施の形態1における敷物および監視装置について説明する。本実施の形態における敷物は、被監視体の行動を遠隔により監視する敷物である。本実施の形態における被監視体は人である。本実施の形態における敷物は、室内の床に敷いて用いられる。
【0021】
図1は、本実施の形態における敷物の概略断面図である。敷物としてのセンサ敷物1は、面状に形成されている。センサ敷物1は、基材としての保護層28を備える。保護層28は、センサ用光ファイバ11の下側に配置されている。保護層28は、センサ用光ファイバ11に加わる衝撃を吸収するように形成されている。基材としては、保護層に限られず、センサ用光ファイバの下敷きとなる部材であれば任意の部材を採用することができる。
【0022】
保護層28の上面には、光ファイバ固定層27が形成されている。センサ敷物1は、保護層28の表面に配置されているセンサ用光ファイバ11を備える。本実施の形態におけるセンサ用光ファイバは、FBG(Fiber Bragg Grating)方式で歪みの検知を行う光ファイバである。本実施の形態におけるセンサ用光ファイバ11は、光ファイバ固定層27の内部に配置されている。センサ用光ファイバ11は、保護層28の表面に沿って面状に延びるように配置されている。光ファイバ固定層27は、樹脂を含む。センサ用光ファイバ11は、樹脂によって保護層28に固定されている。
【0023】
光ファイバ固定層27の表面には、保護層26が配置されている。保護層26は、センサ用光ファイバ11の上側に配置されている。保護層26は、センサ用光ファイバ11に加わる衝撃を吸収するように形成されている。保護層26の表面には、表面防水層25が配置されている。表面防水層25は、たとえば樹脂で形成され、水が浸透しないように形成されている。
【0024】
本実施の形態におけるセンサ敷物1は、表側部材としてのパイル糸21および基布22を備える。パイル糸21は、表側部材の装飾として配置されている。パイル糸21は、パイル材として配置されている。パイル糸21は、外側に向かって飛び出すように形成されている。センサ敷物1は、パイル糸を固定する固定部材としての基布22を備える。パイル糸21は、接着剤を含む接着樹脂層23により基布22に固定されている。
【0025】
本実施の形態におけるセンサ敷物1は、裏側部材を備える。本実施の形態における裏側部材は、積層体である。本実施の形態における裏側部材は、保護層28、光ファイバ固定層27、保護層26および表面防水層25を含む。本実施の形態におけるセンサ用光ファイバ11は、裏側部材の内部に配置されている。基布22およびパイル糸21は、接着樹脂層23を介して裏側部材に固定されている。
【0026】
センサ用光ファイバ11が配置されている層よりも上側の層は、被監視体の押圧により凹むように形成されている。たとえば、被監視体がセンサ部の配置されている位置を踏んだときに、センサ部に押圧力が伝達され、センサ部が歪むように形成されている。
【0027】
図2に、本実施の形態における監視装置の概略図を示す。本実施の形態における監視装置は、複数のセンサ敷物1を備える。センサ敷物1のそれぞれには、センサ用光ファイバ11が配置されている。センサ用光ファイバ11は、平面視したときに、蛇行するように配置されている。センサ用光ファイバ11は、矢印82に示す一の方向に往来するように配置されている。センサ用光ファイバ11は、基材の端部において折り返すように配置されている。センサ用光ファイバ11の敷設方法は、この形態に限られず、任意の敷設方法を採用することができる。
【0028】
図3に、本実施の形態におけるセンサ用光ファイバの部分拡大概略図を示す。本実施の形態におけるセンサ用光ファイバ11は、コア部11aを有する。コア部11aは、レーザー光などの光が進行する部分である。センサ用光ファイバ11は、クラッド部11bを有する。クラッド部11bは、コア部11aの周りに形成されている。
【0029】
本実施の形態におけるセンサ用光ファイバ11は、センサ部11cを有する。センサ部11cには、屈折率が周期的に変化する部分が形成されている。本実施の形態におけるセンサ部11cには、複数の回折格子が形成されている。
【0030】
図2を参照して、本実施の形態におけるセンサ用光ファイバ11には、複数のセンサ部11cが形成されている。センサ部11cは、センサ敷物1を平面視したときに、ほぼ等間隔で離れるように配置されている。センサ部11cは、センサ敷物1を平面視したときに、表面全体にわたって規則的に配置されている。
【0031】
本実施の形態における監視装置は、ジョイントボックス35を備える。監視装置は、配線用光ファイバ12を備える。ジョイントボックス35は、センサ用光ファイバ11と配線用光ファイバ12とを接続するように形成されている。本実施の形態のジョイントボックス35においては、2本のセンサ用光ファイバ11と1本の配線用光ファイバ12とが接続されている。
