新脈管形成に影響を与えるポリペプチド、タンパク質及び組成物、及びそれを使用する方法
本発明は、脈管形成及び新脈管形成に関連する疾患に関係するポリヌクレオチド及びタンパク質に関する。さらに、本発明は新脈管形成に関連する遺伝子及び遺伝子産物の発現を調節する化合物の同定方法、及びかかる化合物を新脈管形成に関連する疾患の治療において治療剤として用いることに関する。また、本発明は新脈管形成に関連する疾患の診断的評価、遺伝子検査及び予後、並びにこれらの疾患を治療するための方法及び組成物に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脈管形成及び/又は新脈管形成に関与するポリペプチド及びそれによってコードされるタンパク質に関する。これらの薬剤は、新脈管形成に関連する状態の診断及び治療において用いられる材料及び方法を製造するときに標的化されることができる。さらに、本発明はかかる診断及び治療方法及び薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
脈管形成(動脈及び静脈を含む相互作用脈管系の発達)及び新脈管形成(新しい血管の形成)の両者は、胚の発達において役割を果たしている。対照的に、新脈管形成は正常な成人においては胎盤、卵巣、子宮内膜、及び創傷治癒部位に限定されている。新脈管形成又はその不存在は、様々な病気の状態の維持において重要な役割を果たしている。これらの状態のいくつかは新生血管形成によって特徴付けられる(例えば癌、糖尿病性網膜症、緑内障、及び加齢に関連する黄斑変性)。他の状態は例えば脳卒中、不妊症、心臓病、潰瘍、及び強皮症であり、これらは新脈管形成の不十分さによる疾患である。
【0003】
新脈管形成は多数の段階を有する(例えばZhu and Witte、Invest New Drugs 17:195−212、1999を参照)。新脈管形成の初期段階は、内皮細胞プロテアーゼ生産、細胞の移動、及び増殖を含む。初期段階は、VEGF、TGF−A及び全てが仮想的な役割を果たす選択されたケモカインと共にいくつかの成長因子を必要とするようにも思える。新脈管形成の後期の段階は、壁細胞(周皮細胞又は平滑筋細胞)を有する脈管の集団化、基底膜の生成、及び脈管床の分化の誘導を含む。脈管形成の最終段階は、リモデリングとして知られるものを含み、そこでは形成された脈管構成が安定な成熟した脈管床になる。従って、この過程は極めて動的であり、遺伝子発現の調和した空間的及び時間的な波をしばしば必要とする。
【0004】
複雑な新脈管形成の過程は、一以上の重要な工程との干渉を通して妨害され、多数の病気の状態がこの妨害によって生じ又は悪化されうる。制御されない新脈管形成は病気を引き起こし又は悪化させることがあり、例えば目の新生脈管形成は失明の最も一般的な原因であることが明らかになっており、約20もの目の病気の病因の根底にある。関節炎の如き特定の従来から存在する状態では、新たに形成された毛細血管は関節に浸入し、軟骨を破壊する。糖尿病では、網膜に形成された新しい毛細管は硝子体液に浸入し、出血と失明の原因になる。
【0005】
制御されない新脈管形成に関連する病気に加えて、不十分な新脈管形成も望ましくない結果に導きうる。死んだ又は損傷された組織は多数の病気に導くことがあり、健康な正常な新脈管形成過程を通した損傷組織の再脈管形成は、さらなる合併症を防止するために必須である。
【0006】
それ故、新脈管形成を阻害するか又は高める新しい標的及び治療が必要とされる。新脈管形成のいずれかの段階に関与するより重要な要因の同定は、新脈管形成に関連する病気の状態のための新しい診断方法に導くことがありうる。さらに、新脈管形成に関与する重要な要因の解明及び理解は、新脈管形成に関連する状態のための潜在的な治療方法を研究するための新しい方法の基礎を形成することがありうる。
【発明の開示】
【0007】
上述の目的に従って、本発明は脈管形成及び/又は新脈管形成において重要な役割を有する10個の核酸配列及び関連するタンパク質を開示する。本発明の一つの目的は、これらの10個の新規の要因を新脈管形成に関連する病気の状態における治療的介入のための分子標的として用いるためのアプローチを提示することである。本発明のさらなる目的は、新脈管形成又は新脈管形成に関連する状態を調節する能力について化合物をスクリーニングするために用いることができる材料及び方法を提供することである。
【0008】
ここで同定される配列及びタンパク質を特異的に標的とする治療も、脈管形成又は新脈管形成を調節する薬剤又は組成物として提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の単離された核酸分子、又はその断片もしくは類似体であって、脈管形成、新脈管形成、脈管の透過性、内皮細胞の増殖、内皮細胞の分化、内皮細胞の移動、及び内皮細胞の生存からなる群から選択される少なくとも一つの生物学的活性を刺激するか又は阻害する能力を有する単離された核酸分子又はその断片又は類似体、又はストリンジェントな条件下で上述の配列のいずれか一つとハイブリダイズする単離された核酸分子が提供される。本発明は上述の核酸分子の相補物にハイブリダイズする単離された核酸分子、及び上述の単離された核酸に標的化された少なくとも19塩基対の単離されたsiRNA分子にも関する。
【0010】
本発明のさらなる実施態様によれば、新規の核酸の一つを含む発現ベクターが提供される。核酸はこの核酸によってコードされるポリペプチドの発現を制御する調節核酸と操作可能なように結合されることができる。
【0011】
本発明は、上述の核酸を含むように遺伝的に改変された、又は上述の発現ベクターによってトランスフェクトされた宿主細胞をさらに含む。
【0012】
本発明のさらなる実施態様によれば、上述の発現ベクターを細胞、一群の細胞又は生物に投与する工程を含む、細胞、一群の細胞又は生物における新脈管形成に関連した状態を治療する方法が提供される。
【0013】
本発明は、上述の核酸分子に対して特異的な反応性を有する抗体をさらに含む。この抗体はポリクローナル又はモノクローナルのものであることができ、蛍光ラベルの如き検出可能なラベルをさらに含むことができる。
【0014】
本発明のさらなる実施態様によれば、上述の核酸を含む導入遺伝子を含むように遺伝的に改変されたトランスジェニックの非ヒト動物、及び導入遺伝子を含みかつ発現する動物が提供される。
【0015】
本発明のさらなる実施態様によれば、上述の核酸配列を含む医薬組成物が提供される。この組成物は、脈管形成又は新脈管形成に影響を与えるために細胞、一群の細胞又は生物に投与されることができる。この効果は脈管形成又は新脈管形成を増加又は減少させることであることができ、この方法は細胞、一群の細胞又は生物が新脈管形成に関連する障害を有する場合に用いられることができる。かかる新脈管形成に関連する障害は、癌、網膜症、黄斑変性、角膜の潰瘍、脳卒中、虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、ルベオーシス、増殖性硝子体網膜症、慢性炎症、炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎を含む。
【0016】
本発明のさらなる実施態様によれば、配列番号3,5,8,10,13,15,18,20,22,25,27,30,32,35,37,40,42,45,47,50及び52のいずれか一つに記載のアミノ酸配列に実質的に相当するアミノ酸の配列を含む単離されたポリペプチド、又はその断片もしくは類似体であって、細胞、一群の細胞又は生物における新脈管形成に影響を与える能力を有するポリペプチドが提供される。
【0017】
本発明は上述のポリペプチドを発現するように遺伝的に改変された宿主細胞、並びにこのポリペプチドと特異的に反応する抗体をさらに含む。この抗体はポリクローナル又はモノクローナルのものであることができ、蛍光ラベルの如き検出可能なラベルをさらに含むことができる。
【0018】
本発明のさらなる実施態様によれば、上述のポリペプチドをコードする核酸を含む導入遺伝子を含むように遺伝的に改変されたトランスジェニックの非ヒト動物、及び導入遺伝子を含みかつ発現する動物が提供される。
【0019】
さらに、本発明は上述の単離されたポリペプチドを含む医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、脈管形成又は新脈管形成に影響を与えるために細胞、一群の細胞又は生物に投与されることができる。脈管形成又は新脈管形成は増加又は減少されることができる。この細胞、一群の細胞又は生物は新脈管形成に関連する障害を有することができる。代表的な新脈管形成に関連する障害は上述されている。
【0020】
本発明のさらなる実施態様によれば、患者の細胞中の新脈管形成に関連する転写物を検出する方法であって、前記方法が、配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドと患者からの生物学的サンプルを接触させることを含み、前記新脈管形成に関連する転写物はハイブリダイゼーションが検出される場所で検出される。前記ポリヌクレオチドは配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列を含むことができる。前記生物学的サンプルは組織サンプルであるか又はmRNAの如き単離された核酸からなることができる。この方法によれば、前記核酸は生物学的サンプルをポリヌクレオチドと接触させる工程に先立って増幅されることができる。さらに、ポリヌクレオチドは固体表面上に固定される。
【0021】
本発明のさらなる実施態様によれば、脊椎動物において新脈管形成及び脈管形成から選択される少なくとも一つの生物学的活性に影響を与える方法であって、前記方法が、ここに記述されるヌクレオチド又はポリペプチドの新脈管形成又は脈管形成に影響を与えるのに効果的な量を前記生物に投与する工程を含む方法が提供される。前記生物はマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、サル及びヒトの如き哺乳動物であることができる。脈管形成又は新脈管形成は高められ、増大され、阻害され、又は減少されることができる。この方法は、上述したような新脈管形成に関連する障害を有する生物に対して使用することができる。
【0022】
本発明のさらなる実施態様によれば、配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列の発現が上向き調節される、一以上の細胞を含む新脈管形成が増大されたトランスジェニックの実験用動物が提供される。配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列の発現が下向き調節されるか、又は不存在である、一以上の細胞を含む新脈管形成が減少されたトランスジェニックの実験用動物も提供される。
【0023】
ここで用いられる用語「新脈管形成に関連した状態」又は「新脈管形成に関連した疾患(状態)」は、脈管発達の過剰又は不足によって特徴付けられる状態、又は脈管発達の増加又は減少によって改善される状態を意味する。増加された新脈管形成に関連する障害は以下のものを含むがこれらに限定されない:癌(固形腫瘍、白血病及び腫瘍転移を含む)、良性腫瘍(血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、及び化膿性肉芽腫を含む)、網膜症、黄斑変性、及び角膜の潰瘍。減少された新脈管形成に関連するか又は増加された新脈管形成によって改善することができる病気の状態は以下のものを含むがこれらに限定されない:虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、(不十分な)創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞(ASO)、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、及び脳卒中。他の新脈管形成に関連する疾患は以下のものを含むがこれらに限定されない:ルベオーシスに関連する疾患(角の新生血管形成)、及び糖尿病に関連するかどうかにかかわらず、増殖性硝子体網膜症のすべての形態を含む繊維状脈管又は繊維状組織の異常な増殖によって引き起こされる疾患、炎症性腸疾患の如き慢性炎症の徴候を有する疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎。
【0024】
「宿主細胞」は、発現ベクターを含み発現ベクターの複製又は発現を支持する形質転換された細胞又は天然に生じる細胞である。宿主細胞は、培養された細胞、外植片、インビボの細胞などであることができる。宿主細胞はイー・コリ(E.coli)の如き原核細胞であるか、又は酵母、昆虫、両生類、又はCHO、HeLaなどの如き哺乳類細胞の如き真核細胞であることができる(例えばAmerican Type Culture Collectionのカタログ又はウェブサイトwww.atcc.orgを参照)。
【0025】
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」はここでは相互交換可能に用いられ、アミノ酸残基のポリマーに言及する。これらの用語はアミノ酸残基が対応する天然に生じるアミノ酸の人工的な化学的模倣体であるアミノ酸ポリマー、並びに天然に生じるアミノ酸ポリマー、及び天然には生じないアミノ酸ポリマーに適用する。
【0026】
用語「アミノ酸」は天然に生じるアミノ酸及び合成アミノ酸、並びに天然に生じるアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体に言及する。天然に生じるアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるもの、並びに後で変性されたアミノ酸(例えばヒドロキシプロリン、ガンマ−カルボキシグルタメート、及びO−ホスホセリン)である。「アミノ酸類似体」は、天然に生じるアミノ酸と同一の基本的化学構造を有する化合物に言及する。かかる類似体は変性されたR基(例えばノルロイシン)又は変性されたペプチド骨格を有するが、天然に生じるアミノ酸と同一の基本的化学構造を維持している。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有する化学化合物であるが、天然に生じるアミノ酸と同様の様式で機能する化学化合物に言及する。アミノ酸はそれらの一般的に知られる三文字標記又はIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commission Nucleotidesによって推奨される一文字標記で言及されてもよいし、同様に、それらの一般的に受け入れられている一文字コードで言及されてもよい。
【0027】
ここで用いられる用語「保存的改変」又は「保存的に改変された変異体」は、アミノ酸及び核酸配列の両方に適用する。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された変異体は、同一の又は本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、又は核酸がアミノ酸をコードしない場合には、本質的に同一の配列に言及する。遺伝コードの縮重のため、多数の機能的に同一の核酸がいかなる所定のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCG及びGCUは全てアミノ酸アラニンをコードする。従って、アラニンがコドンによって特定されるすべての位置で、コドンはコードされるポリペプチドを変更させることなしに記述された対応するコドンのいずれにも変更されることができる。かかる核酸変異は「サイレント変異」であり、これは保存的に改変された変異の一種である。ポリペプチドをコードするすべての核酸配列は、核酸のいかなる可能なサイレント変異も記述する。当業者は、核酸中の各コドン(メチオニンに対する通常唯一のコドンであるAUG及びトリプトファンに対する通常唯一のコドンであるTGGを除く)は、機能的に同一の分子を与えるように改変されることができることを認識するであろう。従って、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、発現生成物に関して(実際のプローブ配列に関してではなく)それぞれの記述された配列において暗に意味される。
【0028】
アミノ酸配列について、コードされた配列における単一のアミノ酸又はアミノ酸の小さい割合を変更、付加又は欠失させる核酸、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質配列に対する個々の置換、欠失又は付加は、変更が化学的に類似のアミノ酸でのアミノ酸の置換を生じる「保存的に改変された変異体」であるということを当業者は認識するであろう。機能的に類似のアミノ酸を与える保存的置換の表は当該技術分野で周知である。かかる保存的に改変された変異体は、本発明の多型的変異体、種間相同物及び対立遺伝子に追加されるが、これらを除外するものではない。
【0029】
ここで使用される通り、「ラベル」又は「検出可能な成分」は分光測光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、又は他の物理的手段によって検出可能な組成物に言及する。かかるラベルの例は、32P、蛍光色素、電子密度試薬、酵素、ビオチン、ジゴキシゲニン、又は例えば放射性ラベルをペプチドに組み入れることによって検出可能にすることができる、又はペプチドと特異的に反応する抗体を検出するために用いられるハプテン及びタンパク質である。
【0030】
ここで使用される通り、「ベクター」又は「発現ベクター」は、宿主細胞中で特定の核酸の転写を可能にする特異化された一連の核酸要素と共に組み換え的に又は合成的に生成された核酸構築物に言及する。発現ベクターはプラスミドの一部、ウイルス又は核酸断片であることができる。典型的に、発現ベクターはプロモーターに操作可能なように連結された転写されるべき核酸を含む。
ここで用いられる句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、配列がハイブリダイズする条件に言及する。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、環境が異なれば異なるであろう。当業者は、所定の配列について好適な反応条件を詳述する有意な量の記述材料に対するアクセスを有する。一例はInnisら(1990)の「PCR Protocols、A Guide to Methods and Applications」(Academic Press、Inc. N.Y.)である。
【0031】
ここで使用される通り、新脈管形成性ポリペプチド及びポリペプチド配列及び新脈管形成活性の「阻害剤」、「活性化剤」及び「調節剤」は、阻害性分子、活性化分子、又は調節分子に言及する。「阻害剤」は、例えば新脈管形成タンパク質に結合する、部分的に又は全体的に活性を阻止する、減少させる、防止する、活性化を遅延させる、不活性化させる、脱感作させる、又は新脈管形成タンパク質の活性又は発現を下向き調節する、化合物であり、その一例はアンタゴニストである。「活性化剤」は、新脈管形成タンパク質活性を増大させる、開放する、活性化する、容易にする、活性化を高める、感作する、アゴナイズする(agonize)、又は上向き調節する、化合物である。阻害剤、活性化剤又は調節剤は、新脈管形成タンパク質の遺伝的に改変されたバージョン、例えば変更された活性を有するバージョン、並びに天然に生じる及び合成のリガンド、アンタゴニスト、アゴニスト、抗体、小さな化学分子などを含む。阻害剤及び活性化剤のためのアッセイは、例えば新脈管形成タンパク質をインビトロで、細胞中で、又は細胞膜で発現させること、仮想的な調節剤化合物を適用すること、及び次に上述のようにして活性に対する機能的な効果を測定することを含む。
【0032】
図面の簡単な記述
図1は、胚の脳内皮細胞部分に対して胚の脳のとり残された部分を比較した場合、及び成体の脳内皮細胞部分に対して成体の脳のとり残された部分を比較した場合の、cDNAライブラリーにおける遺伝子のlog2発現比での比−比プロットを示す。
図2は、胚の脳、心臓、及び皮膚内皮細胞に対してとり残された胚の部分及びすべての成体内皮細胞及びとり残された部分を比較した場合の、cDNAライブラリーにおける遺伝子の平均強度対log2発現比での比−強度プロットを示す。
図3は、遺伝子OJC8009J7についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図4は、28hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
図5は、28hpfでのOJC8009J7モルファント(morphant)胚を示す。
図6は、56hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
図7は、56hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
図8は、48−56hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
図9は、48−56hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
図10は、遺伝子HUP8001K17についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図11は、28hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
図12は、56hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
図13は、48−56hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
図14は、遺伝子HUP8001K21についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図15は、28hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
図16は、56hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
図17は、48−56hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
図18は、遺伝子HUP8003D24についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図19は、48−56hpfでのHUP8003D24モルファント胚を示す。
図20は、遺伝子HUP8004N1についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図21は、28hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
図22は、56hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
図23は、48−56hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
図24は、遺伝子HUP8010A10についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図25は、28hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
図26は、56hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
図27は、48−56hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
図28は、遺伝子NOC8003L17についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図29は、28hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
図30は、56hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
図31は、48−56hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
図32は、遺伝子NOC8009C9についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図33は、28hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
図34は、56hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
図35は、48−56hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
図36は、遺伝子NOC8009G23についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図37は、28hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
図38は、56hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
図39は、48−56hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
図40は、遺伝子OJC8003C9についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図41は、28hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
図42は、56hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
図43は、48−56hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
詳細な記述
本発明の特定の実施態様が図示されて記述されているが、本発明の精神及び範囲から離れることなしに様々な他の変更及び改変を行うことができることは当業者には自明であろう。それ故、添付の特許請求の範囲においては、本発明の範囲内であるすべてのかかる変更及び改変をカバーすることが意図される。合成方法が特別に記述されていない材料は、商業的に入手可能であるか、又は当業者には周知の方法を用いて調節されることができる。他に明記しない限り、量、パーセント、部、及び割合を含むすべての量は語「約」によって修飾されるものと理解され、量は有意なディジットを示すことは意図されない。他に明記しない限り、冠詞「一つの(a)」、「一つの(an)」及び「その(the)」は「一つ又はそれ以上」を意味する。引用されたすべての文献は、関連部分において参照としてここに組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する従来技術であるという容認として構成されるべきではない。
