説明

新規な縮合N−ピラジニル−スルホンアミドおよびケモカイン介在疾患の処置におけるそれらの使用

本発明は、式(I):
【化1】


の新規な縮合N−ピラジニル−スルホンアミドおよびケモカイン介在疾患の処置におけるそれらの使用を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホンアミド化合物、それらの製造における方法および中間体、それらを含有する医薬組成物ならびに治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ケモカインは、喘息およびアレルギー疾患、ならびにリウマチ性関節炎およびアテローム性動脈硬化症のような自己免疫性病因を含む種々の疾患および障害における免疫のおよび炎症の応答に重要な役割を果たしている。これら小さい分泌性分子は、保存された四つのシステインモチーフを特徴とする8〜14kDaのタンパク質の成長しつつあるスーパーファミリーである。現在では、ケモカインスーパーファミリーは、特色的な構造モチーフ、Cys−X−Cys(C−X−C)の、Cys−Cys(C−C)のおよびCys−X−Cys(C−X−C)のファミリーを呈示する三つのグループを含む。C−X−CのおよびC−Cのファミリーは、配列類似性を有して、NH末端近傍の一対のシステイン残基の間に単一のアミノ酸挿入に基づいてお互いから区別される。C−X−Cのファミリーは、NH末端近傍の一対のシステイン残基の間に三重のアミノ酸挿入を有することに基づいて他の二つのファミリーから区別される。
C−X−Cケモカインは、幾つかの強力な化学誘引物質ならびにインターロイキン−8(IL−8)および好中球の活性化ペプチド2(NAP−2)のような好中球の活性化因子を含む。
【0003】
C−Cケモカインは、単球およびリンパ球に対するが好中球にはそうでない強力な化学誘引物質を含む。例には、ヒト単球走化性タンパク質1〜3(MCP−1、MCP−2およびMCP−3)、RANTES(活性化時調節性、正常T細胞発現および分泌)、エオタキシンならびにマクロファージ炎症性タンパク質1αおよび1β(MIP−1αおよびMIP−1β)、胸腺および活性化調節性ケモカイン(TARC、CCL17)ならびにマクロファージ由来ケモカイン(MDC、CCL22)が含まれる。C−X−Cケモカイン(フラクタルキンとしても知られる)は、中枢神経系(CNS)ならびに単球、T細胞、NK細胞および肥満細胞における小膠細胞の強力な化学誘引物質ならびに活性化因子である。
【0004】
研究は、ケモカインの作用が、その中にCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cのファミリーについて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cのファミリーについて)ならびにCXCR1(C−X−Cのファミリーについて)と呼称される受容体である、G−タンパク質結合受容体のサブファミリーが介在することを立証した。これらの受容体を調整する薬剤は上述のもののような障害および疾患の処置に有用であろうため、これらの受容体は薬物開発の良好な標的を表す。
【0005】
米国特許5,962,490は、エンドセリン介在疾患を処置するのに有用と言われるスルホンアミド化合物の系列を開示している。ピラジンのもしくはキノキサリンのスルホンアミドの特定の開示はなく、ケモカイン介在疾患の言及もない。
【発明の開示】
【0006】
それ故に、本発明は、式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはN−オキシドを提供する:
【化1】

[式中、
Aは、チエニルもしくはフェニル環であり;
X基は、独立してNもしくはCRであり;
、RおよびRは、独立して水素、ハロゲン、シアノ、CF、OCF、OC1〜6アルキルもしくはC1〜6アルキルであり;
は、ハロゲン、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る)、C3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれはヒドロキシもしくはNRで所望により置換され得る)、OC1〜6アルキルRであり;
は、独立して水素、C1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子、SO、SONR、シアノ、ハロゲン、CO、CONRで置換され得る);(CH)NR、(CH)OH、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得る)であり;
およびRは、独立して水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルもしくは(CH)OHであるか、
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ所望によりC1〜6アルキル、C1〜6アルキル−OH、もしくはヒドロキシにより置換される4〜8員環の飽和環を形成して;
はアリール基であるか、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員環の芳香族複素環であり、それぞれは、所望によりハロゲン、C(O)NR、C(O)OR、ヒドロキシ、=O、=S、CN、NO、NR、X(CH)NR、(CH)NR、(CH)OHから選択される1〜3個の基により置換され得て;
は、独立して水素またはC1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得るかもしくは飽和の3〜6員環を形成し得る)であり;
Yは、OもしくはSであり;
nは、1、2、3、4もしくは5であり;そして
qは、2、3、4、5もしくは6である;
ただし、以下の化合物を除外する:
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド;
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド;
N−[3−(2−フリルメトキシ)キノキサリン−2−イル]チオフェン−2−スルホンアミド;
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(3−クロロキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;および
N−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド]。
【0007】
アリールという用語はフェニルおよびナフチルを含む。アルキルという用語は、単独でもしくは他の基の部分として、直鎖のおよび枝分れの鎖のアルキル基を含む。1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員環の芳香族複素環の例には、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルが含まれる。
【0008】
1〜3個のヘテロ原子を含有する飽和の4〜8員環の例には、モルホリン、ピペリジンおよびアゼチジンが含まれる。所望の環上の置換基は、窒素原子上の適当な置換基を含む所望の適当な環の位置に存在し得る。
【0009】
式(I)の特定の化合物は、立体異性体の形態で存在し得る。本発明が、式(I)の化合物の全ての幾何および光学異性体ならびにラセミ化合物を含むそれらの混合物を包含することは理解されるであろう。互変異性体およびそれらの混合物はまた、本発明の態様を形成する。
【0010】
Aがチエニルであるときには、好ましくは、チエニル部分は、チオフェン環の2−位置においてスルホンアミドに結合する。好ましくはAは、上で規定されるように所望により置換されるフェニルである。
【0011】
X基が窒素であるときには、3個以上のX基は窒素であり得ない。好ましくは、全てのX基はCRであるかもしくは三つがCRであって、他は窒素である。好ましくは、Rは水素、メトキシ、クロロ、もしくはブロモである。Rがメトキシ、クロロ、もしくはブロモであるときには、一つもしくは二つのR基がメトキシ、クロロ、もしくはブロモであって、他は水素であることが好ましい。
【0012】
、RおよびRについて好ましいハロゲン基はクロロもしくはブロモである。好ましくは、R、RおよびRはハロゲンもしくはC1〜6アルキル、特にメチルである。さらに好ましくは、R、RおよびRの二つがクロロであるかもしくは一つがメチルである。
【0013】
本発明の実施態様において、式(I)の化合物がN−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドで無いという条件で、Rは、ハロゲン、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る)、またはC3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれは所望によりヒドロキシもしくはNRで置換され得る)である。
【0014】
本発明のもう一つの実施態様において、RがOC1〜6アルキルRであって、それぞれのX基がCHを表わして、Aはフェニルであり、そしてR、RおよびRが全て水素であるかまたはR、RおよびRの二つが水素であって、他はC1〜3アルキル、メトキシ、ハロゲンもしくはシアノであるときには、Rは非置換フェニル、非置換ピリジル、非置換チエニル、非置換ピラゾリルもしくは3,5−ジメチル−ピラゾリル基では無くて;Rがハロゲンであるときには、式(I)の化合物はN−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドでは無い。
について好ましい基は、メトキシおよびエトキシのようなC1〜6アルコキシを含む。最も好ましくは、Rがメトキシである。
【0015】
式(I)の好ましい化合物には、
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3,7−ジメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3,6,7−トリメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(6,7−ジクロロ−3−メトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(7−ブロモ−3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド;
N−(7−ブロモ−2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[3,4−b]ピラジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
ならびにそれらの薬学的に許容される塩および溶媒和物が含まれる。
【0016】
本発明にしたがって、また、式(II):
【化2】

