説明

文書管理プログラム及び文書管理方法

【課題】文書データの直感的な操作を可能とすること。
【解決手段】文書管理プログラムであって、情報処理装置において、文書データを一覧表示する文書一覧部の表示情報を生成する画像表示部303と、文書一覧部に表示された第一の文書情報を、第二の文書情報にドラッグアンドドロップする操作を受け付ける操作受付部302と、操作の受け付けに応じて、第二の文書情報に含まれる文書に、第一の文書情報に含まれる文書を追加して一の文書情報として関連付けて記憶した後、第一の文書情報を削除する画像処理部304とを構成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理プログラム及び文書管理方法に関し、特に、直感的な操作による電子化された文書情報の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
【0003】
このような画像処理装置のうち、FAX(Facsimile)用のモデムを備えることにより、FAXとしての機能をも含むものがある。そして、近年では、上述した電子化の要請により、FAXとして受信した文書データをNAS(Network Attached Storage)等に保存するペーパーレスFAXが用いられることもある。更には、このように電子化されたFAXの文書データに対して編集を行い、スタンプやコメント等のアノテーションを付与することができる技術が既に知られている。
【0004】
他方、電子化されたデータの編集を直感的な操作により実現する方法として、サムネイル表示された画像データや音声データを、ドラッグアンドドロップにより操作する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常の紙出力を用いるFAXの場合、別個に受信された文書をひとまとめにすることは、紙出力された文書を束ねれば出来ることであり容易である。他方、上述したようなペーパーレスFAXを用いる場合、そのような操作を実現するためには、そのような機能に対応したアプリケーションを用いて行う必要があり、アプリケーションがインストールされていることや、アプリケーションの操作に精通していること等、全てのユーザにとって容易なことではない。
【0006】
特許文献1、2においては、主として画像ファイルや音声ファイルを対象とした操作について開示されたものであり、FAXによって受信されたデータのような文書データの操作について開示されたものではない。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、文書データの直感的な操作を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、電子化された文書情報の表示及び編集機能を実現するための文書管理プログラムであって、前記電子化された文書情報を一覧表示する文書一覧部の表示情報を生成する文書一覧表示ステップと、前記文書一覧部に表示された第一の文書情報を、第二の文書情報にドラッグアンドドロップする操作を示す操作情報を取得する操作情報取得ステップと、前記操作情報取得ステップに応じて、記憶媒体に記憶された前記第二の文書情報に含まれる文書に、前記第一の文書情報に含まれる文書を追加して一の文書情報として関連付けて記憶する文書結合ステップと、前記文書結合ステップに応じて、前記第一の文書情報を削除するドラッグ元情報削除ステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の態様は、電子化された文書情報の表示及び編集機能を実現するための文書管理方法であって、前記電子化された文書情報を一覧表示する文書一覧部の表示情報を生成して出力することにより表示装置に前記文書一覧部を表示させ、前記文書一覧部に表示された第一の文書情報を、第二の文書情報にドラッグアンドドロップする操作を示す操作情報を取得し、前記ドラッグアンドドロップする操作を示す操作情報の取得に応じて、記憶媒体に記憶された前記第二の文書情報に含まれる文書に、前記第一の文書情報に含まれる文書を追加して一の文書情報として関連付けて記憶し、前記一の文書情報として関連付けて記憶した後、前記第一の文書情報を削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、文書データの直感的な操作を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るシステムの運用形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るクライアント端末のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複合機の機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るクライアント端末の機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係るメインプログラムのGUIを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るドラッグアンドドロップ操作の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態にファイルの統合処理を模式的に示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るファイルの統合処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るドラッグアンドドロップ操作の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態にファイルの統合処理を模式的に示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るファイルの統合処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、文書データを直感的な操作により編集可能なアプリケーション・プログラムがインストールされたPC(Persoal