説明

文字、若しくは図柄などの読取装置を備えた携帯電話。

【課題】任意の情報ソース媒体などに記載された文字、図柄等のデータを、読み取って大容量のデータを入力すると共に、それを、携帯電話を通信媒体として、任意の他の装置と交信する個人データの保管管理用の携帯端末を提供する。
【解決手段】読取手段1と、該読取手段の制御手段2と、前記読取手段1で読み取られた信号を処理する処理手段3と、前記処理手段3で処理されたデータ及び携帯電話の入出力データなどの記憶手段4と、データの入力手段を選択する入力切換手段5と、前記各手段を格納する格納場所を設け、従来のキー操作入力などの入力手段のほか、食品メニュー及びシステム手帳など任意の情報ソース媒体にあらかじめ文字、若しくは図柄などを用いて記載されている使用者識別情報、検索情報などを、前記読取手段で読み取り、携帯電話に該読取情報の入力を成すことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話へのデータ入力において、キー操作入力、ペンタッチ入力など従来の入力手段のほか、食品メニュー、システム手帳など任意の情報ソース媒体に文字、若しくは図柄などを用いて記載されている情報を読取手段で読み取り入力を成す新たな入力手段を備えた携帯電話に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話において数字、文字などのデータ入力は、キー操作、若しくはペンタッチにより入力されていた。他方、携帯可能な文字、若しくは図柄などの読取装置においては、図柄読取装置と携帯電話をケーブルで接続し、携帯電話を通信媒体として任意のサーバー、データベースなど他の装置とデータのアクセスを成す業務用装置はあるが、携帯電話と一体を成して任意のサーバー及びデータベースなど他の装置とデータのアクセスが成せる図柄読取装置はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】携帯電話におけるデータ入力は、キー操作、若しくはペンタッチなどによる間欠動作を複数回操作することによって成されていたが、入力データの容量が大きな場合、入力に係る操作回数の多さからその正確さにかけていた。他方、文字、若しくは図柄などの読取装置においては、あらかじめ商品一覧表など任意の情報ソース媒体にバーコードなどの図柄を用いて使用者識別情報、検索情報など記載し、その記載情報を読取装置で読み取り、その読み取った情報を、携帯電話に接続されたケーブルを介して入力し、該携帯電話を通信媒体とし、任意のサーバ、データベースなど他の装置とデータアクセスを成す業務用装置はあった。しかしながらこのシステムは、図柄読取装置が大きく携帯に不向きであると共に、その価格も高価なため個人で使用されることはなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明の文字、若しくは図柄などの読取装置を備えた携帯電話は、従来の携帯電話機に、文字、若しくは図柄などの読取手段と、該読取手段の制御手段と、前記読取手段で読み取られた信号を処理する処理手段と、該処理手段で処理されたデータ及び携帯電話の入出力データなどの記憶手段と、データの入力手段を選択する入力切換手段と、前記各手段を格納する格納場所を設け、従来のキー操作入力などの入力手段のほか、食品メニュー、システム手帳など任意の情報ソース媒体にあらかじめ文字、若しくは図柄などを用いて記載されている使用者識別情報、検索情報などを、前記読取手段で読み取り該読取情報の入力を成す新たな入力手段を設けたことを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の文字、若しくは図柄などの読取装置を備えた携帯電話(以下、読取装置付携帯電話と記載する。)の構成を示すブロック図である。同図中において参照番号1は文字、若しくは図柄などの読取手段であり、2は読取手段1を作動状態とする制御手段である。3は読取手段1が読み取った信号を処理する処理手段であり、4は処理手段3で処理されたデータ、読取装置付携帯電話のナンバーキーなどから入力されるデータ及び読取装置付携帯電話で受信するデータなどの記憶手段である。更に5は読取装置付携帯電話に入力するデータの入力手段を選択する入力切換手段である。