【0034】
候補遺伝子の同定
cDNAライブラリーは、単離精製された成体及び胚のマウスの脈管断片からmRNAを収集することによって調製された。収集されたmRNAは、脈管構造中で発現される遺伝子の幅広い範囲を有するcDNAライブラリーを開発するために用いられた。マウスの齢の変動のため、脈管遺伝子は異なる時間及び脈管構造における異なる状況で活性なものを代表した。
【0035】
cDNAライブラリーの作成後、マイクロアレイはDNAをcDNAライブラリーから固体支持体上に当該技術分野では公知のようにしてプリントすることによって作成された。マイクロアレイは、遺伝子発現プロファイリングによって遺伝子候補を明らかにするために用いられた。成体からの選択された組織及びE18.5胚性マウスは収集された。組織の選択は、抽出のために利用可能なRNAの量及び純度に基づいていた。組織が除去された後、それらは抗体又はレクチンを用いて二つの部分に分離された。第一の部分である内皮細胞画分又はECは、内皮細胞並びに脈管断片に堅固に連結されている周皮細胞及び脈管平滑筋細胞を含んでいた。第二の部分はとり残された部分又はLOとも称され、ECが単離された後に残る細胞であった。
【0036】
成体マウスから、脳及び心臓組織が用いられ、それぞれのECとLOの両方が用いられた。胚性マウスからは、脳、心臓及び皮膚が用いられ、それぞれのECとLOの両方が用いられた。各画分からのRNAが抽出された。一般的な参照RNA(Universal Mouse Reference RNA; Stratagene、Inc.)がこの段階で参照目的のために用いられた。単離されたRNA及び参照RNAは逆転写され、次に二ラウンドのアンチセンスRNA増幅によって二度増幅された。単離されたRNAは蛍光色素シアニン−3で標識され、参照RNAはシアニン−5で標識された。
【0037】
標識後、RNAは上述のようなマイクロアレイでのハイブリダイゼーションによりアッセイされた。ハイブリダイズしたマイクロアレイは走査され、画像分析は実験データを処理するために用いられた。シグナル強度ベースの正規化アルゴリズムによるデータの正規化は、異なって発現する遺伝子の統計学的評価を可能にした。異なる発現を示す遺伝子はさらなる分析のために選択された。
【0038】
異なる発現を有する遺伝子の選択
上述のようにして収集されたデータを用いて、特定の遺伝子が血管で選択的に発現されるものとして指定された。これは、成体及び胚のEC及びLO値の間の比較に基づいていた。図1は胚性脳ECとLO遺伝子の間の及び成体の脳のECとLO遺伝子の間の比較により得られたデータ値の比率−比率プロットを示す。全胚性ECと全成体ECとの比較も行われたが、データは示していない。「DT1候補」又は「DT2候補」で表されるデータ点は一般的に上向き調節されていた(>0 log2発現比)。
【0039】
他の遺伝子は、データの異なる比較により新脈管形成中に選択的に発現されるものとして指定された。全胚性EC部分(即ち、脳、心臓及び皮膚のEC部分)は、全胚性LO部分及び全ての成体RNA(脳及び心臓の両方のEC及びLO)を含む全ての残りの組織に対して比較された。図2は、全ての遺伝子の平均強度に対するlog2発現比率での比率−強度プロットを示す。DT3候補及びDT4候補としてマークされたデータ点は、この選択分析により上向き調節されることが示された遺伝子である。比較は、全てのEC部分に対して全てのLO部分を分析するためにも行われたが、そのデータは示さない。
【0040】
関心のある10個の遺伝子の全てはさらなる分析のために選択された。各遺伝子についての特異的な発現データは、その遺伝子の発現プロファイルを示すグラフ全体に従い、このグラフを含む。表は、マイクロアレイシグナル、log2発現比率、P−値及びランク(特定のフィールドのためのみに与えられたランク)の強度を示すために用いられる。発現比率の値に基づいて、最高のランクは最高の発現比率の値を有する遺伝子に与えられ、最底のランクは最底の発現比率の値を有する遺伝子に与えられた。P−値は0〜1の値として与えられる。1に近い値は、遺伝子が上向き調節されていることを示し、0に近い値は統計的な下向き調節された遺伝子を示す。0.05という統計的に有意なP−値は、0.05又は0.95のP−値に相当する。
【0041】
グラフ、表及び本文について、省略語eec/rは胚のEC部分対すべての残りの部分に言及し、ec/loはすべてのEC部分対すべてのLO部分に言及し、abecloは成体の脳EC部分対成体の脳LO部分に言及し、abecebecは成体の脳EC部分対胚の脳EC部分に言及し、ahecloは成体の心臓EC部分対成体の心臓LO部分に言及し、ebecloは胚の脳EC部分対胚の脳LO部分に言及し、ehecloは胚の心臓EC部分対胚の心臓LO部分に言及し、esecloは胚の皮膚EC部分対胚の皮膚LO部分に言及する。
【0042】
選択された遺伝子の評価
選択された遺伝子のさらなる分析は、ゼブラダニオにおけるノックダウン技術により行われた。この方法は、標的化されたmRNA分子からの翻訳を阻止する特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を含む。これは、関心のある遺伝子の阻害を可能にし、ゼブラダニオの発達及び健康における遺伝子機能の決定を可能にする。ゼブラダニオは、マウス及びヒトの如き哺乳類脊椎動物と脊椎機能のための遺伝子を共有する。研究は、ゼブラダニオにおける器官及び/又は組織発達は、ヒトにおける効果を信頼をもって予測することができるということを示した(とりわけ、Shin and Fishman、 From zebrafish to humans: Modular medical models、 Ann. Rev. Genomics and Human Genet. 2002: 3:311−340; Clark et al.、 An oligonucleotide fingerprint normalized and expressed sequence tag characterized zebrafish library, Genome Res 2001 Sep; 11(9):1594−602を参照)。それらの迅速な外部発達のため、ゼブラダニオの胚の発達は容易に監視され分析されることができる。卵黄嚢の存在は、マウスの如き他の研究生物で可能なよりもはるかに正確に欠失胚の発達からのデータを与えるのに役立つ。
【0043】
胚を調製するために、標的遺伝子のゼブラダニオ相同物が同定された。次に、特定のモルホリノホスホロジアミデートオリゴヌクレオチドが、標的遺伝子のスプライスアクセプター/ドナー部位又はAUG開始コドンに適合するように設計された。モルホリノのストック溶液を作成するため、100nmolのホスホロジアミデートオリゴヌクレオチドを含むペレットが33.3μlのmilli−Q水に溶解され、25mg/mlの濃度を与え、−20℃で保存された。注入溶液を作成するため、8μlのストック溶液は、92μlの滅菌濾過された1XのDanieu緩衝液(58mMのNaCl、0.7mMのKCl、0.4mMのMgSO4、0.6mMのCa(NO3)2、5mMのHEPES、pH7.6)(この緩衝液は、15mMのTris−Cl、pH8.0を補充されている)に添加された。2mg/mlの注入溶液も−20℃で保存された。
【0044】
注入中、材料及び胚は約28℃に維持された。注入針は、注入時間が100〜600m秒の範囲内に最適化されることができるように較正された。一細胞段階から初期の八細胞段階までの胚が用いられた。モルホリノは卵黄嚢中に微小注入された。特定の注入体積又はモルホリノの効果的な用量は以下に記述される。典型的な初期用量は3,6及び12ng(それぞれ1.5,3及び6nl)を含んでいた。3nl用量での毒性は、0.5,1及び2ng(それぞれ1,2及び4nl)の続く用量を生じた。約40個の胚が各用量レベルで注入され、約40個の胚が非注入のコントロールとして保持された。
【0045】
モルホリノが受精した卵細胞に注入された後、特定の遺伝子のノックダウンを有するように遺伝子改変された胚は発達させられた(Nasevicius and Ekker、 Effective targeted gene‘knockdown’ in zebrafish、 Nature Genetics vol 26, October 2000を参照)。胚は、形態を調査すること及び発達中の組織の特定の分析及びアッセイを行うことの両方によって発達中監察された。
【0046】
単回のモルホリノ注入に加えて、二回のモルホリノ注入も同様に行われた。二回の注入のための特定の注入体積は以下に記述される。最初の注入した日の終わりに、胚は胞胚形成又は原腸胚形成段階にあり、プロピルチオウラシル(PTU)の2X溶液が胚に添加され、それらの懸濁体積を倍化した。受精の48時間後(hpf)、二回注入された胚はインシチューハイブリダイゼーションのためにカドヘリン5(cdh5)で固定された。
【0047】
二回注入された胚の20%以上がcdh5で観察される脈管構造において低い効果欠失を示した場合、又は10%以上の胚が中程度の又は高い効果欠失を示した場合、微小脈管障害及びfli−1、flk−1、flt−4、tie−1、tie−2、及びcdh5を用いたインシチューハイブリダイゼーションが行われた。少なくとも120個の胚が二回モルホリノ用量を投与され、そのうち少なくとも100個が上述の分子マーカーを用いたインシチューハイブリダイゼーションのために24hpfで収集された。残りの胚は微小脈管障害のために用いられた。
【0048】
10個の標的の各々の評価に特異的なデータが以下に記述される。一般的に、形態観察は、胚がコントロールの胚に対して一般的な遅延を示すかどうかの徴候が含まれる24〜28hpfで行われた。さらに、細胞死のタイプ及び度合いが記録され、一般的な胚の形状及び脳の形態も同様に記録された。最後に、卵黄嚢水腫はもし存在するなら、心臓の形態と同様に評価されて記録された。
【0049】
また、約24hpfで、二回モルホリノ胚はfli−1、flk−1、flt−4、tie−1、tie−2及びcdh5のインシチューハイブリダイゼーションのために評価された。全体の形態及びコントロールの胚と比較した体節間の脈管における染色の減少度合い(失われた発現の割合に相関する)が注目された。体節間発現の1〜35%の損失を示す胚は低い効果を有するとみなされ、体節間発現の36〜70%の損失を示す胚は中程度の効果を有するとみなされ、体節間発現の71〜100%の損失を示す胚は高い効果を有するとみなされた。
【0050】
48〜56hpfに、一般的な胚の形状、細胞死の度合い、血液循環、及び心臓の形態の如き様々なパラメータが調査されて記録された。cdh5で固定された胚については、染色は上述のような脈管構造中で評価された。
【0051】
微小脈管障害も二回モルホリノ胚で48hpfに評価された。血管を観察するために、胚はトリカイン溶液中に移され、静脈洞/一般的な心臓の静脈が10μlのFITC−Dextran溶液(2000000Da、20mg/ml)を注入された。
【0052】
遺伝子OJC8009J7
配列番号1で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて血管において選択的に発現するものとして同定された(図3参照)。特定のデータが以下の表1に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号2)及びヒト相同体(配列番号4)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号3及び5に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz175及びsz176)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。sz175モルホリノの2ng及びsz176モルホリノの12ngはそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0053】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた14個のモルファント胚のうち7%が低い効果を有し、29%が高い効果を有し、つまり体節間発現の71〜100%の損失であることを明らかにした。プローブflk−1、VEGF受容体2は、調査された12個のモルファントのうち25%が低い効果を有し、8%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された9個のモルファントのうち11%が中程度の効果を有し、11%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5、VEカドヘリンは、観察された16個のモルファントのうち19%が低い効果を有し、6%が中程度の効果を有し、19%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4、VEGF受容体3は、観察された10個のモルファントのすべてが正常であり、プローブtie−2は、観察された6個のモルファントのすべてが正常であることを示した。
【0054】
以下の表2はこのデータをまとめる。
【0055】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図5は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。図から明らかなように、特に図4の28hpf野生型胚に照らして観察した場合、モルファントは正常な形態を示していた。56hpfに、胚は再び表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚が図7に示される。胚において観察された正常な形態は、図7が図6の56hpf野生型胚に照らして観察された場合に容易に理解されることができる。
【0056】
追加の分析が48〜56hpfのモルファント胚で行われた。17個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、88%を正常として示した。減少した体節間発現の中程度の効果は、他の12%の胚において見られた。モルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突き止めるために用いられた(図9参照。図9は、図8に示されるようなこの時間段階での野生型胚と比較されることができる)。33個の胚のうち、心臓及び頭に組み合わされてFITC−Dextranを有するものはなかったが、4%が心臓のみにFITC−Dextranを有していた。減少された体節間脈管構造が15%の胚で見られた。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚はサンプルの81%を占めていた。観察された漏れは、矢印によって示されるように後頭部の血管から生じていた。
【0057】
遺伝子HUP8001K17
配列番号6で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて血管において選択的に発現するものとして同定された(図10参照)。特定のデータが以下の表3に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号7)及びヒト相同体(配列番号9)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号8及び10に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つの異なるモルホリノ(sz143及びsz144)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。異なる量のモルホリノは以下に記述されるように投与された。各モルホリノの予め決められた量は、それぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0058】
一つのスクリーニングが、1ngのsz143モルホリノ及び4ngのsz144モルホリノを受け取った胚で行われた。軸及び体節間脈管発現を分析するために特異的に選択された4つのプローブは以下のことを明らかにした:fli−1プローブを用いると、分析された17個の胚のうち6%が中程度の体節間発現効果を有していた。他の18%は高い効果を有していた。プローブflk−1、VEGF受容体2は、調査された15個のモルファントのうち20%が中程度の、そして13%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1によって分析された場合、観察された16個のモルファントのうち63%が高い効果を有していた。プローブcdh5、VEカドヘリンは、観察された24個のモルファントのうち4%が中程度の効果を有し、別の4%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4、VEGF受容体3は、観察された14個のモルファントのすべてが正常であり、プローブtie−2は、観察された18個のモルファントのすべてが正常であることを示した。
【0059】
他のスクリーニングは、1.5ngのsz143モルホリノ及び6ngのsz144モルホリノを受け取った胚で行われた。プローブfli−1は、分析された12個のモルファントのうち42%が高い効果を有することを示した。flk−1プローブは、観察された13個のモルファントのうち23%が高い効果を有することを示した。tie−1プローブは、13個のモルファントのうち54%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、27個のモルファントのうち15%が中程度の効果を有し、別の11%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察された14個のモルファントのすべてが正常であることを示した。プローブtie−2は、観察された18個のモルファントのすべてが正常であることを示した。
【0060】
以下の表4は上述のデータを要約する。
【0061】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。コントロールとして用いられた野生型胚は、予測されたように正常な形態を示した。前に示した通り、図4は28hpfでの野生型胚を示す。モルファント胚は1.5ng用量のsz143及び6ng用量のsz144を受け取ったが、すべてが正常な形態を示さなかった。代表的な胚が図11に示されている。20個の胚が観察され、そのうち50%が図11において矢印の頭で示されるように曲がった体を示し、短い矢印で示されるように卵黄管の伸長を有していた。中程度の細胞死が図11において長い矢印で示されるように胚の60%で観察された。最終的に、胚の50%が卵黄細胞水腫を有していた。
【0062】
56hpfに、胚は再び図6に示される野生型胚を参照して観察された。対応する段階でのモルファントは図12に示されている。20個の胚が観察され、90%が図12において長い矢印で示されるように曲がった体を示し、短い矢印で示されるように縮小した頭を有していた。矢印の頭で示される心臓周辺の水腫は、胚の90%で観察され、減少した血液流も胚の90%で見られた。
【0063】
追加の分析が、48〜56hpfのモルファント胚で行われた。1ngのsz143及び3ngのsz144を受け取った18個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、28%が低い効果レベルで減少した体節間発現を有し、短く曲がった尾を有することを示した。残りの72%は正常であった。同じインシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが2ngのsz143及び6ngのsz144を受け取った11個のモルファントを用いて行われた。これは、9%が低い効果レベルで減少した体節間発現を有し、極めて短い尾を有することを示した。残りの91%は正常であった。
【0064】
1.5ngのsz143及び6ngのsz144を受け取った26個のモルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域でのFITC−Dextranの存在を突き止めるために用いられた。心臓ではFITC−Dextranは観察されなかったが、頭及び心臓では31%の胚がFITC−Dextranを有していた。合計で27%のモルファントが減少した体節間脈管構造を有しており、漏れやすい脈管構造が35%の胚で観察された。42%の胚のみが正常であるように見えた。組み合わせたパーセントは100%より大きい。何故なら、いくつかの胚は一以上の非正常な特徴を示したからである。図13は分析された48〜56hpf胚の代表を示す。矢印は減少された体節間脈管構造の領域を示し、矢印の頭は漏れやすい脈管構造を示す。参考のために、この時間段階での野生型胚が図8に示されている。実験データは、この遺伝子が多くの器官に散らばった細胞によって発現されるが、CNSで最も明確に見られることを明らかにする。
【0065】
遺伝子HUP8001K21
配列番号11で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図14参照)。特定のデータが以下の表5に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号12)及びヒト相同体(配列番号14)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号13及び15に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。二つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz257及びsz258)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子の一つに対して標的化された。sz257モルホリノの12ng及びsz258モルホリノの12ngはそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0066】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のすべてが正常であることを明らかにした。プローブflk−1は、調査された16個のモルファントのうち13%が低い効果を有し、6%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1によって分析された場合、観察されたすべての15個のモルファントは正常であった。プローブcdh5は、観察されたすべての26個のモルファントが正常であることを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての17個のモルファントが正常であることを示し、プローブtie−2は、観察されたすべての20個のモルファントが正常であることを示した。
【0067】
以下の表6は、このデータをまとめる。
【0068】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図15は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、卵黄嚢水腫は、分析された55個のモルファントの47%において観察された。56hpfに、総数53個の胚が観察され、代表的なモルファント胚が図16に示される。長い矢印で強調されるように、膨張した菱脳が34%の胚で見出された。短い矢印によって示される卵黄嚢水腫も、胚の58%において観察された。矢印の頭は、心臓周辺の水腫について調査された場所を示す:それは観察されなかった。
【0069】
追加の分析が48〜56hpfのモルファント胚で行われた。20個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、すべてを正常として示した。31個のモルファントでの微小血管障害は、胚の様々な領域においてFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図17参照)。31個の胚のうち、19%がFITC−Dextranを心臓に有していたが、心臓及び頭にそれを有するものはなかった。減少した体節間脈管構造は、図17において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の19%で観察され、中程度の効果は13%で、低い効果は29%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの19%を占めた。
【0070】
遺伝子HUP8003D24
配列番号16で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図18参照)。特定のデータが以下の表7に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号17)及び二つのヒト相同体(配列番号19及び21)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号18,20及び22に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。三つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz185及びsz186)が調製され、三つのゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。低用量群のためには、sz185モルホリノの3ng及びsz186モルホリノの6ngがそれぞれの受精卵に投与された。二倍用量の群のためには、sz185モルホリノの6ng及びsz186モルホリノの12ngが投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0071】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。低用量群では、プローブfli−1は、アッセイされた11個のモルファント胚のうち18%が中程度の効果を有すること、即ち体節間発現の36〜70%の損失を有すること、及び18%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された11個のモルファントのうち36%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された14個のモルファントのうち29%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された16個のモルファントのうち31%が高い効果を有し、31%が中程度の効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であることを示し、プローブtie−2は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であることを示した。
