説明

新生物障害のための組み合わせ療法

本出願は全体として、新生物障害の処置のための化合物、組成物および組み合わせ治療法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年1月8日付で出願された米国仮特許出願第61/143,282号の優先権を主張し、この内容はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本出願は全体として、組み合わせ治療法、および組み合わせ薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
現在のがん治療法では一般に、外科手術による処置、化学療法、放射線療法またはこれらの手法の組み合わせを伴う。主要な処置手法のそれぞれにかなりの限界がある。例えば、外科手術は新生物組織を完全には除去することができず、急性リンパ芽球性白血病のような、ある種の播種性の新生物状態の処置には用いることができず、放射線療法は、放射線照射される新生物組織が正常組織よりも放射線照射に対して高い感受性を示す場合にだけ有効であり、深刻な副作用を引き起こすことが多い。
【0004】
種々の化学療法剤が利用可能であるが、ほとんど全ての化学療法剤が有毒であり、化学療法は高い頻度で重大な、多くの場合、危険な副作用を引き起こす。高頻度の副作用には、激しい吐き気および嘔吐、骨髄抑制、免疫抑制、血球減少(例えば貧血、好中球減少および血小板減少を含む)、痛みならびに疲労が含まれる。さらなる副作用には、悪液質、粘膜炎、脱毛症、皮膚の合併症(過敏性反応、例えば、心因性掻痒症、じんましんおよび血管性浮腫を含む)、ならびに神経学的合併症、肺合併症、心合併症、生殖合併症および内分泌合併症が含まれる。
【0005】
化学療法剤に関連する副作用は一般に、薬剤の用量制限毒性(DLT)を規定するうえでの主な要因であり、化学療法および放射線療法によって誘導される有害な副作用を管理することは、がん処置の臨床管理において主として重要である。さらに、多くの腫瘍細胞は多剤耐性を通じて化学療法剤に対して耐性であり、または耐性を生じる。
【0006】
抗がん効力を維持しながら単剤療法において従来用いられる用量よりも低い用量の化学療法剤の使用を可能にする組み合わせ治療法が非常に望ましい。このような組み合わせ療法は、有害な副作用の頻度および/または重症度の減少ならびに患者の生活の質の改善をもたらすことができる。副作用の発生を低減することのさらなる利益には、患者の薬剤服用順守の改善、有害作用の処置に必要な入院回数の低減、および有害作用に関連する痛みを処置するのに必要な鎮痛薬の投与の減少が含まれる。
【0007】
用量制限毒性が問題ではない場合、組み合わせ療法は、より高い用量で投与される化学療法剤の治療効果を最大にすることもできる。抗がん効力の増大に加えて、そのような手法は耐性の発現を低減することができる。
【0008】
式Iの化合物(本明細書において示される)は、腫瘍進行の阻害で有効であることが以前に報告されている。米国特許出願第11/849,230号(特許文献1)(2007年8月31日付で出願された)を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第11/849,230号
【発明の概要】
【0010】
概要
本出願は、新生物障害の処置のための化合物、組成物および式Iの化合物を用いた組み合わせ治療法を提供する。よく使われる抗がん剤を式Iの化合物と組み合わせて増殖細胞と接触させることにより、細胞増殖の阻害に対する相乗効果が得られることが分かっている。
【0011】
一つの局面において、本出願は、新生物障害を予防する、処置する、または寛解させるための方法であって、それを必要としている対象に治療上有効量の式Iの化合物:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルと、 抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルとを投与し、それによって該新生物障害を予防、処置、または改善する段階を含む方法について開示する。
式中、Z5はNもしくはCR6Aであり;
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、Hまたは置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、ハロ、CF3、CFN、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、カルボキシの生物学的等価体(bioisostere)、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
各R9は独立して、置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R9は独立して、ハロ、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
ここで各Rは独立して、HまたはC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、
かつここで同じ原子上のもしくは隣接原子上の二つのRは連結されて、一つもしくは複数のN、OもしくはSを含んでいてもよい3〜8員環を形成してもよく;
かつ各R基、および二つのR基をともに連結することによって形成された各環は、ハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'およびNO2から選択される一つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで各R'は独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C2〜C6ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜12アリールアルキルもしくはC6〜12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々は、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6ヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノおよび=Oから選択される一つもしくは複数の基で置換されていてもよく;
かつここで二つのR'は連結されて、N、OおよびSから選択される最高3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員環を形成してもよく;
nは0〜4であり;かつ
pは0〜4である。
【0012】
本出願の化合物と組み合わせて用いられる抗がん剤は、当業者に公知のクラスのいずれかより選択される薬剤を含むことができる。適切な抗がん剤はアルキル化剤、代謝拮抗物質(例えば、プリン剤およびピリミジン剤)、植物性アルカロイド(例えば、ビンカアルカロイド)テルペノイド(例えば、タキサン)、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、ホルモン療法、ならびに分子標的薬剤を含むことができるが、これらに限定されることはない。
【0013】
本出願において開示される別の局面は、本明細書において開示される式Iの化合物、および抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを系に投与し、それによって細胞増殖を阻害する段階を含む、系における細胞増殖を阻害するための方法である。
【0014】
本出願において開示されるさらなる局面は、本明細書において開示される式Iの化合物と、抗がん剤と、少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】IC50の計算のための化合物Aおよび化合物Bの相対蛍光単位(RFU)に対するlog薬物濃度のグラフである。
【図2】A375黒色腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよび5-フルオロウラシルのlog濃度のグラフである。
【図3】A375黒色腫細胞の場合の化合物K、5-フルオロウラシルおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図4】A375黒色腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびフルダラビンのlog濃度のグラフである。
【図5】A375黒色腫細胞の場合の化合物K、フルダラビンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図6】A375黒色腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびゲムシタビンのlog濃度のグラフである。
【図7】A375黒色腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびパクリタキセルのlog濃度のグラフである。
【図8】A375黒色腫細胞の場合の化合物K、パクリタキセルおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図9】A375黒色腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびスニチニブのlog濃度のグラフである。
【図10】A375黒色腫細胞の場合の化合物K、スニチニブおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図11】A375黒色腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびビンブラスチンのlog濃度のグラフである。
【図12】A375黒色腫細胞の場合の化合物K、ビンブラスチンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図13】MDA-MB-468乳がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよび5-フルオロウラシルのlog濃度のグラフである。
【図14】MDA-MB-468乳がん細胞の場合の化合物K、5-フルオロウラシルおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図15】MDA-MB-468乳がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよび5-フルオロウラシルのlog濃度のグラフである。
【図16】MDA-MB-468乳がん細胞の場合の化合物K、5-フルオロウラシルおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図17】MDA-MB-468乳がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびシスプラチンのlog濃度のグラフである。
【図18】MDA-MB-468乳がん細胞の場合の化合物K、シスプラチンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図19】MDA-MB-468乳がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびシスプラチンのlog濃度のグラフである。
【図20】MDA-MB-468乳がん細胞の場合の化合物K、シスプラチンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図21】MDA-MB-468乳がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびドキソルビシンのlog濃度のグラフである。
【図22】MDA-MB-468乳がん細胞の場合の化合物K、ドキソルビシンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図23】MDA-MB-468乳がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびドキソルビシンのlog濃度のグラフである。
【図24】MDA-MB-468乳がん細胞の場合の化合物K、ドキソルビシンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図25】MDA-MB-468乳がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびゲムシタビンのlog濃度のグラフである。
【図26】MDA-MB-468乳がん細胞の場合の化合物K、ゲムシタビンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図27】MDA-MB-468乳がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびゲムシタビンのlog濃度のグラフである。
【図28】MDA-MB-468乳がん細胞の場合の化合物K、ゲムシタビンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図29】MIA PaCa-2膵臓がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびビンブラスチンのlog濃度のグラフである。
【図30】MIA PaCa-2膵臓がん細胞の場合の化合物K、ビンブラスチンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図31】MIA PaCa-2膵臓がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびゲムシタビンのlog濃度のグラフである。
【図32】MIA PaCa-2膵臓がん細胞の場合の化合物K、ゲムシタビンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図33】MIA PaCa-2膵臓がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびスニチニブのlog濃度のグラフである。
【図34】MIA PaCa-2膵臓がん細胞の場合の化合物K、スニチニブおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図35】MIA PaCa-2膵臓がん細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびラパマイシンのlog濃度のグラフである。
【図36】MIA PaCa-2膵臓がん細胞の場合の化合物K、ラパマイシンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図37】SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよび5-フルオロウラシルのlog濃度のグラフである。
【図38】SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞の場合の化合物K、5-フルオロウラシルおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図39】SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびシスプラチンのlog濃度のグラフである。
【図40】SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞の場合の化合物K、シスプラチンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図41】SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびラパマイシンのlog濃度のグラフである。
【図42】SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞の場合の化合物K、ラパマイシンおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図43】SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよびエルロチニブのlog濃度のグラフである。
【図44】SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞の場合の化合物K、エルロチニブおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図45】SUM-190PT炎症性乳がん腫細胞の場合のIC50の計算のためのRFUに対する化合物Kおよび5-フルオロウラシルのlog濃度のグラフである。
【図46】SUM-190PT炎症性乳がん腫細胞の場合の化合物K、5-フルオロウラシルおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図47】BT-474乳がん腫細胞の場合の化合物K、エルロチニブおよびその組み合わせに対する用量反応曲線である。
【図48】BT-474乳がん腫細胞の場合の化合物K、エルロチニブおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図49】エルロチニブ耐性MDA-MB-453乳がん腫細胞の場合の化合物Kおよびエルロチニブとの組み合わせでの化合物Kの用量反応曲線である。
【図50】エルロチニブ耐性MDA-MB-453乳がん腫細胞の場合のエルロチニブの用量反応曲線である。
【図51】エルロチニブ耐性MDA-MB-453乳がん腫細胞の場合の化合物K、エルロチニブおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図52】エルロチニブ耐性T47D乳がん腫細胞の場合の化合物K、エルロチニブおよびその組み合わせの用量反応曲線である。
【図53】エルロチニブ耐性T47D乳がん腫細胞の場合の化合物K、エルロチニブおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図54】エルロチニブ耐性ZR-75-1乳がん腫細胞の場合の化合物K、エルロチニブおよびその組み合わせの用量反応曲線である。
【図55】エルロチニブ耐性ZR-75-1乳がん腫細胞の場合の化合物K、エルロチニブおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図56】T47D乳がん腫細胞の場合の化合物K、ラパチニブおよびその組み合わせの用量反応曲線である。
【図57】T47D乳がん腫細胞の場合の化合物K、ソラフェニブおよびその組み合わせの用量反応曲線である。
【図58】T47D乳がん腫細胞の場合の化合物K、ソラフェニブおよびその組み合わせに対する細胞死の割合を示す棒グラフである。
【図59】T47D乳がん腫細胞の場合の化合物K、スニチニブおよびその組み合わせの用量反応曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本出願は、本明細書に含まれる以下の態様の詳細な説明および実施例を参照することによってさらに容易に理解することができる。本明細書において用いられる専門用語は、特定の態様を説明するという目的のためのみであり、限定するものであると意図されないことを理解されたい。本明細書において具体的に定義されていない限り、本明細書において用いられる専門用語は、関連する技術分野において公知のようにその従来の意味を与えるためであるとさらに理解されたい。
【0017】
本明細書において用いられる場合、「一つの(a)」、「一つの(an)」および「その(the)」という単数形は、他に指定のない限り、複数の指示対象を含む。