【0032】
本実施の形態における監視装置は、センサ用光ファイバ11からの光信号を解析する解析装置として、測定器36およびパーソナルコンピュータ37を備える。測定器36は、配線用光ファイバ12に対して光を出射するように形成されている。また、測定器36は、配線用光ファイバ12から入射する光信号を、電気信号に変換できるように形成されている。
【0033】
パーソナルコンピュータ37は、測定器36に接続されている。パーソナルコンピュータ37は、測定器36から出力される電気信号を解析して被監視体の行動を判別することができるように形成されている。パーソナルコンピュータ37は、解析した結果を表示することができるように形成されている。また、本実施の形態におけるパーソナルコンピュータ37は、被監視体の行動が異常の場合に、監視者に知らせるように形成されている。たとえば、被監視体の行動が異常の場合に、異常表示を行ったり警告音を発したりするように形成されている。
【0034】
本実施の形態においては、測定器36からレーザー光が発振される。発振されたレーザー光は、配線用光ファイバ12、ジョイントボックス35を通って、それぞれのセンサ敷物1に配置されているセンサ用光ファイバ11に送られる。
【0035】
図3を参照して、それぞれのセンサ用光ファイバ11に送られた光は、センサ部11cにおいて、矢印81に示すように、特定の波長の光が選択的に反射される。これに対して、特定の波長の光以外の光は、矢印83に示すように、センサ部11cの回折格子を通り抜ける。本実施の形態においては、一のセンサ部11cにて反射される光の波長が、他のセンサ部11cにて反射される光の波長と異なるように形成されている。このため、波長の異なるレーザー光を出射して、反射した光の波長を検知することにより、いずれの位置のセンサ部11cの信号かを特定することができる。
【0036】
図4および図5に、センサ部にて反射される光のスペクトルを示す。横軸は反射光の波長であり、縦軸は反射光の強度を示す。図4は、センサ部に外力が加えられていない状態での反射光を示す。センサ部は、歪みがない状態である。この場合の反射光は、波長λ1を有する。
【0037】
図5は、センサ部に外力が加えられた状態での反射光を示す。センサ部は、外力により歪む。本実施の形態においては、人がセンサ部11cの部分を踏んだり、センサ部11cの部分に寝たりすることにより、センサ部11cが押圧される。この場合に、センサ部が歪んで、センサ部にて反射される光の波長が波長λ1から波長λ1’に移行する。また、押圧が解除されることにより、センサ部にて反射される光の波長が波長λ1’から波長λ1に移行する。
【0038】
このように、センサ部に歪みが生じることにより、反射光の波長が移行する。波長の移行量を測定することにより、それぞれのセンサ部における歪み量を測定することができる。または、それぞれのセンサ部における押圧強さを測定することができる。
【0039】
図2を参照して、それぞれのセンサ用光ファイバ11のセンサ部11cにおいて反射した光は、センサ用光ファイバ11、ジョイントボックス35および配線用光ファイバ12を通って測定器36に送られる。測定器36においては、光信号が電気信号に変換される。電気信号は、パーソナルコンピュータ37に送信される。
【0040】
パーソナルコンピュータ37には、人の行動を判別する解析プログラムが搭載されている。パーソナルコンピュータ37において、得られた信号の解析が行なわれて、被監視体の行動が判別される。
【0041】
本実施の形態におけるセンサ敷物1は、たとえば人が居住する居室に配置される。人は、このセンサ敷物1の上を歩いたり、センサ敷物1の上に寝転がったりする。本実施の形態における解析装置は、被監視体の行動を判別するように形成されている。
【0042】
図6から図12を参照して、解析装置における複数点の信号の解析方法について説明する。図6から図12のそれぞれは、人の行動別のグラフである。グラフの横軸は、時間を示す。グラフの縦軸は、センサ用光ファイバのセンサ部における歪みの大きさを示す。センサ用光ファイバの歪みの大きさは、押圧力の大きさに対応する。
【0043】
本実施の形態においては、縦軸の歪みの大きさに対して、予め判定値S1と、判定値S1より大きな判定値S2とが設定されている。また、横軸の時間の長さに対して、予め判定値K1と、判定値K1よりも長い判定値K2とが設定されている。これらの判定値は、判別する被監視体の行動を判別可能に設定されている。それぞれの測定点A、測定点Bおよび測定点Cは、複数のセンサ部のうち押圧されるセンサ部に対応している。
【0044】