【0072】
高用量群では、プローブfli−1は、アッセイされた3個のモルファント胚のうち33%が低い効果を有し、33%が中程度の効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、100%又は調査された2個のモルファントのうち100%、つまり両方が中程度の効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された7個のモルファントのうち100%、つまりすべてが高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての3個のモルファントが正常であることを示し、プローブtie−2は、観察されたすべての7個のモルファントが正常であることを示した。
【0073】
以下の表8はこのデータをまとめる。
【0074】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。細胞死は、観察された66個の胚のうち70%で観察された。卵黄嚢水腫はモルファントの29%で観察された。56hpfに、総数66個の胚が表現型特性について観察された。卵黄嚢水腫は胚の42%で観察され、35%は減少したIS血液流を示し、26%は減少した血液流を示した。
【0075】
追加の分析が48〜56hpfのモルファント胚で行われた。上述の低用量(3ngのsz185、6ngのsz186)を受けとった21個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、52%を正常として示した。減少した体節間発現の低い効果は、胚の43%で見られ、中程度の効果は5%で見られた。二倍用量(6ngのsz185、12ngのsz186)を受けとった胚は、48〜56hpfに観察されたとき、観察されたその23個の胚の74%が正常であることを明らかにした。減少した体節間発現の低い効果は、胚の22%で見られ、中程度の効果は胚の4%で見られた。
【0076】
低用量のモルフォリノ(3ngのsz185、6ngのsz186)を与えられたモルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域でのFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図19参照)。33個の胚のうち、心臓に、又は心臓及び頭にFITC−Dextranを有するものはなかった。減少した体節間脈管構造は、図19において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の6%で観察され、中程度の効果は15%で、低い効果は36%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの43%を占めた。
【0077】
これらのデータは、この遺伝子が腎臓の脈管及び上皮構造、並びに心臓弁及び皮膚上皮の大脈管、巨大核細胞の如き多くの場所で発現されることを明らかにする。
【0078】
遺伝子HUP8004N1
配列番号23で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図20参照)。特定のデータが以下の表9に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号24)及びヒト相同体(配列番号26)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号25及び27に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。二つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz223及びsz224)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子の一つに対して標的化された。二つの用量計画が用いられた。sz223モルホリノの2ng及びsz224モルホリノの1ngを受けとった第一の用量群はそれぞれの受精卵に投与された。sz223モルホリノの1ng及びsz224モルホリノの0.5ngを受けとった第二の用量群はそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0079】
第二の用量群(1ngのsz223、0.5ngのsz224)からの胚における体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち7%が低い効果を有し、7%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された14個のモルファントのうち7%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察した14個のモルファントのうち7%が低い効果を有し、7%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された26個のモルファントのうち8%が中程度の効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であることを示し、プローブtie−2は、観察したすべての15個のモルファントが正常であることを示した。
【0080】
以下の表10はこのデータをまとめる。
【0081】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図21は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、卵黄嚢水腫は、研究された59個のモルファントの56%で観察された。56hpfに、総数20個の胚が表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚が図22に示される。矢印によって示されるように、心臓周辺の水腫は胚の35%で観察され、65%は卵黄に血液だまりを有し(これも矢印で示される)、30%は減少したIS血液流を示した。
【0082】
追加の分析は、第二の用量群からの48〜56hpfのモルファント胚で行われた。22個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、すべてを正常として示した。30個の第二の用量群に対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図23参照)。30個の胚のうち、13%はFITC−Dextranを心臓に有し、3%は心臓と頭に有していた。減少した体節間脈管構造は、図23において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の7%で観察され、低い効果は20%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの57%を占めた。
【0083】
これらのデータは、この遺伝子が上皮で特異的に発現されることを示す。腎臓において、これは特定の脈管及びいくつかの他の上皮構造によって発現される。肝臓でもいくらかの発現がある。
【0084】
遺伝子HUP8010A10
配列番号28で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図24参照)。特定のデータが以下の表11に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号29)及びヒト相同体(配列番号31)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号30及び32に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz267及びsz268)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子の一つに対して標的化された。第一の用量群において、sz267モルホリノの4ng及びsz268モルホリノの2ngがそれぞれの受精卵に投与された。第二の用量群において、sz267モルホリノの6ng及びsz268の3ngが投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0085】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。第一の用量群(4ngのsz267、2ngのsz268)において、プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち13%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された15個のモルファントの33%が低い効果を有し、20%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察されたすべての17個のモルファントが正常であることを示した。プローブcdh5は、観察された25個のモルファントの8%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての13個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であることを示した。
【0086】
第二の用量群(6ngのsz267、3ngのsz268)において、プローブfli−1は、アッセイされた16個のモルファント胚のうち25%が低い効果を有し、19%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された6個のモルファントの33%が低い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された15個のモルファントの67%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された24個のモルファントの21%が低い効果を有し、13%が中程度の効果を有し、29%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であることを示した。
【0087】
以下の表12はこのデータをまとめる。
【0088】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図25は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。細胞死は、図25において矢印で示されるように、観察された61個の胚のうち47%で観察された。矢印の頭は膨張した菱脳を示し、これは胚の51%で見られた。中程度の卵黄嚢水腫はモルファントの21%で観察された。56hpfに、総数59個の胚は表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚が図26に示される。矢印は膨張した菱脳を示し、これは胚の44%で見られた。中程度の卵黄嚢水腫はモルファントの29%で観察され、これは矢印の頭で示される。減少したIS血液流は胚の14%で観察され、減少した血液流は胚の17%で見出された。
【0089】
追加の分析は、第二の用量群からの48〜56hpfのモルファント胚で行われた。19個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、68%を正常として示した。減少した体節間発現の低い効果は胚の32%で見られた。モルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図27参照)。32個の胚のうち、心臓、又は心臓及び頭にFITC−Dextranを有するものはなかった。減少した体節間脈管構造は、図27において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の6%で観察され、中程度の効果は3%で、低い効果は34%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの56%を占めた。
【0090】
遺伝子NOC8003L17
配列番号33で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて血管において選択的に発現するものとして同定された(図28参照)。特定のデータが以下の表13に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号34)及びヒト相同体(配列番号36)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号35及び37に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz180及びsz181)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。第一の用量群において、sz180の12ng及びsz181の1ngがそれぞれの受精卵に投与された。第二の用量群において、sz180の12ng及びsz181の2ngがそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0091】
第一の用量群からの胚における体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち40%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査されたすべての7個のモルファントが正常であることを示した。プローブtie−1は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であることを示した。プローブcdh5は、観察された20個のモルファントの15%が低い効果を有し、5%が中程度の効果を有し、30%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての11個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であることを示した。
【0092】
以下の表14はこのデータをまとめる。
【0093】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図29は、代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、卵黄嚢水腫は、研究された48個のモルファントのうち67%で観察された。56hpfに観察された胚は正常な形態を示し、代表的な胚が図30に示される。
【0094】
追加の分析は、第二の用量群からの48〜56hpfのモルファント胚で行われた。14個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、79%を正常として示し、残りの29%は減少した体節間発現の中程度の効果を示した。29個の第一の用量群のモルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図31参照)。29個の胚のうち、心臓にFITC−Dextranを有するものはなく、3%は心臓及び頭にFITC−Dextranを有していた。減少した体節間脈管構造は、図31において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の7%で観察され、中程度の効果は3%で、低い効果は38%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの45%を占めた。
【0095】
遺伝子NOC8009C9
配列番号38で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図32参照)。特定のデータが以下の表15に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号39)及びヒト相同体(配列番号41)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号40及び42に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz241及びsz242)が調製され、ゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。sz241モルホリノの3ng及びsz242モルホリノの1ngはそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0096】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち7%が中程度の効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査されたすべての15個のモルファントが正常であることを示した。プローブtie−1は、観察された15個のモルファントの7%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された20個のモルファントの15%が低い効果を有することを示した。中程度の効果は5%で見られ、高い効果は15%で見られた。プローブflt−4は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であることを示した。
【0097】
以下の表16はこのデータをまとめる。
【0098】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図33は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。穏やかな細胞死は、観察された53個の胚のうち25%で観察された。56hpfに、52個の胚は表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚が図34に示される。矢印によって示されるように、心臓周辺の水腫は胚の13%で見られた。卵黄嚢水腫の領域の方へ向けられた矢印の頭は、胚の25%で見られる。減少したIS血液流は13%及び15%で観察され、減少した軸方向の血液流を示した。
【0099】
追加の分析は、第二の用量群からの48〜56hpfのモルファント胚で行われた。31個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、すべてを正常として示した。モルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図35参照)。29個の胚のうち、7%が心臓にFITC−Dextranを有し、14%が心臓及び頭に有していた。減少した体節間脈管構造は、図35において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の3%で観察され、中程度の効果は3%で、低い効果は21%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの52%を占めた。これらのデータは、この遺伝子が心臓中及び心臓の周り及び選択された器官におけるいくらかの発現を含む器官の周りにおいて発現されることを明らかにする。
【0100】
遺伝子NOC8009G23
配列番号43で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図36参照)。特定のデータが以下の表17に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号44)及びヒト相同体(配列番号46)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号45及び47に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz149及びsz150)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。第一の用量群において、sz149モルホリノの1.5ng及びsz150モルホリノの1.5ngは受精卵に投与された。第二の用量群において、sz149モルホリノの2ng及びsz150モルホリノの2ngは受精卵に投与された。第三の用量群において、sz149モルホリノの3ng及びsz150モルホリノの3ngは受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0101】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。第一の用量群からの胚を用いた研究では、プローブfli−1は、アッセイされた14個のモルファント胚のうち21%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査されたすべての16個のモルファントが正常であることを示した。プローブtie−1は、観察された22個のモルファントの36%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された15個のモルファントの13%が軸方向発現における破壊を伴う低い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての13個のモルファントが正常であることを示した。
【0102】
第二の用量群からの研究では、プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち13%が中程度の効果を有し、27%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された15個のモルファントのうち7%が低い効果を有し、7%が中程度の効果を有し、20%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された13個のモルファントの62%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された12個のモルファントの25%が高い効果を有し、いくつかのモルファントは軸方向発現における破壊を有することを示した。プローブflt−4は、観察された15個のモルファントの13%が軸方向脈管において低い効果を有し、軸方向発現における破壊及び重度に異常形成された尾を含むことを示した。プローブtie−2は、観察されたすべての8個のモルファントが正常であることを示した。
【0103】
以下の表18はこのデータをまとめる。
【0104】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図37は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、細胞死は、観察された20個の胚の40%で観察された。矢印の頭によって示されるように、卵黄嚢水腫はモルファントの55%で観察された。曲がった体はモルファントの40%で見られた。56hpfに、総数20個の胚は表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚は図38に示される。矢印によって示されるように、心臓周辺の水腫はモルファントの55%で観察された。矢印の頭は卵黄嚢水腫の方を示し、これはモルファントの55%で観察された。曲がった体は胚の30%で報告された。
【0105】
追加の分析は、48〜56hpfのモルファント胚で行われた。第一の用量群からの22個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、90%を正常として示した。減少した体節間発現及び曲がった体の胚の低い効果は胚の5%で見られ、極めて短い尾を有する高い効果は胚の5%で見られた。第三の用量群からの20個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、80%を正常として示した。減少した体節間発現の低い効果は胚の5%で見られ、中程度の効果は胚の15%で見られた。
【0106】
モルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図39参照)。25個の胚のうち、心臓、又は心臓及び頭にFITC−Dextranを有するものはなかった。減少した体節間脈管構造は、図39において矢印で示されるように胚の24%で見られた。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な体節間脈管の例においてサンプルの76%を占める正常な胚は、矢印の頭によって示される。
【0107】
遺伝子OJC8003C9
配列番号48で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて血管において選択的に発現するものとして同定された(図40参照)。特定のデータが以下の表19に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号49)及びヒト相同体(配列番号51)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号50及び52に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz129及びsz130)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。第一の用量群において、sz129モルホリノの3ng及びsz130モルホリノの4.5ngはそれぞれの受精卵に投与された。第二の用量群において、sz129モルホリノの4ng及びsz130モルホリノの6ngはそれぞれの受精卵に投与された。第三の用量群において、sz129モルホリノの6ng及びsz130モルホリノの8ngはそれぞれの受精卵に投与された。第四の用量群において、sz129モルホリノの6ng及びsz130モルホリノの9ngはそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0108】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。第二の用量群からの胚では、プローブfli−1は、アッセイされた10個のモルファント胚のうち20%が低い効果を有し、10%が中程度の効果を有し、10%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された9個のモルファントの11%が低い効果を有し、33%が中程度の効果を有し、11%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された9個のモルファントの22%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された7個のモルファントの14%が中程度の効果を有し、14%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての9個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての7個のモルファントが正常であることを示した。