【0018】
本明細書において用いられる場合、「対象」という用語はヒトまたは動物対象をいう。一般に、対象はヒトである。
【0019】
本明細書において用いられる「新生物障害」という用語は、例えば、がんなどの、異常な細胞増殖を伴う障害をいう。がんは、場合によっては腫瘍を引き起こすことがあり、腫瘍に関連する症状が時には処置される。新生物障害は造血系(例えば、白血球)、肺、乳房、前立腺、腎臓、膵臓、肝臓、心臓、骨格、結腸、直腸、皮膚、脳、眼、リンパ節、心臓、精巣または卵巣の異常な細胞増殖状態(例えば、がん)を含むが、これらに限定されることはない。
【0020】
「治療上有効量」または「有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって捜し求められる細胞、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を誘発する薬物または薬剤のその量を意味するように意図される。さらなる抗がん剤と組み合わせて投与される本出願の化合物の量をいう場合、本出願の化合物の「治療上有効量」は、抗がん効果だけを生ずるのに十分な量であってよく、またはさらなる抗がん剤の存在下で抗がん効果を生ずるのに十分な量であってもよい。同様に、さらなる抗がん剤の量は、抗がん効果だけをもたらすのに十分であってよく、または本出願の化合物の存在下で抗がん効果をもたらすのに十分であってもよい。
【0021】
いくつかの態様において、本出願の化合物およびさらなる抗がん剤の組み合わせは、細胞増殖の阻害に対する相加効果のような、相加的な抗がん効果を示す。他の態様において、本出願の化合物およびさらなる抗がん剤の組み合わせは、細胞増殖の阻害に対する相乗効果のような、相乗的な抗がん効果を示す。
【0022】
細胞増殖を「阻害する」または「低減する」とは、当業者に公知の方法を用いて測定されるときに、例えば、本出願の方法および組成物に供されていない増殖細胞と比べて、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%だけ、細胞増殖の量を減速させること、減少させること、または、例えば、食い止めることを意味する。
【0023】
本明細書において用いられる「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、直鎖、分岐鎖および環状の一価のヒドロカルビル基、ならびにこれらの組み合わせを含み、これらは未置換のときにはCおよびHのみを含有する。その例にはメチル、エチル、イソブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルエチル、2-プロペニル、3-ブチニルなどが含まれる。本明細書においてはこうした基の各々における炭素原子の総数をしばしば記述しており、例えば、その基が最高10個の炭素原子を含有できるとき、それは1〜10CまたはC1〜C10もしくはC1〜10と表わすことができる。例えば、ヘテロアルキル基のようにヘテロ原子(典型的にはN、OおよびS)が炭素原子を置換したとき、その基を説明する数はなおも例えばC1〜C6などと書かれるが、その数は基の中の炭素原子の数と、記述される環または鎖の骨格における炭素原子に対する置換として含まれるこうしたヘテロ原子の数との和を表わす。
【0024】
典型的には、アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1〜10C (アルキル)または2〜10C (アルケニルもしくはアルキニル)を含有する。一般に、それらは1〜8C (アルキル)または2〜8C (アルケニルもしくはアルキニル)を含有する。時には、それらは1〜4C (アルキル)または2〜4C (アルケニルもしくはアルキニル)を含有する。単一の基が二つ以上のタイプの多重結合、または二つ以上の多重結合を含んでもよい; こうした基は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含有するときには「アルケニル」という用語の定義に含まれ、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を含有するときには「アルキニル」という用語に含まれる。
【0025】
アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はしばしば、その置換が化学的に意味をなす程度まで置換されていてもよい。典型的な置換基は、以下を含むがこれらに限定されることはない: ハロ、=O、=N-CN、=N-OR、=NR、OR、NR2、SR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、C≡CR'、COOR、CONR2、OOCR、COR、およびNO2、ここで各Rは独立して、H、C1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C6〜C10アリール、またはC5〜C10ヘテロアリールであり、各Rはハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、C≡CR'、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'、およびNO2で置換されていてもよく、ここで各R'は独立して、H、C1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、またはC5〜C10ヘテロアリールである。アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリールまたはC5〜C10ヘテロアリールで置換されていてもよく、その各々が特定の基に対して適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0026】
「アセチレン」置換基は置換されていてもよい2〜10Cアルキニル基であって、式-C≡C-Raを有し、ここでRaはHまたはC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキル、もしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、各Ra基はハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'、およびNO2から選択される一つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、ここで各R'は独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C2〜C6ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜12アリールアルキル、またはC6〜12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々はハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6ヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノ、および=Oから選択される一つまたは複数の基によって置換されていてもよく; 二つのR'が連結されて、N、OおよびSから選択される最高3個のヘテロ原子を任意で含有してもよい3〜7員環を形成してもよい。いくつかの態様において、-C≡C-RaのRaはHまたはMeである。
【0027】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」などは、対応するヒドロカルビル(アルキル、アルケニルおよびアルキニル)基と同様に定義されるが、「ヘテロ」という用語は、骨格残基に1個から3個のO、SもしくはNヘテロ原子またはその組み合わせを含有する基をいう; つまり、対応するアルキル、アルケニルまたはアルキニル基の少なくとも一つの炭素原子が指定のヘテロ原子の一つにより置換されて、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニルまたはヘテロアルキニル基を形成する。一般的に、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基のヘテロ形に対する典型的なサイズは、対応するヒドロカルビル基と同じであり、ヘテロ形に存在しうる置換基はヒドロカルビル基に対して上述した置換基と同じである。化学的安定性の理由から、特別の定めのない限り、ニトロまたはスルホニル基のようにNまたはSにオキソ基が存在する場合を除き、こうした基は三つ以上の隣接するヘテロ原子を含まないことも理解される。
【0028】
本明細書において用いられる「アルキル」はシクロアルキルおよびシクロアルキルアルキル基を含むが、本明細書において「シクロアルキル」という用語は、環状炭素原子を介して接続される炭素環式非芳香族基を記述するために用いられることがあり、「シクロアルキルアルキル」はアルキルリンカーを通じて分子に接続された炭素環式非芳香族基を記述するために用いられることがある。同様に、「ヘテロシクリル」は、少なくとも一つのヘテロ原子を環の構成員として含有し、かつCまたはNであってもよい環の原子を介して分子に接続される非芳香族環状基を記述するために用いられることがあり; 「ヘテロシクリルアルキル」は、リンカーを通じて別の分子に接続されるこうした基を記述するために用いられることがある。シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキル基に対して適したサイズおよび置換基は、アルキル基に対して上述したものと同じである。本明細書において用いられる場合、これらの用語は、一つまたは二つの二重結合を含有する芳香族でない環も含む。
【0029】
本明細書において用いられる場合、「アシル」は、カルボニル炭素原子の二つの利用可能な原子価位置の一方において付着されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキル基を含む基を包含し、ヘテロアシルとはカルボニル炭素以外の少なくとも一つの炭素がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって置換された対応する基をいう。よってヘテロアシルは、例えば-C(=O)ORおよび-C(=O)NR2ならびに-C(=O)-ヘテロアリールを含む。
【0030】
アシルおよびヘテロアシル基は、カルボニル炭素原子の開放原子価を通じてあらゆる基または分子に付着して結合される。典型的には、それらはホルミル、アセチル、ピバロイルおよびベンゾイルを含むC1〜C8アシル基、ならびにメトキシアセチル、エトキシカルボニルおよび4-ピリジノイルを含むC2〜C8ヘテロアシル基である。アシルまたはヘテロアシル基を含むヒドロカルビル基、アリール基、およびこうした基のヘテロ形は、アシルまたはヘテロアシル基の対応する構成要素の各々に対する一般的に適した置換基として本明細書に記述される置換基で置換されていてもよい。
【0031】
「芳香族」部分または「アリール」部分とは、芳香性の周知の特徴を有する単環式または融合二環式の部分をいう; その例にはフェニルおよびナフチルが含まれる。同様に、「芳香族複素環」および「ヘテロアリール」とは、環の構成員としてO、SおよびNから選択される一つまたは複数のヘテロ原子を含有するこうした単環式または融合二環式の環系をいう。ヘテロ原子を含むことによって、6員環だけでなく5員環の芳香性も可能になる。典型的な芳香族複素環系は、単環式C5〜C6芳香族基、例えばピリジル、ピリミジル、ピラジニル、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリルおよびイミダゾリルなど、ならびにこれらの単環基の一つをフェニル環または芳香族複素環単環基のいずれかと融合してC8〜C10二環基を形成することによって形成される融合二環式部分、例えばインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソキノリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ピラゾロピリジル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニルなどを含む。環系全体の電子分布の観点から芳香性の特徴を有するあらゆる単環式または融合環二環式の系がこの定義に含まれる。この定義は、少なくとも分子の残部に直接付着する環が芳香性の特徴を有するような二環基も含む。典型的には、この環系は5〜12個の環構成員原子を含有する。多くの場合、単環式ヘテロアリールは5〜6個の環構成員を含有し、二環式ヘテロアリールは8〜10個の環構成員を含有する。
【0032】
アリールおよびヘテロアリール部分は、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C5〜C12アリール、C1〜C8アシル、およびこれらのヘテロ形を含むさまざまな置換基で置換されていてもよく、これらの置換基の各々それ自体がさらに置換されていてもよい; アリールおよびヘテロアリール部分に対するその他の置換基はハロ、OR、NR2、SR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、C≡CR、COOR、CONR2、OOCR、COR、およびNO2を含み、ここで各Rは独立して、H、C1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキル、またはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、各Rはアルキル基に対して前述したとおりに置換されていてもよい。アリールまたはヘテロアリール基上の置換基は当然、各種のこうした置換基または置換基の各構成要素に対して適当であると本明細書に記述される基によってさらに置換されていてもよい。よって、例えばアリールアルキル置換基は、アリール部分において、アリール基に対して典型的であると本明細書に記述される置換基によって置換されていてもよく、アルキル部分において、アルキル基に対して典型的または適当であると本明細書に記述される置換基によってさらに置換されていてもよい。
【0033】
同様に、「アリールアルキル」および「ヘテロアリールアルキル」とは、置換または未置換の、飽和または不飽和の、環式または非環式のリンカーを含む、アルキレンなどの連結基を通じて付着点に結合された芳香族および芳香族複素環系をいう。典型的には、リンカーはC1〜C8アルキルまたはそのヘテロ形である。これらのリンカーは、カルボニル基をも含むことによって、アシルまたはヘテロアシル部分としての置換基を提供できるようにしてもよい。アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基中のアリールまたはヘテロアリール環は、アリール基に対して上述したものと同じ置換基で置換されていてもよい。一般的に、アリールアルキル基は、アリール基に対して上に定義された基で置換されていてもよいフェニル環と、未置換であるかまたは一つもしくは二つのC1〜C4アルキル基もしくはヘテロアルキル基で置換されるC1〜C4アルキレンとを含み、アルキルまたはヘテロアルキル基は任意で環化してシクロプロパン、ジオキソランまたはオキサシクロペンタンなどの環を形成してもよい。同様に、ヘテロアリールアルキル基は一般に、アリール基の典型的な置換基として上述された基で置換されていてもよいC5〜C6単環式ヘテロアリール基と、未置換であるかまたは一つもしくは二つのC1〜C4アルキル基もしくはヘテロアルキル基で置換されるC1〜C4アルキレンとを含むか、または置換されていてもよいフェニル環もしくはC5〜C6単環式ヘテロアリールと、未置換であるかまたは一つもしくは二つのC1〜C4アルキル基もしくはヘテロアルキル基で置換されるC1〜C4ヘテロアルキレンとを含み、アルキルまたはヘテロアルキル基は任意で環化してシクロプロパン、ジオキソランまたはオキサシクロペンタンなどの環を形成してもよい。
【0034】
アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基が、置換されていてもよいと記述されるとき、置換基はその基のアルキルまたはヘテロアルキル部分にあっても、アリールまたはヘテロアリール部分にあってもよい。アルキルまたはヘテロアルキル部分に任意で存在してもよい置換基は、アルキル基に対して一般的に上述されたものと同じである; アリールまたはヘテロアリール部分に任意で存在してもよい置換基は、アリール基に対して一般的に上述されたものと同じである。
【0035】
本明細書において用いられる「アリールアルキル」基は、未置換のときにはヒドロカルビル基であり、環およびアルキレンまたは類似のリンカー中の炭素原子の総数によって記述される。つまりベンジル基はC7-アリールアルキル基であり、フェニルエチルはC8-アリールアルキルである。
【0036】
上述の「ヘテロアリールアルキル」は連結基を通じて付着されるアリール基を含む部分をいい、「アリールアルキル」と異なる点は、アリール部分の少なくとも一つの環原子または連結基の一つの原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子であるところである。本明細書において、ヘテロアリールアルキル基は組み合わされる環およびリンカーの原子の総数によって記述され、それはヘテロアルキルリンカーを通じて結合されたアリール基; アルキレンなどのヒドロカルビルリンカーを通じて結合されたヘテロアリール基; およびヘテロアルキルリンカーを通じて結合されたヘテロアリール基を含む。よって、例えばC7-ヘテロアリールアルキルは、ピリジルメチル、フェノキシ、およびN-ピロリルメトキシを含む。
【0037】
本明細書において用いられる「アルキレン」とは、二価のヒドロカルビル基をいう; 二価であるため、アルキレンは二つの他の基をともに連結することができる。典型的には、アルキレンは-(CH2)n-をいい、ここでnは1〜8であり、多くの場合、nは1〜4であるが、指定されるときにはアルキレンは他の基で置換されていてもよいし、他の長さであってもよいし、開放原子価は鎖の反対側端部になくてもよい。よって-CH(Me)-および-C(Me)2-もアルキレンといわれてもよく、シクロプロパン-1,1-ジイルなどの環状基も同様でありうる。アルキレン基が置換されるとき、置換基は、本明細書において記述されるとおりアルキル基に典型的に存在する置換基を含む。
【0038】
一般に、置換基に含有されるあらゆるアルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、またはアリールもしくはアリールアルキル基またはこれらの基のうち一つのあらゆるヘテロ形それ自体が、付加的な置換基によって置換されていてもよい。置換基が別様に記述されていなければ、これらの置換基の性質は一次置換基それ自体に関して挙げられるものと同様である。よって、例えばR7の態様がアルキルであるとき、このアルキルはR7に対する態様として列挙される残りの置換基によって置換されていてもよく、ここではこの置換が化学的に意味をなし、かつこの置換がアルキルそれ自体に対して与えられたサイズ制限を損なわないものとする; 例えば、アルキルまたはアルケニルによって置換されたアルキルは、これらの態様に対する炭素原子の上限を単純に超えるために含まれない。しかし、アリール、アミノ、アルコキシ、=Oなどによって置換されたアルキルは本出願の範囲に含まれ、これらの置換基の原子は、記述されるアルキル、アルケニルなどの基を記述するために用いられる数に入れられない。置換基の数が指定されていないとき、こうしたアルキル、アルケニル、アルキニル、アシルまたはアリール基の各々が、その利用可能な原子価にしたがっていくつかの置換基で置換されていてもよい; 特に、例えば、これらの基のいずれかが、その利用可能な原子価のいずれかまたは全てにおいてフッ素原子で置換されていてもよい。
【0039】
