説明

料金所ゲート状況出力システム

【課題】最新のゲート状況に関する情報の取得有無に対応してゲート状況を出力する装置を提供する。
【解決手段】料金所ゲート状況出力システムは、2以上の料金所ゲートと、2以上の料金所ゲートそれぞれに設定されたETC車載器を使った課金処理の可否を特定するゲート種類及び使用可否状況を検出するゲート状況検出部と、検出したゲート種類及び使用可否状況に基づくゲート情報を送信する情報送信部とを有するゲート情報出力部を備える。ゲート情報を記録する記録部450と、記録部450に記録されたゲート情報が最新のゲート情報であるか否かを判断する制御部490と、ゲート情報が最新のゲート情報である場合にはゲート種類と使用可否状況とを出力し、ゲート情報が最新のゲート情報でない場合にはゲート種類を出力する出力部440とを有するゲート情報受信部(ナビゲーションシステム)400を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金所ゲート情報状況装置に関し、特にゲート状況に関する最新の情報の取得有無に対応してゲート状況を出力する料金所ゲート状況出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
料金所ゲートのゲート種類(ETC対応車両専用ゲート、ETC非対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲート)などの情報を受信し、表示する料金収受システムが提案されている。
【0003】
特許文献1は、路側機などから料金所ゲートのゲート種類などの情報を受信し、表示する料金収受システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−123106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の装置は、送信側(路側機など)または受信側(車両側)の問題で、料金所ゲート状況の送受信をうまく行うことが出来なかった場合には、料金所ゲート状況を使用者に伝えることが出来ない。
【0006】
したがって本発明の目的は、最新のゲート状況に関する情報の取得有無に対応してゲート状況を出力する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る料金所ゲート状況出力システムは、2以上の料金所ゲートと、2以上の料金所ゲートそれぞれに設定されたETC車載器を使った課金処理の可否を特定するゲート種類、及び使用可否状況を検出するゲート状況検出部と、検出したゲート種類及び使用可否状況に基づくゲート情報を送信する情報送信部とを有するゲート情報出力部と、ゲート情報を記録する記録部と、記録部に記録されたゲート情報が最新のゲート情報であるか否かを判断する制御部と、ゲート情報が最新のゲート情報である場合にはゲート種類と使用可否状況とを出力し、ゲート情報が最新のゲート情報でない場合にはゲート種類を出力する出力部とを有するゲート情報受信部とを備える。
【0008】
好ましくは、制御部は、現時点から一定時間未満の過去に取得したゲート情報である場合にはゲート情報が最新のものであると判断し、一定時間未満の過去に取得したゲート情報でない場合にはゲート情報が最新のものでないと判断する。
【0009】
また、好ましくは、ゲート情報受信部は、ナビゲーションシステムであり、記録部は、ナビゲーションシステムに必要な地図データが有するゲート情報を更に有し、料金所ゲートに関するゲート情報をゲート情報出力部から受信できなかった場合には、地図データが有するゲート情報を出力する。
【0010】
また、好ましくは、ゲート情報受信部は、ナビゲーションシステムであり、記録部に記録されたゲート情報が最新のゲート情報であり、且つルート探索が行われている場合には、制御部は、ルート探索により設定されたルートと、ゲート種類、及び使用可否状況と、ナビゲーションシステムにETC車載器が取り付けられたか否か及びナビゲーションシステムに取り付けられたETC車載器の利用可否状況とに基づいて、通過を推奨する料金所ゲートを特定し、出力部は、ゲート種類及び使用可否状況に加えて推奨料金所ゲートに関する情報を出力する。
【0011】
また、好ましくは、ゲート情報受信部は、ナビゲーションシステムであり、記録部に記録されたゲート情報が最新のゲート情報である場合には、制御部は、ゲート種類、及び使用可否状況と、ナビゲーションシステムにETC車載器が取り付けられたか否か及びナビゲーションシステムに取り付けられたETC車載器の利用可否状況とに基づいて、通過可能な料金所ゲートを特定し、出力部は、ゲート種類及び使用可否状況に加えて通過可能料金所ゲートに関する情報を出力する。
【0012】
また、好ましくは、情報送信部はビーコンを有し、ゲート情報受信部はビーコンからの信号を送受信する通信装置を有し、ゲート情報は、ビーコンを介して送信される。
【0013】