【0109】
第三の用量群からの胚では、プローブfli−1は、アッセイされた10個のモルファント胚のうち10%が中程度の効果を有し、50%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された12個のモルファントのうち25%が中程度の効果を有し、25%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された6個のモルファントの17%が低い効果を有し、50%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された5個のモルファントの40%が中程度の効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての9個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての6個のモルファントが正常であることを示した。
【0110】
以下の表20はこのデータをまとめる。
【0111】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図41は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、曲がった体は、観察された20個のモルファントの35%で見出された。56hpfに、総数20個の胚は表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚は図42に示される。長い矢印によって示されるように、胚の60%は関連する膨張した菱脳室を伴う細胞死を有していた。卵黄嚢水腫は、短い矢印によって示されるように、胚の25%で観察された。矢印の頭は、卵黄嚢水腫を伴う心臓周辺の水腫の欠失を指摘する。
【0112】
追加の分析は、48〜56hpfのモルファント胚で行われた。第一の用量群からの19個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、すべてが正常であることを示した。第四の用量群からの10個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、90%のみが正常であることを示し、残りの10%は曲がった尾を有する低い効果を示した。第三の用量群からの19個のモルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図43参照)。19個の胚のうち、心臓にFITC−Dextranを有するものはなく、16%が心臓のみにFITC−Dextranを有していた。減少した体節間脈管構造は、胚の37%で見られた。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの47%を占めた。
【0113】
インビボデータから確認される新規の用途
本発明は10個の遺伝子標的、及びそれに関連するタンパク質に関し、これらはマイクロアレイ評価によって脈管形成又は新脈管形成中に上向き調節されるものとして当初は同定され、続いてゼブラダニオ胚実験を用いてインビボで重大な役割を果たしていることが証明された。これらの遺伝子及びタンパク質は、新脈管形成に関連する状態に向けられた新規の方法及び治療の基礎を形成しうる。例えば、新脈管形成に関連する状態に罹患していると疑われる患者からの生物学的サンプルは、本発明の遺伝子又はタンパク質が患者中で正確な時間、位置及び強度で発現されるかどうかを確認するためにスクリーニングされることができる。かかるスクリーニング方法は特許請求の範囲に記載された発明の一部分を形成する。もし遺伝子及び/又はタンパク質が不適切に発現していると同定されるなら、遺伝子治療又は医薬の如きこの状態を矯正するための治療が、ここで記述される又は当該技術分野で公知の方法及び手順に従って開始されることができる。ここで記述したツールを用いて今や可能であるような特定のデータを用いれば、迅速な診断及び特異的な標的化された治療が可能である。
【0114】
想像される一つの種類のスクリーニング方法は、脈管形成又は新脈管形成に関連する状態を有する患者を検出するための遺伝子増幅に基づく。かかる方法は、状態を解明するためにPCR、インシチューハイブリダイゼーション及び/又はサザーンブロッティング技術を用いることができる。別の種類のスクリーニング方法は、定量的PCR、マイクロアレイ、ノーザンブロッティング又はインシチューハイブリダイゼーションの如き公知の技術を用いた遺伝子発現の評価に基づくことができる。用いることができるさらに別の種類のスクリーニング方法は、タンパク質の発現を測定又は監視するものであり、免疫組織化学、ウエスターンブロッティング、ELIZA又はFACSの如き技術を用いて行われることができる。
【0115】
もし、新脈管形成に関連する状態が本発明による遺伝子及び/又はタンパク質を含む化合物の投与によって改良されることができることが本発明の方法又は他の方法によって決定されるなら、一以上の遺伝子及び/又はタンパク質は当該技術分野では公知の方法によって一緒に又は逐次的に投与されることができる。
【0116】
本発明の単離された核酸分子又はタンパク質は、例えば標準的な直接ペプチド合成技術又は組み換え方法を用いる合成によって得ることができる。タンパク質は、電気泳動精製又はクロマトグラフィー技術の如き当業者には公知の様々な方法で単離又は精製されることができる。
【0117】
本発明の化合物の投与は、望ましい作用部位への化合物の送達を可能にするいかなる方法によっても行われることができる。これらの方法は、経口投与、十二指腸内投与、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、脈管内又は注入を含む)及び局所投与を含む。
【0118】
遺伝子治療アプローチは、本発明のヌクレオチドを細胞、一群の細胞又は生物中に導入するために用いられることができる。インビボ方法及びエクスビボ方法の両方が利用されることができる。ベクターは典型的にはこの手順で用いられる。非ウイルス性ベクター又はウイルスベクターが用いられることができ、これらは例えば組み換えアデノウイルス又はレトロウイルスであることができる。この用途によれば、望ましい遺伝子はDNAウイルス又はRNAウイルス中に導入され、その例は無毒性のレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シンドビスウイルス、センダイウイルス、SV40、及び免疫不全ウイルス(HIV)である。組み換えウイルスは次に標的細胞中に感染される。多数の遺伝子が単一のベクターに組み入れられることができ、又は代わりにそれらは同時に又は逐次的に別個のベクターにおいて標的細胞へと導入されることができる。これらの方法は当該技術分野では公知であり、多数の特許及び公報に記述されている。
【0119】
本発明によって予想される遺伝子発現又はタンパク質生産と干渉する別の手段は、小さな干渉性RNA(siRNA)を用いることである。siRNAは関心のある遺伝子、例えば配列番号2に対応するRNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む。siRNA分子は約19個のヌクレオチド及び3′末端での約2個のヌクレオチドのオーバーハングからなる。いくつかの好ましい方法は、19〜23個のヌクレオチド及び3′オーバーハングを含む。siRNAは公知の方法によって関心のある細胞(単数又は複数)に導入される。導入後、細胞(単数又は複数)は同じ配列を持つssRNAを破壊する。これは標的化された遺伝子の翻訳の減少又は妨害及びタンパク質生産の対応する減少又は妨害を生じる。
【0120】
投与される活性化合物の量は、治療される患者、障害又は状態の重篤度、投与の割合、及び化合物の性質を評価した後に決定されることができる。用量はすべてを一度に投与されることができるし、又は不連続の時間期間にわたって分散されることもできる。
【0121】
本発明の化合物は、単独の治療として適用されることができるし、又は一以上の他の活性な医薬剤を含むこともできる。組成物は、当該技術分野では公知の担体、アジュバント、緩衝液、又は賦形剤を含むことができる。もし望ましいのなら、組成物は香味剤、甘味剤、結合剤、染料、潤滑剤、香料、増粘剤、安定化剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、保存剤、及びpH調節剤の如き成分をさらに含むことができる。組成物はいかなる好適な形態であることもでき、例えば錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放性処方、溶液、懸濁剤、乳液、軟膏、又はクリームの形態であることができる。組成物は滅菌されていることができる。特定量の活性化合物を有する様々な医薬組成物の調製方法は公知であるか又は当業者には明らかである。記述されてきた本発明の医薬組成物は脈管形成治療及び新脈管形成治療を必要とするすべての疾患に適用されることができる。
【0122】
例えば、新脈管形成に関連する疾患の一つの治療方法は、虚血組織に脈管形成を起こさせるために用いられる本発明による組成物を含む。ある組織が望ましくない脈管閉塞からの虚血傷害に罹る危険性があるかどうかを決定するためには多くの方法がある。かかる方法は当該技術分野では周知であり、例えば心筋の疾患を評価するためのMRIの如き画像形成技術を含む。本発明の組成物をどこに及びいつ適用するかどうかを決定した後、組成物は脈管閉塞に罹る危険性がある組織における脈管形成を増大させるために投与されることができる。これは、かかる組織において虚血を防止及び/又は緩和する効果的な手段であることができる。虚血が緩和された度合いを評価して測定するための方法は当該技術分野では公知である。
【0123】
本発明によるさらなる治療方法は、患者の心臓の機能及び虚血の度合いを可視化、測定及び/又は評価するいかなる公知技術の使用も含む。かかる評価は治療開始に先立って、治療中に、治療が完了した後に、又はいくつかのもしくは全ての段階でなされることができる。かかる技術の例は心エコー検査、心脈管核画像法、磁気共鳴画像法、及び対比血管造影法を含む。
【0124】
本発明は脈管形成及び新脈管形成の理解、及びこれらに関連する状態の治療に向かって進んでいるが、これらの状態をさらに理解することに対する必要性が当該技術分野ではなお存在する。それ故、本発明は、分析及び実験のために用いられることができる非ヒトトランスジェニック動物の作成及び使用をさらに予想する。それ故、ここに記述される遺伝子に対応する突然変異、ノックアウト又は改変遺伝子を含むトランスジェニック動物も本発明に含まれる。トランスジェニック動物は、組み換え、外来性又はクローニングされた遺伝子材料が実験的に移入されている遺伝的に改変された動物である。かかる遺伝子材料は導入遺伝子としばしば称される。導入遺伝子の核酸配列は、特定の核酸配列が正常状態では見出されないゲノムの遺伝子座に、又は導入遺伝子のための通常の遺伝子座に組み入れられることができる。導入遺伝子は標的動物の種と同じ種のゲノム又は標的動物の種とは異なる種のゲノムから由来する核酸配列からなることができる。
【0125】
トランスジェニック動物は、当該技術分野では公知のようなトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、胚性幹細胞における遺伝子標的化及び組み換えウイルス及びレトロウイルス感染を含む様々な異なる方法によって作成されることができる。組み換えコンピーテント哺乳類細胞中への核酸フラグメントの導入方法は、多数の核酸分子の共形質転換に好都合であるいかなる方法であることもできる。トランスジェニック動物を作成するための詳細な手順は当業者に利用可能であり、例えば米国特許第5489743号及び第5602307号が挙げられる。
【0126】
トランスジェニック技術は、上述の10個の遺伝子の一以上を欠失している動物を作成するために用いられることができる。かかるノックアウト動物は、欠失された遺伝子のタイミング及び機能を解明するために、野生型又はコントロールの動物からのデータに対してそれらの成長及び発育が測定される時に特に使用されることができる。さらに、これらの動物は新脈管形成に関連する疾患状態を示すように改変されることができ、かくして選択された疾患の進行における特定の遺伝子の役割の理解をさらに進めることができる。この知識は、技術の進歩をもたらし、疾患の予防、管理及び治療のための新規の治療方法を保証することに導く。
【0127】
本発明によるトランスジェニック動物のさらなる使用は、研究生物における上述の同定された遺伝子の一以上をこの遺伝子のヒト相同体で置換することを含む。例えば、配列番号7に相当する遺伝子がそのヒト相同体である配列番号9で置換されたトランスジェニックマウスである。効果的な薬物治療への研究は動物モデルで行われることができるということは受け入れられているが、かかるトランスジェニックマウスは、ヒトでの使用のための潜在的な医薬候補への一層効果的なスクリーニングツールであることができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】胚の脳内皮細胞部分に対して胚の脳のとり残された部分を比較した場合、及び成体の脳内皮細胞部分に対して成体の脳のとり残された部分を比較した場合の、cDNAライブラリーにおける遺伝子のlog2発現比での比−比プロットを示す。
【図2】胚の脳、心臓、及び皮膚内皮細胞に対してとり残された胚の部分及びすべての成体内皮細胞及びとり残された部分を比較した場合の、cDNAライブラリーにおける遺伝子の平均強度対log2発現比での比−強度プロットを示す。
【図3】遺伝子OJC8009J7についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図4】28hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
【図5】28hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
【図6】56hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
【図7】56hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
【図8】48−56hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
【図9】48−56hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
【図10】遺伝子HUP8001K17についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図11】28hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
【図12】56hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
【図13】48−56hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
【図14】遺伝子HUP8001K21についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図15】28hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
【図16】56hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
【図17】48−56hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
【図18】遺伝子HUP8003D24についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図19】48−56hpfでのHUP8003D24モルファント胚を示す。
【図20】遺伝子HUP8004N1についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図21】28hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
【図22】56hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
【図23】48−56hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
【図24】遺伝子HUP8010A10についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図25】28hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
【図26】56hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
【図27】48−56hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
【図28】遺伝子NOC8003L17についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図29】28hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
【図30】56hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
【図31】48−56hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
【図32】遺伝子NOC8009C9についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図33】28hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
【図34】56hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
【図35】48−56hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
【図36】遺伝子NOC8009G23についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図37】28hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
【図38】56hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
【図39】48−56hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
【図40】遺伝子OJC8003C9についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図41】28hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
【図42】56hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
【図43】48−56hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
【配列表フリーテキスト】
【0129】
配列番号11,23及び33中、nはa、c、g又はtである。
【技術分野】
【0001】
本発明は脈管形成及び/又は新脈管形成に関与するポリペプチド及びそれによってコードされるタンパク質に関する。これらの薬剤は、新脈管形成に関連する状態の診断及び治療において用いられる材料及び方法を製造するときに標的化されることができる。さらに、本発明はかかる診断及び治療方法及び薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
脈管形成(動脈及び静脈を含む相互作用脈管系の発達)及び新脈管形成(新しい血管の形成)の両者は、胚の発達において役割を果たしている。対照的に、新脈管形成は正常な成人においては胎盤、卵巣、子宮内膜、及び創傷治癒部位に限定されている。新脈管形成又はその不存在は、様々な病気の状態の維持において重要な役割を果たしている。これらの状態のいくつかは新生血管形成によって特徴付けられる(例えば癌、糖尿病性網膜症、緑内障、及び加齢に関連する黄斑変性)。他の状態は例えば脳卒中、不妊症、心臓病、潰瘍、及び強皮症であり、これらは新脈管形成の不十分さによる疾患である。
【0003】
新脈管形成は多数の段階を有する(例えばZhu and Witte、Invest New Drugs 17:195−212、1999を参照)。新脈管形成の初期段階は、内皮細胞プロテアーゼ生産、細胞の移動、及び増殖を含む。初期段階は、VEGF、TGF−A及び全てが仮想的な役割を果たす選択されたケモカインと共にいくつかの成長因子を必要とするようにも思える。新脈管形成の後期の段階は、壁細胞(周皮細胞又は平滑筋細胞)を有する脈管の集団化、基底膜の生成、及び脈管床の分化の誘導を含む。脈管形成の最終段階は、リモデリングとして知られるものを含み、そこでは形成された脈管構成が安定な成熟した脈管床になる。従って、この過程は極めて動的であり、遺伝子発現の調和した空間的及び時間的な波をしばしば必要とする。
【0004】
複雑な新脈管形成の過程は、一以上の重要な工程との干渉を通して妨害され、多数の病気の状態がこの妨害によって生じ又は悪化されうる。制御されない新脈管形成は病気を引き起こし又は悪化させることがあり、例えば目の新生脈管形成は失明の最も一般的な原因であることが明らかになっており、約20もの目の病気の病因の根底にある。関節炎の如き特定の従来から存在する状態では、新たに形成された毛細血管は関節に浸入し、軟骨を破壊する。糖尿病では、網膜に形成された新しい毛細管は硝子体液に浸入し、出血と失明の原因になる。
【0005】
制御されない新脈管形成に関連する病気に加えて、不十分な新脈管形成も望ましくない結果に導きうる。死んだ又は損傷された組織は多数の病気に導くことがあり、健康な正常な新脈管形成過程を通した損傷組織の再脈管形成は、さらなる合併症を防止するために必須である。
【0006】
それ故、新脈管形成を阻害するか又は高める新しい標的及び治療が必要とされる。新脈管形成のいずれかの段階に関与するより重要な要因の同定は、新脈管形成に関連する病気の状態のための新しい診断方法に導くことがありうる。さらに、新脈管形成に関与する重要な要因の解明及び理解は、新脈管形成に関連する状態のための潜在的な治療方法を研究するための新しい方法の基礎を形成することがありうる。
【発明の開示】
【0007】
上述の目的に従って、本発明は脈管形成及び/又は新脈管形成において重要な役割を有する10個の核酸配列及び関連するタンパク質を開示する。本発明の一つの目的は、これらの10個の新規の要因を新脈管形成に関連する病気の状態における治療的介入のための分子標的として用いるためのアプローチを提示することである。本発明のさらなる目的は、新脈管形成又は新脈管形成に関連する状態を調節する能力について化合物をスクリーニングするために用いることができる材料及び方法を提供することである。
【0008】
ここで同定される配列及びタンパク質を特異的に標的とする治療も、脈管形成又は新脈管形成を調節する薬剤又は組成物として提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の単離された核酸分子、又はその断片もしくは類似体であって、脈管形成、新脈管形成、脈管の透過性、内皮細胞の増殖、内皮細胞の分化、内皮細胞の移動、及び内皮細胞の生存からなる群から選択される少なくとも一つの生物学的活性を刺激するか又は阻害する能力を有する単離された核酸分子又はその断片又は類似体、又はストリンジェントな条件下で上述の配列のいずれか一つとハイブリダイズする単離された核酸分子が提供される。本発明は上述の核酸分子の相補物にハイブリダイズする単離された核酸分子、及び上述の単離された核酸に標的化された少なくとも19塩基対の単離されたsiRNA分子にも関する。
【0010】
本発明のさらなる実施態様によれば、新規の核酸の一つを含む発現ベクターが提供される。核酸はこの核酸によってコードされるポリペプチドの発現を制御する調節核酸と操作可能なように結合されることができる。
【0011】
本発明は、上述の核酸を含むように遺伝的に改変された、又は上述の発現ベクターによってトランスフェクトされた宿主細胞をさらに含む。
【0012】
本発明のさらなる実施態様によれば、上述の発現ベクターを細胞、一群の細胞又は生物に投与する工程を含む、細胞、一群の細胞又は生物における新脈管形成に関連した状態を治療する方法が提供される。
【0013】
本発明は、上述の核酸分子に対して特異的な反応性を有する抗体をさらに含む。この抗体はポリクローナル又はモノクローナルのものであることができ、蛍光ラベルの如き検出可能なラベルをさらに含むことができる。
【0014】
本発明のさらなる実施態様によれば、上述の核酸を含む導入遺伝子を含むように遺伝的に改変されたトランスジェニックの非ヒト動物、及び導入遺伝子を含みかつ発現する動物が提供される。
【0015】
本発明のさらなる実施態様によれば、上述の核酸配列を含む医薬組成物が提供される。この組成物は、脈管形成又は新脈管形成に影響を与えるために細胞、一群の細胞又は生物に投与されることができる。この効果は脈管形成又は新脈管形成を増加又は減少させることであることができ、この方法は細胞、一群の細胞又は生物が新脈管形成に関連する障害を有する場合に用いられることができる。かかる新脈管形成に関連する障害は、癌、網膜症、黄斑変性、角膜の潰瘍、脳卒中、虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、ルベオーシス、増殖性硝子体網膜症、慢性炎症、炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎を含む。
【0016】
本発明のさらなる実施態様によれば、配列番号3,5,8,10,13,15,18,20,22,25,27,30,32,35,37,40,42,45,47,50及び52のいずれか一つに記載のアミノ酸配列に実質的に相当するアミノ酸の配列を含む単離されたポリペプチド、又はその断片もしくは類似体であって、細胞、一群の細胞又は生物における新脈管形成に影響を与える能力を有するポリペプチドが提供される。
【0017】
本発明は上述のポリペプチドを発現するように遺伝的に改変された宿主細胞、並びにこのポリペプチドと特異的に反応する抗体をさらに含む。この抗体はポリクローナル又はモノクローナルのものであることができ、蛍光ラベルの如き検出可能なラベルをさらに含むことができる。
【0018】