Computer)を含むシステムを例として説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係るシステムの運用形態の例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、複合機1、クライアント端末2及びNAS(Network Attached Storage)サーバ3がネットワークを介して接続されて構成されている。
【0014】
複合機1は、撮像機能、画像形成機能、FAX(Facsimile)機能及びネットワーク通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral)である。本実施形態において、複合機1は、FAX機能により受信した信号に基づいて文書データを生成し、その文書データをNASサーバ3に格納する。
【0015】
クライアント端末2は、ユーザが操作する情報処理端末であり、PCのような情報処理装置によって実現される。本実施形態に係るクライアント端末2は、NASサーバ3に格納された文書データを取得し、直感的な操作によりその文書データの編集を可能とするアプリケーション・プログラムの機能に基づいて文書データの編集を行う文書編集装置として機能する。NASサーバ3は、複合機1やクライアント端末2がネットワークを介してアクセス可能な記憶領域を提供する。
【0016】
次に、本実施形態に係る複合機1、クライアント端末2及びNASサーバ3のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係るクライアント端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。尚、複合機1は、図2に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジンを備える。以下の説明においては、クライアント端末2のハードウェア構成を例として説明するが、複合機1及びNASサーバ3についても同様である。
【0017】
図2に示すように、本実施形態に係るクライアント端末2は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係るクライアント端末2は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
【0018】
CPU10は演算手段であり、クライアント端末2全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
【0019】
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、クライアント端末2の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザがクライアント端末2に情報を入力するためのユーザインタフェースである。尚、図1において説明したように、本実施形態に係るNASサーバ3はサーバとして運用される。従って、LCD60及び操作部70等のユーザインタフェースは省略可能である。また、複合機1の場合、操作部70は、各種のハードキーやタッチパネルが用いられる。
【0020】
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る複合機1、クライアント端末2及びNASサーバ3の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0021】
次に、本実施形態に係る複合機1の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る複合機1の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る複合機1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ディスプレイパネル104、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107、ネットワークI/F108及びFAXモデム109を有する。
【0022】
また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140、入出力制御部150及びFAX制御部160を含む。図3に示すように、本実施形態に係る複合機1は、スキャナユニット102、プリントエンジン106を有する複合機として構成されている。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
【0023】
ディスプレイパネル104は、複合機1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが複合機1を直接操作し、若しくは複合機1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル104は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル104は、図2に示すLCD60及び操作部70によって実現される。本実施形態において、ユーザは、ディスプレイパネル104を操作してジョブ管理サーバ3に格納された印刷ジョブの選択及び取得を指示する。