また、好ましくは、情報送信部は路側機を有し、ゲート情報受信部は路側機からの信号を送受信するETC車載器を有し、ゲート情報は、路側機を介して送信される。
【0014】
また、本発明に係るゲート情報受信装置は、2以上の料金所ゲートと、2以上の料金所ゲートそれぞれに設定されたETC車載器を使った課金処理の可否を特定するゲート種類と使用可否状況を有するゲート情報を記録する記録部と、記録部に記録されたゲート情報が最新のゲート情報であるか否かを判断する制御部と、ゲート情報が最新のゲート情報である場合にはゲート種類と使用可否状況とを出力し、ゲート情報が最新のゲート情報でない場合にはゲート種類を出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、最新のゲート状況に関する情報の取得有無に対応してゲート状況を出力する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態における料金所ゲート状況出力システムの構成図である。
【図2】ナビゲーションシステムの構成図である。
【図3】ナビゲーションシステムのブロック図である。
【図4】第nゲート情報を生成して第nビーコンに送信される流れを示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーションシステムが、第nゲート情報を受信する流れを示すフローチャートである。
【図6】第nゲート情報等に基づいて、出力部でゲート情報案内を行う流れを示すフローチャートである。
【図7】第2案内モードでゲート情報案内を行う出力部の図である。
【図8】第3案内モードでゲート情報案内を行う出力部の図である。
【図9】推奨ゲートを特定する流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態における料金所ゲート状況出力システム1は、第1〜第Nゲート情報出力部200A1〜200AN、及びナビゲーションシステム400を備える。Nは2以上の整数である。図1は、第nゲート情報出力部200Anの第nビーコン260Anを通過する直前の、ナビゲーションシステム400を有する車両を示す。nは1以上、N以下の整数である。
【0018】
第nゲート情報出力部200Anは、第nゲート210An、第nゲート状況検出部230An、及び第n情報送信部(第nゲート情報送信部250An、及び第nビーコン260An)を有する(図1参照)。nは1以上N以下の整数である。
【0019】
第nゲート210Anは、有料道路の出入り口に設置された料金所であり、2以上の料金所ゲートを有する。各料金所ゲートは、ETC車載器を使った課金処理の可否を特定するためのゲート種類として、ETC対応車両専用(ETC専用)ゲート、ETC非対応車両専用(一般)ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用(ETC/一般)ゲートの3つのゲート種類のいずれか、及び使用中、と使用休止中の2種類の使用可否状況のいずれかに設定される。ゲート種類、及び使用可否状況の設定は、料金所の混雑状況などに応じて行われる。
【0020】
本実施形態では、第nゲート210Anは、6つの料金所ゲートを有し、各料金所ゲートは、車両の進行方向に向かって左からETC対応車両専用ゲート、ETC非対応車両専用ゲート、ETC非対応車両専用ゲート、ETC対応車両/非対応車両共用ゲート、ETC対応車両/非対応車両共用ゲート、及びETC対応車両専用ゲートのゲート種類に設定され、左から使用中、使用中、使用休止中、使用中、使用休止中、及び使用中の使用可否状況に設定されている形態を示す(図1参照、使用中は○印、使用休止中は×印)。
【0021】
第nゲート状況検出部230Anは、第nゲート210Anにある各料金所ゲートに設定されたゲート種類、及び使用可否状況を検出する。第nゲート情報送信部250Anは、第nゲート状況検出部230Anで検出した各料金所ゲートに設定されたゲート種類、及び使用可否状況に基づく第nゲート情報IGnを第nビーコン260Anに送信する。
【0022】
第nゲート情報IGnを、第nゲート情報送信部250Anから第nビーコン260Anに送信する際には、(財)道路交通情報通信システム(VICSセンター)を経由して行われるが、直接送信してもよい。
【0023】
第nビーコン260Anは、道路上に設置された一般道路で使用される光ビーコン、及び有料道路上で使用される電波ビーコンである。第nビーコン260Anは、第nゲート210Anを通過する車両が通る可能性があり、第nゲート210Anの近くで且つ進行方向手前に1以上設置される。
【0024】
第nゲート210Anが、有料道路の入り口である場合には、第nビーコン260Anは、第nゲート210Anの近く(第nゲート210Anから第1距離d1だけ手前の地点)であって、且つ第nゲート210Anを通過する車両が通る可能性のある一般道路上に設置される光ビーコンである。