【0006】6は読取手段1のうち、光を発光する発光部、例えば半導体レーザーであり、7は半導体レーザー6が発光したレーザー光線の反射光を受光するする受光部、例えばフォトダイオードである。8は制御手段2の操作キーであり、9は処理手段3のうち、文字、若しくは図柄など、例えばバーコードにレーザー光線を照射し、その反射光を受光するフォトダイオード7の出力信号、すなわちバー(黒色)部分では弱く、スペース(白色)部分では強いアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部である。更に10はAD変換部9で変換されたデジタル信号を処理してバーコードのパターンをデータとするCPUである。
【0007】11はCPU10で処理が成されたデータを保管する記憶手段4のRAMであり、12はデータの入力切換手段5のうち、入力手段を選択するモードキーである。13は機能設定など成すファンクションキーであり、14は数字、文字などを入力するダイヤルキーである。15は携帯電話装置の制御部であり、16は時分割多元接続方式(TDMA)、例えば同一周波数で送受信を成す分割双方向通信(TDD)の制御部、TDMA−TDDコントローラーである。
【0008】17はデータを送受信用データに変調、かつ受信データを復調する変復調部であり、18は無線送受信部である。19は送受信データ、発呼番号、読取装置付携帯電話の操作方法などの表示部、例えば液晶パネルであり、20はマイクである。21はスピーカーであり、22はマイク20及びスピーカー21のアナログ音声信号をデジタル信号に変換する音声用AD変換部である。23は通話、データ通信の何れかを選択する通信データ切換部であり、24は読取装置付携帯電話に入力する情報を表示する文字、若しくは図柄など、例えばバーコードである。
【0009】図2は読取装置付携帯電話の運用システムに用いられる情報ソース媒体の検索機能付を付加した検索機能付食品メニュー(以下、検索機能付食品メニューと記載する。)、例えばチーズバーガーとフライドポテト及びミルクをセットにしたチーズバーガーセットを示す図である。図中には食品アイテム名と、価格及び同セットに含まれる栄養素別エネルギー量データが保管されている任意のサーバー及びデータベースなど他の装置の使用者識別情報(以下、IDと記載する。)検索情報などを表示した、例えばバーコード24が表示されている。
【0010】図3は本発明の読取装置付携帯電話の運用方法、例えば被使用者の食事の自己管理に用いた一例を示すブロック図である。同図中において参照番号25は読取装置付携帯電話であり、26は本発明の読取装置付携帯電話25から任意のサーバー、データベースなど他の装置に送信する送信データ、例えば被使用者のID及びデータベースのアドレスなどである。27は返信データ、例えばアクセスしたデータベースのアドレスに保管されているデータであり、28は任意のサーバーなど他の装置のサーバー専用通信手段である。29は前記の任意のサーバーなど他の装置、例えばサーバーであり、30は様々なデータを保管するデータベースである。
【0011】前記の返信データ27は、データベース30に保管されているデータのうち、読取装置付携帯電話25から送信されるアドレスに保管されているデータ、すなわちあらかじめ検索機能付食品メニュー図2にバーコード24を用いて記載された、例えばチーズバーガーセットに含まれている栄養素別エネルギー量であり、被使用者はこの返信データ27を参考にして食事の摂取量を決定し、食事の自己管理を成す。
【0012】図4は本発明の読取装置付携帯電話25の動作を示すフローチャートである。同図中(S1)〜(S22)はステップ番号である。本フローチャートを参照して読取装置付携帯電話25の作用を説明すると、まず読取装置付携帯電話25の電源キーを一定時間、例えば1秒間以上押下し電源をONとし読取装置付携帯電話25を待ち受け状態とする(S1)。この状態においては、通常、通信データ切換部23は通話若しくはデータ通信のうち、通話が選択され、読取装置付携帯電話25の入力切換手段5はキー入力(S2)が選択されている。
【0013】読取装置付携帯電話25で通話する場合は、モードキー12を複数回押下しダイヤルキー14を選択(S4)し、ダイヤルキー14を複数回押下(S13)して発呼番号を選択し、他の通信手段を発呼し通話する。また、読取装置付携帯電話25の機能設定をする場合は、モードキー12を複数回押下しファンクションキー13を選択(S4)し、ファンクションキー13を複数回押下して設定する機能を選択し、ダイヤルキー14を駆使し文字、数字などを入力(S12)して電話番号の登録などの様々な機能の設定を成す。