[式中、RおよびXは式(I)で規定される通りであるかもしくはそれらの保護誘導体である]の化合物の式(III):
【化3】

[式中、R、RおよびRは、式(I)で規定される通りであるかもしくはそれらの保護誘導体であって、LGは脱離基である]の化合物との反応、
および所望によりその後
・保護基を除去すること、
・式(I)の化合物を式(I)の更なる化合物へ変換すること
・薬学的に許容される塩を形成すること
を含む、式(I)の化合物の製造方法が提供される。
【0017】
好ましい脱離基LGは、クロロのようなハロゲンを含む。好ましくは、化合物(II)の(III)との反応は、化合物(II)を水素化ナトリウムもしくはカリウムtert−ブトキシドのような塩基と1,2−ジメトキシエタンもしくはテトラヒドロフランのような適当な溶媒の中で処理することにより行われる。
【0018】
式(I)の化合物はまた、式(IV):
【化4】

[式中、LGは脱離基(塩素もしくは臭素のような)である]の化合物を式(V):
【化5】

[式中、R10は、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る);C3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれはヒドロキシもしくはNRで所望により置換され得る);OC1〜6アルキルR、またはOC2〜6アルキル−Y−R[式中、R、RおよびRは、式(I)および(II)で規定される通りである]の化合物で、適当な溶媒(1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミドもしくはテトラヒドロフランのような)の中で、水素化ナトリウムもしくはカリウムtert−ブトキシドのような適当な塩基と共に、25℃〜60℃のような適当な温度において処理することにより製造され得る。
【0019】
本発明にしたがって、また、式(VI):
【化6】

[式中、RおよびXは、式(I)で規定される通りであるかもしくはそれらの保護誘導体である]の化合物の式(VII):
【化7】

[式中、R、RおよびRは、式(I)で規定される通りであるかもしくはそれらの保護誘導体であって、LGは脱離基である]の化合物と、適当な溶媒(アセトニトリル、もしくはN,N−ジメチルホルムアミドのような)の中で、炭酸セシウムもしくは炭酸カリウムのような適当な塩基と共に、25℃〜80℃のような適当な温度においての反応を含む、式(I)の化合物の製造方法が提供される。
【0020】
式(II):
【化8】

の化合物を、式(VIII):
【化9】

(式中、LGは、塩素もしくは臭素のような適当な脱離基である)の化合物を取って、それをアンモニア、一般的に濃水溶液と、密封反応容器の中で100〜150℃の間、理想的には110℃〜130℃の間の温度において反応させて、化合物(IX):
【化10】

を得ることによって製造することができる。
【0021】
次いで、生じた化合物を式(V)の化合物と、ジメトキシエタンもしくはN,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒の中で、水素化ナトリウムのような適当な塩基と共に、20〜70℃、理想的には50〜60℃のような温度において処理して、式(II)の化合物を得ることができる。
【0022】
式(VIII)の化合物は、文献で公知であるかもしくは式(X):
【化11】

の化合物から、オキシ塩化リンのような適当な塩素化剤との、100〜120℃のような適当な温度においての反応により製造され得るかのいずれかである。
【0023】
式(X)の化合物は、式(XI):
【化12】

の化合物を、例えばシュウ酸ジエチルのような化合物と、150〜180℃のような温度において反応させることにより製造され得る。
【0024】
式(III):
【化13】

の化合物は、標準的な文献方法もしくはそれらの方法の簡単な修飾により当業者によって製造され得るかまたは市販で入手可能である。
【0025】
式(I)の化合物はまた、式(XII):
【化14】