【0025】
また、第nゲート210Anが、有料道路の出口である場合には、第nビーコン260Anは、第nゲート210Anの近く(第nゲート210Anから第2距離d2だけ手前の地点)であって、且つ第nゲート210Anを通過する車両が通る可能性のある有料道路上に設置される電波ビーコンである。但し、第nゲート210Anを通過しない車両(第nゲート210Anを有するインターチェンジで有料道路を出ない車両)に対して第nゲート情報IGnを送信しないように、第nビーコン260Anは、有料道路の本線上ではなく、第nゲート210An手前のランプウェイ上に設置されるのが望ましい。
【0026】
第nビーコン260Anを通る車両の速度を考慮して、第1距離d1は、第2距離d2に比べて短めに設定される。
【0027】
ナビゲーションシステム400は、操作部410、計測部430、出力部440、記録部450、第1通信部470、第2通信部480、及び制御部490を有する(図2、図3参照)。
【0028】
操作部410は、リモートコントローラなど使用者の操作によりコマンドを制御部490に送る装置である。本実施形態では、リモートコントローラによる遠隔操作をするものとして説明するが、出力部440がタッチパネルを有して出力部440上を触ることによって操作を行っても良いし、出力部440の周辺などにキーを配置させて操作を行っても良い。
【0029】
計測部430は、GPS、角速度センサなど自車位置を計測する装置である。
【0030】
出力部440は、自車位置計測情報に基づいて、地図上に自車位置を表示する。また、所定のタイミング(図6のステップS51参照)で第nゲート210Anに関する情報を、第1〜第3案内モードM1〜M3のいずれかの案内モードで案内する。第nゲート210Anに関する情報案内は、第nビーコン260Anから受信した新しい第nゲート情報IGn、又は古い第nゲート情報IGn、または記録部450に記録されている地図データが有する第n固定ゲート情報FIGnに基づいて行われる。
【0031】
出力部440による第nゲート210Anの表示においては、第nゲート情報IGnに含まれる第nゲート210Anの料金所ゲートの数(ゲート数)に応じてレイアウトが設定される。
【0032】
新しい第nゲート情報IGn、及び古い第nゲート情報IGnは、いずれも第nビーコン260Anから受信して記録部450に記録(又は制御部490の内部メモリに一時記憶)されたゲート情報であり、情報取得時間に応じて区別される。新しい第nゲート情報IGnは、現時点から一定時間T1未満の過去に、第nビーコン260Anを通過して取得したゲート情報である。古い第nゲート情報IGnは、現時点から一定時間T1以上の過去に、第nビーコン260Anを通過して取得したゲート情報である。記録部450に記録されている地図データが有する第n固定ゲート情報FIGnは、ナビゲーションシステム400が使用する地図データが有している第nゲート210Anのゲート情報である。
【0033】
一定時間T1は、第nビーコン260Anを通過した車両が、第1距離d1または第2距離d2だけ先にある第nゲート210Anに移動するまでの時間を考慮して設定される。
【0034】
新しい第nゲート情報IGnは、後述する推奨ゲート特定に使用される。古い第nゲート情報IGn、及び地図データが有するゲート情報は、推奨ゲート特定に使用されない。図1は、出力部440において第nゲート情報IGnを表示する形態を示す。また、出力部440は、音声出力装置(不図示)を用いて、ルート案内などの音声案内を行う。
【0035】
記録部450は、第1〜第N固定ゲート情報FIG1〜FIGNを有する地図データを記録した記録媒体であるが、記録媒体の種類は問わない。本実施形態では、ハードディスクを記録媒体として使用する。記録部450は、地図データに加え、新しい第nゲート情報IGnをゲート情報取得時間(第1通信部470が受信した時間)と共に記録する。このとき、古い第nゲート情報IGnは削除される。
【0036】
第nビーコン260Anを通過時に、送信側または受信側の問題で、第nゲート情報IGnを取得できなかった場合には、過去に取得された第nゲート情報IGnを使ってゲート情報の表示が行われる。また、過去に第nゲート情報IGnが全く取得されていない場合には、ナビゲーションシステムとして使用される地図データが有する第n固定ゲート情報FIGnを使ってゲート情報の案内が行われる。
【0037】
第1〜第N固定ゲート情報FIG1〜FIGNは、地図データが更新されるまで更新されない。
【0038】
第1通信部470は、道路上に設けられた光ビーコン、電波ビーコンからの信号送受信する通信装置である。光ビーコン、電波ビーコンからの信号に基づいて、ナビゲーションシステム400は、渋滞情報を取得するが、本実施形態では、更に第nゲート情報IGnも取得する。
【0039】
第2通信部480は、DSRC(Dedicated