【0024】
ネットワークI/F108は、複合機1がネットワークを介してクライアント端末2やNASサーバ3等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。ネットワークI/F108は、図2に示すI/F50によって実現される。FAXモデム109は、電話回線に接続されており、複合機1がFAX送受信を行うためのインタフェースとして機能する。
【0025】
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10がそのプログラムに従って動作することにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、複合機1全体を制御する制御部として機能する。
【0026】
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部120は、プリントエンジン106やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。
【0027】
また、画像処理部130は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として複合機1の記憶領域に格納され、ネットワークI/F108を介してNASサーバ3に送信され、若しくはFAXモデム109を介してFAX送信される情報である。
【0028】
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル104に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F108を介して入力される情報を主制御部110に入力する。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F108及びネットワークを介してクライアント端末2やデータサーバ3等の他の機器にアクセスする。
【0029】
FAX制御部160は、FAXモデム109が受信した信号に基づいて文書データを生成し、主制御部110に入力する。また、FAX制御部160は、FAXモデム109を制御し、FAXモデム109を介してFAX送信を行う。尚、FAX制御部160から主制御部110に入力された文書データは、入出力制御部150により、ネットワークを介してNASサーバ3に格納される。
【0030】
複合機1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部150がネットワークI/F108を介して印刷ジョブを受信する。即ち、入出力制御部150が、印刷データ取得部として機能する。入出力制御部150は、受信した印刷ジョブを主制御部110に転送する。主制御部110は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部130を制御して印刷ジョブに含まれる文書情報若しくは画像情報に基づいて描画情報を生成する。
【0031】
画像処理部130によって描画情報が生成されると、エンジン制御部120は、プリントエンジン106を制御し、上記生成された描画情報に基づき、給紙テーブル105から搬送される用紙に対して画像形成を実行させる。即ち、画像処理部130、エンジン制御部120及びプリントエンジン106が印刷出力部として機能する。プリントエンジン106の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン106によって画像形成が施された文書は排紙トレイ107に排紙される。
【0032】
複合機1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル104の操作若しくはネットワークI/F108を介して外部の装置から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部140若しくは入出力制御部150が主制御部110にスキャン実行信号を転送する。主制御部110は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部120を制御する。
【0033】
エンジン制御部120は、ADF101を駆動し、ADF101にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット102に搬送する。また、エンジン制御部120は、スキャナユニット102を駆動し、ADF101から搬送される原稿を撮像する。また、ADF101に原稿がセットされておらず、スキャナユニット102に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット102は、エンジン制御部120の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット102が撮像部として動作すると共に、エンジン制御部120が、読取制御部として機能する。
【0034】
撮像動作においては、スキャナユニット102に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部120は、スキャナユニット102が生成した撮像情報を画像処理部130に転送する。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、エンジン制御部120から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。