(式中、LGは以前に規定した通りである)の化合物を取って、それを式(VII)の化合物と、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノンもしくはアセトニトリルのような適当な溶媒の中で、炭酸カリウムもしくは炭酸セシウムのような適当な塩基と共に50〜100℃のような適当な温度において反応させることにより製造され得る。
【0026】
式(XII)の化合物は、式(VIII)の化合物を取って、それを式(V)の化合物と、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、テトラヒドロフランもしくはジメトキシエタンのような適当な溶媒の中で、カリウムtert−ブトキシドもしくは水素化ナトリウムのような適当な塩基と共に、50〜100℃のような適当な温度において反応させることにより製造され得る。
【0027】
本発明の方法において、出発試薬もしくは中間化合物におけるヒドロキシルもしくはアミノ基のような特定の官能基が、保護基により保護される必要があり得ることは、当業者により認識されるであろう。かくして、式(I)の化合物の製造は、適切な段階において、一つもしくはそれ以上の保護基の除去を伴う。官能基の保護および脱保護は、「‘有機化学における保護基’」('Protective Groups in Organic Synthesis')、edited by J. W. F. McOmie, Plenum Press (1973)、および「‘有機合成における保護基’、第2版」('Protective Groups in Organic Synthesis', 2nd edition)、T.W. Greene & P.G.M. Wutz, Wiley-Interscience (1991)の中で完全に記述されている。
【0028】
上の式(I)の化合物は、それらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、好ましくは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン、トロメタミンもしくはプロカインのような塩基付加塩、または塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩のような酸付加塩に変換され得る。
【0029】
式(I)の化合物は、医薬品としての、特にケモカイン受容体(特にCCR4)活性のモジュレーターとしての活性を有して、ケモカインの過剰のもしくは無調整の生産により悪化されるかもしくは引き起こされる、ヒトおよびヒトでない動物における状態/疾患の処置(治療的なもしくは予防的な)に使用され得る。そのような状態/疾患の例として、以下のものが含まれる:
(1)(気道)慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息および塵埃喘息、特に慢性もしくは難治性喘息(例えば遅発型喘息もしくは気道過敏症)のような喘息;気管支炎;急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、および乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎および薬物性鼻炎を含む慢性鼻炎;クループ性、フィブリン性および偽膜性鼻炎を含む膜性鼻炎、ならびに腺病性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)および血管運動神経性鼻炎を含む季節性鼻炎;類肉腫症、農夫肺および関連疾患、肺線維症ならびに特発性間質性肺炎を含む閉塞性気道疾患;
(2)(骨および関節)痛風、リウマチ性関節症、血清陰性脊椎関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎およびライター病を含む)、ベーチェット病、シェーグレン症候群ならびに全身性硬化症;
(3)(皮膚)掻痒症、強皮症、耳炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎および他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水胞性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、皮膚脈管炎、血管炎、紅斑、皮膚好酸球増多症、ブドウ膜炎、円形脱毛症ならびに春季結膜炎、狼瘡;
(4)(消化管)セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎および腸炎のような炎症性腸疾患、腸より離れて作用を有する食物関連性アレルギー、例えば偏頭痛、鼻炎および湿疹;
(5)(中枢のおよび末梢の神経系)神経変性疾患および痴呆性障害、例えばアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および他の運動神経疾患、クロイツフェルトヤコブ病および他のプリオン病、HIV脳症(エイズ痴呆複合症)、ハンチントン病、前頭側頭痴呆、レヴィー小体痴呆および血管性痴呆;多発性神経障害、例えばギヤン−バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、多巣性運動ニューロパシー、神経叢障害;中枢神経脱髄、例えば多発性硬化症、急性散在性/出血性脳脊髄炎、および亜急性硬化性全脳炎;神経筋障害、例えば重症筋無力症およびランバート−イートン症候群;脊髄の障害、例えば熱帯性痙性不全対麻痺症、およびスチッフマン症候群;腫瘍随伴症候群、例えば小脳変性症および脳脊髄炎;中枢神経外傷;偏頭痛;脳卒中ならびに髄膜炎のようなコレクタム病(correctum diseases);
(6)(他の組織および全身性疾患)肝炎、血管炎、強直性脊椎関節炎、膣炎、糸球体腎炎、筋炎、アテローム性動脈硬化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、紅斑性狼瘡、全身性狼瘡、エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、らい腫のハンセン病、および特発性血小板減少性紫斑病;術後癒着ならびに敗血症;
(7)(同種移植および異種移植拒絶反応)例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺臓、骨髄、皮膚および網膜の移植後の、急性ならびに慢性拒絶反応;ならびに慢性移植片対宿主病;
(8)膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、胃、頚部、甲状腺および皮膚のそれを含む、がん、がん腫および腫瘍転移、特に非小細胞肺がん(NSCLC)、悪性黒色腫、前立腺がんおよび扁平上皮がん、急性リンパ性白血病、B細胞性リンパ腫およびバーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病を含む、リンパ系の造血器腫瘍。急性のおよび慢性の骨髄性白血病ならびに前骨髄球性白血病を含む、骨髄細胞系列の造血器腫瘍。線維肉腫および横紋筋肉腫を含む、間葉細胞起源の腫瘍、ならびに黒色腫、精上皮腫、奇形腫、神経芽細胞腫および神経膠腫を含む、他の腫瘍;
(9)免疫系の全体的な不均衡より生じて、アトピー性炎症反応の増悪をもたらす全ての疾患;
(10)嚢胞性線維症、心臓、脳、四肢および他の器官の中の再潅流傷害;
(11)熱傷および慢性皮膚潰瘍;
(12)生殖疾患(例えば、排卵、月経および着床異常、早産、子宮内膜症);
(13)血栓症;
(14)HIV感染症および他のウイルス感染症、細菌感染症のような感染性疾患。
【0030】
かくして、本発明は、治療における使用のための、これ以前に規定される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
好ましくは、本発明の化合物は、ケモカイン受容体がCCケモカイン受容体サブファミリーに属する、さらに好ましくは標的ケモカイン受容体がCCR4受容体である疾患を処置するために使用される。
【0031】
本発明の化合物で処置され得る特定の状態は、喘息、鼻炎および炎症性皮膚疾患、TARC、MDCもしくはCCR4レベルが上昇する疾患である。本発明の化合物は喘息および鼻炎、特に喘息を処置するために使用されることが望ましい。
【0032】
さらなる態様では、本発明は、治療における使用のための医薬品の製造における、これ以前に規定される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
【0033】
まださらなる態様では、本発明は、ケモカイン受容体活性、特にCCR4活性の調整が有益であるヒトの疾患もしくは状態の処置のための医薬品の製造における、これ以前に規定される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
【0034】
本明細書の文脈では、用語“治療”はまた、これと逆の特別な指示が無ければ、“予防”を含む。用語“治療的な”および“治療的に”はそれに応じて解釈されるべきである。
【0035】
本発明はまださらに、ケモカインがケモカイン(特にCCR4)受容体に結合する、ケモカイン介在疾患を処置する方法を提供し、それは、式(IA)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでいる:
【化15】