Short Range Communications:狭域通信)を利用したETC(Electronic Toll Collection System)車載器であり、料金所ゲート等の路側に設置された無線設備(DSRC基地局、路側機)と通信を行う。路側機との通信に基づいて、ナビゲーションシステム400は、有料道路の課金処理を行う。
【0040】
制御部490は、各部を制御する。制御部490は、操作部410を使って行われたルート設定に基づいてルート探索を行う。制御部490は、記録部450に記録された第nゲート情報IGnが最新のものであるか否かを判断し、最新である場合には、ルート探索によって設定されたルートと、ETC利用可否状況(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられたか否か且つ第2通信部480に課金用のカードが適切に挿入されているか否か)、第nゲート情報IGnに基づいて、推奨するゲートを判断し出力(表示、及び音声案内)する。
【0041】
例えば、第nゲート210Anが、図1のような状態の場合、ETC対応車両専用ゲートを利用するためには、料金所の右端、または左端の料金所ゲートを使用する必要があり、料金所を出た後のルートに対応して、どちらの料金所ゲートを使用するかを案内する(料金所を出た後のルートが右に曲がる場合は、右側のETC対応車両専用所ゲートを使用する旨の案内)。ETC非対応車両についても同様である。
【0042】
制御部490は、第nゲート情報IGn(又は第n固定ゲート情報FIGn)、及びナビゲーションシステム400が搭載された車両のETC車載器利用可否状況に基づいて、通過可能ゲートを案内する。具体的には、ETC車載器が利用可能な状態(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられた状態で且つ第2通信部480に課金用のカードが適切に挿入されている状態)の場合には、使用中で且つETC対応車両専用(ETC)ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用(ETC/一般)ゲートの総てを通過可能ゲートとして案内する。ETC車載器が利用不可能な状態(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられていない状態又は第2通信部480に課金用のカードが適切に挿入されていない状態)の場合には、使用中で且つETC非対応車両専用(一般)ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用(ETC/一般)ゲートの総てを通過可能ゲートとして案内する。通過可能ゲートは、複数存在することが考えられるので、出力部440の表示を使って図示するのが望ましいが、音声で案内してもよい。
【0043】
また、制御部490の内部メモリ(不図示)は、第nゲート情報IGnを一時記憶する。
【0044】
次に、第nゲート情報IGnを生成して、第nビーコン260Anに送信される流れを、図4のフローチャートを用いて説明する。第nゲート情報IGnの生成は、随時行われる。
【0045】
ステップS11で、第nゲート情報IGnの配信が開始されると、ステップS12で、第nゲート状況検出部230Anは、第nゲート210Anにある各料金所ゲートに設定されたゲート種類、及び使用可否状況を検出する。ステップS13で、第nゲート情報送信部250Anは、第nゲート状況検出部230Anで検出した各料金所ゲートに設定されたゲート種類、及び使用可否状況に基づく第nゲート情報IGnを生成し、ステップS14で、第nゲート情報IGnを、第nビーコン260Anに送信する。
【0046】
次に、ナビゲーションシステム400が、第nゲート情報IGnを受信する流れを、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
ナビゲーションシステム400を搭載した車両が、第nゲート情報IGnを送信する第nビーコン260Anを通過すると、ステップS31で、第1通信部470と第nビーコン260Anとの間で、第nゲート情報IGnの送受信が開始される。ステップS32で、記録部450が第nゲート情報IGnを書き加えることが出来るか(記憶領域があるか)が判断される。出来る場合は、ステップS33で、新たに第nビーコン260Anから受信した第nゲート情報IGnが、ゲート情報取得時間とともに記録部450に記録され、ステップS34に進められる。このとき、過去に記録された第nゲート情報IGnは削除される。出来ない場合は、ステップS34で、新たに第nビーコン260Anから受信した第nゲート情報IGnが、制御部490の内部メモリに一時記憶される。
【0048】
次に、受信した第nゲート情報IGn等に基づいて、出力部440で、ゲート情報案内を行う流れを、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0049】