図6は、第1の行動により検知される信号のグラフである。本実施の形態における第1の行動は、センサ敷物の上側に人が立ち止まった状態である。人がセンサ敷物の上に立って止まっている時においては、押圧されている測定点Aにおいて、略一定の歪みが検知される。その歪みの大きさは、判定値S1よりも小さい。また、立って止まっているために、略一定の大きさの歪みが検知されている時間L1は、時間の判定値K2よりも長い。また、信号が検知される測定点は、人が立っているときに踏む可能性のある大きさの領域内に限られている。このような領域内の測定点で、歪みの大きさが判定値S1よりも小さく、略一定の歪みが生じている時間が判定値K2よりも長い場合には、人が立って止まっていると判別される。
【0045】
図7は、第2の行動により検知される信号のグラフである。本実施の形態における第2の行動は、人が歩いている状態である。図7においては、測定点A、測定点Bおよび測定点Cで得られる検知結果が示されている。それぞれのグラフの形状は山形になる。それぞれの測定点A〜Cにおいて得られる歪みの大きさは、判定値S1よりも小さい。歪みが生じている時間L2は、判定値K1よりも小さい。また、時間経過に伴って、測定点A、測定点Bおよび測定点Cの順に歪みが検出されている。被監視体が、測定点Aから測定点Bに向かった後に測定点Cに向かって移動している。このような信号の場合には、人が歩いていると判別される。
【0046】
図8は、第3の行動により検知される信号のグラフである。本実施の形態における第3の行動は、人がつまずいた状態である。図8は、測定点Cにおける信号パターンである。図7に示す人が歩いていると判別される信号の一部に、図8に示す信号が混入する場合がある。この信号は、歪みの大きさが判定値S1よりも大きく、判定値S2よりも小さい。また、歪みが生じている時間L2は、判定値K1よりも小さい。このような信号が検知された場合には、人が歩いている時につまずいたと判別される。
【0047】
図9は、第4の行動により検知される信号のグラフである。本実施の形態における第4の行動は、人が転んだり倒れたりしたときの状態である。人が転んだり倒れたりした時においては、更に大きな歪みの信号が検知される。図9は、測定点Cにおける信号パターンである。この信号は、歪みの大きさが判定値S2よりも大きい。また、歪みが生じている時間L2は、判定値K1よりも小さい。このような信号が検知された場合には、人が転んだり倒れたりしたと判別される。
【0048】
さらに、図9に示す信号の後に、人が動き回ることが検知されれば、人が転んだと判別される。また、図9に示す信号の後に後述する人が横たわる信号が検知されれば、人が倒れたと判別される。
【0049】
図10は、第5の行動により検知される信号のグラフである。本実施の形態における第5の行動は、足を引きずりながら歩いている状態である。図10は、測定点Aおよび測定点Bにおける信号パターンである。測定点A,Bにおけるそれぞれの信号は、歪みの大きさが判定値S1よりも小さい。それぞれの歪みが生じている時間L3は、判定値K1よりも長く判定値K2よりも短い。また、被監視体は、測定点Aから測定点Bに向かって移動している。このような信号の場合には、人が足を引きずりながら歩いていると判別される。
【0050】
図11は、第6の行動により検知される信号のグラフである。本実施の形態における第6の行動は、人がセンサ敷物の上に横たわっている状態である。図11は、測定点A、測定点Bおよび測定点Cにおける信号パターンである。測定点A〜Cは、人が横たわったときの体の大きさに対応する領域内の測定点である。複数の測定A〜Cにおいて、ほぼ同じ時間に、歪みが生じている。検知されるそれぞれの歪みの大きさは、判定値S1よりも小さい。また、生じている歪みの大きさは、それぞれの測定点A〜Cにおいて、時間経過に関わらずに略一定である。歪みが生じている時間L4は、判定値K2よりも長い。このような信号の場合には、人が横たわっていると判別される。
【0051】
このように、本実施の形態における解析装置は、複数点における信号の大きさの時間変化を解析することにより、被監視体の行動を判別することができる。たとえば、歪みが発生している位置、歪みの大きさ、歪みが発生する時間、歪みが生じている時間長さ、および歪みの移動形態のうち、少なくとも一の変数を解析することにより、被監視体の行動を判別することができる。さらに、時間や歪みの変数に対して判定値を設けることにより、被監視体の行動を判別することができる。
【0052】
被監視体の行動の判別方法としては、この形態に限られず、複数点における信号パターンを、予め設定された基準信号パターンと比較することにより被監視体の行動を判別しても構わない。たとえば、人が転ぶときの山形の信号の波形を基準パターンとして設定しておいて、同様の波形の信号が発現したときに人が転んだと判別しても構わない。