[式中、
Aは、チエニルもしくはフェニル環であり;
X基は、独立してNもしくはCRであり;
、RおよびRは、独立して水素、ハロゲン、シアノ、CF、OCF、OC1〜6アルキルもしくはC1〜6アルキルであり;
は、ハロゲン、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る)、C3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれは所望によりヒドロキシもしくはNRで置換され得る)、OC1〜6アルキルRであり;
は、独立して水素、C1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子、SO、SONR、シアノ、ハロゲン、CO、CONRで置換され得る);(CH)NR、(CH)OH、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得る)であり;
およびRは、独立して水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルもしくは(CH)OHであるか、
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ所望によりC1〜6アルキル、C1〜6アルキル−OH、もしくはヒドロキシにより置換される4〜8員環の飽和環を形成して;
はアリール基であるか、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員環の芳香族複素環であり、それぞれは、所望によりハロゲン、C(O)NR、C(O)OR、ヒドロキシ、=O、=S、CN、NO、NR、X(CH)NR、(CH)NR、(CH)OHから選択される1〜3個の基により置換され得て;
は、独立して水素またはC1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得るかもしくは飽和の3〜6員環を形成し得る)であり;
Yは、OもしくはSであり;
nは、1、2、3、4もしくは5であり;そして
qは、2、3、4、5もしくは6である]。
【0036】
本発明はまた、喘息および鼻炎、特に喘息のような呼吸器疾患を、当該疾患を患うかもしくはその危険がある患者において、処置する方法を提供して、それは、これ以前に規定される式(IA)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでいる。
【0037】
上述の治療的な使用について、投与される投与量は、勿論、使用される化合物、投与方法、望まれる処置および適応される疾患で変動するであろう。
【0038】
式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物は、それら自身で使用され得るが、式(I)の化合物/塩/溶媒和物(有効成分)が薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体と組み合わせた医薬組成物の形で一般的に投与されるであろう。投与方法に依存して、医薬組成物は、好ましくは0.05〜99%w(重量パーセント)、さらに好ましくは0.05〜80%w、まださらに好ましくは0.10〜70%w、およびなおさらに好ましくは0.10〜50%wの有効成分を含むであろうが、全ての重量パーセントは全量の組成物に基づいている。
【0039】
本発明はまた、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体と組み合わせた、これ以前に規定される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
【0040】
本発明はさらに、これ以前に規定される式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体と混合することを含む、本発明の医薬組成物の製造方法を提供する。
【0041】
医薬組成物は、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカン・エアゾール剤および乾燥粉末製剤の形で局所に(肺および/もしくは気管へのまたは皮膚への);または、例えば、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤もしくは顆粒剤の形態での経口投与により、または溶液もしくは懸濁液の形態での非経腸投与により、または皮下投与により、または坐剤の形態での直腸投与により、全身的に、または経皮的に、投与され得る。好ましくは、本発明の化合物は経口で投与される。
【0042】
本発明はさらに、リウマチ性関節炎、骨関節炎、骨粗鬆症、乾癬、炎症性腸疾患、COPD、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎もしくはがん、または多発性硬化症、アルツハイマー病もしくは脳卒中のような神経変性疾患のいずれか一つの処置のための組み合わせ療法に関する。
【0043】
リウマチ性関節症の処置のために、本発明の化合物は、抗TNFモノクローナル抗体(Remicade、CDP−870およびHumiraのような)および可溶性TNF受容体イムノグロブリン分子(Enbrel.reg.のような)のようなTNF−α阻害剤、ならびにIL−1受容体アンタゴニスト(Anakinraのような)ならびにIL−1トラップ、IL−18受容体、抗−IL−6 Ab、抗−CD20 Ab、抗−IL−15 AbおよびCTLA4Igのような“生物学的薬剤”と組み合わされ得る。
【0044】
組み合わせに使用される適当な薬剤には、ピロキシカム、ジクロフェナクのような標準的非ステロイド性抗炎症性薬剤(以下NSAID類)、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンもしくはイブプロフェンのようなプロピオン酸類、メフェナミン酸、インドメサシン、スリンダク、アパゾンのようなフェナメート類、フェニルブタゾンのようなピラゾロン類、アスピリンのようなサリチレート類、ならびにシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤(メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブおよびエトリコキシブのような)、およびシクロオキシゲナーゼ阻害性一酸化窒素供与体(CINOD類)ならびにメトトレキセート、スルファサラジン、シクロスポリンA、レフノミド;シクレソニド;ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィンまたは非経腸用もしくは経口用金製剤のような“疾患修飾剤”(DMARD類)が含まれる。
【0045】
本発明はまださらに、ジロートン;ABT−761;フェンレウトン(fenleuton);テポキサリン;Abott−79175;Abott−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド類;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;Zeneca ZD−2138のようなメトキシテトラヒドロピラン類;化合物SB−210661;L−739,010のようなピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物;L−746,530のような2−シアノキノリン化合物;MK−591、MK−886、およびBAY x 1005のようなインドールならびにキノリン化合物から成る群より選択されるロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤もしくは5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニストと、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0046】
本発明はまださらに、L−651,392のようなフェノチアジン−3−オン類;CGS−25019cのようなアミジノ化合物;オンタゾラストのようなベンゾキサラミン類;BIIL284/260のようなベンゼンカルボキシミダミド類;ならびにザフィルルカスト、アブルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP45715A)およびBAY x 7195のような化合物からなる群より選択される、ロイコトリエンLTB、LTC、LTDおよびLTEに対する受容体アンタゴニストと、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0047】
本発明はまださらに、PDE4Dのアイソフォームの阻害剤を含むホスホジエステラーゼ−4(PDE4)阻害剤と、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0048】
本発明はまださらに、セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、およびクロルフェニラミンのようなヒスタミン性H受容体アンタゴニストと、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0049】
本発明はまださらに、胃保護性ヒスタミン性H受容体アンタゴニストもしくはプロトンポンプ阻害剤(オメプラゾールのような)と、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0050】
本発明はまださらに、プロピルヘキセドリン、フェニルエフリン、フェニルプロパノラミン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリンおよび塩酸エチルノルエピネフリンを含む、α−ならびにα−アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮交感神経模倣薬剤と、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0051】
本発明はまださらに、臭化イプラトロピウム;臭化チオトロピウム;臭化オキシトロピウム;ピレンゼピン;およびテレンゼピンを含む抗コリン作動剤と、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0052】
本発明はまださらに、メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メシル酸ビトルテロール、およびピルブテロールを含むβ−〜β−アドレナリン受容体アゴニスト、もしくはテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;クロモグリク酸ナトリウム;またはムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニストと、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0053】
本発明はまださらに、CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーに対する);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーに対する)ならびにC−X−Cファミリーに対するCXCR1のようなケモカイン受容体機能の他のモジュレーターと、本発明の化合物の組み合わせに関する。
本発明はまださらに、I型インシュリン様増殖因子(IGF−I)模倣薬と、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0054】
本発明はまださらに、プレドニソン、プレドニソロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタソン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカソン、およびフロン酸モメタソンを含む、吸入グルココルチコイドと、本発明の化合物の低全身性副作用を有する組み合わせに関する。