本明細書において用いられる「ヘテロ形」とは、アルキル、アリールまたはアシルなどの基の誘導体をいい、ヘテロ形では所定の炭素環基の少なくとも一つの炭素原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって置換されている。よってアルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アリールおよびアリールアルキルのヘテロ形は、それぞれヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアシル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルである。オキソ基がNまたはSに付着されてニトロまたはスルホニル基を形成する場合を除き、通常三つ以上のN、OまたはS原子が連続的に接続されることはないことが理解される。
【0040】
本明細書において用いられる「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。一般的に、ハロはフルオロまたはクロロをいう。
【0041】
本明細書において用いられる「アミノ」はNH2をいうが、アミノが「置換される」または「置換されていてもよい」と記述されるとき、この用語はNR'R''を含み、ここでR'およびR''の各々は独立して、Hであるか、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アリール、もしくはアリールアルキル基であるか、またはこれらの基のうち一つのヘテロ形であり、このアルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アリール、もしくはアリールアルキル基、またはこれらの基のうち一つのヘテロ形の各々は、本明細書において対応の基に対して適当であると記述される置換基で置換されていてもよい。この用語は、R'およびR''がともに連結されて3〜8員環を形成した形も含み、この形は飽和、不飽和または芳香族であってもよく、環構成員としてN、OおよびSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有し、アルキル基に対して適当であると記述される置換基で置換されていてもよく、またはNR'R''が芳香族基であるときには、ヘテロアリール基に対して典型的であると記述される置換基で置換されていてもよい。
【0042】
本明細書において用いられる場合、「炭素環」という用語は、環に炭素原子のみを含有する環状化合物をいうのに対し、「複素環」とはヘテロ原子を含む環状化合物をいう。炭素環式構造および複素環式構造は、単環式、二環式または複数環の系を有する化合物を包含する。
【0043】
本明細書において用いられる場合、「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素ではないあらゆる原子、例えば窒素、酸素または硫黄などをいう。
【0044】
複素環の実例は、テトラヒドロフラン、1,3ジオキソラン、2,3ジヒドロフラン、ピラン、テトラヒドロピラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、1,3ジヒドロイソベンゾフラン、イソキサゾール、4,5ジヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピロリジン、ピロリジン2オン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、オクタヒドロピロロ[3,4b]ピリジン、ピペラジン、ピラジン、モルホリン、チオモルホリン、イミダゾール、イミダゾリジン2,4ジオン、1,3ジヒドロベンゾイミダゾール2オン、インドール、チアゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾール、チオフェン、テトラヒドロチオフェン1,1ジオキシド、ジアゼピン、トリアゾール、グアニジン、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,3,4,4a,9,9aヘキサヒドロ1Hβカルボリン、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ラクトン、アジリジン、アゼチジン、ピペリジン、ラクタムを含むがこれらに限定されることはなく、さらにヘテロアリールを包含してもよい。ヘテロアリールのその他の実例は、フラン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、およびトリアゾールを含むがこれらに限定されることはない。
【0045】
本明細書において用いられる場合、「無機置換基」という用語は、炭素を含まないか、または水素以外の元素に結合した炭素を含まない、置換基(例えば、炭素原子、一酸化炭素、二酸化炭素、およびカーボネート)をいう。無機置換基の例としては、ニトロ、ハロゲン、アジド、シアノ、スルホニル、スルフィニル、スルホネート、ホスフェートなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0046】
特定の疾患または障害に関連して「処置する」、「処置する段階」または「処置」という用語は、疾患または障害の予防、ならびに/あるいは疾患または障害の症状および/または病態の緩和、回復、改善または抑止を含む。一般的に、本明細書において用いられるこれらの用語は、疾患または状態の症状の改善、軽減、緩和および除去をいう。本明細書において記述される候補分子または化合物は、処方物または医薬(medicament)の中に治療上有効量で存在することができ、治療上有効量とは、ある種の細胞(例えば、がん細胞)のアポトーシス、ある種の細胞の増殖の低減のような、生物学的効果をもたらしうる量、または、例えば、疾患もしくは状態の症状の改善、軽減、緩和または除去をもたらしうる量である。これらの用語は、細胞増殖速度の低減もしくは停止(例えば、腫瘍増殖の緩徐化もしくは停止)または増殖がん細胞の数の低減(例えば、腫瘍の一部もしくは全部の除去)をいうこともできる。これらの用語は、微生物に感染した系(すなわち、細胞、組織、もしくは対象)内の微生物の力価の低減、微生物伝播の速度の低減、微生物感染に関連する症状の数もしくは症状の影響の低減、および/または系からの検出可能な量の微生物の除去にも適用可能である。微生物の例としてはウイルス、細菌および真菌が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0047】
本明細書において用いられる場合、「アポトーシス」という用語は、内因性の細胞自己破壊または自殺プログラムをいう。誘因性刺激に応答して、細胞は、細胞収縮、細胞膜の小疱形成ならびに染色体の凝縮および断片化を含む事象のカスケードを起こす。これらの事象は膜結合粒子のクラスタ(アポトーシス小体)への細胞の変換に至り、その後、このクラスタがマクロファージにより取り込まれる。
【0048】
本明細書において用いられる「極性置換基」という用語は、電気双極子、および任意で、双極子モーメントを持つ任意の置換基をいう(例えば、非対称極性置換基は双極子モーメントを持ち、対称極性置換基は双極子モーメントを持たない)。極性置換基には、水素結合を受容または供与する置換基、および生理学的pHレベルの水溶液中で少なくとも部分的な正電荷または負電荷を保有する基が含まれる。ある種の態様において、極性置換基は、別の化学部分との非共有水素結合において電子を受容または供与しうる置換基である。ある種の態様において、極性置換基は、カルボキシ、カルボキシの生物学的等価体、または約7〜8のpHで陰イオンとして主に存在する他の酸由来部分から選択される。他の極性置換基には、OHもしくはNHを含む基、エーテル酸素、アミン窒素、酸化された硫黄もしくは窒素、カルボニル、ニトリル、および芳香族であれ非芳香族であれ窒素含有複素環式環または酸素含有複素環式環が含まれるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、R3により表される極性置換基は、カルボキシレートまたはカルボキシレートの生物学的等価体である。
【0049】
本明細書において用いられる「カルボキシレートの生物学的等価体」または「カルボキシの生物学的等価体」とは、生理学的pHでかなりの程度まで陰性に荷電されるものと予想される部分をいう。ある種の態様において、カルボキシレートの生物学的等価体は、以下:

ならびに上記の塩およびプロドラッグからなる群より選択される部分であり、式中、各R7は独立して、H、またはC1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10ヘテロアルキル、C3〜8炭素環、およびさらなる置換されていてもよい炭素環もしくは複素環に任意で融合されてもよいC3〜8複素環からなる群より選択される置換されていてもよい構成員であり; あるいはR7は置換されていてもよいC3〜8炭素環またはC3〜8複素環で置換されたC1〜10アルキル、C2〜10アルケニルまたはC2〜10ヘテロアルキルである。
【0050】
ある種の態様において、極性置換基は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボキサミド、テトラゾール、トリアゾール、カルボキシメタンスルホンアミド、オキサジアゾール、オキソチアジアゾール、チアゾール、アミノチアゾールおよびヒドロキシチアゾールからなる群より選択される。
【0051】
いくつかの態様において、存在する少なくとも一つのR8はカルボン酸またはその塩、エステルもしくは生物学的等価体である。ある種の態様において、存在する少なくとも一つのR8はカルボン酸含有置換基またはその塩、エステルもしくは生物学的等価体である。後者の態様において、R8置換基はカルボン酸(またはその塩、エステルもしくは生物学的等価体)に連結されたC1〜C10アルキルまたはC1〜C10アルケニルでありうる。
【0052】
抗がん剤
本明細書においてさらに記述されるように、本出願の化合物はさらなる抗がん剤と組み合わせて投与される。そのようなさらなる「抗がん剤」には、伝統的な化学療法剤、ならびに分子標的治療剤、生物療法剤および放射線療法剤が含まれる。
【0053】
本出願の化合物と組み合わせて用いられる抗がん剤は、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物性アルカロイドおよびテルペノイド(例えば、タキサン)、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、ホルモン療法、分子標的薬剤などを含めて、当業者に公知のクラスのいずれかより選択される薬剤を含むことができる。一般的にこのような抗がん剤は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物性アルカロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、チロシンキナーゼ阻害剤、または免疫抑制マクロライドである。
【0054】
アルキル化剤には、(a) シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチンおよび(SP-4-3)-(シス)-アミンジクロロ-[2-メチルピリジン]白金(II)のようなアルキル化様白金に基づく化学療法剤; (b) ブスルファンのようなスルホン酸アルキル; (c) アルトレタミンおよびチオテパのようなエチレンイミンおよびメチルメラミン誘導体; (d) クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、トロホスファミド、プレドニムスチン、メルファランおよびウラムスチンのようなナイトロジェンマスタード; (e) カルムスチン、ロムスチン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチンおよびストレプトゾシンのようなニトロソ尿素; (f) ダカルバジン、プロカルバジン、テモゾラミドおよびテモゾロミドのようなトリアゼンおよびイミダゾテトラジンが含まれる。
【0055】
代謝拮抗物質には、(a) フルダラビン、クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロファラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、およびチオグアニンのようなプリン類似体; (b) フルオロウラシル、ゲムシタビン、カペシタビン、シタラビン、アザシチジン、エダトレキセート、フロクスウリジンおよびトロキサシタビンのようなピリミジン類似体; (c) メトトレキセート、ペメトレキセド、ラルチトレキセドおよびトリメトレキセートのような抗葉酸剤が含まれる。代謝拮抗物質には、フルオロウラシル、ラルチトレキセド、カペシタビン、フロクスウリジンおよびペメトレキセドのような、チミジレートシンターゼ阻害剤; ならびにクラリビン、クロファラビンおよびフルダラビンのようなリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤も含まれる。
【0056】
植物性アルカロイドおよびテルペノイド由来の薬剤には、ビンカアルカロイドのビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビンのような有糸分裂阻害剤; ならびにパクリタキセル、ドセタキセル、ラロタキセル、オルタタキセルおよびテセタキセルを含むが、これらに限定されない、タキサンのような微小管重合体安定剤が含まれる。
【0057】
トポイソメラーゼ阻害剤には、カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、ルビテカンおよびベロテカンのようなトポイソメラーゼI阻害剤; ならびにエトポシド、テニポシドおよびアムサクリンのようなトポイソメラーゼII阻害剤が含まれる。
【0058】
抗腫瘍抗生物質には、(a) ダウノルビシン(リポソームダウノルビシンを含む)、ドキソルビシン(リポソームドキソルビシンを含む)、エピルビシン、イダルビシンおよびバルルビシンのようなアントラサイクリン; (b) ブレオマイシン、アクチノマイシン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ポルフィロマイシンのようなストレプトマイセス関連物質; ならびに(c) ミトキサントロンおよびピクサントロンのようなアントラセンジオンが含まれる。アントラサイクリンは三つの作用機序: DNA/RNA鎖の塩基対間の挿入; トポイソメラーゼII酵素の阻害; ならびにDNAおよび細胞膜に損傷を与える鉄媒介性の酸素遊離基の作出を有する。アントラサイクリンは、トポイソメラーゼII阻害剤と一般的に特徴付けられる。
【0059】
ホルモン療法には、(a) フルオキシメステロンおよびテストラクトンのようなアンドロゲン; (b) ビカルタミド、シプロテロン、フルタミドおよびニルタミドのような抗アンドロゲン; (c) アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタンおよびレトロゾールのようなアロマターゼ阻害剤; (d) デキサメタゾンおよびプレドニゾンのようなコルチコステロイド; (e) ジエチルスチルベストロールのようなエストロゲン; (f) フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェンおよびトレミフェン(toremifine)のような抗エストロゲン; (g) ブセレリン、ゴセレリン、ロイプロリドおよびトリプトレリンのようなLHRHアゴニストおよびアンタゴニスト; (h) 酢酸メドロキシプロゲステロンおよび酢酸メゲストロールのようなプロゲスチン; ならびに(i) レボチロキシンおよびリオチロニンのような甲状腺ホルモンが含まれる。
【0060】
分子標的薬剤には、(a) エルロチニブ、ゲフィチニブおよびネラチニブを含む、EGFR阻害剤のような、受容体チロシンキナーゼ(「RTK」)阻害剤; バンデタニブ、セマキシニブおよびセジラニブを含むVEGFR阻害剤; ならびにPDGFR阻害剤が含まれ; さらに含まれるのは、EGFRもHER2も阻害するラパチニブのような、複数の受容体部位で働くRTK阻害剤、ならびにアキシチニブ、スニチニブ、ソラフェニブおよびトセラニブを含むがこれらに限定されない、C-kit、PDGFRおよびVEGFRの各々で働く阻害剤であり; 同様に含まれるのは、イマチニブのような、BCR-ABL、c-kitおよびPDGFRの阻害剤である; (b) ラパマイシンまたはバフィロマイシンを含む、免疫抑制マクロライド系抗生物質のような、FKBP結合剤; (c) 遺伝子治療剤、アンチセンス療法剤および遺伝子発現調節因子、例えばレチノイドおよびレキシノイドなど、例えばアダパレン、ベキサロテン、トランスレチノイン酸、9-シスレチノイン酸およびN-(4-ヒドロキシフェニル)レチナミド; (d) アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブチウキセタン、リツキシマブおよびトラスツズマブのようなモノクローナル抗体を含む、表現型指向性の治療剤; (e) ゲムツズマブ オゾガマイシンのような免疫毒素; (f) 131-トシツモマブのような放射性免疫複合体; ならびに(g) がんワクチンが含まれる。
【0061】
種々の薬剤には、アルトレタミン、三酸化ひ素、硝酸ガリウム、ヒドロキシ尿素、レバミゾール、ミトタン、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、サリドマイド、光力学的化合物、例えばメトキサレンおよびポルフィマーナトリウムなど、ならびにプロテアソーム阻害剤、例えばボルテゾミブなどが含まれる。
【0062】
生物療法剤には、インターフェロン、例えばインターフェロンα2aおよびインターフェロンα2bなど、ならびにインターロイキン、例えばアルデスロイキン、デニロイキンディフティトックスおよびオプレルベキンなどが含まれる。
【0063】
がん細胞に対して働くように意図される抗がん剤に加えて、細胞保護剤、例えばアミホスチン(armifostine)、デクスラゾキサン(dexrazonxane)およびメスナなど、ホスホン酸、例えばパミドロン酸(parmidronate)およびゾレドロン酸など、ならびに刺激因子、例えばエポエチン、ダルベポエチン(darbeopetin)、フィルグラスチム、PEG-フィルグラスチムおよびサルグラモスチムなどを含む、保護剤または補助剤の使用を含む組み合わせ療法も想定される。
【0064】
一つの局面において、本出願は、新生物障害を処置するかまたは寛解させるための方法であって、それを必要としている対象に治療上有効量の式Iの化合物:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルと、抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルとを投与しそれによって該新生物障害を処置または改善する段階を含む、該方法について開示する。
式中、Z5はNもしくはCR6Aであり;
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、Hまたは置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、ハロ、CF3、CFN、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、カルボキシの生物学的等価体、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
各R9は独立して、置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R9は独立して、ハロ、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