本発明のさらなる実施態様によれば、上述のポリペプチドをコードする核酸を含む導入遺伝子を含むように遺伝的に改変されたトランスジェニックの非ヒト動物、及び導入遺伝子を含みかつ発現する動物が提供される。
【0019】
さらに、本発明は上述の単離されたポリペプチドを含む医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、脈管形成又は新脈管形成に影響を与えるために細胞、一群の細胞又は生物に投与されることができる。脈管形成又は新脈管形成は増加又は減少されることができる。この細胞、一群の細胞又は生物は新脈管形成に関連する障害を有することができる。代表的な新脈管形成に関連する障害は上述されている。
【0020】
本発明のさらなる実施態様によれば、患者の細胞中の新脈管形成に関連する転写物を検出する方法であって、前記方法が、配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドと患者からの生物学的サンプルを接触させることを含み、前記新脈管形成に関連する転写物はハイブリダイゼーションが検出される場所で検出される。前記ポリヌクレオチドは配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列を含むことができる。前記生物学的サンプルは組織サンプルであるか又はmRNAの如き単離された核酸からなることができる。この方法によれば、前記核酸は生物学的サンプルをポリヌクレオチドと接触させる工程に先立って増幅されることができる。さらに、ポリヌクレオチドは固体表面上に固定される。
【0021】
本発明のさらなる実施態様によれば、脊椎動物において新脈管形成及び脈管形成から選択される少なくとも一つの生物学的活性に影響を与える方法であって、前記方法が、ここに記述されるヌクレオチド又はポリペプチドの新脈管形成又は脈管形成に影響を与えるのに効果的な量を前記生物に投与する工程を含む方法が提供される。前記生物はマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、サル及びヒトの如き哺乳動物であることができる。脈管形成又は新脈管形成は高められ、増大され、阻害され、又は減少されることができる。この方法は、上述したような新脈管形成に関連する障害を有する生物に対して使用することができる。
【0022】
本発明のさらなる実施態様によれば、配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列の発現が上向き調節される、一以上の細胞を含む新脈管形成が増大されたトランスジェニックの実験用動物が提供される。配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列の発現が下向き調節されるか、又は不存在である、一以上の細胞を含む新脈管形成が減少されたトランスジェニックの実験用動物も提供される。
【0023】
ここで用いられる用語「新脈管形成に関連した状態」又は「新脈管形成に関連した疾患(状態)」は、脈管発達の過剰又は不足によって特徴付けられる状態、又は脈管発達の増加又は減少によって改善される状態を意味する。増加された新脈管形成に関連する障害は以下のものを含むがこれらに限定されない:癌(固形腫瘍、白血病及び腫瘍転移を含む)、良性腫瘍(血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、及び化膿性肉芽腫を含む)、網膜症、黄斑変性、及び角膜の潰瘍。減少された新脈管形成に関連するか又は増加された新脈管形成によって改善することができる病気の状態は以下のものを含むがこれらに限定されない:虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、(不十分な)創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞(ASO)、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、及び脳卒中。他の新脈管形成に関連する疾患は以下のものを含むがこれらに限定されない:ルベオーシスに関連する疾患(角の新生血管形成)、及び糖尿病に関連するかどうかにかかわらず、増殖性硝子体網膜症のすべての形態を含む繊維状脈管又は繊維状組織の異常な増殖によって引き起こされる疾患、炎症性腸疾患の如き慢性炎症の徴候を有する疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎。
【0024】
「宿主細胞」は、発現ベクターを含み発現ベクターの複製又は発現を支持する形質転換された細胞又は天然に生じる細胞である。宿主細胞は、培養された細胞、外植片、インビボの細胞などであることができる。宿主細胞はイー・コリ(E.coli)の如き原核細胞であるか、又は酵母、昆虫、両生類、又はCHO、HeLaなどの如き哺乳類細胞の如き真核細胞であることができる(例えばAmerican Type Culture Collectionのカタログ又はウェブサイトwww.atcc.orgを参照)。
【0025】
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」はここでは相互交換可能に用いられ、アミノ酸残基のポリマーに言及する。これらの用語はアミノ酸残基が対応する天然に生じるアミノ酸の人工的な化学的模倣体であるアミノ酸ポリマー、並びに天然に生じるアミノ酸ポリマー、及び天然には生じないアミノ酸ポリマーに適用する。
【0026】
用語「アミノ酸」は天然に生じるアミノ酸及び合成アミノ酸、並びに天然に生じるアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体に言及する。天然に生じるアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるもの、並びに後で変性されたアミノ酸(例えばヒドロキシプロリン、ガンマ−カルボキシグルタメート、及びO−ホスホセリン)である。「アミノ酸類似体」は、天然に生じるアミノ酸と同一の基本的化学構造を有する化合物に言及する。かかる類似体は変性されたR基(例えばノルロイシン)又は変性されたペプチド骨格を有するが、天然に生じるアミノ酸と同一の基本的化学構造を維持している。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有する化学化合物であるが、天然に生じるアミノ酸と同様の様式で機能する化学化合物に言及する。アミノ酸はそれらの一般的に知られる三文字標記又はIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commission Nucleotidesによって推奨される一文字標記で言及されてもよいし、同様に、それらの一般的に受け入れられている一文字コードで言及されてもよい。
【0027】
ここで用いられる用語「保存的改変」又は「保存的に改変された変異体」は、アミノ酸及び核酸配列の両方に適用する。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された変異体は、同一の又は本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、又は核酸がアミノ酸をコードしない場合には、本質的に同一の配列に言及する。遺伝コードの縮重のため、多数の機能的に同一の核酸がいかなる所定のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCG及びGCUは全てアミノ酸アラニンをコードする。従って、アラニンがコドンによって特定されるすべての位置で、コドンはコードされるポリペプチドを変更させることなしに記述された対応するコドンのいずれにも変更されることができる。かかる核酸変異は「サイレント変異」であり、これは保存的に改変された変異の一種である。ポリペプチドをコードするすべての核酸配列は、核酸のいかなる可能なサイレント変異も記述する。当業者は、核酸中の各コドン(メチオニンに対する通常唯一のコドンであるAUG及びトリプトファンに対する通常唯一のコドンであるTGGを除く)は、機能的に同一の分子を与えるように改変されることができることを認識するであろう。従って、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、発現生成物に関して(実際のプローブ配列に関してではなく)それぞれの記述された配列において暗に意味される。
【0028】
アミノ酸配列について、コードされた配列における単一のアミノ酸又はアミノ酸の小さい割合を変更、付加又は欠失させる核酸、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質配列に対する個々の置換、欠失又は付加は、変更が化学的に類似のアミノ酸でのアミノ酸の置換を生じる「保存的に改変された変異体」であるということを当業者は認識するであろう。機能的に類似のアミノ酸を与える保存的置換の表は当該技術分野で周知である。かかる保存的に改変された変異体は、本発明の多型的変異体、種間相同物及び対立遺伝子に追加されるが、これらを除外するものではない。
【0029】
ここで使用される通り、「ラベル」又は「検出可能な成分」は分光測光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、又は他の物理的手段によって検出可能な組成物に言及する。かかるラベルの例は、32P、蛍光色素、電子密度試薬、酵素、ビオチン、ジゴキシゲニン、又は例えば放射性ラベルをペプチドに組み入れることによって検出可能にすることができる、又はペプチドと特異的に反応する抗体を検出するために用いられるハプテン及びタンパク質である。
【0030】
ここで使用される通り、「ベクター」又は「発現ベクター」は、宿主細胞中で特定の核酸の転写を可能にする特異化された一連の核酸要素と共に組み換え的に又は合成的に生成された核酸構築物に言及する。発現ベクターはプラスミドの一部、ウイルス又は核酸断片であることができる。典型的に、発現ベクターはプロモーターに操作可能なように連結された転写されるべき核酸を含む。
ここで用いられる句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、配列がハイブリダイズする条件に言及する。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、環境が異なれば異なるであろう。当業者は、所定の配列について好適な反応条件を詳述する有意な量の記述材料に対するアクセスを有する。一例はInnisら(1990)の「PCR Protocols、A Guide to Methods and Applications」(Academic Press、Inc. N.Y.)である。
【0031】
ここで使用される通り、新脈管形成性ポリペプチド及びポリペプチド配列及び新脈管形成活性の「阻害剤」、「活性化剤」及び「調節剤」は、阻害性分子、活性化分子、又は調節分子に言及する。「阻害剤」は、例えば新脈管形成タンパク質に結合する、部分的に又は全体的に活性を阻止する、減少させる、防止する、活性化を遅延させる、不活性化させる、脱感作させる、又は新脈管形成タンパク質の活性又は発現を下向き調節する、化合物であり、その一例はアンタゴニストである。「活性化剤」は、新脈管形成タンパク質活性を増大させる、開放する、活性化する、容易にする、活性化を高める、感作する、アゴナイズする(agonize)、又は上向き調節する、化合物である。阻害剤、活性化剤又は調節剤は、新脈管形成タンパク質の遺伝的に改変されたバージョン、例えば変更された活性を有するバージョン、並びに天然に生じる及び合成のリガンド、アンタゴニスト、アゴニスト、抗体、小さな化学分子などを含む。阻害剤及び活性化剤のためのアッセイは、例えば新脈管形成タンパク質をインビトロで、細胞中で、又は細胞膜で発現させること、仮想的な調節剤化合物を適用すること、及び次に上述のようにして活性に対する機能的な効果を測定することを含む。
【0032】
図面の簡単な記述
図1は、胚の脳内皮細胞部分に対して胚の脳のとり残された部分を比較した場合、及び成体の脳内皮細胞部分に対して成体の脳のとり残された部分を比較した場合の、cDNAライブラリーにおける遺伝子のlog2発現比での比−比プロットを示す。
図2は、胚の脳、心臓、及び皮膚内皮細胞に対してとり残された胚の部分及びすべての成体内皮細胞及びとり残された部分を比較した場合の、cDNAライブラリーにおける遺伝子の平均強度対log2発現比での比−強度プロットを示す。
図3は、遺伝子OJC8009J7についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図4は、28hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
図5は、28hpfでのOJC8009J7モルファント(morphant)胚を示す。
図6は、56hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
図7は、56hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
図8は、48−56hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
図9は、48−56hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
図10は、遺伝子HUP8001K17についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図11は、28hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
図12は、56hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
図13は、48−56hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
図14は、遺伝子HUP8001K21についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図15は、28hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
図16は、56hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
図17は、48−56hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
図18は、遺伝子HUP8003D24についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図19は、48−56hpfでのHUP8003D24モルファント胚を示す。
図20は、遺伝子HUP8004N1についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図21は、28hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
図22は、56hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
図23は、48−56hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
図24は、遺伝子HUP8010A10についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図25は、28hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
図26は、56hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
図27は、48−56hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
図28は、遺伝子NOC8003L17についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図29は、28hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
図30は、56hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
図31は、48−56hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
図32は、遺伝子NOC8009C9についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図33は、28hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
図34は、56hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
図35は、48−56hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
図36は、遺伝子NOC8009G23についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図37は、28hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
図38は、56hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
図39は、48−56hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
図40は、遺伝子OJC8003C9についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
図41は、28hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
図42は、56hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
図43は、48−56hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
詳細な記述
本発明の特定の実施態様が図示されて記述されているが、本発明の精神及び範囲から離れることなしに様々な他の変更及び改変を行うことができることは当業者には自明であろう。それ故、添付の特許請求の範囲においては、本発明の範囲内であるすべてのかかる変更及び改変をカバーすることが意図される。合成方法が特別に記述されていない材料は、商業的に入手可能であるか、又は当業者には周知の方法を用いて調節されることができる。他に明記しない限り、量、パーセント、部、及び割合を含むすべての量は語「約」によって修飾されるものと理解され、量は有意なディジットを示すことは意図されない。他に明記しない限り、冠詞「一つの(a)」、「一つの(an)」及び「その(the)」は「一つ又はそれ以上」を意味する。引用されたすべての文献は、関連部分において参照としてここに組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する従来技術であるという容認として構成されるべきではない。
【0034】
候補遺伝子の同定
cDNAライブラリーは、単離精製された成体及び胚のマウスの脈管断片からmRNAを収集することによって調製された。収集されたmRNAは、脈管構造中で発現される遺伝子の幅広い範囲を有するcDNAライブラリーを開発するために用いられた。マウスの齢の変動のため、脈管遺伝子は異なる時間及び脈管構造における異なる状況で活性なものを代表した。
【0035】
cDNAライブラリーの作成後、マイクロアレイはDNAをcDNAライブラリーから固体支持体上に当該技術分野では公知のようにしてプリントすることによって作成された。マイクロアレイは、遺伝子発現プロファイリングによって遺伝子候補を明らかにするために用いられた。成体からの選択された組織及びE18.5胚性マウスは収集された。組織の選択は、抽出のために利用可能なRNAの量及び純度に基づいていた。組織が除去された後、それらは抗体又はレクチンを用いて二つの部分に分離された。第一の部分である内皮細胞画分又はECは、内皮細胞並びに脈管断片に堅固に連結されている周皮細胞及び脈管平滑筋細胞を含んでいた。第二の部分はとり残された部分又はLOとも称され、ECが単離された後に残る細胞であった。
【0036】
成体マウスから、脳及び心臓組織が用いられ、それぞれのECとLOの両方が用いられた。胚性マウスからは、脳、心臓及び皮膚が用いられ、それぞれのECとLOの両方が用いられた。各画分からのRNAが抽出された。一般的な参照RNA(Universal Mouse Reference RNA; Stratagene、Inc.)がこの段階で参照目的のために用いられた。単離されたRNA及び参照RNAは逆転写され、次に二ラウンドのアンチセンスRNA増幅によって二度増幅された。単離されたRNAは蛍光色素シアニン−3で標識され、参照RNAはシアニン−5で標識された。
【0037】
標識後、RNAは上述のようなマイクロアレイでのハイブリダイゼーションによりアッセイされた。ハイブリダイズしたマイクロアレイは走査され、画像分析は実験データを処理するために用いられた。シグナル強度ベースの正規化アルゴリズムによるデータの正規化は、異なって発現する遺伝子の統計学的評価を可能にした。異なる発現を示す遺伝子はさらなる分析のために選択された。
【0038】
異なる発現を有する遺伝子の選択
上述のようにして収集されたデータを用いて、特定の遺伝子が血管で選択的に発現されるものとして指定された。これは、成体及び胚のEC及びLO値の間の比較に基づいていた。図1は胚性脳ECとLO遺伝子の間の及び成体の脳のECとLO遺伝子の間の比較により得られたデータ値の比率−比率プロットを示す。全胚性ECと全成体ECとの比較も行われたが、データは示していない。「DT1候補」又は「DT2候補」で表されるデータ点は一般的に上向き調節されていた(>0 log2発現比)。
【0039】
他の遺伝子は、データの異なる比較により新脈管形成中に選択的に発現されるものとして指定された。全胚性EC部分(即ち、脳、心臓及び皮膚のEC部分)は、全胚性LO部分及び全ての成体RNA(脳及び心臓の両方のEC及びLO)を含む全ての残りの組織に対して比較された。図2は、全ての遺伝子の平均強度に対するlog2発現比率での比率−強度プロットを示す。DT3候補及びDT4候補としてマークされたデータ点は、この選択分析により上向き調節されることが示された遺伝子である。比較は、全てのEC部分に対して全てのLO部分を分析するためにも行われたが、そのデータは示さない。
【0040】
関心のある10個の遺伝子の全てはさらなる分析のために選択された。各遺伝子についての特異的な発現データは、その遺伝子の発現プロファイルを示すグラフ全体に従い、このグラフを含む。表は、マイクロアレイシグナル、log2発現比率、P−値及びランク(特定のフィールドのためのみに与えられたランク)の強度を示すために用いられる。発現比率の値に基づいて、最高のランクは最高の発現比率の値を有する遺伝子に与えられ、最底のランクは最底の発現比率の値を有する遺伝子に与えられた。P−値は0〜1の値として与えられる。1に近い値は、遺伝子が上向き調節されていることを示し、0に近い値は統計的な下向き調節された遺伝子を示す。0.05という統計的に有意なP−値は、0.05又は0.95のP−値に相当する。
【0041】
グラフ、表及び本文について、省略語eec/rは胚のEC部分対すべての残りの部分に言及し、ec/loはすべてのEC部分対すべてのLO部分に言及し、abecloは成体の脳EC部分対成体の脳LO部分に言及し、abecebecは成体の脳EC部分対胚の脳EC部分に言及し、ahecloは成体の心臓EC部分対成体の心臓LO部分に言及し、ebecloは胚の脳EC部分対胚の脳LO部分に言及し、ehecloは胚の心臓EC部分対胚の心臓LO部分に言及し、esecloは胚の皮膚EC部分対胚の皮膚LO部分に言及する。
【0042】
選択された遺伝子の評価
選択された遺伝子のさらなる分析は、ゼブラダニオにおけるノックダウン技術により行われた。この方法は、標的化されたmRNA分子からの翻訳を阻止する特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を含む。これは、関心のある遺伝子の阻害を可能にし、ゼブラダニオの発達及び健康における遺伝子機能の決定を可能にする。ゼブラダニオは、マウス及びヒトの如き哺乳類脊椎動物と脊椎機能のための遺伝子を共有する。研究は、ゼブラダニオにおける器官及び/又は組織発達は、ヒトにおける効果を信頼をもって予測することができるということを示した(とりわけ、Shin and Fishman、 From zebrafish to humans: Modular medical models、 Ann. Rev. Genomics and Human Genet. 2002: 3:311−340; Clark et al.、 An oligonucleotide fingerprint normalized and expressed sequence tag characterized zebrafish library, Genome Res 2001 Sep; 11(9):1594−602を参照)。それらの迅速な外部発達のため、ゼブラダニオの胚の発達は容易に監視され分析されることができる。卵黄嚢の存在は、マウスの如き他の研究生物で可能なよりもはるかに正確に欠失胚の発達からのデータを与えるのに役立つ。
【0043】
胚を調製するために、標的遺伝子のゼブラダニオ相同物が同定された。次に、特定のモルホリノホスホロジアミデートオリゴヌクレオチドが、標的遺伝子のスプライスアクセプター/ドナー部位又はAUG開始コドンに適合するように設計された。モルホリノのストック溶液を作成するため、100nmolのホスホロジアミデートオリゴヌクレオチドを含むペレットが33.3μlのmilli−Q水に溶解され、25mg/mlの濃度を与え、−20℃で保存された。注入溶液を作成するため、8μlのストック溶液は、92μlの滅菌濾過された1XのDanieu緩衝液(58mMのNaCl、0.7mMのKCl、0.4mMのMgSO4、0.6mMのCa(NO3)2、5mMのHEPES、pH7.6)(この緩衝液は、15mMのTris−Cl、pH8.0を補充されている)に添加された。2mg/mlの注入溶液も−20℃で保存された。
【0044】
注入中、材料及び胚は約28℃に維持された。注入針は、注入時間が100〜600m秒の範囲内に最適化されることができるように較正された。一細胞段階から初期の八細胞段階までの胚が用いられた。モルホリノは卵黄嚢中に微小注入された。特定の注入体積又はモルホリノの効果的な用量は以下に記述される。典型的な初期用量は3,6及び12ng(それぞれ1.5,3及び6nl)を含んでいた。3nl用量での毒性は、0.5,1及び2ng(それぞれ1,2及び4nl)の続く用量を生じた。約40個の胚が各用量レベルで注入され、約40個の胚が非注入のコントロールとして保持された。