【0055】
本発明はまださらに、(a)トリプターゼ阻害剤;(b)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(c)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(d)IMPDH阻害剤;(e)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(f)カテプシン;(g)MAPキナーゼ阻害剤;(h)グルコース−6−リン酸エステル脱水素酵素阻害剤;(i)キニン−B−およびB−受容体アンタゴニスト;(j)抗痛風剤、例えば、コルヒチン:(k)キサンチン酸化酵素阻害剤、例えば、アロプリノール;(l)尿酸排泄剤、例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾン、およびベンズブロマロン;(m)成長ホルモン分泌促進物質;(n)トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);(o)血小板由来増殖因子(PDGF);(p)線維芽細胞増殖因子、例えば塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF);(q)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(r)カプサイシンクリーム;(s)NKP−608C;SB−233412(タルネタント);およびD−4418からなる群より選択されるタキキニンNKおよびNK受容体アンタゴニスト;(t)UT−77およびZD−0892からなる群より選択されるエラスターゼ阻害剤;(u)誘発型酸化窒素合成酵素阻害剤(iNOS);もしくは(v)TH2細胞の上に発現される化学誘引物質受容体相同分子、(CRTH2アンタゴニスト)と、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0056】
本発明はまださらに、マトリックス金属プロテアーゼ(MMP類)の阻害剤、即ち、ストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、ならびにアグリカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)、およびMMP−12阻害剤と、本発明の化合物の組み合わせに関する。
【0057】
また、本発明の化合物を、骨関節炎の処置のための現存する治療薬との組み合わせに使用することができる。組み合わせに使用される適当な薬剤には、ピロキシカムもしくはジクロフェナクのような標準的非ステロイド系抗炎症性薬剤(以後NSAID類)、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンもしくはイブプロフェンのようなプロピオン酸、メフェナミン酸、インドメサシン、スリンダク、アパゾンのようなフェナメート類、フェニルブタゾンのようなピラゾロン類、アスピリンのようなサリチレート類、誘発型酸化窒素合成酵素阻害剤(iNOS阻害剤)、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブおよびエトリコキシブのようなCOX−2阻害剤、ならびにシクロオキシゲナーゼ阻害性一酸化窒素供与体(CINOD類)鎮痛剤(パラセタモールおよびトラマドールのような)、ジアセレイン、ドキシサイクリンおよびグルコサミンのような軟骨維持剤、ならびにコルチコステロイドならびにヒアルガンおよびシンビスクのようなヒアルロン酸類のような関節内治療薬ならびにP2X7受容体アンタゴニストが含まれる。
【0058】
また、本発明の化合物を、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)の処置のための現存する治療薬との組み合わせに使用することができる。使用される適当な薬剤には、スルファサラジン、5−アミノ−サリチラート類、チオプリン類、アザチオプリンおよび6−メルカプトプリンならびにブテソニドのようなコルチコステロイドが含まれる。
また、本発明の化合物を、Viracept、AZT、アシクロビルおよびファムシクロビルのような抗ウィルス薬剤、ならびにValantのような殺菌化合物との組み合わせに使用し得る。
【0059】
また、本発明の化合物を、カルシウムチャネル遮断薬のような心臓血管薬剤、スタチン、フィブラート、β遮断薬のような脂質低下薬剤、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンー2受容体アンタゴニストおよび血小板凝集阻害剤との組み合わせに使用し得る。
【0060】
また、本発明の化合物を、抗うつ剤(セルトラリンのような)、抗−パーキンソン薬物(デプレニル、L−ドーパ、Requip、Mirapex、セレギンおよびラサギリンのようなMAOB阻害剤、TasmarのようなcomP阻害剤、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニストならびにニューロン酸化窒素合成酵素阻害剤のような)、ならびにドネペジル、タクリンのような抗アルツハイマー薬物、COX−2阻害剤、プロペントフィリンもしくはメトリフォネートのような中枢神経薬剤との組み合わせに使用し得る。
【0061】
また、本発明の化合物を、ロロキシフェン、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェンもしくはホソマックスのような骨粗鬆症剤、ならびにFK−506、ラパマイシン、シクロスポリン、アザチオプリンおよびメトトレキサートのような免疫抑制剤との組み合わせに使用し得る。
【0062】
また、本発明の化合物を、がんの処置のために既存の治療薬との組み合わせに使用することができる。組み合わせに使用される適切な薬剤には以下のものが含まれる:
(i) アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロゲンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンおよびニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシルおよびテガフルのようなフルオロピリミジン類のような葉酸拮抗剤、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ゲムシタビンおよびパクリタキセル(Taxol[登録商標]));抗腫瘍性抗生物質(例えば、アドリアマイシンのようなアンスラサイクリン類、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンのようなビンカルカロイド類、ならびにタキソールおよびタキソテールのようなタキソイド類);ならびにトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン類、アムサクリン、トポテカンならびにカンプトテシン)のような、内科的腫瘍学で使用されるように、抗増殖性/抗悪性腫瘍薬およびそれらの組み合わせ;
(ii) 抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、エストロゲン受容体下方制御剤(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストもしくはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリンおよびブセレリン)、プロゲステロン類(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタンのように)ならびにフィナステリドのような5a還元化酵素の阻害剤のような、細胞増殖抑制剤;
(iii) がん細胞浸潤を阻害する薬剤(例えば、マリマスタットのような金属プロテイナーゼ阻害剤およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤);
(iv) 増殖因子機能の阻害剤、例えば、そのような阻害剤には、増殖因子の抗体、増殖因子受容体の抗体(例えば、抗erbb2抗体トラスツズマブ[Herceptin[登録商標]]および抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤ならびにセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、例えば、上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルフォリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィティニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルフォリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033)のようなEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤)、例えば血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤ならびに例えば肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤が含まれる;
(v) 血管内皮細胞増殖因子の作用を阻害する薬剤、(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[Avastin[登録商標]]、国際特許出願WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856およびWO 98/13354に開示されているもののような化合物)、ならびに他の機構により働く化合物(例えばリノミド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤およびアンギオスタチン)、のような血管新生阻害剤;
(vi) コンブレタスタチンA4ならびに国際特許出願WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO 01/92224、WO 02/04434およびWO 02/08213に開示されている化合物のような血管損傷剤;
(vii) アンチセンス治療薬;例えば、ISIS 2503、抗rasアンチセンス剤、のように、上で表示される標的に向けられるもの;
(viii) 例えば、異常p53または異常BRCA1もしくはBRCA2のような異常な遺伝子を置換するアプローチ、シトシンデミナーゼ、チミジンキナーゼもしくは細菌ニトロレダクターゼ酵素を用いるもののようなGDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ療法)アプローチ、および多剤耐性遺伝子治療のような化学療法もしくは放射線療法に対する患者の耐性を増加させるアプローチを含む、遺伝子治療アプローチ;ならびに
(ix) 例えば、インターロイキン2、インターロイキン4もしくは顆粒細胞−マクロファージコロニー刺激因子のようなサイトカインとのトランスフェクションのような、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増加させるエクスビボおよびインビボのアプローチ、T細胞無応答を減少させるアプローチ、サイトカインをトランスフェクトした樹状細胞のようなトランスフェクトした免疫細胞を用いるアプローチ、サイトカインをトランスフェクトした腫瘍細胞株を用いるアプローチ、ならびに抗イディオタイプ抗体を用いるアプローチを含む、免疫療法アプローチ。
以下の実施例は本発明を例示する。
【実施例】
【0063】
実施例1
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化16】