ナビゲーションシステム400を搭載した車両が、第nゲート210Anから第3距離d3だけ手前の地点を通過する等、第nゲート210Anに関する情報を、ナビゲーションシステム400において、案内するタイミングで、案内を行う手続きが開始される(ステップS51)。第3距離d3は、第1、第2距離d1、d2よりも短く設定される。
【0050】
ステップS52で、記録部450に記録された第nゲート情報IGnが、現時点から一定時間T1未満の過去に記録されたものか否かが判断される。一定時間T1未満の過去に記録されたものである場合は、記録部450に記録された第nゲート情報IGnは、最新の情報であるとして、ステップS53に進められ、一定時間T1以上の過去に記録されたものである場合は、記録部450に記録された第nゲート情報IGnは、最新の情報でないとして、ステップS56に進められる。
【0051】
ステップS53で、最新のゲート情報が読み出しされる。すなわち、制御部490の内部メモリに一時記憶された第nゲート情報IGnが読み出しされる。記録部450にも同じ第nゲート情報IGnが記録されているが、読み出し速度が速い内部メモリから読み出しするのが望ましい。
【0052】
ステップS54で、制御部490は、ルート探索によって設定されたルートと、ETC車載器利用可否状況(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられたか否か且つ第2通信部480に課金用のカードが適切に挿入されているか否か)、第nゲート情報IGnに基づいて、推奨するゲートを特定する。推奨ゲート特定の流れについては後述する(図9参照)。ルート設定が行われていない場合には、推奨ゲート特定は行われない。
【0053】
ETC車載器が利用可能な状態(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられた状態で且つ第2通信部480に課金用のカードが適切に挿入されている状態)の場合には、使用中で且つETC対応車両専用(ETC)ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用(ETC/一般)ゲートのいずれかの料金所ゲートの中で、設定されたルートに近い料金所ゲートが推奨ゲートとして特定される。
【0054】
ETC車載器が利用不可能な状態(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられていない状態又は第2通信部480に課金用のカードが適切に挿入されていない状態)の場合には、使用中で且つETC非対応車両専用(一般)ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用(ETC/一般)ゲートのいずれかの料金所ゲートの中で、設定されたルートに近い料金所ゲートが推奨ゲートとして特定される。
【0055】
ステップS55で、第1案内モードM1で、新しい第nゲート情報IGn等に基づいて、出力部440は、ゲート状況案内を行う。すなわち、出力部440の表示部は、特定された推奨ゲートを示した状態で、第nゲート210Anのゲート状況(ゲート種類、及び使用可否状況)を表示する。図2は、右端に位置するETC対応車両専用の料金所ゲートを、推奨ゲートとして実線矢印表示する形態を示す。また、出力部440の音声出力装置を用いて、ゲート状況案内、特に推奨する料金所ゲートを案内する。音声出力装置による案内は、例えば、“右端のETC対応車両専用ゲートが便利です”等である。
【0056】
設定されたルート上の第nゲート210An通過後の一定距離以内に分岐が無い場合には、推奨ゲートの特定は行われないので、第1案内モードM1であっても、推奨ゲートを示さない状態(後述する通過可能ゲートは示す状態)で、第nゲート210Anのゲート状況が案内される。
【0057】
第1案内モードM1における、第nゲート210Anのゲート状況の表示においては、ETC車載器利用可否状況、及び新しい第nゲート情報IGnに基づいて、ナビゲーションシステム400が搭載された車両が通過可能な料金所ゲート(通過可能ゲート)を案内する。ナビゲーションシステム400が搭載された車両がETC車載器利用可能状態である場合には、第nゲート210Anの使用中のETC対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートが通過可能ゲートであり、ETC利用不可能状態である場合には、第nゲート210Anの使用中のETC非対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートが通過可能ゲートである。本実施形態では、推奨ゲートと重複しない通過可能ゲートを点線矢印で表示する(図2参照)。
【0058】
ステップS56で、第nゲート情報IGnが、記録部450に記録されているか否かが判断される。記録されている場合は、ステップS57に進められ、記録されていない場合は、ステップS59に進められる。