【0053】
本実施の形態においては、人の行動として、一般の歩行や転倒などを例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、たとえば四つん這いになって進行する等の他の行動についても判別を行うことができる。
【0054】
さらに、本実施の形態における監視装置は、居住者の行動形態を予め基準形態として蓄積しておいて、行動形態から被監視体の異常を検知することができる。たとえば、トイレや浴室での滞在が基準形態の時間よりも長いことを検知することにより、被監視体の異常を検知することができる。
【0055】
本実施の形態における監視装置は、居住者の行動の判別のみではなく、居住者以外の人が居ることを検知することができる。
【0056】
図12は、居住者以外の者が侵入したときに検知される信号のグラフである。たとえば、泥棒などの不審者が侵入したときの状態の信号を示す。図12は、測定点A、測定点Bおよび測定点Cにおける信号パターンである。測定点Aの信号パターンは、居住者の信号パターンである。
【0057】
測定点Bまたは測定点Cの信号パターンの波形は、測定点Aの信号パターンの波形と大きく異なっている。測定点Bの歪みの最大値は、測定点Aの歪みの最大値よりも大きい。また、測定点Cの歪みの最大値は、測定点Aの歪みの最大値よりも小さい。また、測定点B,Cでの歪みが生じているそれぞれの時間は、測定点Aと異なる。測定点Bまたは測定点Cで示すように、歪みの大きさや歪みが生じている時間が異なり、判定値以上離れている場合には、居住者以外の者が侵入したと判別される。
【0058】
さらに、居住者の行動形態を予め基準形態として設定しておき、明らかに行動形態が異なる場合には、居住者以外の者の侵入を判別することができる。たとえば、人の移動経路を検知して不審者を判別することができる。たとえば、居住者の基準形態においては、外出先から家に帰ってきたときには手を洗うために洗面台が配置されている場所に向かう。ここで、外出先から帰ってきたときに直接的に居間に向かう信号が検知されれば、不審者と判別することができる。
【0059】
本実施の形態における監視装置は、センサ敷物と解析装置とを光ファイバを用いて接続することができるために、遠隔監視を行うことができる。図2を参照して、配線用光ファイバ12を長くすることにより、測定器36とセンサ敷物1とを異なる場所に配置することができる。または、測定器36とパーソナルコンピュータ37とが電気的に接続されている配線を長くすることにより、測定器36とパーソナルコンピュータ37とを異なる場所に配置することができる。または、センサ敷物1、測定器36およびパーソナルコンピュータ37が互いに異なる場所に配置されていても構わない。
【0060】
本実施の形態における敷物および監視装置は、光ファイバをセンサとして用いているため、センサを配置する場所に電源工事を行う必要が無く、容易に設置を行うことができる。センサ敷物の設置においては、対象の場所にセンサ敷物を敷いて、光ファイバの接続を行うことで設置することができる。
【0061】
また、センサへの電源供給が不要であるため、水を使う場所や湿気の多い場所にも容易に設置することができる。たとえば、台所などの水場に、電気的な変化により検知を行なうセンサ敷物を配置する場合には水による漏電の恐れがある。このために、漏電を防ぐための防水工事を行う必要がある。または、風呂場などの湿度が高くなる場所に配置する場合にも防水工事が必要である。しかしながら、本実施の形態における敷物は、センサとしての光ファイバ自体が濡れても漏電の恐れはなく、防水工事を行なわずに設置することができる。さらに、本実施の形態におけるセンサ敷物は、屋内に限られずに屋外にも配置することができる。たとえば、家の中に限られず庭などにセンサ敷物を配置することができる。
【0062】
また、本実施の形態における敷物は、電気的な方法により検知を行う敷物と異なり、雷や高圧線などによる電磁誘導の影響を排除することができる。または、敷物の近くに電子レンジや無線機などが配置されている場合においても、電磁ノイズによる誤作動が生じないために、信頼性の高い計測を行なうことができる。
【0063】
本実施の形態においては、センサ用光ファイバとして、FBG方式で歪みの検知を行う光ファイバを採用している。この構成により、高い信号感度を得ることができて、精度の高い検知を行うことができる。
【0064】