ここで各Rは独立して、HまたはC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、
かつここで同じ原子上のもしくは隣接原子上の二つのRは連結されて、一つもしくは複数のN、OもしくはSを含んでいてもよい3〜8員環を形成してもよく;
かつ各R基、および二つのR基をともに連結することによって形成された各環は、ハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'およびNO2から選択される一つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで各R'は独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C2〜C6ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜12アリールアルキルもしくはC6〜12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々は、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6ヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノおよび=Oから選択される一つもしくは複数の基で置換されていてもよく;
かつここで二つのR'は連結されて、N、OおよびSから選択される最高3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員環を形成してもよく;
nは0〜4であり;かつ
pは0〜4である。
【0065】
一つの代替案において、本出願は、新生物障害を処置するかまたは寛解させるための方法であって、それを必要としている対象に治療上有効量の本明細書において記述される式Iの化合物および抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを投与する段階を含み、抗がん剤がドキソルビシンではない、該方法について開示する。
【0066】
別の代替案において、本出願は、新生物障害を処置するかまたは寛解させるための方法であって、それを必要としている対象に治療上有効量の本明細書において記述される式Iの化合物および抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを投与する段階を含み、抗がん剤がトポイソメラーゼII阻害剤ではない、該方法について開示する。
【0067】
別の代替案において、本出願は、新生物障害を処置するかまたは寛解させるための方法であって、それを必要としている対象に治療上有効量の本明細書において記述される式Iの化合物および抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを投与する段階を含み、抗がん剤が抗腫瘍抗生物質ではない、該方法について開示する。
【0068】
本明細書において記述される局面または代替案のいずれかの一つの態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシルではない。別の態様において、抗がん剤はチミジル酸合成酵素阻害剤ではない。別の態様において、抗がん剤は代謝拮抗物質ピリミジン(pyrmidine)類似体ではない。別の態様において、抗がん剤は代謝拮抗物質ではない。
【0069】
本明細書において記述される局面または代替案のいずれかの一つの態様において、抗がん剤はラパマイシンではない。別の態様において、抗がん剤は免疫抑制マクロライド系抗生物質ではない。別の態様において、抗がん剤はFKBP結合剤ではない。
【0070】
本明細書において記述される局面または代替案のいずれかの一つの態様において、抗がん剤はエルロチニブ(タルセバ)ではない。別の態様において、抗がん剤は小分子EGFR阻害剤ではない。別の態様において、抗がん剤は受容体チロシンキナーゼ阻害剤ではない。
【0071】
本明細書において記述される局面または代替案のいずれかの一つの態様において、抗がん剤はスニチニブ(スーテント)ではない。別の態様において、抗がん剤はVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤ではない。別の態様において、抗がん剤は受容体チロシンキナーゼ阻害剤ではない。
【0072】
本明細書において記述されるいずれかの局面または代替案の別の態様において、抗がん剤はドキソルビシン、5-フルオロウラシル、ラパマイシン、エルロチニブまたはスニチニブではない。別の態様において、抗がん剤はドキソルビシン、5-フルオロウラシル、ラパマイシン、エルロチニブまたはスニチニブのいずれか四つのうちのいずれか一つではない。例えば、一つのそのような態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、ラパマイシン、エルロチニブまたはスニチニブではない。別のそのような態様において、抗がん剤はドキソルビシン、5-フルオロウラシル、エルロチニブまたはスニチニブではない。別の態様において、抗がん剤はドキソルビシン、5-フルオロウラシル、ラパマイシン、エルロチニブまたはスニチニブのいずれか三つのうちのいずれか一つではない。例えば、一つのそのような態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、エルロチニブまたはスニチニブではない。別のそのような態様において、抗がん剤はドキソルビシン、エルロチニブまたはスニチニブではない。別の態様において、抗がん剤はドキソルビシン、5-フルオロウラシル、ラパマイシン、エルロチニブまたはスニチニブのいずれか二つのうちのいずれか一つではない。
【0073】
本明細書において記述されるいずれかの局面または代替案の別の態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、チミジル酸合成酵素阻害剤、免疫抑制マクロライド系抗生物質、小分子EGFR阻害剤またはVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤ではない。別の態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、チミジル酸合成酵素阻害剤、免疫抑制マクロライド系抗生物質、小分子EGFR阻害剤またはVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤のいずれか四つのうちのいずれか一つではない。例えば、一つのそのような態様において、抗がん剤はチミジル酸合成酵素阻害剤、免疫抑制マクロライド系抗生物質、小分子EGFR阻害剤またはVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤ではない。別のそのような態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、チミジル酸合成酵素阻害剤、小分子EGFR阻害剤またはVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤ではない。別の態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、チミジル酸合成酵素阻害剤、免疫抑制マクロライド系抗生物質、小分子EGFR阻害剤またはVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤のいずれか三つのうちのいずれか一つではない。例えば、一つのそのような態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、チミジル酸合成酵素阻害剤またはVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤ではない。別のそのような態様において、抗がん剤はチミジル酸合成酵素阻害剤、小分子EGFR阻害剤またはVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤ではない。別の態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、チミジル酸合成酵素阻害剤、免疫抑制マクロライド系抗生物質、小分子EGFR阻害剤またはVEGFR、PDGFRおよびcKITの阻害剤のいずれか二つのうちのいずれか一つではない。
【0074】
本明細書において記述されるいずれかの局面または代替案の別の態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗物質ピリミジン類似体、FKBP結合剤または受容体チロシンキナーゼ阻害剤ではない。別の態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗物質ピリミジン類似体、FKBP結合剤または受容体チロシンキナーゼ阻害剤のいずれか三つのうちのいずれか一つではない。例えば、一つのそのような態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗物質ピリミジン類似体または受容体チロシンキナーゼ阻害剤ではない。別のそのような態様において、抗がん剤は代謝拮抗物質ピリミジン類似体、FKBP結合剤または受容体チロシンキナーゼ阻害剤ではない。別の態様において、抗がん剤はトポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗物質ピリミジン類似体、FKBP結合剤または受容体チロシンキナーゼ阻害剤のいずれか二つのうちのいずれか一つではない。
【0075】
本明細書において記述されるいずれかの局面または代替案の一つの態様において、本出願の化合物と組み合わせて用いられる抗がん剤は、5-フルオロウラシル(5-FU)、シスプラチン、ドキソルビシン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、スニチニブ、エルロチニブおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、シスプラチン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、スニチニブ、エルロチニブおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、抗がん剤はシスプラチン、ドキソルビシン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、スニチニブ、エルロチニブおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、抗がん剤はシスプラチン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、スニチニブ、エルロチニブおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、シスプラチン、ドキソルビシン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、スニチニブ、エルロチニブおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、シスプラチン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、スニチニブ、エルロチニブおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、シスプラチン、ドキソルビシン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、スニチニブおよびビンブラスチンから選択される。さらなる態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、シスプラチン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、スニチニブおよびビンブラスチンから選択される。さらなる態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、シスプラチン、ドキソルビシン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、エルロチニブおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、抗がん剤は5-フルオロウラシル、シスプラチン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、エルロチニブおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、本出願の化合物と組み合わせて用いられる抗がん剤は、ドキソルビシン、シスプラチン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセルおよびビンブラスチンから選択される。別の態様において、本出願の化合物と組み合わせて用いられる抗がん剤は、シスプラチン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセルおよびビンブラスチンから選択される。
【0076】
開示されるいずれかの局面または代替案の一つの態様において、式Iの化合物は式II、III、IV、VもしくはVIの構造:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステル
を有する。
式中、Z5はNもしくはCR6Aであり;
各R6AおよびR8は独立して、Hまたは置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R6AおよびR8は独立して、ハロ、CF3、CFN、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、カルボキシの生物学的等価体、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
各R9は独立して、置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R9は独立して、ハロ、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
ここで各Rは独立して、HまたはC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、
かつここで同じ原子上のもしくは隣接原子上の二つのRは連結されて、一つもしくは複数のN、OもしくはSを含んでいてもよい3〜8員環を形成してもよく;
かつ各R基、および二つのR基をともに連結することによって形成された各環は、ハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'およびNO2から選択される一つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで各R'は独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C2〜C6ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜12アリールアルキルもしくはC6〜12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々は、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6ヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノおよび=Oから選択される一つもしくは複数の基で置換されていてもよく;
かつここで二つのR'は連結されて、N、OおよびSから選択される最高3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員環を形成してもよく;かつ
pは0〜4である。
【0077】
開示されるいずれかの局面または代替案の特定の態様において、式Iの化合物は下記式を有する化合物(化合物K):

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルである。
【0078】
開示されるいずれかの局面または代替案の別の態様において、式Iの化合物は式(1)もしくは(2)を有する化合物:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルである。
【0079】
式I、II、III、IV、VおよびVIの化合物は、細胞増殖の阻害およびタンパク質キナーゼ活性の調節を含むが、これらに限定されない、生物活性を及ぼすことができる。そのような式の化合物は、例えば、CK2活性を調節することができる。そのような化合物はそれゆえ、当業者により複数の用途において利用されうる。例えば、本明細書において記述される化合物には、単独でまたは別の抗がん剤との組み合わせで投与される場合に、(i) タンパク質キナーゼ活性(例えば、CK2活性)の調節、(ii) 細胞増殖の調節、(iii) アポトーシスの調節、および(iv) 新生物障害のような、細胞増殖に関連する障害の処置を含むが、これらに限定されない、用途を見つけることができる。
【0080】
別の局面において、本出願は、有効量の、本明細書において記述される式I、II、III、IV、VもしくはVIの化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくはエステル、および抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを系に投与し、それによって細胞増殖を阻害または緩徐化する段階を含む、系における細胞増殖を阻害または緩徐化するための方法について開示する。系は細胞、組織または対象でありうる。
【0081】
本出願はまた、治療上有効量の、下記式を有する化合物(化合物K):

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルと、よく用いられる抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルとの組み合わせでの投与を含む、新生物障害を予防する、処置する、または寛解させるための方法、ならびに細胞増殖を阻害または緩徐化するための方法について開示する。
【0082】
本出願の上記の局面に関して、本発明者らは、本明細書において記載の抗がん剤の任意の組み合わせを企図する。
【0083】
本出願は、式I、II、III、IV、VもしくはVIの化合物または薬学的に許容されるその塩もしくはエステル、およびよく用いられる抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステル、ならびに少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物について開示する。この組み合わせは、細胞増殖を阻害するのに有効な量で投与される。
【0084】
式I、II、III、IV、VおよびVIの化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩およびエステルは、本明細書において本出願の化合物と総称していわれることもある。
【0085】
本出願はさらに、本出願の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくはエステル、およびよく用いられる抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステル、ならびに少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物について開示する。この組み合わせは、細胞増殖を阻害するのに有効な量で投与される。特定の態様において、本出願の化合物は化合物K、化合物1もしくは化合物2、またはその塩もしくはエステルである。