【0045】
モルホリノが受精した卵細胞に注入された後、特定の遺伝子のノックダウンを有するように遺伝子改変された胚は発達させられた(Nasevicius and Ekker、 Effective targeted gene‘knockdown’ in zebrafish、 Nature Genetics vol 26, October 2000を参照)。胚は、形態を調査すること及び発達中の組織の特定の分析及びアッセイを行うことの両方によって発達中監察された。
【0046】
単回のモルホリノ注入に加えて、二回のモルホリノ注入も同様に行われた。二回の注入のための特定の注入体積は以下に記述される。最初の注入した日の終わりに、胚は胞胚形成又は原腸胚形成段階にあり、プロピルチオウラシル(PTU)の2X溶液が胚に添加され、それらの懸濁体積を倍化した。受精の48時間後(hpf)、二回注入された胚はインシチューハイブリダイゼーションのためにカドヘリン5(cdh5)で固定された。
【0047】
二回注入された胚の20%以上がcdh5で観察される脈管構造において低い効果欠失を示した場合、又は10%以上の胚が中程度の又は高い効果欠失を示した場合、微小脈管障害及びfli−1、flk−1、flt−4、tie−1、tie−2、及びcdh5を用いたインシチューハイブリダイゼーションが行われた。少なくとも120個の胚が二回モルホリノ用量を投与され、そのうち少なくとも100個が上述の分子マーカーを用いたインシチューハイブリダイゼーションのために24hpfで収集された。残りの胚は微小脈管障害のために用いられた。
【0048】
10個の標的の各々の評価に特異的なデータが以下に記述される。一般的に、形態観察は、胚がコントロールの胚に対して一般的な遅延を示すかどうかの徴候が含まれる24〜28hpfで行われた。さらに、細胞死のタイプ及び度合いが記録され、一般的な胚の形状及び脳の形態も同様に記録された。最後に、卵黄嚢水腫はもし存在するなら、心臓の形態と同様に評価されて記録された。
【0049】
また、約24hpfで、二回モルホリノ胚はfli−1、flk−1、flt−4、tie−1、tie−2及びcdh5のインシチューハイブリダイゼーションのために評価された。全体の形態及びコントロールの胚と比較した体節間の脈管における染色の減少度合い(失われた発現の割合に相関する)が注目された。体節間発現の1〜35%の損失を示す胚は低い効果を有するとみなされ、体節間発現の36〜70%の損失を示す胚は中程度の効果を有するとみなされ、体節間発現の71〜100%の損失を示す胚は高い効果を有するとみなされた。
【0050】
48〜56hpfに、一般的な胚の形状、細胞死の度合い、血液循環、及び心臓の形態の如き様々なパラメータが調査されて記録された。cdh5で固定された胚については、染色は上述のような脈管構造中で評価された。
【0051】
微小脈管障害も二回モルホリノ胚で48hpfに評価された。血管を観察するために、胚はトリカイン溶液中に移され、静脈洞/一般的な心臓の静脈が10μlのFITC−Dextran溶液(2000000Da、20mg/ml)を注入された。
【0052】
遺伝子OJC8009J7
配列番号1で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて血管において選択的に発現するものとして同定された(図3参照)。特定のデータが以下の表1に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号2)及びヒト相同体(配列番号4)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号3及び5に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz175及びsz176)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。sz175モルホリノの2ng及びsz176モルホリノの12ngはそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0053】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた14個のモルファント胚のうち7%が低い効果を有し、29%が高い効果を有し、つまり体節間発現の71〜100%の損失であることを明らかにした。プローブflk−1、VEGF受容体2は、調査された12個のモルファントのうち25%が低い効果を有し、8%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された9個のモルファントのうち11%が中程度の効果を有し、11%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5、VEカドヘリンは、観察された16個のモルファントのうち19%が低い効果を有し、6%が中程度の効果を有し、19%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4、VEGF受容体3は、観察された10個のモルファントのすべてが正常であり、プローブtie−2は、観察された6個のモルファントのすべてが正常であることを示した。
【0054】
以下の表2はこのデータをまとめる。
【0055】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図5は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。図から明らかなように、特に図4の28hpf野生型胚に照らして観察した場合、モルファントは正常な形態を示していた。56hpfに、胚は再び表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚が図7に示される。胚において観察された正常な形態は、図7が図6の56hpf野生型胚に照らして観察された場合に容易に理解されることができる。
【0056】
追加の分析が48〜56hpfのモルファント胚で行われた。17個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、88%を正常として示した。減少した体節間発現の中程度の効果は、他の12%の胚において見られた。モルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突き止めるために用いられた(図9参照。図9は、図8に示されるようなこの時間段階での野生型胚と比較されることができる)。33個の胚のうち、心臓及び頭に組み合わされてFITC−Dextranを有するものはなかったが、4%が心臓のみにFITC−Dextranを有していた。減少された体節間脈管構造が15%の胚で見られた。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚はサンプルの81%を占めていた。観察された漏れは、矢印によって示されるように後頭部の血管から生じていた。
【0057】
遺伝子HUP8001K17
配列番号6で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて血管において選択的に発現するものとして同定された(図10参照)。特定のデータが以下の表3に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号7)及びヒト相同体(配列番号9)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号8及び10に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つの異なるモルホリノ(sz143及びsz144)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。異なる量のモルホリノは以下に記述されるように投与された。各モルホリノの予め決められた量は、それぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0058】
一つのスクリーニングが、1ngのsz143モルホリノ及び4ngのsz144モルホリノを受け取った胚で行われた。軸及び体節間脈管発現を分析するために特異的に選択された4つのプローブは以下のことを明らかにした:fli−1プローブを用いると、分析された17個の胚のうち6%が中程度の体節間発現効果を有していた。他の18%は高い効果を有していた。プローブflk−1、VEGF受容体2は、調査された15個のモルファントのうち20%が中程度の、そして13%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1によって分析された場合、観察された16個のモルファントのうち63%が高い効果を有していた。プローブcdh5、VEカドヘリンは、観察された24個のモルファントのうち4%が中程度の効果を有し、別の4%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4、VEGF受容体3は、観察された14個のモルファントのすべてが正常であり、プローブtie−2は、観察された18個のモルファントのすべてが正常であることを示した。
【0059】
他のスクリーニングは、1.5ngのsz143モルホリノ及び6ngのsz144モルホリノを受け取った胚で行われた。プローブfli−1は、分析された12個のモルファントのうち42%が高い効果を有することを示した。flk−1プローブは、観察された13個のモルファントのうち23%が高い効果を有することを示した。tie−1プローブは、13個のモルファントのうち54%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、27個のモルファントのうち15%が中程度の効果を有し、別の11%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察された14個のモルファントのすべてが正常であることを示した。プローブtie−2は、観察された18個のモルファントのすべてが正常であることを示した。
【0060】
以下の表4は上述のデータを要約する。
【0061】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。コントロールとして用いられた野生型胚は、予測されたように正常な形態を示した。前に示した通り、図4は28hpfでの野生型胚を示す。モルファント胚は1.5ng用量のsz143及び6ng用量のsz144を受け取ったが、すべてが正常な形態を示さなかった。代表的な胚が図11に示されている。20個の胚が観察され、そのうち50%が図11において矢印の頭で示されるように曲がった体を示し、短い矢印で示されるように卵黄管の伸長を有していた。中程度の細胞死が図11において長い矢印で示されるように胚の60%で観察された。最終的に、胚の50%が卵黄細胞水腫を有していた。
【0062】
56hpfに、胚は再び図6に示される野生型胚を参照して観察された。対応する段階でのモルファントは図12に示されている。20個の胚が観察され、90%が図12において長い矢印で示されるように曲がった体を示し、短い矢印で示されるように縮小した頭を有していた。矢印の頭で示される心臓周辺の水腫は、胚の90%で観察され、減少した血液流も胚の90%で見られた。
【0063】
追加の分析が、48〜56hpfのモルファント胚で行われた。1ngのsz143及び3ngのsz144を受け取った18個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、28%が低い効果レベルで減少した体節間発現を有し、短く曲がった尾を有することを示した。残りの72%は正常であった。同じインシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが2ngのsz143及び6ngのsz144を受け取った11個のモルファントを用いて行われた。これは、9%が低い効果レベルで減少した体節間発現を有し、極めて短い尾を有することを示した。残りの91%は正常であった。
【0064】
1.5ngのsz143及び6ngのsz144を受け取った26個のモルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域でのFITC−Dextranの存在を突き止めるために用いられた。心臓ではFITC−Dextranは観察されなかったが、頭及び心臓では31%の胚がFITC−Dextranを有していた。合計で27%のモルファントが減少した体節間脈管構造を有しており、漏れやすい脈管構造が35%の胚で観察された。42%の胚のみが正常であるように見えた。組み合わせたパーセントは100%より大きい。何故なら、いくつかの胚は一以上の非正常な特徴を示したからである。図13は分析された48〜56hpf胚の代表を示す。矢印は減少された体節間脈管構造の領域を示し、矢印の頭は漏れやすい脈管構造を示す。参考のために、この時間段階での野生型胚が図8に示されている。実験データは、この遺伝子が多くの器官に散らばった細胞によって発現されるが、CNSで最も明確に見られることを明らかにする。
【0065】
遺伝子HUP8001K21
配列番号11で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図14参照)。特定のデータが以下の表5に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号12)及びヒト相同体(配列番号14)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号13及び15に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。二つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz257及びsz258)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子の一つに対して標的化された。sz257モルホリノの12ng及びsz258モルホリノの12ngはそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0066】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のすべてが正常であることを明らかにした。プローブflk−1は、調査された16個のモルファントのうち13%が低い効果を有し、6%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1によって分析された場合、観察されたすべての15個のモルファントは正常であった。プローブcdh5は、観察されたすべての26個のモルファントが正常であることを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての17個のモルファントが正常であることを示し、プローブtie−2は、観察されたすべての20個のモルファントが正常であることを示した。
【0067】
以下の表6は、このデータをまとめる。
【0068】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図15は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、卵黄嚢水腫は、分析された55個のモルファントの47%において観察された。56hpfに、総数53個の胚が観察され、代表的なモルファント胚が図16に示される。長い矢印で強調されるように、膨張した菱脳が34%の胚で見出された。短い矢印によって示される卵黄嚢水腫も、胚の58%において観察された。矢印の頭は、心臓周辺の水腫について調査された場所を示す:それは観察されなかった。
【0069】
追加の分析が48〜56hpfのモルファント胚で行われた。20個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、すべてを正常として示した。31個のモルファントでの微小血管障害は、胚の様々な領域においてFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図17参照)。31個の胚のうち、19%がFITC−Dextranを心臓に有していたが、心臓及び頭にそれを有するものはなかった。減少した体節間脈管構造は、図17において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の19%で観察され、中程度の効果は13%で、低い効果は29%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの19%を占めた。
【0070】
遺伝子HUP8003D24
配列番号16で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図18参照)。特定のデータが以下の表7に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号17)及び二つのヒト相同体(配列番号19及び21)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号18,20及び22に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。三つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz185及びsz186)が調製され、三つのゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。低用量群のためには、sz185モルホリノの3ng及びsz186モルホリノの6ngがそれぞれの受精卵に投与された。二倍用量の群のためには、sz185モルホリノの6ng及びsz186モルホリノの12ngが投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0071】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。低用量群では、プローブfli−1は、アッセイされた11個のモルファント胚のうち18%が中程度の効果を有すること、即ち体節間発現の36〜70%の損失を有すること、及び18%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された11個のモルファントのうち36%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された14個のモルファントのうち29%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された16個のモルファントのうち31%が高い効果を有し、31%が中程度の効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であることを示し、プローブtie−2は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であることを示した。
【0072】
高用量群では、プローブfli−1は、アッセイされた3個のモルファント胚のうち33%が低い効果を有し、33%が中程度の効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、100%又は調査された2個のモルファントのうち100%、つまり両方が中程度の効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された7個のモルファントのうち100%、つまりすべてが高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての3個のモルファントが正常であることを示し、プローブtie−2は、観察されたすべての7個のモルファントが正常であることを示した。
【0073】
以下の表8はこのデータをまとめる。
【0074】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。細胞死は、観察された66個の胚のうち70%で観察された。卵黄嚢水腫はモルファントの29%で観察された。56hpfに、総数66個の胚が表現型特性について観察された。卵黄嚢水腫は胚の42%で観察され、35%は減少したIS血液流を示し、26%は減少した血液流を示した。
【0075】
追加の分析が48〜56hpfのモルファント胚で行われた。上述の低用量(3ngのsz185、6ngのsz186)を受けとった21個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、52%を正常として示した。減少した体節間発現の低い効果は、胚の43%で見られ、中程度の効果は5%で見られた。二倍用量(6ngのsz185、12ngのsz186)を受けとった胚は、48〜56hpfに観察されたとき、観察されたその23個の胚の74%が正常であることを明らかにした。減少した体節間発現の低い効果は、胚の22%で見られ、中程度の効果は胚の4%で見られた。
【0076】
低用量のモルフォリノ(3ngのsz185、6ngのsz186)を与えられたモルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域でのFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図19参照)。33個の胚のうち、心臓に、又は心臓及び頭にFITC−Dextranを有するものはなかった。減少した体節間脈管構造は、図19において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の6%で観察され、中程度の効果は15%で、低い効果は36%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの43%を占めた。
【0077】
これらのデータは、この遺伝子が腎臓の脈管及び上皮構造、並びに心臓弁及び皮膚上皮の大脈管、巨大核細胞の如き多くの場所で発現されることを明らかにする。
【0078】
遺伝子HUP8004N1
配列番号23で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図20参照)。特定のデータが以下の表9に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号24)及びヒト相同体(配列番号26)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号25及び27に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。二つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz223及びsz224)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子の一つに対して標的化された。二つの用量計画が用いられた。sz223モルホリノの2ng及びsz224モルホリノの1ngを受けとった第一の用量群はそれぞれの受精卵に投与された。sz223モルホリノの1ng及びsz224モルホリノの0.5ngを受けとった第二の用量群はそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0079】
第二の用量群(1ngのsz223、0.5ngのsz224)からの胚における体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち7%が低い効果を有し、7%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された14個のモルファントのうち7%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察した14個のモルファントのうち7%が低い効果を有し、7%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された26個のモルファントのうち8%が中程度の効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であることを示し、プローブtie−2は、観察したすべての15個のモルファントが正常であることを示した。
【0080】
以下の表10はこのデータをまとめる。
【0081】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図21は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、卵黄嚢水腫は、研究された59個のモルファントの56%で観察された。56hpfに、総数20個の胚が表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚が図22に示される。矢印によって示されるように、心臓周辺の水腫は胚の35%で観察され、65%は卵黄に血液だまりを有し(これも矢印で示される)、30%は減少したIS血液流を示した。
【0082】
追加の分析は、第二の用量群からの48〜56hpfのモルファント胚で行われた。22個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、すべてを正常として示した。30個の第二の用量群に対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図23参照)。30個の胚のうち、13%はFITC−Dextranを心臓に有し、3%は心臓と頭に有していた。減少した体節間脈管構造は、図23において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の7%で観察され、低い効果は20%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの57%を占めた。
【0083】
これらのデータは、この遺伝子が上皮で特異的に発現されることを示す。腎臓において、これは特定の脈管及びいくつかの他の上皮構造によって発現される。肝臓でもいくらかの発現がある。
【0084】
遺伝子HUP8010A10