【0035】
画像処理部130が生成した画像情報は主制御部110が取得し、主制御部110がHDD40等の複合機1に装着された記憶媒体に保存する。即ち、スキャナユニット102、エンジン制御部120及び画像処理部130が連動して、画像入力部として機能する。画像処理部130によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD40等に格納され若しくは入出力制御部150及びネットワークI/F108を介してデータサーバ3等の外部の装置に送信される。
【0036】
また、複合機1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部120がスキャナユニット102から受信した撮像情報若しくは画像処理部130が生成した画像情報に基づき、画像処理部130が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部120がプリントエンジン106を駆動する。尚、描画情報と撮像情報との情報形式が同一である場合は、撮像情報をそのまま描画情報として用いることも可能である。
【0037】
また、複合機1がファクシミリとして動作する場合は、まず、スキャナ動作の場合と同様に画像処理部130によって画像情報が生成される。そして、主制御部110がFAX制御部160を制御し、FAXモデム109にFAX送信を実行させる。また、FAX受信の際には、FAXモデム109が電話回線より信号を受信し、その信号に基づいてFAX制御部160が文書データを生成する。FAX制御部160が文書データを生成すると、主制御部110がその文書データに基づいてプリンタ動作の場合と同様にエンジン制御部120及び画像処理部130を制御して出力を実行させ、若しくは入出力制御部150を制御してNASサーバ3に格納させる。
【0038】
次に、図4を参照して、本実施形態に係るクライアント端末2の機能構成について説明する。図4に示すように、本実施形態に係るクライアント端末2は、図2において説明したLCD60、操作部70に加えて、メインプログラム300、監視プログラム310及びネットワークI/F320を含む。
【0039】
ネットワークI/F320は、クライアント端末2がネットワークを介して複合機1やNASサーバ3等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
【0040】
メインプログラム300及び監視プログラム310は、複合機1のコントローラ100と同様に、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現され、本実施形態に係るクライアント端末2の要旨となる機能を実現する。メインプログラム300は、NASサーバ3に格納された文書データを、直感的な操作により編集可能なアプリケーション・プログラムである。監視プログラム310は、ネットワークI/F320を介して、NASサーバ3に格納されるFAX文書を監視する。
【0041】
図4に示すように、メインプログラム300は、文書管理部301、操作受付部302、画面表示部303及び画像処理部304を含む。文書管理部301は、ネットワークI/F320を介してNASサーバ3にアクセスし、複合機1がFAX受信によりNASサーバ3に格納した文書データを確認及び取得する。このような態様により、クライアント端末2には、複合機1との連携を実現するためのドライバ・ソフトウェア等をインストールする必要がなく、ファイル共有等のネットワークを介した一般的なデータのやり取りさえ可能であれば、本実施形態に係るシステムを構成することが可能となる。
【0042】
上述したように、監視プログラム310は、NASサーバ3の記憶領域を監視しており、NASサーバ3に新たな文書データが格納されると、それを文書管理部301に通知する。文書管理部301は、監視プログラム310からの通知を受け、ネットワークI/F320を介してNASサーバ3に格納された文書データを参照し、ユーザの操作に応じてネットワークを介してそれを取得する。
【0043】
操作受付部302は、ユーザによる操作部70に対する操作を受け付け、操作内容を示す操作情報を生成する。操作受付部302は、生成した操作情報を画面表示部303及び画像処理部304に入力する。画面表示部303は、メインプログラム300のGUI(Graphical User Interface)をLCD60に表示させるための表示情報を生成して出力する。
【0044】
画像処理部304は、メインプログラム300の要旨に係る機能を有する構成であり、操作受付部302から入力される操作情報に基づいて、HDD40に格納された文書データを表示し、編集する。この際、直感的な操作を可能とするため、操作受付部302から入力された操作情報に基づいて実行するべき画像処理を判断することが、本実施形態に係る要旨の1つである。
【0045】
次に、本実施形態に係るメインプログラム300の機能の詳細について説明する。図5は、本実施形態に係るメインプログラム300のGUIの例を示す図である。図5に示すようなGUIは、画面表示部303が生成する表示情報に基づいてLCD60に表示される。図5に示すように、本実施形態に係るメインプログラム300のGUIは、文書検索部501、フォルダツリー部502、文書一覧部503、処理実行部504、画像編集部505及び文書プロパティ部506を含む。また、画像編集部505には、ページ表示部507が含まれる。
【0046】