本実施の形態においては、センサ用光ファイバとして、FBG方式の光ファイバを例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、光ファイバに押圧力が加わったときに、光ファイバの歪みが検知可能に形成されていれば構わない。たとえば、センサ用光ファイバとして、B−OTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)方式の光ファイバを採用することができる。B−OTDR方式は、ブリルアン散乱光による計測方式である。光ファイバに光パルスを入射すると、ブリルアン散乱光が発生する。ブリルアン散乱光は、ある特定の周波数分布を有しており、光ファイバの歪みに比例して周波数分布が移動する。B−OTDR方式は、このブリルアン散乱光の周波数シフト量を計測することにより、光ファイバの歪み量を測定する。歪みの発生位置は、光パルス入射時間とブリルアン散乱光の受光時間から算出することができる。
【0065】
本実施の形態における敷物は、表側部材として、パイル糸および基布を備える。本実施の形態における敷物は、表側部材がカーペット状に形成されているが、この形態に限られず、任意の敷物に本発明を採用することができる。また、表面部材としては、カーペット状のものに限られず、装飾が施されていれば構わない。たとえば、表側部材としては、表面に模様が形成されている樹脂板や、樹脂コーティングされ、印刷が施された布等を含むことができる。
【0066】
本実施の形態における被監視体は人であるが、この形態に限られず、任意の移動する物体を被監視体にすることができる。被監視体としては、たとえば、犬などの動物であっても構わない。
【0067】
(実施の形態2)
図13および図14を参照して、実施の形態2における敷物および監視装置について説明する。本実施の形態における被監視体は、高齢者である。
【0068】
図13は、本実施の形態における第1の監視装置の概略図を示す。第1の監視装置においては、センサ敷物1が一の建物に配置され、測定器36およびパーソナルコンピュータ37が、一の建物から離れた建物に配置されている。本実施の形態においては、センサ敷物1が福祉施設としての福祉介護センタに配置されている。センサ敷物1は、それぞれの高齢者71の居室に配置されている。これに対して、測定器36およびパーソナルコンピュータ37は、病院の看護士ステーションに配置されている。センサ敷物1と測定器36とは、配線用光ファイバ12によって接続されている。
【0069】
本実施の形態においては、それぞれのセンサ敷物1の信号は、配線用光ファイバ12を介して病院の看護士ステーションに伝達される。複数のセンサ敷物1の信号は、一のパーソナルコンピュータ37に伝達されて、パーソナルコンピュータ37にて行動の判別が行われる。本実施の形態におけるパーソナルコンピュータ37は、高齢者の異常を検知したときに、警告を表示する等により監視者に知らせるように形成されている。
【0070】
監視者としての看護士は、福祉介護センタにおけるそれぞれの高齢者71の各居室を遠隔モニタリングすることができる。看護士は、高齢者71の行動を病院の看護士ステーションにて把握することができる。また、看護士は、それぞれの高齢者71に異常が生じた際に、即時にその異常を検知することができる。
【0071】
本実施の形態の第1の監視装置においては、複数の敷物が、複数の被監視体のそれぞれの居住場所に配置されている。一の解析装置は、監視者の居室に配置されている。複数の敷物の信号が一の解析装置に伝達されている。この構成により、複数の被監視体の状況を1カ所に集めることができて、少人数で監視を行うことができる。また、解析装置が監視者に対して異常を告知できるように形成されていることにより、多くの被監視者を少人数の監視者で監視することができる。
【0072】
第1の監視装置は、センサ敷物1が一の建物に配置され、測定器36およびパーソナルコンピュータ37が他の建物に配置されているが、この形態に限られずに、センサ敷物1、測定器36およびパーソナルコンピュータ37が同じ建物の互いに異なる部屋に配置されていても構わない。たとえば、センサ敷物が病院の病室に配置され、同じ病院の看護士ステーションに解析装置が配置されていても構わない。
【0073】
図14は、本実施の形態おける第2の監視装置の概略図である。第2の監視装置においては、一人で暮らしている高齢者71の自宅にセンサ敷物1が配置されている。または、家族は外出して高齢者71が一人で残る家庭にセンサ敷物1が配置されている。
【0074】
解析装置としての測定器36およびパーソナルコンピュータ37は、モニタリングセンタに配置されている。モニタリングセンタは、たとえば、病院、警備会社、またはインターネットの接続を行うプロバイダ等である。それぞれの高齢者宅の光信号は、配線用光ファイバ12を介してモニタリングセンタに送信される。モニタリングセンタにおいて、信号の解析が行なわれる。
【0075】