【0014】つぎにバーコード入力を選択(S2)した場合の動作を説明すると、制御手段2の操作キー8を連続して押下することによって読取手段1は押下されている間作動状態となる。このことによって読取手段1の発光部、例えば半導体レーザー6がレーザー光線を発光する。このレーザー光線で文字、若しくは図柄など、例えばバーコード24をなぞって照射(S5)すると、フォトダイオード7がその反射光を受光し、バー(黒色)部分では弱く、スペース(白色)部分では強いアナログ信号を出力(S6)する。
【0015】フォトダイオード7が出力するアナログ信号を処理手段3のうち、AD変換部9に入力しデジタル信号に変換(S7)し、更にAD変換部9で変換されたデジタル信号をCPU10に入力し処理(S8)することによって読取手段1で読み取られたバーコード24のパターンが各種のデータ、例えば被使用者のID、サーバー専用通信手段28の発呼番号、データベース30の検索情報、すなわちアドレスなどに変換される。
【0016】処理手段3で処理された上記の各データのうち、発呼番号は読取装置付携帯電話25を制御する制御部15のダイヤラーを作動(S9)してサーバー専用通信手段28を発呼し、サーバー専用通信手段28と読取装置付携帯電話25を通信状態(S15)とする。つぎに被使用者のIDが送信データ26とし、読取装置付携帯電話25からサーバー専用通信手段28を介し(S16)サーバー29に入力(S17)され、サーバー29は入力されたIDが正当か否かを判別し、正当な場合は、データベース30から被使用者の個人データを読み出し読取装置付携帯電話25に返信データ27とし読取装置付携帯電話25に送信すると共に、読取装置付携帯電話25とデータベース30のアクセスを可能とし、読取装置付携帯電話25から送信される検索情報に基づき、様々なデータが保管されているデータベース30を検索し、該当する情報を読み出(S18)し、サーバー専用通信手段28を介して読取装置付携帯電話25に返信データ27として送信(S19)される。
【0017】読取装置付携帯電話25は、サーバー専用通信手段28から送信された返信データ27を受信(S20)し、その受信したデータを変復調部17でデジタルデータに復調(S21)し、復調したデータ、すなわちデータベース30に保管されている様々なデータのうち、前記情報ソース媒体である検索機能付食品メニュー図2のうち、例えばチーズバーガーセットに記載されたバーコード24を読取手段1で読み取り(S5、S6)、その読み取ったアナログ信号を処理手段3で処理(S8)し検索情報とし、その検索情報に該当する食品アイテムに含まれている栄養素別エネルギー量を返信データ27とし記憶手段4のRAM11に書き込み記憶(S22)すると共に、表示部19の液晶パネルで表示する。
【0018】またあらかじめ被使用者が1日に摂取する適切なエネルギー量及び運動量などのデータを、バーコード24を用いて任意の情報ソース媒体、例えばシステム手帳及び読取装置付携帯電話25の操作マニュアルなどに表示し、バーコード24を読取手段1で読み取り(S5、S6)、前述の(S7)〜(S17)の各ステップをへて、データベース30に被使用者の個人データとして保管(S18)することもできる。またこの保管されたデータは、読取装置付携帯電話25を用いて読み出し、(S19)〜(S21)をへて記憶手段4のRAM11に書き込み記憶(S22)すると共に、表示部19で表示(SS11)することもできる。
【0019】読取装置付携帯電話25において、データ通信若しくは通話を終了するには、電源キーを1回押下(S1)することによって動作が停止する。更に読取装置付携帯電話25の使用を停止するには、前記の電源キーを一定時間、例えば1秒間以上押下(S1)することによってすべての動作が停止する。
【0020】以上のごとく本発明の実施形態の説明は、生活習慣病などの食事療法に従事する被使用者の食事自己管理システムの携帯端末とし説明したが、前記システムのみに使用されるものではなく、従来の携帯電話同様、読取装置付携帯電話25の機能設定などにおいてデータ入力などの様々な使用方法がある。例えば従来の携帯電話利用分野において、携帯電話の小型化、多機能化が促進することにより、操作キーが小型化すると共に、その操作方法も複雑となり、中高齢者などが携帯電話のマニュアルを読み、その操作を理解して小型化した操作キーで操作をすることが困難となった。