配列番号28で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図24参照)。特定のデータが以下の表11に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号29)及びヒト相同体(配列番号31)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号30及び32に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz267及びsz268)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子の一つに対して標的化された。第一の用量群において、sz267モルホリノの4ng及びsz268モルホリノの2ngがそれぞれの受精卵に投与された。第二の用量群において、sz267モルホリノの6ng及びsz268の3ngが投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0085】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。第一の用量群(4ngのsz267、2ngのsz268)において、プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち13%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された15個のモルファントの33%が低い効果を有し、20%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察されたすべての17個のモルファントが正常であることを示した。プローブcdh5は、観察された25個のモルファントの8%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての13個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であることを示した。
【0086】
第二の用量群(6ngのsz267、3ngのsz268)において、プローブfli−1は、アッセイされた16個のモルファント胚のうち25%が低い効果を有し、19%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された6個のモルファントの33%が低い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された15個のモルファントの67%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された24個のモルファントの21%が低い効果を有し、13%が中程度の効果を有し、29%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であることを示した。
【0087】
以下の表12はこのデータをまとめる。
【0088】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図25は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。細胞死は、図25において矢印で示されるように、観察された61個の胚のうち47%で観察された。矢印の頭は膨張した菱脳を示し、これは胚の51%で見られた。中程度の卵黄嚢水腫はモルファントの21%で観察された。56hpfに、総数59個の胚は表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚が図26に示される。矢印は膨張した菱脳を示し、これは胚の44%で見られた。中程度の卵黄嚢水腫はモルファントの29%で観察され、これは矢印の頭で示される。減少したIS血液流は胚の14%で観察され、減少した血液流は胚の17%で見出された。
【0089】
追加の分析は、第二の用量群からの48〜56hpfのモルファント胚で行われた。19個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、68%を正常として示した。減少した体節間発現の低い効果は胚の32%で見られた。モルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図27参照)。32個の胚のうち、心臓、又は心臓及び頭にFITC−Dextranを有するものはなかった。減少した体節間脈管構造は、図27において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の6%で観察され、中程度の効果は3%で、低い効果は34%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの56%を占めた。
【0090】
遺伝子NOC8003L17
配列番号33で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて血管において選択的に発現するものとして同定された(図28参照)。特定のデータが以下の表13に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号34)及びヒト相同体(配列番号36)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号35及び37に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz180及びsz181)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。第一の用量群において、sz180の12ng及びsz181の1ngがそれぞれの受精卵に投与された。第二の用量群において、sz180の12ng及びsz181の2ngがそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0091】
第一の用量群からの胚における体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち40%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査されたすべての7個のモルファントが正常であることを示した。プローブtie−1は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であることを示した。プローブcdh5は、観察された20個のモルファントの15%が低い効果を有し、5%が中程度の効果を有し、30%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての11個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であることを示した。
【0092】
以下の表14はこのデータをまとめる。
【0093】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図29は、代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、卵黄嚢水腫は、研究された48個のモルファントのうち67%で観察された。56hpfに観察された胚は正常な形態を示し、代表的な胚が図30に示される。
【0094】
追加の分析は、第二の用量群からの48〜56hpfのモルファント胚で行われた。14個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、79%を正常として示し、残りの29%は減少した体節間発現の中程度の効果を示した。29個の第一の用量群のモルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図31参照)。29個の胚のうち、心臓にFITC−Dextranを有するものはなく、3%は心臓及び頭にFITC−Dextranを有していた。減少した体節間脈管構造は、図31において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の7%で観察され、中程度の効果は3%で、低い効果は38%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの45%を占めた。
【0095】
遺伝子NOC8009C9
配列番号38で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図32参照)。特定のデータが以下の表15に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号39)及びヒト相同体(配列番号41)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号40及び42に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz241及びsz242)が調製され、ゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。sz241モルホリノの3ng及びsz242モルホリノの1ngはそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0096】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち7%が中程度の効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査されたすべての15個のモルファントが正常であることを示した。プローブtie−1は、観察された15個のモルファントの7%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された20個のモルファントの15%が低い効果を有することを示した。中程度の効果は5%で見られ、高い効果は15%で見られた。プローブflt−4は、観察されたすべての15個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であることを示した。
【0097】
以下の表16はこのデータをまとめる。
【0098】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図33は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。穏やかな細胞死は、観察された53個の胚のうち25%で観察された。56hpfに、52個の胚は表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚が図34に示される。矢印によって示されるように、心臓周辺の水腫は胚の13%で見られた。卵黄嚢水腫の領域の方へ向けられた矢印の頭は、胚の25%で見られる。減少したIS血液流は13%及び15%で観察され、減少した軸方向の血液流を示した。
【0099】
追加の分析は、第二の用量群からの48〜56hpfのモルファント胚で行われた。31個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、すべてを正常として示した。モルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図35参照)。29個の胚のうち、7%が心臓にFITC−Dextranを有し、14%が心臓及び頭に有していた。減少した体節間脈管構造は、図35において矢印で示されるように見られた。高い効果は胚の3%で観察され、中程度の効果は3%で、低い効果は21%で観察された。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの52%を占めた。これらのデータは、この遺伝子が心臓中及び心臓の周り及び選択された器官におけるいくらかの発現を含む器官の周りにおいて発現されることを明らかにする。
【0100】
遺伝子NOC8009G23
配列番号43で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて新脈管形成中に選択的に発現するものとして同定された(図36参照)。特定のデータが以下の表17に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号44)及びヒト相同体(配列番号46)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号45及び47に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz149及びsz150)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。第一の用量群において、sz149モルホリノの1.5ng及びsz150モルホリノの1.5ngは受精卵に投与された。第二の用量群において、sz149モルホリノの2ng及びsz150モルホリノの2ngは受精卵に投与された。第三の用量群において、sz149モルホリノの3ng及びsz150モルホリノの3ngは受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0101】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。第一の用量群からの胚を用いた研究では、プローブfli−1は、アッセイされた14個のモルファント胚のうち21%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査されたすべての16個のモルファントが正常であることを示した。プローブtie−1は、観察された22個のモルファントの36%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された15個のモルファントの13%が軸方向発現における破壊を伴う低い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての16個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての13個のモルファントが正常であることを示した。
【0102】
第二の用量群からの研究では、プローブfli−1は、アッセイされた15個のモルファント胚のうち13%が中程度の効果を有し、27%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された15個のモルファントのうち7%が低い効果を有し、7%が中程度の効果を有し、20%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された13個のモルファントの62%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された12個のモルファントの25%が高い効果を有し、いくつかのモルファントは軸方向発現における破壊を有することを示した。プローブflt−4は、観察された15個のモルファントの13%が軸方向脈管において低い効果を有し、軸方向発現における破壊及び重度に異常形成された尾を含むことを示した。プローブtie−2は、観察されたすべての8個のモルファントが正常であることを示した。
【0103】
以下の表18はこのデータをまとめる。
【0104】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図37は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、細胞死は、観察された20個の胚の40%で観察された。矢印の頭によって示されるように、卵黄嚢水腫はモルファントの55%で観察された。曲がった体はモルファントの40%で見られた。56hpfに、総数20個の胚は表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚は図38に示される。矢印によって示されるように、心臓周辺の水腫はモルファントの55%で観察された。矢印の頭は卵黄嚢水腫の方を示し、これはモルファントの55%で観察された。曲がった体は胚の30%で報告された。
【0105】
追加の分析は、48〜56hpfのモルファント胚で行われた。第一の用量群からの22個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、90%を正常として示した。減少した体節間発現及び曲がった体の胚の低い効果は胚の5%で見られ、極めて短い尾を有する高い効果は胚の5%で見られた。第三の用量群からの20個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、80%を正常として示した。減少した体節間発現の低い効果は胚の5%で見られ、中程度の効果は胚の15%で見られた。
【0106】
モルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図39参照)。25個の胚のうち、心臓、又は心臓及び頭にFITC−Dextranを有するものはなかった。減少した体節間脈管構造は、図39において矢印で示されるように胚の24%で見られた。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な体節間脈管の例においてサンプルの76%を占める正常な胚は、矢印の頭によって示される。
【0107】
遺伝子OJC8003C9
配列番号48で示される配列を有する遺伝子は、マイクロアレイデータに基づいて血管において選択的に発現するものとして同定された(図40参照)。特定のデータが以下の表19に与えられている。配列及び注釈データベースを利用して、マウスにおける同等の遺伝子(配列番号49)及びヒト相同体(配列番号51)も導出された。これらの配列によってコードされるタンパク質は、それぞれ配列番号50及び52に与えられる。
この発現プロファイルに基づいて、遺伝子はゼブラダニオ胚においてさらに分析された。一つの対応するゼブラダニオ遺伝子が標的化のために同定された。二つのモルホリノ(sz129及びsz130)が調製され、それぞれがゼブラダニオ遺伝子に対して標的化された。第一の用量群において、sz129モルホリノの3ng及びsz130モルホリノの4.5ngはそれぞれの受精卵に投与された。第二の用量群において、sz129モルホリノの4ng及びsz130モルホリノの6ngはそれぞれの受精卵に投与された。第三の用量群において、sz129モルホリノの6ng及びsz130モルホリノの8ngはそれぞれの受精卵に投与された。第四の用量群において、sz129モルホリノの6ng及びsz130モルホリノの9ngはそれぞれの受精卵に投与された。胚は、発達させられた。24hpfに、6つの異なるプローブを用いた二次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングが行われた。
【0108】
体節間発現がアッセイにおいて分析され、結果は、用いられたプローブに基づくと少し異なった。第二の用量群からの胚では、プローブfli−1は、アッセイされた10個のモルファント胚のうち20%が低い効果を有し、10%が中程度の効果を有し、10%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された9個のモルファントの11%が低い効果を有し、33%が中程度の効果を有し、11%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された9個のモルファントの22%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された7個のモルファントの14%が中程度の効果を有し、14%が高い効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての9個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての7個のモルファントが正常であることを示した。
【0109】
第三の用量群からの胚では、プローブfli−1は、アッセイされた10個のモルファント胚のうち10%が中程度の効果を有し、50%が高い効果を有することを明らかにした。プローブflk−1は、調査された12個のモルファントのうち25%が中程度の効果を有し、25%が高い効果を有することを示した。プローブtie−1は、観察された6個のモルファントの17%が低い効果を有し、50%が高い効果を有することを示した。プローブcdh5は、観察された5個のモルファントの40%が中程度の効果を有することを示した。プローブflt−4は、観察されたすべての9個のモルファントが正常であり、プローブtie−2は、観察されたすべての6個のモルファントが正常であることを示した。
【0110】
以下の表20はこのデータをまとめる。
【0111】
28hpfに、胚は形態学的に観察された。図41は、28hpfでの代表的なモルファント胚を示す。矢印によって示されるように、曲がった体は、観察された20個のモルファントの35%で見出された。56hpfに、総数20個の胚は表現型特性について観察され、代表的なモルファント胚は図42に示される。長い矢印によって示されるように、胚の60%は関連する膨張した菱脳室を伴う細胞死を有していた。卵黄嚢水腫は、短い矢印によって示されるように、胚の25%で観察された。矢印の頭は、卵黄嚢水腫を伴う心臓周辺の水腫の欠失を指摘する。
【0112】
追加の分析は、48〜56hpfのモルファント胚で行われた。第一の用量群からの19個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、すべてが正常であることを示した。第四の用量群からの10個のモルファントに対するcdh5での一次インシチューハイブリダイゼーションスクリーニングは、90%のみが正常であることを示し、残りの10%は曲がった尾を有する低い効果を示した。第三の用量群からの19個のモルファントに対する微小脈管障害は、胚の様々な領域におけるFITC−Dextranの存在を突きとめるために用いられた(図43参照)。19個の胚のうち、心臓にFITC−Dextranを有するものはなく、16%が心臓のみにFITC−Dextranを有していた。減少した体節間脈管構造は、胚の37%で見られた。漏れやすい脈管構造は観察されなかった。正常な胚は、サンプルの47%を占めた。
【0113】
インビボデータから確認される新規の用途
本発明は10個の遺伝子標的、及びそれに関連するタンパク質に関し、これらはマイクロアレイ評価によって脈管形成又は新脈管形成中に上向き調節されるものとして当初は同定され、続いてゼブラダニオ胚実験を用いてインビボで重大な役割を果たしていることが証明された。これらの遺伝子及びタンパク質は、新脈管形成に関連する状態に向けられた新規の方法及び治療の基礎を形成しうる。例えば、新脈管形成に関連する状態に罹患していると疑われる患者からの生物学的サンプルは、本発明の遺伝子又はタンパク質が患者中で正確な時間、位置及び強度で発現されるかどうかを確認するためにスクリーニングされることができる。かかるスクリーニング方法は特許請求の範囲に記載された発明の一部分を形成する。もし遺伝子及び/又はタンパク質が不適切に発現していると同定されるなら、遺伝子治療又は医薬の如きこの状態を矯正するための治療が、ここで記述される又は当該技術分野で公知の方法及び手順に従って開始されることができる。ここで記述したツールを用いて今や可能であるような特定のデータを用いれば、迅速な診断及び特異的な標的化された治療が可能である。
【0114】
想像される一つの種類のスクリーニング方法は、脈管形成又は新脈管形成に関連する状態を有する患者を検出するための遺伝子増幅に基づく。かかる方法は、状態を解明するためにPCR、インシチューハイブリダイゼーション及び/又はサザーンブロッティング技術を用いることができる。別の種類のスクリーニング方法は、定量的PCR、マイクロアレイ、ノーザンブロッティング又はインシチューハイブリダイゼーションの如き公知の技術を用いた遺伝子発現の評価に基づくことができる。用いることができるさらに別の種類のスクリーニング方法は、タンパク質の発現を測定又は監視するものであり、免疫組織化学、ウエスターンブロッティング、ELIZA又はFACSの如き技術を用いて行われることができる。
【0115】
もし、新脈管形成に関連する状態が本発明による遺伝子及び/又はタンパク質を含む化合物の投与によって改良されることができることが本発明の方法又は他の方法によって決定されるなら、一以上の遺伝子及び/又はタンパク質は当該技術分野では公知の方法によって一緒に又は逐次的に投与されることができる。
【0116】
本発明の単離された核酸分子又はタンパク質は、例えば標準的な直接ペプチド合成技術又は組み換え方法を用いる合成によって得ることができる。タンパク質は、電気泳動精製又はクロマトグラフィー技術の如き当業者には公知の様々な方法で単離又は精製されることができる。
【0117】
本発明の化合物の投与は、望ましい作用部位への化合物の送達を可能にするいかなる方法によっても行われることができる。これらの方法は、経口投与、十二指腸内投与、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、脈管内又は注入を含む)及び局所投与を含む。
【0118】
遺伝子治療アプローチは、本発明のヌクレオチドを細胞、一群の細胞又は生物中に導入するために用いられることができる。インビボ方法及びエクスビボ方法の両方が利用されることができる。ベクターは典型的にはこの手順で用いられる。非ウイルス性ベクター又はウイルスベクターが用いられることができ、これらは例えば組み換えアデノウイルス又はレトロウイルスであることができる。この用途によれば、望ましい遺伝子はDNAウイルス又はRNAウイルス中に導入され、その例は無毒性のレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シンドビスウイルス、センダイウイルス、SV40、及び免疫不全ウイルス(HIV)である。組み換えウイルスは次に標的細胞中に感染される。多数の遺伝子が単一のベクターに組み入れられることができ、又は代わりにそれらは同時に又は逐次的に別個のベクターにおいて標的細胞へと導入されることができる。これらの方法は当該技術分野では公知であり、多数の特許及び公報に記述されている。
【0119】
本発明によって予想される遺伝子発現又はタンパク質生産と干渉する別の手段は、小さな干渉性RNA(siRNA)を用いることである。siRNAは関心のある遺伝子、例えば配列番号2に対応するRNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む。siRNA分子は約19個のヌクレオチド及び3′末端での約2個のヌクレオチドのオーバーハングからなる。いくつかの好ましい方法は、19〜23個のヌクレオチド及び3′オーバーハングを含む。siRNAは公知の方法によって関心のある細胞(単数又は複数)に導入される。導入後、細胞(単数又は複数)は同じ配列を持つssRNAを破壊する。これは標的化された遺伝子の翻訳の減少又は妨害及びタンパク質生産の対応する減少又は妨害を生じる。
【0120】
投与される活性化合物の量は、治療される患者、障害又は状態の重篤度、投与の割合、及び化合物の性質を評価した後に決定されることができる。用量はすべてを一度に投与されることができるし、又は不連続の時間期間にわたって分散されることもできる。
【0121】