第2の監視装置においては、解析結果が通信装置を用いて端末に伝達される。第2の監視装置においては、通信装置として公衆ネットワーク網が採用されている。公衆ネットワークとしては、たとえば、電話回線、電話回線を用いたADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、携帯電話通信、またはインターネット網などの装置を採用することができる。また、端末としては、それぞれの高齢者71の親族宅に配置されているパーソナルコンピュータ38や、親族の携帯機器としての携帯電話39を採用することができる。解析結果は、端末に送信されて、端末により監視者に通知される。
【0076】
第2の監視装置においては、被監視体の居場所から離れていても、被監視体の行動や異常を把握することができる。たとえば、高齢者71が一人で暮らしている場合には、各高齢者71の家族宅に端末としてのパーソナルコンピュータ37が配置されていることにより、家族は自宅にて高齢者の行動や異常を即時に知ることができる。高齢者71が家族と同居している場合においても、携帯電話39で解析結果を受信することにより、外出先で高齢者71の行動や異常を即時に知ることができる。
【0077】
従来の技術においては、福祉介護センタや自宅などで高齢者が倒れても、人に発見されるまで他人が状況を把握することができなかった。倒れた高齢者を発見した場合は、たとえば、救急車を呼ぶ、または、介護センタの看護士ステーションや病院などに通知することにより、初めて救助を求めることができた。このため、倒れてから最初の処置を行うまでに時間がかかってしまうという問題があった。しかしながら、本実施の形態においては、看護士や家族等に異常の発生を即時に通らせることができて、最初の処置を行うまでの時間を短くすることができる。
【0078】
本実施の形態において、解析装置の出力を端末に伝達する通信装置として、公衆ネットワーク網が採用されているが、この形態に限られず、任意のネットワークが用いられていても構わない。また、端末としては、パーソナルコンピュータや携帯機器に限られず、解析結果を受信できる任意の機器を採用することができる。
【0079】
また、本実施の形態においては、被監視体として高齢者を例に取り上げて説明を行ったが、この形態に限られず、たとえば、被監視体が子供や病人等であっても構わない。
【0080】
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰り返さない。
【0081】
(実施の形態3)
図15から図17を参照して、実施の形態3における敷物について説明する。本実施の形態における敷物は、表側部材を有さずに、センサ用光ファイバを含む積層体により構成されている。
【0082】
図15は、本実施の形態における敷物および表面カーペットの概略断面図である。本実施の形態においては、表面のパイル糸の部分とセンサ敷物の部分とが分離されている。本実施の形態においては、パイル糸を含む表面カーペット3の下側にセンサ敷物2が配置されている。
【0083】
図16に、本実施の形態における敷物の概略断面図を示す。センサ敷物2は、センサ用光ファイバ11が配置されている光ファイバ固定層27を有する。光ファイバ固定層27の表裏の両面には、保護層26,28が配置されている。保護層26の表面には、表面防水層25が配置されている。
【0084】
基材としての保護層28の裏面には、滑り止め層29が配置されている。本実施の形態の滑り止め層29は、樹脂層である。滑り止め層29は、滑り止めの加工が施されている。たとえば、滑り止め層29は、裏面に凹凸が形成されたり、滑り止め剤が塗布されたりしている。滑り止め加工としては、任意の形態を採用することができる。
【0085】
図17に、本実施の形態における表側部材としての表面カーペットの概略断面図を示す。表面カーペット3は、パイル糸21を有する。パイル糸21は、基布22および接着樹脂層23によって固定されている。表面カーペット3の裏側には、滑り止め層30が配置されている。滑り止め層30は、接着樹脂層23に固定されている。滑り止め層30は、滑り止めの加工が施されている。
【0086】
図15を参照して、本実施の形態においては、敷設対象面にセンサ敷物2を敷設した後に表面カーペット3を被せる。本実施の形態においては、表面カーペット3がセンサ敷物2から分離可能に形成されている。このため、表面カーペット3が汚れたときに、表面カーペット3を取り外して洗濯などの洗浄を行なうことができる。また、表面カーペット3が使用により古くなったり、部屋の模様替えを行ったりするときには、表面カーペット3を容易に取り替えることができる。また、表面カーペット3を取り替えずに、センサ敷物2を修理したり新品に取り替えたりすることができる。
【0087】
表面カーペットの裏面およびセンサ敷物の裏面に、滑り止め加工が施されていることにより、センサ敷物が敷設面に対して滑ったり、表面カーペットがセンサ敷物に対して滑ったりすることを防止できる。この結果、表面カーペットに乗ったときに、表面カーペットまたはセンサ敷物が移動して転倒することを防止できる。