【0086】
本出願において開示される一つの局面において、組み合わせ療法は、新生物障害を有する個体に施される。本出願の別の局面において、組み合わせ療法は、新生物障害の臨床的兆候を未だ示していないものの、新生物障害を発現するリスクがある個体に施される。このような目的で、本出願は、新生物障害を発現するリスクを抑止または低減するための方法について開示する。
【0087】
一つの態様において、化合物Kのような、本出願の化合物も抗がん剤もともに含む単一の薬学的投与処方物が投与される。本出願において開示される別の態様において、別個の投与処方物が投与され; 化合物および抗がん剤は、例えば、本質的に同じ時点で、例えば同時に、またはずらした別個の時点で、例えば連続的に投与されてもよい。ある種の例では、組み合わせの個々の成分は別々に、治療の経過中の異なる時点で、または同時に、分割された形態もしくは単一の組み合わせ形態で投与されてもよい。
【0088】
本出願は、例えば、同時の処置、ずらした処置、または交互の処置について開示する。したがって、本出願の化合物は同じ薬学的組成物中で、抗がん剤と同時に投与されてもよい; 本出願の化合物は別の薬学的組成物中で、抗がん剤と同時に投与されてもよい; 本出願の化合物は抗がん剤の前に投与されてもよく、または抗がん剤が本出願の化合物の前に、例えば、秒単位、分単位、時間単位、日単位もしくは週単位の時差で投与されてもよい。ずらした処置の例では、本出願の化合物による治療過程が施された後に、抗がん剤による治療過程が施されてもよく、または逆順序の処置が用いられてもよく、各成分による連続二回以上の処置が用いられてもよい。本出願のある種の例では、一方の成分、例えば、本出願の化合物または抗がん剤は、他方の成分またはその誘導体産物が哺乳類の血流中に残っている間に、哺乳類に投与される。例えば、化合物Kは、抗がん剤もしくはその誘導体産物が血流中に残っている間に投与されてもよく、または抗がん剤は、化合物Kもしくはその誘導体が血流中に残っている間に投与されてもよい。他の例では、第二の成分は、第一の成分またはその誘導体の全部または大部分が哺乳類の血流から消えた後に投与される。
【0089】
本出願の化合物と組み合わせて用いられる抗がん剤は、当業者に公知のクラスのいずれかより選択される薬剤を含むことができる。適切な抗がん剤は、数ある中で、アルキル化剤、代謝拮抗物質(例えば、プリン剤およびピリミジン剤)、植物性アルカロイド(例えば、ビンカアルカロイド)テルペノイド(例えば、タキサン)、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、ホルモン療法、ならびに分子標的薬剤、例えば受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤(例えば、PDGFR、VEFGR、EGFR阻害剤)およびモノクローナル抗体などを含むことができるが、これらに限定されることはない。
【0090】
処方および投与
本出願の組成物および方法は、典型的には、ヒト患者の治療に用いられるが、それらは類似のまたは同一の疾患を処置するために獣医学において用いられてもよい。組成物は、例えば、霊長類および家畜哺乳類を含むが、これらに限定されない、哺乳類を処置するために用いることができる。組成物は、例えば、草食動物を処置するために用いることができる。本出願の組成物には、各薬物が異性体のラセミ混合物または一つもしくは複数の精製された異性体である、薬物の一つまたは複数の幾何異性体および光学異性体が含まれる。
【0091】
本出願で用いるのに適した薬学的組成物には、活性成分が意図した目的を達成するのに有効な量で含有される組成物が含まれる。有効量の判定は、特に本明細書において提供される詳細な開示を踏まえれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0092】
本出願の化合物は薬学的に許容される塩として存在することができる。「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書において記述される化合物上に見られる特定の置換基部分に応じて、相対的に非毒性の酸または塩基と調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本出願の化合物が相対的に酸性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性型を、そのままでまたは適当な不活性溶媒中で、十分な量の所望の塩基と接触させることによって塩基付加塩を得ることができる。含まれるのはナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩、または類似の塩のような塩基付加塩である。本出願の化合物が相対的に塩基性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性型を、そのままでまたは適当な不活性溶媒中で、十分な量の所望の酸と接触させることによって酸付加塩を得ることができる。許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素酸または亜リン酸などのような無機酸から導出されるもの、ならびに相対的に非毒性の有機酸から導出される塩、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。同様に含まれるのは、アルギン酸塩などのようなアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸(galactunoric acid)などのような有機酸の塩である(例えば、Berge et al., 「Pharmaceutical Salts」, Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19を参照のこと)。本出願のある種の特異的化合物は、化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換させる塩基性官能基も酸性官能基も含む。
【0093】
適用可能な塩形態の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩(例えば(+)-酒石酸塩、(-)-酒石酸塩またはラセミ混合物を含むその混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩、およびグルタミン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。これらの塩は、当業者に公知の方法によって調製することができる。
【0094】
化合物の中性形態は、典型的には、塩を塩基または酸と接触させ、かつ親化合物を従来の方法で単離することによって再生される。化合物の親形態は、極性溶媒中での溶解性のような、ある種の物理的特性がさまざまな塩形態とは異なる。
【0095】
本出願における薬学的に許容されるエステルは非毒性のエステルをいい、一般にアルキルエステルはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはペンチルエステルであり、より多くの場合、アルキルエステルはメチルエステルである。しかしながら、必要に応じてフェニル-C1〜5アルキルのような他のエステルが利用されてもよい。ある種の化合物のエステル誘導体は、温血動物の血流への吸収時に、薬物の形態を放出し、かつ薬物が治療効果の改善を与えることを可能とするように開裂しうるプロドラッグとして働きうる。
【0096】
本出願のある種の化合物は、非溶媒和形態、および水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であり、本出願の範囲内に包含される。本出願のある種の化合物は、多結晶形または非晶形で存在しうる。一般に、全ての物理的形態は、本出願により企図される使用について等価であり、本出願の範囲内であるものと意図される。
【0097】
治療用物質として用いられる場合、本明細書において記述される化合物は、生理学的に許容される担体とともに投与されることが多い。生理学的に許容される担体は化合物を溶解するために、または他の方法でその投与を容易にするために化合物が添加されうる処方物である。生理学的に許容される担体の例としては、水、食塩水、生理食塩水が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0098】
本出願のある種の化合物は、不斉炭素原子(光学中心もしくはキラル中心)または二重結合を保有し; 絶対立体化学の点で、(R)-もしくは(S)-または、アミノ酸の場合(D)-もしくは(L)-と定義されうる、光学異性体、ラセミ化合物、ジアステレオ異性体、互変異性体、幾何異性体、立体異性体、および個別の異性体は、本出願の範囲内に包含される。それゆえ、本化合物の単一の立体化学的異性体、ならびに鏡像異性体混合物およびジアステレオ異性体混合物は、本出願の範囲内である。本出願の化合物は、不安定すぎて合成および/または単離できないと当技術分野において知られているものは含まない。本出願は、ラセミ体および光学的に純粋な形態の化合物を開示する。光学活性な(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を用いて調製されてもよく、または従来の技術を用いて分割されてもよい。本明細書において記述される化合物がオレフィン結合または他の幾何的非対称性中心を含む場合、特別の定めのない限り、該化合物はEおよびZの幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0099】
本明細書において用いられる「互変異性体」という用語は、平衡して存在し、一方の異性体から別のものへと容易に変換される二つまたはそれ以上の構造異性体の一つをいう。本出願のある種の化合物は互変異性体で存在してよく、該化合物のこのような互変異性体の全てが本発明の範囲内であることは当業者には明らかであろう。
【0100】
特に明記しない限り、本明細書において描かれる構造は、一つまたは複数の同位体濃縮された原子の存在のみが異なる化合物を含むことも意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換、または13C-もしくは14C-濃縮炭素による炭素の置換を除き、本発明の構造を有する化合物は、本出願の範囲内である。本出願の化合物は、このような化合物を構成する一つまたは複数の原子において非天然割合の原子同位体を含有してもよい。例えば、化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素-125 (125I)または炭素-14 (14C)のような、放射性同位体で放射性標識することができる。本出願の化合物の全ての同位体変化は、放射活性であるかないかを問わず、本開示の範囲内に包含される。
【0101】
塩形態に加えて、本出願は、プロドラッグ形態にある化合物を提供する。本明細書において記述される化合物のプロドラッグは、生理条件下で化学的変化を容易に起こして本出願の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、エクスビボの環境で化学的または生化学的方法により本出願の化合物に変換されうる。例えば、プロドラッグは、適当な酵素または化学試薬を有する経皮貼付容器の中に配置される場合に本出願の化合物にゆっくり変換されうる。
【0102】
本出願の化合物の記述は、当業者に公知の化学結合の原理によって制限される。したがって、いくつかの置換基のうちの一つまたは複数によって基を置換できる場合、そのような置換基は、化学結合の原理に適合するように、かつ本質的に不安定でない、ならびに/または水性、中性およびいくつかの公知の生理学的条件のような周囲条件の下で不安定である可能性が高いと当業者に公知であると考えられる、化合物を与えるように選択される。例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、当業者に公知の化学結合の原理にしたがい環ヘテロ原子を介して分子の残部に付着され、それにより本質的に不安定な化合物を回避する。
【0103】
本出願の化合物は薬学的組成物として処方することができる。そのような薬学的組成物を次いで、経口的に、非経口的に、吸入噴霧により、経直腸的にまたは局所的に、従来の非毒性の薬学的に許容される所望の担体、補助剤および媒体を含有する投与量単位処方物として投与することができる。局所投与は、経皮パッチまたはイオン導入装置のような経皮投与の使用を伴うこともできる。本明細書において用いられる非経口という用語は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射または注入技術を含む。薬物の処方は、例えば、Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa.; 1975に論じられている。薬物処方の他の例は、Liberman, H. A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980のなかで見出すことができる。
【0104】
注射可能な調製物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用い公知の技術によって処方することができる。無菌の注射可能な調製物は同様に、毒性のない非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液であってもよい。利用可能な許容される媒体および溶媒の中には水、リンゲル溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油が通常、溶媒または懸濁化媒質として利用される。このために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含めて、任意の無刺激性の固定油を利用することができる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸には注射物質の調製での用途が見つかる。ジメチルアセトアミド、イオン性および非イオン性界面活性剤を含む表面活性剤、ポリエチレングリコールを用いることができる。溶媒および上記のものなどの湿潤剤の混合物も有用である。
【0105】
薬物の直腸投与用の坐薬は、カカオ脂、合成モノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリド、脂肪酸およびポリエチレングリコールなどの適当な非刺激性の賦形剤と薬物を混合することによって調製することができ、常温では固体であるが、直腸温では液体であるため、直腸内で溶けて薬物を放出するであろう。
【0106】
経口投与用の固体剤形は、カプセル、錠剤、丸剤、粉末および顆粒を含むことができる。そのような固体剤形では、本出願の化合物は、通常、適応される投与経路に適した一つまたは複数の補助剤と組み合わされる。経口投与されるなら、企図される芳香族スルホンヒドロキシメート阻害剤化合物をラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸セルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸ナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ならびに/またはポリビニルアルコールと混合し、その後、好都合な投与に向けて錠剤化またはカプセル化することができる。そのようなカプセルまたは錠剤には、活性化合物のヒドロキシプロピルメチルセルロース分散液中で提供されうるように、放出制御処方物を含めることができる。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形はクエン酸ナトリウム、炭酸または重炭酸マグネシウムまたはカルシウムのような緩衝剤を含むこともできる。錠剤および丸剤はさらに、腸溶コーティングを用いて調製されてもよい。
【0107】
治療目的で、非経口投与用の処方物は、水性または非水性の等張滅菌注射溶液または懸濁液の形態であってよい。これらの溶液および懸濁液は、経口投与用の処方物で用いる言及した担体または希釈剤の一つまたは複数を有する無菌粉末または顆粒から調製することができる。企図される芳香族スルホンヒドロキシメート阻害剤化合物を水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、および/またはさまざまな緩衝液に溶解することができる。他の補助剤および投与方法は薬学的技術分野においてよくおよび広く知られている。
【0108】
経口投与用の液体剤形は、水のような、当技術分野においてよく用いられる不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容される乳液、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを含むことができる。そのような組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、ならびに甘味剤、香味剤および着香剤のような補助剤を含むこともできる。
【0109】
単一の剤形を作出するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される哺乳類宿主および特定の投与方法に依って変わる。
【0110】
抗がん剤と組み合わせて本出願の化合物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態; 処置される状態の重症度; 投与経路; 患者の腎機能および肝機能; ならびに利用される特定の化合物またはその塩もしくはエステルを含む種々の要因にしたがって選択される。これらの要因の検討は、本組み合わせ療法を必要としている者に与えられる治療上有効な投与量を判定する目的で通常の技術を有する臨床医の範囲内に十分にある。
【実施例】
【0111】
下記の例は本開示を例証するが、それを限定するものではない。
【0112】
実施例1: 細胞阻害アッセイ法
二枚の96ウェルプレート(二つ組)の各ウェルの中に1ウェルあたり3000個の細胞をプレーティングする。細胞を37℃で終夜インキュベートする。翌日、一つまたは複数の化合物をプレートに加え、各々の化合物の濃度をプレートの全体にわたって体系的に変化させる。典型的には、各プレートの全体にわたり、2倍、3倍または4倍の希釈を用いて一つの化合物を垂直方向に変化させ、2倍、3倍または4倍の希釈を用いてもう一つの化合物を水平方向に変化させる(以下に示す)。化合物Kの上位濃度は100、30または10マイクロモルである。ラパマイシンまたはシスプラチンのような、他の薬物の上位濃度は、200マイクロモルから30ナノモルまで変化する。場合によっては、観察される相乗効果は二つの化合物の添加順の影響を受ける。このような場合には、第一の薬物を第二の薬物の一日前に加えた。Alamar Blue細胞生存性で分析を行う。手短に言えば、1ウェルあたり20マイクロリットルのAlamarBlue試薬(Invitrogen, Carlsbad CA)を加えた。プレートを37℃で4時間インキュベートし、生じた蛍光をEx 560 nm/Em 590 nmで測定した。
【0113】
実施例1a: 単剤のIC50の計算
各組み合わせに対する単剤のIC50を決定するために、Alamar Blueアッセイ法由来の相対蛍光単位(RFU)の生データの二つ組のものをバックグラウンドに対して補正し、GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad, San Diego CA)を用いてシグモイド用量反応(勾配変化のある法面)で分析した。以下の制約を適用した: ボトムをゼロに等しく固定し; 計算されたトップが不当に高かった場合には、その値を、分析されたデータセットのなかで認められた最高値以下に固定した。図1を参照されたい。