水素化ナトリウム(油中の60%w/wの0.07g)を1,2−ジメトキシエタン(5ml)中の3−メトキシ−2−キノキサリンアミン(0.15g)に窒素下に室温で加えた。30分後に、塩化2,3−ジクロロベンゼンスルホニル(0.204g)を加えた。3時間後に、さらに水素化ナトリウム(油中の60%w/wの0.03g)および塩化2,3−ジクロロベンゼンスルホニル(0.03g)を加えた。16時間攪拌の後に、5%水性クエン酸を加えて、生成物を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合併した抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥して、溶媒を留去した。イソヘキサン/酢酸エチル/メタノール混合液で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーによって、表題化合物を無色の固体(0.033g)として得た。
m/e 382/4/6 (M-1+)
1H NMR (D6-DMSO) δ 8.31 (1H, s); 7.94 (1H, d); 7.73-7.61 (3H, m); 7.54-7.44 (3H, m); 4.03 (3H, s)。
【0064】
実施例2
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド
【化17】

Labotestから市販の試料として取得した。
【0065】
実施例3
5−クロロ−N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド
【化18】

水素化ナトリウム(油中の60%w/wの0.07g)を1,2−ジメトキシエタン(5ml)中の3−メトキシ−2−キノキサリンアミン(0.15g)に窒素下に室温で加えた。30分後に、塩化5−クロロ−2−チエニルスルホニル(0.184g)を加えた。3時間後に、さらに水素化ナトリウム(油中の60%w/wの0.04g)および塩化5−クロロ−2−チエニルスルホニル(0.04g)を加えた。16時間攪拌の後に、5%水性クエン酸を加えて、生成物を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合併した抽出液を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)して、溶媒を留去した。イソヘキサン/酢酸エチル/メタノール混合液で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーによって、表題化合物を白色の固体(0.35g)として得た。
m/e 356/8 (M-1+)
1H NMR (D6-DMSO) δ 7.93-7.87 (1H, m); 7.82 (1H, d); 7.78-7.69 (1H, m); 7.62-7.53 (2H, m); 7.25 (1H, d); 4.04 (3H, s)。
【0066】
実施例4
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド
【化19】

Enamine, Kiev, Ukraineから市販の試料として取得した。
【0067】
実施例5
N−[3−(2−フリルメトキシ)キノキサリン−2−イル]チオフェン−2−スルホンアミド
【化20】

Enamine, Kiev, Ukraineから市販の試料として取得した。
【0068】
実施例6
2,3−ジクロロ−N−(3,7−ジメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
【化21】

【0069】
a) 2,3−ジクロロ−N−(3−クロロ−7−メトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド(0.5g)および炭酸セシウム(0.72g)の混合物を1−メチル−2−ピロリジノン(10ml)中で10分間一緒に室温で攪拌した。次いで、2,3−ジクロロ−6−メトキシキノキサリン(0.51g)を加えて、生じた混合液を100℃へ24時間加熱した。反応混合液を冷却して、次いで、2M塩酸を用いてpH3に酸性化した。生成物を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合併した抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過して、濃縮して、副表題化合物を黄色の固体(0.62g)として得た。
【0070】
b) メタノール中の2,3−ジクロロ−N−(3−クロロ−7−メトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(実施例6a、0.62g)の懸濁液に、メタノール中の3Nナトリウムメトキシドの溶液(4.7ml)を加えた。反応混合液を加熱して、24時間還流した。反応混合液を冷却して、次いで、2M塩酸を用いてpH6に酸性化した。生成物を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合併した抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過して、次いで、濃縮した。残渣を、イソヘキサン:酢酸エチルの9:1〜8:2で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色の固体(0.163g)として得た。
m/e 412 (M+1+)
1H NMR (D6-DMSO、主なレギオ異性体) δ 8.27 (1H, br s); 7.99-7.89 (1H, m); 7.64-7.54 (2H, m); 7.15-7.10 (1H, m ); 6.86 (1H, br s); 4.02(3H, s); 3.83 (3H, s)。
【0071】
実施例7および8
2,3−ジクロロ−N−(2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)ベンゼンスルホンアミドおよび2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
【化22】

【0072】
a) 2−クロロ−3−メトキシ−ピリド[2,3−b]ピラジン
メタノール中の2,3−ジクロロ−ピリド[2,3−b]ピラジン(0.5g)の溶液にナトリウムメトキシドの0.3N溶液(6.5ml)を加えた。生じた混合液を加熱して、4時間還流し、冷却させて、実施例(7b)で使用した。
【0073】
b) 2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド(0.59g)および炭酸セシウム(0.85g)の混合物を1−メチル−2−ピロリジノン(10ml)中で10分間一緒に室温で攪拌した。次いで、実施例7aからの反応混合液を滴下して、生じた混合液を120℃へ24時間加熱した。反応混合液を冷却し、シリカゲルの上に吸着して、ジクロロメタン:メタノールの98:2〜95:5で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。得られた残渣(0.062g)を0.2%水性TFA/アセトニトリルの85:35を用いるRPHPLCによりさらに精製した。これによって、表題化合物を(TFA塩)として溶離の順番に得た:
黄色の固体(0.017g)として2,3−ジクロロ−N−(2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド。
m/e 385 (M+1+)
1H NMR (D6-DMSO) δ 8.36-8.34 (2H, m); 8.19 (1H, d); 7.80 (1H, d); 7.53-7.45 (2H, m); 4.00 (3H, s)。
融点:238−239℃
白色の固体(0.012g)として2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)。
m/e 385 (M+1+)
1H NMR (D6-DMSO) δ 8.40 (1H, br d); 8.29 (1H, br s); 7.93 (1H, d); 7.62 (1H, t); 7.29 (1H, dd); 3.63 (3H, s)。
融点:217−218℃
【0074】
実施例9
2,3−ジクロロ−N−(3,6,7−トリメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
【化23】

【0075】
a) 2,3−ジクロロ−N−(3−クロロ−6,7−ジメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド(0.255g)および炭酸セシウム(0.368g)ならびに2,3−ジクロロ−6,7−ジメトキシキノキサリン(0.292g)の混合物を1−メチル−2−ピロリジノン(10ml)中で一緒に100℃で24時間加熱した。反応混合液を冷却させて、実施例9bで使用した。
m/e 448 (M+1+)
【0076】
b) 実施例(9a)からの反応混合液に、メタノール(10ml)および、次いで、メタノール中の3Nナトリウムメトキシドの溶液(3.6ml)を加えた。反応混合液を加熱して、24時間還流して、次いで、冷却させた。反応混合液を水の上に注いで、2M塩酸でpH3/4に酸性化した。生成物を酢酸エチル(3×20ml)の中に抽出して、合併した有機抽出液を水(7×10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥して、ろ過した。ろ液をシリカゲルの上に吸着して、イソヘキサン:酢酸エチルの8:2、1:1、メタノールで溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。得られた残渣(0.1g)をメタノールの中で粉末化して、ろ過により収集した。これを、0.2%水性酢酸アンモニウム/アセトニトリルの95:5を用いるRPHPLCによりさらに精製した。これによって、表題化合物をベージュ色の固体(0.0189g)として得た。
m/e 442 (M-1+)
1H NMR (D6-DMSO) δ 8.28 (1H, broad s); 7.93 (1H, d); 7.64 (1H, t); 7.14 (1H, s); 6.84 (1H, broad s); 3.98 (3H, s); 3.84 (6H, d)。
融点:215℃。
【0077】
実施例10
2,3−ジクロロ−N−(6,7−ジクロロ−3−メトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
【化24】