本発明の化合物は、単独の治療として適用されることができるし、又は一以上の他の活性な医薬剤を含むこともできる。組成物は、当該技術分野では公知の担体、アジュバント、緩衝液、又は賦形剤を含むことができる。もし望ましいのなら、組成物は香味剤、甘味剤、結合剤、染料、潤滑剤、香料、増粘剤、安定化剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、保存剤、及びpH調節剤の如き成分をさらに含むことができる。組成物はいかなる好適な形態であることもでき、例えば錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放性処方、溶液、懸濁剤、乳液、軟膏、又はクリームの形態であることができる。組成物は滅菌されていることができる。特定量の活性化合物を有する様々な医薬組成物の調製方法は公知であるか又は当業者には明らかである。記述されてきた本発明の医薬組成物は脈管形成治療及び新脈管形成治療を必要とするすべての疾患に適用されることができる。
【0122】
例えば、新脈管形成に関連する疾患の一つの治療方法は、虚血組織に脈管形成を起こさせるために用いられる本発明による組成物を含む。ある組織が望ましくない脈管閉塞からの虚血傷害に罹る危険性があるかどうかを決定するためには多くの方法がある。かかる方法は当該技術分野では周知であり、例えば心筋の疾患を評価するためのMRIの如き画像形成技術を含む。本発明の組成物をどこに及びいつ適用するかどうかを決定した後、組成物は脈管閉塞に罹る危険性がある組織における脈管形成を増大させるために投与されることができる。これは、かかる組織において虚血を防止及び/又は緩和する効果的な手段であることができる。虚血が緩和された度合いを評価して測定するための方法は当該技術分野では公知である。
【0123】
本発明によるさらなる治療方法は、患者の心臓の機能及び虚血の度合いを可視化、測定及び/又は評価するいかなる公知技術の使用も含む。かかる評価は治療開始に先立って、治療中に、治療が完了した後に、又はいくつかのもしくは全ての段階でなされることができる。かかる技術の例は心エコー検査、心脈管核画像法、磁気共鳴画像法、及び対比血管造影法を含む。
【0124】
本発明は脈管形成及び新脈管形成の理解、及びこれらに関連する状態の治療に向かって進んでいるが、これらの状態をさらに理解することに対する必要性が当該技術分野ではなお存在する。それ故、本発明は、分析及び実験のために用いられることができる非ヒトトランスジェニック動物の作成及び使用をさらに予想する。それ故、ここに記述される遺伝子に対応する突然変異、ノックアウト又は改変遺伝子を含むトランスジェニック動物も本発明に含まれる。トランスジェニック動物は、組み換え、外来性又はクローニングされた遺伝子材料が実験的に移入されている遺伝的に改変された動物である。かかる遺伝子材料は導入遺伝子としばしば称される。導入遺伝子の核酸配列は、特定の核酸配列が正常状態では見出されないゲノムの遺伝子座に、又は導入遺伝子のための通常の遺伝子座に組み入れられることができる。導入遺伝子は標的動物の種と同じ種のゲノム又は標的動物の種とは異なる種のゲノムから由来する核酸配列からなることができる。
【0125】
トランスジェニック動物は、当該技術分野では公知のようなトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、胚性幹細胞における遺伝子標的化及び組み換えウイルス及びレトロウイルス感染を含む様々な異なる方法によって作成されることができる。組み換えコンピーテント哺乳類細胞中への核酸フラグメントの導入方法は、多数の核酸分子の共形質転換に好都合であるいかなる方法であることもできる。トランスジェニック動物を作成するための詳細な手順は当業者に利用可能であり、例えば米国特許第5489743号及び第5602307号が挙げられる。
【0126】
トランスジェニック技術は、上述の10個の遺伝子の一以上を欠失している動物を作成するために用いられることができる。かかるノックアウト動物は、欠失された遺伝子のタイミング及び機能を解明するために、野生型又はコントロールの動物からのデータに対してそれらの成長及び発育が測定される時に特に使用されることができる。さらに、これらの動物は新脈管形成に関連する疾患状態を示すように改変されることができ、かくして選択された疾患の進行における特定の遺伝子の役割の理解をさらに進めることができる。この知識は、技術の進歩をもたらし、疾患の予防、管理及び治療のための新規の治療方法を保証することに導く。
【0127】
本発明によるトランスジェニック動物のさらなる使用は、研究生物における上述の同定された遺伝子の一以上をこの遺伝子のヒト相同体で置換することを含む。例えば、配列番号7に相当する遺伝子がそのヒト相同体である配列番号9で置換されたトランスジェニックマウスである。効果的な薬物治療への研究は動物モデルで行われることができるということは受け入れられているが、かかるトランスジェニックマウスは、ヒトでの使用のための潜在的な医薬候補への一層効果的なスクリーニングツールであることができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】胚の脳内皮細胞部分に対して胚の脳のとり残された部分を比較した場合、及び成体の脳内皮細胞部分に対して成体の脳のとり残された部分を比較した場合の、cDNAライブラリーにおける遺伝子のlog2発現比での比−比プロットを示す。
【図2】胚の脳、心臓、及び皮膚内皮細胞に対してとり残された胚の部分及びすべての成体内皮細胞及びとり残された部分を比較した場合の、cDNAライブラリーにおける遺伝子の平均強度対log2発現比での比−強度プロットを示す。
【図3】遺伝子OJC8009J7についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図4】28hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
【図5】28hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
【図6】56hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
【図7】56hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
【図8】48−56hpfでの野生型ゼブラダニオ胚を示す。
【図9】48−56hpfでのOJC8009J7モルファント胚を示す。
【図10】遺伝子HUP8001K17についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図11】28hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
【図12】56hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
【図13】48−56hpfでのHUP8001K17モルファント胚を示す。
【図14】遺伝子HUP8001K21についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図15】28hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
【図16】56hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
【図17】48−56hpfでのHUP8001K21モルファント胚を示す。
【図18】遺伝子HUP8003D24についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図19】48−56hpfでのHUP8003D24モルファント胚を示す。
【図20】遺伝子HUP8004N1についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図21】28hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
【図22】56hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
【図23】48−56hpfでのHUP8004N1モルファント胚を示す。
【図24】遺伝子HUP8010A10についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図25】28hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
【図26】56hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
【図27】48−56hpfでのHUP8010A10モルファント胚を示す。
【図28】遺伝子NOC8003L17についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図29】28hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
【図30】56hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
【図31】48−56hpfでのNOC8003L17モルファント胚を示す。
【図32】遺伝子NOC8009C9についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図33】28hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
【図34】56hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
【図35】48−56hpfでのNOC8009C9モルファント胚を示す。
【図36】遺伝子NOC8009G23についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図37】28hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
【図38】56hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
【図39】48−56hpfでのNOC8009G23モルファント胚を示す。
【図40】遺伝子OJC8003C9についてのマイクロアレイデータを模式的に記述する。
【図41】28hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
【図42】56hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
【図43】48−56hpfでのOJC8003C9モルファント胚を示す。
【配列表フリーテキスト】
【0129】
配列番号11,23及び33中、nはa、c、g又はtである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の単離された核酸分子、又はその断片もしくは類似体であって、脈管形成、新脈管形成、脈管の透過性、内皮細胞の増殖、内皮細胞の分化、内皮細胞の移動、及び内皮細胞の生存からなる群から選択される少なくとも一つの生物学的活性を刺激するか又は阻害する能力を有する単離された核酸分子又はその断片又は類似体、又はストリンジェントな条件下で上述の配列のいずれか一つとハイブリダイズする単離された核酸分子。
【請求項2】
ストリンジェントな条件下で請求項1に記載の核酸分子の相補物にハイブリダイズする単離された核酸分子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の単離された核酸分子に標的化された単離されたsiRNA分子であって、少なくとも19塩基対の長さである単離されたsiRNA分子。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の核酸を含む発現ベクターであって、所望により核酸が前記核酸によってコードされるポリペプチドの発現を制御する調節核酸と操作可能なように結合されることができる発現ベクター。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の核酸を含むように遺伝的に改変された宿主細胞。
【請求項6】
請求項4に記載の発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
【請求項7】
請求項4に記載の発現ベクターを細胞、一群の細胞又は生物に投与する工程を含む、細胞、一群の細胞又は生物における新脈管形成に関連した状態を治療する方法。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の核酸に対して特異的な反応性を有する抗体であって、前記抗体は好ましくはポリクローナル又はモノクローナルのものであることができ、前記抗体は蛍光ラベルの如き検出可能なラベルをさらに含むことができる抗体。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の核酸を含む導入遺伝子を含むように遺伝的に改変されたトランスジェニックの非ヒト動物であって、好ましくは前記導入遺伝子は発現されることができるトランスジェニックの非ヒト動物。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の核酸配列を含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項10に記載の医薬組成物を細胞、一群の細胞又は生物に投与する工程を含む、細胞、一群の細胞又は生物における脈管形成又は新脈管形成に影響を与える方法であって、前記影響を与えることは好ましくは増加又は減少を生じることができ、より好ましくは細胞、一群の細胞又は生物は新脈管形成に関連する障害を有し、前記新脈管形成に関連する障害は例えば癌、網膜症、黄斑変性、角膜の潰瘍、脳卒中、虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、ルベオーシス、増殖性硝子体網膜症、慢性炎症、炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎である方法。
【請求項12】
配列番号3,5,8,10,13,15,18,20,22,25,27,30,32,35,37,40,42,45,47,50及び52のいずれか一つに記載のアミノ酸配列に実質的に相当するアミノ酸の配列を含む単離されたポリペプチド、又はその断片もしくは類似体であって、細胞、一群の細胞又は生物における新脈管形成に影響を与える能力を有するポリペプチド。
【請求項13】
請求項12に記載のポリペプチドを発現するように遺伝的に改変された宿主細胞。
【請求項14】
請求項12に記載のポリペプチドに対して特異的な反応性を有する抗体であって、前記抗体は好ましくはポリクローナル又はモノクローナルのものであることができ、前記抗体は蛍光ラベルの如き検出可能なラベルをさらに含むことができる抗体。
【請求項15】
請求項12に記載のポリペプチドをコードする核酸を含む導入遺伝子を含むように遺伝的に改変されたトランスジェニックの非ヒト動物であって、好ましくは前記導入遺伝子は発現されることができるトランスジェニックの非ヒト動物。
【請求項16】
請求項12に記載の単離されたポリペプチドを含む医薬組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の医薬組成物を細胞、一群の細胞又は生物に投与する工程を含む、細胞、一群の細胞又は生物における脈管形成又は新脈管形成に影響を与える方法であって、前記影響を与えることは好ましくは増加又は減少を生じることができ、より好ましくは細胞、一群の細胞又は生物は新脈管形成に関連する障害を有し、前記新脈管形成に関連する障害は例えば癌、網膜症、黄斑変性、角膜の潰瘍、脳卒中、虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、ルベオーシス、増殖性硝子体網膜症、慢性炎症、炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎である方法。
【請求項18】
患者の細胞中の新脈管形成に関連する転写物を検出する方法であって、前記方法が、配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドと患者からの生物学的サンプルを接触させることを含み、前記新脈管形成に関連する転写物はハイブリダイゼーションが検出される場所で検出され、好ましくは前記ポリヌクレオチドは配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列を含み、好ましくは前記生物学的サンプルは組織サンプルであるか又はmRNAの如き単離された核酸からなり、好ましくは前記核酸は生物学的サンプルをポリヌクレオチドと接触させる工程に先立って増幅され、好ましくはポリヌクレオチドは固体表面上に固定される方法。
【請求項19】
脊椎動物において新脈管形成及び脈管形成から選択される少なくとも一つの生物学的活性に影響を与える方法であって、前記方法が、請求項1又は12に記載のヌクレオチド又はポリペプチドの新脈管形成又は脈管形成に影響を与えるのに効果的な量を前記生物に投与する工程を含み、前記生物は好ましくはマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、サル及びヒトの如き哺乳動物であり、脈管形成又は新脈管形成は好ましくは高められ、増大され、阻害され、又は減少され、前記生物は好ましくは新脈管形成に関連する障害を有し、前記新脈管形成に関連する障害は例えば癌、網膜症、黄斑変性、角膜の潰瘍、脳卒中、虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、ルベオーシス、増殖性硝子体網膜症、慢性炎症、炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎である方法。
【請求項20】
配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列の発現が上向き調節されるか、下向き調節されるか、又は不存在である、一以上の細胞を含む新脈管形成が増大された又は減少されたトランスジェニックの実験用動物。
【請求項1】
配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の単離された核酸分子、又はその断片もしくは類似体であって、脈管形成、新脈管形成、脈管の透過性、内皮細胞の増殖、内皮細胞の分化、内皮細胞の移動、及び内皮細胞の生存からなる群から選択される少なくとも一つの生物学的活性を刺激するか又は阻害する能力を有する単離された核酸分子又はその断片又は類似体、又はストリンジェントな条件下で上述の配列のいずれか一つとハイブリダイズする単離された核酸分子。
【請求項2】
ストリンジェントな条件下で請求項1に記載の核酸分子の相補物にハイブリダイズする単離された核酸分子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の単離された核酸分子に標的化された単離されたsiRNA分子であって、少なくとも19塩基対の長さである単離されたsiRNA分子。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の核酸を含む発現ベクターであって、所望により核酸が前記核酸によってコードされるポリペプチドの発現を制御する調節核酸と操作可能なように結合されることができる発現ベクター。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の核酸を含むように遺伝的に改変された宿主細胞。
【請求項6】
請求項4に記載の発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
【請求項7】
請求項4に記載の発現ベクターを細胞、一群の細胞又は生物に投与する工程を含む、細胞、一群の細胞又は生物における新脈管形成に関連した状態を治療する方法。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の核酸に対して特異的な反応性を有する抗体であって、前記抗体は好ましくはポリクローナル又はモノクローナルのものであることができ、前記抗体は蛍光ラベルの如き検出可能なラベルをさらに含むことができる抗体。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の核酸を含む導入遺伝子を含むように遺伝的に改変されたトランスジェニックの非ヒト動物であって、好ましくは前記導入遺伝子は発現されることができるトランスジェニックの非ヒト動物。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の核酸配列を含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項10に記載の医薬組成物を細胞、一群の細胞又は生物に投与する工程を含む、細胞、一群の細胞又は生物における脈管形成又は新脈管形成に影響を与える方法であって、前記影響を与えることは好ましくは増加又は減少を生じることができ、より好ましくは細胞、一群の細胞又は生物は新脈管形成に関連する障害を有し、前記新脈管形成に関連する障害は例えば癌、網膜症、黄斑変性、角膜の潰瘍、脳卒中、虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、ルベオーシス、増殖性硝子体網膜症、慢性炎症、炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎である方法。
【請求項12】
配列番号3,5,8,10,13,15,18,20,22,25,27,30,32,35,37,40,42,45,47,50及び52のいずれか一つに記載のアミノ酸配列に実質的に相当するアミノ酸の配列を含む単離されたポリペプチド、又はその断片もしくは類似体であって、細胞、一群の細胞又は生物における新脈管形成に影響を与える能力を有するポリペプチド。
【請求項13】
請求項12に記載のポリペプチドを発現するように遺伝的に改変された宿主細胞。
【請求項14】
請求項12に記載のポリペプチドに対して特異的な反応性を有する抗体であって、前記抗体は好ましくはポリクローナル又はモノクローナルのものであることができ、前記抗体は蛍光ラベルの如き検出可能なラベルをさらに含むことができる抗体。
【請求項15】
請求項12に記載のポリペプチドをコードする核酸を含む導入遺伝子を含むように遺伝的に改変されたトランスジェニックの非ヒト動物であって、好ましくは前記導入遺伝子は発現されることができるトランスジェニックの非ヒト動物。
【請求項16】
請求項12に記載の単離されたポリペプチドを含む医薬組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の医薬組成物を細胞、一群の細胞又は生物に投与する工程を含む、細胞、一群の細胞又は生物における脈管形成又は新脈管形成に影響を与える方法であって、前記影響を与えることは好ましくは増加又は減少を生じることができ、より好ましくは細胞、一群の細胞又は生物は新脈管形成に関連する障害を有し、前記新脈管形成に関連する障害は例えば癌、網膜症、黄斑変性、角膜の潰瘍、脳卒中、虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、ルベオーシス、増殖性硝子体網膜症、慢性炎症、炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎である方法。
【請求項18】
患者の細胞中の新脈管形成に関連する転写物を検出する方法であって、前記方法が、配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドと患者からの生物学的サンプルを接触させることを含み、前記新脈管形成に関連する転写物はハイブリダイゼーションが検出される場所で検出され、好ましくは前記ポリヌクレオチドは配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列を含み、好ましくは前記生物学的サンプルは組織サンプルであるか又はmRNAの如き単離された核酸からなり、好ましくは前記核酸は生物学的サンプルをポリヌクレオチドと接触させる工程に先立って増幅され、好ましくはポリヌクレオチドは固体表面上に固定される方法。
【請求項19】
脊椎動物において新脈管形成及び脈管形成から選択される少なくとも一つの生物学的活性に影響を与える方法であって、前記方法が、請求項1又は12に記載のヌクレオチド又はポリペプチドの新脈管形成又は脈管形成に影響を与えるのに効果的な量を前記生物に投与する工程を含み、前記生物は好ましくはマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、サル及びヒトの如き哺乳動物であり、脈管形成又は新脈管形成は好ましくは高められ、増大され、阻害され、又は減少され、前記生物は好ましくは新脈管形成に関連する障害を有し、前記新脈管形成に関連する障害は例えば癌、網膜症、黄斑変性、角膜の潰瘍、脳卒中、虚血性心臓疾患、不妊症、潰瘍、強皮症、創傷治癒、虚血、心筋梗塞、心筋症、狭心症、不安定なアンギナ、冠動脈硬化症、動脈硬化閉塞、ベルガー病、動脈塞栓症、動脈血栓症、脳血管性閉塞、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、ルベオーシス、増殖性硝子体網膜症、慢性炎症、炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、及びリウマチ性関節炎である方法。
【請求項20】
配列番号2,4,7,9,12,14,17,19,21,24,26,29,31,34,36,39,41,44,46,49及び51のいずれか一つに記載の配列の発現が上向き調節されるか、下向き調節されるか、又は不存在である、一以上の細胞を含む新脈管形成が増大された又は減少されたトランスジェニックの実験用動物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【公表番号】特表2007−512835(P2007−512835A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542541(P2006−542541)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001814
【国際公開番号】WO2005/054426
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(503053413)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001814
【国際公開番号】WO2005/054426
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(503053413)
【Fターム(参考)】
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