文書検索部501は、NASサーバ3に格納された文書データをキーワード等の条件に基づいて検索するためのインタフェースである。フォルダツリー部502は、NASサーバ3の記憶領域において構成されているフォルダ構造をツリー表示する表示部である。文書一覧部503は、フォルダツリー部502において選択されたフォルダ内の文書データを一覧表示する表示部である。
【0047】
処理実行部504は、文書一覧部503において選択され、画像編集部505に表示されている文書の“印刷”、“保存”、“FAX送信”等の処理を実行させるための操作部である。即ち、処理実行部504には、表示されている文書をファクシミリ送信させる命令を入力するための操作部が含まれる。図5に示す“FAX送信”のボタンが押下された場合、メインプログラム300においては、操作受付部302がその操作を受け付け、文書管理部301がファクシミリ送信のコマンドと共に送信するべき文書の文書データをネットワークを介して複合機1に送信する。これにより、ファクシミリ送信に際するユーザの利便性を向上することができる。
【0048】
画像編集部505は、文書一覧部503において選択された文書データを表示及び編集するためのインタフェースである。即ち、画像編集部505は、文書表示部でもある。文書プロパティ部506は、文書一覧部503において選択された文書データの書誌的な情報を表示及び編集するためのインタフェースである。ページ表示部507は、画像編集部505において、表示されている文書データが複数ページを含む文書データである場合に、表示されているページのページ数を表示する表示部である。
【0049】
本実施形態に係るメインプログラム300のGUIにおいては、図5に示す各部のうち、文書一覧部503において一覧表示されている文書データを、図6に示すようにユーザがドラッグ&ドロップ操作することにより、複数の文書データの統合が実行される。図6の例においては、ユーザが“ファイルB”をドラッグ操作し、“ファイルA”にドロップ操作する場合を例として示している・
【0050】
図7は、図6に示す操作が実行された場合における“ファイルA”及び“ファイルB”の結合態様を示す図である。図7の例においては、“ファイルA”及び“ファイルB”が共に3ページである場合を例として説明する。図6に示すようにユーザが“ファイルB”をドラッグ操作し、“ファイルA”にドロップ操作した場合、図7に示すように、ドラッグ先である“ファイルA”のページが先頭となり、ドラッグ元である“ファイルB”のページがそれに続くように結合される。換言すると、画像処理部304は、ドラッグ元の文書をドラッグ先の文書に続くページとして一の文書として関連付けて記憶する。
【0051】
即ち、本実施形態に係る画像処理部304は、ドラッグ先の文書情報に含まれる文書に、ドラッグ元の文書情報に含まれる文書を追加して一の文書情報として関連付けて記憶する。更に、ドラッグ元の文書情報自体は、文書管理部301が画像処理部304の制御に従って、ネットワークを介して削除することにより、ユーザにはドラッグ元の文書がドラッグ先の文書に統合されたように見え、直感的な操作が実現される。このような態様により、ドラッグ先の文書ファイルを基本として、ドラッグ元の文書ファイルが結合されるという直感的な操作を実現することができる。
【0052】
このような文書データの編集処理の詳細について、図8を参照して説明する。図8は、図6に示すようなドラッグ&ドロップ操作が実行される際のメインプログラム300の動作を示すフローチャートである。図8に示すように、操作受付部302が、文書一覧部503において文書データのドラッグ&ドロップ操作を受け付ける(S801)。S801において、操作受付部302は、文書一覧部503における文書ファイルのドラッグ&ドロップ操作を受け付ける。換言すると操作受付部302が、文書一覧部503におけるドラッグ&ドロップ操作についての操作情報を取得した場合に、図8に示すフローが実行される。
【0053】
操作受付部302が上述したように操作情報を取得すると、画像処理部304が操作受付部302からその操作情報を取得し、ドラッグ先が文書ファイルであるか否かを判断する(S802)。S802において画像処理部304は、画面表示部303によってLCD60に表示されているGUI各部の表示位置と、操作受付部302から取得した操作情報に含まれる操作位置、即ち、ドラッグ&ドロップの位置を比較し、ドラッグ先が文書ファイルであるか否かを判断する。ドラッグ先が文書ファイル以外のファイルである場合(S802/NO)、画像処理部304は、通常のドラッグ&ドロップ操作に従い、ドラッグ元の文書ファイルの格納場所を移動し(S807)、処理を終了する。
【0054】
ドラッグ先が文書ファイルであった場合(S802/YES)、画像処理部304は、ドラッグ先の文書ファイルの情報を文書管理部301及びネットワークI/F320を介してNASサーバ3から取得すると共に、ドラッグ元の文書ファイルの情報を同じくNASサーバ3から取得する(S803)。そして、画像処理部304は、ドラッグ元及びドラッグ先の文書ファイルの結合処理を実行する(S804)。
【0055】
S804において、画像処理部304は、先ず、ドラッグ先の文書ファイルをRAM20等の記憶領域に展開する。更に、画像処理部304は、既に展開されているドラッグ先の文書ファイルの新たなページとして、ドラッグ元の文書ファイルのページを記憶領域に展開する。即ち、画像処理部304は、既に展開されているドラッグ先の文書ファイルのページに続くように、ドラッグ元の文書ファイルのページを記憶領域に展開する。これにより、ドラッグ先の文書ファイルに新たなページが追加される形で、ドラッグ先とドラッグ元の文書ファイルが結合される。
【0056】