【0021】このことを解決する手段とし、携帯電話の様々な機能設定がダイヤルキーを数回操作することによって成されていることに鑑み、従来、携帯電話の各機能の設定を成すダイヤルキーの操作順を、任意の情報ソース媒体、例えば読取装置付携帯電話25の操作マニュアルなどに図柄、例えばバーコード24で表示し、読取手段1で読み取り自動的に機能設定を成すことが可能である。このことによって携帯電話の機能設定などの操作が容易、かつ確実となる。
【0022】以上、記載した読取装置付携帯電話25に設けられる文字、若しくは図柄などの読取手段1を取り外し可能なペン型読取装置とし、読取装置付携帯電話25にその格納部分を設け、該ペン型読取装置を格納することにより、読取装置付携帯電話25を使用の際、ペン型読取手段を格納部から取り出し携帯電話を手で持つことなく使用することが可能となる。
【0023】
【発明の効果】以上のごとく、本発明は、携帯電話のデータ入力において、キー操作入力、ペンタッチ入力など従来の入力手段のほか、あらかじめ情報ソース媒体、例えば検索機能付食品メニュー、システム手帳などに文字、若しくは図柄などを用いて記載された情報を読取手段で読み取り入力を成す新たな入力手段を備えることにより、携帯電話、PHS、通信衛星通信網を利用する通信手段などに入力するデータの入力操作を容易、かつ確実に成すことが可能となる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の読取装置付携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の読取装置付携帯電話の運用システムに用いられる検索機能付食品メニューを示す図である。
【図3】本発明の読取装置付携帯電話の運用方法を示すブロック図である。
【図4】本発明の読取装置付携帯電話の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1は読取手段
2は制御手段
3は処理手段
4は記憶手段
5は入力切換手段
6は半導体レーザー
7はフォトダイオード
8は操作キー
9はAD変換部
10はCPU
11はRAM
12はモードキー
13はファンクションキー
14はダイヤルキー
15は制御部
16はTDMA−TDDコントローラー
17は変復調部
18は無線送受信部
19は表示部
20はマイク
21はスピーカー
22は音声用AD変換部
23は通信データ切換部
24はバーコード
25は読取装置付携帯電話
26は送信データ
27は返信データ
28はサーバー専用通信手段
29はサーバー
30はデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】従来の携帯電話において、文字、若しくは図柄の読取手段と、該読取手段の制御手段と、前記読取手段で読み取られた信号を処理する処理手段と、該処理手段で処理されたデータ及び携帯電話の入出力データなどの記憶手段と、データ入力手段を選択する入力切換手段と、前記各手段を格納する格納場所を設け、従来のキー操作入力などの入力手段のほか、食品メニュー及びシステム手帳など任意の情報ソース媒体にあらかじめ文字、若しくは図柄などを用いて記載されている使用者識別情報、検索情報などを、前記読取手段で読み取り該読取情報の入力を成す新たな入力手段を設けたことを特徴とする文字、若しくは図柄などの読取装置を備えた携帯電話。
【請求項2】前記携帯電話を、PHSとする請求項1記載の文字、若しくは図柄などの読取装置を備えた携帯電話。
【請求項3】前記携帯電話を、通信衛星通信網の回線を使用する携帯電話とする請求項1記載の文字、若しくは図柄などの読取装置を備えた携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2000−232391(P2000−232391A)
【公開日】平成12年8月22日(2000.8.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−70661
【出願日】平成11年2月9日(1999.2.9)
【出願人】(592000314)
【Fターム(参考)】