【0059】
ステップS57で、過去のゲート情報が読み出しされる。すなわち、記録部450に記録された第nゲート情報IGnが読み出しされる。
【0060】
ステップS58で、第2案内モードM2で、古い第nゲート情報IGn等に基づいて、出力部440は、ゲート状況案内を行う。すなわち、出力部440の表示部は、特定された推奨ゲート及び各ゲートの使用可否状況を示さない状態で、且つゲート情報取得時間を示した状態で、第nゲート210Anのゲート状況(ゲート種類)を表示する。図7は、ゲート状況(使用可否表示無し)及び第nゲート情報IGnを取得した時間情報を表示する形態を示す。各ゲートの使用可否状況を示さないのは、案内に使用する第nゲート情報IGnと、現在の各ゲートの使用可否状況とが異なる可能性があるからである。
【0061】
第2案内モードM2における、第nゲート210Anのゲート状況の表示においては、ETC車載器利用可否状況、及び古い第nゲート情報IGnに基づいて、ナビゲーションシステム400が搭載された車両が通過可能な料金所ゲート(通過可能ゲート)を案内する。ナビゲーションシステム400が搭載された車両がETC車載器利用可能状態である場合には、第nゲート210AnのETC対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートが通過可能ゲートであり、ETC利用不可能状態である場合には、第nゲート210AnのETC非対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートが通過可能ゲートである。但し、各ゲートの使用可否状態は反映されない。本実施形態では、通過可能ゲートを点線矢印で表示する(図7参照)。
【0062】
ステップS59で、第nゲート210Anに対応する記録部450に記録された地図データが有するゲート情報が読み出しされる。
【0063】
ステップS60で、第3案内モードM3で、地図データが有する第n固定ゲート情報FIGn等に基づいて、出力部440は、ゲート状況案内を行う。すなわち、出力部440の表示部は、地図データが有する第n固定ゲート情報FIGnである旨を示した状態で第nゲート210Anのゲート状況(ゲート種類)を表示する。図8は、ゲート状況(使用可否表示無し)ゲートの種類及び地図データが有するゲート情報である旨を表示する形態を示す。各ゲートの使用可否状況を示さないのは、案内に使用する第n固定ゲート情報FIGnと、現在の各ゲートの使用可否状況とが異なる可能性があるからである。
【0064】
第3案内モードM3において、第nゲート210Anのゲート状況の表示においては、ETC車載器利用可否状況、及び地図データが有する第n固定ゲート情報FIGnに基づいて、ナビゲーションシステム400が搭載された車両が通過可能な料金所ゲート(通過可能ゲート)を案内する。ナビゲーションシステム400が搭載された車両がETC車載器利用可能状態である場合には、第nゲート210AnのETC対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートが通過可能ゲートであり、ETC利用不可能状態である場合には、第nゲート210AnのETC非対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートが通過可能ゲートである。但し、各ゲートの使用可否状態は反映されない。本実施形態では、通過可能ゲートを点線矢印で表示する(図8参照)。
【0065】
ステップS59において、第nゲート210Anに対応する第n固定ゲート情報FIGnを、記録部450に記録された地図データが有しない場合には、第3案内モードM3による案内も行われない。但し、第nビーコン260An通過時に第nゲート情報IGnを取得できれば、第1案内モードM1または第2案内モードM2でゲート状況の案内が可能であるため、必ずしも記録部450が地図データとして第n固定ゲート情報FIGnを有している必要はない。これにより、地図データとして第1〜第N固定ゲート情報FIG1〜FIGNを得るための情報取得作業を削減することが可能になり、地図データ作成企業のコストダウンが可能になる。
【0066】
次に、推奨ゲートを特定する流れを、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0067】
ステップS71(図6のステップS54)で、推奨ゲートの特定が開始されると、ステップS72で、設定されたルート上の第nゲート210An通過後の分岐がある場合に、分岐する方向と同じ側に使用中のETC対応専用ゲート、またはETC非対応専用ゲートがあるか否かが判断される。設定されたルート上の第nゲート210An通過後の一定距離以内に分岐が無い場合には、推奨ゲートの特定は行われない。
【0068】