【0088】
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1または2と同様であるのでここで説明を繰り返さない。
【0089】
(実施の形態4)
図18から図20を参照して、実施の形態4における敷物について説明する。本実施の形態における敷物は、複数枚が互いに連結可能に形成されている。
【0090】
図18に、本実施の形態における第1の敷物の概略斜視図を示す。本実施の形態における第1の敷物としてのセンサ敷物4は、センサ用光ファイバ11を備える。センサ敷物4は、平面形状が四角形になるように形成されている。
【0091】
センサ敷物4は、センサ用光ファイバ11の先端に配置されているジョイント部6を備える。ジョイント部6は、センサ用光ファイバ11同士を互いに接続するための接続部材である。2個のジョイント部6のうち、一方は光が入射する入射ジョイント部であり、他方は光が出射する出射ジョイント部である。それぞれのジョイント部6は、基材の端面に配置されている。ジョイント部6は、敷物同士が接続できるように、端面から露出して配置されている。
【0092】
図19は、本実施の形態における第2の敷物の概略斜視図である。第2の敷物としてのセンサ敷物5は、平面形状が四角形になるように形成されている。センサ敷物5は、センサ用光ファイバ11の一方の先端にジョイント部6が配置され、他方の先端にモデム7が配置されている。モデム7は、光信号を電気信号に変換する変換機である。
【0093】
図20に、本実施の形態における複数の敷物を敷設したときの概略平面図を示す。本実施の形態における第3の敷物としてのセンサ敷物8は、センサ用光ファイバ11の配置がセンサ敷物4と対称になる敷物である。複数のセンサ敷物4,8を端面同士が互いに接触するように配置する。本実施の形態においては、センサ敷物4とセンサ敷物8とを交互に配置している。
【0094】
互いに隣り合うセンサ敷物4,8のセンサ用光ファイバ11は、ジョイント部6同士が接続されることにより、互いに連結される。一のセンサ敷物4,8のセンサ用光ファイバ11と他のセンサ敷物4,8のセンサ用光ファイバ11とは、1本のセンサ用光ファイバとして機能する。
【0095】
複数のセンサ敷物4,8が敷設された領域の端部には、センサ敷物5が配置されている。センサ敷物5のモデム7に信号線31が接続することにより、電気信号が送信される。電気信号は、たとえばパーソナルコンピュータに送信されて行動が判別される。
【0096】
本実施の形態におけるセンサ敷物は、タイルカーペット状になっている。センサ敷物は、任意の枚数を互いに接続することができる。このために、任意の広さの設置場所に容易に設置することができる。また、1枚のセンサ敷物を小型にすることができて、設置工事が容易になると共に、搬送を容易に行うことができる。
【0097】
本実施の形態においては、センサ用光ファイバの配置が互いに対称になっている2種類の敷物が交互に配置されているが、この形態に限られず、1種類の敷物が連続して配置されていても構わない。または、3種類以上の敷物が連結されていても構わない。
【0098】
本実施の形態においては、センサ敷物の平面形状が四角形になるように形成されているが、この形態に限られず、任意の平面形状を採用することができる。また、センサ敷物の平面形状が多角形になるように形成されていることにより、敷設を容易に行うことができる。
【0099】
本実施の形態においては、モデムを端部の敷物に配置することにより、複数の敷物から電気信号を取り出しているが、この形態に限られず、たとえば、モデムの代わりに光ファイバを接続するための接続部材が配置されていても構わない。
【0100】
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1から3と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0101】
上記に記載の実施の形態は、本発明を限定するものではなく例示である。また、それぞれの図において、同一の部分または相当する部分には同一の符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】実施の形態1におけるセンサ敷物の拡大概略断面図である。
【図2】実施の形態1における監視装置の概略図である。
【図3】センサ用光ファイバのセンサ部の拡大概略図である。
【図4】センサ用光ファイバのセンサ部からの反射光を説明する第1のグラフである。
【図5】センサ用光ファイバのセンサ部からの反射光を説明する第2のグラフである。
【図6】実施の形態1において人が立って止まっているときの信号を説明するグラフである。