【0078】
a) 2,3−ジクロロ−N−(3,6,7−トリクロロキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド(0.21g)および炭酸セシウム(0.30g)の混合物を1−メチル−2−ピロリジノン(10ml)中で10分間一緒に室温で攪拌した。次いで、2,3,6,7−テトラクロロキノキサリン(0.25g)を加えて、生じた混合液を70℃へ24時間加熱した。反応混合液を冷却して、水の上に注いで、次いで、2M塩酸を用いてpH3/4に酸性化した。生成物を酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。合併した抽出液を水(6×10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過して、濃縮して、副表題化合物を黄色の固体(0.35g)として得た。
m/e 458 (M+1+)。
【0079】
b) メタノール(3.68ml)中のナトリウムメトキシド(1.155mmol)をメタノール(10ml)中の2,3−ジクロロ−N−(3,6,7−トリクロロキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(実施例10a、0.35g)に加えた。生じた混合液を加熱して、24時間還流した。次いで、冷却した反応混合液をシリカゲルの上に吸着して、イソヘキサン:酢酸エチルの8:2、1:1で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を黄色の固体(0.102g)として得た。
m/e 454 (M+1+、98.8%)
1H NMR (D6-DMSO) δ 8.26 (1H, d);7.81-7.77 (2H, m); 7.57 (1H, t); 7.39 (1H, br s); 3.97 (3H, s)。
融点:283−285℃。
【0080】
実施例11および12
N−(7−ブロモ−3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミドおよびN−(7−ブロモ−2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド
【化25】

7−ブロモ−2,3−ジクロロピリド[2,3−b]ピラジン(3.2g)、炭酸セシウム(3.91g)および2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド(2.71g)の攪拌した混合物を乾燥アセトニトリル(100ml)の中で一緒に混合して、60℃へ5時間加熱した。反応混合液を冷却して、濃縮した。残渣をメタノール(50ml)の中に懸濁して、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(25重量%、10ml)を加えて、生じた懸濁液を60℃で3時間攪拌した。反応混合液を冷却して、濃縮して、残渣を酢酸エチル(100ml)および水(100ml)の間に分配した。水層を飽和クエン酸で酸性化して、有機層を酢酸エチル(2×100ml)の中に抽出した。合併した抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過して、濃縮した。残渣をジクロロメタン中の1〜5%メタノールで溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を溶離の順番に得た:
N−(7−ブロモ−3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド
m/e 462/464 (M+1+)
1H NMR (DMSO) δ 8.68 (1H, d); 8.40(1H, d); 8.23 (1H, dd); 7.91 (1H, dd); 7.62 (1H, t); 4.06 (3H, s)。
融点:230−231℃
N−(7−ブロモ−2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド
m/e 463/465 (M-1+)
1H NMR (DMSO) δ 8.74 (1H, d); 8.34 (1H, dd); 8.20 (1H, br s); 7.93 (1H, dd); 7.65 (1H, t); 4.08 (3H, s)。
融点:233−234℃
【0081】
実施例13
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[3,4−b]ピラジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
【化26】

乾燥アセトニトリル(10ml)中の2,3−ジクロロピリド[3,4−b]ピラジン(0.15g)、炭酸セシウム(0.326g)および2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド(0.181g)の懸濁液を室温で20時間攪拌した。反応混合物を濃縮して、溶媒を乾燥メタノール(10ml)に交換して、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(25重量%、2ml)を加えて、生じたを懸濁液を60℃で3時間攪拌した。反応混合液を冷却して、濃縮して、残渣を酢酸エチル(100ml)および水(100ml)の間に分配した。水層を飽和クエン酸で酸性化して、有機層を酢酸エチル(2×100ml)の中に抽出した。合併した抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過して、濃縮した。残渣をジクロロメタン中の10%メタノールで溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を灰白色の固体(0.030g)として得た:
m/e 385/387 (M+1+)
1H NMR (DMSO) δ 8.91 (1H, s); 8.27(1H, d); 8.19 (1H, d); 7.76 (1H, d); 7.53 (1H, t); 7.16 (1H, t); 4.00 (3H, s)。
融点:256−257℃。
【0082】
薬理データ
FMAT全細胞結合アッセイ
細胞
ヒトの組換えCCR4受容体を安定して発現するCHO−K1細胞(Euroscreen; Brussels, Belgium)を、10%(v/v)のウシ胎児血清および400μg/mlのジェネテシンを含有する、グルタマックス−1を持つNUT.MIX.F_12(HAM)培地の中で培養した。
【0083】
細胞解離緩衝液との処理によりおよそ70%コンフルエンスで、細胞を収穫して、5×10細胞/100μlの培地において黒色Costar透明底98−穴マイクロタイタープレートの穴の中に接種した。プレートを終夜37℃で5%COの中でインキュベートして、翌日に使用した。
【0084】
アッセイ
使用前に、細胞プレートを100μlのハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で二回洗浄した。次いで、それぞれの穴に、HBSS 65μl、HBSS中の10%DMSO 10μl±試験化合物および、次いで、25μlの2.8nM FB−MDC(Applied Biosystems)を加えた。この蛍光プローブを、0.08%(v/v)TFA/16%(v/v)アセトニトリル中の10μM原液から調製して、HBSSの中に希釈した。
【0085】
暗所の中で室温で二時間のインキュベーションの後で、プレートをFMAT8100リーダー(Applied Biosystems)の中で分析して、FB−MDCの細胞への結合に関連する蛍光を測定した。化合物の活性をpIC50[対数(50%阻害をもたらす化合物の濃度)]として測定して、対照のおよびバックグラウンドの穴の中の蛍光と比較した。
【0086】
典型的なデータ
蛍光(対照)=1200
蛍光(バックグラウンド)=0
【表1】

実施例の全ての化合物は、5.0よりさらに大きいpIC50を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
【化1】