【0114】
実施例2: %阻害データのプレートからの相乗効果の計算
実施例1に述べられたように集められた反応データに基づきプレート中のウェルごとに%阻害を計算する。化合物Kの濃度は、行番号が1から8まで増えるにつれて規則的に増える。高濃度(例えば100マイクロモル)を連続的に(例えば3倍)希釈する。薬物の濃度は、列の文字がAからLまで増えるにつれて規則的に増える(下記表に記載の通り)。高濃度(例えば30マイクロモル)を連続的に(例えば3倍)希釈する。研究のために利用した代表的なプレートを以下に示す。

【0115】
予想される%阻害値は、化合物Kの効果と、添加薬物の効果との間の正確な相加性を推測することによって得られる。ゆえに、関心対象のいずれかのウェルに対して予想される値は、そのウェルに存在する同じ濃度の化合物Kのみで認められる%阻害に、そのウェルに存在する同じ濃度の添加薬物のみで認められる%阻害を乗じたものとして計算される。実際には、これは、添加薬物の濃度がここでは0であるために化合物Kで認められる%阻害が列Aから得られることを意味する。同様に、添加薬物で認められる%阻害は、横列2から得られ(化合物Kの濃度がここでは0であるために)、例えば、ウェルD8に対して予想される値は、ウェルA8で認められる%阻害にウェルD2で認められる%阻害を乗じることによって得られる。
【0116】
これらの研究の対照は、二つの薬物それら自体の各々に対する用量反応曲線である。このような対照により、単独で用いたときに二つの薬物の各々で認められる細胞毒性を付け加えることに単に基づいて、二つの薬物の各々に対して可能な各組み合わせの場合の細胞毒性を予測することが可能になる。
【0117】
相乗効果の評価は、実際の%阻害と予想される%阻害とを比較することによって完了する。例えば、ウェルD8に対して予想される値は60%であるものの80%阻害が認められるなら、それらの化合物は互いの効果を増強しており、相乗効果が認められる。表中に示される値は20.0になるであろう。逆に、二つの化合物が予想に満たない阻害効果を生ずる場合には負の数が得られる。
【0118】
例えば、濃度Xの化合物Aが20%だけ阻害し、かつ濃度Yの化合物Bが20%だけ阻害するなら、濃度Xの化合物Aおよび濃度Yの化合物Bの組み合わせは40%だけ阻害するものと予想することができよう。それはさらにあと60%阻害の可能性を残している。例えば70%の全体的阻害は残りの60%のうちの50%阻害に相当し、その特定の組み合わせの場合「50」と表示される。実際には、プログラムは、上記の量を計算するためにPilotScriptプログラミング言語で書かれている。
【0119】
実施例2a: 組み合わせ指数を用いた相乗効果の計算
組み合わせ指数(CI): CI=[A]/IC50A+[B]/IC50Bは薬物相互作用度の定量的尺度を提供し、ここで単剤のIC50AおよびIC50B濃度は単独で50%効果を達成するための濃度であり、ならびにこれらの二つの薬剤の[A]および[B]濃度は組み合わせで50%効果を達成するための濃度である。1未満のCI、1に等しいCI、および1を超えるCIは、それぞれ、相乗性、相加性、および拮抗性を示す。本発明者らの組み合わせに対するCIを計算するために、本発明者らは、GraphPad Prismソフトウェアを用いてシグモイド用量反応(勾配変化のある法面)で決定されたIC50を用いた。50%効果の値は、化合物Kに対するトップ値と組み合わせ化合物に対するトップ値との間の平均の2分の1として計算された。CI値は、50%効果が達成された最低の薬物濃度で計算される。
【0120】
実施例3: A375黒色腫細胞における5-フルオロウラシル/化合物Kの組み合わせ試験
黒色腫細胞株A375において、チミジル酸合成酵素阻害剤5-フルオロウラシルを化合物Kと組み合わせて試験した。5-フルオロウラシルを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図2および図3を参照されたい。最大55%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.02。
【0121】
5-フルオロウラシルを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0122】
化合物K: IC50=4.6 uM、トップ=7711 RFU。
【0123】
5-FU: IC50=3.0 uM、トップ=9383 RFU。
【0124】
50%効果の値=4274 RFU。
【0125】
50%効果は40 nM化合物Kおよび30 nM 5-フルオロウラシルを組み合わせることによって達成された。
【0126】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[5-FU]/IC505-Fu=(0.04/4.6)+(0.03/3.0)=0.02。
【0127】
実施例4: A375黒色腫細胞におけるフルダラビン/化合物Kの組み合わせ試験
黒色腫細胞株A375において、プリン類似体フルダラビンを化合物Kと組み合わせて試験した。フルダラビンを4日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図4および図5を参照されたい。最大65%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.03。
【0128】
フルダラビンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で4日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0129】
化合物K: IC50=5.0 uM、トップ=8874 RFU。
【0130】
フルダラビン: IC50=22.9 uM、トップ=8227 RFU。
【0131】
50%効果の値=4276 RFU。
【0132】
50%効果は40 nM化合物Kおよび390 nMフルダラビンを組み合わせることによって達成された。
【0133】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[フルダラビン]/IC50フルダラビン=(0.04/5.0)+(0.39/22.9)=0.03。
【0134】
実施例5: A375黒色腫細胞におけるゲムシタビン/化合物Kの組み合わせ試験
黒色腫細胞株A375において、ピリミジンの一種ゲムシタビンを化合物Kと組み合わせて試験した。ゲムシタビンを4日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図6を参照されたい。最大45%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.04。
【0135】
ゲムシタビンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で4日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0136】
化合物K: IC50=4.8 uM、トップ=8646 RFU。
【0137】
フルダラビン: IC50=3.5 nM、トップ=7461 RFU。
【0138】
50%効果の値=4027 RFU。
【0139】
50%効果は120 nM化合物Kおよび30 pMゲムシタビンを組み合わせることによって達成された。
【0140】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ゲムシタビン]/IC50ゲムシタビン=(0.12/4.8)+(0.03/3.5)=0.04。
【0141】
実施例6: A375黒色腫細胞におけるパクリタキセル/化合物Kの組み合わせ試験
黒色腫細胞株A375において、有糸分裂阻害剤パクリタキセルを化合物Kと組み合わせて試験した。パクリタキセルを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図7および図8を参照されたい。最大30%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.17。
【0142】
パクリタキセルを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0143】
化合物K: IC50=11.5 uM、トップ=23452 RFU。
【0144】
フルダラビン: IC50=2.9 nM、トップ=26000 RFU。
【0145】
50%効果の値=12363 RFU。
【0146】
50%効果は100 nM化合物Kおよび460 pMパクリタキセルを組み合わせることによって達成された。
【0147】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[パクリタキセル]/IC50パクリタキセル=(0.1/11.5)+(0.46/2.9)=0.17。
【0148】
実施例7: A375黒色腫細胞におけるスニチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
黒色腫細胞株A375において、多チロシンキナーゼ阻害剤スニチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。スニチニブを4日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図9および図10を参照されたい。最大60%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.04。
【0149】
スニチニブを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で4日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。


【0150】
化合物K: IC50=5.1 uM、トップ=8150 RFU。
【0151】
スニチニブ: IC50=145 nM、トップ=7914 RFU。
【0152】
50%効果の値=4016 RFU。
【0153】
50%効果は120 nM化合物Kおよび3 nMスニチニブを組み合わせることによって達成された。
【0154】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[スニチニブ]/IC50スニチニブ=(0.12/5.1)+(0.003/0.145)=0.04。
【0155】
実施例8: A375黒色腫細胞におけるビンブラスチン/化合物Kの組み合わせ試験
黒色腫細胞株A375において、有糸分裂阻害剤ビンブラスチンを化合物Kと組み合わせて試験した。ビンブラスチンを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図11および図12を参照されたい。最大35%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.39。
【0156】
ビンブラスチンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0157】
化合物K: IC50=12 uM、トップ=25176 RFU。
【0158】
ビンブラスチン: IC50=1.2 nM、トップ=28000 RFU。
【0159】
50%効果の値=13294 RFU。
【0160】
50%効果は20 nM化合物Kおよび460 pMビンブラスチンを組み合わせることによって達成された。
【0161】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ビンブラスチン]/IC50ビンブラスチン=(0.02/12)+(0.46/1.2)=0.39。
【0162】
実施例9: MDA-MB-468乳がん細胞における5-フルオロウラシル/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん細胞株MDA-MB-468において、ピリミジン類似体5-フルオロウラシルを化合物Kと組み合わせて試験した。添加順の影響について調べる。結果を以下に示す; 図13および図14を参照されたい。最大40%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.18〜0.24。相乗作用は添加順に依らなかった。
【0163】
5-フルオロウラシルを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0164】
化合物K: IC50=4.4 uM、トップ=10446 RFU。
【0165】
5-フルオロウラシル: IC50=6.6 uM、トップ=10485 RFU。
【0166】
50%効果の値=5233 RFU。
【0167】
50%効果は410 nM化合物Kおよび940 nM 5-フルオロウラシルを組み合わせることによって達成された。
【0168】
CI=[化合物K]/IC50化合物K +[5-フルオロウラシル]/IC505-フルオロウラシル=(0.41/4.4)+(0.94/6.6)=0.24。
【0169】
化合物Kを最初に加え、5-フルオロウラシルを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。図15および図16を参照されたい。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0170】
化合物K: IC50=4.6 uM、トップ=10630 RFU。
【0171】
5-フルオロウラシル: IC50=10.6 uM、トップ=10384 RFU。
【0172】
50%効果の値=5254 RFU。
【0173】
50%効果は410 nM化合物Kおよび940 nM 5-フルオロウラシルを組み合わせることによって達成された。
【0174】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[5-フルオロウラシル]/IC505-フルオロウラシル=(0.41/4.6)+(0.94/10.6)=0.18。
【0175】
実施例10: MDA-MB-468乳がん細胞におけるシスプラチン/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん細胞株MDA-MB-468において、アルキル化様剤シスプラチンを化合物Kと組み合わせて試験した。添加順の影響について調べる。結果を以下に示す; 図17および図18を参照されたい。最大15%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.3〜0.84。相乗作用は添加順に依らなかった。
【0176】
シスプラチンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0177】
化合物K: IC50=4.3 uM、トップ=10513 RFU。
【0178】
5-フルオロウラシル: IC50=107 nM、トップ=11803 RFU。
【0179】
50%効果の値=5579 RFU。
【0180】
50%効果は1.2 uM化合物Kおよび60 nMシスプラチンを組み合わせることによって達成された。
【0181】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[シスプラチン]/IC50シスプラチン=(1.2/4.3)+(0.06/0.107)=0.84。
【0182】
化合物Kを最初に加え、シスプラチンを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す; 図19および図20を参照されたい。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0183】
化合物K: IC50=4.5 uM、トップ=9530 RFU。
【0184】
シスプラチン: IC50=430 nM、トップ=9646 RFU。
【0185】
50%効果の値=4794 RFU。
【0186】
50%効果は1.2 uM化合物Kおよび120 nM シスプラチンを組み合わせることによって達成された。
【0187】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[シスプラチン]/IC50シスプラチン=(1.2/4.5)+(0.12/0.43)=0.3。
【0188】
実施例11: MDA-MB-468乳がん細胞におけるドキソルビシン/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん細胞株MDA-MB-468において、アントラサイクリンの一種ドキソルビシンを化合物Kと組み合わせて試験した。添加順の影響について調べる。結果を以下に示す; 図21および図22を参照されたい。最大30%までの相乗作用を観察する。CI=0.56〜0.76。相乗作用は添加順に依らなかった。
【0189】
ドキソルビシンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0190】
化合物K: IC50=4.5 uM、トップ=10577 RFU。
【0191】
ドキソルビシン: IC50=17 nM、トップ=10942 RFU。
【0192】
50%効果の値=5380 RFU。
【0193】
50%効果は410 nM化合物Kおよび8 nMドキソルビシンを組み合わせることによって達成された。
【0194】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ドキソルビシン]/IC50ドキソルビシン=(0.41/4.5)+(0.008/0.017)=0.56。
【0195】
化合物Kを最初に加え、ドキソルビシンを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。図23および図24を参照されたい。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0196】
化合物K: IC50=4.6 uM、トップ=9652 RFU。
【0197】
ドキソルビシン: IC50=16 nM、トップ=11475 RFU。
【0198】
50%効果の値=5282 RFU。
【0199】
50%効果は1.2 uM化合物Kおよび8 nMドキソルビシンを組み合わせることによって達成された。
【0200】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ドキソルビシン]/IC50ドキソルビシン=(1.2/4.6)+(0.008/0.016)=0.76。
【0201】
実施例12: MDA-MB-468乳がん細胞におけるゲムシタビン/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん細胞株MDA-MB-468において、ピリミジン類似体ゲムシタビンを化合物Kと組み合わせて試験した。添加順の影響について調べる。結果を以下に示す; 図25および図26を参照されたい。最大30%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.29〜0.84。相乗作用は添加順に依らなかった。
【0202】
ゲムシタビンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0203】
化合物K: IC50=4.4 uM、トップ=10572 RFU。
【0204】
ゲムシタビン: IC50=8.8 nM、トップ=10229 RFU。
【0205】
50%効果の値=5200 RFU。
【0206】
50%効果は3.7 uM化合物Kおよび30 pMゲムシタビンを組み合わせることによって達成された。