上述したように文書ファイルを結合すると、画像処理部304は、その結合結果を保存する(S805)。S805実際の処理は、ドラッグ先の文書ファイルに加えられた変更、即ち、ドラッグ元の文書ファイルのページの追加を確定する処理である。S805における文書ファイルの保存先は、典型的にはNASサーバ3における記憶領域のうちドラッグ先の文書ファイルと同じフォルダ内であるが、ユーザの任意の設定によって異なる記憶領域に保存することも可能である。その後、画像処理部304は、ドラッグ元の文書ファイルを削除し(S806)。処理を終了する。
【0057】
このような処理により、ユーザにとっては、ある文書ファイルを他の文書ファイルにドラッグ&ドロップすることによって2つの文書が結合されたように見せることが可能となり、直感的な操作による文書データの処理が実現される。
【0058】
図6、図7の例は、ある文書を他の文書に続くように結合する場合の例であるが、ある文書を他の文書における複数のページの間に挿入するような態様の結合も考えられる。そのような態様について以下に説明する。ある文書を他の文書の間に挿入する場合、ユーザは、図9に示すように、文書一覧部503に表示された文書ファイルをドラッグし、画像編集部505内のページ表示部507にドロップする。
【0059】
この際、例えばドロップ先の文書ファイルにおける1ページ目と2ページ目との間にドラッグ元の文書ファイルを挿入する場合は、図9に示すように、画像編集部505において1ページ目を表示した状態で、挿入するべき文書ファイルをドラッグ&ドロップする。これにより、図10に示すように、ドラッグ元ファイルであるファイルBが、ドロップ先ファイルであるファイルAの1ページ目と2ページ目との間に挿入される。
【0060】
このような文書ファイルの編集動作の詳細について、図11のフローチャートを参照して説明する。図11は、図9に示すようなドラッグ&ドロップ操作が実行される際のメインプログラム300の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、操作受付部302が、ページ表示部507への文書ファイルのドラッグ&ドロップ操作を受け付ける(S1101)。
【0061】
S1101において、操作受付部302は、文書一覧部503からページ表示部507への文書ファイルのドラッグ&ドロップ操作を受け付ける。換言すると操作受付部302が、文書一覧部503からページ表示部507へのドラッグ&ドロップ操作についての操作情報を取得した場合に、図11に示すフローが実行される。操作受付部302が上述したように操作情報を取得すると、画像処理部304が操作受付部302からその操作情報を取得し、ドラッグ元の文書ファイルとドラッグ先の文書ファイルとが異なる文書ファイルであるか否かを判断する(S1102)。
【0062】
S1102の判断の結果、ドラッグ元の文書ファイルとドラッグ先の文書ファイルとが同一である場合(S1102/NO)、画像処理部304は、処理の続行が不可能であるとして画像表示部303にエラー通知のための表示を実行させ(S1108)、処理を終了する。他方、S1102の判断の結果、ドラッグ元の文書ファイルとドラッグ先の文書ファイルとが異なる文書ファイルである場合(S1102/YES)、画像処理部304は、ドラッグ元の文書ファイルの情報を文書管理部301及びネットワークI/F320を介してNASサーバ3から取得する(S1103)。
【0063】
尚、ドラッグ先の文書ファイルは、画像編集部505に表示されている文書ファイルであり、その文書データは既にメインプログラム300によって読み込まれてRAM20等の記憶領域に展開されている。また、画像処理部304は、現在表示されている文書ファイルのページ数を参照して取得する(S1104)。そして、画像処理部304は、ドラッグ元及びドラッグ先の文書ファイルの結合処理を実行する(S1105)。
【0064】
S1105において、画像処理部304は、S1103において取得したドラッグ元の文書ファイルをRAM20等の記憶領域に展開する。そして、画像処理部304は、ドラッグ元の文書ファイルの各ページを、既に展開されていたドロップ先の文書ファイルのページのうち、S1104において取得したページ数とその次のページ数との間のページとして関連付ける。これにより、文書の結合処理が完了する。
【0065】
その後、画像処理部304は、図8の動作と同様に、文書ファイルの結合結果を保存し(S1106)、ドラッグ元の文書ファイルを削除し(S1107)、処理を終了する。このような処理により、ある文書の途中に他の文書を挿入したい場合であっても、ユーザは、挿入するべき文書の文書ファイルを、挿入したいページが表示された表示部にドラッグ&ドロップするという直感的な操作により、目的を達成することができる。
【0066】
以上、説明したように、本実施形態に係る文書管理プログラムがインストールされた文書管理装置においては、文書データの直感的な操作を可能とすることができる。
【0067】
尚、上記実施形態においては、複合機1がFAX受信してNASサーバ3に格納した文書データを前提として説明したが、これに限らず、複合機1がFAX受信してNASサーバ3に格納した文書データ以外の文書データであっても、上記と同様に直感的な操作により編集して結合することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 複合機
2 クライアント端末
3 NASサーバ
10 CPU
20 RAM
30 ROM
40 HDD
50 I/F
60 LCD
70 操作部
80 バス
100 コントローラ
101 ADF
102 スキャナユニット
103 排紙トレイ
104 ディスプレイパネル
105 給紙テーブル
106 プリントエンジン
107 排紙トレイ
108 ネットワークI/F