[式中、
Aはチエニルもしくはフェニル環であり;
X基は独立してNもしくはCRであり;
、RおよびRは独立して水素、ハロゲン、シアノ、CF、OCF、OC1〜6アルキルもしくはC1〜6アルキルであり;
はハロゲン、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る)、C3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれは所望によりヒドロキシもしくはNRで置換され得る)、OC1〜6アルキルRであり;
は独立して水素、C1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子、SO、SONR、シアノ、ハロゲン、CO、CONRで置換され得る);(CH)NR、(CH)OH、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得る)であり;
およびRは独立して水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルもしくは(CH)OHであるか、
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ所望によりC1〜6アルキル、C1〜6アルキル−OH、もしくはヒドロキシにより置換される4〜8員環の飽和環を形成して;
はアリール基であるか、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員環の芳香族複素環であり、それぞれは、所望によりハロゲン、C(O)NR、C(O)OR、ヒドロキシ、=O、=S、CN、NO、NR、X(CH)NR、(CH)NR、(CH)OHから選択される1〜3個の基により置換され得て;
は独立して水素またはC1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得るかもしくは飽和の3〜6員環を形成し得る)であり;
YはOもしくはSであり;
nは1、2、3、4もしくは5であり;そして
qは、2、3、4、5もしくは6である;
ただし、以下の化合物を除外する:
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド;
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド;
N−[3−(2−フリルメトキシ)キノキサリン−2−イル]チオフェン−2−スルホンアミド;
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(3−クロロキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;および
N−(3−クロロキノキサリン−2−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド]。
【請求項2】
Aがフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
、RおよびRの二つがクロロであるかもしくは一つがメチルである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物であって、RがC1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る)、またはC3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれは所望によりヒドロキシもしくはNRで置換され得る)である、化合物。
【請求項5】
がC1〜6アルコキシである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であって、それが:
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3,7−ジメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3,6,7−トリメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(6,7−ジクロロ−3−メトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(7−ブロモ−3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド;
N−(7−ブロモ−2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[3,4−b]ピラジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
およびその薬学的に許容される塩および溶媒和物
である、化合物。
【請求項7】
薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体と組み合わせた、請求項1〜6に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体と混合することを含む、請求項2に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項9】
治療における使用のための請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物。
【請求項10】
治療における使用のための医薬品の製造における、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項11】
ケモカインが一つもしくはそれ以上のケモカイン受容体に結合する、ケモカイン介在疾患を処置する方法であって、式(IA)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む方法:
【化2】

[式中、
Aはチエニルもしくはフェニル環であり;
X基は独立してNもしくはCRであり;
、RおよびRは独立して水素、ハロゲン、シアノ、CF、OCF、OC1〜6アルキルもしくはC1〜6アルキルであり;
はハロゲン、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る)、C3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれはヒドロキシもしくはNRで所望により置換され得る)、OC1〜6アルキルRであり;
は独立して水素、C1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子、SO、SONR、シアノ、ハロゲン、CO、CONRで置換され得る);(CH)NR、(CH)OH、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得る)であり;
およびRは独立して水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルもしくは(CH)OHであるか、
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ所望によりC1〜6アルキル、C1〜6アルキル−OH、もしくはヒドロキシにより置換される4〜8員環の飽和環を形成して;
はアリール基であるか、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員環の芳香族複素環であり、それぞれは、所望によりハロゲン、C(O)NR、C(O)OR、ヒドロキシ、=O、=S、CN、NO、NR、X(CH)NR、(CH)NR、(CH)OHから選択される1〜3個の基により置換され得て;
は独立して水素またはC1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得るかもしくは飽和の3〜6員環を形成し得る)であり;
YはOもしくはSであり;
nは1、2、3、4もしくは5であり;そして
qは、2、3、4、5もしくは6である]。
【請求項12】
ケモカイン受容体がCCRケモカイン受容体サブファミリーに属する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ケモカイン受容体がCCR4受容体である、請求項11もしくは12に記載の方法。
【請求項14】
疾患が喘息である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ケモカイン介在疾患を処置するための医薬品の製造における式(IA)の化合物の使用:
【化3】

[式中、
Aはチエニルもしくはフェニル環であり;
X基は独立してNもしくはCRであり;
、RおよびRは独立して水素、ハロゲン、シアノ、CF、OCF、OC1〜6アルキルもしくはC1〜6アルキルであり;
はハロゲン、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る)、C3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれは所望によりヒドロキシもしくはNRで置換され得る)、OC1〜6アルキルRであり;
は独立して水素、C1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子、SO、SONR、シアノ、ハロゲン、CO、CONRで置換され得る);(CH)NR、(CH)OH、C1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得る)であり;
およびRは独立して水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルもしくは(CH)OHであるか、
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有し、かつ所望によりC1〜6アルキル、C1〜6アルキル−OH、もしくはヒドロキシにより置換される4〜8員環の飽和環を形成して;
はアリール基であるか、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員環の芳香族複素環であり、それぞれは、所望によりハロゲン、C(O)NR、C(O)OR、ヒドロキシ、=O、=S、CN、NO、NR、X(CH)NR、(CH)NR、(CH)OHから選択される1〜3個の基により置換され得て;
は独立して水素またはC1〜6アルキル(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子で置換され得るかもしくは飽和の3〜6員環を形成し得る)であり;
YはOもしくはSであり;
nは1、2、3、4もしくは5であり;そして
qは、2、3、4、5もしくは6である]。
【請求項16】
請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法もしくは使用であって、式(IA)の化合物が:
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド;
N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド;
N−(3−(2−フリルメトキシ)キノキサリン−2−イル]チオフェン−2−スルホンアミド;
5−クロロ−N−(3−メトキシキノキサリン−2−イル)チオフェン−2−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3,7−ジメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3,6,7−トリメトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(6,7−ジクロロ−3−メトキシキノキサリン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(7−ブロモ−3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド;
N−(7−ブロモ−2−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(3−メトキシピリド[3,4−b]ピラジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド;
ならびにそれらの薬学的に許容される塩および溶媒和物
から選択される、方法もしくは使用。
【請求項17】
式(I)の化合物の製造方法であって、
(a) 式(II):
【化4】

[式中、RおよびXは式(I)で規定される通りであるかもしくはそれらの保護誘導体である]の化合物の式(III):
【化5】

[式中、R、RおよびRは式(I)で規定される通りであるかもしくはそれらの保護誘導体であって、LGは脱離基である]の化合物との反応、
(b) 式(IV):
【化6】

(ここで、LGは脱離基である)の化合物を式(V):
【化7】

[式中、R10はC1〜6アルコキシ(ここで、該アルキル基は1〜3個のフッ素原子もしくは1個のシアノ基で置換され得る);C3〜6アルケニルオキシまたはC3〜6アルキニルオキシ(ここで、それぞれは所望によりヒドロキシもしくはNRで置換され得る);OC1〜6アルキルR、またはOC2〜6アルキル−Y−R{ここで、R、RおよびRは式(I)および(II)で規定される通りである}であり得る]の化合物と反応させること、
(c) 式(VI):
【化8】

[式中、RおよびXは式(I)で規定される通りであるかもしくはそれらの保護誘導体である]の化合物を式(VII):
【化9】

[式中、R、RおよびRは式(I)で規定される通りであるかもしくはそれらの保護誘導体であって、LGは脱離基である]の化合物と反応させること、
そして、所望により工程(a)、(b)もしくは(c)の後、
・保護基を除去すること、
・式(I)の化合物を式(I)の更なる化合物へ変換すること
・薬学的に許容される塩を形成すること
を含む、製造方法。

【公表番号】特表2007−503432(P2007−503432A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524604(P2006−524604)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001227
【国際公開番号】WO2005/021513
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】