【0207】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ゲムシタビン]/IC50ゲムシタビン=(3.7/4.4)+(0.03/8.8)=0.84。
【0208】
化合物Kを最初に加え、ゲムシタビンを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。図27および図28を参照されたい。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0209】
化合物K: IC50=4.3 uM、トップ=12460 RFU。
【0210】
ゲムシタビン: IC50=8 nM、トップ=11772 RFU。
【0211】
50%効果の値=6103 RFU。
【0212】
50%効果は1.2 uM化合物Kおよび120 pMゲムシタビンを組み合わせることによって達成された。
【0213】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ゲムシタビン]/IC50ゲムシタビン=(1.2/4.3)+(0.12/8)=0.29。
【0214】
実施例13: MIA PaCa-2膵臓がん細胞におけるビンブラスチン/化合物Kの組み合わせ試験
膵臓がん細胞株MIA PaCa-2において、有糸分裂阻害剤ビンブラスチンを化合物Kと組み合わせて試験した。ビンブラスチンを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図29および図30を参照されたい。最大45%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.07。
【0215】
ビンブラスチンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0216】
化合物K: IC50=4.1 uM、トップ=10022 RFU。
【0217】
ビンブラスチン: IC50=14 pM、トップ=9697 RFU。
【0218】
50%効果の値=4930 RFU。
【0219】
50%効果は120 nM化合物Kおよび0.5 pMビンブラスチンを組み合わせることによって達成された。
【0220】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ビンブラスチン]/IC50ビンブラスチン=(0.12/4.1)+(0.5/14)=0.07。
【0221】
実施例14: MIA PaCa-2膵臓がん細胞におけるゲムシタビン/化合物Kの組み合わせ試験
膵臓がん細胞株MIA PaCa-2において、ピリミジン類似体ゲムシタビンを化合物Kと組み合わせて試験した。ゲムシタビンを4日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図31および図32を参照されたい。最大25%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.27。
【0222】
ゲムシタビンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で4日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0223】
化合物K: IC50=1.5 uM、トップ=12202 RFU。
【0224】
ゲムシタビン: IC50=184 nM、トップ=13153 RFU。
【0225】
50%効果の値=6339 RFU。
【0226】
50%効果は370 nM化合物Kおよび12 nMゲムシタビンを組み合わせることによって達成された。
【0227】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ゲムシタビン]/IC50ゲムシタビン=(0.37/1.5)+(12/184)=0.27。
【0228】
実施例15: MIA PaCa-2膵臓がん細胞におけるスニチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
膵臓がん細胞株MIA PaCa-2において、本明細書において記述の多チロシンキナーゼ阻害剤スニチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。スニチニブを4日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図33および図34を参照されたい。最大25%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.2。
【0229】
スニチニブを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で4日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0230】
化合物K: IC50=2.0 uM、トップ=10345 RFU。
【0231】
スニチニブ: IC50=420 nM、トップ=12195 RFU。
【0232】
50%効果の値=5635 RFU。
【0233】
50%効果は370 nM化合物Kおよび6 nMスニチニブを組み合わせることによって達成された。
【0234】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[スニチニブ]/IC50スニチニブ=(0.37/1.5)+(12/184)=0.27。
【0235】
実施例16: MIA PaCa-2膵臓がん細胞におけるラパマイシン/化合物Kの組み合わせ試験
膵臓がん細胞株MIA PaCa-2において、免疫抑制性マクロライドの一種ラパマイシンを化合物Kと組み合わせて試験した。ラパマイシンおよび化合物Kを4日間のアッセイにおいて同時に加える。結果を以下に示す; 図35および図36を参照されたい。最大30%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.25。
【0236】
ラパマイシンおよび化合物Kを同時に加える(全体で4日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。


【0237】
化合物K: IC50=1.7 uM、トップ=13393 RFU。
【0238】
ラパマイシン: IC50=18.1 uM、トップ=9864 RFU。
【0239】
50%効果の値=5814 RFU。
【0240】
50%効果は410 nM化合物Kおよび120 nMラパマイシンを組み合わせることによって達成された。
【0241】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ラパマイシン]/IC50ラパマイシン=(0.41/1.7)+(0.12/18.1)=0.25。
【0242】
実施例17: SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞における5-フルオロウラシル/化合物Kの組み合わせ試験
炎症性乳がん腫細胞株SUM-149PTにおいて、ピリミジン類似体5-フルオロウラシルを化合物Kと組み合わせて試験した。5-フルオロウラシルを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図37および図38を参照されたい。最大30%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.09。
【0243】
5-フルオロウラシルを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0244】
化合物K: IC50=27 uM、トップ=17000 RFU。
【0245】
5-フルオロウラシル: IC50=1.7 uM、トップ=19618 RFU。
【0246】
50%効果の値=9154 RFU。
【0247】
50%効果は1.11 uM化合物Kおよび78 nM 5-フルオロウラシルを組み合わせることによって達成された。
【0248】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[5-フルオロウラシル]/IC505-フルオロウラシル=(1.11/27)+(0.078/1.7)=0.09。
【0249】
実施例18: SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞におけるシスプラチン/化合物Kの組み合わせ試験
炎症性乳がん腫細胞株SUM-149PTにおいて、アルキル化様剤シスプラチンを化合物Kと組み合わせて試験した。シスプラチンを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図39および図40を参照されたい。最大25%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.88。
【0250】
シスプラチンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0251】
化合物K: IC50=3.8 uM、トップ=16000 RFU。
【0252】
シスプラチン: IC50=462 nM、トップ=14588 RFU。
【0253】
50%効果の値=7547 RFU。
【0254】
50%効果は3.3 uM化合物Kおよび46 nMシスプラチンを組み合わせることによって達成された。
【0255】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[シスプラチン]/IC50シスプラチン=(3.3/3.8)+(46/462)=0.88。
【0256】
実施例19: SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞におけるラパマイシン/化合物Kの組み合わせ試験
炎症性乳がん腫細胞株SUM-149PTにおいて、免疫抑制性マクロライドの一種ラパマイシンを化合物Kと組み合わせて試験した。ラパマイシンを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図41および図42を参照されたい。最大40%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.03。
【0257】
ラパマイシンを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0258】
化合物K: IC50=13 uM、トップ=18285 RFU。
【0259】
ラパマイシン: IC50=9.7 uM、トップ=15915 RFU。
【0260】
50%効果の値=8550 RFU。
【0261】
50%効果は370 nM化合物Kおよび39 nMラパマイシンを組み合わせることによって達成された。
【0262】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[ラパマイシン]/IC50ラパマイシン=(0.37/13)+(0.039/9.7)=0.03。
【0263】
実施例20: SUM-149PT炎症性乳がん腫細胞におけるエルロチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
炎症性乳がん腫細胞株SUM-149PTにおいて、小分子EGFR阻害剤エルロチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。エルロチニブを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図43および図44を参照されたい。最大35%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.16。
【0264】
エルロチニブを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0265】
化合物K: IC50=6.9 uM、トップ=19848 RFU。
【0266】
エルロチニブ: IC50=2.2 uM、トップ=17378 RFU。
【0267】
50%効果の値=9307 RFU。
【0268】
50%効果は1.1 uM化合物Kおよび0.5 nMエルロチニブを組み合わせることによって達成された。
【0269】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[エルロチニブ]/IC50エルロチニブ=(1.11/6.9)+(0.00051/2.2)=0.16。
【0270】
実施例21: SUM-190PT炎症性乳がん腫細胞における5-フルオロウラシル/化合物Kの組み合わせ試験
炎症性乳がん腫細胞株SUM-190PTにおいて、ピリミジン類似体5-フルオロウラシルを化合物Kと組み合わせて試験した。5-フルオロウラシルを5日間のアッセイにおいて化合物Kの24時間前に加えた。結果を以下に示す; 図45および図46を参照されたい。最大30%までの相乗作用を試験濃度で観察する。CI=0.14。
【0271】
5-フルオロウラシルを最初に加え、化合物Kを翌日に加えた(全体で5日間のアッセイ)。結果は薬剤の組み合わせで認められた阻害効果の度合いを示し、ここで正の値は相乗作用および負の値は拮抗作用を示す。実験は二つ組で行った。どちらのデータセットも提示する。

【0272】
化合物K: IC50=852 nM、トップ=9958 RFU。
【0273】
5-フルオロウラシル: IC50=12.2 uM、トップ=9141 RFU。
【0274】
50%効果の値=4775 RFU。
【0275】
50%効果は120 nM化合物Kおよび46 nM 5-フルオロウラシルを組み合わせることによって達成された。
【0276】
CI=[化合物K]/IC50化合物K+[5-フルオロウラシル]/IC505-フルオロウラシル=(120/852)+(0.046/12.2)=0.14。
【0277】
実施例22: エルロチニブ感受性BT-474乳がん腫細胞におけるエルロチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん腫細胞株BT-474において、小分子EGFR阻害剤エルロチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。エルロチニブを4日間のアッセイにおいて化合物Kと同時に加えた。結果を以下に示す; 図47および図48を参照されたい。相乗作用をCI=0.55で観察した。
【0278】
エルロチニブを4日間のアッセイにおいて化合物Kと1:1の比率で同時に加えた。実験は三つ組で行った。単剤および組み合わせに対する用量反応曲線を提示する。
【0279】
化合物K: IC50=2.7 uM。
【0280】
エルロチニブ: IC50=6.6 uM。
【0281】
約60%の効果は1.24 nM化合物Kおよび1.25 uMエルロチニブを組み合わせることによって達成された。
【0282】
CI=[IC50組み合わせ]/IC50化合物K+[IC50組み合わせ]/IC50エルロチニブ=(1.1/2.7)+(1.1/6.6)=0.57。
【0283】
実施例23: エルロチニブ耐性MDA-MB-453乳がん腫細胞におけるエルロチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん腫細胞株MDA-MB453において、小分子EGFR阻害剤エルロチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。エルロチニブを4日間のアッセイにおいて化合物Kと同時に加えた。結果を以下に示す。相乗作用をCI=0.55で観察した。
【0284】
化合物Kを単独でまたは1 uMエルロチニブとの組み合わせで4日間のアッセイにおいて細胞に添加した。実験は三つ組で行った。化合物Kおよび組み合わせに対する用量反応曲線を提示する; 図49および図50を参照されたい。
【0285】
化合物K: IC50=6.15 uM。
【0286】
エルロチニブ: IC50>100 uM。
【0287】
60%超の効果は3.125 uM化合物Kおよび1 uMエルロチニブを組み合わせることによって達成された。
【0288】
組み合わせのIC50変化=6.15/1.96=3.14。
【0289】
実施例24: エルロチニブ耐性T47D乳がん腫細胞におけるエルロチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん腫細胞株T47Dにおいて、小分子EGFR阻害剤エルロチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。エルロチニブを4日間のアッセイにおいて化合物Kと比率1:2.7の組み合わせで同時に加えた。結果を以下に示す。相乗作用をCI=0.48で観察した。
【0290】
エルロチニブを4日間のアッセイにおいて化合物Kと1:1の比率で同時に加えた。実験は三つ組で行った。単剤および組み合わせに対する用量反応曲線を提示する; 図52を参照されたい。
【0291】
化合物K: IC50=5.9 uM; 最大濃度=37.5 uM。
【0292】
エルロチニブ: IC50=47 uM; 最大濃度=100 uM。
【0293】
組み合わせ: 2.1 uM化合物Kに加えて5.7 uMエルロチニブで50%の細胞死; 図53を参照されたい。
【0294】
CI=[IC50組み合わせ]/IC50化合物K+[IC50組み合わせ]/IC50エルロチニブ=(2.1/5.9)+(5.7/47)=0.48。
【0295】
実施例25: エルロチニブ耐性ZR-75-1乳がん腫細胞におけるエルロチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん腫細胞株ZR-75-1において、小分子EGFR阻害剤エルロチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。化合物Kを4日間のアッセイにおいてエルロチニブと比率1:2.7の組み合わせで同時に加えた。結果を以下に示す。相乗作用をCI<=0.59で観察した。
【0296】
化合物Kを4日間のアッセイにおいてエルロチニブと1:2.7の比率で同時に加えた。実験は三つ組で行った。単剤および組み合わせに対する用量反応曲線を提示する; 図54を参照されたい。
【0297】
化合物K: IC50=4.1 uM; 最大濃度=75 uM。
【0298】
エルロチニブ: IC50>200 uM; 最大濃度=200 uM。
【0299】
組み合わせ: 2.3 uM化合物Kに加えて6.2 uMエルロチニブで50%の細胞死; 図55を参照されたい。
【0300】
CI=[IC50組み合わせ]/IC50化合物K+[IC50組み合わせ]/IC50エルロチニブ=(2.3/4.1)+(6.2/>200)<=0.59。
【0301】
実施例26: T47D乳がん腫細胞におけるラパチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん腫細胞株T47Dにおいて、小分子EGFR/Her2阻害剤ラパチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。化合物Kを4日間のアッセイにおいてラパチニブと比率1:1.2の組み合わせで同時に加えた。結果を以下に示す。相乗作用をCI=0.49で観察した。
【0302】
化合物Kを4日間のアッセイにおいてラパチニブと1.2:1の比率で同時に加えた。実験は三つ組で行った。単剤および組み合わせに対する用量反応曲線を提示する; 図56を参照されたい。
【0303】
化合物K: IC50=5.87 uM; 最大濃度=75 uM。
【0304】
ラパチニブ: IC50=5.68 uM; 最大濃度=62.5 uM。
【0305】
組み合わせ: 1.53 uM化合物Kに加えて1.28 uMラパチニブで50%の細胞死。
【0306】
CI=[IC50組み合わせ]/IC50化合物K+[IC50組み合わせ]/IC50ラパチニブ=(1.53/5.87)+(1.28/5.68)=0.49。