ETC車載器が利用可能な状態(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられた状態で且つ第2通信部480に課金用のカードが適切に挿入されている状態)の場合には、ステップS72では、設定されたルート上の第nゲート210An通過後の一定距離以内に分岐がある場合に、分岐する方向と同じ側に使用中のETC対応専用ゲートがあるか否かが判断される。
【0069】
ETC車載器が利用不可能な状態(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられていない状態又は第2通信部480に課金用のカードが適切に挿入されていない状態)の場合には、ステップS72では、設定されたルート上の第nゲート210An通過後の一定距離以内に分岐がある場合に、分岐する方向と同じ側に使用中のETC非対応専用ゲートがあるか否かが判断される。
【0070】
専用ゲートがある場合には、ステップS73に進められ、無い場合にはステップS74に進められる。
【0071】
ステップS73で、分岐する方向と同じ側にある使用中の専用ゲートの中から推奨するゲートが特定される。特定は、分岐する方向に最も近い距離にある専用ゲート(右方向への分岐であれば右側の専用ゲート)が選択される。
【0072】
但し、この特定においては、第nゲート状況検出部230Anの検出において、ゲート種類やゲート使用可否状況に加え、各ゲートの混雑状況を検出し、混雑状況に基づいて、混雑度合いの少ない専用ゲートを推奨ゲートとして特定してもよい。
【0073】
ステップS74で、設定されたルート上の第nゲート210An通過後の分岐がある場合に、分岐する方向と同じ側に使用中のETC対応車両/非対応車両共用ゲートがあるか否かが判断される。
【0074】
共用ゲートがある場合には、ステップS75に進められ、無い場合にはステップS76に進められる。
【0075】
ステップS75で、分岐する方向と同じ側にある使用中の共用ゲートの中から推奨するゲートが特定される。特定は、分岐する方向に最も近い距離にある共用ゲート(右方向への分岐であれば右側の共用ゲート)が選択される。
【0076】
但し、この特定においては、第nゲート状況検出部230Anの検出において、ゲート種類やゲート使用可否状況に加え、各ゲートの混雑状況を検出し、混雑状況に基づいて、混雑度合いの少ない共用ゲートを推奨ゲートとして特定してもよい。
【0077】
ステップS76で、使用中の専用ゲート及び共用ゲートの中から推奨するゲートが特定される。特定は、分岐する方向に最も近い距離にある専用ゲートまたは共用ゲート(右方向への分岐であれば右側の専用ゲートまたは共用ゲート)が選択される。
【0078】
但し、この特定においては、第nゲート状況検出部230Anの検出において、ゲート種類やゲート使用可否状況に加え、各ゲートの混雑状況を検出し、混雑状況に基づいて、混雑度合いの少ない専用ゲート又は共用ゲートを推奨ゲートとして特定してもよい。
【0079】
本実施形態では、第nゲート情報IGnの送受信にビーコンと第1通信部470(VICS受信機)を用いる形態を説明したが、第nゲート210Anの進行方向手前に設置された路側機と第2通信部480(ETC車載器)を用いて行っても良い。
【0080】
ビーコンと第1通信部470を用いる形態であれば、ナビゲーションシステム400を有する車両が第2通信部480を有するか否か(第2通信部480がナビゲーションシステム400に取り付けられたか否か)に関わらず、第nゲート情報IGnを取得することが可能であり、路側機と第2通信部480を用いる形態であれば、ナビゲーションシステム400を有する車両が第1通信部470を有するか否か(第1通信部470がナビゲーションシステム400に取り付けられたか否か)に関わらず、第nゲート情報IGnを取得することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 料金所ゲート状況出力システム
200An 第nゲート情報出力部
210An 第nゲート
230An 第nゲート状況検出部
250An 第nゲート情報送信部
260An 第nビーコン
400 ナビゲーションシステム
410 操作部
430 計測部
440 出力部
450 記録部
470 第1通信部
480 第2通信部
490 制御部
d1〜d3 第1〜第3距離
FIGn 第n固定ゲート情報
IGn 第nゲート情報
T1 一定時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の料金所ゲートそれぞれに設定されたETC車載器を使った課金処理の可否を特定するゲート種類と、ルート探索により設定されたルートと、ETC車載器の利用可否状況とに基づいて、通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートを特定する制御部と、