【図7】実施の形態1において人が歩いたときの信号を説明するグラフである。
【図8】実施の形態1において人がつまずいたときの信号を説明するグラフである。
【図9】実施の形態1において人が転んだときの信号を説明するグラフである。
【図10】実施の形態1において人が足を引きずりながら歩いたときの信号を説明するグラフである。
【図11】実施の形態1において人が横たわっているときの信号を説明するグラフである。
【図12】実施の形態1における居住者以外の人が侵入したときの信号を説明するグラフである。
【図13】実施の形態2における第1の監視装置の概略図である。
【図14】実施の形態2における第2の監視装置の概略図である。
【図15】実施の形態3におけるセンサ敷物および表面カーペットの概略断面図である。
【図16】実施の形態3におけるセンサ敷物の拡大概略断面図である。
【図17】実施の形態3における表面カーペットの拡大概略断面図である。
【図18】実施の形態4における第1のセンサ敷物の概略斜視図である。
【図19】実施の形態4における第2のセンサ敷物の概略斜視図である。
【図20】実施の形態4における複数のセンサ敷物を敷設したときの概略平面図である。
【符号の説明】
【0103】
1,2,4,5,8 センサ敷物
3 表面カーペット
6 ジョイント部
7 モデム
11 センサ用光ファイバ
11a コア部
11b クラッド部
11c センサ部
12 配線用光ファイバ
21 パイル糸
22 基布
23 接着樹脂層
25 表面防水層
26,28 保護層
27 光ファイバ固定層
29,30 滑り止め層
31 信号線
35 ジョイントボックス
36 測定器
37,38 パーソナルコンピュータ
39 携帯電話
71 高齢者
81,82,83 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被監視体の行動を遠隔により監視する敷物であって、
面状の基材と、
前記基材の表面に配置されているセンサ用光ファイバと
を備え、
前記センサ用光ファイバは、前記被監視体に押圧されることにより生じる複数点の歪みを検知するように形成されている、敷物。
【請求項2】
装飾が施され、表側に配置されている表側部材と、
前記表側部材が固定されている裏側部材と
を備え、
前記センサ用光ファイバは、前記裏側部材の内部に配置されている、請求項1に記載の敷物。
【請求項3】
複数枚が連結可能に形成されている敷物であって、
前記センサ用光ファイバの先端に配置され、前記センサ用光ファイバ同士を接続するためのジョイント部を備え、
前記ジョイント部は、光が入射する入射ジョイント部および前記光が出射する出射ジョイント部を含み、
前記ジョイント部は、前記基材の端面に配置されている、請求項1または2に記載の敷物。
【請求項4】
面状の基材および前記基材に配置されているセンサ用光ファイバを備える敷物と、
前記センサ用光ファイバからの信号を解析する解析装置と
を備え、
前記センサ用光ファイバは、複数点における歪みの検知が可能なように形成され、
前記解析装置は、前記複数点における信号の変化を解析することにより被監視体の行動を判別する、監視装置。
【請求項5】
前記解析装置は、前記複数点における信号パターンを予め設定された基準信号パターンと比較することにより前記被監視体の行動を判別する、請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
前記解析装置は、前記複数点における前記信号の大きさの時間変化を解析することにより前記被監視体の行動を判別する、請求項4または5に記載の監視装置。
【請求項7】
複数の前記敷物が前記被監視体のそれぞれの居住場所に配置され、
複数の前記敷物の信号は、監視者の居室に配置されている一の前記解析装置に伝達されている、請求項4から6のいずれかに記載の監視装置。
【請求項8】
前記解析装置が配置されている場所から離れた場所に配置され、前記解析装置の出力を表示する端末と、
前記解析装置の出力を前記端末に伝達する通信装置と
を備える、請求項4から7のいずれかに記載の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−128984(P2009−128984A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300354(P2007−300354)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(596063403)山本産業株式会社 (6)
【出願人】(591141784)学校法人大阪産業大学 (49)
【出願人】(000205627)大阪府 (238)
【Fターム(参考)】