【0307】
実施例27: T47D乳がん腫細胞におけるソラフェニブ/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん腫細胞株T47Dにおいて、小分子Raf/PDGFR/VEGFR2/VEGFR3/cKit阻害剤ソラフェニブを化合物Kと組み合わせて試験した。化合物Kを4日間のアッセイにおいてソラフェニブと比率2:1の組み合わせで同時に加えた。結果を以下に示す。相乗作用をCI=0.80で観察した。
【0308】
化合物Kを4日間のアッセイにおいてソラフェニブと2:1の比率で同時に加えた。実験は三つ組で行った。単剤および組み合わせに対する用量反応曲線を提示する; 図57を参照されたい。
【0309】
化合物K: IC50=5.87 uM; 最大濃度=75 uM。
【0310】
ソラフェニブ: IC50=3.58 uM; 最大濃度=37.5 uM。
【0311】
組み合わせ: 2.6 uM化合物Kに加えて1.3 uMソラフェニブ(Sorefenib)で50%の細胞死; 図58を参照されたい。
【0312】
CI=[IC50組み合わせ]/IC50化合物K+[IC50組み合わせ]/IC50ソラフェニブ(Sorafenibb)=(2.6/5.87)+(1.3/3.58)=0.80。
【0313】
実施例28: T47D乳がん腫細胞におけるスニチニブ/化合物Kの組み合わせ試験
乳がん腫細胞株T47Dにおいて、多型受容体チロシンキナーゼの小分子阻害剤スニチニブを化合物Kと組み合わせて試験した。化合物Kを4日間のアッセイにおいてスニチニブと比率1:1の組み合わせで同時に加えた。結果を以下に示す。相乗作用をCI=0.86で観察した。
【0314】
化合物Kを4日間のアッセイにおいてスニチニブと1:1の比率で同時に加えた。実験は三つ組で行った。単剤および組み合わせに対する用量反応曲線を提示する; 図59を参照されたい。
【0315】
化合物K: IC50=5.87 uM; 最大濃度=75 uM。
【0316】
スニチニブ: IC50=6.2 uM; 最大濃度=75 uM。
【0317】
組み合わせ: 2.6 uM化合物Kに加えて2.6 uMスニチニブで50%の細胞死。
【0318】
CI=[IC50組み合わせ]/IC50化合物K+[IC50組み合わせ]/IC50スニチニブ=(2.6/5.87)+(2.65/6.2)=0.86。
【0319】
本明細書において記載される特許および刊行物は、当技術分野における一般的な技術を記述しており、全ての目的のためにおよび参照により組み入れられることがそれぞれ具体的かつ個別的に示されているかのようにその全体が参照により本明細書に組み入れられる。引用文献と本明細書との間に何らかの矛盾がある場合、明細書が優先するものとする。本出願の態様について記述する際には、明確にする目的で特定の専門用語が利用される。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の専門用語に限定されるものと意図されない。本明細書において本発明の範囲を限定するものと見なされるべきものは何もない。提示される例は全て、代表するものであり、限定するものではない。上述の態様は、上記の教示に照らして当業者には理解されるように、本発明から逸脱することなく、修正または変更されうる。それゆえ、特許請求の範囲およびその等価なものの範囲内で、本発明は、具体的に記述されているものとは違ったように実践されうることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新生物障害を処置するかまたは寛解させるための方法であって、それを必要としている対象に治療上有効量の式Iの化合物:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルと、抗がん剤とを投与し、それによって該新生物障害を処置または改善する段階を含み、
式中、Z5はNもしくはCR6Aであり;
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、Hまたは置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、ハロ、CF3、CFN、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、カルボキシの生物学的等価体(bioisostere)、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
各R9は独立して、置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R9は独立して、ハロ、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
ここで各Rは独立して、HまたはC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、
かつここで同じ原子上のもしくは隣接原子上の二つのRは連結されて、一つもしくは複数のN、OもしくはSを含んでいてもよい3〜8員環を形成してもよく;
かつ各R基、および二つのR基をともに連結することによって形成された各環は、ハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'およびNO2から選択される一つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで各R'は独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C2〜C6ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜12アリールアルキルもしくはC6〜12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々は、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6ヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノおよび=Oから選択される一つもしくは複数の基で置換されていてもよく;
かつここで二つのR'は連結されて、N、OおよびSから選択される最高3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員環を形成してもよく;
nは0〜4であり; かつ
pは0〜4である、
方法。
【請求項2】
式Iの化合物が下記構造:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
抗がん剤がアルキル化剤、代謝拮抗物質、ビンカアルカロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、チロシンキナーゼ阻害剤、または免疫抑制マクロライドである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
抗がん剤が、5-フルオロウラシル(5-FU)、シスプラチン、ドキソルビシン、フルダラビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ラパマイシン、スニチニブ、エルロチニブ塩酸塩およびビンブラスチンからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
新生物障害ががんである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
がんが造血系、肺、乳房、前立腺、腎臓、膵臓、肝臓、心臓、骨格、結腸、直腸、皮膚、脳、眼、リンパ節、心臓、精巣または卵巣のがんである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
式Iの化合物および抗がん剤が同時に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
式Iの化合物および抗がん剤が同時におよび別々に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
式Iの化合物および抗がん剤が連続的に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
式Iの化合物が抗がん剤の前に投与される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
式Iの化合物が抗がん剤の後に投与される、請求項9記載の方法。
【請求項12】
対象がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項13】
式Iの化合物および抗がん剤が少なくとも相加的な抗がん効果をもたらす、請求項1記載の方法。
【請求項14】
式Iの化合物および抗がん剤が相乗的な抗がん効果をもたらす、請求項1記載の方法。
【請求項15】
系における細胞増殖を阻害するための方法であって、有効量の式Iの化合物:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルと、抗がん剤または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルとを系に投与し、それによって細胞増殖を阻害する段階を含み、
式中、Z5はNもしくはCR6Aであり;
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、Hまたは置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、ハロ、CF3、CFN、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、カルボキシの生物学的等価体、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
各R9は独立して、置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R9は独立して、ハロ、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
ここで各Rは独立して、HまたはC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、
かつここで同じ原子上のもしくは隣接原子上の二つのRは連結されて、一つもしくは複数のN、OもしくはSを含んでいてもよい3〜8員環を形成してもよく;
かつ各R基、および二つのR基をともに連結することによって形成された各環は、ハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'およびNO2から選択される一つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで各R'は独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C2〜C6ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜12アリールアルキルもしくはC6〜12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々は、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6ヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノおよび=Oから選択される一つもしくは複数の基で置換されていてもよく;
かつここで二つのR'は連結されて、N、OおよびSから選択される最高3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員環を形成してもよく;
nは0〜4であり; かつ
pは0〜4である、
方法。
【請求項16】
系が細胞、組織または対象である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
式Iの化合物が下記構造:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを有する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
抗がん剤がアルキル化剤、代謝拮抗物質、ビンカアルカロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、チロシンキナーゼ阻害剤、または免疫抑制マクロライドである、請求項15記載の方法。
【請求項19】
式Iの化合物:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルと、抗がん剤と、少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物であって、
式中、Z5はNもしくはCR6Aであり;
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、Hまたは置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R6A、R6B、R6DおよびR8は独立して、ハロ、CF3、CFN、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、カルボキシの生物学的等価体、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
各R9は独立して、置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R9は独立して、ハロ、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
ここで各Rは独立して、HまたはC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、
かつここで同じ原子上のもしくは隣接原子上の二つのRは連結されて、一つもしくは複数のN、OもしくはSを含んでいてもよい3〜8員環を形成してもよく;
かつ各R基、および二つのR基をともに連結することによって形成された各環は、ハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'およびNO2から選択される一つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで各R'は独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C2〜C6ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜12アリールアルキルもしくはC6〜12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々は、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6ヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノおよび=Oから選択される一つもしくは複数の基で置換されていてもよく;
かつここで二つのR'は連結されて、N、OおよびSから選択される最高3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員環を形成してもよく;
nは0〜4であり; かつ
pは0〜4である、
薬学的組成物。
【請求項20】
式Iの化合物が下記構造:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを有する、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
抗がん剤がアルキル化剤、代謝拮抗物質、ビンカアルカロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、チロシンキナーゼ阻害剤、または免疫抑制マクロライドである、請求項19または20記載の組成物。
【請求項22】
式Iの化合物が、式II、III、IV、VもしくはVIの構造:

または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを有し、
式中、Z5がNもしくはCR6Aであり;
各R6AおよびR8が独立して、Hまたは置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R6AおよびR8が独立して、ハロ、CF3、CFN、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、カルボキシの生物学的等価体、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
各R9が独立して、置換されていてもよいC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキル基であるか、または
各R9が独立して、ハロ、OR、NR2、NROR、NRNR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、CORもしくはNO2であり、
ここで各Rが独立して、HまたはC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜C12アリールアルキルもしくはC6〜C12ヘテロアリールアルキルであり、
かつここで同じ原子上のもしくは隣接原子上の二つのRが連結されて、一つもしくは複数のN、OもしくはSを含んでいてもよい3〜8員環を形成してもよく;
かつ各R基、および二つのR基をともに連結することによって形成された各環が、ハロ、=O、=N-CN、=N-OR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'COOR'、NR'COR'、CN、COOR'、CONR'2、OOCR'、COR'およびNO2から選択される一つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで各R'が独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C2〜C6ヘテロアシル、C6〜C10アリール、C5〜C10ヘテロアリール、C7〜12アリールアルキルもしくはC6〜12ヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヘテロアルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6ヘテロアシル、ヒドロキシ、アミノおよび=Oから選択される一つもしくは複数の基で置換されていてもよく;
かつここで二つのR'が連結されて、N、OおよびSから選択される最高3個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7員環を形成してもよく; かつ
pが0〜4である、
請求項1または請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公表番号】特表2012−514638(P2012−514638A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545342(P2011−545342)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/046948
【国際公開番号】WO2010/080170
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(505377119)サイリーン ファーマシューティカルズ インコーポレーティッド (17)
【Fターム(参考)】