前記ゲート種類と、前記通過可能な料金所ゲートと、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートに関する情報を1画面上で表示する出力部とを備え、
前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートに関する情報は、他の通過可能な料金所ゲートに関する情報に比べて強調して表示されることを特徴とする料金所ゲート状況出力システム。
【請求項2】
前記ETC車載器が利用可能な状態の場合は、使用中で且つETC対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートのいずれかの料金所ゲートの中で、前記設定されたルートに近い料金所ゲートが、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートとして特定され、
前記ETC車載器が利用不可能な状態の場合は、使用中で且つETC非対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートのいずれかの料金所ゲートの中で、前記設定されたルートに近い料金所ゲートが、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートとして特定されることを特徴とする請求項1に記載の料金所ゲート状況出力システム。
【請求項3】
前記設定されたルート上の料金所ゲート通過後の一定距離以内に分岐がある場合に、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートの特定が行われるものであり、
前記ETC車載器が利用可能な状態の場合は、使用中で且つETC対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートのいずれかの料金所ゲートの中で、分岐する方向に最も近い距離にある料金所ゲートが、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートとして特定され、
前記ETC車載器が利用不可能な状態の場合は、使用中で且つETC非対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートのいずれかの料金所ゲートの中で、分岐する方向に最も近い距離にある料金所ゲートが、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートとして特定されることを特徴とする請求項1に記載の料金所ゲート状況出力システム。
【請求項4】
料金所ゲートごとの混雑度合いに関する情報を受信するゲート情報受信部を更に備え、
前記設定されたルート上の料金所ゲート通過後の一定距離以内に分岐がある場合に、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートの特定が行われるものであり、
前記ETC車載器が利用可能な状態の場合は、使用中で且つETC対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートのいずれかの料金所ゲートの中で、分岐する方向に近い距離にあって混雑度合いが少ない料金所ゲートが、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートとして特定され、
前記ETC車載器が利用不可能な状態の場合は、使用中で且つETC非対応車両専用ゲート、及びETC対応車両/非対応車両共用ゲートのいずれかの料金所ゲートの中で、分岐する方向に近い距離にあって混雑度合いが少ない料金所ゲートが、前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートとして特定されることを特徴とする請求項1に記載の料金所ゲート状況出力システム。
【請求項5】
前記通過可能な料金所ゲートのうちで通過を推奨する料金所ゲートの特定は、ETC対応車両専用ゲートやETC非対応車両専用ゲートを優先して行われることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の料金所ゲート状況出力システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−154951(P2012−154951A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−109199(P2012−109199)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【分割の表示】特願2006−17228(P2006−17228)の分割
【原出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(502181595)株式会社 ゼネテック (19)
【Fターム(参考)】