109 FAXモデム
110 主制御部
120 エンジン制御部
130 画像処理部
140 操作表示制御部
150 入出力制御部
160 FAX制御部
200 メインプログラム
201 文書管理部
202 操作受付部
203 画面表示部
204 画像処理部
210 監視プログラム
220 ネットワークI/F
501 文書検索部
502 フォルダツリー部
503 文書一覧部
504 処理実行部
505 画像編集部
506 文書プロパティ部
507 ページ表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開平9−297750号公報
【特許文献2】特開平10−105732号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子化された文書情報の表示及び編集機能を実現するための文書管理プログラムであって、
前記電子化された文書情報を一覧表示する文書一覧部の表示情報を生成する文書一覧表示ステップと、
前記文書一覧部に表示された第一の文書情報を、第二の文書情報にドラッグアンドドロップする操作を示す操作情報を取得する操作情報取得ステップと、
前記操作情報取得ステップに応じて、記憶媒体に記憶された前記第二の文書情報に含まれる文書に、前記第一の文書情報に含まれる文書を追加して一の文書情報として関連付けて記憶する文書結合ステップと、
前記文書結合ステップに応じて、前記第一の文書情報を削除するドラッグ元情報削除ステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする文書管理プログラム。
【請求項2】
前記文書結合ステップは、前記第二の文書情報に含まれる文書に続くページとして前記第一の文書情報に含まれる文書を追加して一の文書情報として関連付けて記憶するステップであることを特徴とする請求項1に記載の文書管理プログラム。
【請求項3】
ネットワークを介して取得された前記文書情報に含まれる文書を表示する文書表示部において表示中の文書のページ数を表示するページ表示部の表示情報を生成するページ表示ステップを情報処理装置に実行させ、
前記操作情報取得ステップにおいて取得された前記操作情報が、前記第一の文書情報を前記第二の文書情報に含まれる文書のページ数が表示されたページ表示部にドラッグアンドドロップする操作を示す場合に、前記文書結合ステップにおいて、前記第二の文書情報に含まれる文書のうち前記表示されたページに続くページとして前記第一の文書情報に含まれる文書を追加して一の文書情報として関連付けて記憶することを特徴とする請求項2に記載の文書管理プログラム。
【請求項4】
前記操作情報取得ステップにおいて取得された前記操作情報が、前記第一の文書情報を前記第二の文書情報に含まれる文書のページ数が表示されたページ表示部にドラッグアンドドロップする操作を示す場合に、前記文書結合ステップにおいて、前記第一の文書情報に含まれる文書を、前記第二の文書情報に含まれる文書のうち前記表示されたページとその次のページとの間に挿入するように追加して一の文書情報として関連付けて記憶することを特徴とする請求項3に記載の文書管理プログラム。
【請求項5】
前記文書表示ステップにおいて、ネットワークを介してアクセス可能な記憶領域に記憶された前記文書情報を一覧表示するための表示情報を生成することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の文書管理プログラム。
【請求項6】
前記操作情報取得ステップの後、少なくとも前記第一の文書情報をネットワークを介して取得して記憶媒体に記憶させる文書情報取得ステップを情報処理装置に実行させ、
前記文書結合ステップにおいて、前記記憶された第一の文書情報に含まれる文書を前記第二の文書情報に含まれる文書に追加して一の文書情報として関連付けて記憶することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の文書管理プログラム。
【請求項7】
前記文書情報に含まれる文書を表示する文書表示部に表示された文書をファクシミリ装置にファクシミリ送信させる命令を入力するための操作部を表示する操作部表示ステップと、
前記操作部が操作され、前記ファクシミリ送信させる命令が入力された場合に、前記文書表示部に表示された文書をファクシミリ装置にファクシミリ送信させるファクシミリ送信ステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の文書管理プログラム。
【請求項8】
電子化された文書情報の表示及び編集機能を実現するための文書管理方法であって、
前記電子化された文書情報を一覧表示する文書一覧部の表示情報を生成して出力することにより表示装置に前記文書一覧部を表示させ、
前記文書一覧部に表示された第一の文書情報を、第二の文書情報にドラッグアンドドロップする操作を示す操作情報を取得し、
前記ドラッグアンドドロップする操作を示す操作情報の取得に応じて、記憶媒体に記憶された前記第二の文書情報に含まれる文書に、前記第一の文書情報に含まれる文書を追加して一の文書情報として関連付けて記憶し、
前記一の文書情報として関連付けて記憶した後、前記第一の文書情報を削除することを特徴とする文書管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−222794(P2012−222794A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90226(P2011−90226)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】